JP6617479B2 - 樹脂成型に用いられる離型剤組成物、及びこの離型剤を用いて成型されるポリウレタン樹脂成型物 - Google Patents
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Description
(1)4級アンモニウム、及び/または4級ホスホニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)を含有することを特徴とする、樹脂成型に用いられる離型剤組成物。
(2)4級アンモニウム、及び/または4級ホスホニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)と、活性水素基を有するシリコーン(C)を含有することを特徴とする、樹脂成型に用いられる離型剤組成物。
(3)4級アンモニウム、及び/または4級ホスホニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)が、4級アンモニウム(A1)、及び/または4級ホスホニウム(A2)とカルボキシル基含有オルガノポリシロキサン(A3)からなることを特徴とする、上記(1)または(2)に記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物。
(4)4級アンモニウム(A1)、及び/または4級ホスホニウム(A2)のカルボキシレート含有量が、4級アンモニウム、及び/または4級ホスホニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)に対して、0.3mmol/g以上含まれることを特徴とする、上記(1)〜(3)のいずれか1つに記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物。
(5)4級アンモニウム、及び/または4級ホスホニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、活性水素基を有するシリコーン(C)を5〜150重量部含有することを特徴とする、上記(2)〜(4)のいずれか1つに記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物。
(6)活性水素基を有するシリコーン(C)がアミノ基含有シリコーンであることを特徴とする上記(2)〜(5)のいずれか1つに記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物。
(7)ポリウレタン樹脂形成性組成物(B)が、上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物が塗布された成形型にて成形されたポリウレタン樹脂成型物。
(8)上記(1)〜(6)のいずれか1つに記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物を成形型に塗布し、ポリウレタン樹脂形成性組成物(B)をその成形型に注入し成型して得られること特徴とするポリウレタン樹脂成型物の製造方法。
(9)ポリウレタン樹脂形成性組成物(B)が、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B1)、活性水素基末端硬化剤(B2)からなることを特徴とする、上記(7)に記載のポリウレタン樹脂成型物。
(10)ポリウレタン樹脂形成性組成物(B)が、滑剤(D)としてポリオキシエチレンアルキルエーテル(D1)、脂肪族アルコール(D2)、脂肪族イソシアネート(D3)、脂肪酸アミド(D4)から選ばれる少なくとも1種の化合物を含有することを特徴とする、上記(7)又は(9)に記載のポリウレタン樹脂成型物。
(11)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B1)のイソシアネート成分として、ジフェニルメタンジイソシアネートまたはトリレンジイソシアネートを含むことを特徴とする、上記(9)又は(10)に記載のポリウレタン樹脂成型物。
(12)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(B1)と活性水素基末端硬化剤(B2)とを混合する際のイソシアネート基/活性水素基のモル比が1.0〜3.0であることを特徴とする、上記(7)、(9)、(10)、又は(11)のいずれか1つに記載のポリウレタン樹脂成型物。
(13)動摩擦係数0.8以下、且つJIS−A硬度60〜98の範囲である、上記(7)、(9)、(10),(11)、又は(12)のいずれか1つに記載のポリウレタン樹脂成型物を用いることを特徴とする、産業機械部品。
カルボキシル基を有するオルガノポリシロキサンとしては、片末端にカルボキシル基を有する分子量1000〜2000のジメチルポリシロキサン(例えば、信越シリコーン社製「X−22−3710」)、両末端にカルボキシル基を有する分子量4000〜5000のジメチルポリシロキサン(例えば、信越シリコーン社製「X−22−162C」)、側鎖にカルボキシル基を有するジメチルポリシロキサン(例えば、信越シリコーン社製「X−22−3701E」)などが挙げられる。
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルホスホニウムヒドロキシド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、及びこれらの混合物などが挙げられる。
ポリイソシアネートの具体例として、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリメチルキシリレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレン−1,6−ジイソシアネート等の脂肪族及び脂環族ジイソシアネート。4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート。オルトキシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の難黄変ジイソシアネート。また、いずれかのイソシアネートのウレタン変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体等も使用できる。
ポリエステルポリオールの具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル−アミドポリオールを使用することもできる。
また、ポリエーテルポリオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの一種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。
ポリオレフィンポリオールの具体例としては、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
アクリルポリオールとしては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸エステルという〕と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物〔以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という〕と重合開始剤とを、熱エネルギーや、紫外線または電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、炭素数1〜20のアルキルエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸の脂環族アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリルエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは、単独、又は2種類以上組み合わせることができる。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物の具体例としては、ポリイソシアネート組成物との反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのアクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレートなどのメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これらアクリル酸ヒドロキシ化合物及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独、又は2種以上を組み合わせることができる。
重合開始剤は、熱重合開始剤、光重合開始剤を挙げることができ、重合方法によって適宜選択される。
熱重合開始剤の具体例としては、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルカーボネート等のペルオキシエステル類、ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等のペルオキシケタール類等が挙げることができる。
また、光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α−ヒドロキシ−α,α’−ジメチルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン−1等のアセトフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p’−ジクロロベンゾフェノン、N,N’−テトラメチル−4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等のケトン類、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン等のチオキサンソン類、ビスアシルホスフィンオキサイド、ベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン酸化物、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、カンファン−2,3−ジオン、フェナントレンキノン等のキノン類などを挙げることができる。
シリコーンポリオールの具体例としては、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを重合したビニル基含有シリコーン化合物、及び分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサンを挙げることができる。
ヒマシ油系ポリオールの具体例としては、ヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる、線状または分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油も使用することができる。
フッ素系ポリオールの具体例としては、例えば含フッ素モノマーとヒドロキシ基を有するモノマーとを必須成分として共重合反応により得られる線状、又は分岐状のポリオールである。ここで、含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレンが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル、又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
モノマーポリオールの具体例として、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ウレタン化反応で使用されるポリウレタン用ウレタン化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、アミン系触媒の具体例としては、例えばトリエチレンジアミン、2−メチルトリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N ”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン等である。イミダソール系触媒の具体例としては、例えば1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール、N,N−ジメチルヘキサノールアミン、N−メチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)ピペラジン、1−(2−ヒドロキシエチル)イミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)イミダゾール、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−メチルイミダゾール、1−(2−ヒドロキシプロピル)−2−メチルイミダゾール等である。金属触媒系の具体例としては、例えばスタナスジアセテート、スタナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナスジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジクロライド、ジオクチル錫ジラウレート等の有機スズ触媒や、オクチル酸ニッケル、ナフテン酸ニッケル、オクチル酸コバルト、ナフテン酸コバルト、オクチル酸ビスマス、ナフテン酸ビスマス等である。尚、ウレタン化触媒の使用量は、NCO基末端ウレタンプレポリマーと活性水素基末端硬化剤の総和重量に対して、0.001〜0.5質量%の範囲で用いられるのが好ましく、中でも、反応制御の容易さという観点から、0.005〜0.10質量%の範囲で用いられるのがより好ましい。
イソシアヌレート化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、具体例としては、トリエチルアミン、N−エチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−エチルモルフォリン、フェノール化合物のマンニッヒ塩基等の第三級アミン、テトラメチルアンモニウム炭酸水素塩、メチルトリエチルアンモニウム炭酸水素塩、エチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、プロピルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ブチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ペンチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、オクチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ノニルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、デシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ウンデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ドデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、トリデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2.2.2]オクタニウム炭酸水素塩、又は1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウム炭酸水素塩等の第四級アンモニウム炭酸水素塩、テトラメチルアンモニウム炭酸塩、メチルトリエチルアンモニウム炭酸塩、エチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、プロピルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ブチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ペンチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、オクチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ノニルトリメチルアンモニウム炭酸塩、デシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ウンデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、トリデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム炭酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2.2.2]オクタニウム炭酸塩、又は1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウム炭酸塩等の第四級アンモニウム炭酸塩、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや有機弱酸塩、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリン酸、吉草酸、オクチル酸、ミリスチン酸、ナフテン酸等のカルボン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。また、これらのポリウレタン用イソシアヌレート化触媒は、単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。尚、イソシアヌレート化触媒の使用量は、NCO基末端ウレタンプレポリマーとOH基末端硬化剤の総和重量に対して、0.001〜0.5質量%の範囲で用いられるのが好ましく、中でも、反応制御の容易さという観点から、0.005〜0.10質量%の範囲で用いられるのがより好ましい。
アロファネート化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、例えば、カルボン酸の金属塩を用いることができる。
カルボン酸の具体例としては、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、オクチル酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、2−エチルヘキサン酸等の飽和脂肪族カルボン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロペンタンカルボン酸等の飽和単環カルボン酸、ビシクロ[4.4.0]デカン−2−カルボン酸等の飽和複環カルボン酸、ナフテン酸等の上述したカルボン酸の混合物、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、大豆油脂肪酸、トール油脂肪酸等の不飽和脂肪族カルボン酸、ジフェニル酢酸等の芳香脂肪族カルボン酸、安息香酸、トルイル酸等の芳香族カルボン酸等のモノカルボン酸類;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸等のポリカルボン酸類が挙げられる。
カルボン酸の金属塩を構成する金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属、マグネシウム、カルシウム、バリウム等のアルカリ土類金属、スズ、鉛等のその他の典型金属、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、亜鉛、ジルコニウム等の遷移金属などが挙げられる。これらのカルボン酸金属塩は、単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
この他、アルカノールアミンも用いることができ、具体例としては、N,N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール等が挙げられる。尚、アロファネート化触媒の使用量は、NCO基末端ウレタンプレポリマーと活性水素基末端硬化剤の総和重量に対して、0.001〜0.5質量%の範囲で用いられるのが好ましく、中でも、反応制御の容易さという観点から、0.005〜0.10質量%の範囲で用いられるのがより好ましい。
ポリオキシエチレンアルキルエーテル(D1)は一般式1で示すことができる。
[一般式1] H2m+1Cm−O−(CH2CH2O)nH
一般式1のm及びnの値について特に限定はしないが、より効果的摩擦の低減を図るには、水酸基価が5〜70KOHmg/gであることが好ましい。水酸基価が70KOHmg/gを上回る場合は、総じて炭素数が短く、滑剤成分としての効果が徐々に小さくなる。一方、水酸基価が5KOHmg/g未満の場合は、表面荒れを起こす恐れがある。ポリオキシエチレンアルキルエーテル(D1)の市販品の具体例としてポリオキシエチレンラウリルエーテル「日光ケミカルズ製のNIKKOL BL−2、NIKKOL BL−4.2、NIKKOL BL−21、NIKKOL BL−25」、ポリオキシエチレンセチルエーテル「NIKKOL BC−2、NIKKOL BC−5.5、NIKKOL BC−7、NIKKOL BC−10、NIKKOL BC−20、NIKKOL BC−23、NIKKOL BC−25、NIKKOL BC−30、NIKKOL BC−40、NIKKOL BC−150」、ポリオキシエチレンステアリルエーテル「NIKKOL BS−2、「NIKKOL BS−4、「NIKKOL BS−20」、ポリオキシエチレンオレイルエーテル「「NIKKOL BO−2V、「NIKKOL BO−7V、「NIKKOL BO−10V、「NIKKOL BO−15V、「NIKKOL BO−20V、「NIKKOL BO−50V」、ポリオキシエチレンベヘニルエーテル「NIKKOL BB−5、NIKKOL BB−10、NIKKOL BB−20、NIKKOL BB−40」等が使用できる。
脂肪族アルコール(D2)は一般式2で示すことができる。
[一般式2] CH3−(CH2)n−OH 、 n=19〜39
より効果的に摩擦の低減を図るには、融点が90℃以下であることが好ましい。融点が90℃を超える場合は、総じてNCO基末端ウレタンプレポリマー(B1)との溶解性に劣り、プレポリマー合成時の温度を100℃以上に上げても均一溶解が難しいばかりではなく、反応温度の上昇により、アロファネート化等の副反応により高粘度化し、プレポリマーの品質低下を招く恐れがある。また、活性水素基末端硬化剤(B2)との溶解性も悪い。製造の際、融点以上の加熱で溶解は可能であるが、その後、充填貯蔵する際に、常温下で結晶化してしまうため、熱硬化性ポリウレタンエラストマーを成型する際は、再度、融点以上に加熱し均一に攪拌する必要があり、取り扱い難いものとなる。炭素数20〜40の脂肪族アルコール(D2)としては、1−イコサノール(C20)、1−ヘネイコサノール(C21)、1−ドコサノール(C22)、1−トリコサノール(C23)、1−トリコサノール(C24)、1−ペンタコサノール(C25)、1−ヘキサコサノール(C26)、1−ヘプタコサノール(C27)、1−オクタコサノール(C28)、1−ノナコサノール(C29)、1−トリアコンタノール(C30)、1−ヘントリアコンタノール(C31)、1−ドトリアコンタノール(C32)、1−トリトリアコンタノール(C33)、1−テトラトリアコンタノール(C34)、1−ペンタトリアコンタノール(C35)、1−ヘキサトリアコンタノール(C36)、1―ヘプタトリアコンタノール(C37)、1−オクタトリアコンタノール(C38)、1−ノナトリアコンタノール(C39)、1−テトラコンタノール(C40)が挙げられる。また、融点が90℃以下のこれらの混合物の市販品の具体例としては、高級アルコール工業製のベヘニルアルコール、ベヘニルアルコール65、ベヘニルアルコール80R、ハイソノール20SS、ハイソノール22SSや日光ケミカルズ製のNIKKOL ベヘニルアルコール65、NIKKOL ベヘニルアルコール80、Performacol 350 Alcohol等が挙げられる。
脂肪族イソシアネート(D3)は一般式3で示すことができる。
[一般式3] CH3(CH2)XNCO
xの値に特に制限はないが、5〜19が好ましい。なかでも入手が容易なオクタデシルイソシアネートが好ましく、市販品の具体例としてミリオネートO(保土谷化学製)等が使用できる。
本発明に用いる脂肪酸アミド(D4)としては、脂肪酸とアミンから誘導されるアミド化合物であれば特に制限はないが、ポリウレタン樹脂形成性組成物(B)との相溶性の点から炭素数10〜20の高級脂肪酸アミドが好ましい。脂肪酸アミドの具体例としては、カプリン酸アミド、ラウリン酸アミド、ミスチリン酸アミド、パルミチン酸アミド、ステアリン酸アミド、アラキン酸アミド(エイコ酸アミド)、ベヘン酸アミド(ドコサン酸アミド)、N−ステアリルステアリン酸アミド等の高級飽和脂肪酸アミド、オレイン酸アミド、カドレン酸アミド(9−エイコセン酸アミド)、エルカ酸アミド(ドコセン酸アミド)、N−オレイルステアリン酸アミド、N−オレイルパルミチン酸アミド、N−ステアリルオレイン酸アミド、N−ステアリルエルカ酸アミド等の高級不飽和脂肪酸アミド、N,N’−エチレンビス(ステアロアミド)などの高級脂肪酸とジアミンとのアミド等が挙げられる。
工程(1):
NCO基末端プレポリマーと活性水素基末端硬化剤、ただし、予め活性水素基末端硬化剤に触媒を含ませてない場合は、触媒を別途添加し、均一に混合して形成性組成物を調製する。滑剤はNCO基末端プレポリマー、あるいは活性水素基末端硬化剤に混合して用いることができる。なお、空気を巻き込み気泡が見られる場合は、真空脱泡等で気泡を取り除く。これらの工程は、専用のポリウレタン注型機を用いることが好ましい。
工程(2):
該形成性組成物を混合後直ちに、離型剤を塗布しプレヒートした成形型内に注入し(注型)、該形成性組成物の硬化処理を行う(具体的には、加熱して硬化反応させる)。この場合、成形型の温度はウレタン化反応、及びヌレート化、アロファネート化反応を容易に且つ確実に行わせる条件であるという観点から、80〜170℃の範囲であることが好ましい。
工程(3):
形成性組成物が硬化した後、硬化物(即ち、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物)を成形型内から取り出す(脱型)。なお、本発明に於いては、前記の注型から脱型までに要する時間は、特に限定するものではないが、本発明の意図する熱硬化性ポリウレタンエラストマーの生産性という観点から触媒量や成形型のプレヒート温度を調整し、30〜600秒の範囲であることが好ましい。
工程(4):
硬化後、熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物(産業機械部品)を脱型した後、室温で一週間エージング処理を行う。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、オルガノポリシロキサンA(信越シリコーン社製カルボキシル基含有ジメチルポリシロキサン片末端変性型「X−22−3710」、カルボキシル基当量:1450g/mol)を25g、テトラヒドロフラン(キシダ化学試薬「THF」)を25g入れ、室温で30分間攪拌して均一な溶液とした。続いて15%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(和光純薬試薬、以下「TMAH」と略記)を10.5g(オルガノポリシロキサンAのカルボキシル基に対して等モル)加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHF及び水を除去し、残渣にミネラルスピリットA(JX日鉱日石エネルギー社製石油系溶剤、以下「MSA」と略記)を加え溶解し、不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤1を得た。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、オルガノポリシロキサンAを25g、THFを25g入れ、室温で30分間攪拌して均一な溶液とした。続いて20%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(和光純薬試薬、以下「TEAH」と略記)を12.7g(オルガノポリシロキサンAのカルボキシル基に対して等モル)加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHF及び水を除去し、残渣にミネラルスピリットAを加え不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤2を得た。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、オルガノポリシロキサンAを25g、THFを25g入れ、室温で30分間攪拌して均一な溶液とした。続いて10%テトラブチルアンモニウムヒドロキシド水溶液(和光純薬試薬、以下「TBAH」と略記)を44.7g(オルガノポリシロキサンAのカルボキシル基に対して等モル)加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHF及び水を除去し、残渣にミネラルスピリットAを加え不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤3を得た。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、オルガノポリシロキサンAを25g、THFを25g入れ、室温で30分間攪拌して均一な溶液とした。続いて40%ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、メタノール溶液(和光純薬試薬、以下「BTMAH」と略記)を7.2g(オルガノポリシロキサンAのカルボキシル基に対して等モル)加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHF及びメタノールを除去し、残渣にMSAを加え不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤4を得た。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、オルガノポリシロキサンAを25g、THFを25g入れ、室温で30分間攪拌して均一な溶液とした。続いて45%2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム、メタノール溶液(和光純薬試薬「45%コリン、メタノール溶液」、以下「2−HETMAH」と略記)4.6g(オルガノポリシロキサンAのカルボキシル基に対して等モル)加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHF及びメタノールを除去し、残渣にMSAを加え不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤5を得た。
離型剤1と離型剤4を1:1の重量比で混合し、離型剤6とした。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、オルガノポリシロキサンB(信越シリコーン社製カルボキシル基含有ジメチルポリシロキサン両末端変性型「X−22−162C」、カルボキシル基当量:2300g/mol)を25g、テトラヒドロフラン(キシダ化学試薬「THF」)を25g入れ、室温で30分間攪拌して均一な溶液とした。続いてTMAHを6.6g(オルガノポリシロキサンBのカルボキシル基に対して等モル)加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHF及び水を除去し、残渣にMSAを加え不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤7を得た。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、オルガノポリシロキサンAを5.7g、オルガノポリシロキサンC(信越シリコーン社製カルボキシル基含有ジメチルポリシロキサン側鎖変性型「X−22−3701E」、カルボキシル基当量:4000g/mol)を19.3g、THFを25g入れ、室温で30分間攪拌して均一な溶液とした。続いてTMAHを5.3g(オルガノポリシロキサンA、オルガノポリシロキサンCのカルボキシル基に対して等モル)加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHF及び水を除去し、残渣にMSAを加え不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤8を得た。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、オルガノポリシロキサンCを25g、THFを25g入れ、室温で30分攪拌して均一な溶液とした。続いてTMAHを6.3g加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHF及び水を除去し、残渣にMSAを加え不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤9を得た。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、オルガノポリシロキサンAを25g、THFを25g入れ、室温で30分攪拌して均一な溶液とした。続いてテトラブチルアンモニウムクロリド(和光純薬試薬、以下「TBAC」と略記)を4.8g加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHFを除去し、残渣にMSAを加え不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤10を得た。
オルガノポリシロキサンAを離型剤11とした。
マグネチックスターラーを備えた100ミリリットルのナス型フラスコに、2−エチルヘキサン酸を12.5g、THFを12.5g入れ、室温で30分攪拌して均一な溶液とした。続いてTMAHを52.7g加え、室温で1時間攪拌した。この反応液から減圧下でTHFと水を除去し、残渣にMSAを加え不揮発分が50%となるよう調製し、離型剤11を得た。
オルガノポリシロキサンD(信越シリコーン社製無変性ジメチルポリシロキサン「KF−96」)を離型剤13とした。
離型剤12と離型剤13を15:85の重量比で混合し、離型剤14とした。
攪拌機、温度計、冷却管を備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、ジフェニルメタンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製「ミリオネートMT」、NCO含有量:33.5%)を520g、ポリブチレンアジペート(日本ポリウレタン工業社製「ニッポラン4010」、水酸基価56.0 KOHmg/g)480gを仕込み、窒素を通じながら80℃で3時間ウレタン化反応を行った。得られたウレタンプレポリマーは、NCO含量が15.4%であった。
攪拌機、温度計、冷却管を備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、トリレンジイソシアネート(日本ポリウレタン工業社製「コロネートT−100」、NCO含有量:48.2%)225g、ポリテトラメチレングリコール(三菱化学社製「PTMG1000」、水酸基価112.0 KOHmg/g)775gを仕込み、窒素を通じながら80℃で3時間ウレタン化反応を行った。得られたウレタンプレポリマーは、NCO含量が4.2%であった。
攪拌機、温度計、冷却管を備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、ニッポラン4010を900g、1,4−ブタンジオール(三菱化学社製、以下「1,4−BD」と略記)を70g、トリメチロールプロパン(三菱ガス化学社製、以下「TMP」と略記)を30g、トリエチレンジアミン(東ソー社製、以下「TEDA」と略記)を0.2g仕込み、80℃で2時間攪拌混合した。得られたポリオールは水酸基価が175.0KOHmg/gであった。
攪拌機、温度計、冷却管を備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、1,4−BDを750g、トリメチロールプロパンを250g、TEDAを1g仕込み、80℃で2時間攪拌混合した。得られたポリオールは水酸基価が1247KOHmg/gであった。
攪拌機、温度計、冷却管を備えた容量1000ミリリットルの四つ口フラスコに、ニッポラン4010を900g、1,4−BDを70g、トリメチロールプロパンを30g、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(東ソー社製「TOYOCAT RX−5」)を2.5g仕込み、80℃で2時間攪拌混合した。得られたポリオールは水酸基価が175.0KOHmg/gであった。
JIS−A硬度:JIS K7312に準じ、A型硬度計を用い測定。
引張強度(TB)、伸長率(EB):JIS K7312に準じ測定。
動摩擦係数:
「試験片の準備」
成型シートを幅25mm×長さ100mmに切り出し、シクロヘキサンを用い脱脂し試験片を準備した。その後、室温23℃、湿度50%の環境下に1日放置後、以下の条件で動摩擦係数を測定した。
「測定条件」
測定機器:表面性測定機TYPE:38(新東科学製)
測定条件:測定冶具=ボール圧子(SUS)、荷重=20g、テーブル移動速度=50mm/min
離型性:平板シート形成用の金型からポリウレタン樹脂を脱型する際、脱型しやすさを以下の通り評価した。
○:剥離が軽く即座に脱型できる(5秒以内)
△:剥離が僅かに重いが短時間で脱型できる(10秒程度)
×:剥離が重く脱型に時間を要する(30秒以上)
離型剤3にシリコーン(I)(信越シリコーン社製片末端水酸基含有「X−22−170BX」、水酸基当量:2800g/mol)を29g添加後、TBAH変性オルガノポリシロキサンA/片末端水酸基含有シリコーン含量=50/50の離型剤組成物を調製した。本離型剤組成物を使用した以外は、実施例3と同様の方法でポリウレタンエラストマー成型物を得た。結果を表6に示す。
実施例13で使用した片末端水酸基含有シリコーンの量、種類を変えて離型剤組成物を調製し、実施例3と同様の方法でポリウレタンエラストマー成型物を得た。使用したシリコーンを以下に示す。
シリコーン(I):
信越シリコーン社製片末端水酸基含有型「X−22−170BX」、官能基当量:2800g/mol
シリコーン(II):
信越シリコーン社製片末端水酸基含有型「X−22−170DX」、官能基当量:4667g/mol
シリコーン(III)
信越シリコーン社製両末端水酸基含有型「X−22−160AS」、官能基当量:470g/mol
シリコーン(IV)
信越シリコーン社製側鎖アミノ基含有型「KF−8004」、官能基当量:1500g/mol
シリコーン(V)
信越シリコーン社製側鎖アミノ基含有型「KF−8005」、官能基当量:11000g/mol
シリコーン(VI)
信越シリコーン社製側鎖アミノ基含有型「KF−868」、官能基当量:8800g/mol
シリコーン(VII)
信越シリコーン社製両末端アミノ基含有型「KF−8008」、官能基当量:5700g/mol
離型剤中の組成と成型物の動摩擦係数を表6にまとめた。成型物の動摩擦係数は、実施例3で得た成型物の値より低く、シリコーンの導入により、さらに低摩擦化が進行した。
離型剤にシリコーン(I)、またはシリコーン(IV)を使用した以外は、実施例3と同様の方法でポリウレタンエラストマー成型物を得た。結果を表6に示す。活性水素基を有するシリコーンを離型剤に使用しても、動摩擦係数を低下させる効果は小さい。
ウレタンプレポリマー1(UP−1)の合成において、ジフェニルメタンジイソシアネートの量を515gに変更し、さらにオクタデシルイソシアネート(保土谷化学社製「ミリオネートO」)を5g(ポリウレタン樹脂形成性組成物中に0.25重量%)加えてウレタンプレポリマー3(UP−3)を調製した。UP−1をUP−3に変更した以外は、実施例3と同様の方法でポリウレタンエラストマー成型物を得た。
ポリオール1(PO−1)の調製において、ポリブチレンアジペート「ニッポラン4010」の量を880gに変更し、さらにポリオキシエチレンセチルエーテル(日光ケミカルズ社製「NIKKOL BC−150」)を20g(ポリウレタン樹脂形成性組成物中に1重量%)加えてポリオール4(PO−4)を調製した。PO−1をPO−4に変更した以外は、実施例3と同様の方法でポリウレタンエラストマー成型物を得た。
ポリオール1(PO−1)の調製において、ポリブチレンアジペート「ニッポラン4010」の量を840gに変更し、さらにポリオキシエチレンセチルエーテル「NIKKOL BC−150」を60g(ポリウレタン樹脂形成性組成物中に3重量%)加えてポリオール5(PO−5)を調製した。PO−1をPO−5に変更した以外は、実施例3と同様の方法でポリウレタンエラストマー成型物を得た。
ウレタンプレポリマー3(UP−3)とポリオール4(PO−4)を用いた以外は、実施例3と同様の方法でポリウレタンエラストマー成型物を得た。
ポリオール4(PO−4)の調製において、ポリオキシエチレンセチルエーテルの変わりに、ベヘニルアルコール(日光ケミカルズ社製「NIKKOL ベヘニルアルコール80」、融点65〜75℃)を20g(ポリウレタン樹脂形成性組成物中に1質量%)用いてポリオール(PO−6)を調製した。PO−1をPO−6に変更した以外は、実施例3と同様の方法でポリウレタンエラストマー成型物を得た。
ポリオール1(PO−1)の調製において、飽和脂肪酸アミドとしてN−オレイルステアリン酸アミド(日本化成社製ニッカアマイドOS)を10g(ポリウレタン樹脂形成性組成物中に0.5質量%)添加してポリオール7(PO−7)を調製した。PO−1をPO−7に変更した以外は、実施例3と同様の方法でポリウレタンエラストマー成型物を得た。
Claims (6)
- 4級アンモニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)を含有し、
4級アンモニウムのカルボキシレート含有量が、4級アンモニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)に対して、0.3mmol/g以上含まれることを特徴とする、樹脂成型に用いられる離型剤組成物。 - 4級アンモニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)と、活性水素基を有するシリコーン(C)を含有することを特徴とする、樹脂成型に用いられる離型剤組成物。
- 4級アンモニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)が、4級アンモニウムとカルボキシル基含有オルガノポリシロキサン(A3)からなることを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物。
- 4級アンモニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)と、活性水素基を有するシリコーン(C)を含有し、
4級アンモニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)100重量部に対し、活性水素基を有するシリコーン(C)を5〜150重量部含有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物。 - 4級アンモニウムのカルボキシレートを分子構造中に有するオルガノポリシロキサン(A)と、活性水素基を有するシリコーン(C)を含有し、
活性水素基を有するシリコーン(C)がアミノ基含有シリコーンであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載の樹脂成型に用いられる離型剤組成物を成形型に塗布し、ポリウレタン樹脂形成性組成物(B)をその成形型に注入し成型して得られること特徴とするポリウレタン樹脂成型物の製造方法。
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