JP6801425B2 - ポリウレタンエラストマー形成性組成物、およびそれを用いた産業機械部品 - Google Patents
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Description
一般的に産業機械部品の部材に用いられる熱硬化性ポリウレタンエラストマーは、イソシアネート基含有成分からなる主剤と、活性水素基含有成分からなる硬化剤とを、注型機のミキシングヘッドで混合し、得られた混合液を型内に注入し、この型内で当該混合液を加熱硬化(ウレタン化反応)させることにより製造することができる。
(1)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)が4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(A1)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(A2)、及びポリオール(A3)の反応生成物であり、熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物に含まれるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(A2)に基づく架橋点の量が、0.10〜0.40mmol/gであること
(2)水酸基末端硬化剤(B)が、平均官能基数2.2〜2.6のポリオール(B1)を含み、熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物に含まれるポリオール(B1)に基づく架橋点の量が、0.10〜0.35mmol/gであること
(3)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基末端硬化剤(B)との配合割合が、これらに含まれる水酸基に対しイソシアネート基が0.20〜0.60mmol/gの範囲で過剰となる割合であること。
(1)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)が4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(A1)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(A2)、及びポリオール(A3)の反応生成物であり、熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物に含まれるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(A2)に基づく架橋点の量が、0.10〜0.40mmol/gであること
(2)水酸基末端硬化剤(B)が、平均官能基数2.2〜2.6のポリオール(B1)を含み、熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物に含まれるポリオール(B1)に基づく架橋点の量が、0.10〜0.35mmol/gであること
(3)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基末端硬化剤(B)とが、水酸基に対しイソシアネート基を0.20〜0.60mmol/g過剰に配合されていること。
併用可能なポリイソシアネートの具体例として、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、水素添加トリメチルキシリレンジイソシアネート、2−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチルペンタン−1,5−ジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサヘチレン−1,6−ジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサヘチレン−1,6−ジイソシアネート等の脂肪族および脂環族ジイソシアネート。2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,2’−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4’−ジベンジルジイソシアネート、1,5−ナフチレンジイソシアネート、パラフェニレンジイソシアネート、トリレン−2,4−ジイソシアネート、トリレン−2,6−ジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート。オルトキシリレンジイソシアネート、メタキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソシアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネート等の難黄変ジイソシアネート。また、いずれかのイソシアネートのウレタン変性体、ウレア変性体、カルボジイミド変性体、ウレトンイミン変性体、ウレトジオン変性体、イソシアヌレート変性体、アロファネート変性体等も使用できる。
ポリエステルポリオールの具体例としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル−アミドポリオールを使用することもできる。
ポリカプロラクトンポリオールの具体例としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上のポリオールを開始剤として、ε−カプロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなどの環状エステル類を開環付加させることにより得られるポリカプロラクトンポリオール等を挙げることができる。
ポリエーテルポリオールの具体例としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、あるいはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオール等を挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの一種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。
ポリオレフィンポリオールの具体例としては、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
アクリルポリオールとしては、例えばアクリル酸エステルおよび/またはメタクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸エステルという〕と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物および/またはメタクリル酸ヒドロキシ化合物〔以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という〕と、重合開始剤とを熱エネルギーや紫外線または電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。
シリコーンポリオールの具体例としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを重合したビニル基含有シリコーン化合物、および分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサンを挙げることができる。
ヒマシ油系ポリオールの具体例としては、例えばヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状または分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油等も使用することができる。
フッ素系ポリオールの具体例としては、例えば含フッ素モノマーとヒドロキシ基を有するモノマーとを必須成分として共重合反応により得られる線状、または分岐状のポリオールである。ここで、含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレン等が挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル、またはアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマー等が挙げられる。
モノマーポリオールの具体例として、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ヌレート化反応で使用されるポリウレタン用ヌレート化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、具体例としては、例えばトリエチルアミン、N−エチルピペリジン、N,N’−ジメチルピペラジン、N−エチルモルフォリン、フェノール化合物のマンニッヒ塩基等の第三級アミン、テトラメチルアンモニウム炭酸水素塩、メチルトリエチルアンモニウム炭酸水素塩、エチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、プロピルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ブチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ペンチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、オクチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ノニルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、デシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ウンデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ドデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、トリデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2.2.2]オクタニウム炭酸水素塩、または1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウム炭酸水素塩等の第四級アンモニウム炭酸水素塩、テトラメチルアンモニウム炭酸塩、メチルトリエチルアンモニウム炭酸塩、エチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、プロピルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ブチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ペンチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、オクチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ノニルトリメチルアンモニウム炭酸塩、デシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ウンデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、トリデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム炭酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2.2.2]オクタニウム炭酸塩、または1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウム炭酸塩等の第四級アンモニウム炭酸塩、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや有機弱酸塩、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリン酸、吉草酸、オクチル酸、ミリスチン酸、ナフテン酸等のカルボン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
アロファネート化反応で使用されるポリウレタン用アロファネート化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、例えばカルボン酸の金属塩を用いることができる。
ウレタン化反応で使用されるポリウレタン用ウレタン化触媒としては、公知の触媒から適宜選択して用いることができ、アミン系触媒の具体例としては、例えばトリエチレンジアミン、2−メチルトリエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ジメチルエタノールアミン、ジメチルイソプロパノールアミン、ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)エチレンジアミン、N,N−ジメチル−N’−(2−ヒドロキシエチル)プロパンジアミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)アミン、ビス(ジメチルアミノプロピル)イソプロパノールアミン等である。
NCO基末端ウレタンプレポリマー(A)とOH基末端硬化剤(B)、ただし、予めOH基末端硬化剤(B)に触媒を含有させない場合は、触媒を別途添加し、均一に混合して形成性組成物を調製する。なお、空気を巻き込み気泡が見られる場合は、真空脱泡等で気泡を取り除く。これらの工程は、専用のポリウレタン注型機を用いることが好ましい。
プレヒートした成形型に該形成性組成物を混合後直ちに成形型内に注入し(注型)、該形成性組成物を成形型内で熱硬化処理を行う(具体的には、加熱して硬化反応させる)。この場合、成形型の温度は硬化反応を容易に且つ確実に行わせる条件であるという観点から、80〜150℃の範囲であることが好ましい。
形成性組成物が硬化した後、硬化物(即ち、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物)を成形型内から取り出す(脱型)。なお、本発明に於いては、前記の注型から脱型までに要する時間は、特に限定するものではないが、本発明の意図する熱硬化性ポリウレタンエラストマーの生産性という観点から触媒量や成形型のプレヒート温度を調整し、30〜600秒の範囲であることが好ましい。
硬化後、熱硬化性ポリウレタンエラストマー成形物(産業機械部品)を脱型した後、室温で一週間エージング処理を行うことが好ましい。
表1、および表2に示す重量比率に従い、窒素を満たした5Lの攪拌容器内に4,4’−MDI(A1)、および反応抑制剤、酸化防止剤を投入し撹拌を開始した。直ちに容器内の温度を40〜70℃に保ちながら各種ポリオール(A3)を投入し、その後、70〜90℃に保ちながら2から5時間ほど反応させた。続いて、攪拌容器内にP−MDI(A2)、及び消泡剤を投入し、70〜90℃に保ちながら1〜2時間ほど混合撹拌し、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)を得た。
ミリオネートMT;4,4’−MDI、NCO含有量=33.5%(東ソー社製)
「ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(A2)」
(2)ミリオネートMR−400;ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート、平均官能基数=2.98、NCO含有量=30.0%、(東ソー社製)
「ポリオール(A3)、ポリオール(B1)」
(3) ニッポラン3027;ポリブチレンアジペート、平均官能基数=2.0、水酸基価=44.9 KOHmg/g(東ソー社製)
(4) PTMG−1000;ポリテトラメチレングリコール、平均官能基数=2.0、水酸基価=112.0 KOHmg/g(三菱化学社製)
(5)ニッポラン4002;ポリエチレンアジペート、平均官能基数=2.0、水酸基価=112.0 KOHmg/g(東ソー社製)
(6)ニッポラン4056;ポリブチレンアジペート、平均官能基数=2.0、水酸基価=150.0 KOHmg/g(東ソー社製)
(7)プラクセル312;ポリカプロラクトンポリオール、平均官能基数=3.0、水酸基価=134.7 KOHmg/g(ダイセル社製)
(8)1,4−ブタンジオール; 1,4−ブタンジオール、水酸基価=1,245 KOHmg/g(三菱化学社製)
(9)トリメチロールプロパン;トリメチロールプロパン、水酸基価=1,247 KOHmg/g(三菱ガス化学社製)。
(10)DABCO TMR;四級アンモニウム塩触媒とエチレングリコールの混合物(エアプロダクツ社製)
(11)TOYOCAT TEDA−L33E;トリエチレンジアミンとエチレングリコールの混合物(東ソー社製)。
(14)反応抑制剤;Phospholan PS−236(Akzo Nobel社製)、モノ・ジ(C10−12)パレス−5リン酸
(15)酸化防止剤;イルガノックス1010(BASFジャパン社製)ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]
(16) 消泡剤;BYK−052(ビックケミー・ジャパン社製)。
(1)NCO含量;JIS K1603−1 に準じ測定した。
(2)水酸基価;JIS K1557−1 に準じ測定した。
(1)JIS−A硬度;12.5mm厚の円筒状の成型物を用い、JIS K7312に準じ、A型硬度計にて測定した。
(2)引張強度(TB)、伸長率(EB);2mm厚のシート状の成型物を用い、JIS K7312に準じ測定した。
(3)ガラス転移温度(動的粘弾性10Hz下でのtanδピーク温度);2mm厚のシート状の成型物から切り出したサンプルをSII社製のDMS6100にて測定した。
諸条件は以下の通り
サンプルサイズ;20mm×5mm×2mm
振幅;正弦波10Hz
温度勾配;3℃/min。
Claims (4)
- イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と、水酸基末端硬化剤(B)とを含む熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物であって、下記の(1)〜(3)の条件を満たすことを特徴とする熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物。
(1)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)が4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(A1)、ポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(A2)、及びポリオール(A3)の反応生成物であり、熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物に含まれるポリメチレンポリフェニルポリイソシアネート(A2)に基づく架橋点の量が、0.10〜0.40mmol/gであること
(2)水酸基末端硬化剤(B)が、平均官能基数2.2〜2.6のポリオール(B1)を含み、熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物に含まれるポリオール(B1)に基づく架橋点の量が、0.10〜0.35mmol/gであること
(3)イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基末端硬化剤(B)との配合割合が、これらに含まれる水酸基に対しイソシアネート基を0.20〜0.60mmol/gの範囲で過剰となる割合であること。 - 請求項1に記載の熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物の硬化物であって、JIS−A硬度が75〜85度であり、かつ動的粘弾性10Hz下のtanδピーク温度で示されるガラス転移温度が10℃以下であることを特徴とする熱硬化性ポリウレタンエラストマー。
- 請求項2に記載の熱硬化性ポリウレタンエラストマーを用いた産業機械部品。
- 請求項1に記載の熱硬化性ポリウレタンエラストマー形成性組成物を90〜150℃で熱硬化処理することを特徴とする、JIS−A硬度が75〜85度であり、かつ動的粘弾性10Hz下のtanδピーク温度で示されるガラス転移温度が10℃以下である熱硬化性ポリウレタンエラストマーの製造方法。
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