JP6428208B2 - 塗料組成物、該組成物を用いた自己修復型形成塗膜 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車外装板やプラスチック成形品表面の塗膜に付いた傷の自己修復性の機能付与に有用であり、更に塗膜の透明性,平滑性に優れた塗料組成物、該組成物を用いた自己修復型形成塗膜の技術に関する。
プラスチック素材は優れた加工性を有するため、種々の形状に成形し、成形品として多くの産業分野で広く使用されている。しかしプラスチック素材は、ガラス、金属等に比べると一般に硬度が低く、その表面に擦り傷がつき易い欠点を有しているため、成形品表面に耐擦傷性の優れた塗膜の形成が行われている。
従来、耐擦傷性に優れた塗膜を形成する方法としては、架橋密度や表面硬度が高い塗膜を形成する方法(以下、「ハードコート処理」という。)が一般に普及している。しかし、このハードコート処理は、架橋密度や塗膜硬度が高いため、耐擦傷性の改善効果が大きい利点があるが、その反面で塗膜が脆くなる傾向がある。そのため、一度傷がつくとその部位から塗膜クラックが発生し、場合によってはそのクラックが成形体そのものにも及ぶという欠点を有していた。
又はハードコート処理したプラスチック成形品を自動車の外装部品として使用した場合、自動車走行中に成形品表面へ砂や小石等が衝突し、塗膜面に微細な打痕、へこみといった傷をつけることがあり、このようなへこみ傷をハードコート処理された塗膜で防止するには塗膜を厚くして回避する必要があった。しかし、塗膜の厚膜化は、微細加工性の低下に伴う意匠性の低下や外装部品の重量化といった課題を生じていた。
このような背景の中で、外力を吸収し傷を復元させる機能(以下、「自己修復性」という。)を有するゴム弾性塗料組成物(以下、「ソフトコート」という。)なるものが知られている(例えば、特許文献1〜特許文献4参照)。
特許文献1、及び特許文献2に記載されたポリウレタン塗料組成物は、従来の自己修復性塗料と比較し、柔軟でかつ強靭な塗膜を形成することができるため、擦り傷を形成する塗膜表層部の微細な塗膜の破れに対して十分な耐性を示すとともに、塗膜表面の耐擦傷性、自己修復性、耐汚染性、及び耐ブロッキング性に優れるものとされている。
特開2006−124610号公報 特開2006−328252号公報 特開2007−9219号公報 特開2011−207953号公報
しかしながら、特許文献1、及び特許文献2のポリウレタン塗料組成物は、主成分にポリエステルを使用しているため、外装トップコート塗料として使用した場合、耐水性、及び耐湿熱性に劣り、特に耐候性試験を経た後の傷の自己修復性が低下する恐れがあった。また、塗膜の自己修復時間も十分とはいえなかった。
特許文献3では、ポリジメチルシロキサン系共重合体、ポリカプロラクトン、ポリシロキサンとを含有する塗料組成物、又はシロキサン成分が骨格中に導入された塗料組成物を用いて形成される塗膜が耐擦傷性に優れることが報告されているが、塗膜の自己修復性については言及されていない。
また、特許文献4では、ポリカーボネートジオールとカプロラクトン変成アクリルポリオールを含有する塗料組成物を用いて形成される塗膜が耐擦傷性に優れることが報告されている。しかし、得られる塗膜の透明性や平滑性が不十分であり、また、特定分子量のポリカーボネートジオールを使用した場合の塗料溶液の相溶性や塗膜外観について着眼、開示されていない。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、塗膜の傷に対する自己修復性のみならず、塗料溶液の相溶性、塗膜の透明性、平滑性、修復限界強度に優れた塗料組成物を提供することである。
すなわち本発明は以下の(1)〜(10)に示されるものである。
(1)有機ポリイソシアネート(A)と、アクリルポリオール(B)と、ポリカーボネートポリオール(C)とを反応させて得られる自己修復型塗料組成物であって、有機ポリイソシアネート(A)が3.0以上の官能基数をもつ変性ポリイソシアネートであり、ポリカーボネートポリオール(C)の数平均分子量が250〜750であることを特徴とする自己修復型塗料組成物。
(2)有機ポリイソシアネート(A)が、ポリオールと有機ジイソシアネートとの反応により得られる、3.0以上の官能基数をもつ変性ポリイソシアネートであることを特徴とする上記(1)に記載の自己修復型塗料組成物。
(3)有機ポリイソシアネート(A)の原料に用いるポリオールが、ポリテトラメチレングリコール及びポリカーボネートポリオールからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(2)に記載の自己修復型塗料組成物。
(4)有機ポリイソシアネート(A)の原料に用いる有機ジイソシアネートが脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の自己修復型塗料組成物。
(5)有機ポリイソシアネート(A)の原料に用いる有機ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする上記(2)又は(3)に記載の自己修復型塗料組成物。
(6)有機ポリイソシアネート(A)が、アロファネート変性ポリイソシアネート及びイソシアヌレート変性ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物。
(7)アクリルポリオール(B)のガラス転移点が−20〜50℃であり、水酸基価が20〜50mgKOH/gであり、かつ数平均分子量が6,000〜15,000であることを特徴とする(1)〜(6)のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物。
(8)有機ポリイソシアネート(A)中のイソシアネート基と、アクリルポリオール(B)及びポリカーボネートポリオール(C)中の水酸基のモル比(R)が、R=イソシアネート基/水酸基で0.8〜1.2の比で配合することを特徴とする上記(1)〜(7)のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物。
(9)アクリルポリオール(B)とポリカーボネートポリオール(C)とを9:1〜7:3(重量比)で配合することを特徴とする上記(1)〜(8)のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物。
(10)上記(1)〜(9)のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物を被着体表面上に塗布し、塗膜を形成することを特徴とする自己修復型形成塗膜の形成方法。
本発明の自己修復型塗料組成物、及び自己修復型形成塗膜は、塗膜の傷に対する自己修復性のみならず、従来塗料組成物ではなし得なかった塗膜の透明性や平滑性、修復限界強度が良好な自己修復型形成塗膜を得ることができる。
この自己修復型塗料組成物を使用した自己修復型形成塗膜は、上記の性能に優れているため、自動車外装板等の部材やプラスチック成形品の表面塗膜に有用である。
本発明の自己修復型塗料組成物は、有機ポリイソシアネート(A)と、アクリルポリオール(B)と、ポリカーボネートポリオール(C)とを反応させて得られる自己修復型塗料組成物であって、有機ポリイソシアネート(A)が3.0以上の官能基数をもつ変性ポリイソシアネートであり、ポリカーボネートポリオール(C)の数平均分子量が250〜750であることをその特徴とする。
本発明において、自己修復型塗料組成物中に官能基数が3.0以上の変性ポリイソシアネートを含有すること、及びアクリルポリオールと特定の分子量をもつポリカーボネートポリオールを含有することによって、従来では成し得なかった常温下で60秒以内での自己修復性の発現を可能とし、乾燥性や耐湿性の向上により、湿度の高い条件下での塗膜の透明性、平滑性を高めることができる。
ここで、有機ポリイソシアネート(A)に使用される官能基数が3.0以上の変性ポリイソシアネートとしては、ポリオールと有機ジイソシアネートとを反応させて得られるものが好ましく、アロファネート変性ポリイソシアネート又はイソシアヌレート変性ポリイソシアネートであることがより好ましい。ポリイソシアネートにアロファネート基又はイソシアヌレート基を含有することによって、柔軟でありながら強靭な塗膜が形成でき、良好な自己修復性と摩耗に対する耐久性とを両立した塗膜を得ることができる。また、とりわけアロファネート基を含有することによって常温液状とすることができ、塗装におけるハンドリング性が良好となる。
また、有機ポリイソシアネート(A)において、官能基数が3.0以上の変性ポリイソシアネートの官能基数の上限は、性能が低下しない範囲であれば特に限定されるものではないが、粘度の観点から6.0以下が好ましく、5.5以下がさらに好ましい。
<ポリオール>
変性ポリイソシアネートの原料に使用されるポリオールとして、具体的には、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールや、ポリエステルポリオール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、シリコーンポリオール、フッ素系ポリオール、ヒマシ油系ポリオール等の水酸基が少なくとも二個以上含有するポリオールが挙げることができ、単独、又は二種類以上を組み合わせて適宜使用することができる。
これらのポリオールの中で、耐熱性や耐水性の観点から、ポリテトラメチレングリコールやポリカーボネートポリオールが好ましい。
<有機ポリイソシアネート>
変性ポリイソシアネートの原料に使用される有機ポリイソシアネートとしては、芳香族ポリイソシアネート、芳香脂肪族ポリイソシアネート、脂肪族ポリイソシアネート、脂環族ポリイソシアネートを使用することができる。また、性能が低下しない範囲で、これらのアロファネート変性ポリイソシアネート、イソシアヌレート変性ポリイソシアネート、ウレトジオン変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、ビュレット変性ポリイソシアネート、ウレトイミン変性ポリイソシアネート、アシルウレア変性ポリイソシアネート等を併用することもできる。
<芳香族ポリイソシアネート>
芳香族ポリイソシアネートの具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート混合物、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート/4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート混合物、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等を挙げることができる。
<芳香脂肪族ポリイソシアネート>
芳香脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、1,3−又は1,4−キシリレンジイソシアネート又はその混合物、1,3−又は1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン又はその混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン等を挙げることができる。
<脂肪族ポリイソシアネート>
脂肪族ポリイソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
<脂環族ポリイソシアネート>
脂環族ポリイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等を挙げることができる。
上記有機ポリイソシアネートの中でも、耐候性等の観点から、脂肪族ポリイソシアネート及び脂環族ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種が好ましく、ハンドリング性の観点からヘキサメチレンジイソシアネートが特に好ましい。
次に、3.0以上の官能基数をもつ変性ポリイソシアネートの具体的な製造手順について説明する。
<変性ポリイソシアネートの製造方法>
第1工程:数平均分子量が100〜1,000のポリテトラメチレングリコール及びポリカーボネートポリオールから選ばれる少なくとも一種のポリオールと有機ジイソシアネートとを、水酸基に対してイソシアネート基が過剰になる量を仕込み、有機溶剤の存在下、又は非存在下、20〜100℃でウレタン化反応させて変性ポリイソシアネート用イソシアネート基末端プレポリマーIを製造する。
第2工程:変性ポリイソシアネート用イソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート化触媒を仕込み、赤外分光分析(IR分析)でウレタン基が実質的に存在しなくなるまで、70〜150℃にてアロファネート化させて、アロファネート変性された変性ポリイソシアネート用イソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する。
第3工程:アロファネート変性された変性ポリイソシアネート用イソシアネート基末端プレポリマーIIに反応停止剤を添加することによって、反応の停止を行う。これら第1工程〜第3工程においては、窒素ガス、又は乾燥空気気流下で反応を進行させる。
第4工程:アロファネート変性された変性ポリイソシアネート用イソシアネート基末端プレポリマーIIを薄膜蒸留又は溶剤抽出によって、遊離の有機ジイソシアネートの含有量を1質量%未満になるまで除去し、アロファネート変性された変性ポリイソシアネートを製造する。
ここで、「イソシアネート基が過剰になる量」としては、原料仕込みの際、有機ジイソシアネート中のイソシアネート基と、ポリオール中の水酸基とのモル比(R)が、R=イソシアネート基/水酸基で6〜40になるように仕込むことが好ましく、更に好ましくは、R=7〜30になるように仕込むことが好ましい。下限未満の場合には、目的物中にイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが多く含有する恐れがある。上限を超える場合には、アロファネート変性された変性ポリイソシアネートの前駆体であるウレタン基を含有したポリイソシアネートが多くなり、官能基数の低下、及び生産性や収率の低下を招く恐れがある。
アロファネート変性された変性ポリイソシアネートを有機溶剤の存在下で製造する場合には、反応に影響を与えない各種有機溶剤を用いることができる。
<有機溶剤>
有機溶剤の具体例としては、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル類、ジオキサン等のエーテル類、ヨウ化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶剤等が挙げられる。これらの溶剤は、単独、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
イソシアヌレート変性された変性ポリイソシアネートもイソシアヌレート化触媒を用いることにより同様に製造することができる。
アロファネート変性された変性ポリイソシアネートについて、製造工程をさらに詳細に説明する。
<第1工程:変性ポリイソシアネート用イソシアネート基末端プレポリマーIを製造する工程>
有機ポリイソシアネート及びポリオールを反応させて、変性ポリイソシアネート用イソシアネート基末端プレポリマーIを製造する際のウレタン化反応温度は、20〜120℃であり、好ましくは50〜100℃である。尚、ウレタン化反応の際、公知のウレタン化触媒を用いることができる。具体的には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いる。これらの触媒は、単独、又は二種以上併用して用いることができる。ウレタン化反応の反応時間は、触媒の有無、種類、及び温度により異なるが、一般には10時間以内、好ましくは1〜5時間で十分である。
<第2工程:アロファネート変性された変性ポリイソシアネート用イソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する工程>
ウレタン化反応が終了後アロファネート化反応を行い、アロファネート変性された変性ポリイソシアネート用イソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する。この時、アロファネート化反応は、ウレタン化反応と同時に行ってもウレタン化反応後に行ってもよい。ウレタン化反応とアロファネート化反応とを同時に行う場合には、アロファネート化触媒の存在下で反応を行えばよく、ウレタン化反応後にアロファネート化反応を行う場合には、アロファネート化触媒の非存在下で、所定時間ウレタン化反応を行った後、アロファネート化触媒を添加してアロファネート化反応を行えばよい。
<アロファネート化触媒>
アロファネート化反応で使用されるアロファネート化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、例えば、カルボン酸の金属塩を用いることができる。
カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和単環カルボン酸、ビシクロ(4.4.0)デカン−2−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の上述したカルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン酸等のモノカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸類が挙げられる。
また、カルボン酸の金属塩を構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、スズ、鉛等のその他の典型金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム等の遷移金属等が挙げられる。
これらのカルボン酸金属塩は、単独、又は二種以上を組み合わせて用いることができる。尚、アロファネート化触媒の使用量は、ポリオールと有機ジイソシアネートとの合計質量に対して、0.001〜0.1質量%が好ましく、0.005〜0.03質量%がより好ましい。下限未満の場合には、アロファネート変性ポリイソシアネートがあまり生成せず、ウレタン変性ポリイソシアネートの副生成物量が多くなり、得られるポリイソシアネートの官能基数が低下することになる。また、上限を超える場合には、貯蔵安定性の低下を招く恐れがある。
ここで、アロファネート化反応の反応温度は70〜150℃、好ましくは90〜130℃で行うことが好ましい。反応温度が低すぎる場合には、アロファネート変性ポリイソシアネートがあまり生成せず、ウレタン変性ポリイソシアネートの副生成物量が多くなり、得られるポリイソシアネートの官能基数が低下することになる。また、反応温度が高すぎる場合には、イソシアヌレート変性ポリイソシアネートの副生成物が多くなり、自己修復性の低下を招く恐れがある。
<第3工程:反応停止工程>
アロファネート化反応後、触媒の活性を失活させる反応停止剤を添加してアロファネート化反応を停止させる。反応停止剤の添加時期は、アロファネート化反応後であれば特に限定されないが、副反応の進行を抑制するためにも、反応終了後速やかな添加が好ましい。
<反応停止剤>
ここで使用される反応停止剤としては、具体的にはリン酸、塩酸等の無機酸、スルホン酸基、スルファミン酸基等を有する有機酸、及びこれらのエステル類、アシルハライド等公知の化合物が使用される。これらは、単独、又は二種以上を併用することができる。また、反応停止剤の添加量は触媒の種類によって異なるが、触媒の0.5〜10当量となるのが好ましく、0.8〜5.0当量が特に好ましい。反応停止剤の添加量が少ない場合には、得られるアロファネート変性された変性ポリイソシアネートの貯蔵安定性が低下する場合がある。また、添加量が多すぎる場合は着色が生じる恐れがある。
前記の反応工程終了後、遊離の未反応の有機ジイソシアネートを除去する精製工程を経ることができる。この精製工程は主に低粘度タイプのアロファネート変性ポリイソシアネートを製造する場合に用いられる。
<第4工程:精製工程>
精製工程では、反応混合物中に存在している遊離の未反応有機ジイソシアネートを、例えば10〜100Paの高真空下での120〜140℃における薄膜蒸留により、1.0質量%以下の残留含有率まで除去することが好ましい。上限値を超える場合、臭気や貯蔵安定性の低下を招く恐れがある。
また、反応工程で有機溶剤を使用した場合には、この精製工程で除去される。
このように、一連の工程を経て得られたアロファネート変性された変性ポリイソシアネートは、モル分率でイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが5モル%を超えないように調整することが好ましい。上限値を超える場合には、自己修復性の低下を招く恐れがある。
また、得られたアロファネート変性された変性ポリイソシアネートは、塗膜形成後の後架橋としてイソシアネート基の一部をブロック剤で変性し、ブロックイソシアネートとすることもできる。
<ブロック剤>
ブロック剤は、アロファネート変性された変性ポリイソシアネートのイソシアネート基をブロック化し、水分や水酸基等の活性水素基との反応を消失させ一液化を可能とする。更に、ブロック化されたポリイソシアネートは、加熱することによってブロック剤が解離し、再びイソシアネート基が活性化することで、活性水素基と反応する潜在性の硬化剤である。
ブロック剤の具体例としては、フェノール系、ラクタム系、活性メチレン系、アルコール系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系、カルバミン酸塩系、イミン系、オキシム系、亜硫酸塩系等が挙げられる。特に、フェノール系、オキシム系、ラクタム系、イミン系が有利に使用される。
ここで、ブロック剤の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、p−ヒドロキシジフェニル、t−ブチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−t−オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸エステル等のフェノール系ブロック剤、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系ブロック剤、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、メトキシメタノール、グリコール酸、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル等のグリコール酸エステル、乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、エチレンクロルヒドリン、エチレンブロムヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、ω−ハイドロパーフルオロアルコール、アセトシアンヒドリン等のアルコール系ブロック剤、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤、アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤、コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミン等のアミン系ブロック剤、イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニル尿素等の尿素系ブロック剤、N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等のカルバミン酸塩系ブロック剤、エチレンイミン、プロピレンイミン等のイミン系ブロック剤、ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系ブロック剤、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩系ブロック剤等が挙げられる。これらのブロック剤は、単独、又は二種類以上を併用することができる。
このようにして得られたアロファネート変性された変性ポリイソシアネートの数平均分子量は、500〜8,000であり、好ましくは600〜7,500、更に好ましくは700〜7,000である。下限未満の場合には自己修復性が低下する恐れがあり、上限値を超えると耐薬品性の低下を招く恐れがある。
次に、本発明の自己修復型塗料組成物に使用されるアクリルポリオール(B)について説明する。本発明に使用されるアクリルポリオール(B)としては、本発明の効果を奏すれば特に限定されず、例えば、アクリル酸エステル及びメタクリル酸エステルからなる群より選ばれる少なくとも一種〔以下「(メタ)アクリル酸エステル」という。〕と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物及びメタクリル酸ヒドロキシ化合物からなる群より選ばれる少なくとも一種〔以下「(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物」という。〕と、重合開始剤とを、熱エネルギーや紫外線、又は電子線等の光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。これらのアクリルポリオール(B)は、単独で又は二種以上を併用することができる。
<(メタ)アクリル酸エステル>
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、炭素数1〜20のアルキルエステルものを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリルエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは、単独で又は二種類以上組み合わせたものを挙げることができる。
<(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物>
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物の具体例としては、ポリイソシアネート組成物との反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のアクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等のメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独で又は二種以上を組み合わせたものを挙げることができる。
<重合開始剤>
重合開始剤は、熱重合開始剤、光重合開始剤を挙げることができ、重合方法によって適宜選択される。
熱重合開始剤の具体例としては、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルカーボネート等のペルオキシエステル類、ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサン及びジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等のペルオキシケタール類等が挙げられる。
また、光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン−1等のアセトフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等のケトン類、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン等のチオキサンソン類、ビスアシルホスフィンオキサイド、ベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン酸化物、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、カンファン−2,3−ジオン、フェナントレンキノン等のキノン類等を挙げることができる。
本発明において、アクリルポリオール(B)のガラス転移点は、−20〜50℃の範囲であることが好ましい。下限未満の場合には、繰り返しの傷に対する自己修復性や屋外で使用する際に耐汚染性の低下が見られるため好ましくない。また、上限値を超えると低温や常温における自己修復性の低下を招く恐れがある。
また、アクリルポリオール(B)の水酸基価は、20〜50mgKOH/gの範囲であり、数平均分子量は6,000〜15,000の範囲であることが好ましい。この範囲を外れると、自己修復性、平滑性、及び耐薬品性が低下する恐れがある。
次に、本発明の自己修復型塗料組成物に使用されるポリカーボネートポリオール(C)について説明する。本発明に使用されるポリカーボネートポリオール(C)としては、本発明の効果を奏すれば特に限定されないが、アクリルポリオール(B)との相溶性や得られる塗膜の外観を考慮すると、数平均分子量が250〜750であることが好ましい。また、本発明の効果を妨げない範囲でポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、シリコーンポリオール、フッ素系ポリオール、動植物系ポリオール等を併用することができ、単独で又は二種以上を併用してもよい。
<ポリカーボネートポリオール>
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの一種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。
<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールとしては、具体的にはフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸又はこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトン)モノマーの開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル−アミドポリオールを挙げることができる。
<ポリエーテルポリオール>
ポリエーテルポリオールとしては、オキシエチレン基、オキシプロピレン基、オキシテトラメチレン基、オキシシクロヘキシル基から選ばれる少なくとも一種類のオキシアルキレン基を分子骨格中に有するポリエーテルポリオールを使用することができる。ポリエーテルポリオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、又はエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
<ポリオレフィンポリオール>
ポリオレフィンポリオールの具体例としては、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
<シリコーンポリオール>
シリコーンポリオールの具体例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を重合したビニル基含有シリコーン化合物、及び分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサンを挙げることができる。
<フッ素系ポリオール>
フッ素系ポリオールの具体例としては、含フッ素モノマーとヒドロキシ基を有するモノマーとを必須成分として共重合反応により得られる線状、又は分岐状のポリオールである。ここで、含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレンが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル、又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
<動植物系ポリオール>
動植物系ポリオールの具体例としては、ヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状又は分岐状ポリエステルポリオールであるヒマシ油が挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油も使用することができる。その他に、絹フィブロイン等も挙げられる。
次に、本発明の自己修復型塗料組成物の具体的な製造手順について説明する。なお、自己修復型塗料組成物の製造方法としては、本発明の効果を奏すれば特に限定されない。
<自己修復型塗料組成物の製造方法>
本発明において、有機ポリイソシアネート(A)と、アクリルポリオール(B)と、ポリカーボネートポリオール(C)を使用した自己修復型塗料組成物の製造方法としては、特に限定するものではないが、有機ポリイソシアネート(A)中のイソシアネート基と、アクリルポリオール(B)及びポリカーボネートポリオール(C)中の水酸基のモル比(R)が、R=イソシアネート基/水酸基で0.8〜1.2となるように配合することが好ましい。下限値未満の場合には水酸基が過剰になり、耐水性や耐湿熱性の低下を招く恐れがある。また、架橋密度が低下し耐久性の低下やコーティング塗膜の機械的強度が低下する恐れがある。上限値を超える場合にはイソシアネート基が過剰になり、イソシアヌレート基やウレア基が生成し、コーティング塗膜の柔軟性の低下を招き、実使用上の自己修復性が得られない恐れがある。
また、ポリカーボネートポリオール(C)に対してアクリルポリオール(B)を過剰にすることが好ましく、自己修復性能を考慮すると、アクリルポリオール(B)とポリカーボネートポリオール(C)とを9:1〜7:3(質量比)で配合することが特に好ましい。
なお、イソシアヌレート変性された変性ポリイソシアネートは、柔軟性を損なわない範囲で使用することができる。イソシアヌレート変性された変性ポリイソシアネートを使用することでガラス転移点が上昇し自己修復性が損なわれる恐れがあることから、ガラス転移点を下降させるためにポリカーボネートポリオールの配合量を増やすことで本発明の効果を奏することができる。
本発明の自己修復型塗料組成物において、種々の塗料添加剤を使用することができる。塗料添加剤は、塗膜のレベリング性、及び耐汚染性を付与するのみならず、自己修復性を維持したまま耐擦傷性を更に向上させるために使用される。これによってコーティング塗膜が薄い場合であっても、実使用上の自己修復性と耐擦傷性とを両立することが可能となる。
このような添加剤としては、例えば、少なくとも1つの水酸基を含有したアクリル部を有するジメチルポリシロキサン−アクリルブロック共重合体、ポリエーテル部を含有するジメチルポリシロキサン−ポリエーテルブロック共重合体、ポリエステル部を含有するジメチルポリシロキサン−ポリエステルブロック共重合体、及びポリエーテル部とポリエステル部を含有するジメチルポリシロキサン−ポリエーテル−ポリエステルブロック共重合体等が挙げられる。少なくとも1つの水酸基を添加剤の構造中に含有することで、添加剤とポリイソシアネートが反応し、コーティング塗膜形成後において、添加剤がブリードアウトして汚染やリコート性の低下等の不具合を生じることがなくなる。
ジメチルポリシロキサン−アクリルブロック共重合体の具体例としては、BYK−SILCLEAN3700(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:7600、ケイ素含有量:1%)が挙げられる。
また、ジメチルポリシロキサン−ポリエーテルブロック共重合体の具体例としては、BYK−377(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:1400、ケイ素含有量:18%)、BYK−SILCLEAN3720(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:1100、ケイ素含有量:17%)、BYK−9200(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:4600、ケイ素含有量:36%)、BYK−9201(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:4100、ケイ素含有量:20%)、BYK−9204(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:5700、ケイ素含有量:26%)、BYK−9205(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:4800、ケイ素含有量:37%)、BYK−9206(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:5400、ケイ素含有量:34%)、BYK−9210(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:4200、ケイ素含有量:14%)、BYK−9211(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:4900、ケイ素含有量:37%)、BYK−9215(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:4500、ケイ素含有量:29%)、BYK−9230(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:6000、ケイ素含有量:20%)、BYK−9241(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:6000、ケイ素含有量:222%)、BYK−9242(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:10500、ケイ素含有量:16%)、BYK−9247(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:5400、ケイ素含有量:25%)、BYK−9420(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:2500、ケイ素含有量:33%)、BYK−9001(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:6800、ケイ素含有量:22%)、BYK−9004(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:6800、ケイ素含有量:17%)、BYK−9020(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:10500、ケイ素含有量:17%)が挙げられる。
また、ジメチルポリシロキサン−ポリエステルブロック共重合体の具体例としては、BYK−370(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:2100、ケイ素含有量:8%)が挙げられる。
また、ジメチルポリシロキサン−ポリエーテル−ポリエステルブロック共重合体の具体例としては、BYK−375(ビックケミー・ジャパン社製、数平均分子量:2200、ケイ素含有量:15%)が挙げられる。これらの添加剤は単独で、又は2種以上組み合わせて用いることができる。
また、添加剤は、アクリルポリオール(B)とポリカーボネートポリオール(C)との配合液として、塗装時に有機ポリイソシアネート(A)と混合撹拌して使用される。また、予め添加剤とポリイソシアネート(B)とを反応させ、塗装時にアクリル樹脂(A)と混合撹拌して使用することも可能である。
本発明の自己修復型塗料組成物には、必要に応じて、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、分散剤、触媒、貯蔵安定剤、増粘剤等の添加剤を適宜配合することができる。
また、本発明によって得られた自己修復型塗料組成物は、スプレー、刷毛、浸漬等の塗装方法により被着体の表面上に塗布され、自己修復型形成塗膜を形成することができ、特に、湿度の影響を受けやすいスプレー塗装において平滑性自己修復性の効果を発揮することができる。
ここで被着体は、特に限定されるものではなく、ステンレス、リン酸処理鋼、亜鉛鋼、鉄、銅、アルミニウム、真鍮、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂、6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、MXD6ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、NBR樹脂、クロロプレン樹脂、SBR樹脂、SEBS樹脂等の素材で成形された被着体、コロナ放電処理やその他表面処理を施されたポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、又は前記被着体表面にベース塗装(中間形成となりうる塗膜層)された被着体を用いることができる。
被着体表層に形成される自己修復型形成塗膜の膜厚は、20μm未満であっても、自己修復性や平滑性、乾燥性に優れた薄膜を得ることができる。また、ポリジメチルシロキサン変性体を添加剤として使用することで、被着体上に少なくとも5μmの膜厚の形成でも本発明の効果を奏することができる。
このように本発明の自己修復型塗料組成物は、自己修復性のみならず、平滑性や乾燥性に優れ、特に20μm未満の薄膜において高い自己修復性を有する塗膜を得ることができることから、微細加工性、高意匠性、及び外装部品の軽量化が求められる自動車外装材の部材やプラスチック成形品の表面塗膜に好適に用いられる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定して解釈されるものではない。
<変性ポリイソシアネートの合成>
<合成例1>
撹拌機、温度計、冷却管、滴下ロートを備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート(東ソー社製、NCO含有量:49.9質量%、以下「HDI」という。)を700g、PTMG−250(保土谷化学工業社製、PTG−250):ポリテトラメチレングリコール、数平均分子量250を300g仕込み、窒素気流下、80℃でウレタン化反応を2時間行った。その後、オクチル酸ジルコニウム(商品名:オクチル酸ジルコニール、第一稀元素化学工業社製、以下「OctZr」という。)を0.05g添加し、110℃でアロファネート化反応を2時間行った。NCO含有量が40.3質量%に達した後、JP−508(城北化学工業社製、酸性リン酸エステル)を0.11g添加し、停止反応を行い、反応液を室温に冷却した。
この反応液を130℃×0.04kPaで薄膜蒸留をすることで未反応のHDIを除去し、精製したアロファネート変性ポリイソシアネートP1を得た。
アロファネート変性ポリイソシアネートP1はNCO含有量が16.4質量%、外観は透明液体、数平均分子量は2,000、NCO含有量と数平均分子量から計算された平均官能基数は5.0、25℃の粘度は2,000mPa・s、遊離HDI含有量は0.2質量%であった。
<GPC:分子量の測定>
・測定器:「HLC−8120」(東ソー社製)
・カラム:「TSKguardcolumn HXL−L」(東ソー社製)
粒径=6μm、サイズ=6mmID×30cm×4本
・キャリア:テトラヒドロフラン(THF)
・検出器:視差屈折
・サンプル:0.1%THF溶液
・検量線:ポリスチレン。
Figure 0006428208
Figure 0006428208
Figure 0006428208
表中の各原料は以下の通り。
・AP−A:亜細亜工業社製NX113−002,Tg30℃
・AP−B:DIC社製アクリディックA−801
・AP−C:DIC社製アクリディックZHP−108,Tg19℃
・AP−D:DIC社製アクリディックZHP−972,Tg21℃
・PCP−A:1,6−ヘキサンジオール/3−メチル−1,5−ペンタンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量500
・PCP−B:1,6−ヘキサンジオール/ポリカプロラクトン系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量500
・PCP−C:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量500
・PCP−D:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量600
・PCP−E:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量700
・PCP−F:1,6−ヘキサンジオール/3−メチル−1,5−ペンタンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1000
・PCP−G:1,6−ヘキサンジオール/3−メチル−1,5−ペンタンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量2000
・PCP−H:1,6−ヘキサンジオール/3−メチル−1,5−ペンタンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量3000
・PCP−I:1,6−ヘキサンジオール/ポリカプロラクトン系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1000
・PCP−J:1,6−ヘキサンジオール/ポリカプロラクトン系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量2000
・PCP−K:1,6−ヘキサンジオール/ポリカプロラクトン系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量3000
・PCP−L:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量800
・PCP−M:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量900
・PCP−N:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1000
・PCP−O:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量2000。
<塗料の調整>
表1〜3に示すように、得られた変性有機ポリイソシアネートと、アクリルポリオール、ポリカーボネートポリオール、添加剤としてBYK−SILCLEAN3700、触媒として、U−CAT SA102、希釈溶剤として酢酸エチルを加え混合し、塗料を調整した。
<自己修復性評価用塗膜塗装条件>
・塗装方法:アプリケーターを使用
・湿度条件:50%RH
・温度条件:23℃
・被着体:アクリル樹脂(クラレ社製、2mm厚)
・乾燥条件:80℃で5時間強制乾燥
・膜厚:約20μm。
<修復限界強度評価用塗膜塗装条件>
・塗装方法:ポリスポイトを使用
・湿度条件:50%RH
・温度条件:23℃
・被着体:アクリル樹脂(クラレ社製、2mm厚)
・乾燥条件:80℃で5時間強制乾燥
・膜厚:約150μm。
表1〜3に示すように、数平均分子量が250〜750のポリカーボネートポリオールを使用した自己修復塗膜は、優れた自己修復性を有しており、塗膜の透明性,平滑性に優れていることが分かった。
(1)評価試験1:
<自己修復性>
得られた塗膜に、温度23℃、50%RHの環境下において、真鍮製のワイヤーブラシで塗膜をこすり、塗膜表面に形成した傷の自己修復する時間を測定した。
<評価基準>
・60秒未満で傷跡が修復する:合格
・60秒以上、又は塗膜の破れを生じる:不合格
(2)評価試験2:
<修復限界強度>
得られた塗膜に、温度23℃、50%RHの環境下において、画鋲にのせるおもりの重量を変えて傷つけ,60秒以内に復元可能な最大荷重を評価した。
(3)評価試験3:
<塗料配合液外観>
調製した塗料配合液の外観を観察した。
<評価基準>
・塗料配合液が透明:合格
・塗料配合液に濁りが認められる:不合格
(4)評価試験4:
<塗膜外観>
得られた塗膜の外観を観察した。
<評価基準>
・塗膜が平滑でかつ透明:合格
・塗膜に凸凹やヒビが発生したり、濁りが認められる:不合格。

Claims (8)

  1. 有機ポリイソシアネート(A)と、アクリルポリオール(B)と、ポリカーボネートポリオール(C)とから得られる自己修復型塗料組成物であって、有機ポリイソシアネート(A)が、ポリテトラメチレングリコールと有機ジイソシアネートとから得られる、3.0以上の官能基数をもつ変性ポリイソシアネートであり、ポリカーボネートポリオール(C)の数平均分子量が250〜750であることを特徴とする自己修復型塗料組成物。
  2. 有機ポリイソシアネート(A)の原料に用いる有機ジイソシアネートが脂肪族ジイソシアネート及び脂環族ジイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項に記載の自己修復型塗料組成物。
  3. 有機ポリイソシアネート(A)の原料に用いる有機ジイソシアネートがヘキサメチレンジイソシアネートであることを特徴とする請求項に記載の自己修復型塗料組成物。
  4. 有機ポリイソシアネート(A)が、アロファネート変性ポリイソシアネート及びイソシアヌレート変性ポリイソシアネートからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物。
  5. アクリルポリオール(B)のガラス転移点が−20〜50℃であり、水酸基価が20〜50mgKOH/gであり、かつ数平均分子量が6,000〜15,000であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物。
  6. 有機ポリイソシアネート(A)中のイソシアネート基と、アクリルポリオール(B)及びポリカーボネートポリオール(C)中の水酸基のモル比(R)が、R=イソシアネート基/水酸基で0.8〜1.2の比で配合することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物。
  7. アクリルポリオール(B)とポリカーボネートポリオール(C)とを9:1〜7:3(質量比)で配合することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の自己修復型塗料組成物を被着体表面上に塗布し、塗膜を形成することを特徴とする自己修復型形成塗膜の形成方法。
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