JP3978768B2 - 熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法 - Google Patents

熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、高い耐久性を持つ、低硬度の熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より熱硬化ポリウレタンエラストマーからなる成形品は、適度な弾性を有し、また機械的物性に優れるため、パッキン類、ロール類、各種機械部品、自動車部品等に用いられている。
【0003】
熱硬化性ポリウレタンエラストマーは、イソシアネート(以下NCOと略す)原料として、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、MDIと略す)等を用い、ポリオール原料として、エチレンアジペート、ブチレンアジペート、ポリカプロラクトン等のポリエステルジオール、あるいはポリテトラメチレンエーテルグリコール等のポリエーテルジオールを用い、また必要に応じて短鎖ジオール原料として、1,4−ブタンジオール(以下、1,4−BDと略す)、トリメチロールプロパン(以下、TMPと略す)、あるいはそれらの混合物等を使用して、ワンショット法、プレポリマー法、セミ−ワンショット法等により得られている。ポリウレタンエラストマーを使用する手法が用いられる。一般的には、反応制御のしやすさのため、NCO基末端プレポリマーをポリオールで硬化するプレポリマー法やセミ−ワンショット法が広く用いられている。
【0004】
従来の熱硬化性ポリウレタンエラストマーは、温度依存性が大きく、低温時と高温時のエラストマー物性が著しく異なるため、高温環境中での耐久性に劣るものであった。特に、産業機械の分野においては、高速稼働や連続稼働を行う場合が多く、このような場合には部品が高温になり、耐久性が低下するため、機械的強度の低下等の物性の低下を招いてしまう。このため、要求される性能を満たさなくなったり、部品の破損等が起こりやすくなり、部品の寿命が短かった。
【0005】
高温において物性を保持するため、耐熱性に富むイソシアヌレート基を含有する原料を用いる方法が提案されている(特開昭61−31420号公報、特開平8−134170号公報等)。しかしながら、イソシアヌレート基を含むNCO基末端プレポリマーは粘度が高いため作業性が悪く、生産性の低下につながりやすい。また、イソシアヌレート基を含むポリオールは一般的に融点が高いため、成型温度を高くせざるを得ず、反応制御が困難になりやすい。また成形時にイソシアヌレート化反応を起こさせてイソシアヌレート環を導入する方法もあるが、硬化剤中に含まれるTMPのため、引裂強度が低下してしまう場合が多い。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、引裂強度の低下を招くことなく、高い作業性を有し、高温時においても物性を維持する、低硬度の熱硬化性ポリウレタンエラストマーを製造方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、鋭意検討した結果、熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法において、硬化剤にジオールのみでTMP等の三官能以上の活性水素基含有化合物を有さず、成型時にイソシアヌレート化触媒を用いてイソシアヌレート基を形成させることで、高い作業性を有し、高温時においても物性を保持する熱硬化性ポリウレタンエラストマーが得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
【0008】
すなわち、本発明は以下の(1)〜(4)に示されるものである。
(1)主剤(A)及び硬化剤(B)を、触媒(C)の存在下で反応させる熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法において、
主剤(A)がNCO含量20〜50質量%の有機ポリイソシアネート(A1)と活性水素基含有化合物(A2)を反応させて得られるNCO含量5〜25質量%のイソシアネート基含有プレポリマーであり、
硬化剤(B)が数平均分子量300未満の脂肪族短鎖ジオール(B1)及び数平均分子量300〜3,000の長鎖ジオール(B2)のみからなり、
触媒(C)がイソシアヌレート化触媒(C1)を含み、
主剤(A)と硬化剤(B)の配合比を、水酸基とイソシアネート基のモル比が、水酸基/NCO基=0.45〜0.95とすること、
を特徴とする、硬度(JIS−A)が50〜90の熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
【0010】
(2)主剤(A)及び硬化剤(B)を、触媒(C)の存在下で反応させる熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法において、
主剤(A)がNCO含量20〜50質量%の有機ポリイソシアネート(A1)であり、
硬化剤(B)が数平均分子量300未満の短鎖脂肪族ジオール(B1)及び数平均分子量300〜3,000の長鎖ジオール(B2)からなり、
触媒(C)がイソシアヌレート化触媒(C1)を含み、
主剤(A)と硬化剤(B)の配合比を、水酸基とイソシアネート基のモル比が、水酸基/NCO基=0.45〜0.95とすること、
を特徴とする、硬度(JIS−A)が50〜90の熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
【0011】
(3)触媒(C)中の、硬化物全体に対するイソシアヌレート化触媒(C1)の含有量が0.005〜0.03質量%であること、
を特徴とする前記(1)又は(2)の熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
【0012】
【発明の実施の形態】
最初に本発明に用いられる原料について説明する。
本発明は、主剤(A)、硬化剤(B)、触媒(C)を混合した液状物を型内に注入して硬化させ、その後硬化物を脱型するという熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法において、硬化剤(B)が二官能成分のみからなり(TMP等の三官能性以上のものを含まない)、触媒(C)中にイソシアヌレート化触媒(C1)を含むことを特徴とするものである。
【0013】
本発明に用いられる主剤(A)は、有機ポリイソシアネート(A1)と活性水素基含有化合物(A2)を反応させて得られるNCO基含有プレポリマー、又は有機ポリイソシアネート(A1)そのものである。
【0014】
有機ポリイソシアネート(A1)のNCO含量は20〜50質量%であり、好ましくは25〜50質量%である。有機ポリイソシアネート(A1)としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリメチルキシリレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサヘチレン−1,6−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサヘチレン−1,6−ジイソシアネート等の脂肪族及び脂環族ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、4,4′−MDIと略す)、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、2,4′−MDIと略す)、2,2′−ジフェニルメタンジイソシアネート(以下、2,2′−MDIと略す)、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、オルトキシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の難黄変ジイソシアネートやこれらの混合物がある。また、これらのウレタン変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体等も使用できる。本発明で好ましい(A1)は、4,4′−MDI、2,4′−MDI、2,2′−MDIの任意の混合物又は単品である。
【0015】
活性水素基含有化合物(A2)は、数平均分子量300未満の多官能性の鎖延長剤、及び数平均分子量300〜3,000の長鎖ポリオールに分けられる。また、これらの活性水素基含有化合物は、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基、三級アミノ基等及びこれらの塩等の親水基を含んでいてもよい。
【0016】
鎖延長剤としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−BD、ネオペンチルグリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、グリセリン、TMP、ペンタエリスリトール、これらのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物等の低分子ポリオール類、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルジアミン、4,4′−メチレンビス(シクロヘキシサンアミン)、ヒドラジン、ジエチレントリアミン等の低分子ポリアミン類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、アニリンのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物等の低分子アミノアルコール等が挙げられる。これらは単独あるいは二種類以上混合して用いてもよい。
【0017】
長鎖ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール等が挙げられる。これらは単独あるいは二種類以上混合して用いてもよい。
【0018】
ポリエステルポリオールとしては、前述の低分子ポリオールと、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、フマル酸、マレイン酸、シュウ酸、ナフタレンジカルボン酸、トリメリット酸等のポリカルボン酸又はその誘導体とを、縮合反応にて得られる末端水酸基であるポリエステル、及び前述の鎖延長剤に用いられる化合物を開始剤として、ε−カプロラクトンの開環重合にて得られるポリカプロラクトン等が挙げられる。
【0019】
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のエポキサイドの単独又は混合物を、水、前述の鎖延長剤に用いられる化合物を開環重合の開始剤として得られるポリエーテルポリオール及び、テトラヒドロフランを開環重合して得られるポリテトラメチレングリコールが挙げられる。
【0020】
ポリカーボネートポリオールとしては、上記のポリエステルポリオールに用いられる低分子ポリオールとエチレンカーボネートとの脱エタノール反応及び、低分子ポリオールとジフェニルカーボネートとの脱フェノール反応にて得られるものが挙げられる。
【0021】
本発明において、主剤(A)にNCO基含有プレポリマーを用いる場合、MDIとポリエステルポリオールから得られるものが、得られるエラストマーの弾性や機械的強度等のバランスがよいので好ましい。
【0022】
また、NCO基末端プレポリマーのNCO含量は、5.0〜25.0質量%が好ましい。NCO含量が5.0質量%より低い場合には、主にプレポリマーの粘度が高くなり、注型時にポリウレタン樹脂の流れ性が著しく悪くなる。25.0質量%より高い場合は、保存時及び使用時の性状安定性が著しく悪くなり、安定した産業機器部品が得にくく、成型不良につながる等の問題が起こるため、熱硬化性ウレタンプレポリマーとして適さないものとなってしまう。
【0023】
本発明においてNCO基末端プレポリマーを用いる場合、このプレポリマーを得るに際しては、有機ポリイソシアネート(A1)と活性水素基含有化合物(A2)及び必要に応じて鎖延長剤とを、反応温度:50〜100℃、反応時間:1〜5時間という反応条件による製造方法によって得られる。場合によっては、トリエチレンジアミンやジブチルチンジラウレートのようなウレタン化触媒を用いてもよい。
【0024】
本発明に用いられる硬化剤(B)は、TMP等の三官能性以上のものを含まず、二官能成分のみのジオールからなることを特徴とする。TMP等の三官能性以上のものを用いると、得られるエラストマーの引裂強度が低下する場合が多い。
【0025】
硬化剤(B)は、数平均分子量300未満の脂肪族短鎖ジオール(B1)、及び数平均分子量300〜3,000の長鎖ジオール(B2)に分けられる。これらは単独あるいは二種類以上混合して用いてもよい。
【0026】
脂肪族短鎖ジオール(B1)としては、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−BD、ネオペンチルグリコール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2−メチル−1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2,4−トリメチル−1,3−プロパンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール等が挙げられる。本発明では、1,4−BDが好ましい。
【0027】
長鎖ジオール(B2)としては、前述の長鎖ポリオールのうち、全ての原料が二官能性のものから得られるものが挙げられる。
【0028】
本発明に用いられる触媒(C)は、イソシアヌレート化触媒(C1)を含有するものである。(C1)の硬化物全体に対する含有量は、0.005〜0.03質量%が好ましく、0.01〜0.025質量%がより好ましい。(C1)使用量が少なすぎると、エラストマー中にイソシアヌレート基の形成が不十分となり、耐久性が不十分となりやすい。(C1)使用量が多すぎる場合は、得られるエラストマーは脆くなりやすい。
【0029】
イソシアヌレート化触媒(C1)としては、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロオキサイド等のテトラアルキルアンモニウムハイドロオキサイド、酢酸テトラメチルアンモニウム塩、酢酸テトラエチルアンモニウム塩、酢酸テトラブチルアンモニウム塩等の有機弱酸塩、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウムハイドロオキサイド等のトリアルキルヒドロキシキルアンモニウムハイドロオキサイド、酢酸トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩、酢酸トリメチルヒドロキシエチルアンモニウム塩、酢酸トリエチルヒドロキシプロピルアンモニウム塩、酢酸トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム塩等の有機弱酸塩、トリエチルアミン、トリエチレンジアミン等の三級アミン、酢酸、吉草酸、イソ吉草酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の金属塩等の1種又は2種以上の混合物が挙げられる。
【0030】
本発明では触媒(C)に、更にウレタン化触媒を含有させるのが好ましい。このウレタン化触媒としては、ジブチルチンジラウレート、ジオクチルチンジラウレート、トリエチレンジアミン、トリエチルアミン、ネオデカン酸ビスマス、ジアザビシクロウンデセン等が挙げられる。
【0031】
本発明においては、必要に応じて、酸化防止剤、脱泡剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、染料、顔料、防カビ剤、保形性及び曲げ強度の向上を目的としたガラス繊維等の無機フィラー、難燃性向上剤、電気絶縁性向上剤、有機酸の金属塩、アミド系ワックス、金属酸化物、金属水酸化物等の増量剤等の添加剤を使用できる。
【0032】
次に熱硬化性ポリウレタンエラストマーの具体的な製造手順について述べる。
熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法には、NCO基末端プレポリマーと短鎖ジオールと長鎖ジオールを反応させるセミワンショット法、NCO基末端プレポリマーと短鎖ジオールを反応させるプレポリマー法、有機ポリイソシアネートと短鎖ジオールと長鎖ジオールを反応させるワンショット法、の三つに大別される。本願発明は、前記原料を用いたセミワンショット法とワンショット法である。
【0033】
本発明は、前述の主剤(A)、硬化剤(B)、及び触媒(C)を混合した後、該混合物をあらかじめ加熱した型内に注入して硬化させ、その後硬化物を脱型することで、目的とする成形物が得られる。
【0034】
具体的な製造手順の一例を以下に示す。
1.あらかじめ加熱して液状化又は減粘した主剤(A)、硬化剤(B)、及び触媒(C)を、均一に混合する(混合)。
2.混合の際、巻き込んだ空気を抜く(脱気)。脱気には通常減圧ポンプを使用する。
3.プレヒートした成形型に液を流し込む(注型)。成形型のプレヒート温度は60〜200℃程度が好ましい。また型は、離型剤を塗布しておくと、成形物の脱型が容易になるので好ましい。
4.加熱して硬化反応させる(硬化)。硬化温度は60〜200℃程度が好ましく、硬化時間は2〜60分が好ましい。
5.暫く加熱状態でおき、流し込んだ液が硬化し、十分に強度が発現してから硬化物を型から取り出す(脱型)。
6.必要に応じて更に加熱して、成形物の硬化を更に進める(後硬化)。
【0035】
なお、主剤(A)と硬化剤(B)の配合比を、水酸基とイソシアネート基のモル比(水酸基/イソシアネート基をαという)が、α=0.45〜0.95、好ましくは0.5〜0.9とすることが肝要である。αが0.45より小さいと、イソシアネート基が過剰に生成することになり、成形物は硬く脆くなりやすい。また、0.95より大きくなるとイソシアヌレート基が十分に形成されないため、機械的強度が不足しやすい。
【0036】
このようにして得られた熱硬化性ポリウレタンエラストマーの硬度(JIS−A)は50〜90であり、好ましくは60〜80である。なお、硬度は、JIS
K7312に準じて測定された値である。
【0037】
【発明の効果】
本発明によって、高い作業性を有し、高温時においても物性を維持する熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法を提供できた。これは、特に引裂強度を低下させるTMPを用いない二官能成分だけからなる硬化剤、及びイソシアヌレート化触媒を添加して、成形時にイソシアヌレート基による架橋構造を形成させることによる。本発明によって得られる熱硬化性ポリウレタンエラストマーは、パッキン類、ロール類、各種機械部品、自動車部品等に適用できる。
【0038】
【実施例】
本発明について、実施例及び比較例により、更に詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。実施例及び比較例において、「部」は全て「質量部」を意味し、「%」は全て「質量%」を意味する。
【0039】
〔NCO基含有プレポリマーの製造〕
合成例1〜2
表1に示す配合比で、MDIとポリオール−1を混合し、75℃で3時間反応させて、各種のNCO基末端プレポリマーNCO−1〜2を得た。結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
Figure 0003978768
【0041】
〔硬化剤の配合〕
配合例1〜6
表2に示す配合比で、1.4−BD、TMP、各種ポリオールを75℃で1時間混合後して硬化剤OH−1〜6を得た。
【0042】
【表2】
Figure 0003978768
【0043】
Figure 0003978768
【0044】
〔熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造〕
実施例1〜3、比較例1〜3
表3、4に示す組み合わせ、配合比で、あらかじめ80℃に加温した主剤、硬化剤、触媒を配合して均一に混合した後、直ちに真空脱泡により脱気を行った。次いで、あらかじめ130℃に加温した2mm厚用平板シート金型に注型した。その後130℃で1時間硬化を行い成形物を得た。この成形物の物性測定結果を表3に示す。なお物性測定は、JIS K7312に準じ、室温(25℃)と恒温漕内(50℃)の二つの環境で行った。
【0045】
〔成形物中のイソシアヌレート基の確認〕
成形物中にイソシアヌレート基が形成されていることの確認と定量は、FT−IRのATR測定で行った。イソシアヌレート基に由来する1415cm-1のピークと、ウレタン基に由来する1530cm-1のピークの透過率のピーク高さの比をもって評価した。
【0046】
【表3】
Figure 0003978768
【0047】
Figure 0003978768
【0048】
表3から、本発明によって得られた熱硬化性ポリウレタンエラストマーは、特に引裂強度に優れ、また、高温時においても高物性を保っていた。一方、比較例においては、総じて強度が低く、特に高温時における引裂強度の低下は大きいものであった。

Claims (3)

  1. 主剤(A)及び硬化剤(B)を、触媒(C)の存在下で反応させる熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法において、
    主剤(A)がイソシアネート含量20〜50質量%の有機ポリイソシアネート(A1)と活性水素基含有化合物(A2)を反応させて得られるイソシアネート含量5〜25質量%のイソシアネート基含有プレポリマーであり、
    硬化剤(B)が数平均分子量300未満の脂肪族短鎖ジオール(B1)及び数平均分子量300〜3,000の長鎖ジオール(B2)のみからなり、
    触媒(C)がイソシアヌレート化触媒(C1)を含み、
    主剤(A)と硬化剤(B)の配合比を、水酸基とイソシアネート基のモル比が、水酸基/イソシアネート基=0.45〜0.95とすること、
    を特徴とする、硬度(JIS−A)が50〜90の熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
  2. 主剤(A)及び硬化剤(B)を、触媒(C)の存在下で反応させる熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法において、
    主剤(A)がイソシアネート含量20〜50質量%の有機ポリイソシアネート(A1)であり、
    硬化剤(B)が数平均分子量300未満の短鎖脂肪族ジオール(B1)及び数平均分子量300〜3,000の長鎖ジオール(B2)からなり、
    触媒(C)がイソシアヌレート化触媒(C1)を含み、
    主剤(A)と硬化剤(B)の配合比を、水酸基とイソシアネート基のモル比が、水酸基/イソシアネート基=0.45〜0.95とすること、
    を特徴とする、硬度(JIS−A)が50〜90の熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
  3. 触媒(C)中の、硬化物全体に対するイソシアヌレート化触媒(C1)の含有量が0.005〜0.03質量%であること、
    を特徴とする請求項1又は2に記載の熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
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