JP2513808Y2 - ヒンジおよび電気機器ボックス - Google Patents

ヒンジおよび電気機器ボックス

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JP2513808Y2
JP2513808Y2 JP1991035652U JP3565291U JP2513808Y2 JP 2513808 Y2 JP2513808 Y2 JP 2513808Y2 JP 1991035652 U JP1991035652 U JP 1991035652U JP 3565291 U JP3565291 U JP 3565291U JP 2513808 Y2 JP2513808 Y2 JP 2513808Y2
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screw
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雄二 平井
伸市郎 越川
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Sugatsune Kogyo Co Ltd
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Sugatsune Kogyo Co Ltd
Matsushita Electric Works Ltd
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案はヒンジと電気機器ボック
スに関する。より詳しくは、ベースプレート とマウンテ
ィングプレートとの連結構造を改良したヒンジ、およ
び、その改良ヒンジを介して扉が取り付けられた電気機
器ボックスに関する。
【0002】
【従来の技術】ヒンジの一つとして図13に示すものが
ある。このヒンジを用いて扉をキャビネットの開口部に
横開き式に取り付ける場合は、図13を参照して以下の
ようになる。ベースプレートcは、ビスdを介してキャ
ビネットaの側板bの内面b′に固定される。カップ型
のソケットfは、扉eの吊元側内面にある凹所e′内に
埋め込まれ、図示しないビスで扉内面に固定される。ア
ーム部iを介して扉側のソケットfに枢着されているマ
ウンティングプレートgは、ベースプレートc上に重ね
合わされ、かつ、キャビネット開口部に対する扉取付位
置を調整された後に、止めネジhでベースプレートcに
固定される。
【0003】
【考案が解決しようとする課題】図13に例示された従
来ヒンジには、つぎのような技術上の課題が残されてい
る。その一つは、扉の位置決め後に止めネジhを締め付
けることである。このような場合は、マウンティングプ
レートgが不正な方向にずれ動くおそれがあり、これを
阻止しながらマウンティングプレートgを固定しなけれ
ばならないので作業性が悪い。他の一つは、止めネジh
のねじ込み方向が、キャビネットaの側板bに対し直交
していることである。このような場合は、止めネジhを
締め付けるときに、キャビネットa内において工具
(例:ドライバ)を横向きにして操作しなければなら
ず、そのために工具操作が難事となる。とくに扉用開口
部が小さいキャビネットaなどでは、ヒンジの脱着に多
くの時間を費やすだけでなく、扉の取付精度までが低下
する。
【0004】本考案はヒンジに関する技術上の課題を解
決するためになされたものである。本考案の目的の一つ
は、取付ネジをキャビネット等側のベースプレートに対
して中途までねじ込んだ後、扉側ソケットにリンクされ
マウンティングプレートを該取付ネジに嵌め込んで
れをいったん仮止め状態にし、かつ、この状態を得て
取付ネジ締め付けるなど、高精度を要する扉の取り
付けを簡易迅速に行なわせたり、取付ネジの締め付け作
簡素化したりすることにある。
【0005】本考案の目的の他の一つは、ベースプレー
トとマウンティングプレートとの相対構成を適切にする
ことより、既述の取付ネジを締め込む際のドライバ操作
閉じ状態の扉に対して斜め方向から行なわせることで
ある。このような場合は、ドライバをキャビネット内に
装入して操作する必要なく、その開口縁とか、扉から
離れた箇所での容易な工具操作が可能になる。
【0006】本考案の目的の他の一つは、ベースプレー
ト、マウンティングプレートに設けられた凹凸係合部
より、これら両プレート相互の回り止め効果を発揮させ
ることである。こうした場合には、ベースプレートに対
してマウンティングプレートが回転することのない堅固
な取着を一本の取付ネジで実現することができる。
【0007】本考案の目的の他の一つは、前記仮止め状
態における取付ネジの頭を、マウンティングプレートに
設けられた係止突起に引っ掛けて当該仮止め状態を確実
なものにすることであるこうした場合には、仮止め状
態のマウンティングプレートが不測の事態で外れるよう
な不具合を回避することができる。
【0008】本考案の上記以外の目的の一つは、電気機
器ボックスの扉用ヒンジとして本考案のものを適用する
ことにより、内部配線の容易な電気機器ボックスを提供
することにある。このような電気機器ボックスにあって
は、ボックス内のマウンティングプレートを扉に付帯さ
せてこれらを取り外すことができるので、内部配線に際
して扉を外したときに、配線障害物たるマウンティング
プレートもボックス内から退出する。したがって、扉を
取り外した状態の電気機器ボックス内は配線障害物が少
なく、その分だけ電気配線などが行ないやすくなる。ま
た、この場合において、ヒンジのマウンティングプレー
トが合成樹脂製(すなわち電気絶縁性)であれば、ボッ
クス内の電気機器とマウンティングプレートとが近接し
たり接触したりすることがあっても短絡事故が発生せず
安全性である。
【課題を解決するための手段】本考案の請求項1に記載
されたヒンジは所期の目的を達成するために下記の課題
解決手段を特徴とする。すなわち、キャビネット等に装
備されるベースプレートと、このベースプレートに固定
されるマウンティングプレートと、このマウンティング
プレートに回転可能に枢支連結されるものであって前記
キャビネット等の開口を開閉するための扉に固定される
ソケットとを備えたヒンジにおいて、前記ベースプレー
トの前端面にはネジ孔が設けられているとともに、前記
マウンティングプレートには、その前端面から後端面に
まで達するものであって前記キャビネット等の内側方向
を向いた周面部分を開放されたネジ挿通孔が形成されて
おり、前記ベースプレートの前端面とマウンティングプ
レートの後端面とが、前記キャビネット等側から前記扉
側に向かい外方向に傾斜して突き合わされ、かつ、取付
ネジが、前記マウンティングプレートのネジ挿通孔を通
過して前記ベースプレートのネジ孔にねじ込まれている
ことを特徴とする。
【0010】本考案の請求項2に記載されたヒンジは、
その請求項1のものにおいて、互いに突き合わされるベ
ースプレートの前端面、マウンティングプレートの後端
面に凹凸係合部が形成されている。本考案の請求項3に
記載されたヒンジは、その請求項1または2のものにお
いて、取付ネジのネジ頭を引っ掛けるための抜け止め用
の係止突起が、マウンティングプレートのネジ挿通孔の
開口縁に設けられている
【0011】本考案の請求項4に記載された電気機器ボ
ックスは所期の目的を達成するために下記の課題解決手
段を特徴とする。すなわち、電気機器取付部およびその
側方の配線用空間を内部に有していて前面側が開口され
ている下函と、この下函の開口を開閉するための扉と、
該下函の電気機器取付部の側方部において前記扉を開閉
可能に蝶着している前記請求項1または前記請求項3記
載のヒンジとで構成されたことを特徴とする。また、本
考案の請求項5に記載された電気機器ボックスは、その
請求項4のものにおいて、ヒンジのマウンティングプレ
ートが合成樹脂で形成されている
【0012】
【作用】本考案の請求項1に記載されたヒンジによると
きは、つぎのようにして所定部に取り付けられる。たと
えば、ロッカーのごときキャビネットにおいて、その側
板(間仕切)が非常に薄肉の金属板等である場合には、
ベースプレート背板内面にビス止め(固定)され、ま
た、側板が厚肉である場合には、その内面にベースプレ
ートがビス止め(固定)される。ソケットは扉の吊元側
内面に止めネジで固定され、取付ネジはベースプレート
のネジ孔に途中までねじ込まれる。このようにした場合
には、ソケットと枢支連結されているマウンティングプ
レート扉に対して取り付け可能になる。以下、扉を開
いた状態においてマウンティングプレートがキャビネッ
ト等の開口からその内部に差し込まれて、そのマウンテ
ィングプレートのネジ挿通孔に取付ネジが嵌まり込み、
かつ、マウンティングプレートの突き合わせ面(後端
面)とベースプレートの突き合わせ面(前端面)とが
き合わされたときに、これらが仮止め状態になる。この
状態のときにマウンティングプレートがベースプレート
に対して位置決めされ、正確な扉の位置が得られたとき
に取付ネジが締着される。かくて扉の取着完了する。
【0013】本考案の請求項1に記載されたヒンジは、
また、マウンティングプレートのネジ挿通孔がキャビネ
ットの開口側を向いて傾斜しており、しかも、その挿通
孔の周面の一部が開放されているから、キャビネット開
口側からのネジ挿通操作や、ねじ回し操作(ドライバ等
の工具操作)が楽に行なえるものである。したがって止
めネジをキャビネット開口側からネジ挿通孔に斜めに差
し込み、これをさらにベースプレート突き合わせ面のネ
ジ孔へと締め付けて、ベースプレートに対するマウンテ
ィングプレートの固定を強固にすることができる。
【0014】本考案の請求項2に記載されたヒンジにお
いては、ベースプレートの前端面とマウンティングプレ
ートの後端面とを突き合せた際に、これら両プレート
凹凸係合部が互いに係合するので既述の仮止め状態がよ
り確実なものとなり、たとえ一本の取付ネジによる締着
であっても、マウンティングプレートは回転すること
できない状態固定される。したがって、両プレートを
締着するときの信頼性向上する
【0015】本考案の請求項3に記載されたヒンジにお
いては、仮止め状態における取付ネジのネジ頭が、マウ
ンティングプレートに設けられた係止突起に引っ掛かっ
て保持されるから、不測の事態でマウンティングプレー
トがベースプレートから離脱することがない。
【0016】本考案の請求項4に記載された電気機器ボ
ックスは、これの内部に電気機器取付部や配線用空間を
有するものであり、これの扉が本考案ヒンジで取り付け
られている。かかる電気機器ボックスにおいて、ヒンジ
を所定の箇所で分解して扉を取り外した場合には、ヒン
ジのマウンティングプレートがボックス内に存在しなく
なる。したがって、電線などを配線用空間内に嵌め込み
やすくなる。本考案の請求項5に記載された電気機器ボ
ックスは、マウンティングプレートが合成樹脂製(電気
絶縁性)のものであるから、これに電線などが近接した
り接触したりしても、電線が電気機器ボックスと導通状
態にならず安全である。
【0017】
【実施例】本考案に係るヒンジおよび電気機器ボックス
の実施例を添付の図面に基づいて説明する。図1
図9などに明示されているように、ベースプレート
1は側面略下向きのコ字形をなしており、後述するマウ
ンティングプレート2が突き合わされる前端面は、外側
端面4から内側端面5へ向け40°程度の角度α
した突き合わせ面3となっている。き合わせ面3の
ほぼ中央部には、ここを貫通するネジ孔6が形成されて
おり、突き合わせ面3上には、二個のダボ7がネジ孔6
との相対間隔をおいて突出している。ベースプレート1
上下両側板1aには、これらの端部から外向きに折れ
曲がった取付座1bが連続しているとともに、両取付座
1bのほぼ中央部には、これらの部分を貫通する取付孔
8がそれぞれ形成されている。
【0018】ウンティングプレート2は、その上下幅
・左右幅がベースプレート1のそれらとほぼ同一形成
されており、その後端面も、ベースプレート1の突き合
わせ面3対応する角度α′傾斜した突き合わせ面9
となっている。突き合わせ面9には、段10a、開口1
0bなどを有するネジ挿通孔10が形成されている。す
なわち、マウンティングプレート2の場合は、突き合わ
せ面9の裏側が空所となっていてその裏側に段10aが
あり、その内側端面2aに開口10bがある。したがっ
て、ネジ挿通孔10は溝状をなしている。このネジ挿通
孔10はベースプレート1のネジ孔6と対応するもので
ある。ベースプレート1の突き合わせ面9には、ベース
プレート1の両ダボ7と密に嵌まり合う二個のダボ穴1
1が形成されている。自明のとおり、ダボ7とダボ穴1
1は、これらが一対となって凹凸係合部を構成してい
る。
【0019】図1、図2を参照して明らかなように、ソ
ケット14は扉12の吊元側内面の凹所12aに埋め込
まれ、ビス13扉12に固定されるものである。ま
た、マウンティングプレート2とソケット14とは、こ
れらの対向端部にわたる二本のアーム19、20、四本
の枢軸15、16、17、18などを介して回転可能か
つ屈伸自在に連結されるものである。すなわち一方のア
ーム19は、その一端部が枢軸15を介してマウンティ
ングプレート2の連結端に枢着されており、その他端部
が枢軸16を介してソケット14の連結端に枢着されて
いる。他方のアーム20も、その一端部が枢軸17を介
してマウンティングプレート2の連結端に枢着されてお
り、その他端部が枢軸18を介してソケット14の連結
端に枢着されている。ソケット14に連結されたマウン
ティングプレート2を後述のごとくベースプレート1に
固定した場合には、両ア−ム19、20の案内により扉
12を広角度に開くことができる。また、扉12を閉じ
たときには、両アーム19、20の一部とマウンティン
グプレート2の前端部とソケット14の凹所14a内
に収容される。一例として、ベースプレート1は金属板
曲げ加工したものからなり、マウンティングプレート
2は、金属および/または合成樹脂形成されたものか
らなる。
【0020】図1、図2に示されたロッカーのようなキ
ャビネット21では、側板22が薄い仕切板で形成され
ており、しかも側板22が開口21aから離れた位置
にある。図1〜図3の実施例によるヒンジは、ロッカー
のようなキャビネット21に扉12を取り付ける場合に
適している。これに際しては、以下のような手順が取ら
れる。はじめは、キャビネット背面23の内面におい
て、ベースプレート1がビス24で所定位置に固定され
る。つぎに、ソケット14を通じて扉12に連結されて
いるマウンティングプレート2の突き合わせ面9とベー
スプレート1の突き合わせ面3とが、扉12を開いた状
態で付き合わされ、凹凸係合部(ダボ7とダボ穴11)
が嵌め合わされる。かくてマウンティングプレート2
は、ベースプレート1に対して所定の位置向きに位置
決めされる。
【0021】上記において、取付ネジ25の先端部があ
らかじめネジ孔6にねじ込まれ、マウンティングプレー
ト2ベースプレート1の突き合わせ面3に沿って側方
から差し込まれる場合には、止めネジ25がネジ挿通孔
内側端の口10bからネジ挿通孔10に挿入され、か
つ、ダボ7とダボ穴11とが嵌め合わされた後に、マウ
ンティングプレート2が取付ネジ25でベースプレート
1に締着固定される。また、図示例のように、両突き合
わせ面3、9キャビネット21側から扉12側へと
方向へ傾斜して突き合わされる場合には、斜め方向から
工具(例:ドライバ)26を操作することができる。す
なわち、キャビネット21の開口縁や扉12から離れた
状態での工具操作が可能となり、扉12の取り付け
外しのための作業が簡単かつ能率よく行なえる。
【0022】図4は本考案に係るヒンジ他実施例を示
している。この実施例では、ベースプレート1の取付座
1bが横向きに形成されているために、ベースプレート
1がビス24でキャビネット側板22の内面所定位置
に固定されるものである。それ以外は前記実施例と同じ
である。
【0023】本考案に係るヒンジとして図12に示され
ものは、つぎの事項が図9に例示 のものと相違する。
マウンティングプレート2のネジ挿通孔10が開口10
bを有している場合は、既述の仮止め状態を得るときに
取付ネジ25が開口10bからネジ挿通孔10に嵌め込
まれる。図12の実施例では、取付ネジ25のネジ
引っ掛けるための一対の係止突起27がマウンティング
プレート2に設けられている。かかる係止突起27は、
前述した仮止め状態のとき、マウンティングプレート2
ベースプレート1から離脱して扉12が外れるのを確
実に防止する。
【0024】本考案に係る電気機器ボックスとして図5
〜図8に例示されたものは、分電盤からなる。分電盤の
下函すなわちキャビネット21内において、その中央部
には電気機器取付部29があり、電気機器取付部29の
側方に配線用空間28が形成されている。キャビネッ
ト21の開口21aは電気機器取付部29の前面側に
る。分電盤の中扉すなわち開口21aを開閉するための
扉12は、本考案ヒンジを介して電気機器取付部29の
側方部に蝶着されている。図5〜図8中、30はキャビ
ネットの外扉、31は外扉30のヒンジ、32は配線用
空間28に内装された電線をそれぞれ示す。
【0025】図5〜図8に例示された分電盤において
は、フレーム33がネジ34でキャビネット21の底部
に固定され、本考案ヒンジのベースプレート1がビス2
でフレーム33に固定され、扉12には、前記と同じ
ソケット14取り付けられる。以下、図8に示す
12の全開状態において、取付ネジ25がマウンティン
グプレート2のネジ挿通孔10bに嵌め込まれたときに
既述の仮止め状態が得られ、その後取付ネジ25
されたときに図7に示す扉12の取り付け状態が得ら
れる。
【0026】図5〜図8に例示された分電において
12を取り外したときには、マウンティングプレート2
キャビネット21内から取り除かれてそこに空間が
じるものである。この空間は、電線32をキャビネット
21外から配線用空間28内に入れるときに有効に利用
される。
【0027】図12のごとき係止突起27をもつヒンジ
を用いて扉12を電気機器ボックスに取り付ける場合に
は、図10、図11から理解できるように、取付ネジ2
5のネジ頭が係止突起27に掛かるために前記仮止め状
態が安定する。
【0028】図10、図11に示されているヒンジは、
また、扉12が90°〜110°程度の開き角度にな
たときに、アーム外側面20aとマウンティングプレー
ト前端部2bの側面2c、アーム他端20bとアーム1
9の枢軸16など、これらの一方または方が相互に当
するので、扉12の全開前にアーム20強制的に一
時停止されてリンク仮停止状態になる。この仮停止状
態のときは、図11においてアーム19両端の枢着点
A、A′を結ぶ直線a−a′がアム他端20bの枢着
点Bよりも内側に位置する。
【0029】上記仮停止状態以降の扉開放においては、
アーム19のみの回動で扉12が開かれる。このときに
マウンティングプレート前端部2bまたはアーム19の
枢軸16とアーム20とが押し当たるので、アーム19
には、これら部材固有の弾性に基づき上記仮停止状態に
戻る方向の反力が作用する。この反力に抗してアーム1
9が扉12の開き方向へさらに回動されたとき、すなわ
ち、図11において前記直線a−a′がアーム他端20
bの枢着点Bをわずかに越える位置までアーム19が回
動されたときには、アーム19を扉12の開き方向へ回
動させるような上記反力の作用方向の変換が生じる。
の結果、扉12は、扉開き方向の力を付与されたアーム
19により全開されて停止状態に保持される。これは上
記反力の作用方向の変換が一方の枢着点Aと他方の枢着
点Bとを結ぶ直線を境にして行なわれるように、マウン
ティングプレート2とソケット14とが上記2本のアー
ム19、20を主体にして牽連構成されているからであ
る。
【0030】このようなヒンジを用いた場合には、扉1
2を全開したときにこれを上記のごとく係止保持するこ
とができる。したがって、図11のごとき実施例におい
て扉12を取り付けたり取り外したりするとき、マウン
ティングプレート2が不正な方向にずれ動くことがな
く、これらの操作が行ないやすい。また、分電盤に適用
した場合も、これの扉12を全開状態保持することが
できるから、配線作業などが行ないやすい。
【0031】
【考案の効果】本考案に係るヒンジ(請求項1)による
ときは、ベースプレートに途中までねじ込まれた取付
ジとマウンティングプレートのネジ挿通孔とを嵌め合っ
扉を仮止め状態に保持し、この仮止め状態のときにマ
ウンティングプレートをベースプレートに対して位置決
めし、正確な扉の位置が得られたときに取付ネジ本格
的に締着するなど、これらの作業で扉を正確に取り付け
ることができ、その逆の作業で扉を取り外すことができ
る。したがって、取付ネジを操作して行なう扉の取
け取外し作業が簡易迅速化し、その作業能率が向上
る。
【0032】本考案に係るヒンジ(請求項1)は、ま
た、マウンティングプレートのネジ挿通孔の周面の一部
が開放されており、かつ、ベースプレートとマウンティ
ングプレートの突き合わせ面傾斜しているから、本考
案ヒンジが、たとえば、扉用開口を有するキャビネット
の内部と扉の内面とにわたって装着されている場合に、
キャビネット内におけるネジ挿通孔へのネジ挿通操作
や、扉用開口を通じて行なう取付ネジの工具操作が楽に
行なえるばかりか、これに依存してベースプレートに対
するマウンティングプレートの固定を強固にすることが
できる。
【0033】本考案に係るヒンジ(請求項2)において
は、ベースプレート前端面とマウンティングプレート後
端面とを突き合せた際に、これらの凹凸係合部が互いに
係合するから、取付ネジ本数の多寡にかかわらず既述の
仮止め状態をより確実なものにすることができ、両プレ
ートを締着したときの信頼性も向上する
【0034】本考案に係るヒンジ(請求項3)において
は、前記仮止め状態のときに、取付ネジのネジ頭が、マ
ウンティングプレート側の係止突起に引っ掛かって保持
されるから、不測の事態でマウンティングプレートがベ
ースプレートから離脱することがなく、したがって、こ
の点でも前記仮止め状態の信頼性が向上する。
【0035】 本考案に係る電気ボックス(請求項4)に
よるときは、本考案ヒンジを所定の箇所で分解して扉を
取り外したときに、本考案ヒンジマウンティングプレ
ートが本考案電気ボックス内に存在しなくなるから、電
線などを配線用空間内に嵌め込みやすくなる。
【0036】 本考案に係る電気ボックス(請求項5)
は、マウンティングプレートが合成樹脂製(電気絶縁
性)のものであるから、これに電線などが近接したり接
触したりしても、電線が電気機器ボックスと導通状態に
ならず安全である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案に係るヒンジの一実施例を扉の取り付け
に適用された状態と共にした要部横断面図である。
【図2】図1に示されたヒンジを同図の矢印方向からみ
側面図である。
【図3】図1のヒンジにおけるベースプレートの斜視図
(A)とマウンティングプレーの斜視図(B)である。
【図4】本考案に係るヒンジの他実施例を扉の扉の取り
付けに適用された状態と共にした要部横断面図であ
る。
【図5】本考案に係る電気機器ボックスの一実施例
開き状態にして示した斜視図である。
【図6】図5に示された電気機器ボックスの横断面図で
ある。
【図7】図5に示された電気機器ボックスにおける扉閉
状態の要部拡大横断面図である。
【図8】図5に示された電気機器ボックスにおいて扉の
取り付け途中を示した要部拡大横断面図である。
【図9】本考案に係る電気機器ボックスの一実施例で用
いられたヒンジの分解斜視図である。
【図10】本考案電気機器ボックスの他実施例を扉閉じ
状態にして示した要部拡大横断面図である。
【図11】図10に示された電気機器ボックスにおいて
扉の取り付け途中を示した要部拡大横断面図である。
【図12】本考案に係る電気機器ボックスの他実施例で
用いられたヒンジの分解斜視図である。
【図13】従来ヒンジによる取り付け状態を示した横
断面図である。
【符号の説明】
1 ベースプレート 2 マウンティングプレート 3 突き合わせ面(ベースプレートの前端面)ネジ孔 7 ダボ(凸係合部)突き合わせ面(マウンティングプレートの後端
面) 10 ネジ挿通孔 11 ダボ穴(凹係合部) 12 扉 14 ソケット 21 キャビネット 21a キャビネットの開口25 取付ネジ 27 係止突起

Claims (5)

    (57)【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 キャビネット等に装備されるベースプレ
    ートと、このベースプレートに固定されるマウンティン
    グプレートと、このマウンティングプレートに回転可能
    に枢支連結されるものであって前記キャビネット等の開
    口を開閉するための扉に固定されるソケットとを備えた
    ヒンジにおいて、前記ベースプレートの前端面にはネジ
    孔が設けられているとともに、前記マウンティングプレ
    ートには、その前端面から後端面にまで達するものであ
    って前記キャビネット等の内側方向を向いた周面部分を
    開放されたネジ挿通孔が形成されており、前記ベースプ
    レートの前端面とマウンティングプレートの後端面と
    が、前記キャビネット等側から前記扉側に向かい外方向
    に傾斜して突き合わされ、かつ、取付ネジが、前記マウ
    ンティングプレートのネジ挿通孔を通過して前記ベース
    プレートのネジ孔にねじ込まれていることを特徴とする
    ヒンジ。
  2. 【請求項2】 互いに突き合わされるベースプレートの
    前端面、マウンティングプレートの後端面に凹凸係合部
    が形成されている請求項1記載のヒンジ。
  3. 【請求項3】 取付ネジのネジ頭を引っ掛けるための抜
    け止め用の係止突起が、マウンティングプレートのネジ
    挿通孔の開口縁に設けられている請求項1、2いずれか
    記載のヒンジ。
  4. 【請求項4】 電気機器取付部およびその側方の配線用
    空間を内部に有していて前面側開口されている下函
    と、この下函の開口を開閉するための扉と、該下函の
    気機器取付部の側方部において前記扉を開閉可能に蝶着
    している請求項1または請求項3記載のヒンジとで構成
    された電気機器ボックス。
  5. 【請求項5】 ヒンジのマウンティングプレート合成
    樹脂形成されている請求項5記載の電気機器ボック
    ス。
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