JP2017078096A - 光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物とその硬化物 - Google Patents

光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物とその硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】 現像性と、硬化物における銅箔密着性とに優れる光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物、ソルダーレジスト用樹脂材料、及びこれらの硬化物を提供することを課題とする。【解決手段】 酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)、アミン化合物(B)、及びリン酸化合物(C)を含有することを特徴とする樹脂組成物、これと光重合開始剤とを含有する光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物、ソルダーレジスト用樹脂材料、及びこれらの硬化物による。【選択図】 なし

Description

本発明は、現像性と、硬化物における銅箔密着性とに優れる光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物、ソルダーレジスト用樹脂材料、及びこれらの硬化物に関する。
プリント配線基板用のソルダーレジストには、光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物が広く用いられており、少ない露光量で硬化すること、アルカリ現像性に優れること、硬化物における耐熱性が高いこと、銅箔密着性に優れること、誘電特性に優れるなど、数多くの要求性能がある。これらの要求特性のうち銅箔密着性は基本的かつ重要な性能であるが、性能発現のメカニズムが十分に解明されておらず、改良が難しい特性の一つであった。
銅箔密着性を向上させる方法として、酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂組成物中にリン酸を添加する技術が知られている(下記特許文献1参照)。特許文献1の方法によればリン酸を添加しない場合と比較して銅箔密着性が向上するが、市場要求を満たすレベルではなく、また、現像性についても更なる性能向上が求められていた。
特開2006−307020号公報
したがって、本発明が解決しようとする課題は、現像性と硬化物における銅箔密着性とに優れる光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物、ソルダーレジスト用樹脂材料、及びこれらの硬化物を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討を行った結果、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の(メタ)アクリレート化触媒としてアミン化合物を用い、これにリン酸を添加することにより、現像性が高く、硬化物における銅箔密着性にも優れる光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物となることを見出し、本発明を完成させるに至った。
即ち、本発明は、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)、アミン化合物(B)、及びリン酸化合物(C)を含有することを特徴とする樹脂組成物に関する。
本発明はさらに、前記樹脂組成物と、光重合開始剤とを含有する光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物及びソルダーレジスト用樹脂材料に関する。
本発明はさらに、前記光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物又は前記ソルダーレジスト用樹脂材料の硬化物に関する。
本発明はさらに、アミン化合物(B)の存在下、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて(メタ)アクリレート中間体を得る工程(工程1)と、前記(メタ)アクリレート中間体中とジカルボン酸無水物とを反応させる工程(工程2)とを経る方法で酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)を製造し、前記工程2の開始から前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の製造終了までの間、或いは、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の製造終了以後にリン酸化合物(C)を添加する樹脂組成物の製造方法に関する。
本発明によれば、現像性と硬化物における銅箔密着性とに優れる光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物、ソルダーレジスト用樹脂材料、及びこれらの硬化物を提供することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物は、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)、アミン化合物(B)、及びリン酸化合物(C)を含有することを特徴とする。
前記アミン化合物(B)は、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の(メタ)アクリレート化触媒として添加されるものである。(メタ)アクリレート化触媒としては、アミン化合物の他、トリフェニルホスフィン等のリン化合物や、各種のホスホニウム塩、金属酸化物、金属水酸化物、パラトルエンスルホン酸等の酸化合物など様々な化合物が利用できるが、得られる樹脂が保存安定性に優れることから、一般にはトリフェニルホスフィン等のリン化合物が広く用いられている。本発明は、これら各種の(メタ)アクリレート化触媒の中からアミン化合物(B)を選択的に用い、これとリン酸化合物(C)とを組み合わせることにより、現像性が高く、更に、硬化物における銅箔密着性にも優れる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂を実現したものである。
前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)は、具体的には、エポキシ樹脂のエポキシ基を(メタ)アクリル酸等で(メタ)アクリレート化し、生じた水酸基にジカルボン酸無水物を反応させて得られるもの、これに更にグリシジル(メタ)アクリレート等を反応させて得られるもの等が挙げられる。本発明ではその主骨格は特に限定されず、エポキシ樹脂原料は、一分子中に2つ以上のエポキシ基を有する化合物であれば、いずれのものも利用できる。具体的には、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらの中でも耐熱性に優れる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂となることから、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂が好ましい。更に、現像性に一層優れる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂となることから、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂等、フェノール或いはアルキルフェノールのノボラック構造を有するものが好ましい。
前記ジカルボン酸無水物は、一分子中に二つのカルボキシ基を有する化合物の酸無水物であれば、いずれのものも利用できる。具体的にはシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、マレイン酸、フマル酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等のジカルボン酸化合物の酸無水物が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、硬化物における耐熱性に優れる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂となる点においては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸等、分子構造中に環状構造を有する化合物の酸無水物が好ましい。また、現像性に優れる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂となる点においては、コハク酸無水物が好ましい。
前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)は、前述の通り、前記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させてエポキシ(メタ)アクリレート中間体を得る工程(工程1)と、(メタ)アクリレート中間体が有する水酸基にジカルボン酸無水物を反応させる工程(工程2)とを経る方法にて製造することができ、具体的には、前記工程1と工程2とを経て得られる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A1)や、前記工程1と工程2とを経て得られる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A1)が含有する酸基の一部に更にグリシジル(メタ)アクリレート等の酸反応性(メタ)アクリレート化合物を反応させて得られる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A2)等が挙げられる。
本発明では、前記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させてエポキシ(メタ)アクリレート中間体を得る反応において、アミン化合物(B)を触媒として用いる。アミン化合物(B)は、例えば、ブチルアミン、オクチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N−メチルモルフォリン、ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノネン−5(DBN)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、イミダゾール、1−メチルイミダゾール、2,4−ジメチルイミダゾール、1,4−ジエチルイミダゾール、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−(N−フェニル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。中でも、現像性に優れ、かつ、銅箔密着性が一層優れる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)が得られることから、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジメチルベンジルアミン等、窒素原子上に3つの炭化水素基を有するアミン化合物が好ましい。
これらアミン化合物(B)の添加量は、銅箔密着性に一層優れる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂が得られることから、得られる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)100質量部に対し0.05〜5質量部の範囲となるように調整することが好ましい。
前記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応割合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対し、(メタ)アクリル酸が0.9〜1.1モルの範囲となる割合であることが好ましい。
前記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応は有機溶媒中で行っても良い。有機溶媒は各原料成分を溶解し得るものであれば特に限定されないが、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。
前記エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応は、例えば、有機溶媒中、前記アミン化合物(B)、酸化防止剤、及び重合禁止剤の存在下、100〜150℃の温度範囲で5〜12時間程度反応させる方法が挙げられる。
次に、得られたエポキシ(メタ)アクリレート中間体と、ジカルボン酸無水物との反応は、例えば、得られたエポキシ(メタ)アクリレート中間体を含有する反応系中にジカルボン酸無水物を添加し、90〜120℃の温度範囲で1〜5時間程度反応させる方法が挙げられる。両者の反応割合は、現像性や銅箔密着性の他、耐熱性の諸性能にも優れる酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)が得られることから、原料エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対し、ジカルボン酸無水物が0.2〜1.1モルの範囲となる割合であることが好ましい。
酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A2)を得る場合には、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A1)中の酸基の一部にグリシジル(メタ)アクリレート等の酸反応性(メタ)アクリレート化合物を反応させる。この時の反応割合は、用いたジカルボン酸無水物1モルに対し、グリシジル(メタ)アクリレート等の酸反応性(メタ)アクリレート化合物が0.3〜0.7モルの範囲であることが好ましい。また、この時の反応条件は、90〜120℃の温度範囲で1〜5時間程度反応させる方法が挙げられる。
前述の通り、本願発明では前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の原料エポキシ樹脂として、フェノール或いはアルキルフェノールのノボラック構造を有するものを用いることが特に好ましい。この場合に得られる前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A1)は、例えば、下記構造式(1)で表される構造部位(I)と下記構造式(2)で表される構造部位(II)とを繰り返し構造単位とするノボラック型樹脂構造を有するものとなる。
Figure 2017078096
[式中Rは水素原子又はメチル基である。Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子の何れかであり、nは1又は2である。Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基である。xは前記Rで表される構造部位、或いは、構造式(1)で表される構造部位(I)又は構造式(2)で表される構造部位(II)と、*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点である。]
また、原料エポキシ樹脂として、フェノール或いはアルキルフェノールのノボラック構造を有するものを用い、酸反応性(メタ)アクリレート化合物としてグリシジル(メタ)アクリレートを用いて得られる前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A2)は、例えば、下記構造式(1)で表される構造部位(I)、下記構造式(2)で表される構造部位(II)及び下記構造式(3)で表される構造部位(III)を繰り返し構造単位とするノボラック型樹脂構造を有するものとなる。
Figure 2017078096
[式中Rは水素原子又はメチル基である。Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子の何れかであり、nは1又は2である。Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基である。xは前記Rで表される構造部位、或いは、構造式(1)で表される構造部位(I)又は構造式(2)で表される構造部位(II)と、*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点である。]
前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の酸価は、銅箔密着性の他、耐熱性の諸性能にも優れることから30〜100mgKOH/gの範囲であることが好ましく、40〜90mgKOH/gの範囲であることがより好ましい。
なお、本願発明において不飽和基含有アルカリ現像性樹脂の酸価はJIS K 0070(1992)の中和滴定法にて測定される値である。
前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の重量平均分子量(Mw)は、銅箔密着性の他、耐熱性の諸性能にも優れることから3,000〜12,000の範囲であることが好ましい。また、分子量分布(Mw/Mn)は、1.5〜4の範囲であることが好ましい。
なお、本発明において前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)及び分子量分布(Mw/Mn)は、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)にて測定した値である。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G5000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
本発明で用いる前記リン酸化合物(C)は、例えば、オルトリン酸、ピロリン酸等のリン酸や、リン酸エステル化合物等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。リン酸化合物の添加量は、銅箔密着性に優れる樹脂組成物となることから、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)100質量部に対し0.05〜5質量部の範囲であることが好ましい。リン酸化合物(C)を添加するタイミングは特に限定されないが、例えば、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)を前述の工程1と工程2とを経る方法で製造する場合、工程2以後のタイミングで添加することが好ましい。即ち、前述した酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の製造方法の工程2の開始から酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の製造終了までの間で添加する方法や、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の製造終了以後に添加する方法などが挙げられる。
本発明の樹脂組成物は、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)、前記アミン化合物(B)、及び前記リン酸化合物(C)を含有するが、樹脂組成物中において、前記アミン化合物(B)と前記リン酸化合物(C)とが塩を形成していても良い。
本発明の光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物は、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)、前記アミン化合物(B)、及び前記リン酸化合物(C)に加え、光重合開始剤を含有する。
ここで用いる光重合開始剤は、例えば、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−〔4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル〕−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、チオキサントン及びチオキサントン誘導体、2,2′−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタン−1−オン等が挙げられる。
これら光重合開始剤の市販品は、例えば、「イルガキュア−184」、「イルガキュア−149」、「イルガキュア−261」、「イルガキュア−369」、「イルガキュア−500」、「イルガキュア−651」、「イルガキュア−754」、「イルガキュア−784」、「イルガキュア−819」、「イルガキュア−907」、「イルガキュア−1116」、「イルガキュア−1664」、「イルガキュア−1700」、「イルガキュア−1800」、「イルガキュア−1850」、「イルガキュア−2959」、「イルガキュア−4043」、「ダロキュア−1173」(チバスペシャルティーケミカルズ社製)、「ルシリンTPO」(ビーエーエスエフ社製)、「カヤキュア−DETX」、「カヤキュア−MBP」、「カヤキュア−DMBI」、「カヤキュア−EPA」、「カヤキュア−OA」(日本化薬株式会社製)、「バイキュア−10」、「バイキュア−55」(ストウファ・ケミカル社製)、「トリゴナルP1」(アクゾ社製)、「サンドレイ1000」(サンドズ社製)、「ディープ」(アプジョン社製)、「クオンタキュア−PDO」、「クオンタキュア−ITX」、「クオンタキュア−EPD」(ワードブレンキンソップ社製)等が挙げられる。
前記光重合開始剤の添加量は、例えば、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)100質量部に対し、1〜20質量部の範囲であることが好ましい。
本発明の光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物は、この他、無機微粒子やポリマー微粒子、顔料、消泡剤、粘度調整剤、レベリング剤、難燃剤、保存安定化剤等の各種添加剤を含有しても良い。
本発明の光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物は、現像性や銅箔密着性、耐熱性等に優れることから、ソルダーレジスト用途に好適に用いることができる。
本発明のソルダーレジスト用樹脂材料は、例えば、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)、前記アミン化合物(B)、前記リン酸化合物(C)、及び光重合開始剤に加え、硬化剤、硬化促進剤、有機溶媒等の各成分を含んでなる。
前記硬化剤は、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)中のカルボキシ基と反応し得る官能基を有するものであれば特に制限されず、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。ここで用いるエポキシ樹脂は、例えば、ビスフェノール型エポキシ樹脂、フェニレンエーテル型エポキシ樹脂、ナフチレンエーテル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ナフトールアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。これらのエポキシ樹脂の中でも、硬化物における耐熱性に優れることから、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−フェノール共縮ノボラック型エポキシ樹脂、ナフトール−クレゾール共縮ノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂が好ましく、軟化点が50〜120℃の範囲であるものが特に好ましい。
前記硬化促進剤は、前記硬化剤の硬化反応を促進するものであり、前記硬化剤としてエポキシ樹脂を用いる場合には、リン系化合物、第3級アミン、イミダゾール、有機酸金属塩、ルイス酸、アミン錯塩等が挙げられる。これらはそれぞれ単独で用いても良いし、2種類以上を併用しても良い。硬化促進剤の添加量は、例えば、前記硬化剤100質量部に対し1〜10質量部の範囲で用いる。
前記有機溶媒は、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)や硬化剤等の各種成分を溶解し得るものであれば特に限定されず、例えば、メチルエチルケトン、アセトン、ジメチルホルムアミド、メチルイソブチルケトン、メトキシプロパノール、シクロヘキサノン、メチルセロソルブ、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
本発明のソルダーレジスト用樹脂材料を用いてレジスト部材を得る方法は、例えば、前記ソルダーレジスト用樹脂材料を基材上に塗布し、60〜100℃程度の温度範囲で有機溶剤を揮発乾燥させた後、所望のパターンが形成されたフォトマスクを通して紫外線や電子線等にて露光させ、アルカリ水溶液にて未露光部を現像し、更に140〜180℃程度の温度範囲で加熱硬化させる方法が挙げられる。
以下に、実施例および比較例をもって本発明をより詳しく説明する。
なお、実施例で得た不飽和基含有アルカリ現像性樹脂のGPCチャートは、下記条件のゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)にて測定した。
測定装置 :東ソー株式会社製「HLC−8220 GPC」、
カラム:東ソー株式会社製ガードカラム「HXL−L」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G5000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G4000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G3000HXL」
+東ソー株式会社製「TSK−GEL G2000HXL」
検出器: RI(示差屈折径)
データ処理:東ソー株式会社製「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」
測定条件: カラム温度 40℃
展開溶媒 テトラヒドロフラン
流速 1.0ml/分
標準 : 前記「GPC−8020モデルIIバージョン4.10」の測定マニュアルに準拠して、分子量が既知の下記の単分散ポリスチレンを用いた。
(使用ポリスチレン)
東ソー株式会社製「A−500」
東ソー株式会社製「A−1000」
東ソー株式会社製「A−2500」
東ソー株式会社製「A−5000」
東ソー株式会社製「F−1」
東ソー株式会社製「F−2」
東ソー株式会社製「F−4」
東ソー株式会社製「F−10」
東ソー株式会社製「F−20」
東ソー株式会社製「F−40」
東ソー株式会社製「F−80」
東ソー株式会社製「F−128」
試料 : 樹脂固形分換算で1.0質量%のテトラヒドロフラン溶液をマイクロフィルターでろ過したもの(50μl)。
本願実施例において酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の酸価はJIS K 0070(1992)の中和滴定法にて測定した。
実施例1 樹脂組成物(1)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート130質量部を入れ、ビスフェノールFノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−570」、エポキシ当量186g/当量)372質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン1.8質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.4質量部を加えた後、アクリル酸148質量部、トリエチルアミン2.6質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート234質量部、テトラヒドロ無水フタル酸155質量部を加え110℃で2.5時間反応し、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−1)溶液(固形分約65質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−1)酸価は85mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は4,797、分子量分布(Mw/Mn)は2.84であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−1)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(1)を得た。
実施例2 樹脂組成物(2)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート130質量部を入れ、ビスフェノールFノボラックエポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−570」、エポキシ当量186g/当量)372質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン1.8質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.4質量部を加えた後、アクリル酸148質量部、ジメチルベンジルアミン2.6質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート234質量部、テトラヒドロ無水フタル酸155質量部を加え110℃で2.5時間反応し、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−2)溶液(固形分約65質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−2)の酸価は85mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は6,490、分子量分布(Mw/Mn)は3.26であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−2)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(2)を得た。
実施例3 樹脂組成物(3)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エチルジグリコールアセテート72質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−680」、エポキシ当量216g/当量)216質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.4質量部を加えた後、アクリル酸72質量部、トリエチルアミン0.5質量部を添加し、空気を吹き込みながら130℃で5時間エステル化反応を行なった。エチルジグリコールアセテート128質量部、テトラヒドロ無水フタル酸83.6質量部を加え100℃で5時間反応し、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−3)溶液(固形分約65質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−3)の酸価は85mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は3,855、分子量分布(Mw/Mn)は1.94であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−3)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(3)を得た。
実施例4 樹脂組成物(4)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エチルジグリコールアセテート72質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−680」、エポキシ当量216g/当量)216質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.4質量部を加えた後、アクリル酸72質量部、ジメチルベンジルアミン0.5質量部を添加し、空気を吹き込みながら130℃で5時間エステル化反応を行なった。エチルジグリコールアセテート128質量部、テトラヒドロ無水フタル酸83.6質量部を加え100℃で5時間反応し、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−4)溶液(固形分約65質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−4)の酸価は85mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は3,926、分子量分布(Mw/Mn)は1.98であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−4)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(4)を得た。
実施例5 樹脂組成物(5)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート130質量部を入れ、ビスフェノールFノボラックエポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−570」、エポキシ当量186g/当量)372質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン1.8質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.4質量部を加えた後、アクリル酸148質量部、トリエチルアミン2.6質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート132質量部、無水コハク酸92質量部を加え110℃で2.5時間反応させ、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−5)溶液(固形分約70質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−5)の酸価は85mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は4,634、分子量分布(Mw/Mn)は2.76であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−5)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(5)を得た。
実施例6 樹脂組成物(6)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート130質量部を入れ、ビスフェノールFノボラックエポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−570」、エポキシ当量186g/当量)372質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン1.8質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.4質量部を加えた後、アクリル酸148質量部、ジメチルベンジルアミン2.6質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート132質量部、無水コハク酸92質量部を加え110℃で2.5時間反応させ、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−6)溶液(固形分約70質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−6)の酸価は85mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は6,313、分子量分布(Mw/Mn)は3.25であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−6)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(6)を得た。
実施例7 樹脂組成物(7)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート144質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−680」、エポキシ当量216g/当量)432質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン1.4質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.3質量部を加えた後、アクリル酸144質量部、トリエチルアミン2.9質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート222質量部、無水コハク酸103質量部を加え110℃で2.5時間反応させ、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−7)溶液(固形分約65質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−7)の酸価は85mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は3,788、分子量分布(Mw/Mn)は1.92であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−7)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(7)を得た。
実施例8 樹脂組成物(8)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート144質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−680」、エポキシ当量216g/当量)432質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン1.4質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.3質量部を加えた後、アクリル酸144質量部、ジメチルベンジルアミン2.9質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート222質量部、無水コハク酸103質量部を加え110℃で2.5時間反応させ、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−8)溶液(固形分約65質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−8)の酸価は85mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は3,858、分子量分布(Mw/Mn)は1.96であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−8)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(8)を得た。
実施例9 樹脂組成物(9)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート223質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−695」、エポキシ当量212g/当量)424質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン2.2質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.3質量部を加えた後、アクリル酸148質量部、トリエチルアミン2.2質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート312質量部、テトラヒドロ無水フタル酸243質量部を加え110℃で2.5時間反応させた。その後グリシジルメタクリレート57質量部を加え、110℃で2.5時間反応させ、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−9)溶液(固形分約62質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−9)の酸価は77mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は6,799、分子量分布(Mw/Mn)は3.10であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−9)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(9)を得た。
実施例10 樹脂組成物(10)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート223質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−695」、エポキシ当量212g/当量)424質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン2.2質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.3質量部を加えた後、アクリル酸148質量部、ジメチルベンジルアミン2.2質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート312質量部、テトラヒドロ無水フタル酸243質量部を加え110℃で2.5時間反応させた。その後グリシジルメタクリレート57質量部を加え、110℃で2.5時間反応させ、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−10)溶液(固形分約62質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−10)の酸価は77mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は6,863、分子量分布(Mw/Mn)は3.12であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−10)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(10)を得た。
実施例11 樹脂組成物(11)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート223質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−695」、エポキシ当量212g/当量)424質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン2.2質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.3質量部を加えた後、アクリル酸148質量部、トリエチルアミン2.2質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート294質量部、無水コハク酸180質量部を加え110℃で2.5時間反応させた。その後グリシジルメタクリレート91質量部を加え、110℃で2.5時間反応させ、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−11)溶液(固形分約62質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−11)の酸価は77mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は6,703、分子量分布(Mw/Mn)は3.06であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−11)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(11)を得た。
実施例12 樹脂組成物(12)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート223質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−695」、エポキシ当量212g/当量)424質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン2.2質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.3質量部を加えた後、アクリル酸148質量部、ジメチルベンジルアミン2.2質量部を添加し、空気を吹き込みながら120℃で10時間エステル化反応を行った。その後、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート294質量部、無水コハク酸180質量部を加え110℃で2.5時間反応させた。その後グリシジルメタクリレート91質量部を加え、110℃で2.5時間反応させ、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−12)溶液(固形分約62質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−12)の酸価は77mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は6,787、分子量分布(Mw/Mn)は3.09であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−12)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(12)を得た。
比較製造例1 樹脂組成物(1’)の製造
温度計、攪拌器、及び還流冷却器を備えたフラスコに、エチルジグリコールアセテート72質量部を入れ、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製「EPICLON N−680」、エポキシ当量216g/当量)216質量部を溶解し、酸化防止剤としてジブチルヒドロキシトルエン0.8質量部、熱重合禁止剤としてメトキノン0.4質量部を加えた後、アクリル酸72質量部、トリフェニルフォスフィン0.5質量部を添加し、空気を吹き込みながら130℃で5時間エステル化反応を行なった。その後、エチルジグリコールアセテート128質量部、テトラヒドロ無水フタル酸83.6質量部を加え100℃で5時間反応させ、酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−1’)溶液(固形分約65質量%)を得た。酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−1’)の酸価は55mgKOH/g、重量平均分子量(Mw)は7,628、分子量分布(Mw/Mn)は3.04であった。
次いで、得られた酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A−1’)溶液100質量部にリン酸0.5質量部を添加し、樹脂組成物(1’)を得た。
実施例13〜24及び比較例1
下記要領で光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物を調整し、銅箔密着性と、光感度、乾燥管理幅を評価した。結果を表1に示す。
◆銅箔密着性の評価
・光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物の調整
実施例で得た樹脂組成物100質量部、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製『EPICLON N−680』)24質量部、光重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製『イルガキュア907』)5.0質量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5質量部、有機溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート13質量部を配合し光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物を得た。
・評価サンプルの作成
銅箔上に先で得た光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物を60μmのアプリケーターで塗布し、80℃で30分乾燥させた。メタルハライドランプを用いて750mJ/cmの紫外線を照射し、更に150℃で1時間熱硬化させた。
・ピール強度の測定
試験片を幅1cm、長さ12cmの大きさに切り出し、剥離試験機(株式会社A&D社製「A&Dテンシロン」)を用いて90°ピール強度を測定した。
◆光感度、乾燥管理幅の評価
・光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物の調整
実施例で得た樹脂組成物100質量部、硬化剤としてオルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製『EPICLON N−680』)24質量部、光重合開始剤として2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(BASF社製『イルガキュア907』)5.0質量部、硬化促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール0.5質量部、有機溶剤としてジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート13質量部、顔料としてフタロシアニングリーン0.65質量部を配合し、ロールミルにより混錬して光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物を得た。
・光感度の測定
ガラス基材の上に先で得た光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、80℃で30分乾燥させた。次いで、コダック社製のステップタブレットNo.2を介し、メタルハライドランプを用いて750mJ/cmの紫外線を照射した。これを1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で180秒現像し、残存した段数で評価した。残存段数が多いほど光感度が高い。
・乾燥管理幅の測定
ガラス基材の上に先で得た光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物を50μmのアプリケーターで塗布し、80℃での乾燥時間がそれぞれ30分、40分、50分、60分であるサンプルを作成した。これらを1質量%の炭酸ナトリウム水溶液で180秒現像し、残渣が残らなかったサンプルの80℃乾燥時間を乾燥管理幅として評価した。乾燥管理幅が長いほどアルカリ現像性に優れる。
Figure 2017078096

Claims (8)

  1. 酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)、アミン化合物(B)、及びリン酸化合物(C)を含有することを特徴とする樹脂組成物。
  2. 前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)100質量部に対し、前記アミン化合物(B)を0.05〜5質量部の範囲で含有し、かつ、前記リン酸化合物(C)を0.05〜5質量部の範囲で含有する請求項1記載の樹脂組成物。
  3. 前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)が、下記構造式(1)で表される構造部位(I)と下記構造式(2)で表される構造部位(II)とを繰り返し構造単位とするノボラック型樹脂構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A1)である請求項1記載の樹脂組成物。
    Figure 2017078096
    [式中Rは水素原子又はメチル基である。Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子の何れかであり、nは1又は2である。Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基である。xは前記Rで表される構造部位、或いは、構造式(1)で表される構造部位(I)又は構造式(2)で表される構造部位(II)と、*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点である。]
  4. 前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)が、下記構造式(1)で表される構造部位(I)、下記構造式(2)で表される構造部位(II)及び下記構造式(3)で表される構造部位(III)を繰り返し構造単位とするノボラック型樹脂構造を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A2)である請求項1記載の樹脂組成物。
    Figure 2017078096
    [式中Rは水素原子又はメチル基である。Rはそれぞれ独立に水素原子、炭素原子数1〜4の炭化水素基、炭素原子数1〜4のアルコキシ基、ハロゲン原子の何れかであり、nは1又は2である。Rは炭素原子数1〜12の炭化水素基である。xは前記Rで表される構造部位、或いは、構造式(1)で表される構造部位(I)又は構造式(2)で表される構造部位(II)と、*印が付されたメチレン基を介して連結する結合点である。]
  5. 請求項1〜4何れか記載の樹脂組成物と、光重合開始剤とを含有する光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物。
  6. ソルダーレジスト用樹脂材料である請求項5記載の光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物。
  7. 請求項5又は6記載の光硬化型アルカリ現像性樹脂組成物の硬化物。
  8. アミン化合物(B)の存在下、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを反応させて(メタ)アクリレート中間体を得る工程(工程1)と、前記(メタ)アクリレート中間体とジカルボン酸無水物とを反応させる工程(工程2)とを経る方法で酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)を製造し、前記工程2の開始から前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の製造終了までの間、或いは、前記酸基含有エポキシ(メタ)アクリレート樹脂(A)の製造終了以後にリン酸化合物(C)を添加する樹脂組成物の製造方法。
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