JPH059420Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、扉に固定される扉側取付部材と、側
板に固定される本体側取付部材とがリンクプレー
トで回動自在に連結されて成る家具用蝶番に係
り、特に、本体側取付部材のワンタツチ取付構造
に関するものである。

［従来の技術］ この種の本体側取付部材は、座金部材を側板に
固定し、扉に固定した扉側取付部材にリンクプレ
ートを介して連結されているフレーム型取付部材
を上記座金部材に固定する構造となつている。

ところで、上記フレーム型取付部材を座金にワ
ンタツチで取付け、取外しできるようにしたもの
が提案されている。

上記座金部材とフレーム型取付部材とは、前側
が左右調整ねじで、後側が係合レバーで夫々取付
けされている。

取外しに際しては、上記係合レバーをばねに抗
して倒し込むと、係合レバーがフレーム型取付部
材から外れるものである。

［考案が解決しようとする課題］ 然しながら、上述した従来技術においては、係
合レバーがフレーム型取付部材の外方へ延設され
ているために、家具内の収容物の出入れに際し
て、収容物や手が係合レバーに触れ易い。その結
果、係合レバーが上記フレーム型取付部材から不
用意に外れるといつた問題点があつた。

而して、本考案は上記実情に鑑みてなされたも
ので、その目的は、フレーム型取付部材を座金部
材から容易に取外すことができ、且つ両者の不用
意な分離を防止できるようにした家具用蝶番を提
供することにある。

［課題を解決するための手段］ 本考案に係る家具用蝶番の本体側取付部材は、
側板に取付けられる座金部材と、扉側取付部材に
連結されて上記座金部材に取付されるフレーム型
取付部材とから構成され、上記フレーム型取付部
材の天板には座金部材の左右調整ねじを係入して
その首部をスライドさせる丸穴とこれに続く細穴
とが形成されてなるものである。

上記本体側取付部材の特徴は、フレーム型取付
部材には前記丸穴より後側の天板角部を切欠した
係合受部が設けられ、座金部材の後側にはフレー
ム型取付部材の内側から係合受部に係合する鈎爪
を有する弾性係合片が設けられ、上記弾性係合片
には上記係合を解除する解除操作部が前記丸穴内
に位置して設けられるとともに、上記鈎爪がその
後側係合面の手前側に円弧面状のガイド面を連設
して構成されたことにある。

［作用］ 扉に連結されたフレーム型取付部材を座金部材
の上面に被せると、左右調整ねじが丸穴から係入
し、天板の下面で弾性係合片の鈎片が押圧される
状態となる。後側へ略直線状に押込すると、天板
の下面が鈎爪を円弧状のガイド面に沿つて押下げ
し、鈎爪の係合面が係合受部の切欠から突出する
ことで弾性係合片が係合される。これにより、フ
レーム型取付部材は座金部材に係合して取付けら
れている。操作部は、常時、フレーム型取付部材
の丸穴内に位置している。

上記フレーム型取付部材を座金部材から取外す
には、ドライバ等の工具先端を丸穴から差込む等
して解除操作部を操作する。これにより、上記弾
性係合片と係合受部との係合は解かれ、上記フレ
ーム型取付部材は座金部材から外れる。

［実施例］ 以下に本考案の一実施例を第１図乃至第３図に
基づき説明する。

図中、１は扉Ａに固定される扉側取付部材、２
は側板Ｂに固定される本体側取付部材、３，４は
各取付部材１，２を軸ピン５１，５２，５３，５
４により回動自在に連結するリンクプレートであ
る。５は側板Ｂに取付けられる座金部材、６は扉
側取付部材１に連結されて上記座金部材５に取付
けられるフレーム型取付部材、７はフレーム型取
付部材６の天板、８は天板７の丸穴である。５５
は公知のキヤツチ機構でカム５６と、該カム５６
との間で一端５７が当接され他端５８が上記フレ
ーム型取付部材６に係止されるコイルばね５９と
から成る。

而して、上記座金部材５と上記フレーム型取付
部材６とには、弾性係合片９とこれが係合する係
合受部１０とが設けられている。上記弾性係合片
９には上記係合を解除する解除操作部１１が前記
丸穴８内に位置して設けられている。

詳述すると、例えば、前記座金部材５が座金１
２と中間体１３とに分割されている場合、上記弾
性係合片９は該中間体１３の後端に枢支された構
成とすることができる。上記弾性係合片９は、一
対の略く字状係合突片１６，１６と、これら係合
突片１６，１６の自由端を連設する連設部１７と
から略コ字状に構成され、上記孔係合突片１６の
１５を介して中間体１３に軸ピン１４で枢着され
ている。上記連設部１７は上記丸穴８内に位置し
て設けられている。上記各係合突片１６の中間位
置には鈎爪１８が突設されている。上記鈎爪１８
は上記連設部１７より高く上方へ突設されてい
る。上記鈎爪１８は、左右方向（図中、鉛直方
向）に設けられた係合面１９とこれに連設された
円弧面状のガイド面２０とを有している。

上記弾性係合片９の連設部１７の下面と、前記
中間体１３の上面のばね受部２１との間には、コ
イルばね２２が張設され、これにより、該弾性係
合片９は、前記フレーム型取付部材６の天板７方
向へ付勢されている。

又、前記フレーム型取付部材６が、図示の如く
天板７と側面板２３，２３とからコ字状に形成さ
れた場合、前記係合受部１０は、これら天板７と
側面板２３，２３の間の後側角部に形成された角
穴として構成することができる。上記天板７に
は、上記丸穴８に連設して細穴２４が形成され、
これら両穴８，２４により時計穴２５が構成され
る。上記丸穴８と細穴２４との間には、傾斜面２
６，２６が形成されている。

前記解除操作部１１は、例えば、前記弾性係合
片９の連結部１７の上面として構成できる。

又、前記座金１２は、取付孔２７が形成された
固定翼片２８，２８と、その中間に隆起する基台
２９とから構成される。上記基台２９には、前側
隆起部３０と、後側隆起部３１が設けられ、前側
隆起部３０には左右調節ねじ３２が螺合されるね
じ孔３３が形成され、後側隆起部３１には締付ね
じ３４が螺合されるねじ孔３５が形成されてい
る。上記後側隆起部３１の上面には、係合受溝３
６が形成されている。

さらに、前記中間体１３の後半部は、第１図、
第３図に示す如く、下面が開放した中空状に形成
され、天板３７には締付ねじ３４が挿通されて前
後調整を行なえる長穴３８が形成されている。上
記天板３７の下面には、係合溝３９が形成され、
上記係合受溝３６に係合するようになつている。
又、上記中間体１３の側面には、前記弾性係合片
９の係合突片１６，１６に接離するストツパ４０
が突設されている。

次に、フレーム型取付部材６を座金１２に取付
ける動作について説明する。

先ず、座金１２は側板Ｂに固定され、フレーム
型取付部材６は扉Ａに固定された扉側取付部材１
にリンクプレート３，４を介して取付されてい
る。この場合、座金１２のねじ孔３３に左右調整
ねじ３２が螺合し、又、締付ねじ３４を中間体１
３の長孔３８を挿通させて、座金１２のねじ孔３
５に仮止めすることにより、該中間体１３は座金
１２に取付けられている。

次に、扉Ａを側板Ｂに取付けるに際し、第３図
に示す如く、上記左右調節ねじ３２の頭部を時計
穴２５の丸穴８から係入し、その首部３２ａを細
穴２４へスライドさせる。この場合、上記首部３
２ａは傾斜面２６，２６に案内されて上記細穴２
４に円滑にスライドして係止する。この状態で、
上記フレーム型取付部材６を矢示Ｘ方向へ更に差
込むと、該フレーム型取付部材６は、天板７下面
が、弾性係合片９のガイド面２０に当接し、該弾
性係合片９を図中下方へ撓ませながら矢示Ｘ方向
へ前進する。

所定距離だけ前進すると、第１図に示す如く、
コイルばね２２のばね力により、弾性係合片９は
係合受部１０に係合する。これにより、フレーム
型取付部材６は座金部材５に取付けられたことに
なる。

その後、中間体１３を矢示Ｘ，Ｙ方向へ前後調
節し、左右調整ねじ３２により左右調整した後、
ねじ３４を締め付ける。

一方、上記フレーム型取付部材６を上記座金部
材５から取外すには、第１図の状態において、丸
穴８からドライバの先端等を差込み、操作部１１
を下方へ押し下げる。上記弾性係合片９は下方へ
撓み、上記、係合受部１０から外れる。この状態
で、上記フレーム型取付部材６を矢示Ｙ方向へ引
くことにより、該フレーム型取付部材６は座金部
材５から取り外れる。

かくして、本実施例においては、操作部１１が
フレーム型取付部材６の外方へ突設していないの
で、該操作部１１に手等が不用意に触れることは
ない。

［効果］ 以上説明した如く本考案は、フレーム型取付部
材には天板の丸穴より後側の天板角部を切欠した
係合受部を設け、座金部材の後側にはフレーム型
取付部材の内側から係合受部に係合する鈎爪を有
する弾性係合片を設け、弾性係合片には上記係合
を解除する解除操作部を前記丸穴内に位置させ、
鈎爪にはその後側係合面の手前側に円弧面状のガ
イド面を連設したので、首部を有する左右調整ね
じに天板の時計穴を装着する既存取付と同様に作
業することができ、略直線状にフレーム型取付部
材を差込スライドさせるだけで簡単にワンタツチ
装着することができるうえ、解除操作部を操作す
るだけでフレーム型取付部材を座金部材から取外
すことができ、しかも、該操作部は外方へ突出し
ていないので、手等が不用意に触れて作動するこ
とがない。このため、通常時、フレーム型取付部
材は座金部材に確固として取付けられた状態にあ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第３図は本考案の一実施例に係り、
第１図はフレーム型取付部材を座金部材に取付け
た状態の側断面図、第２図は分解斜視図、第３図
はフレーム型取付部材を座金部材に取付ける動作
を説明する側断面図である。 １……扉側取付部材、２……本体側取付部材、
３，４……リンクプレート、５……座金部材、６
……フレーム型取付部材、７……天板、８……丸
穴、９……弾性係合片、１０……係合受部、１１
……解除操作部、１８……鈎爪、１９……係合
面、２０……ガイド面、２４……細穴。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 扉に固定される扉側取付部材と側板に固定され
   る本体側取付部材とがリンクプレートで回動自在
   に連結されて成るものであつて、上記本体側取付
   部材は、側板に取付けられる座金部材と上記座金
   部材に取付けられるフレーム型取付部材とから構
   成され、上記フレーム型取付部材の天板には座金
   部材の左右調整ねじを係入してその首部をスライ
   ドさせる丸穴とこれに続く細穴とが形成されてな
   る家具用蝶番において、 前記フレーム型取付部材には前記丸穴より後側
   の天板角部を切欠した係合受部が設けられ、前記
   座金部材の後側にはフレーム型取付部材の内側か
   ら係合受部に係合する鈎爪を有する弾性係合片が
   設けられ、上記弾性係合片には上記係合を解除す
   る解除操作部が前記丸穴内に位置して設けられる
   とともに、上記鈎爪がその後側係合面の手前側に
   円弧面状のガイド面を連設して構成されたことを
   特徴とする家具用蝶番。