JPH0140930Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、スライドによつて開閉する扉が必要
に応じてスイングによつても開閉するようにした
ものにおいて、スライド時における扉の振れを防
止し、かつスイング時の扉のストツパーとしても
作用せしめるようにした扉の支持装置に関するも
のである。

［従来の技術］ 本出願人は、第１図ないし第３図に示すよう
な、スライドによつても、またスイングによつて
も開閉する扉について既に提案した。これは、無
目１内の上部レール２に、滑車３，３を介して吊
枠４を吊下げ、この吊枠４にさらに扉５を吊下げ
たものである。そして、駆動装置６の正転と逆転
により、ベルト７，７、プーリ８，９を介して両
方の扉５，５が嵌殺戸１０，１０に沿つて左右に
スライドによる開閉をする。

ここで、大きな物の搬出入、火災などに、扉５
よりも広い間口を必要とするときは、第３図のよ
うに、扉５を外側へ押し出すと、扉５は吊枠４と
の係合部１１が外れて旋回支点部１２を中心にス
イングし、かつ、この扉５のスイングにより嵌殺
戸１０も押出されて上下の旋回支点部１３，１４
を中心にスイングする。扉５，５は開いたままで
も両側の柱１５，１６の位置までスライドし、通
常の２倍の間口が得られる。

［考案が解決しようとする問題点］ このように、スライドとスイングにより開閉す
る扉５における吊枠４とのラツチ装置１１は、ス
イング時には簡単に外れ、スライド時には、扉５
が上下、左右に振れないようにしつかりと支持す
るものであることが望まれる。特に、スイングを
可能としているために、吊枠４と扉５との支点が
旋回支点部１２だけであり、スライド時に扉５が
上下、左右に振れ易くなりがちである。

［問題点を解決するための手段］ 本考案はこのような点を解決するためになされ
たもので、吊枠と扉とを係止するラツチ装置は、
掛止板を扉に取付け、この掛止板に係脱する差込
板を吊枠に取付け、係合時には板ばねからなる弾
性係止部でしつかりと支持するようにしたもので
ある。

［実施例］ 以下、本考案の一実施例を第４図ないし、第６
図に基づいて説明する。なお、第１図と同一部分
については同一符号とする。

第４図において、４は吊枠で、この吊枠４は、
上部レール２に、滑車３，３で吊下げられ、モー
タに連結したベルト７，７によつてスライドす
る。この吊枠４の一方端には、旋回支点部１２が
設けられて扉５を旋回自在に取付け、また、他方
端には、本考案によるラツチ装置１１が設けら
れ、吊枠４と扉５とを互いに係脱するようになつ
ている。

このラツチ装置１１は、第５図および第６図に
示すように、吊枠４に固着された差込板１８と、
扉５の上框１７の上端面に取付けられたコ字形の
掛止板１９と、この掛止板１９に取付けられた板
ばねからなる弾性係止部２０とから構成されてい
る。なお、差込板１８を扉５に、掛止板１９を吊
枠４に設けてもよい。前記差込板１８は、水平部
分２１と垂直部分２２とでＬ字形をなし、水平部
分２１が吊枠４の下面からやや間隙２３を有する
ようにして垂直部分２２を吊枠４に固着し、か
つ、水平部分２１はその下面にＶ字溝状の係合凹
部２５が形成され、先端部が鋭角に削られてい
る。前記掛止板１９は、上板部分２６、下板部分
２７、側板部分２８および取付板部分２９とから
なり、前記上板部分２６と下板部分２７との間隙
３０は前記差込板１８の水平部分２１より充分に
広く、また、下板部分２７の下面から間隙３０の
内方に折込んだＶ字形の板ばねからなる弾性係止
部２０が固着され、この弾性係止部２０の先端は
へ字状に折曲した係合突部３６が設けられてい
る。

このような構成において、扉５の第４図中左端
を押出すと、弾性係止部２０の係合突部３６が押
下られて係合凹部２５から一旦外れ、さらに押出
すと、差込板１８と掛止板１９との係合が外れ、
係合突部３６は再び復帰する。この状態で扉５は
旋回支点部１２を中心として旋回する。つぎに、
この扉５を閉じる場合、掛止板１９の上板部分２
６が差込板１８の水平部分２１の先端鋭角部分に
乗り上げ、さらに押圧すると、係合突部３６と係
合凹部２５が係合し、かつ掛止板１９の上板部分
２６の先端は垂直部分２２に当接してストツパー
として作用する。この状態で扉５をスライドによ
り開閉させると、扉５の上下動は、上下板部分２
６，２７および弾性係止部２０で、また左右動は
係合突部３６と係合凹部２５で阻止される。

［考案の効果］ 本考案は上述のように、扉と吊枠との間を係脱
するラツチ装置として、掛止板、差込板および弾
性係止部で構成し、この弾性係止部は板ばねを掛
止板の内方へ突出し、かつ先端が差込み板の係合
凹部に係合するようにへ字形に折曲したので、扉
のスイング時には扉と吊枠とが容易に係脱し、扉
のスライド時には、上下方向の遊びがなく、かつ
左右動も差込み板の係合凹部と弾性係止部のへ字
形部分が係合してしつかりと固定されるものであ
る。しかも、構成が簡単で故障がなく安価に提供
できるなどの効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図はスライドとスイングの両方法で開閉す
る扉の正面図、第２図は同上平面図、第３図は同
上スイングによる開閉状態の平面図、第４図は本
考案による扉の支持装置の１実施例の一部切欠い
た正面図、第５図はラツチ装置の斜視図、第６図
は同上側面図である。 １……無目、４……吊枠、５……扉、１０……
嵌殺戸、１１……ラツチ装置、１２……旋回支点
部、１８……差込板、１９……コ字形の掛止板、
２０……弾性係止部、３６……係合突部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 無目に臨設した吊枠に扉を設け、この扉を吊枠
   とともに嵌殺戸に沿つてスライドにより開閉し、
   また扉と吊枠との一方端間の旋回軸を中心にして
   扉のみをスイングにより開閉するようにしたもの
   において、扉と吊枠との他方端間に係脱自在のラ
   ツチ装置を設け、このラツチ装置は扉と吊枠のい
   ずれか一方に設けられ扉のスイング方向に開口し
   た掛止板と、前記吊枠と扉のいずれか他方に設け
   られ前記掛止板に係脱する水平部分の他の面に係
   合凹部を有する差込み板と、この差込み板の係合
   凹部に係合するようにへ字状に折曲した板ばねを
   前記掛止板の内方へ突出して設けられ、差込み板
   と掛止板とを係止する弾性係止部とからなる扉の
   支持装置。