JPH11246754A - ポリオール組成物、難燃性ポリウレタン樹脂組成物及びそれらの製造法 - Google Patents

ポリオール組成物、難燃性ポリウレタン樹脂組成物及びそれらの製造法

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JPH11246754A
JPH11246754A JP10049450A JP4945098A JPH11246754A JP H11246754 A JPH11246754 A JP H11246754A JP 10049450 A JP10049450 A JP 10049450A JP 4945098 A JP4945098 A JP 4945098A JP H11246754 A JPH11246754 A JP H11246754A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】難燃性に優れ燃焼時の発煙量が少なく、また有
害ガスを発生させない難燃性ポリウレタン樹脂組成物及
びその製造法を提供する。 【解決手段】ポリオール100重量部に対して難燃剤と
してエチレンジアミンリン酸亜鉛を1〜100重量部配
合してなるポリオール組成物を製造し、用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、難燃剤としてエチ
レンジアミンリン酸亜鉛を配合してなるポリオール組成
物、難燃性ポリウレタン樹脂組成物及びそれらの製造法
に関する。更に詳しくは、難燃剤としてエチレンジアミ
ンリン酸亜鉛を用いた、燃焼時の発煙量が少なくまた有
害ガスを発生させない難燃性ポリウレタン樹脂組成物及
びその製造法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリウレタン樹脂製品はその優れた樹脂
物性より、発泡製品から非発泡製品まで種々の用途に使
用されている。発泡製品は家具、自動車部品のクッショ
ン材、さらには電気冷蔵庫や建材等の断熱材として、非
発泡製品は靴底、防水材等その他多様な用途に幅広く利
用されている。これらの内、家具、自動車部品、建材等
の用途では難燃性が要求されるため、難燃剤を配合し難
燃性を付与して使用されている。
【0003】一般的にポリウレタン樹脂製品は、ポリオ
ールに難燃剤及び触媒、整泡剤、発泡剤、その他の助剤
を混合したプレミックス液とポリイソシアネート液とを
混合、攪拌後、その混合液を適当な型枠内に注入又は面
材上に分散、スプレーして成形させて製造されている。
従来から使用されている難燃剤としては、リン酸エステ
ル類特にハロゲン系のトリス(2−クロロプロピル)フ
ォスフェートやトリス(2−クロロエチル)フォスフェ
ート等が難燃性に優れ広く使用されている。また、硬質
ポリウレタンフォーム製造時にイソシアネートを過剰に
反応させて、フォーム中にイソシアネートの三量体であ
る耐熱性の高いヌレート環を導入させた、所謂硬質ポリ
イソシアヌレートフォームも難燃性が要求される建材分
野での利用が広まって来ている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、製造物責任(P
L)法やレスポンシブル・ケア(RC)に対応するため
樹脂製品の難燃性向上が求められて来ていると同時に樹
脂燃焼時の発煙による安全性も重要視されてきている。
しかしながら、難燃剤として使用されるトリス(2−ク
ロロプロピル)フォスフェート等のハロゲン系リン酸エ
ステル類は発煙性が高く、また燃焼時に毒性の高いハロ
ゲン系化合物の発生も懸念される。
【0005】これに対し、無機系の金属塩類、金属水酸
化物、例えば水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、
水酸化マグネシウム、硝酸ナトリウム、硝酸カルシウ
ム、ケイ酸ナトリウム、さらにはアルミナ等がノンハロ
ゲン系難燃剤として検討されている。しかしながら無機
系のものは、ある一定の難燃性を得るためには使用量が
多く必要となり、結果的に機械的なフォーム物性の低下
を招き易い欠点を有している。
【0006】更にノンハロゲン系難燃剤としてポリリン
酸アンモニウムが期待されているが、難燃性は高いもの
の発煙性が高い問題がある。また、リン酸のモノエタノ
ールアミン塩を難燃剤として使用する製造法(特開平7
−300557)の検討も成されているが、リン酸のア
ミン塩を多量の水で溶解したポリオールプレミックス液
にてポリウレタンフォーム製品が製造されるため、樹脂
中にイソシアネートと水の反応によって生成するウレア
結合の増大によるフライアビリティー性(脆さ)の顕著
な悪化が懸念される。
【0007】前述したヌレート環を導入させた硬質ポリ
イソシアヌレートフォームは難燃剤を使用しない製造法
であり期待されるが、難燃性が低く、また難燃性を高め
るためにはイソシアネートの過剰量を添加して製造され
るため、未反応イソシアネート量が多くなり硬化不足と
なる問題がある。
【0008】また、近年ポリウレタンフォーム製造にお
いて、発泡剤フロンの全廃が叫ばれており脱フロンの発
泡製品が要求されて来ている。
【0009】本発明は上記の課題に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、難燃性に優れ燃焼時の発煙量が少
なく、また有害ガスを発生させない難燃性ポリウレタン
樹脂組成物及びその製造法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、難燃性、
低発煙性に優れ燃焼時に有害ガスが発生しない難燃性ポ
リウレタン樹脂組成物について鋭意検討した結果、本発
明を完成するに至った。 即ち、本発明は、ポリオール
100重量部に対して難燃剤としてエチレンジアミンリ
ン酸亜鉛を1〜100重量部配合してなるポリオール組
成物及びそのポリオール組成物とポリイソシアネートを
反応させて得られる難燃性ポリウレタン樹脂組成物、更
にその製造法に関するものである。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。
【0012】本発明のポリオール組成物は、ポリオール
と難燃剤としてエチレンジアミンリン酸亜鉛を配合した
ものであり、ポリオールにエチレンジアミンリン酸亜鉛
の結晶粉体がスラリー状に分散されている。
【0013】本発明に使用されるエチレンジアミンリン
酸亜鉛とは、エチレンジアミンとリン酸亜鉛との化合物
であり、例えば、一般式Zn2282210で表さ
れ、かつX線回折パターンが表1に示される面間隔を含
んでいるエチレンジアミンリン酸亜鉛や、X線回折パタ
ーンが表2に示される面間隔を含んでいるエチレンジア
ミンリン酸亜鉛等が挙げられる。
【0014】一般式がZn2282210で表さ
れ、かつX線回折パターンが表1に示される面間隔を含
んでいるエチレンジアミンリン酸亜鉛は、正四面体Zn
4と正四面体PO4で形成された3次元的開骨格ZnP
4にH3NC24NH3 2+が吸蔵された構造を有し、C
uKα線を用いて測定したX線回折パターンは図1のよ
うになる(R.H.jonesら、Studies i
n Surface Science and Cat
alysis,Zeolites and Relat
ed Microporous Materials,
Vol.84,p.2229(1994),Elsev
ier ScienceB.V.)。
【0015】また、X線回折パターンが少なくとも表2
に示される面間隔を含んでいるエチレンジアミンリン酸
亜鉛は、詳細な結晶構造については不明であるが、Cu
Kα線を用いて測定したX線回折パターンは図2のよう
になる。
【0016】本発明において用いられるエチレンジアミ
ンリン酸亜鉛の分解温度は約400℃であり、耐熱性に
優れた難燃剤である。また、粉体物性は特に限定されな
いが、B.E.T法で比表面積が0.1〜20m2
g、平均粒径が20μm以下程度である。
【0017】次にエチレンジアミンリン酸亜鉛の製造方
法について説明するが、製造方法は特に限定されないた
め、好ましい実施態様について記載する。
【0018】本発明において用いられるエチレンジアミ
ンリン酸亜鉛は、エチレンジアミンリン酸亜鉛の晶析、
濾過、洗浄、乾燥、粉砕の各工程を経て製造される。
【0019】一般式がZn2282210で表さ
れ、かつX線回折パターンが表1に示される面間隔を含
んでいるエチレンジアミンリン酸亜鉛の場合、晶析はリ
ン酸亜鉛水溶液とエチレンジアミン水溶液との混合によ
って行われる。 リン酸亜鉛水溶液は亜鉛の化合物とリ
ン酸を亜鉛/リン比(モル比)が1/10〜2/5とな
る量で混合し、亜鉛の化合物を均一に溶解して調製され
る。亜鉛の化合物例としては金属亜鉛、水酸化亜鉛、酸
化亜鉛、リン酸水素亜鉛、リン酸二水素亜鉛、あるいは
塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜鉛等の可溶性亜鉛化合物等
が挙げられるが特に限定されない。リン酸の濃度は特に
限定されず、14〜85wt%の濃度で行えばよい。エ
チレンジアミンの濃度は特に限定されず、5〜100w
t%の濃度で行えばよい。
【0020】リン酸亜鉛水溶液とエチレンジアミン水溶
液との混合は、エチレンジアミン/リン比(モル比)が
2/1〜1/2となる量で行えばよい。混合方法は、リ
ン酸亜鉛水溶液にエチレンジアミン水溶液を添加、エチ
レンジアミン水溶液にリン酸亜鉛水溶液を添加、リン酸
亜鉛水溶液とエチレンジアミン水溶液を反応槽内に連続
的に添加等の混合方法が挙げられるが特に限定されな
い。混合時は、反応槽内を均一にするために、攪拌しな
がら行うことが好ましい。混合時の温度は5〜90℃、
均一化時間は5分〜3日間程度で十分である。
【0021】X線回折パターンが表2に示される面間隔
を含んでいるエチレンジアミンリン酸亜鉛の場合、晶析
はリン酸亜鉛水溶液とエチレンジアミン水溶液を混合し
てトリスエチレンジアミン亜鉛錯体を生成させ、トリス
エチレンジアミン亜鉛錯体とリン酸との反応によって行
われる。
【0022】トリスエチレンジアミン亜鉛錯体は[Zn
(H2NC24NH232+で表され、エチレンジアミ
ンがZn2+に対して正八面体6配位で配位した錯体であ
る。トリスエチレンジアミン亜鉛錯体の製造方法は特に
限定されないが、例えば温度5〜90℃で攪拌しながら
亜鉛塩水溶液とエチレンジアミンをモル比1/3で混合
することによって得られる。亜鉛塩水溶液の濃度は数m
ol/l、亜鉛塩としては塩化亜鉛、硝酸亜鉛、硫酸亜
鉛等の水溶性の塩等が挙げられる。
【0023】トリスエチレンジアミン亜鉛錯体とリン酸
との反応は、トリスエチレンジアミン亜鉛錯体/リン酸
の混合比が2/1〜1/2(モル比)程度で行えばよ
い。混合時は、反応槽内を均一にするために攪拌しなが
ら行うことが好ましい。混合時の温度は5〜90℃、均
一化時間は5分〜3日間程度で十分である。
【0024】晶析したエチレンジアミンリン酸亜鉛は、
固液分離後、洗浄する。洗浄は未反応のエチレンジアミ
ン、リン酸が除去されるまで行う。次に乾燥を行うが温
度は特に限定されず、60〜250℃で行えばよい。更
に、乾燥したエチレンジアミンリン酸亜鉛を軽く粉砕す
る。
【0025】上述の方法にて製造されたエチレンジアミ
ンリン酸亜鉛の配合量は、ポリオール100重量部に対
して1〜100重量部である。1重量部未満の場合難燃
性ポリウレタン樹脂組成物の難燃効果が小さく、100
重量部を越える場合樹脂物性が低下するため、好ましく
は5〜50重量部である。
【0026】本発明には、更にエチレンジアミンリン酸
亜鉛とそれ以外の難燃剤としてリン酸エステル類から選
ばれた1種以上が併用されて配合される。エチレンジア
ミンリン酸亜鉛とリン酸エステル類との併用は相乗的な
難燃性向上及び発煙性の低下をもたらす。
【0027】リン酸エステル類は公知のもの、例えばト
リエチルフォスフェート、トリブチルフォスフェート、
トリオクチルフォスフェート、トリス(ブトキシエチ
ル)フォスフェート、トリフェニルフォスフェート、ト
リクレシルフォスフェート、オクチルジフェニルフォス
フェート、トリス(イソプロピルフェニル)フォスフェ
ート、クレシルジフェニルフォスフェート、トリス(2
−クロロエチル)フォスフェート、トリス(2−クロロ
プロピル)フォスフェート、トリス(ジクロロプロピ
ル)フォスフェートなどが挙げられるが、これらの内非
ハロゲン系のトリエチルフォスフェート、トリブチルフ
ォスフェート、トリオクチルフォスフェート、トリス
(ブトキシエチル)フォスフェート、トリフェニルフォ
スフェート、トリクレシルフォスフェートなどが燃焼時
の毒性ガスの発生が少なく好ましい。エチレンジアミン
リン酸亜鉛とリン酸エステル類の使用比率は、エチレン
ジアミンリン酸亜鉛/リン酸エステル類の重量比で1/
5〜5/1である。リン酸エステル類が多くなると難燃
性は良くなるが発煙性が高く、さらにリン酸エステルの
可塑効果によって樹脂強度が低下するため重量比は1/
2〜5/1が好ましい。使用量は、特に限定されるもの
ではないがポリオール100重量部に対して1〜50重
量部である。少ないと難燃効果が小さく、多いと樹脂物
性が低下するため、好ましくは3〜30重量部である。
【0028】本発明に使用されるポリオールとしては、
一般公知のポリエーテルポリオール、ポリエステルポリ
オール、ポリマーポリオール、フェノールベースポリオ
ール及びそれらの混合物が使用できる。公知のポリエー
テルポリオールとしては、例えば、グリコール、グリセ
リン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパ
ン、ソルビトール、シュークロース等の多価アルコー
ル;アンモニア、エチレンジアミン等の脂肪族アミン化
合物;トルエンジアミン、ジフェニルメタン−4、4´
−ジアミン等の芳香族アミン化合物を開始剤とする単独
及びこれらの混合物にエチレンオキシドやプロピレンオ
キシドを付加反応した重合体ポリオール等が挙げられ
る。ポリマーポリオールとしては、該ポリエーテルポリ
オールとエチレン性不飽和単量体、例えばブタジエン、
アクリロニトリル、スチレン等をラジカル重合触媒の存
在下に反応させた重合体ポリオール等が挙げられる。ポ
リエステルポリオールは、通常、二塩基酸と多価アルコ
ールより誘導される化合物、例えば、アジピン酸、テレ
フタル酸、イソフタル酸や無水フタル酸、ジメチルテレ
フタレート、ポリエチレンテレフタレートから誘導され
るポリエステルポリオール等が挙げられるが、ポリエチ
レンテレフタレート系廃棄物やジメチルテレフタレート
系プロセス廃棄物より製造されたポリエステルポリオー
ルも含む。また、ε−カプロラクトンやメチルバレロラ
クトン等の環状エステルの開環重合によって得られるラ
クトン系ポリエステルポリオール等も挙げられる。フェ
ノールベースポリオールは、フェノールとホルマリンか
ら得られるノボラック樹脂、レゾール樹脂にアルキレン
オキシド類を反応させたポリオールやフェノール類とア
ルカノールアミン及びホルマリンとを反応したものにア
ルキレンオキサイド類を反応させたマンニッヒベースポ
リオール等が挙げられる。これらポリオールの分子量は
特に限定されるものではなく60〜10000のものが
使用でき、目的とする難燃性ポリウレタン樹脂製品に応
じて選択される。これらの内、難燃性の硬質ポリウレタ
ン及び/又はポリイソシアヌレートフォーム製品を得る
ためには、フタル酸系のポリエステルポリオールを10
重量%以上含む混合ポリオールが好適に使用される。フ
タル酸系のポリエステルポリオールは難燃性を高める効
果がある。これら混合ポリオールの平均水酸基価は15
0〜800mgKOH/gのものが使用できる。
【0029】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂組成物
は、前記ポリオール組成物に必要に応じて触媒、整泡
剤、発泡剤、その他の助剤を混合したプレミックス液と
ポリイソシアネート液とを混合、攪拌することによって
反応が進行し得られる。
【0030】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂組成物と
は、少なくともポリウレタン構造を有する樹脂製品のこ
とであり、ポリイソシアネートを過剰に反応させたポリ
イソシアヌレート構造の導入、更には発泡剤として水を
用いた時のウレア構造の導入など目的とする樹脂製品に
応じて複合化されてもよい。
【0031】本発明に使用されるポリイソシアネートと
しては、特に限定するものではなく、例えばトルエンジ
イソシアネート(TDI)、4,4´−又は4,2´−
ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフチ
レンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート等
の芳香族ポリイソシアネート;イソホロンジイソシアネ
ートやノルボルナンジイソシアネート等の脂環式ポリイ
ソシアネート;ヘキサメチレンジイソシアネート等の脂
肪族ポリイソシアネート;又はそれらとポリオールとの
反応による遊離イソシアネート含有プレポリマー;カル
ボジイミド変性等の変性ポリイソシアネート;さらに
は、それらの混合ポリイソシアネートを例示できる。こ
れらのうち好ましくはTDIとその誘導体又はMDIと
その誘導体であり、これらは混合して使用しても差支え
ない。TDIとその誘導体としては、2,4−TDIと
2,6−TDIの混合物又はTDIの末端イソシアネー
トプレポリマー誘導体を挙げることができる。MDIと
その誘導体としては、MDIとその重合体のポリフェニ
ルポリメチレンジイソシアネートの混合体、及び/又は
末端イソシアネート基をもつジフェニルメタンジイソシ
アネート誘導体を挙げることができる。これらポリイソ
シアネートは目的とする難燃性ポリウレタン樹脂製品に
応じて選択される。これらの内、難燃性の硬質ポリウレ
タン及び/又はポリイソシアヌレートフォーム製品を得
るためにはジフェニルメタンジイソシアネート及びその
誘導体であるクルードのジフェニルメタンジイソシアネ
ートが好ましい。ポリイソシアネートの使用量は目的と
する難燃性ポリウレタン樹脂製品に応じて決定される
が、通常イソシアネートインデックス(イソシアネート
基とイソシアネート基が反応し得るOH基含有化合物及
び水のOH基とのモル比×100)で表すと50〜40
0の範囲である。これらの内、硬質ポリウレタンフォー
ム製品では通常70〜120の範囲が、一方硬質ポリウ
レタン/ポリイソシアヌレートフォーム製品では通常1
20〜400の範囲である。イソシアネートインデック
スは、70未満では未反応の末端アルコールが多くフォ
ーム物性が悪化する。一方400を越えるとイソシアネ
ートの三量体であるポリイソシアヌレート骨格が増加し
て難燃性は高くなるものの、未反応イソシアネート量が
多くなり樹脂の硬化不足が問題となる。これらをバラン
ス良く維持するためにはイソシアネートインデックス
は、硬質ポリウレタンフォーム製造には110前後が、
一方硬質ポリウレタン/ポリイソシアヌレートフォーム
製造には150〜300の範囲が好ましい。
【0032】本発明には、必要に応じて触媒、整泡剤、
発泡剤、その他の助剤が使用できる。触媒としては、ア
ミン系、金属系のものが使用できる。アミン系は第三級
アミノ基を有する化合物及び第四級アンモニウム塩であ
る。第三級アミノ基を有する化合物としては、例えば
N,N−ジメチルシクロヘキシルアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,
N′,N′−テトラメチルプロピレンジアミン、N,
N,N′,N″,N″−ペンタメチルジエチレントリア
ミン、N,N,N′,N″,N″−ペンタメチル−(3
−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N′,
N″,N″−ペンタメチルジプロピレントリアミン、
N,N,N′,N′−テトラメチルグアニジン、1,
3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘ
キサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ
[5.4.0]ウンデセン−7、トリエチレンジアミ
ン、N,N,N′,N′−テトラメチルヘキサメチレン
ジアミン、N−メチル−N′−(2−ジメチルアミノエ
チル)ピペラジン、N,N′−ジメチルピペラジン、N
−メチルピペラジン、N−メチルモルホリン、N−エチ
ルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エー
テル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミ
ダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、
1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等の第3級ア
ミン化合物、N,N−ジメチルアミノエタノール、N,
N−ジメチルアミノイソプロパノール、N,N−ジメチ
ルアミノエトキシエタノール、N,N,N´−トリメチ
ルアミノエチルエタノールアミン、N,N,N´−トリ
メチル−N´−ヒドロキシエチル−ビスアミノエチルエ
ーテル、N,N−ビス(3−ジメチルアミノプロピル)
−N−イソプロパノールアミン、N−(3−ジメチルア
ミノプロピル)N,N−ジイソプロパノールアミン、N
−(2−ヒドロキシエチル)−N´−メチルピペラジン
等のアルカノールアミン類やジメチルアミノプロピルア
ミン、ビスジメチルアミノプロピルアミン等の1級及び
2級アミノ基を有するアミン類等が挙げられる。また、
これらと有機酸との塩も使用できる。第四級アンモニウ
ム塩としては、前記第三級アミノ基を有する化合物と有
機酸との塩にアルキレンオキサイドを反応させて得られ
る化合物であり、有機酸は炭素数1以上のカルボン酸例
えば、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、2−エチルヘキサン
酸等、またアルキレンオキサイドはエチレンオキサイド
及びプロピレンオキサイド等である。金属系としては有
機金属化合物であり、例えばスタナスジアセテート、ス
タナスジオクトエート、スタナスジオレエート、スタナ
スジラウレート、ジブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジ
アセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫ジク
ロライド、ジオクチル錫ジラウレート、オクタン酸鉛、
ナフテン酸鉛、ナフテン酸ニッケル、ナフテン酸コバル
トやカルボン酸のリチウム、ナトリウム、カリウム塩等
が挙げられる。これら触媒は目的とする難燃性ポリウレ
タン樹脂製品に応じて選択される。触媒の使用量は、特
に限定されるものではないが、ポリオール100重量部
に対し、0.01〜20重量部である。これらの内、硬
質ポリウレタンフォーム製品を得るためには第三級アミ
ノ基を有する化合物を主体とする触媒が好ましく使用さ
れ、一方硬質ポリウレタン/ポリイソシアヌレートフォ
ーム製品を得るためには第四級アンモニウム塩及び/又
は有機金属化合物を主体とする触媒が好ましく使用され
る。
【0033】整泡剤としては、特に限定するものではな
く、例えばオルガノシロキサン−ポリオキシアルキレン
共重合体、シリコーン−グリース共重合体等の非イオン
系界面活性剤、又はこれらの混合物等が例示でき、その
使用量は、通常ポリオール100重量部に対して0.1
〜10重量部である。
【0034】発泡剤としては、フロン系の代替フロンで
あるHCFC−141b、HFC−245fa、HFC
−356などが使用できる。フロン系以外の物理的発泡
剤及び/又は化学的発泡剤等も使用でき、特に限定され
ない。物理的発泡剤としては、例えば低沸点のペンタ
ン、シクロペンタン等の炭化水素類、さらにはエアー、
窒素、二酸化炭素等の気体又は低温液体等が例示でき
る。化学発泡剤としては、ポリイソシアネートと反応し
て炭酸ガスを発生する水、有機酸及び硼酸等の無機酸類
が挙げられる。これらの内、環境問題及び取扱い上の危
険性が少ない水が好ましく使用される。水の使用量は目
的とするフォーム密度に応じて決定される。
【0035】また、着色剤、老化防止剤その他の添加剤
等も使用できる。これらの添加剤の種類、添加量は、通
常使用される範囲で十分使用することができる。
【0036】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂組成物の
製造法は、ポリオールプレミックス液とポリイソシアネ
ート液を急激に混合、攪拌して反応を起こさせることに
よって成型品を得るものである。
【0037】成型品は、前述した難燃剤、ポリオール、
ポリイソシアネート及び必要に応じて触媒、整泡剤、発
泡剤等とを任意に組み合わせて、軟質、半硬質、硬質、
エラストマーに至る全ての発泡品及び非発泡の難燃性ポ
リウレタン製品である。発泡製品は家具、自動車部品の
クッション材、さらには電気冷蔵庫や建材等の断熱材と
して、非発泡製品は靴底、防水材等その他多様な用途に
幅広く利用できる。これらの内、難燃性が要求される家
具、自動車部品、建材等の用途が好ましい。更にはより
高い難燃性が要求される冷凍倉庫及び建材等の断熱材で
ある、硬質ポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレー
トフォームがより好ましい。
【0038】混合、攪拌は一般的な攪拌機及び専用のポ
リウレタン発泡機を用いればよい。ポリウレタン発泡機
としては高圧及び低圧機が使用でき、またスプレー機も
使用できる。
【0039】
【実施例】以下、実施例、比較例にもとづいて説明する
が本発明はこれら実施例のみに限定されるものではな
い。以下に、使用原料、フォーム物性の測定、評価方法
について示した。
【0040】<使用原料> (1)ポリオール ポリオールA:テレフタル酸系ポリエステルポリオー
ル、TEROL−250(Oxid社製、水酸基価25
0mgKOH/g) ポリオールB:シュークロース/グリセリン系ポリエー
テルポリオール、SG−360(武田薬品社製、水酸基
価375mgKOH/g) ポリオールC:ソルビトール系ポリエーテルポリオー
ル、SO−300(武田薬品社製、水酸基価300mg
KOH/g) (2)難燃剤 難燃剤A:製造例1のエチレンジアミンリン酸亜鉛 難燃剤B:製造例2のエチレンジアミンリン酸亜鉛 難燃剤C:トリエチルフォスフェート(試薬1級) 難燃剤D:トリクレシルフォスフェート(試薬1級) 難燃剤E:トリス(2−クロロプロピル)フォスフェー
ト(ファイロールPCF、アクゾ鹿島社製) 難燃剤F:ポリリン酸アンモニウム(HOSTAFLA
M AP 462、ヘキスト社製) 難燃剤G:水酸化マグネシウム(キスマ−5B、協和化
学社製) 難燃剤H:リン酸水溶液にモノエタノールアミン水溶液
をモル比1:2(モノエタノールアミン)となる量添加
してリン酸のモノエタノールアミン塩を晶析させ、濾
過、洗浄、乾燥、粉砕を経て得たリン酸のモノエタノー
ルアミン塩。濾過、洗浄、乾燥、粉砕の諸条件は製造例
1とほぼ同一条件にて行った。
【0041】(3)触媒 触媒M:N,N,N´,N´−テトラメチルヘキサメチ
レンジアミン(東ソー(株)社製TOYOCAT−M
R) 触媒N:N,N,N´−トリメチルアミノエチルエタノ
ールアミン(東ソー(株)社製TOYOCAT−RX
5) 触媒K:オクチル酸カリウム(試薬)70%とジエチレ
ングリコール(試薬)30%の混合液 (4)発泡剤 水:蒸留水 141b:ジクロルモノフルオロエタン(HCFC−1
41b、セントラル硝子社製) (5)その他の原料 整泡剤:シリコン系整泡剤L−5420(日本ユニカー
社製L−5420) ポリイソシアネート:クルードMDI、イソシアネート
濃度31.1%(日本ポリウレタン社製、MR−20
0) <発泡反応性の測定>モールド内側にポリエチレンフィ
ルム内袋を装着した25×25×8cm寸法のアルミニ
ウム製モールド(型温45℃)に混合液を注入して発泡
硬化させた時のフォーム発泡過程における以下の時間を
測定した。
【0042】 クリームタイム:フォーミングの開始時間(秒) ゲルタイム :樹脂化時間(秒) タックフリータイム:フォーム表面のべとつきがなくな
った時間(秒) <フォーム物性及び難燃性の測定、評価>発泡硬化した
フォームより以下の項目を測定、評価した。
【0043】フォーム密度:発泡硬化したフォームの中
心部を15×15×2.5cm寸法にカットし、重量と
体積よりフォーム密度を算出した。
【0044】フォーム圧縮強度:フォーム密度測定サン
プルより7.4×7.4×2.5cm寸法にカットし、
10%圧縮強度を測定(テンシロンを用い)した。
【0045】フォームの難燃性:フォーム密度測定サン
プルより7.4×7.4×1.2cm寸法にカットし酸
素指数及び煙濃度を測定した。酸素指数は、フォームの
難燃性を示す指標であるが、燃焼試験法はASTM D
2863D−74(1984年版)に準じて実施した。
煙濃度は発煙性試験装置NBS(東洋精機製作所製)を
用いて実施し、試験方法はASTM E−662(19
84年版)に準じて有炎燃焼法により最大濃度(Dma
x)を求めた。
【0046】<製造例1 エチレンジアミンリン酸亜鉛
の製造(1)>水800gに75%リン酸80gを添加
して調製したリン酸水溶液に硫酸亜鉛7水和物144g
を攪拌しながら溶解させてリン酸亜鉛水溶液を調製し
た。
【0047】水200gにエチレンジアミン18gを添
加して調製したエチレンジアミン水溶液を上記リン酸亜
鉛水溶液に添加し、25℃で3時間スラリーを均一化し
てエチレンジアミンリン酸亜鉛を晶析させた。晶析後、
ヌッチェ濾過にて固液分離し、3000gの水で洗浄し
た後、110℃で16時間乾燥してエチレンジアミンリ
ン酸亜鉛を製造した。製造したエチレンジアミンリン酸
亜鉛のX線回折は表1に示した位置に表れ、X線回折パ
ターンは図1に示した。このエチレンジアミンリン酸亜
鉛を難燃剤Aとした。
【0048】
【表1】
【0049】<製造例2 エチレンジアミンリン酸亜鉛
の製造(2)>硝酸亜鉛6水和物59.5gを水540
gに溶解させ、この硝酸亜鉛水溶液にエチレンジアミン
36gを添加してトリスエチレンジアミン亜鉛錯体水溶
液を調製した。
【0050】水180gに85%リン酸23.1gを添
加して調製したリン酸水溶液を上記トリスエチレンジア
ミン亜鉛錯体水溶液に添加し、30℃で1時間スラリー
を均一化してエチレンジアミンリン酸亜鉛を晶析させ
た。晶析後、ヌッチェ濾過にて固液分離し、3000g
の水で洗浄した後、110℃で16時間乾燥してエチレ
ンジアミンリン酸亜鉛を製造した。製造したエチレンジ
アミンリン酸亜鉛のX線回折は表2に示した位置に表
れ、X線回折パターンは図2に示した。このエチレンジ
アミンリン酸亜鉛を難燃剤Bとした。
【0051】
【表2】
【0052】実施例1〜実施例7、比較例1〜比較例6 ポリオールに難燃剤、触媒、発泡剤及び整泡剤を混合し
たポリオール組成物とポリイソシアネートとを混合、攪
拌して硬質ポリウレタン/ポリイソシアヌレートフォー
ムを発泡成型し、フォーム物性及び難燃性を評価した。
【0053】500mlのポリエチレン製カップに表
3、表4に示す量のポリオール(ポリオールA70重量
部/ポリオールB30重量部の混合液)及び難燃剤、触
媒、発泡剤及び整泡剤をとり予備攪拌後、液温度を20
℃としポリオール組成物を得た。このポリオール組成物
に別に22℃に温調したポリイソシアネートをインデッ
クスが220となる量を加え、高速攪拌機(特殊機化社
製、ラボディスパー)にて6000rpm(5秒間)で
攪拌後素早くモールドに注ぎ入れ発泡硬化させた。発泡
中の発泡反応性及び成型フォームのフォーム物性及び難
燃性を測定、評価した結果を表3(実施例1〜実施例
7)、表4(比較例1〜比較例6)に示した。
【0054】
【表3】
【0055】
【表4】
【0056】その結果、表3に実施例1〜実施例7の結
果を示したように、本発明にて得られた難燃性フォーム
樹脂製品は、難燃性が高く煙濃度が低い。また、エチレ
ンジアミンリン酸亜鉛とリン酸エステル類との併用は相
乗的な難燃性の向上及び低発煙性をもたらしている。一
方、比較例1〜比較例6の結果を表4に示したように比
較例1の難燃剤を使用しない場合、難燃性が低く煙濃度
が高い。比較例2はトリス(2−クロロプロピル)フォ
スフェート単独使用の例であるが、難燃性は高いが煙濃
度も高く、またフォーム樹脂の強度低下が見られる。比
較例3はトリエチルフォスフェート単独使用の例である
が、難燃性は高いが煙濃度も高く、またフォーム樹脂の
強度が顕著に低下している。比較例4はポリリン酸アン
モニウム単独使用の例であるが、難燃性は高いが煙濃度
も高い。比較例5は金属水酸化物である水酸化マグネシ
ウム単独使用の例であるが、難燃性が低く煙濃度も若干
高く、またフォーム樹脂の強度低下が見られる。比較例
6はリン酸のモノエタノールアミン塩単独使用の例であ
るが、難燃性は高いが煙濃度も高い。またリン酸のモノ
エタノールアミン塩使用時の特有な現象であるが、フォ
ーム樹脂製造時の発泡反応性が遅くなり、その結果フォ
ーム樹脂の硬化が大幅に遅れ、更に成型フォーム樹脂も
脆く強度が顕著に低下していた。
【0057】実施例8、実施例9 発泡剤としてフロン系の141bを使用せず水のみで硬
質ポリウレタン/ポリイソシアヌレートフォームを発泡
成型し、フォーム物性及び難燃性を評価した。
【0058】500mlのポリエチレン製カップに表5
に示す量のポリオール(ポリオールA50重量部/ポリ
オールB30重量部/ポリオールC20重量部の混合
液)及び難燃剤、触媒、発泡剤として水をとり予備攪拌
後、液温度を20℃としポリオール組成物を得た。この
ポリオール組成物に別に22℃に温調したポリイソシア
ネートをインデックスが220となる量を加え、高速攪
拌機(特殊機化社製、ラボディスパー)にて6000r
pm(5秒間)で攪拌後素早くモールドに注ぎ入れ発泡
硬化させた。発泡フォームのフォーム物性及び難燃性の
測定及び評価方法は実施例1と同様に行い、その結果を
表5に示した。
【0059】その結果、表5の実施例8、実施例9に示
すように、発泡剤としてフロン系の141bを使用せず
水のみで製造された難燃性フォーム樹脂製品でも難燃性
が高く煙濃度が低い。
【0060】
【表5】
【0061】実施例10〜実施例12 ポリイソシアネートをインデックスが110となる量反
応させる硬質ポリウレタンフォームを発泡成型し、フォ
ーム物性及び難燃性を評価した。
【0062】500mlのポリエチレン製カップに表5
に示す量のポリオール(ポリオールB100重量部)及
び難燃剤、触媒、発泡剤として水/141bの併用及び
水単独をとり予備攪拌後、液温度を20℃としポリオー
ル組成物を得た。このポリオール組成物に別に22℃に
温調したポリイソシアネートをインデックスが110と
なる量入れ、高速攪拌機(特殊機化社製、ラボディスパ
ー)にて6000rpm(5秒間)で攪拌後素早くモー
ルドに注ぎ入れ発泡硬化させた。発泡フォームのフォー
ム物性及び難燃性の測定及び評価方法は実施例1と同様
に行い、その結果を表5に示した。
【0063】その結果、表5の実施例10〜実施例12
に示されるように、硬質ポリウレタンフォームの製造に
おいても若干難燃性は低いものの煙濃度が低いフォーム
樹脂が得られている。
【0064】
【発明の効果】本発明の難燃性ポリウレタン樹脂組成物
は、難燃性、低発煙性に優れ、また難燃剤としてエチレ
ンジアミンリン酸亜鉛及び非ハロゲン系のリン酸エステ
ル類を主体に使用しているため、燃焼時の毒性ガス発生
が少ない。更に、水のみを発泡剤として製造される硬質
ポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレートフォーム
はフロン系発泡剤を使用せず、脱フロンの製品となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】製造例1におけるエチレンジアミンリン酸亜鉛
のX線回折パターン図である。
【図2】製造例2におけるエチレンジアミンリン酸亜鉛
のX線回折パターン図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08G 18/08 101:00)

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリオール100重量部に対して難燃剤と
    してエチレンジアミンリン酸亜鉛を1〜100重量部配
    合してなるポリオール組成物。
  2. 【請求項2】請求項1に記載のポリオール組成物とポリ
    イソシアネートを反応させて得られるポリウレタン構造
    を有する難燃性ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 【請求項3】請求項2に記載の難燃性ポリウレタン樹脂
    組成物に発泡剤、触媒及び整泡剤を用いて得られる硬質
    ポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレートフォー
    ム。
  4. 【請求項4】発泡剤として水のみを用いることを特徴と
    する請求項3に記載の硬質ポリウレタン及び/又はポリ
    イソシアヌレートフォーム。
  5. 【請求項5】難燃剤としてエチレンジアミンリン酸亜鉛
    とリン酸エステル類より選ばれる1種以上を併用するこ
    とからなる請求項1に記載のポリオール組成物。
  6. 【請求項6】リン酸エステル類が非ハロゲン系化合物で
    あることを特徴とする請求項5に記載のポリオール組成
    物。
  7. 【請求項7】エチレンジアミンリン酸亜鉛が一般式Zn
    2282210で表され、かつエチレンジアミンリ
    ン酸亜鉛のX線回折パターンが以下に示される面間隔を
    含んだものである請求項1〜請求項6のいずれかに記載
    の組成物。 面間隔d 2θ 相対強度 (オングストローム) 7.32±0.52 12.1 S〜M 5.66±0.16 15.6 M 4.46±0.10 19.9 M 4.10±0.10 21.7 W 3.81±0.08 23.3 S〜M 3.39±0.07 26.2 VS 3.28±0.05 27.2 S 2.76±0.04 32.4 W 2.73±0.04 32.8 W 2.65±0.04 33.8 W 2.60±0.04 34.5 W 2.31±0.04 38.9 W 2.21±0.04 40.9 W 2θ :CuKα線(1.5405オングストローム)で測定 相対強度 VS:非常に強い、S:強い、M:普通、W:弱い
  8. 【請求項8】エチレンジアミンリン酸亜鉛のX線回折パ
    ターンが以下に示される面間隔を含んだものである請求
    項1〜請求項6のいずれかに記載の組成物。 面間隔d 2θ 相対強度 (オングストローム) 6.89±0.30 12.8 VS 6.66±0.30 13.3 S 4.20±0.10 21.1 W 4.09±0.10 21.7 S〜M 3.79±0.08 23.4 S 3.38±0.07 26.3 S 3.32±0.05 26.8 W 3.14±0.05 28.4 M 2.82±0.04 31.7 M 2.74±0.04 32.6 S〜M 2.70±0.04 33.1 M 2.60±0.04 34.4 W 2θ :CuKα線(1.5405オングストローム)で測定 相対強度 VS:非常に強い、S:強い、M:普通、W:弱い
  9. 【請求項9】ポリオールとポリイソシアネートを反応さ
    せてポリウレタン構造を有する樹脂を製造する方法にお
    いて、難燃剤としてエチレンジアミンリン酸亜鉛を用い
    ることを特徴とする難燃性ポリウレタン樹脂組成物の製
    造法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載の難燃性ポリウレタン樹
    脂組成物に発泡剤、触媒及び整泡剤を用いて製造される
    硬質ポリウレタン及び/又はポリイソシアヌレートフォ
    ームの製造法。
  11. 【請求項11】発泡剤として水のみを用いることを特徴
    とする請求項10に記載の硬質ポリウレタン及び/又は
    ポリイソシアヌレートフォームの製造法。
  12. 【請求項12】難燃剤としてエチレンジアミンリン酸亜
    鉛とリン酸エステル類より選ばれる1種以上を併用する
    ことを特徴とする請求項9〜請求項11のいずれかに記
    載の製造法。
  13. 【請求項13】リン酸エステル類が非ハロゲン系化合物
    であることを特徴とする請求項12に記載の製造法。
  14. 【請求項14】エチレンジアミンリン酸亜鉛が一般式Z
    2282210で表され、かつエチレンジアミン
    リン酸亜鉛のX線回折パターンが以下に示される面間隔
    を含んだものである請求項9〜請求項13のいずれかに
    記載の製造法。 面間隔d 2θ 相対強度 (オングストローム) 7.32±0.52 12.1 S〜M 5.66±0.16 15.6 M 4.46±0.10 19.9 M 4.10±0.10 21.7 W 3.81±0.08 23.3 S〜M 3.39±0.07 26.2 VS 3.28±0.05 27.2 S 2.76±0.04 32.4 W 2.73±0.04 32.8 W 2.65±0.04 33.8 W 2.60±0.04 34.5 W 2.31±0.04 38.9 W 2.21±0.04 40.9 W 2θ :CuKα線(1.5405オングストローム)で測定 相対強度 VS:非常に強い、S:強い、M:普通、W:弱い
  15. 【請求項15】エチレンジアミンリン酸亜鉛のX線回折
    パターンが以下に示される面間隔を含んだものである請
    求項9〜請求項14のいずれかに記載の製造法。 面間隔d 2θ 相対強度 (オングストローム) 6.89±0.30 12.8 VS 6.66±0.30 13.3 S 4.20±0.10 21.1 W 4.09±0.10 21.7 S〜M 3.79±0.08 23.4 S 3.38±0.07 26.3 S 3.32±0.05 26.8 W 3.14±0.05 28.4 M 2.82±0.04 31.7 M 2.74±0.04 32.6 S〜M 2.70±0.04 33.1 M 2.60±0.04 34.4 W 2θ :CuKα線(1.5405オングストローム)で測定 相対強度 VS:非常に強い、S:強い、M:普通、W:弱い
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