JP2015120821A - 水性一液焼き付け被覆塗料用組成物、及び該組成物を用いた被覆材料 - Google Patents

水性一液焼き付け被覆塗料用組成物、及び該組成物を用いた被覆材料 Download PDF

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城野 孝喜
Takayoshi Kino
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Abstract

【課題】多種多様な基材に対しての密着性が良好であり、35℃以上の比較的高温における貯蔵安定性に優れ、且つ形成された被膜の強度や均一性などの被膜物性に優れた水性一液焼き付け被覆塗料用組成物、及び該組成物を用いた被覆材料を提供すること。【解決手段】微細なコア・シェル構造を有するブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物と、親水基変性ポリカルボジイミド化合物を併用した水性一液焼き付け被覆塗料用組成物を被覆材料に用いることによって、多種多様な基材に対しての密着性が良好な被覆材料が得られる。【選択図】なし

Description

本発明は、コア・シェル構造を有するブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物と、親水基変性ポリカルボジイミド化合物を併用することにより、密着性や35℃以上での貯蔵安定性に優れる特定の工程により製造された水性一液焼き付け被覆塗料用組成物、及び該組成物を用いた被覆材料に関する。
ポリウレタン樹脂は、耐摩耗性、屈曲性、可撓性、柔軟性、加工性、接着性、耐薬品性などの諸物性に優れ、且つ各種加工法への適性にも優れるため、電子機器部材、衣料、家具・家電、日用雑貨、建築・土木、及び自動車部材へのコーティング材、インキ、接着剤、塗料などの樹脂成分として、又はフィルム、シートなどの各種成形体として広く使用されている。
近年では、環境保全性や作業安全性などの観点から、有機溶剤を使用しない水性、又は水分散性の水系ポリウレタン樹脂の要望が高まっている。しかし、水系ポリウレタン樹脂を使用した被覆剤は、有機溶剤系ポリウレタン樹脂を使用した被覆剤と比較し、耐久性や耐溶剤性、更には高温における貯蔵安定性などの諸物性が低い傾向にあり、有機溶剤系ポリウレタン樹脂と同等の物性を得るために種々の改良検討が行われている。
このような背景の中で、水性ウレタン樹脂の耐溶剤性と貯蔵安定性を向上させる手法として、カルボキシル基を導入したイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーを中和させ水分散を行った後、鎖延長反応を行ったウレタンプレポリマーと、水に相溶しないウレタンプレポリマーを含有させた水性ウレタン樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
また、自己架橋性ポリウレタン水分散体として、イソシアネート成分と、酸官能性化合物と、任意の分子量を有するポリオールとを反応させたプレポリマーに多官能ポリオールと、イソシアネート成分と、ブロック剤からなる混合液をポリオールでウレタン化せしめた高固形分であり、且つ高光沢性に優れる自己架橋性ポリウレタン水分散体の製造方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
同様にノニオン性とイオン性界面活性剤を使用し、貯蔵安定性、耐水性に優れたブロックポリイソシアネート組成物、及び水系一液熱硬化性ウレタン樹脂組成物が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
また、有機ジイソシアネートと、高分子ポリオールと、カルボキシル基含有低分子グリコールとを反応させたイソシアネート基末端プレポリマーを、ノニオン性ポリイソシアネートと、ブロック剤とを反応させ、中和剤で中和後、水による鎖延長反応を行うことで、貯蔵安定性や被膜の耐水性、及び耐溶剤性に優れた水系一液コーティング剤用ポリウレタンエマルジョンの製造方法が提案されている(例えば、特許文献4、及び特許文献5参照)。
特開平7−188371号公報 特表2005−522559号公報 特開平10−330454号公報 特開2005−154674号公報 特開2005−247897号公報
しかしながら、これらの先行技術は多種多様な基材に対しての密着性が十分ではないことが多く、被覆材料として使用する場合には、衝撃によって剥離等の問題を生じることが危惧されていた。また、密着性を高める手法としてブロックイソシアネートの適応も開示されているが、35℃以上の比較的高温における貯蔵安定性には未だ十分とは言えず、改良の余地を残しており、このような上記の不具合を改善できる水性一液焼き付け被覆塗料用組成物の開発が強く望まれていた。
本発明は以上のような事情に基づいてなされたものである。
本発明の目的は、多種多様な基材に対しての密着性が良好であり、35℃以上の比較的高温における貯蔵安定性に優れ、且つ形成された被膜の強度や均一性などの被膜物性に優れた水性一液焼き付け被覆塗料用組成物、及び該組成物を用いた被覆材料を提供することである。
本発明の概要は以下の(1)、及び(2)に示されるものである。
(1)水性一液焼き付け被覆塗料用組成物が、少なくともブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)、及び親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)からなり、
ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)が、ブロックポリイソシアネート成分(A)と、ポリウレタン樹脂成分(B)からなるコア・シェル構造を有し、
第1工程:有機ポリイソシアネート(a1)と、ノニオン性高分子ポリオール(a2)とをウレタン化反応し、イソシアネート基末端プレポリマーIを得る、
第2工程:第1工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIと、ブロック剤(a3)とを反応させブロックポリイソシアネート成分(A)からなるコア構造を得る、
第3工程:第2工程で得られたブロックポリイソシアネート成分(A)の中で、有機ポリイソシアネート(a1)と、高分子ポリオール(b1)と、カルボキシル基を有するアニオン性低分子グリコール(b2)とをウレタン化反応し、イソシアネート基末端プレポリマーIIを得る、
第4工程:第3工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIIに含有するカルボキシル基と、中和剤(b3)とを反応させイソシアネート基末端プレポリマーIIIを得る、
第5工程:第4工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIIIに水を添加し、乳化させた後、鎖延長剤(b4)により鎖延長反応させポリウレタン樹脂成分(B)からなるシェル構造を生成させる、
工程を経て得られる、平均粒径が50〜150nmの、コア構造とシェル構造の質量比が50/50〜70/30であるブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)であり、
親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)が、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネートから少なくとも一種類選択された有機ポリイソシアネート(a1)から誘導されたポリカルボジイミド(c1)と、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(c2)とを反応させた親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)であることを特徴とする。
(2)被覆材料が、前記(1)の水性一液焼き付け被覆塗料用組成物をプラスチック、又は金属表面に被覆形成したことを特徴とする。
本発明の水性一液焼き付け被覆塗料用組成物、及び該組成物を用いた被覆材料によれば、ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物が微細なコア・シェル構造を有し、且つこのエマルジョン組成物と、親水基変性ポリカルボジイミド化合物を併用することによって、以下の(1)〜(8)の効果を示す。
(1)均一な粒径を有する。
(2)35℃以上の貯蔵安定性が良好である。
(3)ブロック剤の解離温度付近で発現する被膜の強度、及び外観が良好である。
(4)環境温度に影響されない均一な被膜を形成することができる。
(5)水系であるため環境保全性や作業安全性が高く、ハンドリング性(取り扱い性)も良好である。
(6)製造工程が簡素で生産性も良い。
(7)その他のポリウレタン系樹脂やポリオレフィン系樹脂などとの相溶性に優れている。
(8)多種多様な基材に対する密着性に優れている。
本発明の水性一液焼き付け被覆塗料用組成物は、少なくともブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)、及び親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)からなる被覆塗料用組成物である。このブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)を使用することによって被覆膜の耐水性を付与し、更に親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)を併用することによって、多種多様な基材に対する密着性を高める事を可能としている。
ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)としては、ブロックポリイソシアネート成分(A)と、ポリウレタン樹脂成分(B)からなるコア構造とシェル構造の質量比が50/50〜70/30のコア・シェル構造を有し、且つ平均粒径が50〜150nmのエマルジョン組成物である。ブロックポリイソシアネート成分(A)がコア構造を形成することで、ブロックポリイソシアネート成分が高含有したエマルジョン組成物を得る事ができ、更に、コア構造の外層であるシェル構造をポリウレタン樹脂成分(B)にすることで、ブロックポリイソシアネート成分(A)の貯蔵安定性と、水分散性を高めたエマルジョン組成物を得る事ができる。
また、コア構造/シェル構造の質量比が50/50未満の場合には、ブロックイソシアネート成分(A)の含有量が低下し、耐水性の低下をもたらす恐れがある。コア構造/シェル構造の質量比が70/30未満の場合には、35℃以上の貯蔵安定性の低下や被膜の均一性の低下をもたらす恐れがあるため好ましくない。
次に、ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)の製造方法について詳細を説明する。ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)は、以下の第1工程〜第5工程を経て製造される。この工程により製造されることで、本発明の効果を奏するブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)を得ることができる。
<ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)の製造方法>
第1工程:有機ポリイソシアネート(a1)と、ノニオン性高分子ポリオール(a2)とをウレタン化反応し、イソシアネート基末端プレポリマーIを製造する。
第2工程:第1工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIと、ブロック剤(a3)とを反応させブロックポリイソシアネート成分(A)からなるコア構造を製造する。
第3工程:第2工程で得られたブロックポリイソシアネート成分(A)の中で、有機ポリイソシアネート(a1)と、高分子ポリオール(b1)と、カルボキシル基を有するアニオン性低分子グリコール(b2)とをウレタン化反応し、イソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する。
第4工程:第3工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIIに含有するカルボキシル基と、中和剤(b3)とを反応させイソシアネート基末端プレポリマーIIIを製造する。
第5工程:第4工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIIIに水を添加し、乳化させた後、鎖延長剤(b4)により鎖延長反応させポリウレタン樹脂成分(B)からなるシェル構造を製造する。
また、第1工程〜第4工程の製造工程においては、窒素ガス、若しくは、乾燥空気気流下で反応を進行させることが好ましい。
<第1工程:イソシアネート基末端プレポリマーIを製造する工程>
第1工程における有機ポリイソシアネート(a1)と、ノニオン性高分子ポリオール(a2)との原料仕込みの配合比は、有機ポリイソシアネート(a1)のイソシアネート基とノニオン性高分子ポリオール(a2)の水酸基とのモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で1.5〜3.0になるように仕込むことが好ましく、更に好ましくは、R=1.8〜2.5になるように仕込むことが好ましい。Rが下限未満の場合には、イソシアネート基含有量が低下するため、耐水性の低下を招く恐れがある。また、Rが上限を超える場合には、ブロック剤による被覆膜の膨れなど外観を損なう恐れがあるため好ましくない。
また、ウレタン化反応の反応温度は、20〜120℃であり、好ましくは50〜100℃である。尚、このウレタン化反応は、無触媒でも反応が進行するが、公知のウレタン化反応触媒を使用し、反応を促進することもできる。
<ウレタン化反応触媒>
ウレタン化反応に使用できる触媒の具体例としては、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いることができる。
ウレタン化反応の反応時間は、触媒の有無、種類、及び温度により異なるが、一般には10時間以内、好ましくは1〜5時間で十分である。尚、反応時間が長くなるに従い着色等の不具合を生じる場合がある。
<有機ポリイソシアネート(a1)>
イソシアネート基末端プレポリマーIを得るために使用される有機ポリイソシアネート(a1)としては、芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、及び脂環族ジイソシアネートから選択される有機ジイソシアネート、及びこれらのイソシアヌレート変性ポリイソシアネート、ウレトジオン変性ポリイソシアネート、ウレタン変性ポリイソシアネート、ビュレット変性ポリイソシアネート、ウレトイミン変性ポリイソシアネート、アシルウレア変性ポリイソシアネート等を単独、又は二種以上で適宜併用することができる。また、耐候性を考慮した場合、有機ポリイソシアネート(a1)としては、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、及びこれらの変性ポリイソシアネートが好ましく、被覆膜の耐久性や基材に対する密着性の観点から脂肪族ジイソシアネート、及び/又は脂環族ジイソシアネートのイソシアヌレート変性ポリイソシアネートが最も好ましい。
<芳香族ジイソシアネート>
芳香族ジイソシアネートの具体例としては、2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネート/2,6−トリレンジイソシアネート混合物、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート/4,4´−ジフェニルメタンジイソシアネート混合物、4,4′−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4′−ジイソシアネート、2,2′−ジフェニルプロパン−4,4′−ジイソシアネート、3,3′−ジメチルジフェニルメタン−4,4′−ジイソシアネート、4,4′−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3′−ジメトキシジフェニル−4,4′−ジイソシアネート等を挙げることができる。
<芳香脂肪族ジイソシアネート>
芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物、ω,ω′−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン等を挙げることができる。
<脂肪族ジイソシアネート>
脂肪族イソシアネートの具体例としては、ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
<脂環族ジイソシアネート>
脂環族ジイソシアネートの具体例としては、イソホロンジイソシアネート、シクロヘキシルジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等を挙げることができる。
有機ポリイソシアネート(a1)として最も好ましいイソシアヌレート変性ポリイソシアネートの製造方法としては、前記の芳香族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、及び脂環族ジイソシアネートから少なくとも一種類選択された有機ジイソシアネートと、モノアルコールと、イソシアヌレート化触媒とを反応温度が50〜150℃、好ましくは60〜130℃で行うことで得ることかできる。
<モノアルコール>
イソシアヌレート変性ポリイソシアネートに使用されるモノアルコールとしては、特に限定されるものではなく、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−トリデカノール、2−トリデカノール、2−オクチルドデカノール、3−エチル−4,5,6−トリメチルオクタノール、4,5,6,7−テトラメチルノナノール、4,5,8−トリメチルデカノール、4,7,8−トリメチルトリデカノール、テトラデカノール、2−ヘキシルドデカノール、2−デシルテトラデカノール、2−ヘキサデシルオクタデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノール等が挙げることができ、単独、又は2種以上を併用することができる。
<イソシアヌレート化触媒>
イソシアヌレート化触媒の具体例としては、トリエチルアミン、N−エチルピペリジン、N,N′−ジメチルピペラジン、N−エチルモルフォリン、フェノール化合物のマンニッヒ塩基等の第三級アミン、テトラメチルアンモニウム炭酸水素塩、メチルトリエチルアンモニウム炭酸水素塩、エチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、プロピルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ブチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ペンチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、オクチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ノニルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、デシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ウンデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ドデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、トリデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム炭酸水素塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム炭酸水素塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタニウム炭酸水素塩、又は1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウム炭酸水素塩等の第四級アンモニウム炭酸水素塩、テトラメチルアンモニウム炭酸塩、メチルトリエチルアンモニウム炭酸塩、エチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、プロピルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ブチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ペンチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘキシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、オクチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ノニルトリメチルアンモニウム炭酸塩、デシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ウンデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ドデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、トリデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、テトラデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘキサデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、ヘプタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、オクタデシルトリメチルアンモニウム炭酸塩、(2−ヒドロキシプロピル)トリメチルアンモニウム炭酸塩、ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウム炭酸塩、1−メチル−1−アザニア−4−アザビシクロ[2,2,2]オクタニウム炭酸塩、又は1,1−ジメチル−4−メチルピペリジニウム炭酸塩等の第四級アンモニウム炭酸塩、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、トリエチルヒドロキシエチルアンモニウム等のヒドロキシアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや有機弱酸塩、酢酸、プロピオン酸、酪酸、カプロン酸、カプリン酸、吉草酸、オクチル酸、ミリスチン酸、ナフテン酸等のカルボン酸のアルカリ金属塩等が挙げられる。
<ノニオン性高分子ポリオール(a2)>
イソシアネート基末端プレポリマーIを得るために使用されるノニオン性高分子ポリオール(a2)としては、アルコキシ極性基をノニオン性極性基とした数平均分子量500〜10000、好ましくは数平均分子量500〜5000のポリアルキレンエーテルポリオールが好適に用いられる。数平均分子量が下限値未満の場合には、被覆膜の耐衝撃性が低下する恐れがあり、上限値を超える場合には、製造時の粘度が高く生産性の低下をもたらす恐れがある。
<第2工程:ブロックポリイソシアネート成分(A)を製造する工程>
第2工程では、第1工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIにブロック剤(a3)とを反応温度が20〜120℃、好ましくは50〜100℃でイソシアネート基とブロック剤とを反応させ、ブロックポリイソシアネート成分(A)を得る。また、反応時間は、ブロック剤の種類、及び温度により異なるが、一般には10時間以内、好ましくは0.5〜1時間で十分である。尚、反応時間が長くなるに従い着色等の不具合を生じる恐れがある。
<ブロック剤(a3)>
ここでイソシアネート基末端プレポリマーIと反応させるブロック剤(a3)としては、イソシアネート基末端プレポリマーIのイソシアネート基をブロック化し、水分や水酸基などの活性水素基との反応を消失させることで一液化を可能とする。更に、ブロック化されたブロックポリイソシアネート成分(A)は、加熱することによってブロック剤が解離し、再びイソシアネート基が活性化することで、活性水素基と反応する潜在性の硬化性を付与する事ができる。
ブロック剤(a3)としては、フェノール系、ラクタム系、活性メチレン系、アルコール系、メルカプタン系、酸アミド系、イミド系、アミン系、イミダゾール系、尿素系、カルバミン酸塩系、イミン系、オキシム系、亜硫酸塩系等が挙げられる。特に、フェノール系、オキシム系、ラクタム系、イミン系が有利に使用される。
ここで、ブロック剤の具体例としては、フェノール、クレゾール、キシレノール、ニトロフェノール、クロロフェノール、エチルフェノール、p−ヒドロキシジフェニル、t−ブチルフェノール、o−イソプロピルフェノール、o−sec−ブチルフェノール、p−ノニルフェノール、p−t−オクチルフェノール、ヒドロキシ安息香酸、ヒドロキシ安息香酸エステル等のフェノール系ブロック剤、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム、β−プロピオラクタム等のラクタム系ブロック剤、マロン酸ジエチル、マロン酸ジメチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸メチル、アセチルアセトン等の活性メチレン系ブロック剤、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エチルヘキサノール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、ラウリルアルコール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコール、メトキシメタノール、グリコール酸、グリコール酸メチル、グリコール酸エチル、グリコール酸ブチル等のグリコール酸エステル、乳酸、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル等の乳酸エステル、メチロール尿素、メチロールメラミン、ジアセトンアルコール、エチレンクロルヒドリン、エチレンブロムヒドリン、1,3−ジクロロ−2−プロパノール、ω−ハイドロパーフルオロアルコール、アセトシアンヒドリン等のアルコール系ブロック剤、ブチルメルカプタン、ヘキシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトベンゾチアゾール、チオフェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノール等のメルカプタン系ブロック剤、アセトアニリド、アセトアニシジド、アセトトルイド、アクリルアミド、メタクリルアミド、酢酸アミド、ステアリン酸アミド、ベンズアミド等の酸アミド系ブロック剤、コハク酸イミド、フタル酸イミド、マレイン酸イミド等のイミド系ブロック剤、ジフェニルアミン、フェニルナフチルアミン、キシリジン、N−フェニルキシリジン、カルバゾール、アニリン、ナフチルアミン、ブチルアミン、ジブチルアミン、ブチルフェニルアミン等のアミン系ブロック剤、イミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾール系ブロック剤、尿素、チオ尿素、エチレン尿素、エチレンチオ尿素、1,3−ジフェニル尿素等の尿素系ブロック剤、N−フェニルカルバミン酸フェニル、2−オキサゾリドン等のカルバミン酸塩系ブロック剤、エチレンイミン、プロピレンイミン等のイミン系ブロック剤、ホルムアミドキシム、アセトアルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシム、ジアセチルモノオキシム、ベンゾフェノンオキシム、シクロヘキサノンオキシム等のオキシム系ブロック剤、重亜硫酸ナトリウム、重亜硫酸カリウム等の亜硫酸塩系ブロック剤等が挙げられる。これらのブロック剤(a3)の中でも入手の簡易さや作業性の観点から、メチルエチルケトオキシム、ε−カプロラクタム、2−エチルヘキサノールが好ましく、単独、又は2種類以上を併用することができる。
<第3工程:イソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する工程>
第3工程では、第2工程で得られたブロックポリイソシアネート成分(A)の共存下で有機ポリイソシアネート(a1)と、高分子ポリオール(b1)と、カルボキシル基を有するアニオン性低分子グリコール(b2)とをウレタン化反応し、イソシアネート基末端プレポリマーIIを製造され、ウレタン化反応の条件は、前記の第1工程と同様の条件で製造されることが好ましい。
<高分子ポリオール(b1)>
イソシアネート基末端プレポリマーIIを得るために使用される高分子ポリオール(b1)としては、平均官能基数が1.8〜2.5であり、且つ数平均分子量が500〜10000、好ましくは数平均分子量500〜5000のポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリエーテルエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、動植物系ポリオールなどを挙げることができる。これらの高分子ポリオール(b1)は、単独、又は2種以上併用して用いることがでる。本発明で好ましい高分子ポリオール(b1)としては、耐水性を重視する場合には、フタル酸系のポリエーテルポリオール、及びポリカーボネートポリオールである。
<ポリエステルポリオール>
高分子ポリオール(b1)に使用されるポリエステルポリオールとしては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、クルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトン)モノマーの開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル−アミドポリオールを使用することもできる。
<ポリエーテルポリオール>
高分子ポリオール(b1)に使用されるポリエーテルポリオールとしては、前述の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類、メチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを付加重合することで得られるものを挙げることができる。
<ポリエーテルエステルポリオール>
高分子ポリオール(b1)に使用されるポリエーテルエステルポリオールとしては、前述のポリエーテルポリオールと前述のジカルボン酸等から得られるコポリオールがある。また、前述のポリエステルやポリカーボネートと、エポキサイドや環状エーテルとの反応で得られるものがある。
<ポリカーボネートポリオール>
高分子ポリオール(b1)に使用されるポリカーボネートポリオールとしては、前述の低分子ポリオールの1種類以上と、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネート、ジフェニルカーボネートとの脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。なお、前述のポリカーボネートポリオールとポリエステルポリオールとのエステル交換品を使用することもできる。
<アクリルポリオール>
高分子ポリオール(b1)に使用されるアクリルポリオールとしては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステルと、少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物と、重合開始剤とを熱エネルギーや紫外線や電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合することにより得られる。
<(メタ)アクリル酸エステル>
アクリルポリオールに使用する(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1〜20のアルキルエステルを用いることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリールエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは、単独、又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。
<(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物>
アクリルポリオールに使用する(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物としては、ポリイソシアネート(B)との反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのアクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレートなどのメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これらアクリル酸ヒドロキシ化合物及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、上記の(メタ)アクリル酸エステル成分単位のほかに、(メタ)アクリル酸エステルと共重合可能な単量体から誘導される繰り返し単位を有していてもよい。このような単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸メトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシエチル、(メタ)アクリル酸プロポキシエチル、(メタ)アクリル酸ブトキシエチル、(メタ)アクリル酸エトキシプロピルのような(メタ)アクリル酸アルコキシアルキル、(メタ)アクリル酸アルカリ金属塩などの塩、エチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ジエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、トリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ポリエチレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、プロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、ジプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、トリプロピレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステルのような(ポリ)アルキレングリコールのジ(メタ)アクリル酸エステル、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリル酸エステルのような多価(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリロニトリル、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、(メタ)アクリル酸−2−クロロエチルのようなハロゲン化ビニル化合物、2−ビニル−2−オキサゾリン、2−ビニル−5−メチル−2−オキサゾリン、2−イソプロペニル−2−オキサゾリンのようなオキサゾリン基含有重合性化合物、(メタ)アクリロイルアジリジン、(メタ)アクリル酸−2−アジリジニルエチルのようなアジリジン基含有重合性化合物、アリルグリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸グリシジルエーテル、(メタ)アクリル酸−2−エチルグリシジルエーテルのようなエポキシ基含有ビニル単量体、フッ素置換メタクリル酸アルキルエステル、フッ素置換アクリル酸アルキルエステル等の含フッ素ビニル単量体、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸のような不飽和カルボン酸(ただし(メタ)アクリル酸を除く)、これらの塩並びにこれらの(部分)エステル化合物および酸無水物、2−クロルエチルビニルエーテル、モノクロロ酢酸ビニルのような反応性ハロゲン含有ビニル単量体、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−-メトキシエチルメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドのようなアミド基含有ビニル単量体、ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、トリメトキシシリルプロピルアリルアミン、2−メトキシエトキシトリメトキシシランのような有機ケイ素基含有ビニル化合物単量体、その他ビニル基を重合したモノマー末端にラジカル重合性ビニル基を有するマクロモノマー類等(例えば、フッ素系モノマー、シリコーン含有モノマー、マクロモノマー、スチレン、シリコーン等)を挙げることができる。このような単量体は、単独、又は2種類以上を組み合わせて、上記(メタ)アクリル酸エステルと共重合させることができる。
<重合開始剤>
アクリルポリオールに使用する重合開始剤としては、熱重合開始剤、光重合開始剤を挙げることができ、重合方法によって適宜に選ばれる。熱重合開始剤の具体例としては、ジ−2−エチルヘキシルペルオキシジカーボネート等のペルオキシジカーボネート類、t−ブチルペルオキシベンゾエート、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、t−ヘキシルペルオキシイソプロピルカーボネート等のペルオキシエステル類、ジ(t−ブチルペルオキシ)−2−メチルシクロヘキサン、ジ(t−ブチルペルオキシ)3,3,5−トリメチルシクロヘキサンおよびジ(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等のペルオキシケタール類等が挙げられる。また、主に水溶液中における重合で使用する熱重合開始剤の具体例としては、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩類、t−ブチルハイドロパーオキシド、クメンハイドロパーオキシドなどの有機過酸化物類、過酸化水素と酒石酸などのレドックス類、V−50(和光純薬工業社製)などの水溶性アゾ系開始剤等が挙げられる。また、光重合開始剤の具体例としては、アセトフェノン、メトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、α−ヒドロキシ−α,α′−ジメチルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−シクロヘキシルアセトフェノン、2−メチル−1[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モンフォリノプロパノン−1等のアセトフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルブチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p,p′−ジクロロベンゾフェノン、N,N′−テトラメチル−4,4′−ジアミノベンゾフェノン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン等のケトン類、チオキサンソン、2−クロロチオキサンソン、2−メチルチオキサンソン等のチオキサンソン類、ビスアシルホスフィンオキサイド、ベンゾイルホスフィンオキサイド等のホスフィン酸化物、ベンジルジメチルケタール等のケタール類、カンファン−2,3−ジオン、フェナントレンキノン等のキノン類などを挙げることができる。
<ポリオレフィンポリオール>
高分子ポリオール(b1)に使用されるポリオレフィンポリオールとしては、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
<動植物系ポリオール>
高分子ポリオール(b1)に使用される動植物系ポリオールとしては、ヒマシ油系ポリオールや絹フィブロイン等を挙げることができる。
<カルボキシル基を有するアニオン性低分子グリコール(b2)>
イソシアネート基末端プレポリマーIIを得るために使用されるカルボキシル基を有するアニオン性低分子グリコール(b2)としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ポリアミンと酸無水物との反応物、ジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸を開始剤としたラクトン付加物等を単独、又は2種以上を併用して用い、後述する中和剤(b3)との反応によりアニオン性の低分子グリコールを得ることができる。
また、カルボキシル基を有するアニオン性低分子グリコール(b2)の含有量は、ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)の固形分あたり、0.05〜1.5mmol/gであり、好ましくは0.1〜1.3mmol/gである。下限値未満である場合には、水分散性が低下し、貯蔵安定性や塗膜外観を悪化させる恐れがあり、上限値を超える場合には、耐水性が低下する恐れがある。
また、ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)の性能を低下させない範囲で、水分散性や貯蔵安定性を向上させるために、アニオン性基、及びカチオン性基含有化合物を併用することも可能である。
<アニオン性基含有化合物>
アニオン性基含有化合物としては、活性水素基を1個以上有する有機酸と中和剤からなる。また、有機酸としては、カルボン酸塩、スルホン酸塩、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、チオスルホン酸塩等が挙げられ、これらの基は、独立で導入されても良く、又はキレート構造のように配位により導入しても良い。
<カチオン性基含有化合物>
カチオン性基含有化合物としては、活性水素基を1個以上有する3級アミンと、無機酸及び有機酸の中和剤、4級化剤のいずれから選択されるものからなる。活性水素基を1個以上有する3級アミンの具体例としては、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、N,N−ジフェニルエタノールアミン、N−メチル−N−エチルエタノールアミン、N−メチル−N−フェニルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N−メチル−N−エチルプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、N−フェニルジプロパノールアミン、N−ヒドロキシエチル−N−ヒドロキシプロピル−メチルアミン、N,N′−ジヒドロキシエチルピペラジン、トリエタノールアミン、トリスイソプロパノールアミン、N−メチル−ビス−(3−アミノプロピル)−アミン、N−メチル−ビス−(2−アミノプロピル)−アミン等が挙げられる。また、アンモニア、メチルアミンのような第1アミン、ジメチルアミンのような第2アミンにアルキレンオキサイドを付加させたものも使用できる。
また、無機及び有機酸としては、塩酸、酢酸、乳酸、シアノ酢酸、燐酸及び硫酸等が挙げられる。4級化剤の具体例としては、硫酸ジメチル、塩化ベンジル、ブロモアセトアミド、クロロアセトアミド、または、臭化エチル、臭化プロピル、臭化ブチル等のハロゲン化アルキルが挙げられる。また、その他のカチオン性極性基含有化合物として、第1級アミン塩、第2級アミン塩、第3級アミン塩、ピリジニウム塩等のカチオン性化合物が挙げられる。
<第4工程:イソシアネート基末端プレポリマーIIIを製造する工程>
第4工程では、第3工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIIに含有するアニオン性低分子グリコール(b2)由来のカルボキシル基と、中和剤(b3)とを20〜50℃で中和反応させ、イソシアネート基末端プレポリマーIIIを得ることが好ましい。また、中和量は、カルボキシル基に対し、10〜70モル%であることが好ましい。下限値未満の場合には、水分散性が低下し、貯蔵安定性や塗膜外観を悪化させる恐れがある。また、上限値を超えた場合には、後述する親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)との架橋構造を形成できないため、耐水性や密着性の低下を招く恐れがある。
<中和剤(b3)>
イソシアネート基末端プレポリマーIIIに使用される中和剤(b3)としては、アンモニア、エチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリイソプロピルアミン、トリブチルアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、N−メチルモルホリン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノール、高級アルキル変性モルホリン等の有機アミン類、リチウム、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムの無機アルカリ類等が挙げられる。また、硬化後の塗膜の耐久性、耐湿熱性、及び耐水性を向上させるためには、加熱によって容易に解離する揮発性の高いものが好ましく、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−フェニルジエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1−プロパノールが好ましい。また、これら有機酸類、及び中和剤は、単独、又は2種以上を併用して用いることができる。
<第5工程:ポリウレタン樹脂成分(B)の製造する工程>
第5工程では、第4工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIIIに水を添加し、乳化させた後、鎖延長剤(b4)とを0〜40℃で鎖延長反応させ、シェル構造を有するポリウレタン樹脂成分(B)を得ることが好ましい。上限値を超えた温度で鎖延長反応を行った場合、水とのウレア化反応が進むため、凝集物の生成など貯蔵安定性の低下を生じる恐れがある。
<鎖延長剤(b4)>
ポリウレタン樹脂成分(B)に使用される鎖延長剤(b4)としては、エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、キシリレンジアミン、イソホロンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−アミノエチル−N−エタノールアミン等のアミン化合物が挙げられる。これらの鎖延長剤(b4)は、単独、又は2種以上を併用して用いることができる。
また、ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)の製造の際に使用できる有機溶剤としては、有機溶剤の存在下で反応に影響を与えない溶剤が適宜選択される。また、ここで使用された有機溶剤は、第5工程後に脱溶剤工程を経ることによって溶剤を取り除く事ができる。
<製造に使用する有機溶剤>
有機溶剤の具体例としては、ヘキサン、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル類、ジオキサン等のエーテル類、ヨウ化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶媒などが挙げられる。これらの有機溶剤の中でも取り分け溶解性や脱溶剤性の観点からアセトンが最も好ましい。また、これらの有機溶剤は、単独、又は2種以上を組み合わせて用いることもできる。
前記のようにコア構造のブロックポリイソシアネート成分(A)と、シェル構造のポリウレタン樹脂成分(B)からなるブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)は、数平均分子量が10000〜150000の範囲である。また、ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)の粘度は、特に限定されるものではないが、25℃で10〜1000mPa・sであることが好ましい。
次に、水性一液焼き付け被覆塗料用組成物の構成成分である親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)について詳細を説明する。
親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)は、前記のブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)に含有するカルボキシル基と反応し、架橋構造を形成することによって、耐水性や密着性を高めることが可能となる。
ここで、親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)としては、前記の有機ポリイソシアネート(a1)で挙げられた有機ジイソシアネートの中でも、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネートから選択された有機ジイソシアネートにより誘導されたポリカルボジイミド(c1)と、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(c2)との反応により得られた親水基変性ポリカルボジイミド化合物である。親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)として上市されている製品では、カルボジライトE02(日清紡ホールディングス社製)、カルボジライトV02(日清紡ホールディングス社製)、カルボジライトV02−L2(日清紡ホールディングス社製)、デスモジュールXP2802(バイエル社製)等が挙げられる。
また、有機ポリイソシアネートに、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びテトラメチルキシリイレンジイソシアネートから選択された有機ジイソシアネートを使用することによって、基材に対する密着性を高めることができる。
<ポリカルボジイミド(c1)>
親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)に使用されるポリカルボジイミド(c1)の製造方法としては、D.J.LymanらによるDie Macromol.Chem.,67,1(1963)、E.DyerらによるJ.Am.Chem.Soc.,80,5495(1958)、L.M.AlberrinoらによるJ.Appl.Polym.Sci.,21,1999(1977)、T.W.ChambellらによるJ.Org.Chem.,28,2069(1963)、特開昭51−061599号公報、特公平2−292316号公報、特公平4−279618号公報、特開平7−165853号公報に記載された公知の製造方法で製造することができる。
また、ポリカルボジイミド(c1)の製造時に使用されるカルボジイミド化触媒も同様に、1−フェニル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−3−メチル−2−ホスホレン−1−オキシド、1−フェニル−2−ホスホレン−1−スルフィド、1−エチル−2−ホスホレン−1−オキシド、これらの3−ホスホレン異性体等のホスホレン化合物、五カルボニル鉄等の鉄カルボニル錯体等の公知のカルボジイミド化触媒を使用することができる。
また、ポリカルボジイミド(c1)に親水性を付与するために使用されるポリエチレングリコールモノメチルエーテル(c2)としては、特に限定するものではないがエチレンオキサイドユニットが50モル%以上、繰り返し数が3〜90のポリエチレングリコールモノメチルエーテルであることが好ましい。
この様にして得られた親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)は、本発明のブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)に含有するカルボキシル基当量に対して、カルボジイミド基当量比で、0.03〜1.0であることが好ましく、0.05〜0.8がより好ましい。下限値未満の場合には、耐水性や基材に対する密着性が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合には、被覆膜を形成時に未反応の親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)が表面にブリードし、被覆膜性能の低下をもたらす恐れがある。
本発明の水性一液焼き付け被覆塗料用組成物には、性能が低下しない範囲で、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、レベリング剤、増粘剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、分散剤、触媒、貯蔵安定剤等の添加剤を適宜配合することができる。
次に、水性一液焼き付け被覆塗料用組成物を用いた被覆材料について詳細を説明する。被覆材料は、水性一液焼き付け被覆塗料用組成物をプラスチック、又は金属の基材上に少なくとも0.2μmの膜厚を形成することが好ましい。下限値未満の場合には、基材に対する十分な密着性が得られない恐れがある。
ここで被覆材料に使用される基材としては、ステンレス、リン酸処理鋼、亜鉛鋼、鉄、銅、アルミニウム、真鍮、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂、6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、MXD6ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、NBR樹脂、クロロプレン樹脂、SBR樹脂、SEBS樹脂などの素材で成形された基材、コロナ放電処理やその他表面処理を施されたポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂を用いることができる。
また、水性一液焼き付け被覆塗料用組成物の塗布方法としては、スプレー、刷毛、浸漬などの塗布方法により基材の表面上に塗布することができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<水性一液焼き付け塗料用被覆組成物の製造例 表1−5A>
水性ポリウレタンディスパージョンA〔ニッポラン3851、日本ポリウレタン工業社製、ポリカーボネート系無黄変タイプ、粘度60mPa・s(25℃)、不揮発分35質量%、平均粒径60nm〕を50gと、ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物A〔ニッポラン3850、日本ポリウレタン工業社製、ポリカーボネート系無黄変タイプ、粘度150mPa・s(25℃)、不揮発分42質量%、平均粒径120nm〕を50g、及び親水基変性ポリカルボジイミド化合物A〔カルボジライトE02、日清紡ホールディングス社製、不揮発分40質量%、粘度30mPa・s(25℃)〕を0.2g、及びレベリング剤〔ポリフローKL・245、共栄化学社製〕を0.15g、常温においてミキサーで混合し被覆組成物を得た。
<水性一液焼き付け塗料用被覆組成物の製造例 表1−8A>
水性ポリウレタンディスパージョンAを50gと、ブロックイソシアネート含有水性ポリウレタンエマルジョン組成物Aを50g、及び親水基変性ポリカルボジイミド化合物B〔カルボジライトV02−L2、日清紡ホールディングス社製、不揮発分40質量%、粘度100mPa・s(25℃)〕を2.6g、及びレベリング剤を0.15g、常温においてミキサーで混合し被覆組成物を得た。
<水性一液焼き付け塗料用被覆組成物の製造例 表1−11A>
水性ポリウレタンディスパージョンAを50gと、ブロックイソシアネート含有水性ポリウレタンエマルジョン組成物Aを50g、及び親水基変性ポリカルボジイミド化合物C〔カルボジライトV02、日清紡ホールディングス社製、不揮発分40質量%、粘度100mPa・s(25℃)〕を6.6g、及びレベリング剤を0.15g、常温においてミキサーで混合し被覆組成物を得た。
<水性一液焼き付け塗料用被覆組成物の製造例 表2−1B>
水性ポリウレタンディスパージョンB〔WNY−006S、日本ポリウレタン工業社製、ポリカーボネート系無黄変タイプ、粘度30mPa・s(25℃)、不揮発分30質量%、平均粒径30nm〕を64gと、ブロックイソシアネート含有水性ポリウレタンエマルジョン組成物Aを34g、及び親水基変性ポリカルボジイミド化合物Bを1.0g、及びレベリング剤を0.15g、常温においてミキサーで混合し被覆組成物を得た。
<水性一液焼き付け塗料用被覆組成物の製造例 表2−3B>
水性ポリウレタンディスパージョンBを80gと、ブロックイソシアネート含有水性ポリウレタンエマルジョン組成物Aを20g、及び親水基変性ポリカルボジイミド化合物Aを2.0g、及びレベリング剤0.15g、常温においてミキサーで混合し被覆組成物を得た。

Figure 2015120821
<被覆材料の評価テスト1>
市販の二軸延伸ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(東洋紡社製、エスペットT4102)にNo4バーコーターで希釈溶液を塗装し、2分間120℃で乾燥した後、180℃にて2分間乾燥させ、サンプルを作製した。
<外観観察>
表1に記載の各温度において乾燥焼付けした被膜の状態の外観を目視により観察し、タック有り・艶消し・クリア・荒れ有りなどの外観評価を行った。
<密着性テスト>
碁盤目状に1mm間隔で100マスのクロスカットし、テープ剥離して基材に残った塗膜の数を測定した。
<耐湿熱性テスト>
塗工サンプルを70℃×95%RHの湿熱条件下で72時間放置し、被膜状態の外観を目視により観察し、外観良好を○印で、外観不良を×印で評価した。
<35℃貯蔵安定性>
目視により沈殿物等の不具合を観察した。良好を○印で、不良を×印で評価した。
<被覆材料の評価テスト2>
ポリフェニルサルファイド(PPS)(パルテック社製)の基材に50μmアプリケータで塗装し、常温で5分間乾燥した後、130℃にて15分間乾燥させ、サンプルを作製した。
<外観観察>
表2に記載の各温度において乾燥焼付けした被膜の状態の外観を目視により観察し、タック有り・艶消し・クリア・荒れ有りなどの外観評価を行った。
<密着性テスト>
碁盤目状に1mm間隔で100マスのクロスカットし、テープ剥離して基材に残った塗膜の数を測定した。
<耐湿熱性テスト>
塗工サンプルを70℃×95%RHの湿熱条件下で72時間放置し、被膜状態の外観を目視により観察し、外観良好を○印で、外観不良を×印で評価した。
<35℃貯蔵安定性>
目視により沈殿物等の不具合を観察した。良好を○印で、不良を×印で評価した。

Figure 2015120821
<実施例と比較例の結果の考察>
表1に示すように、本発明の水性一液焼き付け塗料用被覆組成物(実施1A〜11A)では 、PETフィルムを基材に用いた場合、非常に薄い塗膜であっても外観、耐湿熱性、密着性、耐水性などの性能が良好であった。また 、表2に示すように、一般的に密着性の発現が難しいポリフェニルサルファイド(PPS)を基材に用いた場合においても、本発明の水性一液焼き付け塗料用被覆組成物(実施1B〜4B)は 、外観、耐湿熱性、密着性、耐水性などの性能が良好であった。

Claims (2)

  1. 少なくともブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)、及び親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)からなる水性一液焼き付け被覆塗料用組成物において、
    ブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)が、ブロックポリイソシアネート成分(A)と、ポリウレタン樹脂成分(B)からなるコア・シェル構造を有し、
    第1工程:有機ポリイソシアネート(a1)と、ノニオン性高分子ポリオール(a2)とをウレタン化反応し、イソシアネート基末端プレポリマーIを得る、
    第2工程:第1工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIと、ブロック剤(a3)とを反応させブロックポリイソシアネート成分(A)からなるコア構造を得る、
    第3工程:第2工程で得られたブロックポリイソシアネート成分(A)の中で、有機ポリイソシアネート(a1)と、高分子ポリオール(b1)と、カルボキシル基を有するアニオン性低分子グリコール(b2)とをウレタン化反応し、イソシアネート基末端プレポリマーIIを得る、
    第4工程:第3工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIIに含有するカルボキシル基と、中和剤(b3)とを反応させイソシアネート基末端プレポリマーIIIを得る、
    第5工程:第4工程で得られたイソシアネート基末端プレポリマーIIIに水を添加し、乳化させた後、鎖延長剤(b4)により鎖延長反応させポリウレタン樹脂成分(B)からなるシェル構造を生成させる、
    工程を経て得られる、平均粒径が50〜150nmの、コア構造とシェル構造の質量比が50/50〜70/30であるブロックイソシアネート含有エマルジョン組成物(X)であり、
    親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)が、イソホロンジイソシアネート、4,4′−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、及びテトラメチルキシリレンジイソシアネートから少なくとも一種類選択された有機ポリイソシアネート(a1)から誘導されたポリカルボジイミド(c1)と、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(c2)とを反応させた親水基変性ポリカルボジイミド化合物(Y)である、
    ことを特徴とする水性一液焼き付け被覆塗料用組成物。
  2. 請求項1に記載の水性一液焼き付け被覆塗料用組成物をプラスチック、又は金属表面に被覆形成したことを特徴とする被覆材料。
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