JP3763949B2 - スライドヒンジ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は収納キャビネット等の家具類の扉、いわゆるシステムキッチン等の収納部の扉、建築物の扉、等を回動自在に収納部前面に枢着するスライドヒンジ、特に分離が自在なスライドヒンジに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術によるスライドヒンジの一例として、特開平8−326399号公報に記載の「スライドヒンジ」、特開平7−62944号公報に記載の「スライドヒンジ」が提案されている。
【0003】
特開平8−326399号公報に記載のスライドヒンジの構造は、同公報に記載のように、断面コ字型をしたアーム1の先端部に設けた一対の透孔1cと1dにそれぞれピン16a,17aによって第1リンク16の一端部と第2リンク17の一端部とが枢着され、さらに第1リンク16と第2リンク17の他端部がそれぞれカップ15に枢着されている。アーム1には下から調整座2が嵌入されており、アーム1に穿設された長孔1aと調整座2に穿設した螺孔1bに螺合する左右調整ネジ4の軸細部4bを調整座2のU形溝2bに係合させてアーム1と調整座2とが一体に連結されている。この調整座2の他端部に設けた一対の透孔2fにリベット11が係架されている。この調整座2の一端部に設けた一対の透孔2gにラッチ8がシャフト9で回動可能に、かつばね10で付勢されて連結されている。このラッチ8には係止爪8bが形成され、また調整座2の後端下部には一対の突起2eが突設されている。そしてこの調整座2に嵌着するプレート5は、先端部の両側縁基部に半円弧切欠き5fを形成し、後部の傾斜面5gには一対の長孔5hが形成されており、このプレート5をベースプレート6に冠して上下調整ネジ7を螺孔6aに螺着して一体に連結されている。
【0004】
このスライドヒンジを用いて扉を筺体に取り付ける手法を説明すると、
先ず指先でラッチ8を手前方向に回動させてからアーム1の後端部を手前に引いて、長孔5h内から係止爪8bを離脱させ、アーム1を横方向に少し動かしてリベット11を半円弧切欠き5fから外して、カップ15及びアーム1が組み付けられた調整座2と、ベースプレート6が組み付けられたプレート5とを分離させる。
次に、このように分離したスライドヒンジの一方側のカップ15を扉端の所定の箇所に形成した開口内に嵌め込んでネジ止めして取り付け、またスライドヒンジの他方側のベースプレート6を筺体内の開口の所定の箇所にネジ止めして取り付ける。
続いて、扉を持ち上げて、嵌着部材12の調整座2に係架されたリベット11をプレート5先端の両側縁基部に形成された半円弧状切欠き5fに係止し、続いて被嵌着部材13に嵌着部材12をリベット11を中心として嵌着部材12が回動するように押し付けると、プレート5の後端部の傾斜面5gに穿設された一対の長孔5hに前記ラッチ8の係止爪8bの下縁が摺動しながらばね10で付勢されたラッチ8の係止爪8bが長孔5hに係止し、その際、同時に前記一対の突起2eが対応する一対の長孔5hに挿入嵌着されてスライドヒンジが一体に組み付けられ、これにより扉が筺体に回動開閉自在に取り付けられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述した従来構造のスライドヒンジの被嵌着部材13は、ベースプレート6を被せるようにしてプレート5を位置させ、上下調整ネジ7をプレート5に形成した長孔からベースプレート6に形成した螺孔6a内に螺通してベースプレート6とプレート5とを螺着して、プレート5がベースプレート6に対して上下調節自在な構造であるという利点を有しているが、反面、上下調整ネジ7を中心としてプレート5が回動方向にズレを起こしたり、プレート5が上下方向にズレ易くなる。すなわち扉が下方にズレ易くなるという不具合がある。
【0006】
また、上記従来技術のスライドヒンジによると、調整座2をプレート5に連結する手法は、調整座2側のリベット11をプレート5先端の半円弧状切欠き5fに係止し、続いてアーム1の後端部をプレート5側に押しつけてラッチ8の係止爪8bと前記突起2eを前記長孔5hに押し入れて係止する構造を有しているが、例えばシステムキッチンの流し台の下の収納部に扉を取り付ける時及び、狭い収納部に扉を取り付ける時には、作業者の姿勢が低くなったり取付箇所が見辛くなったりして取付操作が行ない難い場合に、先に係止爪8bと前記突起2eを前記長孔5h内に突入させてしまう場合がある。
勿論このような場合には、指先でラッチ8を回動させてその係止を解除させればよいのであるが、同公報の添付図の図5に示すように、ラッチ8と収納部の壁面との間隔があまり大きくない場合には、プレート5の先端部にリベット11が掛かっていなくて調整座2の基部側が浮いた状態のときには、ラッチ8と収納部の壁面との間隔はさらに小さくなり、ラッチ8を指先で引っ掛けることさえ困難な事態が生じて、取付作業に支障を来すばかりでなく作業者をイライラさせる、といった不具合がある。
【0007】
なお、上記公報における明細書中、カップ15とアーム1とが第1リンク16と第2リンク17とによって連結させていることが記載され、また添付図の図1においてこれを図示しているが、明細書及び図2以降の添付図において、カップ15を所定の回動位置まで回動させると、カップ15(扉)を閉じる方向に付勢力を与えたり、またカップ15(扉)を開ける方向に付勢力を与えたりするバネの取付構造が不明である。
この点について、同公報の図1〜図9において、アーム1の先端部に三対の透孔が形成されており、このうちの二対の透孔1c,1dは第1リンク16と第2リンク17を枢着するピン16a,17aを係架するものであることから、残りの一対の透孔がバネを嵌入保持させるピンを係架するものであることが想定される。これについては、この構造が極めて似ていると思われる特開平6−346653号公報に記載の明細書における記載及び添付図の図3に描かれている構造を見れば、このピン33にダブルコイルバネ19を嵌入保持させ、このバネ19を利用して(第1)リンク16に付勢力を与えていることで理解できるが、このようにアーム1の先端部に2つのリンクとバネを支持する3本のピンを係架させる構造は、細かな組付作業を必要とし、また製造コストにも影響する、という不具合がある。
【0008】
本願発明者は、上述した不具合に対し、いかにして、スライドヒンジ自体の上下方向のズレが生じ易くなるのを防ぎ、調整座の先端部が先にプレートに引っ掛かった場合でも問題なくそのまま両者を連結させることができ、さらにアーム先端部の取付部分の構造を簡素にしかも上部で開・閉方向への付勢力が強いスライドヒンジにするにはどのようにすればよいのかを鋭意検討してきた結果、次のような構成を創作するに至った。
【0009】
そしてその目的は、ベースプレートとしての固定座の上部に、前記取付部材の内側に沿う平行な2つの板部を立設形成し、この2つの板部の前端及び後端の上端部にそれぞれ斜面部を形成し、各々斜面部の下方に、取付部材の先端部及び後端部に係架した2本のピンを係止する係止部を形成することによって、スライドヒンジ自体の上下方向のズレが生じ易くなるのを防ぐことができ、
また、調整座としての取付部材は前記アームの内面に沿う背板部分とこの背板部分の両長辺端部が対向面方向に屈曲されてなる一対の対向板部とが形成されており、各対向板部の取付部材の長手方向の両端部に、各一対の長孔がそれぞれ長手方向に長く向くように対向して開設され、各一対の長孔にそれぞれピンの両端部が掛架され、各ピンに相互に引っ張り方向への付勢力を有するバネの両端部が掛けられて、各ピンには相互に接近する方向に付勢力を保有させることによって、取付部材の後端部のピンを先に固定座に掛ける場合でも、取付部材の先端部のピンを先に固定座に掛ける場合のどちらの場合でも、またこれらピンを同時に固定座に掛けるような場合でも、何ら問題なくそのまま取付部材を固定座に連結させることができ、
しかも、前記各ピンのうちの前記取付部材の後部に位置するピンを、前記アームの後端に位置する操作部材の一端部に支持させて、該操作部材を前記取付部材の後端部分に当接させながら回動操作することにより該ピンを前記長孔内の後方への移動を自在としたことにより、ワンタッチで固定座から取付部材を離脱させることができるのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上の目的を達成するために提案される本発明の構成は、次の如くである。
請求項1 においては、扉D端に取り付けられるカップ3の一端部に、2個のリンク5・6を介してアーム7を連結し、該アーム7の内側面に取付角調節ネジ15により取付部材10が取り付けて装着部材2を構成し、該装着部材2と、家具の扉口に取り付けられる被装着部材たる固定座1との間を、着脱自在としたスライドヒンジにおいて、前記取付部材10は、前記アーム7の内面に沿う背板部分10aと、該背板部分10aの両長辺端部が対向面方向に屈曲されてなる一対の対向板部10b,10bとを形成し、各対向板部10b,10bの長手方向の両端部に、各一対の長孔10c,10dを、それぞれ長手方向に対向して開設し、該各一対の長孔10c,10dにそれぞれピン11,12の両端部を掛架し、各ピン11,12に相互に引っ張り方向への付勢力を有するバネ13の両端部を掛止し、各ピン11,12に相互に接近する方向の付勢力を保有させ、また、前記固定座1の上部には、前記取付部材10の内側に沿う平行な2つの板部1b,1bを立設形成し、該板部1b,1bの前端及び後端の上端部にそれぞれ斜面部1d,1dを形成し、各斜面部1d,1dの下方に、取付部材10の先端部及び後端部に係架した前記2本のピン11,12を係止する係止部1c,1cを形成し、前記各ピン11,12のうちの、固定座1側の前記取付部材10に係架されているピン12には、前記操作部材14の一端部を枢着 し、該操作部材14を前記取付部材10の後端に当接させながら回動操作することにより、該ピン12を前記長孔10d内の移動を自在としたものである。
【0011】
また、請求項2 においては、請求項1記載のスライドヒンジにおいて、前記取付部材10の対向板部10b,10bの下端部に、台形の切欠きで形成された被係合部10g,10gを設け、前記両板部1b,1bの外側面基部に、前記被係合部10g,10gに突入する台形の突起より成る係合部1e,1eを形成したものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に本発明のスライドヒンジの具体的な構成を添付図面に示した実施例に従って詳述する。
図1は本発明のスライドヒンジの1実施例を示す分解斜視図、図2(イ)は同じく装着部と被装着部とが分離した状態を示す斜視図、(ロ)は同じく装着部と被装着部とを連結させた状態を示す斜視図、図3は同じく装着部と被装着部とが連結した状態を示す斜視図、図4は同じく平面図、図5(イ)は図3におけるAーA切断部端面図、(ロ)は同じくBーB切断部端面図、図6,図7は何れも装着部と被装着部とを連結する手法を示した平面断面図、図8は本発明のスライドヒンジを略直角に回動させて扉を閉じた状態を示す平面断面図である。
【0013】
図1乃至図6に示すように、本発明のスライドヒンジは、収納部の開口端に装着する被装着部材たる固定座1と、扉端に装着する装着部材2とが、ワンタッチで分離でき、しかも連結できるように構成されている。
【0014】
装着部材2は扉端の内側面に装着するカップ3の一端部に突入したピン4a,4bに2個のリンク5,6の一端部が枢着されて、カップ3と2個のリンク5,6が連結されている。またこれら2個のリンク5,6の他端部がアーム7一端部に係架されているピン8a,8bにより連結され、カップ3とアーム7とがリンク5,6を介して回動自在に連結されている。なお、ピン8aにはダブルコイルバネ9が嵌入支持されている。3dはカップ3の取付座、3cは凹部である。
【0015】
前記アーム7は長手方向の側面視形状が略コ字型を有し、その天板部(後述する取付時においては手前側の板面に相当する)7bの略中央には、取付角調節ネジ15を螺装する螺孔7cが形成され、前記リンク5,6の枢着部と長手方向に反対側の端部の天板部7bには、取付位置調節ネジ16の軸部を挿通させ、且つ、その頭部を係止させる湾曲形状の切欠き7dが形成されている。
そしてこのアーム7の内側面に沿って、取付部材10が位置している。この取付部材10は、アーム7の内面に沿う背板部分(後述する取付時においては手前側の板面に相当する)10aと、この背板部分10aの両長辺端部が対向面方向に屈曲されてなる一対の対向板部10b,10bとが形成されており、各対向板部10b,10bの長手方向の両端部に、各一対の長孔10c,10c、10d,10dがそれぞれ長手方向に長く対向して開設され、各一対の長孔10c,10c、10d,10dにそれぞれピン11,12の両端部が掛架されている。
ここに用いられるピン11,12はリベットタイプのピンで、上記各長孔10c,10c、10d,10d内から外れて抜け落ちたり、傾いて移動しないようになっている。そして各ピン11,12の中央に相互に引っ張り方向への付勢力を有するバネ13の両端部が掛けられて、各ピンには相互に接近する方向に付勢力を保有させている。
【0016】
なお、前記各ピン11,12のうちの、前記取付部材10の後部(前記カップ3方向と反対側の端部)に係架されているピン12の両端部は、前記長孔10d,10d内から僅かながら突出しており、この両突出端部には、前記取付部材10の後部に支持され且つ取付部材10の後端に当接させながら回動操作して、該ピン12を長孔10d,10d内後方へ移動させることができる操作部材14が枢着されている。
【0017】
このように形成された取付部材10は、背板部分10aの先端部に形成された湾曲形状の切欠き10f内に、前記アーム7の螺孔7cに螺通している前記取付角調節ネジ15の先端首部15aを係止し、また該背板部分10aの後部に形成された螺孔10e内に前記アーム7の切欠き7dに頭部を係止した前記取付位置調節ネジ16を枢着することによって、アーム7が取付部材10に跨がるようにして両者が装着され、しかも、ドライバーを用いて前記取付角調節ネジ15の進退操作させることにより、アーム7と取付部材10との取付角が調整出来、また、ドライバーを用いて前記取付位置調節ネジ16を緩めることにより、アーム7と取付部材10との長手方向の取付位置の調整ができることができるように構成されている。
【0018】
被装着部材たる固定座1は、正面視矩形状を有し、その4隅面にネジ孔が形成された座本体1aの上部に、前記取付部材10の対向板部10b,10bの内面に略沿う程度の間隔を有する平行な2つの板部1b,1bが形成されており、しかもこの板部1b,1bの前端及び後端の上端部にそれぞれ斜面部1d,1d・・が形成され、さらに各斜面部の下方となる板部1b,1bの両側端箇所に、前記ピン11,12を係止する係止部1c,1c・・がそれぞれ形成されている。
【0019】
なお、前記板部1b,1bの外側面基部には、前記取付部材10の対向板部10b,10bの下端部に形成された被係合部10g,10gに突入する台形の係合部1e,1eが一体形成されている。
【0020】
このような構成を有する本発明のスライドヒンジは、図2(イ)に示すように装着部材2と被装着部材1とを分離し、また図2(ロ)〜図4に示すように装着部材2と被装着部材1とを連結することが、ワンタッチで行える。
【0021】
次に、装着部材2と被装着部材1とを連結する2通りの取付手法を、図6,図7により説明する。
図6の手法は、先ず、装着部材2と被装着部材1とを分離させた状態で、収納部Sの収納口の側板S1の所定の位置に前記固定座1を木ネジで止めて装着し、また扉の一端内側面の所定の位置に前記カップ3を木ネジで止めて装着する。
【0022】
続いて、扉Dを持ち上げて、取付部材10が固定座3の板部1b,1bに被さるように手前側から添え、取付作業者から見て手前側に位置する固定座1の上下2つの係止部1cに、取付部材10に係架されている手前側のピン12を掛けた状態で、アーム7の先端部を指先で固定座1に強く押し付けると、このピン12が固定座3の板部1b,1b端の斜面部1d,1dに押されるようにして長孔10d後方に移動してその下方の係止部1c,1cに突入し、前後の係止部1c,1c、1c,1cにピン11,12が掛かるようにする。
【0023】
なお、この状態のままでは、取付部材10がバネ13で付勢された2本のピン11,12で係止されており、しかも2本のピン11,12の両端部が長孔10c,10c、10d,10dに係架されて移動自在なため、取付部材10が前後方向にズレて固定座1に装着される可能性があるが、本構成においては、取付部材10の対向板部1b,1bの両外面の略中央下部に形成された台形の突起で形成される係合部1e,1eが、取付部材10の対応箇所に形成された台形の切欠きで形成される被係合部10g,10g内に突入するため、上述したズレは最終的には生じない。
【0024】
次に図7に示す取付手法を説明すると、先ず、分離させた装着部材2と被装着部材たる固定座1を収納部及び扉の所定箇所に取り付ける手法は前述と同様である。
【0025】
図7に示す手法は、取付部材10が固定座3の板部1b,1bに被さるように先端(奥)側から添えて、取付作業者から見て先端(奥)側に位置する固定座1の、上下2つの係止部1cに、取付部材10に係架されている先端(奥)側のピン11を掛けた状態で、アーム7の手前部を指先で固定座1に強く押し付け、ピン11が固定座3の板部1b,1b端の斜面部1d,1dに押されるようにして長孔10c,10c後方に移動させてその下方の係止部1c,1cに突入し、前後の係止部1c,1c、1c,1cにピン11,12が掛かるようにする。
【0026】
このように2通りの方法が選択できると次のような点で便利である。
例えば、作業者が図6に示すように、ピン11を先に係止部1c,1cに掛けようと思っても、この係止箇所が狭く小さな箇所であるため、また目視できない箇所であるため、誤ってピン12を先に係止部1c,1cに掛けてしまう場合がある。従来、このような場合には、このような先端部の引っ掛かりを外さなければならないという面倒な作業が必要であったが、本発明のスライドヒンジはこのような状態、即ち、図7に示すような状態になってもアーム7の押す位置を変えるだけで、そのままワンタッチで両者を連結させることができるのである。
【0027】
勿論、スライドヒンジの連結において、図6に示すように先端側を先に掛けるのが最適なのか、図7に示すように手間側を先に掛けるのが最適なのかは、誤って何れかを先に掛けてしまうといった問題とは別の点においても重要である。
【0028】
例えば、前記取付角調節ネジ15を大きく進退操作させて、アーム7と取付部材10との取付角がある程度ある時や、前記取付位置調節ネジ16を調整してアーム7と取付部材10の前後位置を多少ズラした状態で、連結する場合には、アーム7の手前下部や、取付部材10の先端側の下端部又は手前側の下端部が、固定座1の座本体1aの縁に接当し易く、その連結がし難くなるが、このような場合に最適の係止手法を選択して、そのような事態を防ぐようにすることができるのである。
【0029】
なお、このようにしてスライドヒンジを連結した後、扉Dを閉じると、図8に示すように、取付部材10の天板部分10aの内側面に一端9a,9aが接当し、その他端9b,9bが内側のリンク6のアーム7側基部に付勢力をもって接当しているダブルコイルバネ9の他端9b,9bの当接位置が変わり、閉じる方向に付勢力を残したまま、図8のように閉じる。
【0030】
なお、一旦連結されているスライドヒンジを装着部材2と被装着部材1とに、分離するには、操作部材14後端の操作部を装着部材2上部に接当させるようにして、手前方向(図4,図5では上方)に回動させてピン12を後方に移動させて、固定座1の係止部1c,1cから外し、続いて装着部材2(取付部材10)を傾けて反対側のピン11固定座1の係止部1c,1cから外すようにすれば良い。
【0031】
【発明の効果】
本発明のスライドヒンジを、請求項1の如く構成したので、ベースプレートとしての固定座の上部に、前記取付部材の内側に沿う平行な2つの板部を立設形成し、この2つの板部の前端及び後端の上端部にそれぞれ斜面部を形成し、各々斜面部の下方に、取付部材の先端部及び後端部に係架した2本のピンを係止する係止部を形成したことによって、スライドヒンジ自体の上下方向のズレが生じ易くなるのを防ぐことができたのである。
【0032】
また、調整座としての取付部材を、前記アームの内面に沿う背板部分とこの背板部分の両長辺端部が対向面方向に屈曲されてなる一対の対向板部とに形成し、各対向板部の取付部材の長手方向の両端部に、各一対の長孔をそれぞれ長手方向に長く向くように対向して開設し、各一対の長孔にそれぞれピンの両端部を掛架し、各ピンに相互に引っ張り方向への付勢力を有するバネの両端部を掛け、各ピンに相互に接近する方向への付勢力を保有させたことによって、取付部材の後端部のピンを先に固定座に掛ける場合でも、取付部材の先端部のピンを先に固定座に掛ける場合のどちらの場合でも、またこれらピンを同時に固定座に掛けるような場合でも、何ら問題なくそのまま取付部材を固定座に連結させることができたのである。
【0033】
また、前記各ピンのうちの前記取付部材の後部に位置するピンを、前記アームの後端に位置する操作部材14の一端部に枢着させて、該操作部材14を前記取付部材の後端部分に当接させながら回動操作して、該ピンを付勢力に対抗して前記長孔内の後方に移動させることが出来るように構成したことによって、ワンタッチで固定座から取付部材すなわち装着部材2を離脱させることができたのである。
【0034】
請求項2の如く構成したので、取付部材10がバネ13で付勢された2本のピン11,12で係止されており、しかも2本のピン11,12の両端部が長孔10c,10c、10d,10dに係架されて移動自在なため、取付部材10が前後方向にズレて固定座1に装着される可能性があるが、本発明の請求項2の如く構成したので、取付部材10の対向板部1b,1bの両外面の略中央下部に形成された台形の突起で形成される係合部1e,1eが、取付部材10の対応箇所に形成された台形の切欠きで形成される被係合部10g,10g内に突入するため、上述したズレは最終的には生じないのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のスライドヒンジの1実施例を示す分解斜視図である。
【図2】 (イ)は同じく装着部と被装着部とが分離した状態を示す斜視図である。
(ロ)は同じく装着部と被装着部とを連結させた状態を示す斜視図である。
【図3】 同じく装着部と被装着部とが連結した状態を示す斜視図である。
【図4】 同じく平面図である。
【図5】 (イ)は図3におけるAーA切断部端面図である。
(ロ)は同じくBーB切断部端面図である。
【図6】 装着部と被装着部とを連結する手法を示した平面断面図、
【図7】 装着部と被装着部とを連結する手法を示した平面断面図、
【図8】 スライドヒンジを略直角に回動させて扉を閉じた状態を示す平面断面図、
【符号の説明】
1 固定座(被装着部材)
2 装着部材
3 カップ
4a,4b ピン
5 リンク
6 リンク
7 アーム
8a,8b ピン
9 ダブルコイルバネ
10 取付部材
10c,10c、10d,10d 長孔
11,12 ピン
13 バネ
14 操作部材
Claims (2)
- 扉D端に取り付けられるカップ3の一端部に、2個のリンク5・6を介してアーム7を連結し、該アーム7の内側面に取付角調節ネジ15により取付部材10を取り付けて装着部材2を構成し、該装着部材2と、家具の扉口に取り付けられる被装着部材たる固定座1との間を、着脱自在としたスライドヒンジにおいて、
前記取付部材10は、前記アーム7の内面に沿う背板部分10aと、該背板部分10aの両長辺端部が対向面方向に屈曲されてなる一対の対向板部10b,10bとを形成し、各対向板部10b,10bの長手方向の両端部に、各一対の長孔10c,10dを、それぞれ長手方向に対向して開設し、該各一対の長孔10c,10dにそれぞれピン11,12の両端部を掛架し、各ピン11,12に相互に引っ張り方向への付勢力を有するバネ13の両端部を掛止し、各ピン11,12に相互に接近する方向の付勢力を保有させ、
また、前記固定座1の上部には、前記取付部材10の内側に沿う平行な2つの板部1b,1bを立設形成し、該板部1b,1bの前端及び後端の上端部にそれぞれ斜面部1d,1dを形成し、各斜面部1d,1dの下方に、取付部材10の先端部及び後端部に係架した前記2本のピン11,12を係止する係止部1c,1cを形成し、
前記各ピン11,12のうちの、固定座1側の前記取付部材10に係架されているピン12には、操作部材14の一端部を枢着し、該操作部材14を前記取付部材10の後端に当接させながら回動操作することにより、該ピン12を前記長孔10d内の移動を自在としたことを特徴とするスライドヒンジ。 - 請求項1記載のスライドヒンジにおいて、前記取付部材10の対向板部10b,10bの下端部に、台形の切欠きで形成された被係合部10g,10gを設け、前記両板部1b,1bの外側面基部に、前記被係合部10g,10gに突入する台形の突起より成る係合部1e,1eを形成したことを特徴とするスライドヒンジ。
Priority Applications (1)
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