JP2005314502A - 熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物及び該組成物を用いた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)、水酸基末端硬化剤(B)、特定の触媒(C)からなる、特定のイソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基末端硬化剤(B)の混合比(官能基比)からなる熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を用いることにより、上記の課題を解決する。
【選択図】 なし
Description
本発明の第1の目的は、従来公知の熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物と同等の復元性(圧縮永久歪み、引張永久歪み)を有し、かつ、従来公知の成型物よりも高温時の機械的強度が高く、且つ、優れた耐摩耗性を有することを可能にする熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物、及び熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を提供することにある。
本発明の第2の目的は、水酸基含有化合物を含有する硬化剤および、特定の触媒作用による反応により、上記のような優れた特性を有することを可能にする熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物、及び熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を提供することにある。
さらに、本発明の第3の目的は、上記のような優れた特性を有する成型物を構成する熱硬化ポリウレタンエラストマーを成型することのできる2液注型用の熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法を提供することにある。
工程(1):
イソシアネート基末端プレポリマー(A)、水酸基末端硬化剤(B)、必要に応じてさらに触媒(C)を均一に混合して形成性組成物を調製する。但し、触媒(C)については予め硬化剤(B)に添加し、残りの成分であるイソシアネート基末端プレポリマー(A)と均一に混合して形成性組成物を調製しても良い。なお、形成性組成物を調製後、巻き込んだ空気を抜く工程を含むのが好ましい。
工程(2):
プレヒートした成形型に該形成性組成物を混合後直ちに成形型内に注入し(注型)、該形成性組成物を成形型内で硬化処理を行う(具体的には、加熱して硬化反応させる)。この場合、成形型の温度はウレタン化反応及びアロファネート化反応を容易に且つ確実に行わせる条件であるという観点から、80〜170℃の範囲であることが好ましい。
工程(3):
形成性組成物が硬化した後、硬化物(即ち、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物)を型から成形型内から取り出す(脱型)。なお、本発明に於いては、前記の注型から脱型までに要する時間としては、必要に応じて用いる触媒量や成形型に於けるプレヒート温度にもよるが、本発明の意図する熱硬化ポリウレタンエラストマーの生産性という観点から、1〜60分の範囲であることが好ましい。
工程(1’):
イソシアネート基末端プレポリマー(A)、水酸基末端硬化剤(B)、必要に応じてさらに触媒(C)を均一に混合して形成性組成物を調製する。但し、触媒(C)については予め硬化剤(B)に添加し、残りの成分であるイソシアネート基末端プレポリマー(A)と均一に混合して形成性組成物を調製しても良い。なお、形成性組成物を調製後、巻き込んだ空気を抜く工程を含むのが好ましい。
工程(2’):
前記の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を混合後直ちに回転ドラムの内部に注入(注型)し、回転ドラムを高速で回転させながら該形成性組成物を回転ドラムで硬化処理を行う。この場合、回転ドラムの内周部壁面の温度はウレタン化反応及びアロファネート化反応を容易に且つ確実に行わせる条件であるという観点から、80〜170℃の範囲であることが好ましい。
工程(3’):
得られるシート状の熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を回転ドラムの内周部から剥離する(脱型)。なお、本発明に於いては、前記の注型から脱型までに要する時間としては、必要に応じて用いる触媒量や回転ドラムの内周部壁面の温度にもよるが、本発明の意図する熱硬化ポリウレタンエラストマーの生産性という観点から、1〜60分の範囲であることが好ましい。
合成例1:
温度計、攪拌機、窒素シール管、冷却管を備えた2Lサイズの4つ口フラスコの内部を窒素置換した。これに、表1に示す処方に従って、MDI(4,4´−MDI:商品名「ミリオネートMT(日本ポリウレタン工業(株)製)」)(A1):29.7部、PEA−2000(アジピン酸とエチレングリコールの重縮合反応により得られる数平均分子量2000のポリエステルジオール)(B1):70.3部を仕込み、75℃で3時間混合撹拌しながら反応させて、イソシアネート基末端プレポリマー(A−1)を得た。該プレポリマーのイソシアネート基含有量は7.0質量%であった。
表1に示す処方に従って、MDI(A1):50.9部、PEA−2000(B1):49.1部を仕込み、合成例1と同じ装置及び反応条件により、イソシアネート基末端プレポリマー(A−2)を得た。該プレポリマーのイソシアネート基含有量は15.0質量%であった。
表1に示す処方に従って、MDI(A1):36.2部、PBA−2500(アジピン酸と1,4−ブタンジオールの重縮合反応により得られる数平均分子量2500のポリエステルジオール)(B1):63.8部を仕込み、合成例1と同じ装置及び反応条件により、イソシアネート基末端プレポリマー(A−3)を得た。該プレポリマーのイソシアネート基含有量は10.0質量%であった。
表1に示す処方に従って、TDI(2,4−TDI:商品名「コロネートT−100(日本ポリウレタン工業(株)製)」)(A2):25.5部、PTG−1000(数平均分子量1000のポリテトラメチレンエーテルグリコール:商品名「PTG−1000SN(保土谷化学工業(株)製)」)(B1):74.5部を仕込み、合成例1と同じ装置及び反応条件により、イソシアネート基末端プレポリマー(A−4)を得た。該プレポリマーのイソシアネート基含有量は6.0質量%であった。
表1に示す処方に従って、MDI(A1):58.9部、PEA−2000(B1):41.1部を仕込み、合成例1と同じ装置及び反応条件により、イソシアネート基末端プレポリマー(A−5)を得た。該プレポリマーのイソシアネート基含有量は18.0質量%であった。
調製例1:
表1に示す処方に従って、1,4−BD(1,4−ブタンジオール)(B2):85.0部、TMP(トリメチロールプロパン)(B3):15.0部とを均一混合して、これを水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール(商品名「TOYOCAT−RX3(東ソー(株)製)」(C1)0.50部を添加して均一混合し、水酸基価1245KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−1)を調製した。
表1に示す処方に従って、1,4−BD(B2):9.0部、TMP(B3):1.0部、PEA−2000(B1)90.0部とを均一混合して、これを水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(商品名「TOYOCAT−RX5(東ソー(株)製)」(C2)0.10部を添加して均一混合し、水酸基価175KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−2)を調製した。
表1に示す処方に従って、1,4−BD(B2):10.0部、PBA−1000(アジピン酸と1,4−ブタンジオールの重縮合反応により得られる数平均分子量1000のポリエステルジオール)(B1)90.0部とを均一混合して、これを水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)0.10部を添加して均一混合し、水酸基価226KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−3)を調製した。
表1に示す処方に従って、1,4−BD(B2):90.0部、TMP(B3):10.0部とを均一混合して、これを水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)0.50部を添加して均一混合し、水酸基価1245KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−4)を調製した。
表1に示す処方に従って、1,4−BD(B2):60.0部、TMP(B3):40.0部とを均一混合して、これを水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、TEDA(トリエチレンジアミン)(C):0.20部を添加して均一混合し、水酸基価1245KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−5)を調製した。
表1に示す処方に従って、1,4−BD(B2):11.0部、TMP(B3):2.0部、PEA−2000(B1)87.0部とを均一混合して、これを水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、TEDA(C):0.03部を添加して均一混合し、水酸基価211KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−6)を調製した。
表1に示す処方に従って、1,4−BD(B2):65.0部、TMP(B3):35.0部とを均一混合して、これを水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、TEDA(C):0.50部を添加して均一混合し、水酸基価1245KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−7)を調製した。
表1に示す処方に従って、1,4−BD(B2):100.0部をもって水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2):0.10部を添加して均一混合し、水酸基価1245KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−8)を調製した。
表1に示す処方に従って、1,4−BD(B2):70.0部、TMP(B3):30.0部とを均一混合して、これを水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン(C2)0.10部を添加して均一混合し、水酸基価1245KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−9)を調製した。
表1に示す処方に従って、1,4−BD(B2):60.0部、TMP(B3):40.0部とを均一混合して、これを水酸基末端硬化剤(B)とし、さらに、TEDA(C):0.30部を添加して均一混合し、水酸基価1245KOHmg/gである水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物(B−10)を調製した。
表1に示す処方(配合比)に従って、イソシアネート基末端プレポリマー(A)からなる主剤と、水酸基末端硬化剤(B)と触媒(C)からなる混合物を、2液混合ポリウレタン注型機を用いて混合し、本発明の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を調製した。該組成物を直ちに、表1にキュア条件として示されている加熱温度に予熱されている2mm厚の平板シート形成用の金型に注入し、表1に記載のキュア条件(加熱温度及び硬化時間)にて加熱硬化させた後に金型から取り出し、本発明の熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を得た。処方並びに加熱温度及び硬化時間について、表1に示す。
比較例1〜3及び比較例5は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基末端硬化剤(B)の混合比(官能基比)が、水酸基/イソシアネート基=0.7(モル比)を越えた場合の比較例、比較例4は、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基末端硬化剤(B)の混合比(官能基比)が、水酸基/イソシアネート基=0.3(モル比)未満となった場合の比較例である。
実施例1〜4及び比較例1〜5により得られた熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の各々について、硬度(JIS−A型硬さ計による)、引張強度、引裂強度、伸張率について、JIS K7312に準じて測定を行った。なお、各々の測定は、高温環境下での物性確認のため、測定環境を温度23℃の常温環境下、及び、温度60℃の高温環境下の両方で行った。これらの結果を表2に示す。
Claims (4)
- イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)、水酸基末端硬化剤(B)、触媒(C)からなる熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物において、触媒(C)が、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール及び/又はN,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミンであり、且つ、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)と水酸基末端硬化剤(B)の混合比(官能基比)が、水酸基/イソシアネート基=0.3〜0.7(モル比)であることを特徴とする、熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物。
- イソシアネート基末端ウレタンプレポリマー(A)として、少なくともジフェニルメタンジイソシアネート(A1)或いはトリレンジイソシアネート(A2)と、数平均分子量250〜4500の水酸基含有ポリオール(B1)とを反応させて得られるイソアネート基末端ウレタンプレポリマーを用いることを特徴とする、請求項1に記載の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物。
- 水酸基末端硬化剤(B)として、数平均分子量300以下の短鎖ジオール(B2)及び/又は数平均分子量250〜4500の水酸基含有ポリオール(B1)を用いることを特徴とする、請求項1又は2のいずれかに記載の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の熱硬化ポリウレタンエラストマー形成性組成物を用いて熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物を製造する方法において、成形型内で硬化処理を行う工程を含むことを特徴とする、熱硬化ポリウレタンエラストマー成型物の製造方法。
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