JP2015101593A - 水性顔料分散組成物、記録方法および記録物 - Google Patents

水性顔料分散組成物、記録方法および記録物 Download PDF

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Abstract

【解決課題】顔料の分散性に優れるとともに、堅牢性、密着性、光沢性、色濃度等に優れた塗膜を簡便かつ低コストに形成し得る水性顔料分散組成物を提供する。【解決手段】水分散性顔料(A)と、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)を共重合してなる樹脂粒子(B)とを、水性媒体中に分散してなることを特徴とする水性顔料分散組成物である。【選択図】なし

Description

本発明は、水性顔料分散組成物、記録方法および記録物に関する。
近年、民生用または産業用の記録方式としてインクジェット記録方式が広く採用されるようになっている。
インクジェット記録方式は、微細なノズルヘッドからインク液滴を吐出して、文字や画像を紙などの記録媒体の表面に記録する方法であり、普通紙をはじめ多種多様な記録媒体に対して非接触で印刷することにより、印刷版をおこすことなくオンデマンドで容易に画像形成できる利点を有している。
このようなインクジェット記録方式に使用されるインクジェットインク組成物としては、安全性を向上させたり、環境負荷を低減するために、近年、有機溶剤系インク組成物に取って代わり水性インクジェットインク組成物や、無溶剤のインクジェットインク組成物が普及しつつある。
特に近年においては、インクジェット記録装置の印刷速度の向上に伴い、従来はグラビア印刷やフレキソ印刷等のロール・ツゥ・ロール方式により行われてきたフィルム、コート紙、金属箔等への印刷をインクジェット記録方式により行うことが検討されるようになっている。
上記水性インクジェットインク組成物としては、顔料粒子とスチレン−アクリル共重合樹脂を含むものが提案され(例えば、特許文献1(特開2004−35716号公報)、特許文献2(特開2004−35718号公報)等参照)、当該インクジェットインク組成物においては、スチレン−アクリル共重合樹脂が、炭素−炭素結合からなる主鎖により構成されるために加水分解等による影響を受けにくく、水溶性に優れ安価なものであるとともに、顔料粒子を好適に被覆してマイクロカプセル化し得るとされている。
特開2004−35716号公報 特開2004−35718号公報
しかしながら、本発明者等の検討によれば、スチレン−アクリル共重合体樹脂をビヒクルとして含む従来のインクジェットインキ組成物は、特に、顔料として自己分散性カーボンブラックを用いたときに、沈降、分離、凝集等を生じ易く、十分な分散性を発揮し難いばかりか、湿潤剤として使用される高沸点有機溶剤等に対して必ずしも十分な相溶性を発揮し得ず、更には被印刷物(記録メディア)であるPETフィルム等への濡れ性、密着性、柔軟性に劣ることが判明した。
また、被印刷物(記録メディア)であるフィルム、コート紙、金属箔等への印刷は、(紙等への印刷と異なり)インク組成物の浸透による固定化は期待できないことから、インクジェットインク組成物としても、フィルム、コート紙、金属箔等の表面に対して十分な密着性を有する塗膜を形成し得るものが求められるが、特許文献1や特許文献2に記載のスチレン−アクリル共重合樹脂を用いたインクジェットインク組成物は、被印刷物であるフィルム、コート紙、金属箔等の表面に対して必ずしも十分な密着性を発揮し得る塗膜を形成し得なかった。
加えて、インクジェットインキ組成物としては、コート紙やプラスチックフィルムの光沢と同等程度の十分な光沢を有するインク塗膜を形成し得るものが望まれている。
従って、本発明は、顔料の分散性に優れるとともに、堅牢性、密着性、光沢性、色濃度等に優れた塗膜を簡便かつ低コストに形成し得る水性顔料分散組成物、記録方法および記録物を提供することを目的とするものである。
上記目的を達成するために、本発明者等が鋭意検討したところ、水分散性顔料(A)と、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)を共重合してなる樹脂粒子(B)とを、水性媒体中に分散してなる水性顔料分散組成物により、上記技術課題を解決し得ることを見出し、本知見に基づいて本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1)水分散性顔料(A)と、
分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)を共重合してなる樹脂粒子(B)とを、
水性媒体中に分散してなる
ことを特徴とする水性顔料分散組成物、
(2)前記水分散性顔料(A)が自己分散型カーボンブラックである上記(1)に記載の水性顔料分散組成物、
(3)前記分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)の酸価が15〜100mgKOH/gである上記(1)または(2)に記載の水性顔料分散組成物、
(4)分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)が、下記一般式(I)
(ただし、Rはメチル基または水素原子であり、nは0〜3の整数であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、a+b=3であり、aが2以上である場合、複数存在するRは互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、複数存在するnも互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)で表される化合物である上記(1)〜(3)のいずれかに記載の水性顔料分散組成物、
(5)前記樹脂粒子(B)の平均粒子径が20〜200nmである上記(1)〜(4)のいずれかに記載の水性顔料分散組成物、
(6)固形分換算で、前記水性媒体分散性顔料(A)100質量部に対し、前記樹脂粒子(B)を10〜300質量部混合してなる上記(1)〜(5)のいずれかに記載の水性顔料分散組成物、
(7)前記水性顔料分散組成物がインクジェットインキ組成物である上記(1)〜(6)のいずれかに記載の水性顔料分散組成物、
(8)上記(7)に記載の水性顔料分散組成物を用い、インクジェット記録方式により記録することを特徴とする記録方法、
(9)上記(7)に記載の水性顔料分散組成物を用い、インクジェット記録方式により記録されてなることを特徴とする記録物
を提供するものである。
本発明によれば、水性顔料分散組成物が、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する構成単位を有する樹脂粒子(B)を含むことにより、このリン酸エステルを構成するリン酸基が被印刷物であるフィルムやコート紙の表面処理面や、金属箔等の表面等と水素結合を形成して強固に密着し得ることから、堅牢性および密着性に優れる塗膜を簡便に形成することができる。また、水性顔料分散組成物が、上記水分散性顔料(A)とともに樹脂粒子(B)を含むことにより、光沢性や色濃度等に優れる塗膜を簡便に形成することができる。
従って、本発明によれば、顔料の分散性に優れるとともに、堅牢性、密着性、光沢性、色濃度等に優れた塗膜を簡便かつ低コストに形成し得る水性顔料分散組成物を提供し得るとともに、該水性顔料分散組成物を用いた記録方法および記録物を提供することができる。
先ず、本発明の水性顔料分散組成物について説明する。
本発明の水性顔料分散組成物は、水分散性顔料(A)と、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)を共重合してなる樹脂粒子(B)とを、水性媒体中に分散してなることを特徴とするものである。
本発明の水性顔料分散組成物において、水分散性顔料(A)を構成する顔料としては、特に制限されないが、例えば、カーボンブラック等の黒色顔料、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄等の金属酸化物や、アルミフレーク、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、珪酸塩類等の無機顔料や、不溶性アゾ顔料、溶性アゾ顔料、フタロシアニン顔料、キナクリドン顔料、ペリレン顔料、イソインドリン顔料、ベンズイミダゾロン顔料、ピランスロン顔料、チオインジゴ顔料、キノフタロン顔料等の有機顔料等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記黒色顔料として、具体的には、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、マルスブラック、ビチューム、チタンブラック、カーボンブラック等を挙げることができ、これ等の中で、カーボンブラックが、炭素含有量が高く無定形構造に由来する黒色度が高く、インクジェット記録用黒色顔料として用いたときに漆黒度と着色力に優れ、ピーチブラックやランプブラック等に比較して乾燥速度が速く、保存安定性が高く、安価であることから、好適に使用することができる。
カーボンブラックとしては、チャネルブラック、ローラーブラック、ディスクブラックと称されているコンタクト法で製造されるもの、ガスファーネスブラック、オイルファーネスブラック等のファーネスブラックと称されているファーネスト法で製造されるもの、サーマルブラック、アセチレンブラックと称されているサーマル法で製造されるものを挙げることができる。
上記カーボンブラックのうち、ファーネスブラックは、生産性に優れるとともに、超微細であることから、水性顔料分散体をインクジェットインキ組成物として用いたときに、優れた高解像度と印刷品質を容易に発揮することができる。
カーボンブラックとしては、平均粒径が50〜250nmであるものが好適であり、60〜200nmであるものがより好適であり、70〜150nmであるものがさらに好適である。
なお、本出願書類において、カーボンブラックの平均粒径は、日機装(株)製マイクロトラックウルトラ・パーティクルアナライザー(UPA)で測定したときに体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(平均粒径D50)を意味する。
本出願書類において、水分散性顔料(A)とは、水中に懸濁して分散液とした際に界面活性剤や高分子化合物を添加することなく安定した分散状態を保持することができ、その分散液の表面張力がほとんど水と同等の値を示す、自己分散性を有するものを意味する。
水分散性顔料(A)としては、顔料自体が自己分散性を有するものであってもよいが、通常顔料はその表面が親油性であることから、顔料表面を親水性化して自己分散性を付与したものが好適である。
上記自己分散型顔料としては、表面が酸性の顔料が好ましく、表面が酸性の顔料としては、シナジストにより表面酸性処理した各種顔料や、ジアゾカップリングにより表面に酸性基を導入した顔料や、適宜酸化処理することにより表面にフェノール性水酸基やカルボキシル基などの酸性基を導入した顔料や、表面処理により酸性にした顔料をさらに対イオンで中和した顔料等の、酸性基を含む少なくとも一種の親水性基が顔料の表面に直接、若しくは他の原子団を介して結合したものを挙げることができる。
上記自己分散型顔料としては、カーボンブラックの表面に酸性基を付与した自己分散型カーボンブラックが好ましい。
顔料表面に導入される酸性基としては、特に制限されず、例えば、スルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基、水酸基等から選ばれる一種以上を挙げることができる。これら酸性基の導入量は、例えば、以下に記述する気相酸化条件もしくは液相酸化条件を制御することにより制御することができる。
顔料表面に酸性基を導入する酸化処理は、液相法、気相法およびこれ等を組み合わせた方法等の公知の方法により行うことができる。
液相法により酸化処理する場合は、酸化剤として、過酸化水素水、硝酸、硫酸、塩素酸塩、過硫酸塩、過炭酸塩など種々の酸化剤を用いることができ、例えば、上記酸化剤を含む水溶液中に、顔料を投入し、攪拌処理することにより、表面に酸性基を有する顔料を得ることができ、酸化剤の投入量および反応温度を制御することで、カーボンブラック等の顔料の表面に酸性基を均一に導入することができる。
また、気相法により酸化処理する場合、酸化剤としてオゾンや空気を用い、カーボンブラック等の顔料と接触させることにより、酸化する方法を挙げることができ、上記気相法によれば、乾燥コストがかからず、液相法に比べて容易に酸化処理することができる。
さらに、カーボンブラック等の顔料の表面にジアゾニウム塩によるカップリング反応によりスルホン酸基、リン酸基、カルボキシル基等の酸性基を導入したり、高温下で顔料と遊離酸素とを接触させることにより顔料表面に酸性基を導入したり、顔料表面を臭素および水によって常圧下または加圧下で処理することにより顔料表面に酸性基を導入する方法を挙げることができる。
上記液相法や気相法等の酸化法によりカーボンブラックの表面に酸性基を付与した自己分散型カーボンブラックとして、具体的には、Aqua Black(登録商標)162、Aqua Black(登録商標)164、Aqua Black(登録商標) 120(いずれも東海カーボン(株)製)、BONJET(登録商標)BLACK、CW−2,BONJET(登録商標)BLACK CW−3(いずれもオリエント化学工業(株)製)等を挙げることができる。
上記液相法や気相法等の酸化法以外の方法により、カーボンブラックの表面に酸性基を付与した自己分散型カーボンブラックとして、具体的には、キャボット・スペシャリティ社製CAB−O−JET200,CAB−O−JET300、CAB−O−JET400等を挙げることができる。
また、水分散性顔料(A)がシアン、マゼンタ、イエロー顔料に自己分散性を付与した自己分散型顔料である場合、これ等の自己分散型顔料としては、CAB−O−JET(登録商標)250C、CAB−O−JET(登録商標)260M、CAB−O−JET(登録商標)270Y、CAB-O-JET(登録商標)450C、CAB−O−JET(登録商標)465M、CAB−O−JET(登録商標)470Y(いずれもキャボット・スペシャリティケミカルズ社製)等を挙げることができる。
水分散性顔料(A)としては、カルボキシル基量が200〜1200μmol/gであるものが好ましく、400〜1000μmol/gであるものがより好ましく、600〜800μmol/gであるものがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、カルボキシル基量は、0.976mol/dmの炭酸水素ナトリウム0.5dmに、水性媒体分散性顔料(A)2gを添加して、6時間振騰した後、水分散性顔料(A)を反応液からろ過分離し、濾液を0.05mol/dmの水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定した時の値を意味する。
本発明の水性顔料分散組成物は、上記水分散性顔料(A)と、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)を共重合してなる樹脂粒子(B)とを含む。
本発明の水性顔料分散組成物において、樹脂粒子(B)を構成する分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)は、特に制限されない。
上記分子末端に(メタ)アクリロイル基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)は、ポリオールとポリイソシアネート化合物の反応によって得られる末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンに、水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物とを反応させることによって作製することができる。
末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンは、例えば、2以上の水酸基を有するポリオール化合物のモル量に対して過剰モル量のポリイソシアネート化合物をウレタン結合させることによって得ることができる。
2以上の水酸基を有するポリオール化合物としては、最終段階で分子末端に(メタ)アクリロイル基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)を水性媒体中に転相させる塩を形成し得る官能基を有するものが好ましく、具体的には、三級カルボキシル基含有ポリオール化合物を挙げることができる。
三級カルボキシル基含有ポリオール化合物としては、例えば、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸、ジメチロール酢酸、ジメチロール酪酸、ジメチロール吉草酸、ジメチロールカプロン酸等のポリヒドロキシカルボン酸類を挙げることができ、これ等のうち、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸等のジヒドロキシモノカルボン酸が好ましい。上記ポリオール化合物が有する三級カルボキシル基はイソシアネート化合物との反応性が極めて低いことから、ウレタン結合反応を阻害することなく、側鎖にカルボキシル基を有する目的とするポリウレタン樹脂を効率よく生成することができる。
また、上記三級カルボキシル基含有ポリオール化合物の配合量を制御することにより、末端に(メタ)アクリロイル基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)の酸価を制御することが可能となり、酸価を調整するためには、三級カルボキシル基含有ポリオール化合物以外のポリオール化合物を使用することが適当である。
さらに、2以上の水酸基を有するポリオール化合物としては、末端に(メタ)アクリロイル基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)が、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)のビニル基や、モノマー(b3)と共重合する際に、いわば反応性乳化剤として共重合し易くするとともに、ポリスチレンアクリル樹脂やポリウレタン樹脂等の樹脂に相容し易くするために、極性の高いポリオール、極性の低いポリオールあるいは分子内に極性分子鎖と低極性分子鎖を有するポリオールを組み合わせて採用することが望ましい。
上記極性の高いポリオールとしては、塩基性官能基を有するポリオール、ノニオン系極性分子鎖を有するポリオール、酸性基を有するポリオールを挙げることができる。
極性の高い、塩基性官能基を有するポリオールとしては、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N,N−ジヒドロキシエチルグリシン、N,N−ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−カルボキシ−プロピオンアミド等のカチオン系ジオール、ジメチルアミノエチルアクリレートとジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどのジアルカノールアミンとのマイケル付加反応物、エチルアミン、ブチルアミンなどのモノアルキルアミンと2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレートのマイケル付加反応物を挙げることができる。
また、極性の高い、塩基性官能基を有するポリオールとしては、ジメチルアミノエチルアミン、ジエチルアミノエチルアミン、ジメチルアミノプロピルアミン、ジエチルアミノプロピルアミン、ジブチルアミノプロピルアミンなどのジアルキルアミノアルキルアミンなどの3級アミンと1級アミンからなるジアミンと2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレートなどのヒドロキシアルキルアクリレートのマイケル付加反応物を挙げることができる。
極性の高い、塩基性官能基を有するポリオールとしては、N−アミノエチルピペリジン、N−アミノプロピルピペリジン、N−アミノエチル−4−ピペコリン、N−アミノプロピル−4−ピペコリン、N−アミノプロピルモロホリン等の複素環アミンと1級アミンからなる化合物と2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシブチルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等のヒドロキシアルキルアクリレートとのマイケル付加反応物を挙げることもできる。
極性の高い、ノニオン系極性分子鎖を有するポリオールとしては、二塩基酸やジオール類にエチレンオキサイドを付加して分子主鎖に3以上のポリオキシエチレンエーテル繰り返し単位を有するポリオキシエチレンエーテルジオールを挙げることができ、例えば、ポリオキシプロピレンエーテルグリコール、ポリオキシブチレンエーテルグリコールとポリオキシエチレンエーテルのブロック共重合ジオール、ポリマージオールとポリオキシエチレンエーテルのブロック共重合ジオール等のポリオキシエチレンエーテルからなる極性分子鎖を有するジオールを挙げることができる。
極性の高い、ノニオン系極性分子鎖を有するポリオールとしては、分子側鎖に3以上のポリオキシエチレンエーテル繰り返し単位を有するポリオキシエチレンエーテルジオールを挙げることもできる。
分子側鎖に3以上のポリオキシエチレンエーテル繰り返し単位を有するポリオキシエチレンエーテルジオールは、例えば、ポリオキシエチレンエーテル繰り返し単位を5〜30有するメトキシポリオキシエチレンエーテルアクリレートと、ジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどのジアルカノールアミンとをマイケル付加反応して得られるジオール等を用いることにより分子側鎖に極性分子鎖を導入して作製することができる。
上記分子側鎖に3以上のポリオキシエチレンエーテル繰り返し単位を有するポリオキシエチレンエーテルジオールとしては、下記一般式(II)

(ただし、RおよびRは、活性水素原子、−C2q−OHまたは−C2r−COO−C2s−OHで表わされる基であり、qは2〜6の実数、rは2〜3の実数、sは2〜4の実数であって、RおよびRは互いに同一であってもよいし異なっていてもよいが、RおよびRの少なくとも一方は−C2q−OHまたは−C2r−COO−C2s−OHで表わされる基であり、かつ、Rは、下記一般式(III)

または下記一般式(IV)

で表わされる基であり、一般式(III)で表わされる基において、cは5〜30の実数、mは1〜4の実数であり、一般式(IV)で表わされる基において、tは5〜30の実数、uは1〜4の実数、pは式p/p+t<0.2を満たす実数である)で表されるジオールを挙げることができる。
一般式(II)で表わされるジオールにおいて、qが3〜6である場合−C2q−で表わされる基は直鎖状であってもよいし分岐鎖状であってもよく、rが3またはsが3〜4である場合、−C2r−で表わされる基または−C2s−で表わされる基は直鎖状であってもよいし分岐鎖状であってもよい。
また、一般式(III)で表わされる基において、mが3〜4である場合−C2m+1で表わされる基は直鎖状であってもよいし分岐鎖状であってもよく、一般式(IV)で表わされる基において、uが3〜4の数である場合−C2u+1で表わされる基は直鎖状であってもよいし分岐鎖状であってもよい。
極性の高い、酸性基を有するポリオールとしては、トリメチロールプロパンモノリン酸エステル、トリメチロールプロパンモノ硫酸エステル、二塩基酸成分の少なくとも一部がナトリウムスルホ琥珀酸又はナトリウムスルホイソフタル酸であるポリエステルジオール、リシン、シスチン、3,5−ジアミノカルボン酸等のジアミノカルボン酸類、2,6−ジヒドロキシ安息香酸、ビス(ヒドロキシメチル)酢酸、ビス(4−ヒドロキシフェニル)酢酸、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン酸、酒石酸、カルボキシ基含有ポリカプロラクトンジオール、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシエチル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシプロピル)プロピオン酸、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)ブタン酸等のジヒドロキシアルカン酸類、ジヒドロキシアルカン酸類のカプロラクトン付加物等、あるいは、これら化合物の酸性官能基が塩基性化合物で中和された化合物を挙げることができる。
上記極性の低いポリオールとしては、油脂由来のアルキル基またはアルケニル基を有するポリオール、炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を有するポリオール、炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する分子鎖からなるポリオール、ロジン骨格又は水添ロジン骨格を有するポリオール化合物等を挙げることができる。
上記極性の低い、油脂由来のアルキル基またはアルケニル基を有するポリオールとしては、ひまし油変性ポリオール等の油脂由来の長鎖ポリオールや、グリセリンラウリル酸モノエステル、グリセリンステアリン酸モノエステル、グリセリンオレイン酸モノエステル等の、グリセリン脂肪酸モノエステルを挙げることができる。
上記極性の低い、炭素数6以上のアルキル基またはアルケニル基を有するポリオールとしては、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオールなどの両末端に水酸基を有するジオール類、側鎖にエステル基を介して長鎖アルキル基或いはアルケニルを有するジオール類、側鎖にエステル基を介して長鎖アルキル基或いはアルケニル基を有するジオール類などを挙げる事ができる。
上記極性の低い、炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する分子鎖からなるポリオールとしては、炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として含む、ポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリラクトンジオール、ポリブタジエンジオール等のポリマージオールを挙げることができる。
上記極性の低い、炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する分子鎖からなるポリオールとしては、炭素数が4以上である単量体に由来する構成単位を2種以上含み、かつ単量体に由来する構成単位の炭素数の平均が6以上であるポリマーポリオールがより好ましい。
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有するポリエステルジオールとしては、炭素数4以上の分子鎖を有するグリコールと二塩基酸からなるジオール化合物を挙げることができる。
炭素数4以上の分子鎖を有するグリコールとしては、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、1,3−ブチレングリコール、1,4−ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、 3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8 −オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、シクロヘキシルジメタノール、ビスフェノールA、ビスフェノールF、水添ビスフェノールA、水添ビスフェ ノールF、ひまし油変性ジオール、ひまし油変性ポリオール等を挙げることができる。
また、炭素数4以上の分子鎖を有するグリコールとしては、ジオール同効の化合物である、ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル、ラウリルグリシジルエーテル、デシルグリシジルエーテル、ステアリルグリシジルエーテル等のアルキルモノグリシジルエーテル類、あるいは、アルキルグリシジルエステル(製品名カージュラE10:シェルジャパン製)等から選ばれる1種以上のモノエポキシ化合物が挙げられる。
また、二塩基酸としては、アジピン酸、アゼライン酸、セバチン酸、ダイマー酸等の脂肪族二塩基酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、無水トリメリット酸等の芳香族多塩基酸またはその無水物、無水ヒドロフタル酸、ジメチル−1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環族多塩基酸またはその無水物等から選ばれる1種以上の多塩基酸あるいは酸無水物(以下、多塩基酸)が挙げられる。
また、炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有するポリエステルジオールとしては、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどの開環重合によって得られるポリエステルポリオールが挙げられる。
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有するポリエステルジオールとしては、数平均分子量が300〜5000の範囲のものが好ましい。
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する、ポリカーボネートジオールとしては、1,6−ヘキサンジオール、 3−メチル−1,5−ペンタンジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,8 −オクタンジオール、1,9−ノナンジオールの一種以上からなるカーボネートジオールが挙げられる。
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する、ポリラクトンジオールとしては、グリコール、ポリエステルポリオールなどの水酸基末端化合物を出発物質として、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどのラクトン環を持つモノマーの開環付加重合によって得られるポリラクトンジオールが挙げられる。
炭素数4以上の分子単位を4個以上繰り返し単位として有する、ポリブタジエンジオールとしては、下記式:
(ただし、f=0.2、g=0.2,h=0.6で、iは正の整数である。)
で表されるポリブタジエンジオールPoly bdR−15HT、R−45HT(出光興産社製)や、ポリイソプレンジオールPoly ip(出光興産社製)や、下記式:
(式中、jは正の整数を示す。)
で表わされるα、ω―ポリブタジエングリコールG−1000、G−2000、G−3000(日本曹達社製)などが挙げられる。
上記低極性の低い、ロジン骨格又は水添ロジン骨格を有するポリオール化合物としては、ロジン骨格又は水添ロジン骨格を有するジオール化合物を挙げることができ、具体的には、パインキリスタルD−6011、Dー6240(荒川化学工業社製)等が挙げられる。
また、上記極性の低いポリオール化合物としては、下記一般式(V)
上記一般式(V)で表わされる化合物において、RおよびRは、活性水素原子、−C2k−OHで表わされる直鎖状もしくは分岐鎖状の基または−C2l−COO−C2e−OHで表わされる直鎖状もしくは分岐鎖状の基であり、kは2〜6の実数、lは2〜3の実数、eは2〜4の実数であって、RおよびRは同一であっても異なっていてもよく、RおよびRの少なくとも一方は、−C2k−OHで表わされる直鎖状もしくは分岐鎖状の基または−C2l−COO−C2e−OHで表わされる直鎖状もしくは分岐鎖状の基である。
また、上記一般式(V)で表わされる化合物において、Rは、下記一般式(VI)
(ただし、dは5〜30の実数である。)で表わされる基であるか、下記一般式(VII)

(ただし、oは5〜30の実数である。)で表わされる基であるか、下記一般式(VIII)

(ただし、vは5〜30の実数である。)で表わされる基であるか、下記一般式(IX)

(ただし、wは6以下の実数であり、xは5〜30の実数である。)で表わされる基であるか、または
炭素数4以上の単量体の繰り返し単位を4個以上有する、ポリエステル、ポリエーテル、ポリカーボネートもしくはポリカプロラクトンからなる分子鎖から選ばれる基である。
分子内に極性分子鎖と低極性分子鎖を有するポリオールとしては、下記一般式(X)で表わされるジオール化合物が挙げられる。
上記一般式(X)で表わされる化合物において、RおよびRは、活性水素原子、−Ck’2k’−OHで表わされる直鎖状もしくは分岐鎖状のアルキレン基または−Cl’2l’−COO−Ce’2e’−OHで表わされる直鎖状もしくは分岐鎖状の基であり、k’は2〜6の実数、l’は2〜3の実数、e’は2〜4の実数であって、RおよびRは同一であっても異なっていてもよく、RおよびRの少なくとも一方は、−Ck’2k’−OHで表わされる直鎖状もしくは分岐鎖状の基または−Cl’2l’−COO−Ce’2e’−OHで表わされる直鎖状もしくは分岐鎖状の基である。
また、上記一般式(X)で表わされる化合物において、R10は、下記一般式(XI)

(ただし、c’は5〜30の実数であり、m’は6〜30の実数である。)で表わされる基であるか、下記一般式(XII)

(ただし、t’は5〜30の実数、u’は6〜30の実数、p’は式p’/p’+t’<0.2を満たす実数である)で表される基であるか、下記一般式(XIII)

(ただし、w’は5〜30の実数であり、x’は6〜30の実数である。)
から選ばれる何れかの基である。
また、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)は、グリセリンモノ(メタ)アクリレート等のジヒドロキシモノ(メタ)アクリレート由来の構成単位を有していてもよく、さらには、(メタ)アクリロイル基とイソシアネート基を有する化合物に40℃以下の低温でジエタノールアミン、ジプロパノールアミンなどのジアルカノールアミンを反応して得られる(メタ)アクリロイル基が1つと水酸基が2つ同一分子内にあるジオール化合物由来の構成単位を有するものであってもよい。
末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンは、上記ポリオールとポリイソシアネート化合物とを反応させることによって得ることができる。
ポリイソシアネート化合物はジイソシアネート化合物等の複数のイソシアネート基を有する化合物であり、ポリイソシアネート化合物としては、例えば、1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、リジンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、上記脂肪族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと上記脂肪族イソシアネートのアダクト体等の脂肪族ポリイソシアネート、あるいはイソホロンジイソシアネート、水添MDI、水添トリレンジイソシアネート、メチルシクロヘキシレンジイソシアネート、イソプロピリデンシクロヘキシル−4,4’−ジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等の脂環族ジイソシアネート、前記脂 環族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記脂環族イソシアネートのアダクト体等の脂環族ポリイソシアネート、あるいはキシリレンジイソシアネート等の芳香脂肪族ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記芳香脂肪族イソシアネートのアダクト体等の芳香脂環族ポリイソシアネート、あるいは4、4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等の芳香族ジイソシアネート、トリフェニルメタントリイソシアネート、前記芳香族ジイソシアネートの三量体、低分子トリオールと前記芳香族イソシアネートのアダクト体等の芳香族ポリイソシアネート、ポリ メチレンポリフェニルイソシアネート等の3官能以上のポリイソシアネート、あるいはコスモネートLL(三井化学(株)製:カルボジイミド化した4,4’− ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物)、或いは、カルボジライトV−05(日清紡(株)製:ポリカルボジイミド基を有する末端脂肪族ポリイソシアネート化合物)等のカルボジイミド基を有するポリイソシアネート化合物類等から選ばれる一種以上のポリイソシアネート化合物を挙げることができる。
末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンは、例えば、上記三級カルボキシル基含有ジオール化合物等のジオール化合物に対し、適宜、極性の高い(極性分子鎖を有する)ジオール化合物と、極性の低い(低極性分子鎖を有する)ジオール化合物とを混合し、次いで、得られたジオール混合物に対し、該混合物を構成する全ジオール化合物のモル数よりもモル数が多くなるようにポリイソシアネート化合物であるジイソシアネート化合物を加えてウレタン反応させることにより、目的とする末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンを調製することができる。
上記反応において、上記ジオール混合物を構成する全ジオール化合物のモル数をNとした場合、ポリイソシアネート化合物であるジイソシアネート化合物を(N+1)モル以上加えることにより、両末端にイソシアネート基を有する末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンを調製することができる。
上記ジオール化合物とジイソシアネート化合物とのウレタン反応においては、一般的な反応温度を採用することができ、反応温度60〜100℃が適当である。上記反応温度が高すぎるとアロファネート結合などの副反応が生じ、低すぎると反応時間が長くなり、製造効率が低下する。
また、上記ウレタン反応において、反応溶媒としては、無溶媒下において、イソシアネート基と反応しないものから選定することができる。反応溶媒として、反応後に除去し得るものを選定する場合には、沸点が70℃以上110℃未満のポリウレタン樹脂の良溶媒の中から選ぶことが好ましい。
上記ウレタン反応において、反応触媒を使用する場合、反応触媒としては、公知任意のウレタン反応触媒から選定することができる。代表的なものとしては、ジブチル錫ジラウリレート、オクチル酸第一錫等の錫系触媒、有機チタン、ジルコニウム触媒等の金属系触媒、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどの3級アミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7及び中和塩などのアミン系触媒を挙げることができる。
得られる末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンを構成する、三級カルボキシル基含有ジオール化合物等のジオール化合物に由来する構成単位、極性の高い(極性分子鎖を有する)ジオール化合物に由来する構成単位、極性の低い(低極性分子鎖を有する)ジオール化合物に由来する構成単位の含有割合は、ウレタン反応に供する各ジオール化合物の割合を調整することにより制御することができる。ポリウレタン反応は逐次反応であることから、上記各ジオール化合物に由来する構成単位数の制御を容易に行うことができる。
ポリウレタン反応は逐次反応であることから、極性の異なるジオール化合物をポリイソシアネート化合物で繋ぐことにより、ブロック的な構造を有するポリウレタン樹脂を容易に得ることができる。
上記ウレタン反応により得られた末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンに対し、水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物をウレタン反応させることによって、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)を得ることができる。
水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物としては、モノヒドロキシアクリルメタクリレート、モノヒドロキシトリアクリレート、モノヒドロキシペンタアクリレートや、ジヒドロキシモノ(メタ)アクリレートが挙げられる。
また、これらにエチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフラン又はε−カプロラクトンを付加重合した化合物等であっても良い。
上記モノヒドロキシアクリルメタクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等のモノヒドロキシモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、ライトエステルG−201P(共栄社化学(株)製)などが挙げられる。
上記モノヒドロキシトリアクリレートとしては、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどが挙げられる。
上記モノヒドロキシペンタアクリレートとしては、ジペンタエリスリトールペンタアクリレートなどが挙げられる。
上記ジヒドロキシモノ(メタ)アクリレートとしては、グリセリンモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられる。
上記ポリオールとポリイソシアネート化合物の反応によって得られる末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンに、水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物をウレタン反応させることにより、分子末端に(メタ)アクリロイル基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)を作製することができる。
上記末端イソシアネートを有するポリイソシアネートポリウレタンに、水酸基と(メタ)アクリロイル基を有する化合物とのウレタン反応は、反応温度65〜75℃で行うことが適当である。
また、上記反応において、反応溶媒としては、無溶媒下において、イソシアネート基と反応しないものから選定することができる。反応溶媒として、反応後に除去し得るものを選定する場合には、沸点が70℃以上110℃未満のポリウレタン樹脂の良溶媒の中から選ぶことが好ましい。
上記ウレタン反応において、反応触媒としては、公知任意のウレタン反応触媒から選定することができる。代表的なものとしては、ジブチル錫ジラウリレート、オクチル酸第一錫等の錫系触媒、有機チタン、ジルコニウム触媒等の金属系触媒、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどの3級アミン、トリエチレンジアミン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7及び中和塩などのアミン系触媒を挙げることができる。
分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)に3級アミンなどの対イオンを添加して中和した上で水等の水性媒体に転相し、水性分散液を得ることができる。また、必要に応じて反応有機溶媒を減圧蒸留にて溜去することにより、上記水等の水性溶媒のみ分散液を得ることができる。
本発明の水性顔料分散組成物において、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)の酸価は、15〜100mgKOH/gであることが好ましく、20〜80mgKOH/gであることがより好ましく、25〜70mgKOH/gであることがさらに好ましい。
本発明の水性顔料分散組成物において、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)の酸価が上記範囲内にあることにより、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)や、水性ポリウレタン樹脂(b1)およびリン酸エステル(b2)と共重合可能なモノマー(b3)を簡便に乳化して目的とする樹脂粒子(B)を得ることができる。
本発明の水性顔料分散組成物において、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)としては、下記一般式(I)
(ただし、Rはメチル基または水素原子であり、nは0〜3の整数であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、a+b=3であり、aが2以上である場合、複数存在するRは互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、複数存在するnも互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)
で表わされる化合物を挙げることができる。
一般式(I)で表される化合物において、aは1〜3の整数であり、aが1である場合、一般式(I)で表される化合物は、末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する分子鎖を一つ備えたリン酸エステルとなり、aが2である場合、一般式(I)で表される化合物は、末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する分子鎖を二つ備えた化合物となり、aが3である場合、一般式(I)で表される化合物は、末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する分子鎖を三つ備えた化合物となる。
本発明の水性顔料分散組成物において、樹脂粒子(B)は、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)を複数種類用いて共重合してなるものであってもよく、この場合、一般式(I)で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものが挙げられる。
樹脂粒子(B)が、一般式(I)で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものである場合、一般式(I)で表わされる全化合物におけるaの平均値が1〜2の数であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物において、Rはメチル基または水素原子であり、Rがメチル基である場合、一般式(I)で表される化合物は、末端にメタアクリロイルオキシ基を有する分子鎖を備えたリン酸エステルであり、Rが水素原子である場合、一般式(I)で表される化合物は、末端にアクリロイルオキシ基を有する分子鎖を備えたリン酸エステルである。
一般式(I)で表される化合物において、aが2または3である場合、複数存在するRは互いに同一であっても異なっていてもよく、Rが異なるものである場合、一般式(I)で表される化合物は、末端にアクリロイルオキシ基を有する分子鎖および末端にメタアクリロイルオキシ基を有する分子鎖を備えたリン酸エステルとなる。
一般式(I)で表される化合物において、nは0〜3の整数であり、一般式(I)で表される化合物において、aが2以上でありnが複数存在する場合、複数存在するnは互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
上述したように、樹脂粒子(B)が、一般式(I)で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものである場合、一般式(I)で表わされる全化合物におけるnの平均値が0〜2の数であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物において、bは0〜2の整数である。
また、一般式(I)で表される化合物において、a+b=3である。
一般式(I)で表される化合物において、bが0である場合、aが3となり、一般式(I)で表される化合物は、末端にアクリロイルオキシ基を有する分子鎖または末端にメタアクリロイルオキシ基を有する分子鎖を合計で三つ備えたリン酸エステルとなり、bが1である場合、aが2となり、一般式(I)で表される化合物は、水酸基を一つ備えるとともに、末端にアクリロイルオキシ基を有する分子鎖または末端にメタアクリロイルオキシ基を有する分子鎖を合計で二つ備えたリン酸エステルとなり、bが2である場合、aが1となり、一般式(I)で表される化合物は、水酸基を二つ備えるとともに、末端にアクリロイルオキシ基を有する分子鎖または末端にメタアクリロイルオキシ基を有する分子鎖を一つ備えたリン酸エステルとなる。
上述したように、樹脂粒子(B)が、一般式(I)で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものである場合、一般式(I)で表わされる全化合物におけるbの平均値が0〜2の数であることが好ましい。
一般式(I)で表される化合物は、市販品であってもよく、具体的には、一般式(I)で表わされる化合物の混合物である日本化薬(株)製カヤマーPM21(一般式(I)において、R=CH、n=1、a=1、b=2である化合物と、R=CH、n=1、a=2、b=1である化合物との1対1混合物(nの平均値が1、aの平均値が1.5、bの平均値が1.5であるもの))等を挙げることができる。
分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)としては、上記一般式(I)で表わされる化合物以外に、下記一般式(I)’

(ただし、R’はメチル基または水素原子であり、n'は0〜3の整数であり、a'は1〜3の整数であり、b'は0〜2の整数であり、a'+b'=3であり、a'が2以上である場合、複数存在するR’は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、a'が2以上でありn'が複数存在する場合、複数存在するn'は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)で表される化合物や、下記一般式(I)''

(ただし、R''はメチル基または水素原子であり、n''は0〜3の整数であり、a''は1〜3の整数であり、b''は0〜2の整数であり、a''+b''=3であり、a''が2以上である場合、複数存在するR''は互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、a''が2以上でありn''が複数存在する場合、複数存在するn''は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)で表される化合物等を挙げることができる。
一般式(I)’で表される化合物および一般式(I)''で表わされる化合物において、a'およびa''は、いずれも1〜3の整数である。
樹脂粒子(B)は、一般式(I)’で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものであってもよく、この場合、一般式(I)’で表わされる全化合物におけるa'の平均値が1〜2の数であることが好ましい。
樹脂粒子(B)は、一般式(I)''で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものであってもよく、この場合、一般式(I)''で表わされる全化合物におけるa''の平均値も1〜2の数であることが好ましい。
一般式(I)’で表される化合物および一般式(I)''で表わされる化合物において、R’およびR''はメチル基または水素原子である。
一般式(I)’で表される化合物において、a'が2または3である場合、複数存在するR’は互いに同一であっても異なっていてもよく、R’が異なるものである場合、一般式(I)’で表される化合物は、末端にアクリロイルオキシ基を有する分子鎖および末端にメタアクリロイルオキシ基を有する分子鎖を備えたリン酸エステルとなる。
一般式(I)''で表される化合物においても、a''が2または3である場合、複数存在するR''は互いに同一であっても異なっていてもよく、R1''が異なるものである場合、一般式(I)''で表される化合物は、末端にアクリロイルオキシ基を有する分子鎖および末端にメタアクリロイルオキシ基を有する分子鎖を備えたリン酸エステルとなる。
一般式(I)’で表される化合物において、n'は0〜3の整数であり、一般式(I)’で表される化合物において、a'が2以上でありn'が複数存在する場合、複数存在するn'は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
一般式(I)''で表される化合物において、n''は0〜3の整数であり、一般式(I)''で表される化合物において、a''が2以上でありn''が複数存在する場合、複数存在するn''は互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。
樹脂粒子(B)が、一般式(I)’で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものである場合、一般式(I)’で表わされる全化合物におけるn'の平均値が0〜2の数であることが好ましい。
樹脂粒子(B)が、一般式(I)''で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものである場合、一般式(I)''で表わされる全化合物におけるn''の平均値が0〜2の数であることが好ましい。
一般式(I)’で表される化合物において、b'は0〜2の整数であり、また、一般式(I)’で表される化合物において、a'+b'=3である。
一般式(I)''で表される化合物において、b''は0〜2の整数であり、また、一般式(I)''で表される化合物において、a''+b''=3である。
樹脂粒子(B)が、一般式(I)’で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものである場合、一般式(I)’で表わされる全化合物におけるb'の平均値が0〜2の数であることが好ましい。
樹脂粒子(B)が、一般式(I)''で表わされる化合物を複数種用いて共重合してなるものである場合、一般式(I)''で表わされる全化合物におけるb''の平均値も0〜2の数であることが好ましい。
なお、本出願書類において、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)には、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)は含まれないものとし、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)には、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)は含まれないものとする。
本発明の水性顔料分散組成物においては、樹脂粒子(B)が分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する構成単位を含み、このリン酸エステルを構成するリン酸基が被印刷物であるフィルムやコート紙の表面処理面や、金属箔等の表面と水素結合を形成して強固に密着し得ることから、堅牢性、密着性に優れた塗膜を簡便に提供することができる。
樹脂粒子(B)は、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する燐原子を、0.03〜5質量%含むものであることが好ましく、0.04〜4質量%含むものであることがより好ましく、0.05〜3.5質量%含むものであることがさらに好ましく、0.05〜3質量%含むものであることが一層好ましい。
なお、本出願書類において、樹脂粒子(B)中における分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する燐原子の含有割合は、共重合時に添加した上記リン酸エステル(b2)の質量と当該リン酸エステル(b2)の分子量から算出したり、予め測定しておいた上記リン酸エステル(b2)の酸価(mgKOH/g)から樹脂粒子(B)の酸価を測定することによって確認することもできる。
本明細書において、樹脂粒子(B)中における分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する燐原子の含有割合P(質量%)は、下記式により算出した値を意味する。
P=Y×Z/X
但し、
P:樹脂粒子(B)中における分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する燐原子の含有割合(質量%)、
Y:リン酸エステル(b2)モノマー中に含まれるリンの含有割合であって、リンの原子量を31としたときに、リン酸エステル(b2)モノマーの化学式から算出される含有割合(質量%)、
Z:リン酸エステル(b2)モノマーの配合量(g)、
X:樹脂粒子(B)の固形分質量(g)
である。
上記燐原子の含有割合から、樹脂粒子(B)中における上記リン酸エステル(b2)に由来する構成単位の含有割合を算出することもできる。
樹脂粒子(B)は、上述した分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)を共重合してなるものである。
上記モノマー(b3)としては、テトラヒドロフタルイミド基を有する(メタ)アクリレート(b1)および分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)と共重合可能なものであれば特に制限されない。
上記モノマー(b3)としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、iso−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、iso−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ドコサニル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、シクロアルキル(メタ)アクリレート、等のアルキル(メタ)アクリレート;スチレン、p−tert―ブチルスチレン、αメチルスチレン、ビニルトルエン等の芳香族ビニルモノマー;製品名ベオバ9(ネオナノン酸ビニルエステル),製品名ベオバ10(ネオデカン酸ビニルエステル)などジャパンケムテック社製バーサティック酸ビニルなどのビニルモノマー等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
また、上記モノマー(b3)としては、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、4−ブトキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、ω―アルコキシアルキル(メタ)アクリレート、;N,N−ジメチルアミノ(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノ(メタ)アクリレート等の三級アミノを有するモノマー、アクリロイルモロホリン、N,N―ジメチル(メタ)アクリルアミドなどのアミノ基含有モノマー;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、6−ヒドロキシヘキシルビニルエーテル等の水酸基含有のモノマー及びこれら水酸基含有のモノマーにεカプロラクトンを付加した水酸基含有のモノマー;ビニルアセトアセテート、2−アセトアセトキシエチル(メタ)アクリレートなどの活性メチレン基を有するモノマー;ビニルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシランなどのシリル基を有するモノマー;グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、3,4エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート、グリシジルビニルエーテル、アリルグリシジルエーテルなどのエポキシ基を有するモノマー;2−イソシアナートプロペン、2−イソシアナートエチルビニルエーテル、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート、m−イソプロペニル−α、α−ジメチルベンジルイソシアネートなどのイソシアネート基を有するモノマー等から選ばれる一種以上が挙げられる。
さらに、上記モノマー(b3)としては、ポリオキシエチレンエーテルグリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシプロピレンエーテルグリコーモノ(メタ)アクリレート、ポリオキシブチレンエーテルグリコール(メタ)アクリレートなどのポリオキシアルキレンエーテル(メタ)アクリレート;ポリオキシアルキレンエーテルジオールのモノビニルエーテルなど一方の末端基がビニル基で、反対の分子末端が水酸基のモノマー;該ポリオキシアルキレンエーテル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンビニルエーテルのビニル基と反対の分子末端水酸基がメトキシ、エトキシ、プロピロキシ、ブトキシ、ラウリロキシ、ステアリロキシなどのアルコキシエーテル末端のモノマー;該ポリオキシアルキレンエーテル(メタ)アクリレート、ポリオキシアルキレンビニルエーテルのビニル基と反対の分子末端水酸基がフェニル、ノニルフェニル末端のモノマー等から選ばれる一種以上が挙げられる。
上記モノマー(b3)を構成する各化合物において、ポリオキシアルキレンエーテル鎖は、オキシエチレンエーテル、オキシプロピレンエーテル、オキシブチレンエーテル等から選ばれる一種以上とブロック共重合してなるものや、ランダム共重合してなるものであってもよく、ポリカプロラクトンなどのラクトン類と共重合してなるものであってもよい。
上記モノマー(b3)としては、(メタ)アクリル酸アミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジエチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピルアクリルアミド、N,N−ジメチルメタクリルアミド、N−イソプロピルアクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)アクリルアミド、N−(2−ヒドロキシエチル)メタクリルアミド、などのアミド基を有するモノマー、アクリロイルモロホリン、メタクリルモロホリンなどのモロフォリン基有するモノマー、N-ブチルマレイミドなどのN-アルキルマレイミド類、(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、(メタ)アクリロイルオキシエチルフタルイミド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルヘキサヒドロフタルイミド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルテトラヒドロフタルイミド、(メタ)アクリロイルオキシプロピルフタルイミド等の、フタル酸無水物類とアルカノールアミンの反応物と(メタ)アクリル酸の反応物である(メタ)アクリロイルオキシアルキルフタルイミド類を挙げることができる。
なお、本出願書類において、上記モノマー(b3)には、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)および分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)は含まれないものとする。
上記モノマー(b3)は、必要に応じ、水等の水性媒体への分散安定性を増すために、ビニル基と酸を有する酸ビニルモノマーであってもよく、酸ビニルモノマーとしては、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸及び二塩基酸であるイタコン酸、マレイン酸、フマル酸のカルボキシル基の一方だけがアルキルエステルになっているハーフエステル酸ビニルモノマー、βヒドロキシエチル(メタ)アクリル酸エステルなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルの水酸基と、無水コハク酸、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸等の酸無水物との反応によって得られる分子中にカルボキシル基と(メタ)アクリロイル基を有する酸ビニルモノマー、アクリル酸ダイマー、(メタ)アクリル酸とεカプロラクトンなどのカプロラクトン類を付加して得られる酸ビニルモノマー、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリル酸エステルの水酸基と、燐酸のモノエステルからなる酸ビニルモノマー等から選ばれる一種以上が挙げられる。
樹脂粒子(B)中における、上記モノマー(b3)に由来する構成単位の含有割合は、樹脂粒子(B)中における、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)に由来する構成単位の含有割合と、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する構成単位の含有割合に応じて適宜調整される。
本発明の水性顔料分散組成物においては、樹脂粒子(B)が、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)に由来する構成単位や、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する構成単位とともに、これ等と共重合可能なモノマー(b3)に由来する構成単位を含み、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)に由来する構成単位や、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する構成単位を所望の含有割合に調整しつつ、残部をモノマー(b3)に由来する構成単位とすることにより、親水性(水性媒体への分散性)や親油性を容易に制御することができる。
樹脂粒子(B)中における、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)に由来する構成単位の含有割合(固型分質量%)は、20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、35〜65質量%であることがさらに好ましい。
樹脂粒子(B)中における、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する構成単位と上記モノマー(b3)に由来する構成単位の合計含有割合(質量%)は、20〜80質量%であることが好ましく、30〜70質量%であることがより好ましく、35〜65質量%であることがさらに好ましい。
なお、本出願書類において、樹脂粒子(B)中における、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)に由来する構成単位の含有割合(質量%)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)に由来する構成単位の含有割合(質量%)およびモノマー(b3)に由来する構成単位の含有割合(質量%)は、共重合時における各々の添加質量の割合から算出することができる。
樹脂粒子(B)は、水性媒体中で安定して分散させるために、必要に応じ、対イオンで中和してなるものであってもよい。
上記対イオンとしては、各種塩基性化合物を挙げることができ、当該塩基性化合物としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、2−アミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、テトラアンモニウムハイドロオキサイド、トリメチルベンジルアンモニウムハイドロオキサイド等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
本発明の水性顔料分散組成物において、樹脂粒子(B)が対イオンを含むものである場合、インキ組成物や塗料等に使用したときに、塗膜から対イオンが蒸散することで塗膜の耐水性を向上させることもでき、当該効果を発現する上では、対イオンとして揮発性の塩基性化合物を採用することが好ましく、このような対イオンとしては、アンモニア、トリエチルアミン、2−ジメチルアミノエタノール等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
樹脂粒子(B)は、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)のリン酸基1当量に対して、対イオンを0.3〜1.2当量含むものであることが好ましく、0.6〜1.1当量含むものであることが好ましい。
樹脂粒子(B)は、その酸価が、10〜200mgKOH/gであるものが好ましく、15〜150mgKOH/gであるものがより好ましく、20〜100mgKOH/gであるものがさらに好ましい。
樹脂粒子(B)の酸価は、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)の種類や配合量を調整することにより、制御することができる。
樹脂粒子(B)は、平均粒子径が、20〜200nmであるものが好ましく、25〜120nmであるものがより好ましく、30〜80nmであるものがさらに好ましい。
樹脂粒子(B)の平均粒子径が20〜200nmであることにより、本発明の水性分散組成物をインクジェット用インキのビヒクルとして好適に用いることができる。
なお、本出願書類において、樹脂粒子(B)の平均粒子径は、日機装(株)製マイクロトラックウルトラ・パーティクルアナライザー(UPA)で測定したときの体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(平均粒径D50)を意味する。
樹脂粒子(B)は、上述した、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)を、乳化重合法またはディスパージョン法により共重合させることにより作製することができる。
得られる樹脂粒子(B)の水性媒体への分散性を考慮した場合は、樹脂粒子(B)は、乳化重合法により各成分を共重合させてなるものであることが好ましい。
乳化重合法またはディスパージョン法により樹脂粒子(B)を作製する場合、重合開始剤の存在下に各成分を共重合させることが好ましい。
上記重合開始剤としては、重合開始剤の1時間半減期が100℃以下の水溶性ラジカル開始剤から選ばれる一種以上が好ましい。
乳化重合法により各成分を共重合させて樹脂粒子(B)を作製する場合、重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウムなどの無機系水溶性開始剤;和光純薬工業(株)製V-30,V-501などのアゾニトリル系水溶性開始剤;2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](例えば、和光純薬工業(株)製VA−086)、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(1−1’−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド](例えば、和光純薬工業(株)製VA080)等のアゾアミド系水溶性開始剤;
2,2’-アゾビス(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド(例えば、和光純薬工業(株)製V−50)、2,2’-アゾビス[N-(2−カルボキシエチル)−2−メチルプロピオンアミジン]・4HO(例えば、和光純薬工業(株)製VA−057)等のアゾアミジン系水溶性開始剤;
2,2’-アゾビス(1−イミノ−1−ピロリジノ−2−メチルプロパン)・2HCl(例えば、和光純薬工業(株)製VA−067)、2,2’-アゾビス[2−](2−イミダゾリン−2−イル)プロパン・2HCl(例えば、和光純薬工業(株)製VA044)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]・2H2SO4(例えば、和光純薬工業(株)製VA-046B)、2,2’−アゾビス{2−[1−(2−ハイドロオキシエチル)−2−イミダゾリン−2−イル]プロパン}2HCl(例えば、和光純薬工業(株)製VA060)、2,2’-アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン](例えば、和光純薬工業(株)製VA−061)等のアゾイミダゾリン系水溶性開始剤;高分子アゾ重合開始剤(例えば、和光純薬工業(株)製VPE−0201、和光純薬工業(株)製VPE−0401、和光純薬工業(株)製VPE−0601等)等の有機系水溶性開始剤等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
また、乳化重合法により各成分を共重合させて樹脂粒子(B)を作製する場合、重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、t-ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートなどの有機過酸化物重合開始剤、或いは2、2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)等のアゾ系重合開始剤など油溶性重合開始剤から選ばれる一種以上を、テトラヒドロフタルイミド基を有する(メタ)アクリレート(a1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(a2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(a3)に予め混合溶解した上で、水溶性重合開始剤と併用することもできる。
上記重合開始剤の使用量は、共重合時に使用する、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)の合計量を100質量部としたときに、0.1〜10質量部であることが適当であり、0.2〜5質量部であることがより適当であり、0.3〜3質量部であることがさらに適当である。
乳化重合法により各成分を共重合させて樹脂粒子(B)を作製する場合、反応系に乳化剤を添加してエマルションを形成する。
乳化剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、ポリオキシエチレン多環フェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル塩等の陰イオン性界面活性剤、アルキルフェノール型界面活性剤、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル等の非イオン性界面活性剤、両性界面活性剤、(メタ)アクリロイル基、プロぺニル基などのビニル基を有する反応性界面活性剤の中から一種以上を必要に応じて組み合わせて用いることができる。
乳化重合法により各成分を共重合させて樹脂粒子(B)を作製する場合、公知の方法を採用することができ、例えば、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)と、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)とを、水および乳化剤と混合撹拌乳化してモノマー乳化液を得た後、さらに水溶性重合開始剤を水に溶かして、その一部を反応容器に入れ、反応温度まで昇温し30〜60分間重合させた後、残りの重合開始剤を滴下して反応させる方法を挙げることができる。
また、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)と、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)とを、水および乳化剤と混合撹拌乳化してモノマー乳化液を得、その一部を反応釜へ仕込み、残りを滴下槽に仕込む。水溶性重合開始剤を水に溶かして、その一部を反応容器に入れ、反応温度まで昇温し所定時間(例えば30分間程度)重合させた後、残りの重合開始剤を残りのモノマー乳化液と同時に滴下して反応させる方法を挙げることができる。
あるいは、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)中に、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)を乳化して乳化液を得、当該乳化液に含有割合が0.05〜3質量%になるように、反応温度65〜75℃にて水溶性重合開始剤を滴下して、6〜10時間反応させることによって樹脂粒子(B)を得ることもできる。
乳化重合法により各成分を共重合させて樹脂粒子(B)を作製する場合、各成分を反応させる温度や反応時間は、共重合対象となる各成分等に応じて適宜選定することができる。
本発明の水性顔料分散組成物は、樹脂粒子(B)を含み、この樹脂粒子(B)により、フィルム、コート紙、金属箔等の表面と水素結合を形成して強固に密着したり、水分散性顔料(A)や湿潤剤として使用される高沸点有機溶剤等との相容性や濡れ性を向上させ、光沢性や色濃度を向上させ得ることから、インクジェットインキ組成物等として好適に使用することができる。
本発明の水性顔料分散組成物は、水分散性顔料(A)および樹脂粒子(B)とともに、水性媒体を含む。
水性媒体としては、水や、水に対して水溶性の有機溶媒を混合した混合液等を挙げることができるが、経済性や安全性の面から水が好ましく、特に脱イオン水が好ましい。
本発明の水性顔料分散組成物に含まれる水分散性顔料(A)の濃度は、使用する水分散性顔料(A)に応じて適宜決定すればよいが、例えば、水分散性顔料(A)がカーボンブラックまたは自己分散性カーボンブラックである場合、2〜25質量%であることが好ましく、3〜20質量%であることがより好ましく、4〜15質量%であることがさらに好ましい。
本発明の水性顔料分散組成物は、固形分換算で、水分散性顔料(A)100質量部に対して、樹脂粒子(B)を10〜300質量部含むものであることが好ましく、20〜200質量部含むものであることがより好ましく、30〜150質量部含むものであることがさらに好ましい。
水分散性顔料(A)100質量部に対する樹脂粒子(B)の量が300質量部を超えると、密着性等の塗膜性能は向上するものの、塗膜中の顔料濃度が相対的に低下するため、得られる塗膜の色濃度が低下し易くなる。水分散性顔料(A)100質量部に対する樹脂粒子(B)の量が10質量部未満であると、所望の効果を発揮し難くなる。
本発明の水性顔料分散組成物は、樹脂粒子(B)の濃度が上記範囲内にあることにより、インクジェットインキ組成物等として使用したときに、優れた顔料分散性を発揮するとともに、被印刷物であるフィルム、コート紙、金属箔等の表面との密着性や、水性媒体分散性顔料(A)や湿潤剤として使用される高沸点有機溶剤等との相溶性や濡れ性を容易に向上させることができ、得られる塗膜に対して優れた色濃度および光沢性を容易に付与することができる。
本発明の水性顔料分散組成物の固形分濃度は、使用する水分散性顔料(A)の種類等に応じて適宜決定することができる。
水分散性顔料(A)がカーボンブラックまたは自己分散性カーボンブラックである場合、本発明の水性顔料分散組成物の固形分濃度は、3〜45質量%であるものが適当であり、4〜40質量%であるものがより適当であり、5〜35質量%であるものがさらに適当である。
本発明の水性顔料分散組成物は、上記水分散性顔料(A)および樹脂粒子(B)とともに、さらに、必要に応じて水に分散したワックス、樹脂粒子エマルション、保湿剤、防腐剤、乳化剤、pH調整剤、消泡剤、塗膜表面平滑剤等の添加剤、水溶性樹脂等の公知の成分を含んでもよく、これ等の成分を含むことにより、水性顔料組成物を用いた塗料、インキの塗装適性、印刷適性、塗膜の擦過性、硬度、柔軟性等を容易に発現させることができる。
樹脂粒子エマルションとしては、特に制限されないが、例えば、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン、アクリルアミド、アクリロイルモロホリン、アクリロニトリル、バーサティック酸ビニルエステル、酢酸ビニル、ブタジエンなど不飽和基を有するビニルモノマーを、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、フマル酸、マレイン酸などの不飽和基を有する酸、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチルなどの塩基モノマー、或いはポリオキシエチレンエーテル鎖を有するオリゴマーと共重合した自己乳化分散型のエマルションや;アニオン性、カチオン性、或いはノニオン性乳化剤を用いて乳化分散し、共重合したエマルションなどの乳化重合型のエマルション樹脂等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
また、樹脂粒子エマルションとしては、例えば、分子中にノニオン性分子鎖、或いは酸性の基、若しくは塩基性の基を有するポリウレタン樹脂を対イオンで中和し、水に転相分散した自己乳化分散型のポリウレタン樹脂エマルションや;分子中に酸性の基を有するポリエステル樹脂を対イオンで中和し、水に転相分散した自己乳化分散型のポリエステル樹脂エマルションや;分子中に酸性の基を有するアルキッド樹脂を対イオンで中和し、水に転相分散した自己乳化分散型のアルキッド樹脂エマルションや;上記不飽和基を有するビニルモノマーを共重合させて得られる自己乳化分散型のアクリル樹脂エマルション等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
上記樹脂粒子エマルションとしては、樹脂粒子(B)と相容性を有するものが好ましい。
一般的に、異種の樹脂同士を混合する場合、広範囲の混合範囲にわたって相溶性に優れるものの方が、配合の自由度が高い、異種の樹脂との相容性が高いという特性があるため顔料との濡れの良い樹脂を選択して用いることができ、光沢や、色濃度に優れた塗膜を得やすくなる。
樹脂粒子(B)は縮合系樹脂と重合系樹脂のハイブリッドとも言え、このために異種の樹脂との相容性が高く、顔料と濡れ易いため、光沢性、色濃度に優れた塗膜を容易に得ることができる。
本発明の水性顔料分散組成物は、相容性に優れた上記樹脂粒子エマルションとブレンドすることによって、樹脂粒子の平均粒径を調整したり粘度調整を容易に行うことができるとともに、得られる塗膜の強度や固さを容易に制御することができる。
保湿剤としては、グリセリン、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール等のポリオキシアルキレンエーテルグリコール類や、1,3ブタンジオール、3-メチルペンタンジオール、1,2ペンタンジオール、1,5ペンタンジオール等のアルキレンジオール類や、ポリオキシアルキレンエーテルグリコールのモノアルキルエーテル、ジアルキルエーテル類、N-メチル−2ピロリドン、2−ピロリドン、エクアミド(出光興産(株)製)、BYKETOL(BYK社)等の水溶性高沸点溶剤等から選ばれる一種以上を挙げることができる。
その他、本発明の水性顔料分散組成物は、塗装適性、印刷適性、塗膜の平滑性等の効果を得やすくするために公知汎用の消泡剤や、濡れ性改善助剤等の効果を得やすくするために添加剤、助剤、有機溶剤を含むこともできる。
本発明の水性顔料分散組成物は、攪拌容器中に、水分散性顔料(A)、樹脂粒子(B)および水性溶媒を攪拌しながら加えつつ、さらに必要に応じて、公知任意の、水に分散したワックス、樹脂粒子エマルション、保湿剤、防腐剤、乳化剤、pH調整剤、消泡剤、塗膜表面平滑剤等の添加剤、水溶性樹脂等を添加して、攪拌し、必要に応じて水、水溶性有機溶媒で粘度を調整して、公知任意の濾過方法により濾過することにより製造することができる。
本発明の水性顔料分散組成物は、各種塗料やインク組成物として使用することができ、特にインクジェットインキ組成物として好適に使用することができる。
本発明の水性顔料分散組成物によれば、顔料の分散性に優れるとともに、優れた光沢性、堅牢性、密着性および高い色濃度を発揮する塗膜を形成し得る水性顔料分散組成物を提供することができる。
次に、本発明の記録方法について説明する。
本発明の記録方法は、本発明の水性顔料分散組成物を用い、インクジェット記録方式により記録することを特徴とするものである。
本発明の水性顔料分散組成物の詳細は、上述したとおりである。また、インクジェット記録方式による記録方法は、公知の方法を適宜採用することができる。
本発明の記録方法において、被記録物(記録メディア)としては、フィルム、コート紙、金属箔等から選ばれる一種以上であることが適当である。
本発明の記録方法は、本発明の水性顔料分散組成物を用いていることから、優れた光沢性、堅牢性、密着性および高い色濃度を発揮する塗膜を形成することができる。
次に、本発明の記録物について説明する。
本発明の記録物は、本発明の水性顔料分散組成物を用い、インクジェット記録方式により記録されてなることを特徴とするものである。
本発明の水性顔料分散組成物の詳細は、上述したとおりである。また、インクジェット記録方式による記録方法は、公知の方法を適宜採用することができる。
本発明の記録物は、フィルム、コート紙、金属箔等から選ばれる一種以上の基材上に形成されてなるものであることが適当である。
本発明の記録物は、本発明の水性顔料分散組成物を用いていることから、優れた光沢性、堅牢性、密着性および色濃度を発揮する塗膜を形成することができる。
(実施例)
以下に本発明の内容を具体的な例を比較例とともに挙げつつ説明する。ただし、本発明はこれら例に限定されるものではない。
1.水分散性顔料(A)
水分散性顔料(A)として、酸性官能基が導入されたカーボンブラック顔料の水分散液である東海カーボン(株)製カーボンブラック アクアブラック162(固形分濃度19.2質量%)を用いた。上記アクアブラック162は、DBP吸油量115cm/100gのカーボンブラックを酸化することにより酸性官能基が導入されてなるものであり、以下の方法で測定されるカルボキシル基量が780μmol/g、日機装(株)製マイクロトラックウルトラ・パーティクルアナライザー(UPA)で測定したときに、体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径(平均粒径D50)が110nmであるものであった。
(カルボキシル基量の測定方法)
0.976mol/dmの炭酸水素ナトリウム0.5dmに、カーボンブラック2gを添加して、6時間振騰した後、カーボンブラックを反応液からろ過分離し、濾液を0.05mol/dmの水酸化ナトリウム水溶液にて中和滴定し、カルボキシル基量を定量した。
2.樹脂粒子(B)(樹脂粒子(B)−1〜樹脂粒子(B)−5)の調製
(1)以下に示す方法により、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b)として、分子末端にアクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1−I)〜分子末端にアクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1 I〜IV)を調製した。
(i)分子末端にアクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1−I)の調製
撹拌羽、玉入れコンデンサー、反応溶媒分離デカンター、窒素吹込み管および乾燥空気吹き込み管を備えた2リットル丸底フラスコ(反応釜)にジメチロールプロピオン酸38.5g、イソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製ディスモジュールI)33.9g、ジシクヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製ディスモジュールW)91.7g、酢酸エチル116.6gを仕込み、撹拌しながら70℃に昇温し、同温度で6時間反応後、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学工業(株)製PTG650SN、数平均分子量666)44.6g、ポリエステルジオール(豊国製油(株)製HS−2H−200S)111.1g、酢酸エチル116.6gを加え73℃にて6時間反応した。次いで、2−ヒドロキシプロピルアクリレート30g、重合禁止剤ターシャリブチルハイドロキノン0.07g、オクチル酸第一錫(日東化成(株)製ネオスタンU−28)0.21g、酢酸エチル116.6gを加えて、窒素吹込みを乾燥空気吹き込みに変えてNCO%が0.1%以下になるまで反応させた。その後、60℃以下まで温度を下げ、トリエチルアミン30gを加えて30分間撹拌後、イオン交換水を800g加え転相した。30分間撹拌してから溶媒を減圧溜去することにより、固形分濃度(NV)が30質量%、ガードナー気泡粘度がL−Mである、分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−I)が得られた。
得られた分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−I)は、固形分酸価が46.1mgKOH/g、末端定量法により算出した数平均分子量Mnが3597であるものであった。
(ii)分子末端にアクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1−II)の調製
撹拌羽、玉入れコンデンサー、反応溶媒分離デカンター、窒素吹込み管および乾燥空気吹き込み管を備えた2リットル丸底フラスコ(反応釜)に、ジメチロールプロピオン酸42.6g、イソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製ディスモジュールI)37.5g、ジシクヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製ディスモジュールW)103.2g、酢酸エチル116.6gを仕込み、撹拌しながら70℃に昇温し、同温度で6時間反応した後、ポリカーボネートジオール((株)クラレ製クラレC−1090、数平均分子量978)93.3g、パインクリスタルD−6011(荒川化学工業(株)製)、40.2g、酢酸エチル116.6gを加え73℃にて6時間反応した。次いで、2−ヒドロキシプロピルアクリレート33.1g、重合禁止剤ターシャリブチルハイドロキノン0.07g、オクチル酸第一錫(日東化成(株)製、ネオスタンU−28)0.21g、酢酸エチル116.6gを加えて、窒素吹込みを乾燥空気吹き込みに変えてNCO%が0.1%以下になるまで反応させた。その後、60℃以下まで温度を下げ、トリエチルアミン32.1gを加えて30分間撹拌後、イオン交換水を800g加え転相した。30分間撹拌してから溶媒を減圧溜去することにより、NVが30.8質量% ガードナー気泡粘度がN−Oである、分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−II)が得られた。
得られた分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−II)は、固形分酸価が51.0mgKOH/g、末端定量法により算出した数平均分子量Mnが2988であるものであった。
(iii)分子末端にアクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1−III)の調製
撹拌羽、玉入れコンデンサー、反応溶媒分離デカンター、窒素吹込み管および乾燥空気吹き込み管を備えた2リットル丸底フラスコ(反応釜)にジメチロールプロピオン酸39.6g、ジシクヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製ディスモジュールW)134.5g、酢酸エチル116.6gを仕込み撹拌しながら70℃に昇温し、同温度で6時間反応した後、ポリカーボネートジオール((株)クラレ製 クラレC−1090(数平均分子量978)38.6g、HS−2G−160R(豊国製油(株)製ひまし油変性ジオール、数平均分子量730)28.8g、HS−2N−220S(豊国製油(株)製ひまし油変性ジオール、数平均分子量1965)77.5g、酢酸エチル116.6gを加え、73℃にて6時間反応させた。2−ヒドロキシプロピルアクリレート30.8g、重合禁止剤ターシャリブチルハイドロキノン0.07g、オクチル酸第一錫(日東化成(株)製ネオスタンU−28)0.21g、酢酸エチル116.6gを加えて、窒素吹込みを乾燥空気吹き込みに変えてNCO%が0.1%以下になるまで反応させた。
その後、60℃以下まで温度を下げ、トリエチルアミン29.9gを加えて30分間撹拌後、イオン交換水を800g加え転相した。30分間撹拌してから溶媒を減圧溜去することにより、NVが28.6質量% ガードナー気泡粘度がG-Hである分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−III)が得られた。
得られた分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−III)は、固形分酸価が47.4mgKOH/g、末端定量法により算出した数平均分子量Mnが3236であるものであった。
(iv)分子末端にアクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1−IV)の調製
撹拌羽、玉入れコンデンサー、反応溶媒分離デカンター、窒素吹込み管および乾燥空気吹き込み管を備えた2リットル丸底フラスコ(反応釜)にジメチロールプロピオン酸37.9g、イソホロンジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製ディスモジュールI)33.3g、ジシクヘキシルメタン−4,4−ジイソシアネート(住化バイエルウレタン(株)製ディスモジュールW)91.7g、酢酸エチル116.6gを仕込み、撹拌しながら70℃に昇温し、同温度で6時間反応させた後、ポリテトラメチレンエーテルグリコール(保土谷化学(株)製 L−1000、数平均分子量1040)79.9g、HS−2H−220S 76.0g、酢酸エチル116.6gを加え73℃で6時間反応させた。次いで、2−ヒドロキシプロピルアクリレート30.9g、重合禁止剤ターシャリブチルハイドロキノン0.07g、オクチル酸第一錫(日東化成(株)製ネオスタンU−28)0.21g、酢酸エチル116.6gを加えて、窒素吹込みを乾燥空気吹き込みに変えてNCO%が0.1%以下になるまで反応させた。その後、60℃以下まで温度を下げ、トリエチルアミン29.4gを加えて30分間撹拌後、イオン交換水を800g加えて転相させた。30分間撹拌してから溶媒を減圧溜去することにより、NVが30.1質量%、ガードナー気泡粘度がY-Zである分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−IV)が得られた。
得られた分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−IV)は、固形分酸価が46.2mgKOH/gであり、末端定量法により算出した数平均分子量Mnが3332であるものであった。
(2)以下に示す方法により、樹脂粒子(B)として、樹脂粒子(B)−1〜樹脂粒子(B)−5を調製した。
(i)樹脂粒子(B)−1の調製
玉入れ冷却コンデンサー、窒素吹込み口、撹拌羽および滴下ロートを備えた1リットル丸底フラスコに、スチレンを61.2g、ジエチルアクリルアミドを8.7g、日本火薬(株)製カヤマーPM21(一般式(I)において、R=CH、n=1、a=1、b=2である化合物と、R=CH、n=1、a=2、b=1である化合物との1対1混合物)を8.7g、(株)アデカ製アデカリアソープSR−10を8.7g、メチルメタクリレートを17.5g、トリエチルアミンを1.83g加え、撹拌しながら、上記分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−I)230gを添加し、更にイオン交換水98.3gの仕込み、30分間以上撹拌して乳化した。
一方、上記滴下ロートに過硫酸カリウム0.52gをイオン交換水50gに溶かして仕込んだのち、その1/5容量(10ml)を上記丸底フラスコ内に加え、72℃に昇温して30分間攪拌した後、残り4/5容量(40ml)を同温度条件下で1.5時間かけて滴下し、次いで同温度条件下で2時間撹拌して反応させた後、75℃に昇温して4時間反応させた。その後、40℃まで冷却し、250メッシュ網で濾過することにより、固形分(不揮発分)濃度が35.6質量%、ガードナー気泡粘度がB−Cである樹脂粒子(B)‐1を調製した。
得られた樹脂粒子(B)−1は、日機装(株)製マイクロトラックUPAで測定した体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径が35.3nmであり、ポリウレタン樹脂/ビニル樹脂で表わされる構成成分の固形分質量比が40/60で、燐含有量が0.54質量%であった。
(ii)樹脂粒子(B)−2の調製
玉入れ冷却コンデンサー、窒素吹込み口、撹拌羽および滴下ロートを備えた1リットル丸底フラスコに、スチレンを66.4g、ジエチルアクリルアミドを7g、日本火薬(株)製カヤマーPM21を7g、(株)ADEKA製アデカリアソープSR−10を7g、メチルメタクリレートを17.5g、トリエチルアミンを1.5g加え、撹拌しながら、上記分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−II)を227g添加し、さらにイオン交換水98.3gを仕込み、30分間以上撹拌して乳化した。
一方、上記滴下ロートに過硫酸カリウム0.52gをイオン交換水50gに溶かして仕込んだ後、その1/5容量(10ml)を上記丸底フラスコに加え、72℃に昇温して30分間撹拌した後、残り4/5容量(40ml)を同温度条件下で1.5時間かけて滴下し、次いで同温度条件下で2時間撹拌して反応させた後、75℃に昇温して4時間反応させた。その後、40℃まで冷却し、250メッシュ網で濾過することにより、固形分(不揮発分)濃度が36.0質量%、ガードナー気泡粘度がAである樹脂粒子(B)−2を調製した。
得られた樹脂粒子(B)−2は、日機装(株)製マイクロトラックUPAで測定した体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径が34.1nmであり、ポリウレタン樹脂/ビニル樹脂で表わされる構成成分の固形分質量比が40/60で、燐含有量が0.43質量%であった。
(iii)樹脂粒子(B)−3の調製
玉入れ冷却コンデンサー、窒素吹込み口、撹拌羽および滴下ロートを備えた1リットル丸底フラスコに、スチレンを76.9g、ジエチルアクリルアミドを3.5g、日本火薬(株)製カヤマーPM21を3.5g、(株)ADEKA製アデカリアソープSR−10を3.5g、トリエチルアミンを0.8g加え、撹拌しながら、上記分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−II)を284g(固形分87.5g)添加し、さらにイオン交換水98.3gを仕込み、30分間以上撹拌して乳化した。
一方、上記滴下ロートに過硫酸カリウム0.52gをイオン交換水50gに溶かして仕込んだ後、その1/5容量(10ml)を上記丸底フラスコに加え、72℃に昇温して30分間攪拌した後、残り4/5容量(40ml)を同温度条件下で1.5時間かけて滴下し、次いで同温度条件下で2時間攪拌して反応させた後、75℃に昇温して4時間反応させた。その後、40℃まで冷却し、250メッシュ網で濾過することにより、固形分(不揮発分)濃度が35.6質量%、ガードナー気泡粘度がAである樹脂粒子(B)−3を調製した。
得られた樹脂粒子(B)−3は、日機装(株)製マイクロトラックUPAで測定した体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径が32.2nmであり、ポリウレタン樹脂/ビニル樹脂で表わされる構成成分の固形分質量比が50/50で、燐含有量が0.22質量%であった。
(iv)樹脂粒子(B)−4の調製
玉入れ冷却コンデンサー、窒素吹込み口、撹拌羽および滴下ロートを備えた1リットル丸底フラスコに、スチレンを66.4g、ジエチルアクリルアミドを7g、日本火薬(株)製カヤマーPM21を7g、(株)ADEKA製アデカリアソープSR−10を7g、メチルメタクリレートを17.5g、トリエチルアミンを1.5g加え、撹拌しながら、上記分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−III)を234.7g添加し、さらにイオン交換水98.3を仕込み、30分間以上撹拌して乳化した。
一方、上記滴下ロートに過硫酸カリウム0.52gをイオン交換水50gに溶かして仕込んだ後、その1/5容量(10ml)を上記丸底フラスコに加え、72℃に昇温して30分間攪拌した後、残り4/5容量(40ml)を同温度条件下で1.5時間かけて滴下し、次いで同温度条件下で2時間攪拌して反応させた後、75℃に昇温して4時間反応させた。その後、40℃まで冷却し、250メッシュ網で濾過することにより、固形分(不揮発分)濃度が35.8質量%、ガードナー気泡粘度がB−Cである樹脂粒子(B)−4を調製した。
得られた樹脂粒子(B)−4は、日機装(株)製マイクロトラックUPAで測定した体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径が37.5nmであり、ポリウレタン樹脂/ビニル樹脂で表わされる構成成分の固形分質量比が40/60で、燐含有量が0.43質量%であった。
(v)樹脂粒子(B)−5の調製
玉入れ冷却コンデンサー、窒素吹込み口、撹拌羽および滴下ロートを備えた1リットル丸底フラスコに、スチレンを66.4g、ジエチルアクリルアミドを7g、日本火薬(株)製カヤマーPM21を7g、(株)ADEKA製アデカリアソープSR−10を7g、4−ヒドロキシブチルアクリレートを17.5g、トリエチルアミンを1.5g加え、撹拌しながら、上記分子末端にアクリロイル基を有する水分散ポリウレタン(b1−IV)を234.7g添加し、さらにイオン交換水98.3gを仕込み、30分間以上撹拌して乳化した。
一方、上記滴下ロートに過硫酸カリウム0.52gをイオン交換水50gに溶かして仕込んだ後、その1/5容量(10ml)を上記丸底フラスコに加え、72℃に昇温して30分間攪拌した後、残り4/5容量(40ml)を同温度条件下で1.5時間かけて滴下し、次いで同温度条件下で2時間撹拌して反応させた後、75℃に昇温して4時間反応させ。その後、40℃まで冷却し、250メッシュ網で濾過することにより、固形分(不揮発分)濃度が35.4質量%、ガードナー気泡粘度がB−Cである樹脂粒子(B)−5を調製した。
得られた樹脂粒子(B)−5は、日機装(株)製マイクロトラックUPAで測定した体積基準積算粒度分布における積算粒度で50%の粒径が28.5nmであり、ポリウレタン樹脂/ビニル樹脂で表わされる構成成分の固形分質量比が40/60で、燐含有量が0.43質量%であった。
(実施例1〜実施例5)
表1に示すように、水分散性顔料(A)として、上述した固形分濃度が19.2質量である東海カーボン(株)製カーボンブラック アクアブラック162を用い、樹脂粒子(B)として、上記のとおり調製した樹脂粒子(B)−1〜樹脂粒子(B)−5を用い、さらに濡れ助剤であるエアープロダクツ社製ダイノール604と、イオン交換水とを用いて、表1に示す組成になるように配合し、攪拌することにより、顔料分散組成物として各々顔料濃度が8質量%であるリキッドインキを調製した。得られたリキッドインキは、いずれも沈殿等が形成されておらず、顔料の分散性に優れるものであった。
なお、実施例1〜実施例5で調製したリキッドインキにおいて、「水分散性顔料(A)の固形分質量/樹脂粒子(B)の固形分質量」で表わされる質量比は、何れも「1/1」である。
(実施例6〜実施例11)
表2に示すように、水分散性顔料(A)として、上述した固形分濃度が19.2質量である東海カーボン(株)製カーボンブラック アクアブラック162を用い、樹脂粒子(B)として、上記のとおり調製した樹脂粒子(B)−1〜樹脂粒子(B)−5を用いるとともに、さらに濡れ助剤であるエアープロダクツ社製ダイノール604と、イオン交換水とを用いて、表2に示す組成になるように配合し、攪拌することにより、顔料分散組成物として各々顔料濃度が5質量%であるリキッドインキを調製した。得られたリキッドインキは、いずれも沈殿等が形成されておらず、顔料の分散性に優れるものであった。
なお、実施例6〜実施例10で調製したリキッドインキにおいて、「水分散性顔料(A)の固形分質量/樹脂粒子(B)の固形分質量」で表わされる質量比は、何れも「1/0.75」であり、実施例11で調製したリキッドインキにおいて、「水分散性顔料(A)の固形分質量/樹脂粒子(B)の固形分質量」で表わされる質量比は、「1/0.5」である。
(比較例1〜比較例6)
表3に示すように、水分散性顔料として、上述した固形分濃度が19.2質量である東海カーボン(株)製カーボンブラック アクアブラック162を用い、樹脂粒子として、アクリルスチレン系樹脂エマルションである樹脂エマルション1(DIC(株)製VoncoatEC−740EF、固形分濃度39.8質量%)、アクリルスチレン系樹脂エマルションである樹脂エマルション2(東洋インキ(株)製W−168、固形分濃度49.2質量%)またはアクリルスチレン系樹脂エマルションである樹脂エマルション3(BASF社製ジョンクリル61J、固形分濃度30.0質量%)を用い、さらに濡れ助剤であるエアープロダクツ社製ダイノール604と、イオン交換水とを用いて、表3に示す組成になるように配合し、攪拌することにより、水性顔料分散組成物として各々顔料濃度が8質量%であるリキッドインキを調製した。
なお、比較例1〜比較例3で調製したリキッドインキにおいて、「水分散性顔料の固形分質量/樹脂粒子の固形分質量」で表わされる質量比は、「1/1」であり、比較例4〜比較例6で調製したリキッドインキにおいて、「水分散性顔料の固形分質量/樹脂粒子の固形分質量」で表わされる質量比は、「1/0.75」である。
実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例6で各々調製したリキッドインキを用いて、光沢(60°グロス)、定着性(堅牢性)、密着性、色濃度(OD値)を以下の方法でそれぞれ測定した。
<光沢測定法>
実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例6で各々調製したリキッドインキを、ドローダウンロッド♯6にて、コートボール紙(王子製紙(株)製 OKコートボール紙)の片側主表面に塗布して、130℃で3分間乾燥し、室温下で1時間静置することにより、コートボール紙の片側主表面にインク塗膜を設けた各試験片を得た。
得られた各試験片を用いて、BYK Gardner社製光沢計(micro gloss60°)にて60°グロスを測定し、以下の評価基準で光沢を評価した。結果を表4〜表6に示す。
なお、インク塗膜形成前における王子製紙(株)製OKコートボール紙の60°グロス測定値は11であった。
○:60°グロスの測定値が37以上
△:60°グロスの測定値が30以上37未満
×:60°グロスの測定値が30未満
<定着性>
実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例6で各々調製したリキッドインキを、ドローダウンロッド♯6にて、コートボール紙(王子製紙(株)製 OKコートボール紙)の片側主表面に塗布して、120℃で10分間乾燥し、室温下で1時間静置することにより、コートボール紙の片側主表面にインク塗膜を設けた各試験片を得た。
得られた各試験片のインク塗膜上に、粘着テープ(24mm幅ニチバンセロテープ(登録商標))を貼り付け、十分に密着させてからゆっくり剥がし、反射型光学色濃度計(X−Rite Inc.製 X−Rite 504)を用いて、粘着テープに付着したインキのO.D.値を測定し、以下の評価基準で定着性を評価した。結果を表4〜表6に示す。
○:O.D.値が0.15以下
△:O.D.値が0.15以上0.25未満
×:O.D.値が0.25以上
<密着性(a)測定法>
実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例6で各々調製したリキッドインキを、ドローダウンロッド♯6にて、コートボール紙(王子製紙(株)製 OKコートボール紙)の片側主表面に塗布して、120℃で10分間乾燥し、室温下で1時間静置することにより、コートボール紙の片側主表面にインク塗膜を設けた各試験片を得た。
コートボール紙の片側主表面に設けたインク塗膜にカッターナイフを用いて縦横約2cmの十字(クロスカット)状の切れ目(傷)を付し、粘着テープ(24mm幅ニチバンセロテープ(登録商標))を上記十字部分に貼り十分密着させてからゆっくり剥がし、以下の評価基準で密着性を評価した。結果を表4〜表6に示す。
○:クロスカット部分のインキの剥れが無い。
△:クロスカット部分のインキの剥れが若干認められる。
×:クロスカット部分のインキ及びコートボール紙の剥れがある。
<密着性(b)測定法>
実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例6で各々調製したリキッドインキを、ドローダウンロッド♯6にて、PETフィルム(パナック(株)製ACL75TACX 75μm表面処理ポリエステルフイルム)およびアルミニウムシート(厚さ0.3mm 未処理ネームプレート用Al板)の片側主表面に塗布して、120℃で10分間乾燥し、室温下で1時間静置することにより、片側主表面にインク塗膜を設けた各試験片を得た。
PETフィルムおよびアルミニウムシートの片側主表面に形成したインク塗膜の表面に1センチ四方あたりカッターナイフで縦横に11本の切れ目(傷)を入れて100枡に区分し、粘着テープ(24mm幅ニチバンセロテープ(登録商標))を上記100升に区分した箇所に貼り十分密着させてから勢いよく剥がして、100升部分の剥れ(密着性)を以下の評価基準で評価した。
○:100升部分の剥れ片の数が1未満
△:100枡部分の剥れ片の数が1以上〜5未満
×:100枡部分の剥れ片の数が5以上
<色濃度測定法>
実施例1〜実施例11および比較例1〜比較例6で各々調製したリキッドインキを、ドローダウンロッド♯6にて、コートボール紙(王子製紙(株)製 OKコートボール紙)の片側主表面に塗布して、120℃で10分間乾燥し、室温下で1時間静置することにより、コートボール紙の片側主表面にインク塗膜を設けた各試験片を得た。
得られた各試験片のインク塗膜上に、粘着テープ(24mm幅ニチバンセロテープ(登録商標))を貼り付け、十分に密着させてからゆっくり剥がし、反射型光学色濃度計(X−Rite Inc.製 X−Rite 504)を用いて、粘着テープに付着したインキのO.D.値を測定し、以下の評価基準で色濃度を評価した。結果を表4〜表6に示す。
○:O.D.値が1.9以上2.4未満
△:O.D.値が1.5以上1.9未満
×:O.D.値が1.5未満
実施例1〜実施例11で得られたリキッドインキ(水性顔料分散組成物)は、特定の樹脂粒子(B)を用いて水分散性顔料(A)を分散してなるものであることから、顔料の分散性に優れるとともに、表4および表5より、優れた光沢性、定着性(堅牢性)、密着性および色濃度を発揮するインク塗膜を形成し得るものであることが分かる。
一方、表6より、比較例1〜比較例6で得られたリキッドインキ(水性顔料分散組成物)は、従来のアクリルスチレン系樹脂を用いて水分散性顔料を分散してなるものであることから、顔料の分散性に劣るとともに、得られるインク塗膜の光沢性、定着性(堅牢性)、密着性および色濃度に劣るものであることが分かる。
本発明によれば、顔料の分散性に優れるとともに、堅牢性、密着性、光沢性、色濃度等に優れた塗膜を簡便かつ低コストに形成し得る水性顔料分散組成物を提供し得るとともに、該水性顔料分散組成物を用いた記録方法および記録物を提供することができる。

Claims (9)

  1. 水分散性顔料(A)と、
    分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)、分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)およびこれ等と共重合可能なモノマー(b3)を共重合してなる樹脂粒子(B)とを、
    水性媒体中に分散してなる
    ことを特徴とする水性顔料分散組成物。
  2. 前記水分散性顔料(A)が自己分散型カーボンブラックである請求項1に記載の水性顔料分散組成物。
  3. 前記分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有する水性ポリウレタン樹脂(b1)の酸価が15〜100mgKOH/gである請求項1または請求項2に記載の水性顔料分散組成物。
  4. 分子末端に(メタ)アクリロイルオキシ基を有するリン酸エステル(b2)が、下記一般式(I)
    (ただし、Rはメチル基または水素原子であり、nは0〜3の整数であり、aは1〜3の整数であり、bは0〜2の整数であり、a+b=3であり、aが2以上である場合、複数存在するRは互いに同一であってもよいし異なっていてもよく、複数存在するnも互いに同一であってもよいし異なっていてもよい。)で表される化合物である請求項1〜請求項3のいずれかに記載の水性顔料分散組成物。
  5. 前記樹脂粒子(B)の平均粒子径が20〜200nmである請求項1〜請求項4のいずれかに記載の水性顔料分散組成物。
  6. 固形分換算で、前記水性媒体分散性顔料(A)100質量部に対し、前記樹脂粒子(B)を10〜300質量部混合してなる請求項1〜請求項5のいずれかに記載の水性顔料分散組成物。
  7. 前記水性顔料分散組成物がインクジェットインキ組成物である請求項1〜請求項6のいずれかに記載の水性顔料分散組成物。
  8. 請求項7に記載の水性顔料分散組成物を用い、インクジェット記録方式により記録することを特徴とする記録方法。
  9. 請求項7に記載の水性顔料分散組成物を用い、インクジェット記録方式により記録されてなることを特徴とする記録物。
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