JPH05185436A - ウレタンフォーム成形品の製造方法 - Google Patents

ウレタンフォーム成形品の製造方法

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JPH05185436A
JPH05185436A JP4127621A JP12762192A JPH05185436A JP H05185436 A JPH05185436 A JP H05185436A JP 4127621 A JP4127621 A JP 4127621A JP 12762192 A JP12762192 A JP 12762192A JP H05185436 A JPH05185436 A JP H05185436A
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JP
Japan
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urethane foam
mold
release agent
foam molded
curing
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Application number
JP4127621A
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English (en)
Inventor
Takeshi Minegishi
健 峰岸
Masayuki Kubo
正之 久保
Ryosuke Nozaki
亮介 野崎
Takuro Higuchi
卓郎 樋口
Masahiko Ogawa
匡彦 小川
Masaki Tanaka
正喜 田中
Yukio Morimoto
行生 森本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NHK Spring Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
NHK Spring Co Ltd
Shin Etsu Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】型の内面に離型効果の高い離型剤を薄くかつ均
一に施し、表面に離型剤が付着しないウレタンフォーム
成形品を製造することを主な目的とする。 【構成】型の内面に、オルガノポリシロキサンを主成分
とする離型剤が塗布される。オルガノポリシロキサン組
成物は、Si原子に結合した全有機基の0.1〜5.0
%がビニル基、残りの有機基のうち少なくとも80%が
メチル基である第1のオルガノポリシロキサンと、1分
子当りに少なくとも3個のSi結合水素原子を含有する
第2のオルガノポリシロキサンとの混合物であって、S
iビニル基とSiH基の比率が1:0.5〜1:5の範
囲にあり、しかも非反応性のシロキサンを本質的に含ま
ないオルガノポリシロキサンである。そしてSiビニル
基とSiH基との反応触媒としての白金系化合物が添加
される。この離型剤は紫外線の照射または加熱によって
硬化し、型の内面に薄くかつ均一な膜を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、たとえば乗物用シー
トクッションやシートバック、家具・寝具等のクッショ
ン類あるいは半硬質発泡ウレタン製品などに使われるウ
レタンフォーム成形品の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のシートなどに用いられているウ
レタンフォームの成形品は、所定温度に保たれた型の内
部にウレタンフォ−ムの原料を注入し、発泡・キュアす
ることにより、所望の形状に成形される。
【0003】従来、60℃前後でキュアされるコールド
キュアウレタンフォーム成形品の製造に際して、離型剤
にポリエチレン等のワックスが用いられてきた。コール
ドキュアウレタンフォームは、100℃前後でキュアさ
れるホットキュアウレタンフォームに比べて処理温度が
低いため、比較的融点の低いワックスであってもウレタ
ンフォーム成形品表面への離型剤の移行が少ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来のワックス
は、ウレタンフォームが1個成形されると、型の内面に
おける離型剤層の表面が荒れてしまう。従ってこの離型
剤を何度も型の内面に塗り重ねると、多量のワックスが
型の内面に不均一に蓄積し、型内面の離型剤の凹凸が激
しくなる。このような型を用いて成形されたウレタンフ
ォーム成形品は、その表面状態がきわめて悪くなる。
【0005】また、上記離型剤は僅かであるがウレタン
フォーム成形品の表面に移行する。ウレタンフォーム成
形品に付着したワックス離型剤は、僅かな量であって
も、ウレタンフォーム成形品の用途によっては異音発生
の原因になることがある。例えば自動車のシートクッシ
ョンに使われるウレタンフォーム成形品のように、金属
製のフレームにウレタンフォーム成形品が接触する場
合、この成形品に離型剤が付着していると、成形品と金
属フレームとが擦れることによって、異音が生じること
がある。
【0006】上述の問題に対処するために、離型剤とし
てオルガノポリシロキサン(以下、シリコーンとも称す
る)の使用が検討されている。シリコーン系離型剤は、
従来の離型剤と同様に型の内面に塗布され、硬化させら
れたのち、型の内部にウレタンフォーム原料が注入され
て発泡成形が行われる。
【0007】通常、シリコーン系離型剤はウレタンフォ
ーム成形品の表面にほとんど移行しないため、離型剤の
塗布を繰返すと、型の内面に離型剤が蓄積しやすいとい
う欠点がある。このためシリコーン系離型剤の全てが必
ずしもウレタンフォーム成形品の製造に適しているわけ
ではない。例えば具体的な従来技術として、米国特許明
細書第4244912号、同第4681714号、同第
4769204号、同第4220727号などがあげら
れる。
【0008】型の内面に均一に塗布できないシリコーン
系離型剤が使用された場合には、型の内面における離型
剤の厚さが不均一になる。また、離型剤の一部が型の内
面から局部的に剥離することもある。従って離型剤の塗
布を繰返すたびに型内面に離型剤が不均一に蓄積されて
ゆき、早期に型の内面に許容限度を越える凹凸が生じて
しまう。
【0009】しかもコールドキュアウレタンフォームの
処理温度は60°C程度と低いために、従来のシリコー
ン系離型剤では硬化が著しく遅く実用には不向きであっ
た。仮に、離型剤の一部が未硬化のまま型内面に付着し
た状態でウレタンフォームの成形が行われると、成形さ
れたウレタンフォーム成形品の表面が著しく荒れてしま
い、製品として成り立たない。
【0010】従ってこの発明の目的は、離型効果の高い
離型剤を型の内面に薄く均一に塗布することができ、型
内面での離型剤の状態を良好に保つことができるととも
に、離型剤のウレタンフォーム成形品への移行がきわめ
て少なく、かつ短時間のうちに離型剤を硬化させること
が可能なウレタンフォーム成形品の製造方法を提供する
ことにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記目的を果たすために
開発された本発明は、型を使ってウレタンフォーム成形
品を製造する方法であって、型の内面に離型剤を塗布す
る離型剤供給工程と、上記離型剤を硬化させる離型剤硬
化工程と、上記型の内部にウレタンフォームの原料を注
入し発泡させるウレタン原料供給工程と、型の内部でウ
レタンフォームを硬化させるキュア工程と、硬化したウ
レタンフォーム成形品を上記型から取出す脱型工程とを
具備し、かつ上記離型剤は、(a)Si原子に結合した
全有機基の0.1〜5.0%がビニル基、残りの有機基
のうち少なくとも80%がメチル基である第1のオルガ
ノポリシロキサンと、(b)1分子当りに少なくとも3
個のSi結合水素原子を含有する第2のオルガノポリシ
ロキサンとの混合物からなりしかも上記第1および第2
のオルガノポリシロキサンはSiビニル基とSiH基の
比率が1:0.5〜1:5の範囲にありかつ非反応性の
シロキサンを本質的に含まないオルガノポリシロキサン
であり、(c)Siビニル基とSiH基との反応触媒で
ある白金系化合物、を含有するものを用いることを特徴
とするウレタンフォーム成形品の製造方法である。
【0012】上記以外のオルガノポリシロキサンでは、
本発明の所期の目的を果たすことができない。第1のオ
ルガノポリシロキサンを100重量部としたとき、第2
のオルガノポリシロキサンの重量比率は、好ましくは
0.3〜10重量部、より好ましくは0.5〜5重量部
である。
【0013】上記離型剤は、必要に応じて適宜量の有機
溶剤によって希釈される。有機溶剤としては、例えばト
ルエン,キシレン,トリクロロエチレン,ナフサもしく
はこれらを混合したものなどが使用される。また、必要
に応じて、紫外線による硬化を助けるための増感剤、あ
るいは添加剤としてランタン系希土類化合物が添加され
る。この離型剤は、上記型の内面に塗布され、加熱もし
くは紫外線の照射によって硬化させられる。
【0014】また、反応制御剤として、2-メチル -3-ブ
チン -2-オール、1-エチニル -1-シクロヘキサノール、
3,5-ジメチル -1-ヘキシン -3-オールのようなアセチレ
ンアルコール類を添加することが好ましい。添加量は適
宜に調整する。
【0015】上記白金系化合物として、例えば塩化第1
白金酸あるいは塩化第2白金酸などの塩化白金酸、もし
くは塩化白金酸を含有する各種触媒などが適用される。
この白金系化合物は、触媒的に有効な量であればよく、
例えば、重量にして5ないし1000p.p.m.添加される。増
感剤は、紫外線を吸収して硬化を促進するものであれば
よく、例えばケトン系あるいはキノン系の化合物、例え
ば4,4′ジメトキシベンゾフェノンのようなベンゾフ
ェノン系化合物とかアントロン系化合物、ビリリウム塩
類などが使用される。
【0016】添加剤として用いるランタン系希土類金属
化合物は、例えばセリウム,ネオジウム,サマリウムな
どの酸化物,水酸化物,塩基性炭酸塩,SiOM(Mは
ランタン系希土類金属)結合を有する酸化物,水酸化物
から選択される少なくとも1種の化合物が使用される。
このうち、好ましいものは、例えば酸化セリウムのよう
な化合物である。
【0017】
【作用】噴霧器を用いたスプレー散布等によって型の内
面に塗布された上記離型剤は、型の内面に薄く均一な厚
さの被膜を形成し、更に紫外線の照射あるいは加熱によ
って硬化が促進されて型の内面に定着する。そののち、
ウレタンフォーム原料が型に注入される。型はウレタン
フォームの処理に適した温度に調節される。
【0018】上記離型剤の硬化を紫外線によって促進さ
せる場合には、コールドキュアウレタンフォームのよう
に処理温度が60℃程度と比較的低いものであっても、
問題なく離型剤を硬化させることができる。また、加熱
によって上記離型剤の硬化を促進させる場合には、ホッ
トキュアタイプのウレタンフォームの処理に適した温度
に加熱された型の熱を利用して離型剤を短時間で硬化さ
せることができる。
【0019】上記離型剤が硬化したのちは、ホットキュ
アウレタンフォームのように比較的高い処理温度でも離
型剤が溶融することはなく、ウレタンフォーム成形品の
表面への離型剤の移行も実質的に生じない。この離型剤
は、スプレー等による塗布性に優れ、型の内面にきわめ
て薄くかつ均一な厚みの被膜を形成するから、複数回塗
り重ねられても実質的に型の内面に不均一な厚みに蓄積
されることがない。
【0020】
【実施例】
(実施例1)図1に、コールドキュアタイプのウレタン
フォーム成形品の製造工程の一例を示す。この実施例
は、型に離型剤を塗布する離型剤供給工程10と、離型
剤を硬化させる離型剤硬化工程11と、型の内部にウレ
タンフォームの原料を注入し発泡させるウレタン原料供
給工程12と、型の内部でウレタンフォームを硬化させ
るキュア工程13と、硬化したウレタンフォーム成形品
を型から取出す脱型工程14などからなる。
【0021】この実施例においては、ウレタン原料供給
工程12から脱型工程14までの一連の工程をウレタン
フォーム成形サイクルと呼ぶことにする。型は、自動車
のシートクッション用アルミニウム鋳物型である。型の
温度は、離型剤供給工程10から脱型工程14にわたっ
て約60℃(60℃±5℃)に保たれる。
【0022】離型剤供給工程10において、型の内面に
下記組成のシリコーン系離型剤が塗布される。離型剤の
組成は、主剤Aと有機溶剤BとをA:B=5:95の割
合で混合したものである。主剤Aの成分は、下記(a)
から(d)に示される通りである。有機溶剤Bは、ナフ
サ系のドライソルベント(日本石油株式会社)を用い
た。
【0023】(a)両末端がジメチルビニルシロキシ基
で封止された重合度150、粘度が400cs(at25
℃)のジメチルポリシロキサン100重量部。 (b)両末端がトリメチルシロキシ基で封止された重合
度40、粘度が25cs(at25℃)のメチルポリシロキ
サン2重量部。 (c)白金とビニルシロキサンの錯体(白金含有量0.
5%)4重量部。 (d)ゲル化を抑制する制御剤として、エチニルシクロ
ヘキサノール0.25重量部。
【0024】上記離型剤を、噴霧装置を用いたスプレー
散布によって、型の内面に型1個当たり600g塗布す
る。上記離型剤は、噴霧装置による塗布性に優れ、型の
内面にきわめて薄くかつ均一の膜厚で塗布することがで
きる。この離型剤は、離型剤硬化工程11において、紫
外線ランプによって例えば波長範囲が250〜400nm
の紫外線が5秒間照射されることにより硬化し、型の内
面に定着する。紫外線ランプの照射強度は、145mW/
cm2 である。
【0025】離型剤が硬化したのち、ウレタン原料供給
工程12において型の内部にウレタンフォーム原料が注
入される。次表1に、本実施例に用いるコールドキュア
タイプのウレタン原料の一例を示す。
【0026】
【表1】
【0027】上記ウレタン原料を注入したのち、型を閉
じ、更にキュア工程13において6分間保持することに
より、所定形状のウレタンフォーム成形品が成形され
る。こうして成形されたウレタンフォーム成形品は、脱
型工程14において型から取出される。上記離型剤はウ
レタンフォームに対する剥離性に優れ、実質的にウレタ
ンフォーム成形品の表面に移行することなく、型の内面
に残る。
【0028】上記の型を使って2個目以降のウレタンフ
ォーム成形品を製造する場合、離型剤供給工程10と離
型剤硬化工程11を経ることなく、ウレタンフォーム成
形サイクル(工程12〜14)を複数回繰返すことによ
り、複数個のウレタンフォームを製造する。本実施例の
離型剤は、1回の塗布で、40個のウレタンフォーム成
形品を製造することができた。
【0029】上述のウレタンフォーム成形サイクル(工
程12〜14)を所定回数繰返したのち、再び離型剤供
給工程10と離型剤硬化工程11を実施することによ
り、型の内面に離型剤の膜を再生し、再び所定回数のウ
レタンフォーム成形サイクルを繰返す。なお、ウレタン
フォーム成形サイクルが1回終了するごとに離型剤供給
工程10と離型剤硬化工程11を実施することにより、
離型効果を回復させるようにすることもできる。
【0030】(実施例2)図2に、ホットキュアタイプ
のウレタンフォーム成形品の製造工程の一例を示す。こ
の実施例は、離型剤供給工程20と、離型剤硬化工程2
1と、必要に応じて行われるインサート類のセット工程
22と、型冷却工程23と、ウレタン原料供給工程24
と、キュア工程25と、脱型工程26などからなる。
【0031】この実施例においては、インサート類のセ
ット工程22から脱型工程26までの一連の工程をウレ
タンフォーム成形サイクルと呼ぶことにする。型は、自
動車のシートバック用アルミニウム鋳物型である。
【0032】まず、離型剤供給工程20において、11
0℃に温調された型の内面に、前記実施例1で説明した
離型剤と同様の組成のシリコーン系離型剤を、スプレー
散布によって、型の内面に型1個当たり600g塗布す
る。この離型剤は離型剤硬化工程21において110℃
で約1分間保持されることよって硬化し、型の内面に薄
く均一に定着する。なお、上記離型剤硬化工程21にお
いて、紫外線の照射を併用することによって、離型剤の
硬化を更に促進させるようにしてもよい。
【0033】必要に応じてインサート類のセット工程2
2を実施することによって、型の内部に各種インサート
部品をセットする。この工程22での型温は105℃な
いし100℃である。そののち型冷却工程23において
型が40℃まで冷却される。ウレタン原料供給工程24
では、40℃に温調された型に、下記組成のウレタンフ
ォーム原料を注入し、発泡させる。次表2は、この実施
例で使用するホットキュアタイプのウレタンフォーム原
料の一例を示す。
【0034】
【表2】
【0035】キュア工程25において、型は115℃な
いし130℃に加熱され、型内のウレタンフォームは約
10分間保持されることによって所定形状に硬化する。
こうして成形されたウレタンフォーム成形品は、脱型工
程26において110℃ないし125℃の型から取出さ
れる。
【0036】上記の型を使って2個目以降のウレタンフ
ォーム成形品を製造する場合、ウレタンフォーム成形サ
イクル(工程22〜26)を複数回繰返すことにより、
複数個のウレタンフォームを製造する。この実施例の場
合、1回の離型剤の塗布で、10個のウレタンフォーム
成形品を製造することができた。
【0037】所定回数のウレタンフォーム成形サイクル
を繰返したのち、再び離型剤供給工程20と離型剤硬化
工程21を実施することにより、離型効果を回復させた
のちに、所定回数のウレタンフォーム成形サイクル(工
程22〜26)を繰返す。
【0038】(実施例3)図3は、コールドキュアタイ
プのウレタンフォームの製造工程の一例を示している。
離型剤とウレタンフォーム原料は、いずれも実施例1と
同様のものを用いる。型は自動車のシートクッション用
アルミニウム鋳物型である。前記離型剤は100℃程度
の高温の方が硬化が速いため、この実施例では離型剤供
給工程30において、型の内面を100°C前後に温調
した状態で上記離型剤を型の内面に塗布する。離型剤の
塗布は、噴霧装置を使用したスプレー散布によって行
い、型1個当たり600gを型の内面に塗布する。この
離型剤は、離型剤硬化工程31において上記温度(10
0℃)で約1分間保持されることよって硬化する。
【0039】そののち、型冷却工程32において、コー
ルドキュアウレタンフォームの処理に適した温度(60
℃)まで型を冷却する。必要に応じてインサート類のセ
ット工程33を実施したのち、ウレタン原料供給工程3
4において、実施例1と同様の組成のウレタンフォーム
原料(表1)を注入し、発泡させる。
【0040】型に注入された上記ウレタンフォーム原料
は、キュア工程35において、上記温度(60℃)に温
調された型の内部で約6分間保持されることにより硬化
し、所定形状に成形される。成形されたウレタンフォー
ム成形品は、脱型工程36において型から取出される。
離型剤は実質的にウレタンフォーム成形品の表面に移行
することなく、型の内面に残る。
【0041】上記の型を使って2個目以降のウレタンフ
ォーム成形品を製造する場合、ウレタンフォーム成形サ
イクル(工程33〜36)を複数回繰返すことにより、
複数個のウレタンフォームを製造したのち、再び離型剤
供給工程30と離型剤硬化工程31を実施することによ
って離型効果を回復させる。この実施例の場合、1回の
離型剤の塗布で40個のウレタンフォーム成形品を製造
することができた。
【0042】(実施例4)図4に、半硬質ウレタンフォ
ームの反応射出成形品(RIM成形品)の製造工程の一
例を示す。この実施例では、離型剤供給工程40と、離
型剤硬化工程41と、芯材等のインサート類をセットす
る工程42と、反応射出成形工程43と、脱型工程44
と、外装工程45などを含んでいる。反応射出成形工程
43は、ウレタン原料供給工程46とキュア工程47を
含んでいる。型は自動車のステアリングホィル用の金型
である。
【0043】離型剤供給工程40において、60℃に温
調された反応射出成形用の型の内面に、前記実施例1と
同一組成のシリコーン系離型剤をスプレー散布によっ
て、型の内面に型1個当たり200g塗布する。この離
型剤は型の内面にきわめて薄くかつ均一の膜厚で塗布さ
れ、しかも硬化後は型の内面に完全に定着するため、R
IM成形品の表面に移行することはない。
【0044】型の内面に塗布された離型剤は、離型剤硬
化工程41において、紫外線ランプによって例えば波長
範囲が250〜400nmの紫外線を5秒間照射すること
により、硬化する。紫外線ランプの照射強度は、145
mW/cm2 である。型の温度は60℃に保たれる。な
お、型を70℃以上に温調することによって、上記離型
剤の硬化を更に促進させるようにしてもよい。
【0045】離型剤が硬化したのち、インサート類をセ
ットする工程42において、型の内部に芯金等のインサ
ート部品がセットされる。そののち、反応射出成形工程
43のウレタン原料供給工程46において、型の内部に
下記組成のウレタンフォーム原料が注入される。型の温
度は60℃である。次表3に、この実施例で用いる半硬
質ウレタンフォームの原料の一例を示す。
【0046】
【表3】
【0047】上記ウレタンフォームは、型締された型の
内部で発泡し、60℃で約6分間のキュア工程47を経
ることによって所定形状に成形され、比較的密度の高い
半硬質ウレタンフォーム成形品(RIM成形品)が得ら
れる。こうして成形された半硬質ウレタンフォ−ムは、
脱型工程44において、60℃の型から取出される。脱
型の際には、型の内面に定着している上記離型剤によっ
て成形品の取出しが円滑になされる。離型剤は型の内面
に残り、半硬質ウレタンフォーム成形品の表面に移行す
ることはない。
【0048】上述したウレタンフォーム成形サイクル
(工程42〜44)を複数回繰返すことによって所望個
数の半硬質ウレタンフォーム成形品を製造したのち、離
型剤供給工程40と離型剤硬化工程41を再び実施する
ことにより、離型効果を回復させる。そして再び上記ウ
レタンフォーム成形サイクルを繰返す。この実施例の場
合、1回の離型剤塗布で20個の半硬質ウレタンフォー
ム成形品を製造することができた。
【0049】脱型された上記ウレタンフォーム成形品
は、外装工程45において、皮革等の表皮材が接着によ
って固定される。本実施例のウレタンフォーム成形品の
表面には上記離型剤が付着していないため、洗浄工程を
実施する必要がなく、直接このウレタンフォーム成形品
に接着剤を施して表皮材の接着を行うことができる。
【0050】上記外装工程45において、表皮材を接着
する代りに、ウレタンフォーム成形品の表面に適宜の塗
装を行うようにしてもよい。塗装は周知のウレタン系塗
料やアクリル系塗料をはじめとして、耐光性あるいは耐
摩耗性等の、必要に応じた性状をもつものが適用され、
意匠上の要求も考慮して適宜の色彩が施される。本実施
例によれば、塗装を行う前に洗浄工程を実施する必要が
なく、上記ウレタンフォーム成形品の表面に直接塗装を
行うことができる。従って本実施例によれば、従来の洗
浄工程に必要としていたトリクロルエタンやトリクレン
等の洗浄剤が不要となる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、ウレタンフォームに対
する離型効果に優れた離型剤を、型の内面に薄くかつ均
一に施すことができる。この離型剤は実質的にウレタン
フォーム成形品の表面に移行しないから、ウレタンフォ
ーム成形品の表面に離型剤が移行することによる不具合
を回避できる。
【0052】そして、離型剤の蓄積による型内面の凹凸
の発生は問題にならない程度に小さく、従ってこの型を
用いて成形されるウレタンフォーム成形品の表面に実際
上問題になるような凹凸が転写されることもなくなる。
また、反応射出成形等によって成形される半硬質ウレタ
ンフォーム成形品の表面に塗装を行ったり表皮材を接着
する必要がある場合に、洗浄工程を省略することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるコールドキュアウレ
タンフォーム成形品の製造工程の一例を示す工程説明
図。
【図2】本発明の第2実施例によるホットキュアウレタ
ンフォーム成形品の製造工程の一例を示す工程説明図。
【図3】本発明の第3実施例によるコールドキュアウレ
タンフォーム成形品の製造工程の一例を示す工程説明
図。
【図4】本発明の第4実施例による半硬質ウレタンフォ
ーム成形品の製造工程の一例を示す工程説明図。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B29K 105:04 B29L 31:58 4F (72)発明者 野崎 亮介 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内 (72)発明者 樋口 卓郎 神奈川県横浜市金沢区福浦3丁目10番地 日本発条株式会社内 (72)発明者 小川 匡彦 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 田中 正喜 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内 (72)発明者 森本 行生 群馬県碓氷郡松井田町大字人見1番地10 信越化学工業株式会社シリコーン電子材料 技術研究所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】型を使ってウレタンフォーム成形品を製造
    する方法であって、型の内面に離型剤を塗布する離型剤
    供給工程と、上記離型剤を硬化させる離型剤硬化工程
    と、上記型の内部にウレタンフォームの原料を注入し発
    泡させるウレタン原料供給工程と、型の内部でウレタン
    フォームを硬化させるキュア工程と、硬化したウレタン
    フォーム成形品を上記型から取出す脱型工程とを具備
    し、かつ上記離型剤は、 (a)Si原子に結合した全有機基の0.1〜5.0%
    がビニル基、残りの有機基のうち少なくとも80%がメ
    チル基である第1のオルガノポリシロキサンと、 (b)1分子当りに少なくとも3個のSi結合水素原子
    を含有する第2のオルガノポリシロキサンとの混合物か
    らなりしかも上記第1および第2のオルガノポリシロキ
    サンはSiビニル基とSiH基の比率が1:0.5〜
    1:5の範囲にありかつ非反応性のシロキサンを本質的
    に含まないオルガノポリシロキサンであり、 (c)Siビニル基とSiH基との反応触媒である白金
    系化合物、を含有するものを用いることを特徴とするウ
    レタンフォーム成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】上記離型剤に含有される第1のオルガノポ
    リシロキサンは両末端がジメチルビニルシロキシ基で封
    止されたジメチルポリシロキサンであり、第2のオルガ
    ノポリシロキサンは両末端がトリメチルシロキシ基で封
    止されたメチルポリシロキサンである請求項1記載のウ
    レタンフォーム成形品の製造方法。
  3. 【請求項3】上記ウレタンフォームはコールドキュアタ
    イプのウレタンフォームであり、上記離型剤硬化工程に
    おいて上記離型剤に紫外線を照射することによって上記
    離型剤の硬化を促進させることを特徴とする請求項1記
    載のウレタンフォーム成形品の製造方法。
  4. 【請求項4】上記ウレタンフォームはホットキュアタイ
    プのウレタンフォームであり、このウレタンフォームの
    処理に適した温度に加熱された型の熱によって上記離型
    剤の硬化を促進させることを特徴とする請求項1記載の
    ウレタンフォーム成形品の製造方法。
  5. 【請求項5】上記ウレタンフォームはコールドキュアタ
    イプのウレタンフォームであり、上記型を上記離型剤の
    硬化が促進される温度まで加熱した状態で上記離型剤供
    給工程と離型剤硬化工程を実施し、そののち上記型をこ
    のウレタンフォームの処理に適した温度まで冷却した状
    態で上記キュア工程を実施するようにした請求項1記載
    のウレタンフォーム成形品の製造方法。
  6. 【請求項6】上記ウレタン原料供給工程と、上記キュア
    工程と、上記脱型工程とを含むウレタンフォーム成形サ
    イクルを複数回繰返すことにより、複数個のウレタンフ
    ォーム成形品を製造したのち、再び上記離型剤供給工程
    と上記離型剤硬化工程を実施し、そののち上記ウレタン
    フォーム成形サイクルを繰返すことを特徴とする請求項
    1記載のウレタンフォーム成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】上記ウレタンフォームは反応射出成形によ
    って成形される半硬質ウレタンフォームであり、上記脱
    型工程終了後に洗浄工程を実施することなく表皮材の接
    着または塗装等の外装工程を実施することを特徴とする
    請求項1記載のウレタンフォーム成形品の製造方法。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007331392A (ja) * 2006-06-09 2007-12-27 Goldschmidt Gmbh 離型剤およびポリウレタン成形品の製造でのその使用
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JP2016068559A (ja) * 2014-09-29 2016-05-09 東ソー株式会社 樹脂成型に用いられる離型剤組成物、及びこの離型剤を用いて成型されるポリウレタン樹脂成型物

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