JP2006274146A - 熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物及び該組成物を用いた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法 - Google Patents

熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物及び該組成物を用いた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 従来公知の熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物と同等の復元性(圧縮永久歪み、引張永久歪み)を有し、且つ、従来公知の成型物よりもガラス転移温度を下げることにより、低温域でも十分なゴム弾性を得ることができ、さらに、高温域において設計以上のゴム弾性が得られないよう、転移領域を広げる事によりゴム弾性の制御を行い、広い温度域においてゴム弾性力変化の少ないという優れた特性を有する熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物が得られる熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物、及び該組成物を用いた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法を提供することを目的とする。
【解決手段】 特定のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)、特定成分からなる水酸基末端硬化剤(B)、及び触媒(C)からなる熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を用いることにより、上記の課題を解決する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物、及び、該組成物を用いた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法に関する。
グリーン強度が要求される産業機器の部品として、熱硬化ポリウレタンエラストマーの成型物が好適に使用されている。
熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物は、イソシアネート基含有成分からなる主剤と、水酸基含有成分からなる硬化剤とを、注型機のミキシングヘッドで混合し、得られた混合液を型内に注入し、この型内で当該混合液を加熱硬化(ウレタン化反応)させることにより製造することができる。
ここに、熱硬化ポリウレタンエラストマーを成型するための形成性組成物をなす成分として、ジフェニルメタジイソシアネートと水酸基含有ポリオールとを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーが好適に用いられ、水酸基末端硬化剤成分としては、1,4−ブタンジオールとトリメチロールプロパンとの混合物が好適に用いられている。
また、特に機械強度を必要とされる用途では、ジフェニルメタンジイソシアネートとポリエステル系ポリオールとを反応させて得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーが好適に用いられている。しかし、該プレポリマーを用いて得られる成型物のガラス転移温度は0〜15℃前後となるため、常温域(10〜30℃)においては設計上のゴム弾性を保つ事が出来るものの、低温域(0℃以下)では十分なゴム弾性を得る事が出来ない。
然るに、上記のようにして得られる成型物は、常温域(10〜30℃)では十分な機械的強度(引張強度、引裂強度)及びゴム弾性を有するものの、低温域(0℃以下)では十分なゴム弾性を有するものではないことから、該成型物を寒冷地において産業用機器用部品として使用した場合、設計上意図されるゴム弾性が得られず、産業用機器用部品として所望される十分な機能が果たせなくなるという問題を抱えている。このような背景から、従来公知の熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物では対応できなくなっているのが現状である。
一方、ガラス転移温度が−50〜−10℃と低めに設計出来るポリテトラメチレングリコール系の熱硬化性ポリウレタンエラストマーの使用が考えられる(例えば、特許文献1参照)。しかし、該エラストマーでは、低温域では十分なゴム弾性が得られるものの、高温域(50〜80℃)では設計以上のゴム弾性が得られることとなり、産業用機器用部品として所望される制御が行えなくなる等の問題を抱えている。また、該成型物は、十分な機械強度も得られないという面での問題も抱えている。
また、成型物における低温特性の改善を目的とし、硬化剤中のトリメチロールプロパンの占める割合を少なくすることにより、当該成型物のガラス転移温度を低く設定することも考えられる。しかしながら、成型物の架橋密度を低くすると、産業機器の構成部品に要求される復元性(圧縮永久歪み、引張永久歪み)を具備することができず、成型物を構成部品として搭載するためには産業機器そのものの設計変更が必要となり、現実的ではない。
特許第3414041号公報
本発明は以上のような事情に基いてなされたものである。
本発明の第1の目的は、従来公知の熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物と同等の復元性(圧縮永久歪み、引張永久歪み)を有し、かつ、従来公知の成型物よりもガラス転移温度を下げることにより、低温域でも十分なゴム弾性を得ることができ、且つ、高温域において設計以上のゴム弾性が得られないよう、転移領域を広げる事によりゴム弾性の制御を行い、広い温度域においてゴム弾性力変化の少ないという優れた特性を有する熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、上記のような優れた特性を有する成型物を構成する熱硬化ポリウレタンエラストマーを成型することのできる熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を提供することにある。
本発明の第3の目的は、上記のような優れた特性を有する成型物を製造することのできる熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法を提供することにある。
前述の目的を解決すべく、本発明者らは、ポリエステル系ポリオールを導入した熱硬化ポリウレタンエラストマーにおけるガラス転移温度を下げる目的で、ポリテトラメチレングリコールの導入を試みた結果、従来より具備している機械強度を損なうことなく、且つ、ガラス転移温度を有効的に下げることが可能であることを見い出した。特に、特定の平均分子量(250〜850)のポリテトラメチレングリコールを使用する事により、得られる成型物が白濁することなく、均一で安定した成型品を得ることを見いだした。
しかし、ポリエステル系ポリウレタンとポリエーテル(ポリテトラメチレングリコール)系ポリウレタンを混合して使用した場合、得られる成型物が白濁化を起こして不均一な物となり、結果として十分な機械強度を得ることができず、実用化できないという困難さが残った。
さらに、特定の平均分子量(250〜850)のポリテトラメチレングリコールの導入について、ポリエステル系ポリオールと併用するかたちで変性剤としてジフェニルメタンジイソシアネートと反応させてイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーとした場合、相溶性の関係上、併用できる該ポリテトラメチレングリコールの導入量が限られることとなり、また、得られるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーにおけるウレタン基濃度を低めに設定できなくなり、且つ、得られる熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物におけるガラス転移温度の上昇を招いてしまい、実用化できないという困難さも残った。
このような事情をもと、本発明者らがさらに鋭意研究を重ねた結果、特定のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーからなる主剤と、特定の水酸基末端硬化剤とを併せ用いることにより、前述の一連の課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の(1)〜(3)に示されるものである。
(1) イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)、水酸基末端硬化剤(B)、及び触媒(C)からなる熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物において、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネート(A1)と、数平均分子量250〜4,500の水酸基含有ポリエステルポリオール(A2)とから得られる化合物であり、水酸基末端硬化剤(B)が、少なくとも数平均分子量300以下の短鎖ジオール(B1)と、数平均分子量500以下の短鎖トリオール(B2)と、数平均分子量250〜850のポリテトラメチレングリコール(B3)とからなり、且つ、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基末端硬化剤(B)の混合比(官能基モル比)が、水酸基/イソシアネート基=0.2〜0.8であることを特徴とする、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物。
(2) 触媒(C)として、少なくとも酢酸カリウム(C1)及び/またはN,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)を含むことを特徴とする、(1)に記載の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物。
(3) (1)または(2)のいずれかに記載の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を用いて熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を製造する方法において、成形型内で硬化処理を行う工程を含むことを特徴とする、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法。
本発明のように、特定のイソシアネート基末端プレポリマー(A)と特定の水酸基末端硬化剤(B)からなる熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物により、従来品が具備している機械強度を保ちつつ、ガラス転移温度を下げる事が可能となった。
また、本発明のように、特定の配合比率とすることにより、及び/または特定の触媒(C)を用いることにより、得られる熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物中にヌレート結合やアロファネート結合の一方或いは両方をより多く有することで、高温域においてさらに温度依存性の小さい熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得ることが可能となった。
さらに、本発明のように、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を成形型内で硬化処理を行う工程を介して得られる熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法は、例えば産業機器部品用として前述の一連の問題を解決するために特別な処理を施す必要がなく、従来の製造設備を用いて、成型物を得ることができる。
本発明により得ることのできる熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物、例えば産業機器部品用として成型された注型物は、寒冷地においても所望される性能を十分且つ安定的に得ることが可能となった。また、産業機器の連続使用により生じやすい高温域での耐久性をも、大幅に向上させることが可能となった。
本発明の最大の特徴は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネート(A1)と数平均分子量250〜4,500の水酸基含有ポリエステルポリオール(A2)とから得られる化合物であり、且つ、水酸基末端硬化剤(B)が、少なくとも数平均分子量300以下の短鎖ジオール(B1)と数平均分子量500以下の短鎖トリオール(B2)と数平均分子量250〜850のポリテトラメチレングリコール(B3)とから成る熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物とする点にある。これらの要件を全て満たすことによって初めて、前述した一連の優れた効果を具備した熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得ることが可能になる。
本発明において用いられるイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(以下「NCO基末端プレポリマー」と略記)(A)は、ジフェニルメタンジイソシアネート(以下「MDI」と略記)(A1)と、数平均分子量250〜4,500の水酸基含有ポリエステルポリオール(A2)との反応により得られるものである。
MDI(A1)としては、4,4′−MDI、2,4′−MDI、2,2′−MDI、またはこれらの任意の混合物が挙げられる。また、液状MDI(カルボジイミド化MDI、ウレトンイミン化MDI等)も用いることができる。なお、本発明において得られる成型物に所望される諸性能を低下させない程度の範囲内であれば、必要に応じて、分子中にイソシアネート基を2個以上有するMDI以外のイソシアネート成分も併せて使用することができる。
本発明においては、引張強度が特に優れた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得ることができるとの観点から、MDI(A1)として、4,4′−MDIを選択して用いるのが好ましい。
数平均分子量250〜4,500の水酸基含有ポリエステルポリオール(A2)としては、ポリ(エチレンアジペート)ジオール、ポリ(プロピレンアジペート)ジオール、ポリ(ブチレンアジペート)ジオール、ポリ(ヘキサメチレンアジペート)ジオール等が挙げられる。また、エチレングリコール、プロピレングリコール、アジピン酸を重縮合させることによって製造されるコポリエステルジオール、例えばポリ(エチレン−プロピレンアジペート)ジオール、ポリ(1,4−ブチレン−プロピレンアジペート)ジオール、及びポリ(1,4−ブチレン−エチレン−プロピレンアジペート)ジオール等も挙げられる。さらに、これら以外のポリエステルジオール、例えば、カプロラクトン及び/又はジカルボン酸(例えば、コハク酸、マロン酸、ピメリン酸、セバシン酸及びスベリン酸等)と短鎖ジオール(例えば、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール(以下「1,4−BD」と略記)、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)との重縮合によって製造されるものも挙げられる。また、これら一連のポリエステルポリオールの混合物も使用できる。
なお、本発明において得られる成型物に所望される諸性能を低下させない程度の範囲内であれば、必要に応じて、上記の短鎖ジオールをポリエステルポリオール(A2)と併用して変性剤として用いてもよい。
本発明においては、本発明により得られる熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物に所望されるグリーン強度を確保できるとの観点から、数平均分子量250〜4,500の水酸基含有ポリエステルポリオール(A2)として、少なくとも数平均分子量2,000〜3,000のポリ(エチレンアジペート)ジオール、数平均分子量2,000〜3,000のポリ(ブチレンアジペート)ジオール、数平均分子量2,000〜3,000のポリ(エチレン−ブチレンアジペート)ジオールのいずれかを単独または複数を選択して用いるのが好ましい。
NCO基末端プレポリマー(A)は、MDI(A1)と、数平均分子量250〜4,500のポリエステルポリオール(A2)を、反応温度50〜100℃、反応時間1〜5時間の反応条件下にて、従来公知の方法により得ることができる。
NCO基末端プレポリマー(A)におけるイソシアネート基含有量(以下「NCO含量」と略記)は、3.0〜20.0質量%が好ましい。NCO含量が3.0%より低い場合、主にプレポリマーの粘度が高くなり、注型時におけるウレタン樹脂の流れ性が著しく悪くなるので好ましくない。また、硬化時において十分なヌレート結合及びアロファネート結合を得ることができなくなるので好ましくない。一方、NCO含量が20.0%より高い場合、硬化時にヌレート結合及びアロファネート結合が多くなり過ぎるため、伸長率が大幅に小さくなり、弾力性が乏しくなってくるなどの問題が起こり、例えば産業機器部品用として適さないものとなってしまうので好ましくない。
なお、本発明において得られる成型物に所望される諸性能を低下させない程度の範囲内であれば、必要に応じて、前述のNCO末端プレポリマー(A)に、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートやトリレンジイソシアネートなどの従来公知の1分子中にイソシアネート基を2個以上含有するイソシアネート成分(該イソシアネート成分からなるイソシアヌレート変性体、ウレトジオン変性体、カルボジイミド変性体を含む)を加えてもよい。
本発明において用いられる水酸基末端硬化剤(B)は、数平均分子量300以下の短鎖ジオール(B1)と、数平均分子量500以下の短鎖トリオール(B2)と、数平均分子量250〜850のポリテトラメチレングリコール(B3)とからなる混合物である。
数平均分子量300以下の短鎖ジオール(B1)としては、前述の短鎖ジオールとして挙げた一連の化合物が挙げられる他に、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、水素添加ビスフェノールA等も併せて挙げられる。
本発明においては、1,4−BD、1,6−ヘキサンジオール、1,3−プロパンジオールを用いるのが好ましく、中でも、引張強度が特に優れた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得ることができるとの観点から、数平均分子量300以下の短鎖ジオール(B1)として、1,4−BDを選択して用いるのが好ましい。
数平均分子量500以下の短鎖トリオール(B2)としては、グリセリン、トリメチロールプロパン(以下「TMP」と略記)、ヘキサントリオール等が挙げられる。
本発明においては、引張強度が特に優れた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得ることができるとの観点から、数平均分子量500以下の短鎖トリオール(B2)として、TMPを選択して用いるのが好ましい。
本発明においては、前記の短鎖ジオール(B1)や短鎖トリオール(B2)に加えて、数平均分子量250〜850(好ましくは、数平均分子量400〜650)のポリテトラメチレングリコール(B3)を併せ用いる。数平均分子量が850を越えると、得られる熱硬化ウレタンエラストマー成型物において濁りを生じ不均一なものとなってしまい、結果的に十分な機械強度が得られなくなるので、好ましくない。
本発明において、好ましい短鎖ジオールと短鎖トリオールとの質量比率は50/50〜90/10の範囲のものである。また、短鎖ポリオール(短鎖ジオールと短鎖トリオールの総量)と数平均分子量250〜850のポリテトラメチレングリコール(B3)の質量比率は10/90〜70/30の範囲のものである。
なお、本発明において得られる成型物に所望される諸性能を低下させない程度の範囲内であれば、必要に応じて、水酸基末端硬化剤(B)として前述の数平均分子量250〜4,500の水酸基含有ポリエステルポリオール(A2)を水酸基末端硬化剤(B)の総質量に対して0質量%超〜80質量%以下の範囲内で併せ用いてもよい。
本発明においては、イソシアネート基が介在するNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基が介在する水酸基末端硬化剤(B)の混合比は、過剰なイソシアネート基がイソシアヌレート結合やアロファネート結合を形成し、ウレタン形成性組成物の粘弾性(tanδ)を高温域側にブロード化する事を可能とするとの観点から、水酸基/イソシアネート基=0.2〜0.8(官能基モル比)(好ましくは、イソシアヌレート結合やアロファネート結合を形成より確実に行うとの観点から、水酸基/イソシアネート基=0.2〜0.7(官能基モル比))とする。この結果、高温域においてもゴム弾性を安定化させることが可能になる。
この際、本発明における触媒(C)としては、過剰なイソシアネート基によるイソシアヌレート結合やアロファネート結合を形成をより円滑に行わせるとの目的から、少なくとも酢酸カリウム(C1)及び/またはN,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)を用いるのが好ましい。
酢酸カリウム(C1)はイソシアヌレート結合の形成に資する触媒としての性能を有しており、市販されている商品名「DABCO P−15(三共エアプロダクツ(株)製)」等が挙げられる。なお、本発明においては、必要に応じて、酢酸カリウム(C1)以外のイソシアヌレート結合の形成に資する触媒としての性能を有する化合物、例えば4級アンモニウム塩系触媒、トリアジン系触媒、ジアザビシクロアミン塩系触媒等、従来公知のイソシアヌレート化触媒も併せて使用することができる。
N,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)はアロファネート結合の形成に資する触媒としての性能を有しており、市販されている商品名「DABCO−T(三共エアプロダクツ(株)製)」、商品名「TOYOCAT−RX5(東ソー(株)製)」等が挙げられる。なお、本発明においては、必要に応じて、N,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)以外のアロファネート結合の形成に資する触媒としての性能を有する化合物、例えば有機カルボン酸金属塩系触媒等、従来公知のアロファネート化触媒も併せて使用することができる。
また、本発明においては、必要に応じて、トリエチレンジアミン等のアミン触媒、1−イソブチル−2メチルイミダーゾル等のイミダゾール系触媒、ジオクチルチンジラウレート等の金属触媒等のウレタン化触媒(ウレタン結合の形成に資する触媒としての性能を有する化合物)を併用してもよい。この場合、ウレタン化触媒の導入量は、触媒(C)の全体量に対して80質量%以下であることが好ましい。
本発明における酢酸カリウム(C1)及び/またはN,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)の使用量は、形成性組成物全体に対して0.001〜0.5質量%であることが好ましく、中でも、0.005〜0.10質量%であることがより好ましい。酢酸カリウム(C1)及び/またはN,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)の添加量が0.001質量%未満の場合、ヌレート化及びアロファネート化が円滑に行えず、十分に高分子化できなくなり硬化不足となる可能性が高くなる。また、逆に0.5質量%を超える場合、ヌレート化及びアロファネート化は十分に行えるものの硬化反応が過度に速くなり、増粘も速くなることから、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の成形型への流れ性が悪くなり、金型等への注型が困難になる可能性が高くなる。
本発明においては、必要に応じて、添加剤として、酸化防止剤、脱泡剤、紫外線吸収剤、反応調節剤等を併せ用いることができる。
本発明に於いては、これまでに述べた本発明の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を用いて、工程として成形型内に於いて硬化処理(具体的には、加熱により硬化を促進する処理)を行い、イソシアヌレート構造及び/またはアロファネート架橋構造を有する熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を製造する。
この場合、本発明に於ける形成性組成物を用いて、本発明に於ける熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を製造する方法としては、以下のような工程を含む方法により製造されるのが好ましい。
工程(1):
イソシアネート基末端プレポリマー(A)、水酸基末端硬化剤(B)、必要に応じてさらに触媒(C)を均一に混合して形成性組成物を調製する。但し、触媒(C)については予め硬化剤(B)に添加し、残りの成分であるイソシアネート基末端プレポリマー(A)と均一に混合して形成性組成物を調製しても良い。なお、形成性組成物を調製後、巻き込んだ空気を抜く工程を含むのが好ましい。
工程(2):
プレヒートした成形型に該形成性組成物を混合後直ちに成形型内に注入し(注型)、該形成性組成物を成形型内で硬化処理を行う(具体的には、加熱して硬化反応させる)。この場合、成形型の温度はウレタン化反応、イソシアヌレート化反応及び/またはアロファネート化反応を容易に且つ確実に行わせる条件であるという観点から、80〜170℃の範囲であることが好ましい。
工程(3):
形成性組成物が硬化した後、硬化物(即ち、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物)を型から成形型内から取り出す(脱型)。なお、本発明に於いては、前記の注型から脱型までに要する時間としては、必要に応じて用いる触媒量や成形型に於けるプレヒート温度にもよるが、本発明の意図する熱硬化ポリウレタンエラストマーの生産性という観点から、1〜60分の範囲であることが好ましい。
また、本発明に於ける形成性組成物を用いて、本発明に於ける熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を製造する方法としては、以下のような工程を含む方法により製造されるのも好ましい。
工程(1’):
イソシアネート基末端プレポリマー(A)、水酸基末端硬化剤(B)、必要に応じてさらに触媒(C)を均一に混合して形成性組成物を調製する。但し、触媒(C)については予め硬化剤(B)に添加し、残りの成分であるイソシアネート基末端プレポリマー(A)と均一に混合して形成性組成物を調製しても良い。なお、形成性組成物を調製後、巻き込んだ空気を抜く工程を含むのが好ましい。
工程(2’):
前記の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を混合後直ちに回転ドラムの内部に注入(注型)し、回転ドラムを高速で回転させながら該形成性組成物を回転ドラムで硬化処理を行う。この場合、回転ドラムの内周部壁面の温度はウレタン化反応、イソシアヌレート化反応及び/またはアロファネート化反応を容易に且つ確実に行わせる条件であるという観点から、80〜170℃の範囲であることが好ましい。
工程(3’):
得られるシート状の熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を回転ドラムの内周部から剥離する(脱型)。なお、本発明に於いては、前記の注型から脱型までに要する時間としては、必要に応じて用いる触媒量や回転ドラムの内周部壁面の温度にもよるが、本発明の意図する熱硬化ポリウレタンエラストマーの生産性という観点から、1〜60分の範囲であることが好ましい。
以下に実施例および比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。但し、本発明はこれらの例になんら限定して解釈されるものではない。なお、以下において「部」及び「%」は、それぞれ「質量部」及び「質量%」を意味する。
実施例1:
(主剤(イソシアネート基末端プレポリマー(A))の合成)
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、表1に示す処方に従って、MDI(4,4´−MDI:商品名「ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業(株)製)」)(A1)31.0部と、PBA−2500(アジピン酸と1,4−ブタンジオールとの重縮合反応により得られる数平均分子量2500のポリエステルジオール)(A2)69.0部とを仕込み、この系を75℃で3時間にわたり加熱して反応させることにより、NCO含量8.0%のNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−1」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)36.0部と、TMP(B2)24.0部と、PTG−650(数平均分子量650のポリテトラメチレンエーテルグリコール:商品名「PTG−650SN(保土谷化学工業(株)製)」)(B3)40.0部と、トリエチレンジアミン(商品名「TEDA」(東ソー(株)製)(C)0.20部とを混合することにより、水酸基価が817KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物を調製、これを硬化剤「B−1」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−1」と硬化剤「B−1」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに130℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、130℃で60分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。
実施例2:
(主剤(イソシアネート基末端プレポリマー(A))の合成)
実施例1と同じ装置にて、表1に示す処方に従って、MDI(A1)31.1部と、PBA−2500(A2)57.4部と、PEA−1000(アジピン酸とエチレングリコールとの重縮合反応により得られる数平均分子量1000のポリエステルジオール)(A2)11.5部とを仕込み、この系を75℃で3時間にわたり加熱して反応させることにより、NCO含量7.5%のNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−2」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)7.0部と、TMP(B2)3.0部と、PTG−650(B3)90.0部と、DABCO P−15(酢酸カリウム、三共エアプロダクツ(株)製)(C1)0.05部と、TOYOCAT−RX5(N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、東ソー(株)製)」(C2)0.02部と、トリエチレンジアミン(C)0.20部とを混合することにより、水酸基価が275KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物を調製、これを硬化剤「B−2」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−2」と硬化剤「B−2」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに130℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、130℃で10分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。
実施例3:
(主剤(イソシアネート基末端プレポリマー(A))の合成)
実施例1と同じ装置にて、表1に示す処方に従って、MDI(A1)29.7部と、PEBA−2000(アジピン酸とエチレングリコール、1,4−ブタンジオールとの重縮合反応により得られる数平均分子量2000のポリエステルジオール)(A2)70.3部とを混合し、この系を75℃で3時間にわたり加熱して反応させることにより、NCO含量7.0%のNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−3」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)13.0部と、TMP(B2)7.0部と、PTG−650(B3)80.0部と、DABCO P−15(C1)0.10部と、トリエチレンジアミン(C)0.20部とを混合することにより、水酸基価が380KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物を調製、これを硬化剤「B−3」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−3」と硬化剤「B−3」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに130℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、130℃で10分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。
実施例4:
(主剤(イソシアネート基末端プレポリマー(A))の合成)
実施例1と同じ装置にて、表1に示す処方に従って、MDI(A1)49.8部と、PEBA−2000(A2)50.2部とを混合し、この系を75℃で3時間にわたり加熱して反応させることにより、NCO含量15.0%のNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−4」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、硬化剤として、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)10.5部と、TMP(B2)4.5部と、PTG−650(B3)15.0部と、さらに実施例2において(A2)として用いたPEBA−2000を70.0部と、TOYOCAT−RX5(C)0.10部とを混合することにより、水酸基価が252KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物を調製、これを硬化剤「B−4」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−4」と硬化剤「B−4」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに140℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、140℃で5分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。
比較例1(一般的な処方による場合):
(主剤(イソシアネート基末端プレポリマー(A))の合成)
実施例3と同じ内容により、NCO含量7.0%のNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−3」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)65.0部と、TMP(B2)35.0部と、トリエチレンジアミン(触媒)0.30部とを混合することにより、水酸基価が1245KOHmg/gである硬化剤(B)と触媒(C)の混合物を調製、これを硬化剤「B−5」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−3」と硬化剤「B−5」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに120℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、120℃で60分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。
比較例2(ガラス転移温度を下げる目的で(B2)の含量を少なくした場合):
(主剤(イソシアネート基末端プレポリマー(A))の合成)
実施例4と同じ内容により、NCO含量15.0%のNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−4」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)8.0部と、TMP(B2)2.0部と、実施例2において(A2)として用いたPEBA−2000を90.0部と、トリエチレンジアミン(C)0.02部とを混合することにより、水酸基価が175KOHmg/gである硬化剤(B)と触媒(C)の混合物を調製、これを硬化剤「B−6」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−4」と硬化剤「B−6」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに130℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、130℃で60分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。
比較例3(ポリテトラメチレングリコール(B3)以外のポリオールを導入した場合):
(主剤(イソシアネート基末端プレポリマー(A))の合成)
実施例2と同じ内容により、NCO含量7.5%のNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−2」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)7.0部と、TMP(B2)3.0部と、PBA−550(アジピン酸と1,4−ブタンジオールとの重縮合反応により得られる数平均分子量550のポリエステルジオール)90.0部と、DABCO P−15(C1)0.05部とTOYOCAT−RX5(C2)0.02部とトリエチレンジアミン(C)0.20部とを混合することにより、水酸基価が309KOHmg/gである硬化剤(B)と触媒の混合物を調製、これを硬化剤「B−7」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−2」と硬化剤「B−7」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに130℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、130℃で10分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。
比較例4(数平均分子量250〜850以外のポリテトラメチレングリコールを導入した場合):
(主剤(イソシアネート基末端プレポリマー(A))の合成)
実施例2と同じ内容により、NCO含量7.5%のNCO基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−2」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)13.0部と、TMP(B2)7.0部と、PTG−1000(数平均分子量1,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール:商品名「PTG−1000SN(保土谷化学工業(株)製)」)80.0部と、DABCO P−15(C1)0.05部とTOYOCAT−RX5(C2)0.02部とトリエチレンジアミン(C)0.20部とを混合することにより、水酸基価が339KOHmg/gである硬化剤(B)と触媒の混合物を調製、これを硬化剤「B−8」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−2」と硬化剤「B−8」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに130℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、130℃で10分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。しかし、該成型物は他の実施例・比較例と違い、外観上白濁しており不均一であったため、物性の測定は行わなかった。
比較例5(ガラス転移温度を下げる為にポリテトラメチレングリコールを変性剤として用いた場合):
実施例1と同じ装置にて、表1に示す処方に従って、MDI(A1)29.6部と、PTG−2000(数平均分子量2,000のポリテトラメチレンエーテルグリコール:商品名「PTG−2000SN(保土谷化学工業(株)製)」)46.9部と、PTG−1000を23.5部とを仕込み、この系を75℃で3時間にわたり加熱して反応させることにより、NCO含量6.0%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−5」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)75.0部と、TMP(B2)25.0部と、トリエチレンジアミン(C)0.30部とを混合することにより、水酸基価が1245KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物を調製、これを硬化剤「B−9」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−5」と硬化剤「B−9」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに130℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、130℃で60分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。
比較例6(変性剤としてポリエステルポリオールとポリテトラメチレングリコールを併用した場合):
(主剤(イソシアネート基末端プレポリマー(A))の合成)
実施例1と同じ装置にて、表1に示す処方に従って、MDI(A1)29.6部と、PBA−2500(A2)64.1部と、実施例1〜4において(B3)として用いたPTG−650を6.3部とを仕込み、この系を75℃で3時間にわたり加熱して反応させることにより、NCO含量7.0%のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を合成、これを主剤「A−6」とした。
(硬化剤(水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物)の調製)
他方、表1に示す処方に従って、1,4−BD(B1)65.5部とTMP(B2)35.0部と、DABCO P−15(C1)0.05部と、トリエチレンジアミン(C)0.20部とを混合することにより、水酸基価が1245KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)の混合物を調製、これを硬化剤「B−10」とした。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物の調製)
次いで、表1に示す処方(配合比)に従って、主剤「A−6」と硬化剤「B−10」を2液混合ウレタン注型機により均一混合することにより、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を得た。
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造)
得られた該組成物を直ちに130℃に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、130℃で10分間にわたり加熱硬化させた後、成型物を金型から取り出して、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。
Figure 2006274146
(熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の評価)
一連の実施例並びに比較例により得られた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物(比較例4における成型物を除く)の各々について、硬度(JIS−A型硬さ計による)、引張強度、引裂強度、伸張率、反発弾性、および圧縮永久歪みの各項目について、JISK7312に準じ測定を実施した。これらの各項目につき、高温環境下における物性評価をも行うべく、測定環境を温度23℃の恒温環境下、並びに温度60℃の恒温環境下の双方にて実施した。なお、圧縮永久歪みは、70℃、圧縮率25%、圧縮時間22時間とした。これらの結果を表2に示す。
また、評価した熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の各々について、フリクトロン摩擦摩耗試験機(株式会社オリエンテック製)により、試験片温度が約60℃になるように、加圧加重を2.0kgf、滑り速度を0.5m/secに調整し、60分間試験後の摩耗重量の測定を実施した。なお、この測定は、温度23℃の恒温環境下で実施した。これらの結果を下記表2に示す。
さらに、実施例2〜4および比較例1、比較例3、比較例5により得られた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の各々について、温度依存性の比較のため、粘弾性測定(tanδ)をオリエンテック製DDV−25FPにて測定を行った。この測定は、加振周波数=11Hz、加振振幅=25μm、最小振幅=0.0gf、プリロード=50.0gfの条件下で実施した。これらの結果を図1に示す。
Figure 2006274146
本発明に係る熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物は、グリーン強度が要求される種々の産業機器の構成部品として好適に使用することができ、また、該構成部品の使用適応温度を格段に広げることができる。
本発明に係る熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物は、従来公知の熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物では対応することのできなかった、低温特性にも優れた構成部品として産業機器に搭載させることができ、多様化する産業機器のニーズ(環境)に適応可能となり、寒冷地での使用においても所望される十分に役割(機能)を果たすことができる。
熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の粘弾性測定結果を図示している。

Claims (3)

  1. イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)、水酸基末端硬化剤(B)、及び触媒(C)からなる熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物において、
    イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)が、ジフェニルメタンジイソシアネート(A1)と、数平均分子量250〜4,500の水酸基含有ポリエステルポリオール(A2)とから得られる化合物であり、
    水酸基末端硬化剤(B)が、少なくとも数平均分子量300以下の短鎖ジオール(B1)と、数平均分子量500以下の短鎖トリオール(B2)と、数平均分子量250〜850のポリテトラメチレングリコール(B3)とからなり、且つ、
    イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基末端硬化剤(B)の混合比(官能基モル比)が、水酸基/イソシアネート基=0.2〜0.8
    であることを特徴とする、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物。
  2. 触媒(C)として、少なくとも酢酸カリウム(C1)及び/またはN,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物。
  3. 請求項1または請求項2のいずれかに記載の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を用いて熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を製造する方法において、成形型内で硬化処理を行う工程を含むことを特徴とする、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法。
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