JP2007314781A - 硬化性水性塗料用樹脂組成物 - Google Patents

硬化性水性塗料用樹脂組成物 Download PDF

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知之 滝原
Kazuo Aizu
和郎 会津
Toru Kuzuhara
亨 葛原
Kenichi Kawaguchi
健一 川口
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Abstract

【課題】 密着性、耐水性、塗膜硬度の性能に優れた塗膜を形成し得る、極めて実用性の高い硬化性水性塗料用樹脂組成物を提供する。
【解決手段】 (a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂及び(a2)ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体、及びカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体を含む単量体混合物を有機溶剤の存在下で、共重合させて得られる共重合体を水中に分散して得られる水分散体(A)、水に分散可能なポリイソシアネート化合物(B)及びカルボジイミド基含有化合物(C)を含有してなることを特徴とする硬化性水性塗料用樹脂組成物。
【選択図】 なし

Description

本発明は、硬化性水性塗料用樹脂組成物に関し、特に自動車補修用塗料として有用な硬化性水性塗料用樹脂組成物に関する。
近年、環境問題意識の高まりから揮発性有機溶剤の使用量削減が強く求められている。塗料業界においてもトルエンやキシレンなどの有機溶剤を使用した溶剤塗料は、安全衛生、環境汚染、危険性、臭気等の面で、水を使用した水性塗料への転換が急速になされつつあり、様々な水性塗料が開発されており、例えば、特許文献1には水性エポキシ/アミン系をベースにするコーティング組成物が記載されている。
しかし、これら水性塗料は例えば自動車補修分野のような鋼板に用いる場合、鋼板に対しての密着性、耐水性、塗膜硬度のなどの塗膜性能が必ずしも十分ではなく、更なる改良が望まれている。
特開平10−060369号公報
本発明は、密着性、耐水性、塗膜硬度の性能に優れた塗膜を形成し得る、極めて実用性の高い硬化性水性塗料用樹脂組成物を提供することを目的とするものである。
すなわち、本発明は、以下の硬化性水性塗料用樹脂組成物に関する。
(1)(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂及び(a2)ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体、及びカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体を含む単量体混合物を有機溶剤の存在下で、共重合させて得られる共重合体を水中に分散して得られる水分散体(A)、水に分散可能なポリイソシアネート化合物(B)及びカルボジイミド基含有化合物(C)を含有してなることを特徴とする硬化性水性塗料用樹脂組成物に関する。
(2)前記水分散体(A)中の共重合体のヒドロキシル基価が30〜250mgKOH/g、酸価が5〜100mgKOH/g及び重量平均分子量が10,000〜300,000であることを特徴とする前記(1)記載の硬化性水性塗料用樹脂組成物に関する。
(3)前記カルボジイミド基含有化合物の配合量は、前記水分散体(A)の不揮発固形分に対し、該カルボジイミド基含有化合物の不揮発固形分で1〜20重量%であることを特徴とする前記(1)又は(2)記載の硬化性水性塗料用樹脂組成物に関する。
本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物は、揮発性有機溶剤を極力削減した環境対応型の硬化性水性塗料用樹脂組成物であり、密着性、耐水性、塗膜硬度に優れた塗膜を形成し得るので、特に自動車補修用塗料などの分野おいて非常に有用である。
本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物は、水分散体(A)、水に分散可能なポリイソシアネート化合物(B)及びカルボジイミド基含有化合物(C)を含有してなる。
前記水分散体(A)は、(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂及び(a2)ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体、及びカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体を含む単量体混合物を有機溶剤の存在下で、共重合させて得られる共重合体を水中に分散して得られる水分散体である。
本発明において前記分散体(A)中に分散している共重合体は、ヒドロキシル基とカルボキシル基を有することが必要であり、これによって優れた塗膜性能を発揮することができる。かかる共重合体は、上記したとおり(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂及び(a2)ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体、及びカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体を含む単量体混合物を有機溶剤の存在下で、共重合させることにより得られる。
本発明に係る(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂とは、例えば、脂肪酸及びビスフェノール型エポキシ樹脂を含む反応成分を付加、縮合させて得ることができる。脂肪酸としては、例えば、乾性油、半乾性油又は不乾性油から誘導される脂肪酸、合成脂肪酸が挙げられる。乾性油、半乾性油又は不乾性油の具体例としては桐油、大豆油、アマニ油、ヒマシ油、脱水ヒマシ油、サフラワー油、綿実油等が挙げられ、合成脂肪酸としては、例えば、バーサチック酸(商品名、シェルケミカル社)等が挙げられる。これらのなかでも、半乾性油が好ましく、大豆油がより好ましい。
これらの脂肪酸、合成脂肪酸は、1種類を単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールとエピクロルヒドリンの反応によって得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。ビスフェノールとしては、例えば、ビスフェノールA、ビスフェノールF等が挙げられる。
また、前記ビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、エピコート828、エピコート1001、エピコート1004、エピコート1007、エピコート1009(何れも、商品名、シェルケミカル社)等が挙げられる。
これらのビスフェノール型エポキシ樹脂の中では、得られる硬化性水性塗料用樹脂組成物の水分散性の点から、エピコート1001及びエピコート1004が好ましい。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂は、1種類を単独で又は2種類以上組み合わせて使用され、またこれらのエポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限するものではない。
前記の(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂は、得られる塗膜の密着性の点から、前記脂肪酸とビスフェノール型エポキシ樹脂に加えて、1分子中に1個以上のグリシジル基を有するエポキシ化合物を含む反応成分を付加、縮合して得られたものであることが好ましい。
前記グリシジル基を有するエポキシ化合物としては、例えば、1分子中に1個以上のグリシジル基を有する脂肪族エポキシ化合物、1分子中に1個以上のグリシジル基を有する脂環式エポキシ化合物、1分子中に1個以上のグリシジル基を有する芳香族エポキシ化合物等が挙げられるが、得られる塗膜の密着性の点から、1分子中に1〜4個のグリシジル基を有する脂肪族エポキシ化合物が好ましい。
1分子中に1〜4個のグリシジル基を有する脂肪族エポキシ化合物としては、例えば、一価脂肪族アルコールのグリシジルエーテル、二価脂肪族アルコールのジグリシジルエーテル、三価脂肪族アルコールのジグリシジルエーテル、三価脂肪族アルコールのトリグリシジルエーテル、四価以上の脂肪族アルコールのジグリシジルエーテル、四価以上の脂肪族アルコールのトリグリシジルエーテル、四価以上の脂肪族アルコールのテトラグリシジルエーテル、脂肪族ジカルボン酸のジグリシジルエステル等が挙げられる。
一価脂肪族アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、アリルアルコール等が挙げられる。二価脂肪族アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等などのアルキレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ポリ(テトラメチレングリコール)、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール等が挙げられる。三価脂肪族アルコールとしては、例えば、トリメチロールプロパン、グリセリン等が挙げられる。四価以上の脂肪族アルコールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ソルビトール、グリセリン二量体、グリセリン多量体等が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えば、アジピン酸、テトラメチレンジカルボン酸等が挙げられる。これらのなかでも、三価脂肪族アルコールが好ましく、トリメチロールプロパンがより好ましい。 前記グリシジル基を有するエポキシ化合物は、1種類を単独で又は2種類以上組み合わせて使用され、また、これらのエポキシ化合物のエポキシ当量は特に制限されるものではない。
前記脂肪酸の配合割合は、得られる塗膜の硬度と耐水性の点から、前記(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を得るために使用される単量体の総量に対し、10〜80重量%であることが好ましく、30〜60重量%であることがより好ましい。この配合割合が10重量%未満であると、得られる塗膜の硬度が低下する傾向にあり、80重量%を超えると未反応の脂肪酸が残存し、得られる塗膜の耐水性が劣る傾向にある。
前記ビスフェノール型エポキシ樹脂の配合割合は、得られる塗膜の硬度と密着性の点から、前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を得るために使用される単量体の総量に対して、20〜80重量%であることが好ましく、30〜70重量%であることがより好ましい。この配合割合が20重量%未満では得られる塗膜の密着性が低下する傾向にあり、80重量%を超えると得られる塗膜の硬度が低下する傾向にある。
前記(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を得るために、前記脂肪酸と前記ビスフェノール型エポキシ樹脂に加えて前記グリシジル基を有するエポキシ化合物も使用する場合、その配合割合は、得られる塗膜の硬度と密着性の点から、前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂を得るために使用される単量体の総量に対して、2〜50重量%であることが好ましく、2〜40重量%であることがより好ましい。この配合割合が2重量%未満では得られる塗膜の密着性が低下する傾向にあり、50重量%を超えると得られる塗膜の硬度、耐水性が低下する傾向にある。
また、本発明に係る前記脂肪酸、ビスフェノール型エポキシ樹脂及びグリシジル基を有するエポキシ化合物を付加、縮合させる方法としては、例えば、通常の付加、縮合反応で行うことができ、特にその方法は制限されるものではなく、例えば、前記成分を混合し、130〜250℃、4〜10時間加熱する方法で行うことができる。その際、有機溶媒を反応系に添加してもよい。
また、本発明に係る(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の酸価は、1mgKOH/g以下であることが好ましく、この酸価が1mgKOH/gを超えると、得られる塗膜の耐水性が低下する傾向がある。
また、本発明に係る(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂のエポキシ基含有量は、未反応の脂肪酸が残存しない限り、特に制限されるものではない。
本発明における共重合体を得るための(a2)単量体混合物は、ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−1)及びカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−2)を含んでなる。
ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−1)としては、得られる共重合体の水分散性の点でアクリル酸系またはメタクリル酸系の単量体が好ましく、アクリル酸ヒドロキシアルキル、メタクリル酸ヒドロキシアルキル、それらのラクトン変性物等がより好ましい。
アクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−ヒドロキシプロピル、アクリル酸4−ヒドロキシブチル等のアルキル基の炭素数が1〜6のものが挙げられる。
メタクリル酸ヒドロキシアルキルとしては、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸4−ヒドロキシブチル等のアルキル基の炭素数が1〜6のものが挙げられる。
また、前記アクリル酸ヒドロキシアルキル及びメタクリル酸ヒドロキシアルキルのラクトン変性物の具体例としては、ε−カプロラクトン等のラクトンで変性した、ラクトン変性アクリル酸2−ヒドロキシエチル、ラクトン変性メタクリル酸2−ヒドロキシエチル等が挙げられる。
これら前記成分は、単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
これらヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体のなかでも、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルが好ましい。
カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−2)としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられる。カルボキシル基は酸無水物基として存在してもよく、無水マレイン酸等も使用可能である。これらの重合性単量体は、1種類を単独で又は2種類以上を組み合わせて使用される。
これらカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体としては、得られる共重合体の水分散性の点でアクリル酸またはメタクリル酸が好ましく、アクリル酸がより好ましい。
本発明では、前記ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−1)及びカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−2)の他に、これら以外の不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−3)を併用することができる。
このような不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−3)としては、例えば、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アタクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸デシル、アクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のアクリル酸アルキルエステル;アクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のアクリル酸シクロアルキルエステル;アクリル酸トリシクロデシル、アクリル酸トリシクロデシロキシエチル、アクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のアクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ラウリル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アルキルエステル;メタクリル酸シクロヘキシル等のシクロアルキル基の炭素数が3〜20のメタクリル酸シクロアルキルエステル;メタクリル酸トリシクロデシル、メタクリル酸トリシクロデシロキシエチル、メタクリル酸トリシクロデシロキシプロピル等のトリシクロアルキル基の炭素数が5〜20のメタクリル酸トリシクロアルキルエステル;メタクリル酸アミノメチル、メタクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル等のアルキル基の炭素数が1〜20のメタクリル酸アミノアルキルエステル;スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、t−ブチルスチレン等のスチレン系単量体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、酢酸イソプロペニル、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のビニル誘導体;マレイン酸ジメチルエステル、マレイン酸ジエチルエステル等の不飽和二塩基酸のジアルキルエステル、ヒンダートアミノ基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、ベンゾトリアゾール基を有するアクリル酸エステル若しくはメタクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。これらの重合性単量体は、1種類を単独で又は2種類以上組み合わせて使用される。
これら不飽和二重結合を有する重合性単量体の中では、合成時の重合安定性の点からアクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、スチレン系単量体から選ばれる少なくとも1種類の重合性単量体を使用することが好ましい。
本発明において前記各重合性単量体の使用量は、重合性単量体の総量(a2−1)+(a2−2)+(a2−3)に対して、以下の範囲で適宜選択される。ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−1)の使用量は、1〜30重量%であることが好ましく、5〜20重量%であることがより好ましい。カルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−2)の使用量は、0.1〜20重量%であることが好ましく、0.5〜10重量%であることがより好ましい。前記使用量が0.1重量%未満であると共重合体の水分散性が低下する傾向にあり、20重量%を超えると得られ塗膜の耐水性が低下する傾向にある。不飽和二重結合を有する重合性単量体(a2−3)の使用量は、50〜98.9重量%であることが好ましく、70〜94.5重量%であることがより好ましい。
本発明では前記(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂及び前記(a2)重合性単量体混合物を有機溶剤の存在下で重合させる。
有機溶剤はアルコール系溶剤、エーテル系溶剤等を使用することができる。アルコール系溶剤としては、例えば、メチルアルコール、イソプロピルアルコール等が挙げられ、エーテル系溶剤としては、例えば、ブチルセロソルブ、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等が挙げられ、単独又は2種類以上の有機溶剤を併用してもよい。これらのなかでも、エーテル系溶剤が好ましい。
本発明では、(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の配合割合は(A)成分中に5〜80重量%であることが好ましい。(a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の配合割合が5重量%未満では、得られる塗膜の密着性、耐水性が著しく低下し、80重量%を超えると、得られる塗膜の硬度、耐溶剤性、硬化性が低下する傾向がある。
有機溶剤の使用量の使用量は、得られる水分散体(A)に対して、好ましくは5〜40重量%、より好ましくは10〜30重量%である。
重合は、通常のラジカル重合方法を利用することができ、特にその方法は制限されるものではく、好ましくは、重合開始剤の存在下で行われる。
重合開始剤としては、例えば、有機過酸化物、アゾビス系化合物等を使用することができる。有機過酸化物としては、例えば、イソブチルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイド、オクタノイルパーオキサイド、ベンゾイルパーオキサド、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジシクロベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、1、1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘキサノンパーオキサド、ジイソブチルパーオキシジカーボネート、2−ジエチルヘキシルパーオキシジカーボネート、2,5−ジメチル−2,5−ビス(2−エチルヘキサノイルパーオキシ)ヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等が挙げられ、アゾ系化合物としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾジイソブチレート、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、(1−フェニルエチル)アゾジフェニルメタン、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニル)、2,2’−アゾビス(2,2,4−トリメチルペンタン)、2−フェニルアゾ−2,4−ジメチル−4−メトキシバレロニトリル、2,2‘−アゾビス(2−メチルプロパン)等が挙げられる。
これらの重合開始剤は、単独で又は2種類以上を組み合わせて使用することができる。重合開始剤の使用量は、得られる共重合体の目的とする分子量により適宜決められるが、通常、重合性単量体の総量(a2−1)+(a2−2)+(a2−3)に対し、0.1〜10重量%とすることが好ましい。
また、必要に応じて、連鎖移動剤を用いて分子量調整をしてもよい。連鎖移動剤としては、例えば、n−ドデシルメルカプタン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等が挙げられる。
重合反応の反応温度と反応時間は適宜選択されるが、反応温度は50℃〜200℃が好ましく、70℃〜150℃が特に好ましく。反応時間は3〜10時間が好ましい。
重合に際して、前記各重合性単量体は、予め混合物とした上で反応系に添加してもよく、各々別々に反応系に添加してもよく、またこの混合物を分割して反応系に添加してもよい。
重合反応終了後は系内にN,N−ジメチルアミノエタノール、トリエチルアミン、アンモニアなどの塩基を添加して中和反応を行う。
本発明の水分散体(A)は、かくして得られる共重合体を水中に分散させることにより得られる。かかる水分散体(A)中の共重合体のヒドロキシル基価は、30〜250mgKOH/gであることが好ましく、50〜100mgKOH/gであることがより好ましい。ヒドロキシル基価が30mgKOH/g未満では、反応性が低下し、架橋点が少なくなり得られる塗膜の耐水性や耐溶剤性が不十分となる傾向にあり、250mgKOH/gを超えると得られる塗膜の硬度が低下する傾向にある。また、水分散体(A)中の共重合体の酸価は、5〜100mgKOH/gであることが好ましく、10〜50mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が5mgKOH/g未満では、硬化性水性塗料用樹脂組成物を合成する際の水分散性が著しく低下し、100mgOH/gを超えると、得られる塗膜の耐水性が低下する傾向にある。また、水分散体(A)中の共重合体の重量平均分子量(ゲルパーミエーションクロトグラフィー法によるポリスチレン換算値)は、10,000〜300,000であることが好ましく、40,000〜250,000であることがより好ましい。重量平均分子量が10,000未満では、得られる塗膜の耐水性や耐溶剤性が低下する傾向があり、300,000を超えると、塗膜の密着性が低下する傾向がある。水分散体中の共重合体の含有量は好ましくは20〜50%であり、より好ましくは30〜40%である。
本発明で使用する(B)成分のポリイソシアネート化合物は、水に分散可能なポリイソシアネート化合物である。
かかるポリイソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、フェニレンジイソシアネート、ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、テトラメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート等のイソシアネート化合物並びにこれらのアダクト体、ビューレット体及びイソシアヌレート体などが挙げられる。ポリイソシアネートの中では塗膜の耐水性の点からヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体が好ましく、市販品では住化バイエルウレタン株式会社株製、商品名バイヒジュール3100が例示される。
ポリイソシアネート化合物(B)の使用量は、水分散体(A)中のヒドロキリシル基とポリイソシアネート化合物(B)中のイソシアネート基の当量比(OH/NCO)が、好ましくは1.0/1.0〜1.0/2.0となる範囲で、さらに好ましくは1/1.5となる範囲で適宜選択される。
本発明で使用するカルボジイミド基含有化合物(C)としては、1分子中に少なくとも1つのカルボジイミド基を有するものを挙げることができ、水分散又は水溶化されたものを挙げることができる。
これらカルボジイミド基含有化合物(C)は、遊離のカルボキシル基と30〜70℃程度の低温で反応性を示し架橋塗膜を形成する。
このようなカルボジイミド基含有化合物(C)は種々のものが知られているが、例えばジシクロヘキシルカルボジイミド、ジイソプロピルカルボジイミド、ジメチルカルボジイミド、ジイソブチルカルボジイミド、ジオクチルカルボジイミド、t−ブチルイソプロピルカルボジイミド、ジフェニルカルボジイミド、ジ−t−ブチルカルボジイミド、ジ−β−ナフチルカルボジイミド等が挙げられる。市販品としては、具体的には、水溶液タイプとしてカルボジライトV−02、カルボジライトV−02−L、カルボジライトV−04、カルボジライトV−6(いずれも日清紡社製)等、水分散タイプとしてカルボジライトE−01、カルボジライトE−02(いずれも日清紡社製)等を挙げることができる。これらのなかでも、カルボジライトE−01が好ましい。
カルボジイミド基含有化合物(C)の使用量は、水分散体(A)の不揮発固形分に対して、該カルボジイミド基含有化合物の不揮発固形分で1〜20重量%が好ましく、3〜15重量%がより好ましい。かかるカルボジイミド基含有化合物の不揮発固形分の割合が1重量%未満であると、得られる塗膜の耐水性、塗膜硬度が低下する傾向にある。一方、カルボジイミド基含有化合物の不揮発固形分の割合が20重量%を超えると、架橋が進み過ぎて塗膜にクラックが生じる傾向にある。また、水分散体(A)中の共重合体のカルボキシル基に対するカルボジイミド基含有化合物のカルボジイミド基の比率として、カルボキシル基/カルボジイミド基が、好ましくは1/0.5〜1/1.5、より好ましくは1/0.8〜1/1.2である。
本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物は、必要に応じて、無機顔料、有機顔料、体質顔料等を含有するものであってもよい。
無機顔料としては、例えば、チタン白、カーボンブラック等が挙げられ、有機顔料としては、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料等が挙げられ、体質顔料としては炭酸カルシウム,硫酸バリウム、タルク等が挙げられる。
これらの無機顔料、有機顔料、体質顔料等を含有させる方法としては、例えば、通常の顔料分散方法を利用することができる。
また、本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物に、顔料を加えずにそのままクリヤー塗料として用いることも可能である。
また、本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物においては、必要に応じて各添加剤、例えば、アルミペースト、可塑剤、塗膜強化用樹脂、顔料分散剤、顔料沈降防止剤、塗面調整剤、レオロジーコントロール剤、樹脂ビーズ、紫外線吸収剤、紫外線安定剤、酸化防止剤、pH調整剤、防錆剤、消泡剤、造膜助剤、硬化促進剤等を塗料化の際又は塗料化後に添加することも可能である。
本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物においては、通常の塗装方法に従い、各種基材や物品の表面等の塗装に供することができる。塗装に際しては、例えば、エアスプレー塗装機、エアレススプレー塗装機、静電塗装機、ロールコーター塗装機、浸漬、ハケ等を用いて塗装することができる。
本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物においては、鉄、非鉄金属、プラスチック等の素材などに直接塗装するために供することができ、プライマー塗料、エナメル塗料、メタリック塗料、クリヤー塗料等として使用することができる。特に金属用プライマーとして塗装されることが好ましい。
本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物においては、金属に塗布した場合は塗布後、室温〜150℃で1〜100分間加熱乾燥することが好ましい。また、プラスチックに塗布した場合は塗布後、室温〜80℃で1〜2日養生することが好ましい。加熱することで乾燥時間を短縮することができる。加熱乾燥条件は、塗装環境条件等を考慮して適宜選択される。
乾燥後の塗膜の膜厚は、特に限定されないが、40〜60μmであることが好ましい。
本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物は、特に自動車補修用塗料などの分野おいて非常に有用である。本発明の硬化性水性塗料用樹脂組成物は、塗膜硬度に優れた塗膜を形成するので、自動車補修用のプライマー塗料として用いた場合により優れた効果を奏する。
以下、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに具体的にするが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例において、「部」及び「%」は、特に限りのない限り、それぞれ重量部及び重量%を意味する。
脂肪酸エポキシエステル樹脂(樹脂固形分)及び重合性単量体の共重合物(樹脂固形分)を表1に示す割合になるよう以下の製造例1〜4に従って操作し、水分散体(A)−1〜(A)−4を製造した。
製造例1:水分散体(A)−1の製造
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管及び撹拌機を備えた2リットル四つ口フラスコに、大豆油脂肪酸140部及びビスフェノール型エポキシ樹脂(シェルケミカル社製、商品名:エピコート1001)170部、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル及びトリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルの混合物(ナガセ化成工業(株)製、商品名:デナコールEX421)40部を加え、酸価が0.7mgKOH/gになるまで220℃で加熱して付加、縮合反応を進め、脂肪酸変性エポキシエステル樹脂350部を得た。
次いで、前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂が生成している反応系にブチルセロソルブ120部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル45部を仕込み、140℃に加熱した。これに、スチレン107部、メタクリル酸メチル12部、アクリル酸ブチル10部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、アクリル酸6部、プロピレングリコールモノメチルエーテル90部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、その後140℃で2時間保温した。
その後、80℃に冷却し、N,N−ジメチルアミノエタノールを6部加えて中和を行い、さらにイオン交換水を650部加えて水分散体(A)−1を得た。加熱残分35.4重量%、pH8.3、粘度2800mPa・s/25℃であった。脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の固形分/重合性単量体の共重合体の樹脂固形分(重量比)は70/30であった。前記水分散体(A)−1中の共重合体のヒドロキシル基価は85mgKOH/g、酸価は10mgKOH/g、重量平均分子量は120000であった。
製造例2:水分散体(A)−2の製造
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管及び撹拌機を備えた2リットル四つ口フラスコに、大豆油脂肪酸140部及びビスフェノール型エポキシ樹脂(シェルケミカル社製、商品名:エピコート1001)170部、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル及びトリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルの混合物(ナガセ化成工業(株)製、商品名:デナコールEX421)40部を加え、酸価が0.7mgKOH/gになるまで220℃で加熱して付加、縮合反応を進め、脂肪酸変性エポキシエステル樹脂350部を得た。
次いで、前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂が生成している反応系にブチルセロソルブ120部、プロピレングリコールモノメチルエーテル45部を仕込み、140℃に加熱した。これに、スチレン101部、メタクリル酸メチル12部、アクリル酸ブチル10部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル15部、アクリル酸12部、プロピレングリコールモノメチルエーテル90部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、その後140℃で2時間保温した。
その後、80℃に冷却し、N,N−ジメチルアミノエタノールを6部加えて中和を行い、さらにイオン交換水を650部加えて水分散体(A)−2を得た。加熱残分35.4重量%、pH8.3、粘度2800mPa・s/25℃であった。脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の固形分/重合性単量体の共重合体の樹脂固形分(重量比)は70/30であった。前記水分散体(A)−2中の共重合体のヒドロキシル基価は85mgKOH/g、酸価は19mgKOH/g、重量平均分子量は110000であった。
製造例3:水分散体(A)−3の製造
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管及び撹拌機を備えた2リットル四つ口フラスコに、大豆油脂肪酸100部及びビスフェノール型エポキシ樹脂(シェルケミカル社製、商品名:エピコート1001)120部、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル及びトリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルの混合物(ナガセ化成工業(株)製、商品名:デナコールEX421)30部を加え、酸価が0.7mgKOH/gになるまで220℃で加熱して付加、縮合反応を進め、脂肪酸変性エポキシエステル樹脂350部を得た。
次いで、前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂が生成している反応系にブチルセロソルブ85部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル55部を仕込み、140℃に加熱した。これに、スチレン180部、メタクリル酸メチル20部、アクリル酸ブチル15部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル25部、アクリル酸10部、プロピレングリコールモノメチルエーテル115部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、その後140℃で2時間保温した。
その後、80℃に冷却し、N,N−ジメチルアミノエタノールを10部加えて中和を行い、さらにイオン交換水を650部加えて水分散体(A)−3を得た。加熱残分35.0重量%、pH8.4、粘度3100mPa・s/25℃であった。脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の固形分/重合性単量体の共重合体の樹脂固形分(重量比)は50/50であった。前記水分散体(A)−3中の共重合体のヒドロキシル基価は75mgKOH/g、酸価は16mgKOH/g、重量平均分子量は120000であった。
製造例4:水分散体(A)−4の製造
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管及び撹拌機を備えた2リットル四つ口フラスコに、大豆油脂肪酸100部及びビスフェノール型エポキシ樹脂(シェルケミカル社製、商品名:エピコート1001)120部、トリメチロールプロパンのグリシジルエーテル及びトリメチロールプロパンのトリグリシジルエーテルの混合物(ナガセ化成工業(株)製、商品名:デナコールEX421)30部を加え、酸価が0.7mgKOH/gになるまで220℃で加熱して付加、縮合反応を進め、脂肪酸変性エポキシエステル樹脂350部を得た。
次いで、前記脂肪酸変性エポキシエステル樹脂が生成している反応系にブチルセロソルブ85部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル55部を仕込み、140℃に加熱した。これに、スチレン170部、メタクリル酸メチル20部、アクリル酸ブチル15部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル25部、アクリル酸20部、プロピレングリコールモノメチルエーテル115部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル2部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、その後140℃で2時間保温した。
その後、80℃に冷却し、N,N−ジメチルアミノエタノールを20部加えて中和を行い、さらにイオン交換水を650部加えて水分散体(A)−4を得た。加熱残分35.7重量%、pH8.6、粘度3500mPa・s/25℃であった。脂肪酸変性エポキシエステル樹脂の固形分/重合性単量体の共重合体の樹脂固形分(重量比)は50/50であった。前記水分散体(A)−4中の共重合体のヒドロキシル基価は75mgKOH/g、酸価は31mgKOH/g、重量平均分子量は130000であった。
製造例5:水分散体(A)−5の製造
冷却器、温度計、滴下ロート、窒素ガス吹き込み管及び撹拌機を備えた2リットル四つ口フラスコに、ブチルセロソルブ110部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル100部を仕込み、130℃に加熱した。これに、スチレン340部、メタクリル酸メチル50部、アクリル酸ブチル40部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル50部、アクリル酸20部及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル3部を均一に溶解攪拌した混合液を2時間掛けて滴下し、その後140℃で2時間保温した。その後、80℃に冷却し、N,N−ジメチルアミノエタノールを40部加えて中和を行い、さらにイオン交換水を250部加えて水分散体(A)−5を得た。加熱残分50重量%、pH8.5、粘度1500mPa・s/25℃であった。
実施例1
酸化チタン(CR97、石原産業(株)製)10部、タルク50部、顔料分散剤(フローレンTG−750W、共栄社化学(株)製)8.0部、防錆顔料(リン酸亜鉛、菊地色素工業製)5部、消泡剤(BYK028、ビックケミージャパン(株)製)0.4部、ヌレ剤(ポリフローKL−260、共栄社化学(株)製)0.4部及びイオン交換水10.0部を混合し、その混合物にガラスビースを加えてペイントシェーカーで60分分散した。
このようにして得られた分散液に、製造例1で得られた水分散体(A)−1を固形分換算値で40.0部、カルボジイミド化合物(カルボジライトE−01、日清紡製)2.5部(水分散体(A)−1中の共重合体のカルボキシル基/カルボジイミド化合物のカルボジイミド基の比は、1.0/1.0)、増粘剤(SNシックナー634、サンノプコ(株)製)0.1部、25%アンモニア水0.2部、イオン交換水10部を加え、さらに、ポリイソシアネート(バイヒジュール3100、住化バイエルウレタン(株)製)をプロピレングリコールモノメチルエーテルで加熱残分75重量%に調整したものをOH基/NCO基当量で1.0/1.5になるように加えて、硬化性水性塗料用樹脂組成物(I)を得た。
実施例2
水分散体(A)−1に替えて水分散体(A)−2を用いること以外は実施例1と同様に操作して硬化性水性塗料用樹脂組成物(II)を得た。
実施例3
水分散体(A)−1に替えて水分散体(A)−3を用いること以外は実施例1と同様に操作して硬化性水性塗料用樹脂組成物(III)を得た。
実施例4
水分散体(A)−1に替えて水分散体(A)−4を用いること以外は実施例1と同様に操作して硬化性水性塗料用樹脂組成物(IV)を得た。
比較例1
カルボジイミド化合物を用いないこと以外は実施例1と同様に操作して硬化性水性塗料用樹脂組成物(V)を得た。
比較例2
カルボジイミド化合物を用いないこと以外は実施例3と同様に操作して硬化性水性塗料用樹脂組成物(VI)を得た。
比較例3
カルボジイミド化合物を用いないこと、ポリイソシアネート化合物を用いないこと以外は実施例1と同様に操作して硬化性水性塗料用樹脂組成物(VII)を得た。
比較例4
水分散体(A)−1に替えて水分散体(A)−5を用いること、カルボジイミド化合物を用いないこと、以外は実施例1と同様に操作して硬化性水性塗料用樹脂組成物(VIII)を得た。
(エナメル塗料の作製)
前記実施例及び比較例で得られた硬化性水性塗料用樹脂組成物プライマー塗料として用いる際に組み合わせて塗装されるエナメル塗料を、以下の手順で作製した。
アクリル樹脂(ヒタロイド3675、日立化成工業(株)製)100部、酸化チタン(CR97、石原産業(株)製)50部、顔料分散剤(BYK161、ビックケミージャパン(株)製)5部、表面調整剤(BYK355、ビックケミージャパン(株)製)0.2部及び酢酸ブチル20部を混合し、その混合物にガラスビースを加えてペイントシェーカーで60分分散した。
このようにして得られた分散液にポリイソシアネート(スミジュールN3300、住化バイエルウレタン(株)製)11部と酢酸ブチル35部を加えてエナメル塗料とした。
(試験板の作製例)
前記実施例及び比較例で得られた硬化性水性塗料用樹脂組成物をプライマー塗料として用い、化成処理が施されている処理鋼板(ボンデライト#144処理鋼板、パルテック社製、0.8t)及び化成処理が施されていない未処理鋼板(SPCC-SD鋼板、パルテック社製、0.8t)に乾燥膜厚が30〜40μmとなるようにスプレー塗装し、室温(20℃)で10分間放置後、70℃で30分間乾燥した。さらに、プライマー塗料の上にエナメル塗料を乾燥膜厚が30〜40μmとなるようにスプレー塗装し、室温(20℃)で10分間後、70℃で30分間乾燥した。得られた塗膜板の性能を以下に示す評価基準で評価した。
(密着性)
JIS K−5400のゴバン目試験方法に準拠して密着性の評価を行った。すなわち、塗膜上にナイフを用いて2mm又は1mm間隔で縦横各10本の線を引き、形成された100個のゴバン目を覆うようにセロファンテープを接着させた。テープを剥がしたときに、塗膜上に残存するゴバン目の数を計測し、下記基準に従って密着性を評価した。得られた結果を表1に示す。
基準:
○:100個のゴバン目の全てが残存している
△:60〜99個のゴバン目が残存している
×:59個以下のゴバン目が残存している
(耐水性:温水処理後の塗膜外観及び密着性の評価)
密着性の評価の場合と同様にして作製した塗膜板を、40℃の温水に168時間及び240時間浸漬させた。このようにして温水処理を行った塗膜板の塗膜外観を観察し、以下の基準に従って耐水性を評価した。得られた結果を表1に示す。
基準:
○:変化なし
△:わずかにブリスタリングあり
×:ブリスタリングあり
××:白化及びブリスタリングあり
また、温水処理後の塗膜板について、上記密着性の評価と同様にJIS K−5400のゴバン目試験方法に準拠して操作を行い(但し、線の間隔は2mmとする)、上記基準に従って密着性の評価を行った。
(塗膜硬度)
JIS K−5400の鉛筆引っかき試験方法に従い、塗膜のキズが認められない鉛筆の硬度記号で結果を示した。塗膜硬度の評価における鋼板は、化成処理が施されている処理鋼板(ボンデライト#144処理鋼板、パルテック社製、0.8t)を用いた。
Figure 2007314781
表1に示されるように、実施例1〜4の硬化性水性塗料用樹脂組成物を用いて得られた塗膜は、密着性、耐水性、塗膜硬度に優れていることが確認された。
これに対して、カルボジイミド基含有化合物を含有しない比較例1〜4の硬化性水性塗料用樹脂組成物を用いて得られた塗膜は、密着性、耐水性、塗膜硬度が不十分であった。

Claims (3)

  1. (a1)脂肪酸変性エポキシエステル樹脂及び(a2)ヒドロキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体、及びカルボキシル基と不飽和二重結合を有する重合性単量体を含む単量体混合物を有機溶剤の存在下で、共重合させて得られる共重合体を水中に分散して得られる水分散体(A)、
    水に分散可能なポリイソシアネート化合物(B)
    及びカルボジイミド基含有化合物(C)を含有してなることを特徴とする硬化性水性塗料用樹脂組成物。
  2. 前記水分散体(A)中の共重合体のヒドロキシル基価が30〜250mgKOH/g、酸価が5〜100mgKOH/g及び重量平均分子量が10,000〜300,000であることを特徴とする請求項1記載の硬化性水性塗料用樹脂組成物。
  3. 前記カルボジイミド基含有化合物の配合量は、前記水分散体(A)の不揮発固形分に対し、該カルボジイミド基含有化合物の不揮発固形分で1〜20重量%であることを特徴とする請求項1又は請求項2記載の硬化性水性塗料用樹脂組成物。
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