JP2002012797A - 活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物、該組成物の硬化塗膜を有する塗装金属材料、製造方法および塗装金属材料の接合方法 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物、該組成物の硬化塗膜を有する塗装金属材料、製造方法および塗装金属材料の接合方法

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JP2002012797A JP2001122646A JP2001122646A JP2002012797A JP 2002012797 A JP2002012797 A JP 2002012797A JP 2001122646 A JP2001122646 A JP 2001122646A JP 2001122646 A JP2001122646 A JP 2001122646A JP 2002012797 A JP2002012797 A JP 2002012797A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐溶剤性および密着性に優れた活性エネルギ
ー線硬化性水性塗料組成物、該組成物の硬化塗膜を有す
る塗装金属材料、該塗装金属材料の製造方法および接合
方法を提供する。 【解決手段】 第一に、化学的に結合した燐酸エステル
基およびエチレン性不飽和二重結合を有する水性樹脂、
および/または、エチレン性不飽和二重結合を有する燐
酸エステル化合物およびエチレン性不飽和二重結合を有
する水性樹脂を含有することを特徴とする活性エネルギ
ー線硬化性水性塗料組成物を提供する。第二に、活性エ
ネルギー線硬化塗膜を有する塗装金属材料であって、該
硬化塗膜が、水性樹脂に化学的に結合した燐酸エステル
基を有し、硬化塗膜厚が3μm以下である塗装金属材
料、第三に、該塗装金属材料の製造方法、第四に、該硬
化塗膜を有した状態で溶接によって接合する塗装金属材
料の接合方法を提供する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、密着性、耐溶剤性
に優れる活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物、金属
材料表面に対する密着性に優れ、かつ耐溶剤性に優れる
硬化塗膜を有する塗装金属材料およびその製造方法、さ
らに、硬化塗膜を有する塗装金属材料の接合方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から塗料・コーティングにおいて
は、塗装・印刷といった塗工工程に適した塗工粘度を得
るために、溶剤で希釈する溶剤型が主流であるが、有機
溶剤を使用することは、安全衛生性や作業環境の面で問
題がある。また無溶剤型塗料の場合は、溶剤の乾燥工程
は不必要となるが、塗工粘度を得るために塗料の加熱を
必要とする場合があり、添加する希釈単量体の皮膚毒
性、臭気など、溶剤型と同様に問題点が残る。しかも、
塗工粘度の制限から高分子材料を利用することができ
ず、このため被膜の化学的・物理的性能を上げることが
容易ではない。
【0003】特に成形金属材料、金属板等の表面保護に
用いられる、金属被覆用塗料には、安全性、環境調和性
はもとより、被膜硬度等の一般に求められる性能ととも
に、金属被覆用途特有の、高度な、密着性、耐溶剤性、
さらに後加工に於ける溶接工程において、塗装された保
護被膜を除去することなく直接の溶接を可能にする性能
が求められる。
【0004】これらの問題等を解決するため、近年、水
性化の研究開発が盛んに行われている。樹脂の水系媒体
への分散もしくは溶解は、分散剤あるいは乳化剤を用い
るか、または、内部に局在する分散性基、乳化性基、ま
たは溶解性基(イオン性官能基あるいは非イオン性官能
基)の作用により達成されており、後者の自己乳化型あ
るいは自己溶解型樹脂の方が比較的優れた性能を確保し
ている。しかし、分子内に自己乳化を可能にするだけ充
分の水溶性官能基を導入する必要があるため、必然的に
耐水性と乳化性とのバランスをとる必要が生じ、耐沸騰
水性や耐溶剤性などの塗膜物性が不十分となる。
【0005】熱硬化型の組成物では、密着性を改善する
方法として水性アクリル樹脂と水性アミノ樹脂へ、エポ
キシ樹脂と燐酸、あるいはエポキシ樹脂と燐酸エステル
とカルボン酸との反応物を添加することが、特開昭61
−83262号公報、 特公平2−41555号公報、
特開平5−320568号公報等に開示されている。こ
れらは優れた密着性を有するが、数ミクロンの薄い塗膜
においては、耐溶剤性、密着性、加工性を満足させるも
のではない。種々の方策が提案されているが、現在に至
るまで、金属材料、殊に、金属板表面に塗布した数ミク
ロンの薄膜塗膜の中には、密着性に優れ、高度の加工性
に耐え、しかも耐溶剤性、特に極性溶剤に強いものは無
い。
【0006】活性エネルギー線硬化性の水性塗料組成物
は、有機溶剤を用いない環境調和型の塗料として、近年
盛んに研究がなされている。塗膜形成成分を構成する基
本成分である樹脂系として、ポリウレタン樹脂、アクリ
ル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂等が知られて
いる。アクリル樹脂は主鎖に炭素−炭素結合を有してい
るため一般に耐薬品性等に優れるが、高度の加工性を得
るのが難しい。ポリエステル樹脂は主鎖のエステル結合
が柔軟で加工性が得られるが、耐酸、耐アルカリ等の耐
薬品性に弱い。また、エポキシ樹脂は密着性、耐薬品性
等に優れるが、高度の加工性と耐溶剤性のバランスを取
ることが難しい等の一長一短がある。ポリウレタン系樹
脂は原料イソシアネートの反応によって、生成するウレ
タン結合や尿素結合は水素結合を作りやすく粘度が高く
なる欠点がある。しかし、イソシアネート基の高い反応
性を利用して機能性、性能のバランスを取るのが容易で
ある点や、ウレタン結合が分子内にあるため、その塗膜
は水素結合を介して、分子同士が絡み合い、擬似高分子
として働くため加工性、密着性に優れる。
【0007】たとえば、塗膜形成性に特に優れるポリウ
レタン樹脂系の活性エネルギー線硬化性水性組成物とし
て、特開平8−259888号公報記載の発明は、水と
水に分散した活性エネルギー線硬化性マイクロゲル粒子
からなる水性分散体を提供している。前記マイクロゲル
粒子は、ポリウレタン樹脂と該樹脂相互間をウレタン結
合または尿素結合を介して架橋した架橋構造とからなる
ゲル状態の被膜形成性ポリウレタン樹脂粒子であり、該
樹脂粒子が活性エネルギー線硬化性エチレン性不飽和二
重結合と塩の基とを有している。この中において、被膜
形成性ポリウレタン樹脂粒子内部に、他の活性エネルギ
ー線硬化性化合物や、活性エネルギー線硬化反応の開始
剤を1〜50%含有することができるとしており、こう
した活性エネルギー線硬化性マイクロゲル粒子を用いる
ことに依って、水性で充分な加工性、耐溶剤性に優れる
塗膜が得られるとしている。
【0008】また、特開平9−31150号公報には、
(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物の二重
結合に、活性水素を有するヒドロキシル化合物をマイケ
ル付加させてなる生成物と、酸性基を有するポリヒドロ
キシ化合物およびポリイソシアネート化合物を必須成分
として反応させたものである活性エネルギー線硬化性水
性ポリウレタン樹脂組成物が、高架橋度の塗膜が得られ
る組成物として開示されている。また、 従来、一般に
活性エネルギー線硬化性組成物には硬化性に優れるアク
リロイル基を有する組成物が使われているが、特開平1
0−251360号公報には、メタクロイル基を持つ活
性エネルギー線硬化性水性ポリウレタン組成物が、密着
性、耐薬品性、表面硬度、耐熱黄変性に優れ、塗料、コ
ーティング、インキ用に用いられることが開示されてい
る。
【0009】また、特開平10−251361号公報に
は、活性エネルギー線硬化性マイクロゲル粒子と活性エ
ネルギー線硬化性水性ポリウレタン樹脂を混合すること
により優れた密着性と耐溶剤性、加工性および塗工適性
が得られると記載されている。
【0010】こうした活性エネルギー線硬化性水性ポリ
ウレタン樹脂組成物はプラスチックフィルム、木質建
材、建材化粧紙等の有機材料、金属材料やガラス等の無
機材料の何れにも密着性が優れ、耐溶剤性にも優れ、塗
料、コーティング剤、インキ等の用途に用いられてい
る。これらは何れも、活性エネルギー線硬化性エチレン
性不飽和二重結合と塩の基とを併せ有する水性ポリウレ
タン樹脂を含有する活性エネルギー線硬化性水性組成物
であるが、その塗膜は活性エネルギー線によって硬化
し、アクリロイル基濃度が高く、架橋度が高いほど耐溶
剤性は高くなる。しかしながら、架橋度が上がるほど、
密着性およびそれに伴う加工性が低下する欠点がある。
また、耐溶剤性においても、水性化するため塩の基や極
性基を導入する必要があり、化学組成自身の極性が高く
なり、こうした組成物の架橋度を相当上げても、特にエ
タノール等の極性溶剤に対する耐性を得るのは困難であ
る。
【0011】耐溶剤性を得るために架橋度を上げてしま
うと、さらに過酷な態様、たとえば、金属板を成形する
絞り加工のような高度の加工性と密着性を必要とする用
途には対応できない。
【0012】エマルジョンタイプの組成物としては、特
開平10−298213号公報では、エマルジョンの安
定化と基材への密着性の良い組成物として、重合性二重
結合を有し、かつカルボキシル基、燐酸エステル基、カ
ルボン酸塩基、燐酸エステル塩基等のアニオン性親水基
を含有する活性エネルギー線硬化性乳化剤を含む活性エ
ネルギー線硬化性エマルジョンを提唱している。しか
し、得られるエマルジョンタイプの組成物は塗膜形成の
時に分子レベルで均質化せず、どうしても成分の局在化
が起き、塗膜の表面平滑性、光沢といった塗膜表面の物
性ばかりでなく、耐溶剤性、耐薬品性に劣る。さらには
ニュートン流動にならないために、均質な水溶性タイプ
に比べ、塗料にした場合ロール塗工等の塗工適性に劣
る。
【0013】塗装金属材料を溶接加工する際、接合部位
の塗膜が厚いと、電気抵抗が大きく、電圧降下が大きく
なる。そのため、溶接に必要な印加電圧を高くしなけれ
ばならない。従来の塗料を使用した場合であっても、塗
膜厚を数ミクロン以下にすれば、前記電圧降下の問題は
なくなるが、反面、塗膜の耐溶剤性、金属材料表面との
密着性が極度に低下し、その結果、塗装金属材料の後工
程における加工性が悪化する。
【0014】現在に至るまで、上記欠点を改善するため
の種々の方策が提案されているが、活性エネルギー線硬
化性水性塗料組成物で、これを使用して金属材料表面上
に数ミクロン以下の薄膜を形成した場合に、密着性、耐
溶剤性を兼ね備えた塗膜を形成できる塗料組成物は得ら
れていない。また、金属材料表面の接合部位に、薄膜で
密着性、耐溶剤性を兼ね備えた塗膜を有した状態で溶接
することが可能な塗装金属材料も知られていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、薄膜
で密着性、耐溶剤性、特に耐エタノール性を兼ね備えた
塗膜を得るための活性エネルギー線硬化性水性塗料組成
物を提供することにある。また、本発明の課題は、薄膜
で密着性、耐溶剤性、特に耐エタノール性を兼ね備えた
塗膜を有する塗装金属材料およびその製造方法を提供す
ることにある。また、本発明の課題は、塗装金属材料を
その塗膜を有した状態で、溶接によって接合する方法を
提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意検討
の結果、特定の燐酸エステル基を有する水性樹脂、特定
の燐酸エステル化合物および特定の水性樹脂を含有する
活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物が上記課題を解
決することを見出し本発明に至った。
【0017】すなわち、本発明は、第一に、化学的に結
合した燐酸エステル基およびエチレン性不飽和二重結合
を有する水性樹脂{以下、水性樹脂(I)}、および/
または、エチレン性不飽和二重結合を有する水性樹脂
{以下、水性樹脂(II)}およびエチレン性不飽和二
重結合を有する燐酸エステル化合物{以下、燐酸エステ
ル化合物(III)}を含有する活性エネルギー線硬化
性水性塗料組成物を提供する。
【0018】本発明は、第二に、金属材料表面上に活性
エネルギー線硬化塗膜を有する塗装金属材料であって、
該硬化塗膜が、水性樹脂に化学的に結合した燐酸エステ
ル基を有し、硬化塗膜厚が3μm以下である塗装金属材
料を提供する。
【0019】本発明は、第三に、金属材料上に活性エネ
ルギー線硬化塗膜を有する塗装金属材料の製造方法であ
って、金属材料上に、水性樹脂(I)、および/また
は、燐酸エステル化合物(III)および水性樹脂(I
I)を含有する水性塗料組成物を、硬化塗膜厚が3μm
以下に塗布する工程および活性エネルギー線で該塗膜を
硬化させる工程を含む塗装金属材料の製造方法を提供す
る。
【0020】本発明は、第四に、金属材料表面上に活性
エネルギー線硬化塗膜を有する塗装金属材料の接合方法
であって、該硬化塗膜が、水性樹脂に化学的に結合した
燐酸エステル基を有し、硬化塗膜厚が3μm以下である
塗装金属材料を、該硬化塗膜を有した状態で溶接によっ
て接合する塗装金属材料の接合方法を提供する。
【0021】これらにより、(1)耐溶剤性、金属材料
表面に対する密着性に優れた活性エネルギー線硬化性水
性塗料組成物、(2)金属材料表面に、乾燥膜厚が3μ
m以下である、耐溶剤性、該金属材料との密着性に優れ
た硬化塗膜を有する塗装金属材料、(3)該塗装金属材
料の製造方法、(4)該塗装金属材料表面の硬化塗膜を
除去することなく、すなわち厚さが3μm以下の該硬化
塗膜を有した状態で、溶接によって接合する塗装金属材
料の接合方法を提供することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】第一に、本発明の活性エネルギー
線硬化性水性塗料組成物について詳細に説明する。本発
明の活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物は、水性樹
脂(I)、および/または、水性樹脂(II)および燐
酸エステル化合物(III)を含有する。ここで、活性
エネルギー線とは、紫外線、可視光、電子線、X線等の
エネルギー線を云う。
【0023】本発明の活性エネルギー線硬化性水性塗料
組成物に用いる、水性樹脂(I)、または水性樹脂(I
I)は、水に溶解させた、水に分散した、水に分散可能
な、または水希釈性を保持した水性樹脂である。該水性
樹脂としては、たとえば、分子中の塩の基を中和して、
分子同士のイオンの反発を強めることによって水中に分
子レベルの微小な粒子に分散した水性樹脂、または、塩
の基を中和した分子を含む粒子同士がイオンの反発によ
って水に自己分散した樹脂粒子であって、水に分散可能
な状態、水に分散した状態、あるいは水と必要に応じて
有機溶剤を混合した溶剤に分散した状態の樹脂を挙げる
ことができる。このような水性樹脂の具体例が、たとえ
ば、特開平10−251360号公報、特開平10−2
51361号公報、特開平8−259888号公報、あ
るいは特開平9−31150号公報に開示されている。
【0024】樹脂の種類としては、水性ポリウレタン樹
脂、水性アクリル樹脂、水性ポリエステル樹脂、水性エ
ポキシ樹脂等が挙げられる。これらの水性樹脂にエチレ
ン性不飽和二重結合を導入するために使用する化合物と
して好ましいのは、エステルのα、β位に二重結合を持
つ(メタ)アクリル酸エステルや、イタコン酸のモノエ
ステル、ジエステル、あるいはビニルエーテル類、マレ
イン酸、フマル酸等の不飽和ジカルボン酸類、およびそ
のモノエステルあるいはジエステル類である。水性樹脂
(I)、あるいは水性樹脂(II)としては、被膜を形
成したときに可撓性に富み、金属材料表面との密着性に
優れる水性ポリウレタン樹脂を使用するのが好ましい。
【0025】本発明の活性エネルギー線硬化性水性塗料
組成物の硬化塗膜は、塗膜中の水性樹脂が架橋し、かつ
該樹脂には燐酸エステル基が化学的に結合された構造を
とる。水性樹脂(I)であれば、これを単独で使用して
も上記構造をとり得る。これに対して、水性樹脂(I
I)を単独で使用した場合は、構造中に燐酸エステル基
が存在しないこととなり、また燐酸エステル化合物(I
II)を単独で使用した場合は、塗膜形成能が低く塗膜
としての機能に劣る。したがって、水性樹脂(II)と
燐酸エステル化合物(III)は、それぞれを混合し
て、あるいは水性樹脂(I)と混合して使用する。水性
樹脂(I)、水性樹脂(II)、燐酸エステル化合物
(III)は、いずれも分子中にエチレン性不飽和二重
結合を有しているので、2種類以上を混合した場合は、
どの組合せであっても上記構造をとり得ることとなる。
該水性塗料組成物中の不揮発分に対する燐酸エステル基
の含有率は、高い密着性および耐溶剤性を得るために
は、燐原子換算で0.1〜10.0質量%が好ましく、
さらに好ましくは0.2〜5質量%である。
【0026】本発明の活性エネルギー線硬化性水性塗料
組成物に用いる溶剤としては、水の他に、水性樹脂
(I)、水性樹脂(II)、燐酸エステル化合物(II
I)を溶解し得る有機溶剤を任意に選ぶことができる
が、活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物中の有機溶
剤の含有量は、安全性、衛生性あるいは、環境汚染を少
なくする意味から、5質量%以下が好ましい。
【0027】本発明の活性エネルギー線硬化性水性塗料
組成物に用いる、燐酸エステル化合物(III)は、一
分子中に一個以上の、エチレン性不飽和二重結合を有す
る化合物であり、たとえば、同一分子中にエチレン性不
飽和二重結合を有する燐酸アルキルエステル、燐酸アリ
ルエステル、燐酸アラルキルエステル等が例示される。
さらに具体的には、下記一般式(1)で表される燐酸
(メタ)アクリレート、すなわち、燐酸モノエステル、
燐酸ジエステルと、アルキルモノグリシジルエーテル
類、アルキルグリシジルエステルまたはポリエポキシ化
合物との反応物、グリシジルメタクリレート等のエポキ
シ基とエチレン性不飽和二重結合を併せ有する化合物と
燐酸あるいは燐酸モノエステル、燐酸ジエステル等との
反応物、あるいは下記一般式(2)で表される燐酸ポリ
エーテル(メタ)アクリレートを挙げることができる。
特に好ましいのは、一般式(1)で表される燐酸(メ
タ)アクリレートである。
【0028】
【化2】
【0029】
【化3】
【0030】一般式(1)で表される燐酸(メタ)アク
リレートは、たとえば燐酸と2−ヒドロキシエチルアク
リレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを脱水
縮合して得られる化合物、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、2−ヒドロキシエチルメタクリレートにε−カ
プロラクトンを開環付加して得られる化合物と燐酸の脱
水縮合物等を代表として挙げることができる。
【0031】一般式(2)で表される燐酸ポリエーテル
(メタ)アクリレートは、たとえば、アクリル酸、メタ
クリル酸、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒ
ドロキシエチルメタクリレート等へのエチレンオキサイ
ド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン等の付
加物と燐酸とを脱水縮合して得られる化合物を代表とし
て挙げることができる。
【0032】燐酸エステル化合物(III)とエチレン
性不飽和二重結合と塩の基を併せ有する水性樹脂(I
I)を含有する活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物
は、上記した燐酸エステル化合物(III)を、水、親
水性有機溶剤、あるいはそれらの混合溶剤に溶解または
分散可能な、エチレン性不飽和二重結合と塩の基を併せ
有する水性樹脂(II)と混合することによって得られ
る。上記した、燐酸エステル化合物(III)は、白
濁、沈殿のない保存安定性の良い活性エネルギー線硬化
性水性塗料組成物を得るために、塩基性化合物で中和す
ることが好ましい。
【0033】水性樹脂に化学的に結合した燐酸エステル
基は、燐酸モノエステル、燐酸ジエステル、燐酸トリエ
ステルで良い。水性樹脂と結合していない側は水素、ア
ルキルエステル、アリルエステル、アラルキルエステル
などが挙げられる。水性樹脂(II)への燐酸エステル
基の導入は、たとえば、水性樹脂(II)がアクリル樹
脂の場合、燐酸(メタ)アクリレートを他のアクリル単
量体類と共重合させることで、アクリル樹脂に、化学的
に結合した燐酸エステル基を導入することができる。水
性樹脂(II)がエポキシ樹脂の場合、エポキシ基に燐
酸エステルまたは燐酸を反応させることで、エポキシ樹
脂に化学的に結合した燐酸エステル基を導入することが
できる。水性樹脂(II)がポリエステル樹脂、ポリウ
レタン樹脂の場合は、それぞれの水酸基に五酸化二燐を
反応させて、ポリエステル樹脂、あるいはポリウレタン
樹脂に化学的に結合した燐酸エステル基を導入すること
ができる。燐酸エステル基を導入する前、あるいは後に
それぞれの樹脂に公知の方法でエチレン性不飽和二重結
合を導入することによって、水性樹脂(I)が得られ
る。
【0034】前記活性エネルギー線硬化性水性塗料組成
物中の燐酸エステル基はその一部または全部を塩基性化
合物によって中和して用いることができる。
【0035】前記した、本発明の活性エネルギー線硬化
性水性塗料組成物には、水性樹脂(I)、および/また
は、水性樹脂(II)および燐酸エステル化合物(II
I)に、さらに公知慣用のシランカップリング剤を添加
することにより、金属材料表面上に該活性エネルギー線
硬化性水性塗料組成物を塗布して形成した硬化塗膜と、
該金属材料表面との、なお一層高い密着力を得ることが
できる。
【0036】前記した、本発明の活性エネルギー線硬化
性水性塗料組成物には、水性樹脂(I)、水性樹脂(I
I)および燐酸エステル化合物(III)、またはシラ
ンカップリング剤に、さらに必要に応じて、活性エネル
ギー線硬化性単量体、活性エネルギー線硬化性オリゴマ
ー、公知の活性エネルギー線硬化用重合開始剤、公知の
樹脂組成物、アミノプラスト、希釈剤、界面活性剤、可
塑剤、ワックス、加水分解防止剤、乳化剤、レベリング
剤、消泡剤、抗酸化剤、抗菌剤等、添加剤、助剤等を混
合することができる。さらに必要に応じてシリカ粉末、
アルミナ等の無機粉末、あるいは公知の染料、顔料等の
着色料、防錆剤、防錆顔料を混合することができる。
【0037】(ポリウレタン樹脂)エチレン性不飽和二
重結合を有する水性ポリウレタン樹脂{以下、水性ポリ
ウレタン樹脂(II−U)}としては、エチレン性不飽
和二重結合と塩の基を併せ有し、水に溶解あるいは分散
してなる水性ポリウレタン樹脂を代表として挙げること
ができる。水性ポリウレタン樹脂(II−U)の代表的
な製造方法として、まず、塩の基を有する化合物類
(a)と、2官能以上のポリイソシアネート化合物類
(b)と、ポリオール化合物類(c)とをイソシアネー
ト基が過剰になるように配合してイソシアネート基末端
ポリウレタンプレ重合体を得る。次いで、このイソシア
ネート基末端ポリウレタンプレ重合体に、水酸基1〜2
個とエチレン性不飽和二重結合を1個以上有する活性エ
ネルギー線硬化性化合物類(d)を反応させて、末端が
エチレン性不飽和二重結合またはイソシアネート基であ
る、活性エネルギー線硬化性エチレン性不飽和二重結合
と塩の基を有するポリウレタンプレ重合体を得ることが
できる。次いで、この活性エネルギー線硬化性エチレン
性不飽和二重結合と塩の基を有するポリウレタンプレ重
合体中の塩の基を50℃以下で中和し、イオン化した中
和溶液を水中に分散し、水・有機溶剤混合溶液を調製す
る。その後、必要に応じて、水あるいは有機溶剤に溶解
させた架橋剤(e)を30℃以下で添加する。架橋剤
(e)を用いて架橋あるいは鎖延長させる別の方法とし
ては、架橋剤(e)をあらかじめ水相に溶解し、次いで
イオン化した中和溶液を水中に分散し、水・有機溶剤混
合溶液を調製する。最後に、水・有機溶剤混合溶液から
有機溶剤を減圧留去することによって、活性エネルギー
線硬化性を有する水性ポリウレタン樹脂(II−U)を
得ることができる。
【0038】上記2官能以上のポリイソシアネート化合
物類(b)の一部または全部をジシクロヘキシルメタン
−4,4’−ジイソシアネート(以下、水添MDI)を
使用することで、水添MDIを用いた水性ポリウレタン
樹脂{以下、水性ポリウレタン樹脂(II−U−H)}
が得られ、特に、耐溶剤性の観点で好ましく用いられ
る。水添MDIの全ポリイソシアネートに対する配合比
率は、25質量%以上であることが好ましい。
【0039】化学的に結合した燐酸エステル基およびエ
チレン性不飽和二重結合を有する水性ポリウレタン樹脂
{以下、水性ポリウレタン樹脂(I−U)}は、水性ポ
リウレタン樹脂(II−U)に関する上記説明箇所に記
載した、塩の基を有する化合物類(a)とポリオール化
合物類(c)の一部を、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテ
ル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、
1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル等のジ
グリシジルエーテル類1モルに一般式(1)で表される
燐酸(メタ)アクリレートを2モル付加した反応物に置
き換えることで得ることができる。さらに、該水性ポリ
ウレタン樹脂(I−U)、水性ポリウレタン樹脂(II
−U)および水性ポリウレタン樹脂(II−U−H)の
エチレン性不飽和二重結合濃度は1〜5当量/kgであ
ることが好ましい。
【0040】水酸基とイソシアネート基の反応は、無溶
媒で、あるいはイソシアネート基と反応しない溶媒中
で、20〜120℃の範囲内において行うことができ
る。またこの時、公知の重合禁止剤、反応触媒を適当量
任意に添加することができる。水酸基とイソシアネート
基の反応終了後、必要に応じて、公知の活性エネルギー
線硬化性樹脂、活性エネルギー線硬化用重合開始剤、活
性エネルギー線硬化性単量体、活性エネルギー線硬化性
オリゴマー、公知の樹脂化合物、アミノプラスト、希釈
剤、界面活性剤、可塑剤、ワックス、加水分解防止剤、
乳化剤、レベリング剤、消泡剤、抗酸化剤、抗菌剤等の
各種樹脂、添加剤、助剤等を混合することができる。
【0041】これらの添加剤は、塗料組成物を調製する
際に添加することもできるが、 特開平8−25988
8号公報に開示されているように、本発明に用いる水性
樹脂を調製する際に、水に転相する前の段階で導入する
ことにより非水溶性化合物でも容易に混合することがで
きる。
【0042】前記した、塩の基、すなわち、塩を形成し
得る基を有する化合物類(a)において、塩の基として
は、たとえば、リン酸エステル基、スルホン酸基、N,
N−ジ置換アミノ基、カルボキシル基、あるいは、中和
されたリン酸エステル基、中和されたスルホン酸基、中
和されたN,N−ジ置換アミノ基、中和されたカルボキ
シル基等の何れかを有するジオール類、およびジアミン
類が適する。具体的例としては、トリメチロールプロパ
ンモノリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノ硫
酸エステル、二塩基酸成分の少なくとも一部がナトリウ
ムスルホ琥珀酸、あるいはナトリウムスルホイソフタル
酸であるポリエステルジオール、N−メチルジエタノー
ルアミン、ジアミノカルボン酸類、たとえば、リシン、
シスチンおよび3,5−ジアミノカルボン酸、2,6−
ジヒドロキシ安息香酸ならびに3,5ジヒドロキシ安息
香酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン
酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、
2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、ビ
ス(ヒドロキシメチル)酢酸、2,2−ビス(ヒドロキ
シメチル)ブタン酸等のジヒドロキシアルキルアルカン
酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビ
ス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、
N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス
(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオ
ンアミド、あるいは、ジヒドロキシアルキルアルカン酸
にε−カプロラクトン等のラクトン化合物を付加させた
カルボキシル基含有ポリカプロラクトンジオール等が挙
げられる。また、相溶性向上のため、オキシエチレンの
繰り返し単位が3以上の親水性分子鎖を有するポリエチ
レングリコールを塩の基を有する化合物と併用すること
ができる。
【0043】塩の基の必要量は、配合成分の種類と組成
比に応じて適宜決定することができる。前記した例の中
でも塩の基を有するものとして特に好ましいものは、分
子中にカルボキシル基、スルホン酸塩基から選ばれる何
れか一種あるいは二種を併せ有するか、またはこれらを
有するものの混合物である。とりわけカルボキシル基を
導入するのが種々の点でバランスが取り易く好ましい。
水性ポリウレタン樹脂(II−U)および水性ポリウレ
タン樹脂(II−U−H)の酸価は、20〜100KO
Hmg/gの範囲が好ましく、25〜60KOHmg/
gの範囲がより好ましい。
【0044】前記した、2官能以上のポリイソシアネー
ト化合物類(b)としては、たとえば、1,6ヘキサメ
チレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキ
サメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート
等の脂肪族ジイソシアネート、前記脂肪族ジイソシアネ
ートの三量体、低分子トリオールと前記脂肪族イソシア
ネートのアダクト体等の脂肪族ポリイソシアネート、あ
るいはイソホロンジイソシアネート、水添MDI、水添
トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジ
イソシアネート、イソプロピリデンシクロヘキシル−
4,4’−ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシア
ネート等の脂環族ジイソシアネート、前記脂環族ジイソ
シアネートの三量体、低分子トリオールと前記脂環族イ
ソシアネートのアダクト体等の脂環族ポリイソシアネー
ト、あるいはキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪
族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートの三
量体、低分子トリオールと前記芳香脂肪族イソシアネー
トのアダクト体等の芳香脂環族ポリイソシアネート、あ
るいは4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、
トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネー
ト、トリフェニルメタントリイソシアネート、前記芳香
族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記
芳香族イソシアネートのアダクト体等の芳香族ポリイソ
シアネート、ポリメチレンポリフェニルイソシアネート
等の3官能以上のポリイソシアネート、あるいはコスモ
ネートLL(三井化学(株)製:カルボジイミド化した
4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと4,
4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物)、
あるいは、カルボジライトV−05(日清紡(株)製:
ポリカルボジイミド基を有する末端脂肪族ポリイソシア
ネート化合物)等のカルボジイミド基を有するポリイソ
シアネート化合物類等が挙げられ、上記した二種類以上
のポリイソシアネート化合物を混合して用いることがで
きる。
【0045】前記した、ポリオール化合物類(c)とし
ては、たとえば、エチレングリコール、プロピレングリ
コール、ジエチレングリコール、シクロヘキサン−1,
4−ジメタノール、1,3−ブチレングリコール、1,
4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、
1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペン
タンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオー
ル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオー
ル、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−
ノナンジオール、シクロヘキシルジメタノール、ビスフ
ェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノール
A、水添ビスフェノールF、ひまし油変性ジオール、ひ
まし油変性ポリオール等を挙げることができる。
【0046】さらに、高分子ポリオールとしてはポリエ
ステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリ
エーテルポリオール等を好ましい高分子ポリオール類と
して挙げることができる。分子量については特に好まし
い範囲として数平均分子量500〜5000の範囲のも
のが挙げられる。
【0047】ポリエステルポリオールとしては、前記し
たポリオール類の他、エチルグリシジルエーテル、メチ
ルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、2
−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシ
ジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリル
グリシジルエーテル等のアルキルモノグリシジルエーテ
ル類、あるいは、アルキルグリシジルエステル(製品名
カージュラE10:シェルジャパン製)等から選ばれる
1種以上のモノエポキシ化合物と、アジピン酸、アゼラ
イン酸、セバチン酸、ダイマー酸等の脂肪族二塩基酸、
または無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無
水トリメリット酸等の芳香族多塩基酸またはその無水
物、または無水ヒドロフタル酸、ジメチル−1,4−シ
クロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多塩基酸またはそ
の無水物等から選ばれる1種以上の多塩基酸あるいは酸
無水物{以下、多塩基酸(f)}との付加反応よって得
られるポリオールが、さらに上記多塩基酸(f)と縮合
反応することによって得られるポリエステルポリオール
が挙げられる。これらの他にも、ε−カプロラクトン、
β−メチル−δ−バレロラクトンの開環重合によって得
られるポリエステルポリオールが挙げられる。
【0048】前記ポリカーボネートポリオール類の例と
しては、1,6−ヘキサンジオールを原料とするヘキサ
メチレン系ポリカーボネートポリオール、1,4−ブチ
レングリコールからなるポリカーボネートジオール、ネ
オペンチルグリコールからなるポリカーボネートジオー
ル、3−メチル−1,5−ペンタンジオールからなるポ
リカーボネートジオール、1,9−ノナンジオールから
なるポリカーボネートジオールが挙げられる。
【0049】さらに、前記ポリエーテルポリオールとし
ては、具体的には、ポリエチレングリコール、ポリプロ
ピレングリコールおよびポリテトラメチレングリコール
等のポリアルキレングリコールが挙げられる。
【0050】前記した、水酸基1〜2個とエチレン性不
飽和二重結合を1個以上有する化合物類(d)として
は、たとえば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のモノヒドロ
キシモノ(メタ)アクリレートあるいは、グリセリンジ
(メタ)アクリレート、ライトエステルG−201P
(共栄社化学製)の如きモノヒドロキシアクリルメタク
リレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等の
モノヒドロキシトリアクリレート、ジペンタエリスリト
ールペンタアクリレート等のモノヒドロキシペンタアク
リレート類や、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等
のジヒドロキシモノ(メタ)アクリレート、およびこれ
らにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テト
ラヒドロフランあるいはεカプロラクトンを付加重合し
た化合物等が挙げられる。
【0051】さらには、トリメチロールプロパントリア
クリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレー
ト、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等の多
官能アクリレートと、ジエタノールアミン、ジイソプロ
パノールアミン、ジプロパノールアミン、ジブタノール
アミン等のジアルカノールアミンあるいは、メチルエタ
ノールアミン、エチルエタノールアミン、メチルプロパ
ノールアミン等のモノアルキルモノアルカノールアミン
とをマイケル付加反応した生成物が挙げられる。また、
イソホロンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト等の反応性の異なる二つのイソシアネート基を持つジ
イソシアネート類と、モノヒドロキシモノアクリレー
ト、モノヒドロキシジ(メタ)アクリレート等との反応
によって得られるハーフウレタンが挙げられる。あるい
はメタクリルイソシアネートと、上記ジアルカノールア
ミン類あるいは、上記モノアルキルモノアルカノールア
ミン類とを反応させて得られる生成物も挙げることがで
きる。
【0052】水性樹脂にエチレン性不飽和二重結合を有
する基を導入する反応、あるいはエチレン性不飽和二重
結合を有する基を導入後のその他の反応時においても、
ハイドロキノン、ターシャリーブチルハイドロキノン、
メトキノン等の重合禁止剤を用いることが望ましい。
【0053】水性ポリウレタン樹脂(I−U)、水性ポ
リウレタン樹脂(II−U)を製造する際には、必要に
応じて従来公知のウレタン化触媒、たとえば、ジラウリ
ン酸ジブチル錫、オクチル酸第一錫、トリエチルアミ
ン、N,N−ジメチルベンジルアミン、水酸化ナトリウ
ム、ジエチル亜鉛テトラ(n−ブトキシ)チタン等を用
いる。また反応溶媒としては、イソシアネート基に対し
て不活性な有機溶媒中で反応させることが好ましく、た
とえば、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル、
ジオキサン、アセトニトリル、テトラヒドロフラン、ベ
ンゼン、トルエン、キシレン、モノグライム、ジグライ
ム、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等が
挙げられる。これらは、単独あるいは混合して用いるこ
とができる。
【0054】前記した、架橋剤(e)としては、たとえ
ば、エチレンジアミン、ピペラジン、N−アミノエチル
ピペラジン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ジ
エチルトリアミン、トリエチルテトラミン、またはテト
ラエチレンペンタミン等の脂肪族アミン、シクロヘキシ
レンジアミン、イソホロンジアミン、ノルボルナンジア
ミノメチル等の脂環族アミン、トリレンジアミン、キシ
レンジアミン、フェニレンジアミン、トリス(2−アミ
ノエチル)アミン、2,6−ジアミノピリジン等の芳香
族アミン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ
−ジアミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(ア
ミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラ
ン、または、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプ
ロピルメチルジメトキシシラン等のアミノシランが挙げ
られる。さらにケチミン化合物としては、上記例示のジ
アミン、トリアミンの1級アミンとイソブチルケトンと
の間で脱水生成されたケチミン化合物が挙げられる。
【0055】前記した、塩の基、燐酸エステル基、ある
いは、燐酸エステル化合物(III)、一般式(1)で
表される燐酸(メタ)アクリレートを中和する塩基性の
化合物(g)としては、トリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリアルキルアミン類、ジメチルモノエタノー
ルアミン、ジエチルエタノールアミン、ジエタノールモ
ノメチルアミン等のアルキルアルカノールアミン類、ジ
メチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエ
チルメタクリレート等の塩基性ビニル単量体を挙げるこ
とができる。
【0056】(アクリル樹脂)本発明の活性エネルギー
線硬化性水性塗料組成物に用いる水性アクリル樹脂と
は、(メタ)アクリル酸あるいはそのエステル等のアク
リル単量体を必須成分とした水性樹脂をいい、ビニルエ
ーテル、スチレン、無水マレイン酸等の不飽和二塩基酸
あるいはそのエステル等との共重合体であってもよい。
【0057】化学的に結合した燐酸エステル基およびエ
チレン性不飽和二重結合を有する水性アクリル樹脂{以
下、水性アクリル樹脂(I−A)}を得る代表的な方法
としては、以下の方法が挙げられる。一般式(1)で表
される燐酸(メタ)アクリレートと(メタ)アクリル酸
を必須成分として、(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル等の、(メタ)アクリル酸ア
ルキルエステル類、(メタ)アクリル酸イソボロニル、
(メタ)アクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリ
ル酸エステル、およびこれらと共重合可能な単量体を、
公知の溶液重合あるいは懸濁重合方法によって共重合す
る。この場合、得られる重合体が、中和によって水溶性
となるよう、一般式(1)で表される燐酸(メタ)アク
リレート、あるいは(メタ)アクリル酸などの塩の基を
有する単量体の配合量を適宜調整する。また、共重合が
完了した後は、得られたアクリル共重合体溶液を十分加
熱して、共重合に使用した熱重合開始剤を完全に分解さ
せておく。次いでアクリル共重合体溶液にメトキノン、
ハイドロキノン等の重合禁止剤を1000ppm加え、
必要に応じて公知任意の量の開環触媒を加え、エチレン
性不飽和二重結合濃度が1〜5当量/kgとなるようグ
リシジル(メタ)アクリレートを80〜100℃で、該
アクリル共重合体のカルボキシル基と反応させて、該ア
クリル共重合体に(メタ)アクリロイル基を導入する。
アクリル共重合体中のカルボキシル基含有量は、グリシ
ジル(メタ)アクリレートとの反応後の酸価が最終的に
20〜100KOHmg/g、好ましくは25〜60K
OHmg/gとなるよう(メタ)アクリル酸の配合量を
調整しておく。アクリロイル基を導入した該アクリル共
重合体を、前記塩基性化合物(g)によって中和して目
的の水性アクリル樹脂(I−A)を得る。
【0058】また、上記の単量体に加え、ヒドロキシエ
チル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート等の水酸基を有する単量体を共重合さ
せて得られる、水酸基、カルボキシル基、燐酸エステル
基を有するアクリル樹脂の水酸基に公知の方法によって
(メタ)アクリロイル基を導入することができる。たと
えば、共重合体の水酸基の一部あるいは全部に(メタ)
アクリル酸クロライドを反応させ、副生物の塩酸を水洗
除去して、あるいは無水(メタ)アクリル酸を反応さ
せ、副生物の(メタ)アクリル酸を水洗除去することに
よっても、水性アクリル樹脂(I−A)を得ることがで
きる。
【0059】エチレン性不飽和二重結合を有する水性ア
クリル樹脂{以下、水性アクリル樹脂(II−A)}を
得る代表的な方法としては、一般式(1)で表される燐
酸(メタ)アクリレートを配合しないこと以外は、上記
水性アクリル樹脂(I−A)と同様の方法によって得る
ことができる。
【0060】水性アクリル樹脂(II−A)を得る他の
方法としては、以下の方法が挙げられる。アクリル酸エ
ステル−スチレン−無水マレイン酸3元共重合樹脂の酸
無水物の一部あるいは全部に1級アミンを反応させる。
この反応で得られるイミノ基に多官能ポリアクリレート
をマイケル付加反応させて(メタ)アクリロイル基を導
入することができ、アクリル樹脂を得る。該樹脂中のカ
ルボキシル基を前記塩基性化合物(g)によって中和し
て水性アクリル樹脂(II−A)を得る。酸無水物の一
部または全部に低級アルコールを反応させることによっ
てカルボキシル基の量を調節できる。
【0061】(ポリエステル樹脂)エチレン性不飽和二
重結合を有する水性ポリエステル樹脂{以下、水性ポリ
エステル樹脂(II−P)}を得る代表的な方法として
は以下の方法が挙げられる。ジメチロールアルカン酸等
のような塩を形成し得る基を有する化合物類(a)、ポ
リオール類(c)、多塩基酸(f)等の中からそれぞれ
選ばれる1種以上を脱水縮合させて、側鎖にカルボキシ
ル基等の塩の基を有し、分子鎖末端に水酸基を有するポ
リエステル樹脂を得る。上記で得られた該水酸基の一部
に公知の方法にて(メタ)アクリロイル基を導入する。
導入の方法としては、たとえば、(メタ)アクリル酸ク
ロライドを反応させ、副生物の塩酸を水洗除去して得る
方法、あるいは上記により得られた水酸基の一部あるい
は全部に無水(メタ)アクリル酸を反応させ、副生物の
(メタ)アクリル酸を水洗除去して得る方法、さらには
ポリエステル樹脂の分子末端の水酸基に(メタ)アクリ
ル酸用いてトルエン環流下において脱水エステル法で
(メタ)アクリロイル基を導入する方法等が挙げられ
る。上記エチレン性不飽和二重結合を有するポリエステ
ル樹脂の塩の基がカルボキシル基の場合、その一部また
は全部を前記塩基性化合物(g)によって中和して水性
ポリエステル樹脂(II−P)が得られる。これらの反
応は公知の重合禁止剤を加え反応させることができる。
水性ポリエステル樹脂(II−P)の酸価は、20〜1
00KOHmg/gの範囲が好ましい。
【0062】化学的に結合した燐酸エステル基およびエ
チレン性不飽和二重結合を有する水性ポリエステル樹脂
{以下、水性ポリエステル樹脂(I−P)}を得る代表
的な方法は以下の通りである。先ず、分子鎖末端に水酸
基を有するポリエステル樹脂に、(メタ)アクリロイル
基を導入する。その際、後の燐酸エステル基導入に必要
な量の水酸基を残しておく。ポリエステル樹脂中の残余
の水酸基に五酸化二燐を用いて燐酸エステル基を導入す
る。次に、上記ポリエステル樹脂のカルボキシル基およ
び燐酸エステル基の一部または全部を前記塩基性化合物
(g)によって中和することによって水性ポリエステル
樹脂(I−P)を得る。および水性ポリエステル樹脂
(I−P)の酸価は、20〜100KOHmg/gの範
囲が好ましい。
【0063】(エポキシ樹脂)化学的に結合した燐酸エ
ステル基およびエチレン性不飽和二重結合を有する水性
エポキシ樹脂{以下、水性エポキシ樹脂(I−E)}を
得る代表的な方法は以下の通りである。先ず、エポキシ
樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を付加させた公
知任意のエポキシアクリレートの水酸基に五酸化二燐を
付加し、燐酸エステル基を導入してエポキシ樹脂を得、
次いで、前記エポキシ樹脂の燐酸エステル基の一部また
は全部を前記塩基性化合物(g)によって中和すること
により水性エポキシ樹脂(I−E)を得る。燐酸エステ
ル基の導入量は燐原子換算で15〜60mg/gが好ま
しい。水性エポキシ樹脂(I−E)の酸価が20〜10
0KOHmg/gとなる量とするのが好ましい。より好
ましくは25〜60KOHmg/gである。
【0064】エチレン性不飽和二重結合を有する水性エ
ポキシ樹脂{以下、水性エポキシ樹脂(II−E)}を
得る代表的な方法は以下の通りである。先ず、エポキシ
樹脂のエポキシ基に(メタ)アクリル酸を付加させた公
知任意のエポキシアクリレートの水酸基に多塩基酸無水
物を付加し、カルボキシル基を導入し、次いで、該エポ
キシ樹脂のカルボキシル基の一部または全部を前記塩基
性化合物(g)によって中和して水性エポキシ樹脂(I
I−E)を得る。カルボキシル基の導入量は、水性エポ
キシ樹脂(II−E)の酸価が20〜100KOHmg
/gとなる量とするのが好ましい。より好ましくは25
〜60KOHmg/gである。
【0065】(塗装金属材料)本発明の、金属材料表面
上に活性エネルギー線硬化塗膜を有する塗装金属材料で
あって、該硬化塗膜が、水性樹脂に化学的に結合した燐
酸エステル基を有し、硬化塗膜厚が3μm以下である塗
装金属材料について説明する。
【0066】金属材料の例としては、鋼材、金属被覆鋼
材、非金属被覆鋼材等の鉄鋼材料、チタン、銅、マグネ
シウム、アルミニウム、および、これらに金属や非金属
を被覆した非鉄金属材料等が挙げられる。金属被覆鋼材
の例としては、金属を溶射した鋼材、金属をメッキした
鋼材等が挙げられる。金属中に無機物や有機物を分散し
たメッキや溶射を施した金属材料も含まれる。
【0067】特に、金属材料が、亜鉛、亜鉛と他の金属
との合金、または、溶射またはメッキにより亜鉛で被覆
された鋼材に対して、塗膜の表面硬度が高く、耐溶剤性
に優れ、金属材料表面に対する密着性に優れ、さらには
加工性に優れた塗装金属材料が得られる。金属材料は、
その表面に無機被膜を有する金属材料であっても無機被
膜を有さない金属材料であっても良いが、無機被膜を有
さない金属材料の方が本発明の課題である金属材料に対
する密着性と塗膜の耐溶剤性に対する効果が高く好まし
い。ここでいう無機被膜は、クロメート処理等によって
金属表面上に形成された無機皮膜を意味し、メッキ、溶
射等の方法による金属被膜を意味しない。
【0068】本発明の塗装金属材料が有する塗膜は、活
性エネルギー線を照射することによって架橋し、硬化し
た塗膜であって、水性樹脂に化学的に結合した燐酸エス
テル基を有し、硬化後の塗膜厚が3μm以下である。金
属材料表面上に該硬化塗膜を形成するための活性エネル
ギー線硬化性塗料組成物としては、水性樹脂に化学的に
結合した燐酸エステル基を有したものであればよい。好
ましくは、前記した、本発明の活性エネルギー線硬化性
水性塗料組成物であって、水性樹脂(I)、および/ま
たは、燐酸エステル化合物(III)および水性樹脂
(II)を含有する活性エネルギー線硬化性水性塗料組
成物を用いる場合に特に塗膜の耐溶剤性、金属材料表面
に対する密着性に優れた塗膜を得ることができる。
【0069】本発明の塗装金属材料は、各種用途に用い
られるが、表面の硬化塗膜は、たとえば、指紋跡付着防
止用途、潤滑鋼板用途、プライマー用途、また上塗り塗
装を不要とする塗膜用途等の各種の観点からの表面保護
を目的として設けられる。
【0070】本発明の塗装金属材料は、硬化塗膜厚が3
μm以下であることを特徴としている。好ましくは硬化
塗膜厚0.5〜2μmであり、より好ましくは1〜1.
5μmである。硬化塗膜の厚さは目的に応じて決めれば
良いが、3μm以下の薄膜であることにより、経済性は
もとより、後工程である成形加工に於ける密着性、溶接
加工に於ける導電性の確保に優れた効果を奏する。
【0071】3μm以下の薄膜であることは、以下の観
点からも優れた効果を奏している。すなわち、本発明の
塗装金属材料上の硬化塗膜は、水性樹脂に化学的に結合
した燐酸エステル基が金属材料表面に対する親和性ある
いは化学的結合性を持ち、かつ、活性エネルギー線照射
によるエチレン性不飽和二重結合の重合によって架橋さ
れている。つまり形成された硬化塗膜は単にエチレン性
不飽和二重結合の重合による硬化だけではなく、燐酸エ
ステル基の金属材料表面に対する親和性や化学結合によ
って強固に密着することができる。従ってクロメート処
理などの無機被膜を施した表面よりも燐酸エステル基に
対し活性な未処理金属表面の方が親和性や化学結合によ
って強固に密着することができる。
【0072】(塗装金属材料の製造方法)本発明の、金
属材料表面上に活性エネルギー線硬化塗膜を有する塗装
金属材料の製造方法について説明する。本発明の塗装金
属材料の製造方法に用いる金属材料としては、特に限定
はないが、前記した塗装金属材料の項に記載した各種の
金属材料を用いることが好ましい。金属材料表面上に該
硬化塗膜を形成するための活性エネルギー線硬化性水性
塗料組成物としては、水性樹脂(I)、および/また
は、燐酸エステル化合物(III)および水性樹脂(I
I)を含有する、本発明の各種活性エネルギー線硬化性
水性塗料組成物が用いられ、硬化塗膜の耐溶剤性、金属
材料表面に対する密着性および成形加工性に優れた効果
をもたらすことができる。
【0073】塗装金属材料の製造方法としては、通常、
(1)金属表面の汚れを除去し、塗料組成物の濡れ性や
密着性を向上するための工程、たとえば、アルカリ脱
脂、酸洗、サンドブラスト、ショットブラスト、水洗、
湯洗、溶剤洗浄、研磨等の公知の工程、(2)塗料組成
物の濡れ性や密着性をさらに向上するための前処理工
程、たとえば、クロメート処理、燐酸亜鉛処理、燐酸鉄
処理、その他のリン酸塩処理、複合酸化被膜処理、Ni
やCo等の置換析出処理等の公知である処理、および、
これらの処理を組み合わせた処理工程、(3)塗料組成
物を金属材料表面に、塗布、あるいは付着させるための
工程、(4)金属材料表面上の塗料組成物中の溶剤を揮
発させる乾燥工程、(5)塗料組成物中の硬化反応を促
進するための加熱工程、および/または(6)塗料組成
物の硬化反応を促進するための活性エネルギー線の照射
工程を含む。本発明の、塗装金属材料の製造方法では、
前記(3)の工程および(6)の工程を必須の工程と
し、その他の工程を適宜組み合わせて、金属材料の表面
に活性エネルギー線硬化塗膜を形成することができる。
【0074】本発明の塗装金属材料の製造方法では、
(3)の塗布工程を必須とし、水性樹脂(I)、および
/または、燐酸エステル化合物(III)および水性樹
脂(II)を含有する、本発明の各種活性エネルギー線
硬化性水性塗料組成物を用いて、硬化塗膜厚が3μm以
下となるよう塗布する。塗布方法としては、たとえば、
ロールコーター、カーテンコーター、浸漬塗布、スプレ
ー、刷毛塗り、静電塗装等の公知の方法によることがで
きる。
【0075】特に、金属材料表面に酸化被膜が形成され
る前、すなわち、圧延、メッキ処理工程等の直後に該塗
料組成物を塗布することによって、前記した、(1)金
属表面の汚れを除去し、塗料組成物の濡れ性や密着性を
向上するための工程、(2)塗料組成物の濡れ性や密着
性をさらに向上するための前処理工程等を省略すること
が可能となる。
【0076】前記(4)の溶剤を揮発させる工程は、風
乾、熱風加熱、誘導加熱、近赤外線・遠赤外線等の照
射、超音波振動等の公知の方法によることができる。
(5)の加熱工程は、たとえば前記(4)の工程で使用
した金属材料を加熱する方法によることができる。
【0077】本発明の、塗装金属材料の製造方法では、
(6)の活性エネルギー線照射工程を必須とし、(5)
の加熱工程は省略することができる。活性エネルギー線
硬化性水性塗料組成物の塗膜は、紫外線、可視光、電子
線、X線等の活性エネルギー線を照射することにより、
該塗膜中の樹脂が架橋して硬化する。活性エネルギー線
としては、一般に広く使用されている紫外線、または電
子線が好ましい。
【0078】塗膜に電子線を照射して硬化させる場合
は、特に重合開始剤は必要とせず、加速電圧20〜20
00KeV、好ましくは150〜300KeVの電子線
照射装置を用いて、全照射量が5〜200kGy、好ま
しくは10〜100kGyとなるように照射することに
よって、硬化塗膜を得ることができる。
【0079】塗膜に紫外線を照射する場合は、光源とし
て一般に広く使用されている、水銀灯、キセノンランプ
等を使用する。この場合は、活性エネルギー線硬化性水
性塗料組成物に光重合開始剤を添加する。光重合開始剤
は公知の材料から任意に選ぶことができる。その添加量
も任意に選ぶことができるが、たとえば、該塗料組成物
の不揮発分に対して、0.2〜20%程度、好ましく
は、0.5〜10%の範囲である。
【0080】本発明の塗装金属材料の製造方法に於ける
硬化塗膜の厚さは3μm以下の範囲で、目的に応じて設
定できる。たとえば、指紋防止や潤滑鋼板用途を目的と
する場合は、好ましくは0.5〜2μm、より好ましく
は1〜1.5μmである。薄膜でありながら、金属材料
表面に対して密着性に優れ、かつ耐溶剤性に優れた塗膜
が得られる。
【0081】(塗装金属材料の接合方法)本発明の、金
属材料表面上に活性エネルギー線硬化塗膜を有する塗装
金属材料の接合方法であって、該硬化塗膜が、水性樹脂
に化学的に結合した燐酸エステル基を有し、硬化塗膜厚
が3μm以下である塗装金属材料を、該硬化塗膜を有し
た状態で溶接によって接合する塗装金属材料の接合方法
について説明する。
【0082】活性エネルギー線で硬化した塗膜を有し、
溶接によって接合する金属材料としては、該硬化塗膜
が、水性樹脂に化学的に結合した燐酸エステル基を有
し、硬化塗膜厚が3μm以下、好ましくは0.5〜2μ
m、より好ましくは1〜1.5μmの塗装金属材料を用
いる。前記した本発明の塗装金属材料が好ましく用いら
れる。また、前記した本発明の活性エネルギー線硬化性
水性塗料組成物を用いた本発明の塗装金属材料が特に好
ましく用いられる。溶接加工される塗装金属材料の形状
は特定するものではないが、鋼板等の板状物あるいはそ
の成型物、ダイキャスト成型物、棒状、H鋼等の形状に
圧延された金属材料等を挙げることができる。
【0083】塗装金属板あるいは成型された塗装金属材
料を溶接によって接合する方法として、電気溶接法があ
る。接合の形態は、接合部位に塗膜が存在する場合と、
接合部位には塗膜は存在しないが、反対面、すなわち溶
接用の電極が接触する面に塗膜が存在する場合がある。
いずれの場合であっても、本発明の塗装金属材料の接合
方法は、硬化塗膜を除去することなくそのまま接合こと
ができることが大きな特徴となっている。
【0084】たとえば、1mm厚の電気亜鉛メッキ鋼板の
両面に膜厚1〜1.5μmに形成された硬化塗膜同士を
重ねてスポット溶接することができる。あるいは、電気
亜鉛メッキ鋼板の一方の面に膜厚1〜1.5μmに形成
された硬化塗膜同士を重ね、未塗装面から電極を当てて
スポット溶接することもできる。本発明は、このように
塗装金属材料同士を、接合部位に該硬化塗膜を有した状
態で接合する時に、特に効果を奏する。また、反対に未
塗装面を重ねて、電気亜鉛メッキ鋼板の塗装面から電極
を当ててスポット溶接することもできる。
【0085】活性エネルギー線で硬化した硬化塗膜は一
般的に導電性が低いので、該硬化塗膜が形成されている
塗装金属材料を電気溶接する場合、硬化塗膜が厚いと、
高い電圧が必要となる。また、溶接加工によって加熱さ
れた硬化塗膜部分から煤が発生すること等の不都合が生
じる。たとえばスポット溶接による接合方法において硬
化塗膜から生じる煤、油煙等によって電極が汚れるため
に、塗膜厚が厚いほど溶接可能回数は低下する。従来の
塗料組成物であっても、塗膜厚を薄くすればこのような
不都合は生じないが、金属表面を保護する塗料としての
機能は著しく低下してしまう。
【0086】本発明の塗装金属材料の接合方法で使用す
る塗装金属材料は、硬化塗膜が水性樹脂に化学的に結合
した燐酸エステル基を有しており、硬化塗膜厚3μm以
下の薄膜でありながら金属材料表面に対する密着性が高
く、耐溶剤性に優れる塗膜を有する塗装金属材料であ
る。硬化塗膜が薄膜であるため、電気溶接工程におい
て、電極と塗装金属材料間の電圧降下が少なく、煤等の
発生も最小限に抑制することが可能になる。その結果、
本発明の塗装金属材料の接合方法によれば、硬化塗膜か
ら生じる煤、油煙等によって電極が汚れることが少な
く、1000回以上のスポット溶接も可能である。
【0087】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明を具体的に述べ
る。[実施例A]では本発明の各種水性樹脂を用いた燐
酸エステル基を含有する活性エネルギー線硬化性水性塗
料組成物と、燐酸エステル基を含まない活性エネルギー
線硬化性水性塗料組成物について述べる。[実施例B]
では本発明の中で特に優れた水性ポリウレタン塗料組成
物についての具体例について述べる。特に断らない限
り、「%」および「部」は、それぞれ「質量%」および
「「質量部」を表す。
【0088】[実施例A] {水性ポリウレタン樹脂(II−U)の製造例(1)}
還流冷却管、および窒素導入管、空気導入管、温度計を
備えた撹拌機付き反応器に、ポリオキシエチレングリコ
ール(Mn=600)3.2部、ラクトンポリエステル
ジオール「OD−X−2155」(Mn=970大日本
インキ化学工業(株)製)42.6部、2,2−ビス
(ジヒドロキシメチル)ブタン酸21.14部、ブチル
エチルプロパンジオール7.1部、ひまし油「LM−
R」(豊国製油製)22.9部、水添MDI、47.4
部、メチルエチルケトン170.9部、オクチル酸第一
錫0.02部を撹拌しながら加えて70℃まで0.5時
間で昇温し、70〜75℃で3時間反応後、水添XDI
(タケネート600)28.8部、を加えて再度70〜
75℃で1時間反応させた。その後メトキノン0.2
部、ライトエステル「G−201P」(共栄社化学
(株)製)40.3部、オクチル酸第一錫0.1部を加
え、窒素導入管を空気導入管に替えて、再び70〜75
℃で反応を続けた。4時間毎にtert−ブチルハイド
ロキノン0.04部およびオクチル酸第一錫0.04部
を加えながら10時間反応させて、ポリウレタン樹脂の
溶液を得た。30℃に冷却して、この溶液に、トリエチ
ルアミン14.4部を加え、純水530部を加え、「サ
ーフィノールAK02」(日信化学工業(株)製)0.
5部を加えた後、50℃でメチルエチルケトンを減圧留
去して、不揮発分:30.0%、酸価39.3KOHm
g/g、ガードナー粘度:U、不飽和基濃度が1.6当
量/kgである透明液体のエチレンエチレン性不飽和二
重結合を有する水性ポリウレタン樹脂(II−U)を得
た。これを、水性ポリウレタン樹脂(II−U−1)と
称する。
【0089】{水性アクリル樹脂(II−A)の製造
例}還流冷却管、および酸素7〜10%含有窒素導入
管、温度計を備えた撹拌機付き反応器に、酢酸エチル6
2.24部、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレー
ト62.24部、メトキノン0.01部を仕込み攪拌
し、溶解させた。次いで25℃まで冷却し、あらかじめ
ベンジルアミン6.93部を10.4部の酢酸エチルに
混合した溶液を30分間で滴下した。30℃で3時間攪
拌した後、質量平均分子量2000;酸価300KOH
mg/gの、アクリル酸エチル−スチレン−無水マレイ
ン酸共重合樹脂{(株)岐阜セラック製造所製}30.
83部を77部の酢酸に溶解させた溶液を加えて60℃
に昇温して2時間反応させた。30℃まで冷却してトリ
エチルアミン6.53部を加え、イオン交換水233.
6部を加えて30分間攪拌した。さらに30℃を保っ
て、あらかじめピペラジン2.5部を17.5部のイオ
ン交換水に溶かした水溶液を30分間で滴下して、2.
5時間30℃で攪拌を続け、40℃で減圧蒸留して酢酸
エチルを除去した。ガードナー粘度:M−N、不揮発
分:29.8%、エチレン性不飽和二重結合濃度:4.
8当量/kg、酸価:54.7KOHmg/g、半透明
液体のエチレンエチレン性不飽和二重結合を有する水性
アクリル樹脂(II−A)を得た。
【0090】{水性ポリエステル樹脂(I−P)の製造
例}グリコール用精溜管、縮合水デカンター、還流冷却
管、窒素導入管および酸素7〜10%含有窒素導入管、
温度計を備えた撹拌機付き反応器に、エチレングリコー
ル6.98部、1.6ヘキサンジオール13.59部、
ジメチロールブタン酸16.3部、トリメチロールプロ
パン40.23部、無水フタル酸37.05部、セバチ
ン酸50.56部、窒素を吹き込み、攪拌しながら2時
間で180℃に昇温した。230℃まで3時間で昇温し
て、230℃で5時間反応させた。105℃まで冷却し
酸素7〜10%含有窒素導入管に切り替えてトルエン3
0部、アクリル酸25.2部、メトキノン0.17部を
加え、105〜110℃5時間トルエン還流しながら脱
水縮合させた。1時間20mmHg減圧して得られたポ
リエステル樹脂を酢酸エチル73部で希釈し、50℃ま
で冷却した。50℃で保ちながら、酢酸エチル7.1部
で希釈した五酸化二燐を7.1部添加した。50℃2時
間保温した後、冷却しながらトリエチルアミン21部を
加えてカルボキシル基と燐酸エステル基を中和した後、
イオン交換水620部を加え転相溶解し、40〜50℃
で減圧蒸留して化学的に結合した燐酸エステル基および
エチレン性不飽和二重結合を有する水性ポリエステル樹
脂(I−P)を得た。ガードナー粘度:U、不揮発分:
30.8%、エチレン性不飽和二重結合濃度は2.0当
量/kg、酸価64.2KOHmg/g、燐含有率1.
8%であった。
【0091】{水性ポリエステル樹脂(II−P)の製
造例}グリコール用精溜管、縮合水デカンター、還流冷
却管、窒素導入管および酸素7〜10%含有窒素導入
管、温度計を備えた撹拌機付き反応器に、エチレングリ
コール6.98部、1.6ヘキサンジオール13.59
部、ジメチロールブタン酸16.3部、トリメチロール
プロパン40.23部、無水フタル酸37.05部、セ
バチン酸50.56部、窒素を吹き込み、攪拌しながら
2時間で180℃に昇温した。230℃まで3時間で昇
温して、230℃において5時間反応させた。105℃
まで冷却し酸素7〜10%含有窒素導入管に切り替えて
トルエン30部、アクリル酸25.2部、メトキノン
0.17部を加え、105〜110℃5時間トルエン還
流しながら脱水縮合させた。1時間20mmHg減圧し
て得られたポリエステル樹脂を酢酸エチル73部で希釈
し、冷却しながらトリエチルアミン11部加えてカルボ
キシル基を中和した後、イオン交換水600部を加え転
相溶解し、40〜50℃で減圧蒸留してエチレン性不飽
和二重結合を有する水性ポリエステル樹脂(II−P)
を得た。ガードナー粘度:M、不揮発分:30.6%、
エチレン性不飽和二重結合濃度は2.1当量/kg、酸
価は41.0KOHmg/gであった。
【0092】{水性エポキシ樹脂(I−E)の製造例}
還流冷却管、および酸素7〜10%含有窒素導入管、温
度計を備えた撹拌機付き反応器に、エポキシアクリレー
ト「UE−8400−M80」(大日本インキ化学工業
(株)製・MEK含量20%)132.0部、酢酸エチ
ル37.5部、メトキノン0.1部を仕込み、溶解させ
た。あらかじめ五酸化二燐5.6部を同量の酢酸エチル
に混合した溶液を、50℃、30分間で滴下した。50
℃3時間保温し、トリエチルアミンを20部加え中和し
た。イオン交換水260部を加え転相溶解させた。40
〜50℃において減圧蒸留して化学的に結合した燐酸エ
ステル基およびエチレン性不飽和二重結合を有する水性
エポキシ樹脂(I−E)を得た。ガードナー粘度:V、
不揮発分:30.9%、エチレン性不飽和二重結合濃度
は2.0当量/kg、酸価は50.0KOHmg/g、
燐含有量6%であった。
【0093】{水性エポキシ樹脂(II−E)の製造
例}還流冷却管、デカンター、および酸素7〜10%含
有窒素導入管、温度計を備えた撹拌機付き反応器に、エ
ポキシアクリレート「UE−8400−M80」(大日
本インキ化学工業(株)製・MEK含量20%)11
2.5部、メトキノン0.1部、4塩基無水物「エピク
ロンB−4400」(大日本インキ化学工業(株)製)
15.8部を仕込み、80℃に昇温した。80℃5時間
反応し、酢酸エチル22.8部を加え溶解させた。50
℃に冷却し、トリエチルアミンを12.1部加え中和し
た。イオン交換水370部を加え転相溶解させた。40
〜50℃において減圧蒸留してエチレン性不飽和二重結
合を有する水性エポキシ樹脂(II−E)を得た。ガー
ドナー粘度:V、不揮発分:30.1%、エチレン性不
飽和二重結合濃度は1.8当量/kg、酸価は63.6
KOHmg/gであった。
【0094】(水性ポリウレタン)活性エネルギー線硬
化性不飽和基を持たず、分子中に塩の基を有する加工性
の良い水性ポリウレタン樹脂として、大日本インキ化学
工業(株)製の水性ウレタン樹脂「SPENSOL:L
−512」(不揮発分30%)をそのまま「比較例」に
使用した。表1には、「水性ポリウレタン」と記載し
た。
【0095】<活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物
の調製>表1に従い、(実施例A−1)〜(実施例A−
8)に使用する、水性樹脂(I)、および/または水性
樹脂(II)および燐酸エステル化合物(III)を含
有する活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物を調製し
た。また、表2に従い、(比較例A−1)〜(比較例A
−5)に使用する、燐酸エステル基の入らない活性エネ
ルギー線硬化性水性塗料組成物を調製した。表1および
2には、(実施例A−1)を(実A−1)と表し、(比
較例A−1)を(比A−1)と表した。以下、同様とす
る。なお、表1および2に記載した、水性樹脂以外の各
配合成分は下記の通りである。 カヤマーPM21:日本化薬(株)製、燐酸メタクリレ
ート ビスコート3PA:大阪有機(株)製、燐酸アクリレー
ト イルガキュア184:チバ・スペシャリティケミカルズ
製、光重合開始剤 NUC−シリコンA−174:日本ユニカー(株)製、
シランカップリング剤 FZ−3153:日本ユニカー(株)製、シリコーンエ
マルジョン
【0096】<塗装金属材料の作製>表1〜4記載の
(実施例A−1)〜(実施例A−8)、(比較例A−
1)〜(比較例A−5)は、不揮発分を20%に調製し
た活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物を、0.8m
m厚亜鉛電気メッキ鋼板にドローダウンロッド#3を使
用し、硬化塗膜厚が1μmとなるように塗布し、送風乾
燥機により80℃で2分間乾燥した。次いで、120W
高圧水銀灯を使用し、130mJ/cmの紫外線を照
射して塗膜を硬化させた。(実施例A−8)は、前記
(実施例A−1〜7)、(比較例A−1)〜(比較例A
−5)と同様に塗布、乾燥後、岩崎電気製エレクトロカ
ーテンにより、加速電圧165kV、線量30kGyの
電子線を照射し、塗膜を硬化させた。
【0097】<塗装金属材料硬化塗膜の物性試験> (耐溶剤性試験)5×13cmの塗装金属材料の試験片
を作成し、ラビングテスター:I型(太平理化工業株式
会社製)のヘッドに、脱脂綿0.8gを4.5×3.5
cmのガーゼで包む様に取り付け、溶剤を含ませ300
gの荷重をかけて規定回数(5、10、20回)ラビン
グし、下地が露出しているか否かを、下記基準で判定し
た。なお、耐エタノール性試験には試薬1級のエタノー
ルを、耐MEK試験には試薬1級のメチルエチルケトン
を、それぞれ使用した。 ◎:全く露出部分が無く、ラビング跡も目立たない。 ○:全く露出部分はないが、ラビング跡がある。 △:痕跡程度下地露出している。 ×:塗膜が剥がれ塗膜が露出している。
【0098】(密着性試験)JIS 5400に準じて
密着性試験を行った。すなわち、試験片の塗膜中央部
に、カッターナイフを使用して、1mm間隔で縦横それ
ぞれ11本の、塗膜を貫通する碁盤目状の切り傷をつけ
た後、エリクセン試験機を使用し、碁盤目を設けた塗膜
面をダイス側に向け、鋼球を5cm押し出した。次い
で、碁盤目の上にセロハン粘着テープを圧着して急激に
剥離した。碁盤目上に残存する塗膜の面積を求め、百分
率で表した。
【0099】[実施例A]に係る、塗装金属材料硬化塗
膜の物性試験の結果を、表3〜4に示す。
【0100】
【表1】
【0101】
【表2】
【0102】
【表3】
【0103】
【表4】
【0104】[実施例B]実施例Bでは、一般式(1)
で表される燐酸エステル化合物(III)を使用した実
施例、水添MDIを原料に用いた水性ポリウレタン樹脂
(II−U−H)の実施例、シランカップリング剤を添
加した実施例、クロメート処理亜鉛鋼板と未処理亜鉛鋼
板との比較等によってさらに詳細に説明する。
【0105】{水性ポリウレタン樹脂(II−U)の製
造例(2)}還流冷却管、および窒素導入管、温度計を
備えた撹拌機付き反応器に、ポリオキシエチレングリコ
ール(Mn=600)2.4部、2,2−ビス(ヒドロ
キシメチル)プロピオン酸19.6部、ポリエステルジ
オール(ネオペンチルグリコールアジペート:Mn=5
00)34.4部、トリメチロールプロパン4.4部、
ブチルエチルプロパンジオ−ル9.7部、「タケネート
600」(武田薬品製:水添XDI)83.8部、メチ
ルエチルケトン154.3部、ジブチル錫ラウリレート
0.008部を入れて撹拌しながら70℃まで0.5時
間で昇温し、70〜75℃で3時間反応後、tert−
ブチルハイドロキノン0.05部、「ライトエステルG
−201P」(共栄社化学(株)製)44.3部、ME
K(メチルエチルケトン)88.5部を加え、窒素導入
管を空気導入管に替えて、再び70〜75℃で4時間毎
にtert−ブチルハイドロキノン0.04部加えなが
ら10時間反応させて、ポリウレタン樹脂の溶液を得
た。この溶液に、トリエチルアミン14.7部、純水5
16.1部を徐々に加え、30℃で2時間保持後、「サ
ーフィノールAK02」(日信化学工業(株)製)0.
5部を加えて50℃でメチルエチルケトンを減圧留去し
て、不揮発分:29.3%、不揮発分の酸価40.5K
OHmg/g、ガードナー粘度:U−V、不飽和基濃度
が1.9当量/kgである透明液体の活性エネルギー線
硬化性を有する水性ポリウレタン樹脂(II−U)を得
た。これを、水性ポリウレタン樹脂(II−U−2)と
称する。
【0106】{水性ポリウレタン樹脂(II−U)の製
造例(3)}還流冷却管、および窒素導入管、温度計を
備えた撹拌機付き反応器に、「ODX2376」(大日
本インキ化学工業(株)製アジピン酸/ジエチレングリ
コール系ポリエステルジオール:Mw=1000)3
1.9部、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸
16.1部、ひまし油17.2部、水添MDI、59.
2部、メチルエチルケトン124.4部、ジブチル錫ラ
ウリレート0.012部を入れて撹拌しながら70℃ま
で0.5時間で昇温し、70〜75℃で5時間反応後、
tert−ブチルハイドロキノン0.15部、「ライト
エステルG−201P」(共栄社化学(株)製)29.
4部、「スミジュールN3300」(住友バイエルウレ
タン製)13.8部、MEK86.3部、ジブチル錫ラ
ウリレート0.15部を加え、窒素導入管を空気導入管
に替えて、再び70〜75℃で4時間毎にtert−ブ
チルハイドロキノン0.04部加えながら10時間反応
させて、ポリウレタン樹脂の溶液を得た。30℃に冷却
して、この溶液に、トリエチルアミン11部、純水58
2.1部を徐々に加え、30℃で0.5時間攪拌後、γ
−アミノプロピルトリエトキシシラン9.1部、アセト
ニトリル21部を0.5時間で滴下し、45℃に昇温
し、45℃にて2時間後に、「サーフィノールAK0
2」(日信化学工業(株)製)0.50部を加えて50
℃にてメチルエチルケトンを減圧留去して、不揮発分:
31.6%、不揮発分の酸価35.1KOHmg/g、
ガードナー粘度:O−N、不飽和基濃度が1.4当量/
kgである透明液体の活性エネルギー線硬化性を有する
水性ポリウレタン樹脂(II−U)を得た。これを、水
性ポリウレタン樹脂(II−U−3)と称する。
【0107】{水性ポリウレタン樹脂(II−U)の製
造例(4)}還流冷却管、および窒素導入管、温度計を
備えた撹拌機付き反応器に、ポリオキシエチレングリコ
ール(Mn=600)2.2部、「ひまし油変性ジオー
ルHS2G−160R」(Mw=760豊国製油(株)
製)47.6部、2,2−ビス(ジヒドロキシメチル)
ブタン酸19.6部、ブチルエチルプロパンジオール
8.9部、トリメチロールプロパン3.95部、水添X
DI(「タケネート600」)76.2部、メチルエチ
ルケトン158.3部、ジブチル錫ラウリレート0.0
1部を入れて撹拌しながら70℃まで0.5時間で昇温
し、70〜75℃で3時間反応後メトキノン0.2部、
「ライトエステルG−201P」(共栄社化学(株)
製)40.3部、ジブチル錫ラウリレート0.16部を
加え、窒素導入管を空気導入管に替えて、再び70〜7
5℃で4時間毎にtert−ブチルハイドロキノン0.
04部加えながら15時間反応させて、ポリウレタン樹
脂の溶液を得た。30℃に冷却して、この溶液に、トリ
エチルアミン13.4部、純水517.6部を徐々に加
え、30℃で2時間保持後、「サーフィノールAK0
2」(日信化学工業(株)製)0.5部を加えて50℃
でメチルエチルケトンを減圧留去して、不揮発分:2
9.0%、不揮発分の酸価37.8KOHmg/g、ガ
ードナー粘度:U、不飽和基濃度が1.7当量/kgで
ある透明液体の活性エネルギー線硬化性を有する水性ポ
リウレタン組成物(II−U)を得た。これを、水性ポ
リウレタン樹脂(II−U−4)と称する。
【0108】{燐酸エステル化合物(III)の合成
例}還流冷却管、および乾燥空気導入管、温度計を備え
た撹拌機付き反応器に、燐酸メタクリレート「カヤマー
PM21」(日本化薬(株)製)187部、「カージュ
ラE−10」(油化シェルエポキシ(株)製)102
部、メトキノン0.15部を攪拌しながら加え、75℃
まで昇温して、75℃で3時間保温して不揮発分の酸価
52KOHmg/gの燐酸エステル化合物を得た。これ
を燐酸エステル化合物(III−G)と称する。
【0109】(水性ポリウレタン)活性エネルギー線硬
化性不飽和基を持たず、分子中に塩の基を有する加工性
の良い水性ポリウレタン樹脂として、大日本インキ化学
工業(株)製の水性ウレタン樹脂「SPENSOL:L
−512」(不揮発分30%)をそのまま「比較例」に
使用した。表6には、「水性ポリウレタン」と記載した
【0110】<活性エネルギー線硬化性塗料組成物の調
製>表5および6に従い、(実施例B−1)〜(実施例
B−9)に使用する、水性樹脂(I)、および/または
水性樹脂(II)および燐酸エステル化合物(III)
を含有する活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物を調
製した。また、表6に従い、(比較例B−1)〜(比較
例B−3)に使用する、燐酸エステル基の入らない活性
エネルギー線硬化性水性塗料組成物を調製した。表5〜
10において、(実施例B−1)を(実B−1)と表
し、(比較例B−1)を(比B−1)と表した。以下、
同様とする。なお、表5および6に記載の「Aquac
er537」は、ビックケミー・ジャパン製、水分散性
オレフィンワックスを表す。
【0111】<塗装金属材料の調製>金属材料として、
表7〜10の「原反」欄に記載したものを使用した以外
は、実施例Aと同様にして、紫外線硬化によって(実施
例B−1)〜(実施例B−7)、(比較例B−2)、お
よび(比較例B−3)の塗装金属材料を、電子線硬化に
よって(実施例B−8)、および(比較例B−1)の塗
装金属材料を作製した。なお、表7〜10の「原反」欄
に記載した金属材料は、下記の通りである。 「アルミ」:未処理0.5mm厚アルミニウム板 「Cr亜鉛鋼板」:クロム酸処理した0.8mm厚電気
亜鉛メッキ鋼板 「未電亜鉛鋼板」:0.8mm厚、クロム酸処理を施し
ていない電気亜鉛メッキ鋼板 「未溶亜鉛鋼板」:0.8mm厚でクロム酸処理を施し
ていない溶融亜鉛メッキ鋼板 「TFS」:クロム酸処理0.26mm厚鋼板 「ブリキ板」:錫の等厚メッキ#50の0.26mm厚
ブリキ板
【0112】<塗装金属材料硬化塗膜の物性試験> (耐溶剤性試験)ラビングの規定回数を、10、20、
および50回とした以外は、実施例Aと同様にして行っ
た。 (密着性試験)実施例Aと同様にして行った。
【0113】(加工性試験1)あらかじめ沸騰水中に3
時間浸積した塗装金属材料試験片について、実施例Aの
密着性試験と同様にして、加工性試験1を行った。ただ
し、「原反」が「TFS」および「アルミ」の場合のエ
リクセン押し出し距離は3.5mm、各種「鋼板」の押
し出し距離は5mmとした。
【0114】(加工性試験2)5×15cmの塗装金属
材料試験片を用意し、塗装面を外側にして180度曲
げ、試験片と同じ厚さのT設定板を用意し、万力で挟み
圧し曲げた。挟み込む枚数0を0T、1枚を1T、2枚
を2T、3枚を3Tとする。曲げ部をセロハン粘着テー
プ剥離試験し、剥離しない最大のT設定板枚数を加工性
の指標とした。
【0115】[実施例B]に係る、塗装金属材料硬化塗
膜の物性試験の結果を、表7〜10に示す。表3および
4、ならびに表7〜10に記載した塗装金属材料の耐溶
剤性試験、密着性試験、および加工性試験結果から、硬
化塗膜厚が3μm以下という薄膜でありながら、実施例
はすべての試験項目において優れていることが明白であ
る。
【0116】
【表5】
【0117】
【表6】
【0118】
【表7】
【0119】
【表8】
【0120】
【表9】
【0121】
【表10】
【0122】
【発明の効果】本発明は、安全性が高く、作業環境を改
善できる水性タイプであって、従来の塗料組成物ではな
しえなかった高い耐溶剤性と、各種被塗装物に対する密
着性を有し、塗料、コーティング剤、インキ、プライマ
ーコーティング、アンカー剤等の用途に有用な、活性エ
ネルギー線硬化性水性塗料組成物を提供する。また本発
明は、金属材料表面に活性エネルギー線硬化性塗料組成
物を塗布し、活性エネルギー線を照射して塗膜を硬化さ
せることにより、硬化塗膜厚が3μm以下という薄膜で
ありながら、高い耐溶剤性を有し、金属材料表面に対す
る密着性が優れ、かつ成形加工性にも優れた塗装金属材
料、およびその製造方法を提供する。さらに、本発明の
塗装金属材料の硬化塗膜厚が3μmという薄膜であるこ
とから、硬化塗膜を有した状態のままで溶接によって接
合する、塗装金属材料の接合方法を提供できることとな
った。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C08F 290/06 C08F 290/06 4J038 C08G 18/67 C08G 18/67 18/75 18/75 Z C09D 5/00 C09D 5/00 Z 5/02 5/02 201/02 201/02 Fターム(参考) 4D075 BB42Z CA13 CA44 DB02 EA06 EA21 4F100 AA04B AB01A AB03 AH06B AK02B AK25A AK25K AK41B AK51B AK51K AK53B AL05B AL06B CC00B EH462 EJ082 EJ522 JB07 JB09B JB14B JL11 4J011 QA03 QA42 QB03 QB14 QB19 QB24 SA90 UA01 VA01 WA02 4J027 AA02 AB03 AB04 AB10 AB14 AB18 AB22 AB32 AE01 AE07 AG03 AG04 AG12 AG13 AG14 AG23 AG24 AG34 BA16 CB10 CC05 CD08 4J034 CA04 CB03 CB07 CC03 CC12 CC23 CC26 CC45 CC52 CC61 CC62 CC67 DA01 DB03 DB04 DB07 DF01 DF02 DF16 DF17 DF20 DF22 DG03 DG04 DG06 DK08 DK09 EA12 FA02 FB01 FC01 HA01 HA06 HA07 HA08 HB06 HC03 HC12 HC17 HC22 HC46 HC52 HC54 HC61 HC64 HC67 HC71 HC73 JA02 KA01 KC02 KC08 KC16 KC17 KD02 KD04 KD07 KD12 RA07 4J038 CG142 CL001 DB002 DD002 DG002 JC32 MA08 PA17 PC02

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 化学的に結合した燐酸エステル基および
    エチレン性不飽和二重結合を有する水性樹脂、および/
    または、エチレン性不飽和二重結合を有する燐酸エステ
    ル化合物およびエチレン性不飽和二重結合を有する水性
    樹脂を含有することを特徴とする活性エネルギー線硬化
    性水性塗料組成物。
  2. 【請求項2】 水性塗料組成物中の不揮発分に対する燐
    酸エステル基の含有率が、燐原子換算で0.1〜10.
    0質量%の範囲である請求項1に記載の活性エネルギー
    線硬化性水性塗料組成物。
  3. 【請求項3】 水性樹脂がエチレン性不飽和二重結合と
    塩の基を併せ有する水性ポリウレタン樹脂、水性アクリ
    ル樹脂、水性ポリエステル樹脂および水性エポキシ樹脂
    から選ばれる1種以上の水性樹脂である請求項1または
    2の何れかに記載の活性エネルギー線硬化性水性塗料組
    成物。
  4. 【請求項4】 エチレン性不飽和二重結合を有する燐酸
    エステル化合物が、一般式(1)で示される燐酸(メ
    タ)アクリレートである請求項1〜3の何れかに記載の
    活性エネルギー線硬化性水性塗料組成物。 【化1】
  5. 【請求項5】 水性ポリウレタン樹脂が、エチレン性不
    飽和二重結合と塩の基を併せ有し、ポリイソシアネート
    成分の一部または全部がジシクロヘキシルメタン−4,
    4’−ジイソシアネートである水性ポリウレタン樹脂で
    ある請求項1〜4の何れかに記載の活性エネルギー線硬
    化性水性塗料組成物。
  6. 【請求項6】 シランカップリング剤を含有する請求項
    1〜5の何れかに記載の活性エネルギー線硬化性水性塗
    料組成物。
  7. 【請求項7】 エチレン性不飽和二重結合を有する燐酸
    エステル化合物が、塩基性化合物で中和されたものであ
    る請求項1〜6の何れかに記載の活性エネルギー線硬化
    性水性塗料組成物。
  8. 【請求項8】 金属材料表面上に活性エネルギー線硬化
    塗膜を有する塗装金属材料であって、該硬化塗膜が、水
    性樹脂に化学的に結合した燐酸エステル基を有し、硬化
    塗膜厚が3μm以下であることを特徴とする塗装金属材
    料。
  9. 【請求項9】 金属材料が、その表面に無機被膜を有し
    ない金属材料である請求項8に記載の塗装金属材料。
  10. 【請求項10】 金属材料表面上に活性エネルギー線硬
    化塗膜を有する塗装金属材料の製造方法であって、金属
    材料表面上に、化学的に結合した燐酸エステル基および
    エチレン性不飽和二重結合を有する水性樹脂、および/
    または、エチレン性不飽和二重結合を有する燐酸エステ
    ル化合物およびエチレン性不飽和二重結合を有する水性
    樹脂を含有する水性塗料組成物を、硬化塗膜厚が3μm
    以下となるように塗布する工程、および活性エネルギー
    線で該塗膜を硬化させる工程を含むことを特徴とする塗
    装金属材料の製造方法。
  11. 【請求項11】 金属材料が、その表面に無機被膜を有
    しない金属材料である請求項11に記載の塗装金属材料
    の製造方法。
  12. 【請求項12】 金属材料表面上に活性エネルギー線硬
    化塗膜を有する塗装金属材料の接合方法であって、該硬
    化塗膜が、水性樹脂に化学的に結合した燐酸エステル基
    を有し、硬化塗膜厚が3μm以下である塗装金属材料
    を、該硬化塗膜を有した状態で溶接によって接合するこ
    とを特徴とする塗装金属材料の接合方法。
  13. 【請求項13】 前記溶接が電気溶接である請求項12
    に記載の塗装金属材料の接合方法。
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