JPH0810015A - スライドファスナー用の自動停止機構付きスライダー - Google Patents

スライドファスナー用の自動停止機構付きスライダー

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JPH0810015A
JPH0810015A JP14958394A JP14958394A JPH0810015A JP H0810015 A JPH0810015 A JP H0810015A JP 14958394 A JP14958394 A JP 14958394A JP 14958394 A JP14958394 A JP 14958394A JP H0810015 A JPH0810015 A JP H0810015A
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JP
Japan
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engaging claw
claw member
cam
slider body
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Application number
JP14958394A
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English (en)
Inventor
Kiyoshi Oda
潔 織田
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YKK Corp
Original Assignee
YKK Corp
Yoshida Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】通常の引手操作による係合爪部材の回転により
噛合エレメントに対する停止爪部の係脱を確実に且つ自
動的に行うと共に、その構造を簡略化して、全体に薄手
で外観的に優れたシンプルな形状を有する自動停止機構
付きのスライダーを提供する。 【構成】スライダー胴体(1) の上翼片(11)に、前記爪部
(32)を遊挿する爪孔(15)及び係合爪部材(3) を収容する
と共に回転自在に支持する支持空間部(14,16a,17a)を形
成する。前記係合爪部材(3) は前記支持空間部(14,16a,
17a)に収容されると共に、その両端が同空間部(14,16a,
17a)の一部(16a,17a) に回転自在に支持されるピン部(3
1)と、同ピン部(31)から突出して前記爪孔(15)に挿通さ
れる爪部(32)と、同爪部(32)に対して前記ピン部(31)を
挟んで反対側から側方に傾斜して突出するカム部(33,3
4) とからなる。前記引手(4) の回動軸(4a)が前記係合
爪部材(3) のピン部(31)の上面を横切って上記上翼片(1
1)の上面に配され、前記カバー(5) により回動自在に取
り付けられる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、スライドファスナーに
適用されるスライダーに関し、更に詳しくは引手による
ファスナーの開閉操作によりスライダーの摺動停止及び
開放を自動的になし得る自動停止機構付きスライダーに
関する。
【0002】
【従来の技術】一般のスライドファスナー用自動停止機
構付きスライダーは、例えば実公昭62−41608号
公報に開示されているごとく、スライダー胴体の上面に
固着されるボックス状のカバー内に板バネを収容すると
共に、同板バネの下面とスライダー胴体との間に略コ字
状の係合爪部材をセットし、更に同係合爪部材とスライ
ダー胴体との間の間隙に引手の回動軸部を挿入して構成
されている。前記スライダー胴体に対する係合爪部材の
セットは、係合爪部材の一端から突出する停止爪部をス
ライダー胴体の爪孔に挿通させると共に、他端の起立部
を前記胴体の一部に支持させるようにしてなされる。従
って、引手が操作されると、その回動軸部が係合爪部材
を起立部を支点にして板バネの弾力に抗して持ち上げ、
スライダー胴体の爪孔に挿通して噛合エレメントの案内
路に突出している停止爪部を爪孔内に引き込ませ、スラ
イダーの自由な摺動を許す。また、スライダー操作を止
めると、係合爪部材は板バネにより下方に付勢され、再
び停止爪部をスライダー胴体の爪孔から噛合エレメント
案内路に突出させ、対応位置の隣合う噛合エレメント間
の間隙に係合し、スライダーの摺動が阻止される。
【0003】しかし、この形式のスライダーは、板バネ
と係合爪部材をカバー内に収納し、さらに係合爪部材を
カバー内にて上下方向に作動させるものであるため、カ
バー内に広い空間を必要とし、カバー高さが高くなり、
スライダーの厚みが増すものであった。スライダーの厚
みが増すことは、外観的にも好ましい形態とはいえず、
衣類に使用されるスライダーにおいては、スライダーに
何らかの衝撃が与えられたとき、スライダーの厚みのた
めに、人体に傷を負わせかねないものであった。
【0004】かかる点から、スライダーのカバー高さに
よるスライダーの厚みを薄くするため、係合爪部材の作
動を上下方向ではなく回転方向とし、カバーから係合爪
部材が上下に動くために必要な空間をなくして、カバー
高さを低くすることが多数提案されている。係合爪部材
を回転させて、爪部を爪孔からエレメント案内路に出入
させる構造としては、例えば米国特許第2,172,2
14号明細書、米国特許第2,172,217号明細
書、実公昭57−42735号公報等に開示されたもの
がある。
【0005】前記米国特許第2,172,214号明細
書に開示されたスライダーは、断面が略J状のカバー兼
引手取付部材の長手方向の両端壁面の下部をスライダー
本体の前後で回転自在に支持すると共に一回転方向に付
勢し、同カバー兼引手取付部材の一端にその回転軸に直
交させてL字型の停止爪部を突出させており、引手を起
立させたとき断面が矩形状の同引手の回動軸部により前
記カバー兼引手取付部材がその軸部を中心に回動すると
共に、前記停止爪部も回動させて噛合エレメントとの係
合を外すものである。
【0006】また、上記米国特許第2,172,217
号明細書に開示されたスライダーは、スライダー胴体の
長手方向の両端部に回転自在に支持され、同支持部に対
する偏心位置に停止爪部及び引手の回動軸挿通部を有す
ると共に、スプリングにより同停止爪部及び引手の回動
軸挿通部が下方に付勢されてなる係合爪部材を備えてお
り、引き手を持ち上げるようにして操作すると、前記回
動軸挿通部と共に停止爪部がスプリングの付勢に抗して
上方に回動し、噛合エレメントとの係合が外れてスライ
ダーの自由な摺動を許すものである。
【0007】上記実公昭57−42735号公報に開示
されたスライダーは、前後に固定脚部と停止爪部を略平
行に有し、中間に斜め上方に向けて起立する屈曲部を有
する線状スプリングからなる係合爪部材の、前記固定脚
部をスライダー胴体に支持固定すると共に、前記停止爪
部をスライダーの爪部挿通孔に挿通してなり、一方、引
手の回動軸部は端部がカム面を構成しており、同カム面
を前記屈曲部に当接させた状態で引手の回動軸部の両端
をスライダー胴体に枢支し、引手を回動させることで前
記線状スプリングを前記固定脚部を中心とする捻じれ方
向の力を与えて屈曲部を倒伏させ、前記停止爪部を前記
挿通孔の内部で上方に回動させて噛合エレメントとの係
合を外すようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、スライドフ
ァスナーを開閉するときのスライダー操作は、引手を摘
んで噛合エレメント列に沿って引くことにより行われ
る。この引手操作にあたって、通常は引手を積極的に回
動させるようなことはしない。従って、自動停止機構付
きのスライダーにあっても、引き手に対して通常の自然
な操作により停止爪部が噛合エレメントから外れること
が望ましい。
【0009】しかるに、係合爪部材を回動操作する方式
を採用している上記公報に開示されたスライダーは、停
止爪部を噛合エレメントから外すにあたって、いずれも
引手を積極的に且つ大きく回動させる必要があり、引手
の引き方向が上方に向かうため逆にスライドファスナー
の円滑な開閉を妨げることになる。また、上記米国特許
明細書に開示されたスライダーにあっては、いずれも停
止爪部がスライダー表面に露出し外観的に見劣りのする
ものである。また、上記実公昭57−42735号公報
に開示されたスライダーにあっても、線状スプリングの
大部分がスライダー表面に露出して外観的な問題がある
ばかりでなく、同スプリングには捻じれ方向の無理な力
が繰り返し作用するため、耐久性に問題がある。
【0010】更にまた、上述のスライダーにあっては全
て係合爪部材がスライダー胴体の上面よりも上方に位置
するため、引手の回動軸が係合爪部材の上下いずれの位
置に存在しようとも、係合爪部材の設置高さの分だけス
ライダーの厚みが大きくなり、厚みが少なく且つコンパ
クトな構造が要求される現代において、その要求に応じ
ることができない。
【0011】そこで、本発明の目的は係合爪部材の回転
により噛合エレメントに対する停止爪部の係脱を自動的
に行う自動停止機構を採用すると共に、その構造を簡略
化して、全体に薄手で外観的に優れたシンプルな形状を
有し、しかも通常の自然な引手操作により噛合エレメン
トに対する停止爪部の係脱が自動的に且つ確実になされ
る自動停止機構付きのスライダーを提供することにあ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】かかる目的は、本発明の
主要な構成部をなすスライダー胴体、引手、引手をスラ
イダー胴体に取り付けるためのカバー、引手操作により
噛合エレメント列に係脱する爪部を有する係合爪部材及
び同係合爪部材を一方向に付勢する弾性部材からなり、
前記スライダー胴体の上翼片には前記爪部を遊挿する爪
孔及び前記係合爪部材を収容すると共に回転自在に支持
する支持空間部が形成され、前記係合爪部材は前記支持
空間部に収容されると共に、その両端が同空間部の一部
に回転自在に支持されるピン部と、同ピン部から突出し
て前記爪孔に挿通される爪部と、同爪部に対して前記ピ
ン部を挟んで反対側から側方に傾斜して突出するカム部
とからなり、前記引手の回動軸は前記係合爪部材のピン
部の上面を横切って上記上翼片の上面に配され、前記カ
バーにより回動自在に取り付けられてなることを特徴と
するスライドファスナー用の自動停止機構付きスライダ
ーにより達成される。
【0013】また好ましい態様によれば、前記支持空間
部が上記上翼片の上面中央部に形成された凹陥部と上記
係合爪部材の両端を支持する軸支溝であり、前記係合爪
部材のカム部が前記ピン部の前後に所定の間隔をおいて
略平行に突出する第1及び第2のカム部からなり、同カ
ム部の互いに向かい合うカム面が傾斜面であり、上記引
手の回動軸が両カム部間に配されてなる。また、前記弾
性部材として線状のスプリング材が使われ、同スプリン
グ材の一端が前記上翼片の一部に支持されると共に、そ
の他端が上記空間部に延在すると同時に前記係合爪部材
のカム部の傾斜側面に下方から当接して配され、或いは
前記弾性部材としてつる巻きバネを採用する場合もあ
り、前記係合爪部材の一端部に同つる巻きバネを挿通
し、同つる巻きバネの一端を前記カム部の傾斜側面に係
止させると共に、その他端をスライダー胴体の一部に係
止する。
【0014】
【作用】上記弾性部材、係合爪部材、引手及びカバーを
スライダー胴体に組付けるには、まずスプリング材の一
部をスライダー胴体の一部に支持固定させると共に、係
合爪部材の爪部を下方に向けてスライダー胴体の爪孔に
遊挿してピン部の前後両端をスライダー胴体に形成され
た軸支溝に遊嵌支持させる。このとき、前記弾性部材
は、係合爪部材のカム部の傾斜側面を下方から当接支持
するようにして配され、前後両端を支持された係合爪部
材が前記弾性部材の当接方向に回動するとき同係合爪部
材に元に戻る方向の弾力が作用する。こうしてスライダ
ー胴体に組み込まれた係合爪部材の側方に傾斜して立ち
上がるカム部の基端上面を、引手の回動軸が横切って引
手をセットし、続いて上記カバーを係合爪部材及び引手
回動軸を覆うようにしてスライダー胴体に固着する。
【0015】ここで注目すべき点は、スライダー胴体の
上翼片の上面中央部に形成された凹陥部内に係合爪部材
のピン部を収容すると共に、引手の回動軸を前記上翼片
の上面に直接セットすることと、前記係合爪部材に爪部
及びカム部を形成することにある。これらの点を構成要
素とする本発明は、カバーの高さを左右する要因として
は単に引手の回動軸の径を考慮するだけで足り、他の部
材に対する高さや上下動を考慮する必要がなくなる。従
って、本発明のスライダーにあっては、カバーに引手の
回動軸を支持するに充分な空間を形成すれば足り、極め
て薄手のスライダーが得られる。
【0016】かくて組み立てられた自動係止機構付きの
本発明に係るスライダーによれば、引手の回動軸がカム
部の基部にあるとき、係合爪部材のカム部には何ら外力
が作用しないため、爪部は垂直下方に向けられ、スライ
ダー胴体に形成されるエレメント列通路内の噛合エレメ
ント列に係止され、スライダーのそれ以上の動きを規制
する。
【0017】この状態から、引手を操作してスライダー
をファスナーチェーンの長手方向に摺動させようとする
と、引手の回動軸がカム部の傾斜カム面に乗り上げると
同時に、引手を引く力の分力が係合爪部材に作用して係
合爪部材をピン部を中心にして回動させ、爪部を爪孔の
内部に退避させて噛合エレメント列に対する係止状態を
解除する。この係合爪部材の回動時において、係合爪部
材はカム部の傾斜側面を下方から付勢する弾性部材によ
り常に元の姿勢に復帰しようとしている。従って、引手
の操作を止めて手を離すと、係合爪部材は弾性部材の弾
力により原姿勢に戻る方向に回動し、その位置において
爪部は噛合エレメント列に係止して、スライダーの摺動
を規制する。また、この係合爪部材の復帰回動時には、
その回動力により引手の回動軸がカム部の傾斜カム面に
沿ってカム部の基部まで戻される。
【0018】
【実施例】以下、本発明を図示実施例に基づき具体的に
説明する。図1は本発明の代表的な実施例である自動停
止機構付きスライダーの分解図である。本発明のスライ
ダーは、スライダー胴体1、弾性部材であるスプリング
材2、係合爪部材3、引手4及びカバー5の5部材から
なる。
【0019】スライダー胴体1の上翼片11には、その
長手方向の上面前後に柱部12a,12bが起立してお
り、その前柱部12aには幅方向に偏心する部位に割溝
13が形成されて同柱部12aを左右に分割している。
また、前記上翼片11の略中央部には矩形状の凹嵌部1
4が形成されており、同凹嵌部14の後部側で且つ前記
割溝13とは反対側に偏った部位に上翼片11を貫通す
る爪孔15が形成されている。そして、前後の前記柱部
12a,12b及び前記凹嵌部14の間の前後肩部1
6,17には、前記爪孔15の前後延長線上に、それぞ
れ上記係合爪部材3の両端軸部31a,31bを回転自
在に支持する軸支溝16a,17aが形成されている。
これらの軸支溝16a,17aの底面は前記凹嵌部14
の底面とほぼ面一とされている。また、前肩部16には
前記割溝13の延長線上に上記線状スプリング2が遊嵌
する案内溝16bが形成されている。
【0020】上記スプリング材2は、図1に示すごとく
直線状のスプリングからなり、同スプリング材2の一端
部が上記前柱部12aに形成された割溝13に水平に挿
入支持され、その残部を前記凹陥部14内に延在させて
いる。また、上記引手4は一端に回動軸4aを有する通
常の構造を有している。
【0021】上記係合爪部材3は本発明の最も重要な構
成部材の一つをなしており、直線状のピン部31と、同
ピン部31の長手方向の一端に偏った位置から突出する
爪部32と、同爪部32の突出位置とは反対側でピン部
31の長手方向に沿った両端部にピン先31a,31b
を残した位置から突出する第1及び第2カム部33,3
4とからなる。前記第1及び第2カム部33,34は直
角を挟む一辺をピン部31に沿わせると共に斜辺の下端
同士を向かい合わせるようにして突出した略直角3角形
状をなしており、この第1,第2カム部33,34及び
ピン部31の軸芯を含む平面が前記爪部32及び前記軸
芯を含む平面に対して一方向に僅かに傾斜させている。
前記ピン部31の太さは、スライダー胴体1の上記凹嵌
部14及び軸支溝16a,17aに収納される太さに設
定される。
【0022】上記カバー5は、図1及び図2に示すごと
く前後に第1及び第2ボックス部51,52を有し、そ
の底部同士を連結部53により所定の間隔をもって一体
的に連結した構造を有している。そして、第1ボックス
部51の内部には、上記前柱部12aの割溝13に嵌合
すると共に、同割溝13に一端部が挿入支持される上記
スプリング材2をスライダー胴体1の上面に圧接するた
めの圧着片51aが設けられている。また、同第1ボッ
クス部51の開放端縁には、前記スプリング材2の突出
基端を案内する案内溝51bが形成され、前記スプリン
グ材2は同案内溝51bの内部においてある程度の自由
な動きが許容されている。また、第1及び第2ボックス
部51,52はスライダー胴体1の上記前後柱部12
a,12bに嵌合されたのち、その一部が加締め等によ
り前後柱部12a,12bに固着される。こうして組付
けられたスライダー胴体1の上面と前記連結部53との
間には前後に長い間隙が生じる。この間隙内に上記引手
4の回動軸4aが挿通されることになる。
【0023】さて、以上のごとき構成を有するスプリン
グ材2、係合爪部材3、引手4及びカバー5をスライダ
ー胴体1に組付けるには、図1において、先ず線状スプ
リング材2の一端部をスライダー胴体1の前柱部12a
の割溝13に挿入支持させると共に、係合爪部材3の爪
部32を下方に向けてスライダー胴体1の爪孔15に収
容させた状態でピン部31の前後ピン先31a,31b
を軸支溝16a,17aに嵌合支持させる。このとき、
前記スプリング材2の自由端部は、図4及び図6に示す
ごとく係合爪部材3の第1カム部33の傾斜側面を下方
から当接支持ように配される。また、前記スプリング材
2の自由端部の突出基端が第1ボックス部51の案内溝
51bに遊嵌されるため、同スプリング材2及び前記係
合爪部材3のピン部31の双方共にスライダー胴体1の
上面中央部に形成されている凹陥部14に完全に収容さ
れることになる。
【0024】こうしてスライダー胴体1に組み込まれた
係合爪部材3の側方に傾斜して立ち上がる第1,第2カ
ム部33,34の中間のピン部31の上面を、引手4の
回動軸4aが横切るようにして引手4をセットし、続い
て上記カバー5の第1ボックス部51をスライダー胴体
1の前柱部12aに、また第2ボックス部52を後柱部
12bに、それぞれ嵌合させる。このとき、前記前柱部
12aの割溝13には第1ボックス部51の圧着片51
aが嵌着され、上記スプリング材2の一端を上方から押
圧してスライダー胴体1の上面との間で挟持固定する。
このあと、加締め等の適宜手段により第1及び第2ボッ
クス部51,52の下端部を、それぞれ前後の柱部12
a,12bに固着する。
【0025】ここで注目すべき点は、スライダー胴体1
の上翼片11の上面中央部に凹陥部14を形成する点
と、同凹嵌部14内に係合爪部材3のピン部31を収容
すると共に、引手4の回動軸4aを前記上翼片11の上
面に直接セットできる点と、前記係合爪部材3に爪部3
2及びカム33,34を形成している点にある。これら
の点を構成要素とする本発明は、カバー5の高さを左右
する要因として引手4の回動軸4aの径を考慮するだけ
で足り、係合爪部材3の厚み(高さ)や上下動に対する
考慮をする必要がなくなることを意味している。従っ
て、本発明のスライダーSにあっては、カバー5に引手
4の回動軸4aを支持するに充分な空間が存在するだけ
で済み、極めて薄手のスライダーSが得られる。
【0026】図3及び図4は、かくて組み立てられた自
動係止機構付きの本発明に係るスライダー構造を示して
いる。また、図5及び図6は同自動停止機構の作用説明
図である。いま、図4に示すごとく引手4の回動軸4a
が第1及び第2カム部33,34の中間部にあるとき、
係合爪部材3の第1及び第2カム部33,34には何ら
外力が作用しないため、図6に実線で示すように爪部3
2は垂直下方に向けられ、図5に仮想線で示すごとく隣
り合う噛合エレメントE間の間隙に挿入され、スライダ
ーSのそれ以上の動きが規制されている。
【0027】この状態から、例えば図5に実線で示すご
とく引手4を操作してスライダーSをファスナーチェー
ンCの開放方向に摺動させようとすると、引手4の回動
軸4aが第2カム部34の傾斜カム面34aに乗り上げ
ると同時に、図6に仮想線で示すごとく引手4を引く力
により係合爪部材3がピン部31を中心にして回動し、
爪部32を爪孔15の内部に退避させて噛合エレメント
Eの間から抜け出させる。この係合爪部材3の回動時に
おいて、係合爪部材3には第1カム部33の側面に下方
から当接するスプリング材2により原姿勢に復帰する弾
力が作用している。従って、引手4の操作を止めて手を
離すと、係合爪部材3はスプリング材2の弾力により原
姿勢に戻る方向に回動し、その位置において爪部32は
隣り合う噛合エレメントEの間に挿入され、スライダー
Sの摺動を規制する。また、この係合爪部材3の復帰回
動時には、その回動力により引手4の回動軸4aが第2
カム部34の傾斜カム面34aに沿って第1及び第2カ
ム部33,34の中間部まで戻される。こうした動き
は、引手4を図5に仮想線で示す方向に操作する場合に
も同様になされるものであり、但しこの場合には引手4
の回動軸4aは第1カム部33の傾斜カム面33aに沿
って移動することになる。
【0028】図7は、本発明の他の代表的な実施例を示
している。同図に示す実施例において上記実施例と異な
るところは、弾性部材であるスプリング材2′をつる巻
きバネにより構成して、同スプリング材2′に係合爪部
材3の一端を挿通して予め組付けておく点にあり、他の
構成に関しては上記実施例と実質的に同一である。この
スプリング材2′を係合爪部材3に組付けるとき、スプ
リング材2′の一端を係合爪部材3の第1カム部33の
傾斜側面に下方から係止させている。また、こうして組
付けられたスプリング材2′及び係合爪部材3をスライ
ダー胴体1′にセットするため、スライダー胴体1′の
前柱部12a′には高さ方向に延びるピン嵌入溝13′
が形成されると共に、同柱部12a′の基部には軸支溝
16aに連通するバネ支持溝11a′が形成されてい
る。
【0029】スライダー胴体1′にスプリング材2′付
きの係合爪部材3を組付けるときは、同係合爪部材3の
スプリング材2′を支持するピン部31の先端31aを
前記ピン嵌入溝13′に嵌入させると共に、前記スプリ
ング材2′の他端を前記バネ支持溝11a′に嵌入して
スプリング材2′を係合爪部材3に固定する。かかる構
成を備えた図7に示す実施例においても、上記実施例と
同様に高さの低いカバー構造が得られると共に、引手4
に対して通常の操作を行うだけで自動停止と解除を確実
になし得る。このように、本発明に係る自動停止機構付
きスライダーは図示例に限定されるものではなく、多様
な変形が可能である。
【0030】
【発明の効果】以上の説明からも明らかなごとく、本発
明の自動停止機構付きスライダーは構成点数を最小限に
抑えると共に、係合爪部材をスライダー胴体に形成した
凹嵌部に収容して引手の回動軸の下方に配置し、引手の
回動軸をスライダー胴体の上翼片の上面に沿って前後に
摺動させ、係合爪部材を作用させるようにしたため、引
手の取付部材でもあるカバーの高さを最小限度まで低く
設計することが可能となり、しかも係合爪部材の構造を
爪部と引手の通常操作により同係合爪部材を所定の方向
に回動させる前後のカム部とを突設したピン形状とする
と共に、爪部が噛合エレメント間に挿入される方向に同
係合爪部材を弾力により付勢しているため、引手を格別
に操作することなく通常の操作によって爪部の噛合エレ
メントに対する係脱動作を自動的に且つ確実になし得る
ものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例を示す自動停止機構付
きスライダーの分解斜視図である。
【図2】同スライダーに適用されるカバーを裏面から見
た斜視図である。
【図3】同スライダーの一部を切開して示す斜視図であ
る。
【図4】同平面図である。
【図5】同スライダーの自動停止機構を縦断面から見た
作用説明図である。
【図6】同スライダーの自動停止機構を横断面から見た
作用説明図である。
【図7】本発明に係るスライダーの他の実施例を一部切
断して示す分解斜視図である。
【符号の説明】
1,1′ スライダー胴体 11 上翼片 11a′ バネ支持溝 12a,12b 前後柱部 12a′ 前柱部 13 割溝 13′ ピン嵌入溝 14 凹嵌部 15 爪孔 16,17 前後肩部 16a,17a 軸支溝 16b 案内溝 2,2′ スプリング材 3 係合爪部材 31 ピン部 31a,31b 両端軸部 32 爪部 33,34 第1及び第2カム部 4 引手 4a 回動軸 5 カバー 51,52 第1及び第2ボックス部 51a 圧着片 51b 案内溝 53 連結部 S スライダー E 噛合エレメント C ファスナーチェーン

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スライダー胴体(1,1′) 、引手(4) 、引
    手(4) をスライダー胴体(1,1′) に取り付けるためのカ
    バー(5) 、引手操作により噛合エレメント列に係脱する
    爪部(32)を有する係合爪部材(3) 及び前記爪部(32)を噛
    合エレメント列と噛合する方向に付勢する弾性部材から
    なり、 前記スライダー胴体(1) の上翼片(11)には前記爪部(32)
    を遊挿する爪孔(15)及び前記係合爪部材(3) を収容する
    と共に回転自在に支持する支持空間部(14,16a,17a)が形
    成され、前記係合爪部材(3) は前記支持空間部に収容さ
    れると共に、その両端が同空間部の一部に回転自在に支
    持されるピン部(31)と、同ピン部(31)から突出して前記
    爪孔(15)に挿通される爪部(32)と、同爪部(32)に対して
    前記ピン部(31)を挟んで反対側から側方に傾斜して突出
    するカム部とからなり、前記引手(4) の回動軸(4a)が前
    記係合爪部材(3) のピン部(31)の上面を横切って上記上
    翼片(11)の上面に配され、前記カバー(5) により回動自
    在に取り付けられてなることを特徴とするスライドファ
    スナー用の自動停止機構付きスライダー。
  2. 【請求項2】 前記支持空間部が上記上翼片(11)の上面
    中央部に形成された凹陥部(14)と上記係合爪部材(3) の
    両端を支持する軸支溝(16a,17a) とからなる請求項1記
    載の自動停止機構付きスライダー。
  3. 【請求項3】 前記係合爪部材(3) のカム部が前記ピン
    部(31)の前後に所定の間隔をおいて略平行に突出する第
    1及び第2のカム部(33,34) からなり、同カム部(33,3
    4) の互いに向かい合うカム面が傾斜面であり、上記引
    手(4) の回動軸(4a)が両カム部(33,34) 間に配されてな
    る請求項1記載の自動停止機構付きスライダー。
  4. 【請求項4】 前記弾性部材が線状のスプリング材(2)
    からなり、同スプリング材(2) の一端がスライダー胴体
    (1) の上記上翼片(11)の一部に支持されると共に、その
    他端が上記支持空間部(14)に延在すると同時に前記係合
    爪部材(3) のカム部(33)の傾斜側面に下方から当接され
    てなる請求項1記載の自動停止機構付きスライダー。
  5. 【請求項5】 前記弾性部材がつる巻きバネ(2′) から
    なり、前記係合爪部材(3) の一端部に同つる巻きバネ
    (2′) を挿通し、同つる巻きバネ(2′) の一端を前記カ
    ム部(33)の傾斜側面に係止させると共に、その他端をス
    ライダー胴体(1)の一部に係止してなる請求項1記載の
    自動停止機構付きスライダー。
JP14958394A 1994-06-30 1994-06-30 スライドファスナー用の自動停止機構付きスライダー Pending JPH0810015A (ja)

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