JPH10298213A - 活性エネルギー線重合性エマルジョン - Google Patents

活性エネルギー線重合性エマルジョン

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Publication number
JPH10298213A
JPH10298213A JP10960697A JP10960697A JPH10298213A JP H10298213 A JPH10298213 A JP H10298213A JP 10960697 A JP10960697 A JP 10960697A JP 10960697 A JP10960697 A JP 10960697A JP H10298213 A JPH10298213 A JP H10298213A
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JP
Japan
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group
meth
acrylate
polymerizable
acid
Prior art date
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Pending
Application number
JP10960697A
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English (en)
Inventor
Yuji Hagiwara
雄二 萩原
Yutaka Nakahara
豊 中原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Adeka Corp
Original Assignee
Asahi Denka Kogyo KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エマルジョンの安定性、膜形成時の耐熱性及
び基材との密着性に優れ、着色が無い重合体を得ること
のできる活性エネルギー線重合性エマルジョンを提供す
ること。 【解決手段】 少なくとも、(A)成分として、活性エ
ネルギー線により重合可能な1以上の重合性炭素―炭素
二重結合を有する化合物及び、(B)成分として、1以
上の重合性炭素―炭素二重結合及びアニオン性親水基と
してカルボン酸基、リン酸エステル基、カルボン酸塩基
又はリン酸エステル塩基を有する化合物を含有する活性
エネルギー線重合性エマルジョン。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は重合体の単量体成分
として特有の成分を有する活性エネルギー線重合性エマ
ルジョンに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、いわゆる反応性界面活性剤は、界
面活性能を有しながら重合体と共に重合可能であるとい
う特有の性質が注目され、使用分野、使用規模、使用範
囲等が拡大している。
【0003】例えば、乳化重合により製造されるABS
樹脂の製造に使用される例としては特開平9―3142
号、特開平8―333489号、特開平7―30991
9号、特開平7―324115号等が挙げられる。又、
製紙用ロジン系サイズ剤の製造に使用される例としては
特開平8―337997号、特開平4―222295号
等が挙げられる。樹脂の帯電防止剤として使用される例
としては特開平8―291282号等が挙げられる。粘
着剤(又は接着剤)用樹脂の製造に使用される例として
は特開平8―231937号、特開平8―209087
号、特開平7―278233号等が挙げられ、この他様
々な用途に使用されている。しかしこれらはいずれも熱
重合性樹脂に使用された例であった。
【0004】前述のような反応性界面活性剤が光重合性
樹脂に使用された例は未だ少ない。例えば、特開平5―
320283号は光重合性樹脂エマルジョンの一成分と
してスルホン酸アンモニウム基を有する反応性界面活性
剤を使用している例が開示されている。又、特開平5―
318925号は、一成分としてスルホン酸アンモニウ
ム基を有する反応性界面活性剤を使用した光重合性樹脂
エマルジョンを、感熱紙のバインダーとして使用してい
る例が開示されている。尚、特開平5―320283号
及び特開平5―318925号に記載の反応性界面活性
剤の親水基は正確にはスルホン酸アンモニウム塩基では
なく硫酸エステルアンモニウム塩基である。特開平7―
330845号は特定の構造の反応性界面活性剤を光重
合性樹脂(無溶剤系)の帯電防止剤として使用している
例が開示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、特開平5―3
20283号等に開示される「スルホン酸アンモニウム
塩基」(正確には硫酸エステルアンモニウム塩基)を有
する反応性界面活性剤は、樹脂に組み込んだ場合に樹脂
の耐熱性を低下させたり、樹脂が着色するといった悪影
響を与えるという問題点が指摘されている他、重合体を
塗膜にした場合に基材との密着性が良くないという欠点
を有している。光重合性樹脂はコーティング剤として使
用されることがあるため、樹脂の耐熱性や着色、基材に
対する密着性等は大きな問題点である。
【0006】本発明は上記のような従来の課題を解決
し、エマルジョンの安定性、膜形成時の耐熱性及び基材
との密着性に優れ、着色が無い重合体を得ることのでき
る活性エネルギー線重合性エマルジョンを提供すること
を目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは鋭意
検討し、「スルホン酸アンモニウム塩基」(正確には硫
酸エステルアンモニウム塩基)を有する反応性界面活性
剤に代え、親水基としてカルボン酸(塩)基又はリン酸
エステル(塩)基を有する反応性界面活性剤を使用する
ことにより樹脂の耐熱性及び着色、基材に対する密着性
といった問題を解決した。
【0008】即ち本発明は、少なくとも、(A)成分と
して、活性エネルギー線により重合可能な1以上の重合
性炭素―炭素二重結合を有する化合物及び、(B)成分
として、1以上の重合性炭素―炭素二重結合及びアニオ
ン性親水基としてカルボン酸基、リン酸エステル基、カ
ルボン酸塩基又はリン酸エステル塩基を有する化合物を
含有する活性エネルギー線重合性エマルジョンである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の活性エネルギー線重合性
エマルジョンの成分である(A)活性エネルギー線によ
り重合可能な1以上の重合性炭素―炭素二重結合を有す
る化合物は、一般に光重合性モノマーや光重合性プレポ
リマーと称される化合物が含まれる。以下の例示におい
て、(メタ)アクリル酸はアクリル酸及びメタクリル酸
の、CLはカプロラクトンの、AOはアルキレンオキサ
イドの略記である。
【0010】光重合性モノマーは、反応性希釈剤とも称
されることがあり、単官能及び多官能化合物に大別でき
る。単官能化合物としては例えば、(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エ
チル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル
酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)
アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸ターシャリ
ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリ
ル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)
アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘ
キシル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリ
ル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸イソトリデシル、
(メタ)アクリル酸テトラデシル、(メタ)アクリル酸
ヘキサデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メ
タ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸フ
ェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリ
ル酸トルイル、(メタ)アクリル酸ブチルフェニル、
(メタ)アクリル酸グリシジル、(メタ)アクリル酸ア
リル、(メタ)アクリル酸ビニル、(メタ)アクリル酸
ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸イソボルニ
ル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)
アクリル酸ジシクロペンタジエニル、ジシクロペンタジ
エンエトキシ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル
酸2―ヒドロキシ−3―フェノキシプロピル、(メタ)
アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒド
ロキシプロピル、(メタ)アクリル酸エトキシエトキシ
エチル、(メタ)アクリル酸4―ヒドロキシブチル、
(メタ)アクリル酸2―メトキシエチル、(メタ)アク
リル酸3―メトキシブチル、(メタ)アクリル酸ジメチ
ルアミノエチル、ポリオキシエチレンモノ(メタ)アク
リレート、ポリオキシエチレンモノメチルエーテルモノ
(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレンモノフェニ
ルエーテルモノ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリ
ル酸(CL変性)テトラヒドロフルフリル、(メタ)ア
クリル酸2―ヒドロキシエチルモノフタル酸エステル、
(メタ)アクリル酸2―ヒドロキシエチルモノリン酸エ
ステル、(メタ)アクリルアミド、N―メチロール(メ
タ)アクリルアミド、N―ジアセトン(メタ)アクリル
アミド、N,N’―メチレンビス(メタ)アクリルアミ
ド、スチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリロニト
リル、酢酸ビニル、マレイン酸、イタコン酸、クロトン
酸、N―ビニルピロリドン等が挙げられる。
【0011】多官能化合物として、2官能性化合物とし
ては例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブ
タンジオールジ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオー
ルジ(メタ)アクリレート、オクタンジオールジ(メ
タ)アクリレート、ノナンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレー
ト、3―メチルペンタンジオールジ(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールA(AO付加物又はCL付加物)ジ
(メタ)アクリレート、ビスフェノールF(AO付加物
又はCL付加物)ジ(メタ)アクリレート、ジグリシジ
ルビスフェノールA(AO付加物又はCL付加物)ジ
(メタ)アクリレート、ジグリシジルビスフェノールF
(AO付加物又はCL付加物)ジ(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコール(AO付加物又はCL付加
物)ジ(メタ)アクリレート、グリセリン(AO付加物
又はCL付加物)モノヒドロキシジ(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールエタン(AO付加物又はCL付加
物)モノヒドロキシジ(メタ)アクリレート、トリメチ
ロールプロパン(AO付加物又はCL付加物)モノヒド
ロキシジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコー
ルヒドロキシピバリン酸エステル(AO付加物又はCL
付加物)ジ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸
2―ヒドロキシエチルジリン酸エステル、(メタ)アク
リル酸〔2―[1,1―ジメチル−2―{(1―オキソ
−2―プロペニル)オキシ}エチル]―5―エチル−
1,3―ジオキサン−5―イル〕メチルエステル、1,
3―ビス(3’―(メタ)アクリルオキシエトキシ−
2’―ヒドロキシプロピル)―5,5―ジメチルヒダン
トイン、フタル酸ジグリシジル(メタ)アクリレート、
ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート−トリレンジイ
ソシアネート反応物、ヒドロキシエチル(メタ)アクリ
レート−ヘキサメチレンジイソシアネート反応物、フタ
ル酸ジ(メタ)アリル、マレイン酸ジ(メタ)アリル、
アジピン酸ジ(メタ)アリル、トリメリット酸ジ(メ
タ)アリル、フタル酸ジ(メタ)アクリル酸ヒドロキシ
エチルエステル、N,N’―メチレンビス(メタ)アク
リルアミド、N,N’―ビス{(メタ)アクリロイルヒ
ドロキシエチル}アニリン、ヘキサメチレンビス(メ
タ)アクリルアミド等が挙げられる。
【0012】3官能以上の化合物としては例えば、トリ
メチロールエタン(AO付加物又はCL付加物)トリ
(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン(AO
付加物又はCL付加物)トリ(メタ)アクリレート、グ
リセリン(AO付加物又はCL付加物)トリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトール(AO付加物又はC
L付加物)モノヒドロキシトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトール(AO付加物又はCL付加物)テ
トラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール
(AO付加物又はCL付加物)モノヒドロキシペンタ
(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトール(AO
付加物又はCL付加物)ヘキサ(メタ)アクリレート、
ソルビトール(AO付加物又はCL付加物)モノヒドロ
キシペンタ(メタ)アクリレート、ソルビトール(AO
付加物又はCL付加物)ヘキサ(メタ)アクリレート、
2,2,5,5,―テトラヒドロキシメチルシクロペン
タノン(AO付加物又はCL付加物)テトラ(メタ)ア
クリレート、N,N,N’,N’―テトラキスヒドロキ
シエチルエチレンジアミン(AO付加物又はCL付加
物)テトラ(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート−トリレンジイソシアネートモノ
縮合物とトリエタノールアミンの縮合物、トリ(メタ)
アリルイソシアヌレート、トリメリット酸―トリ(メ
タ)アクリル酸ヒドロキシエチルトリエステル、ヘキサ
ヒドロ−1,3,5,―トリ(メタ)アクリル−s−ト
リアジン等が挙げられる。
【0013】光重合性プレポリマーは、活性エネルギー
線重合性オリゴマーと称されることもあり、例えば、ポ
リエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)ア
クリレート、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエー
テル(メタ)アクリレート、オリゴ(メタ)アクリレー
ト、アルキド(メタ)アクリレート、ポリオール(メ
タ)アクリレート等が挙げられる。
【0014】ポリエステル(メタ)アクリレートは、通
常最初にポリオールとポリカルボン酸からポリエステル
を得、水酸基末端を(メタ)アクリル酸でエステル化す
るか、カルボキシル基末端をヒドロキシ(メタ)アクリル
酸でエステル化して得られるものである。ポリエステル
を構成するポリオールとしては例えば、エチレングリコ
ール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオー
ル、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオー
ル、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、
ネオペンチルグリコール、ポリエチレングリコール、ポ
リプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、グ
リセリン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリト
ール等が挙げられる。ポリカルボン酸としては例えば、
シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン
酸、シトラコン酸、メサコン酸、コハク酸、アジピン
酸、グルタル酸、セバチン酸、ピメリン酸、アゼライン
酸、シクロペンタンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル
酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、フタル酸、イソフタ
ル酸、テレフタル酸、トリレンジカルボン酸、キシリレ
ンジカルボン酸、テトラヒドロフタル酸、メチルテトラ
ヒドロフタル酸、ナジック酸、メチルナジック酸、メチ
ルブテニルテトラヒドロフタル酸、メチルペンテニルテ
トラヒドロフタル酸、トリメリット酸等が挙げられる。
これらポリカルボン酸は無水物の形で用いられてもよ
い。ポリエステル(メタ)アクリレートとしては例えば
1,6―ヘキサンジオール/アジピン酸縮合ポリエステ
ルのジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン
(AO付加物)/アジピン酸縮合ポリエステルのジ又は
トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトール(A
O付加物)/アジピン酸縮合ポリエステルのジ、トリ又
はペンタ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリ
コール/フタル酸縮合ポリエステルのジ(メタ)アクリ
レート、(ポリ)エチレングリコール/テトラヒドロフ
タル酸縮合ポリエステルのジ(メタ)アクリレート、
(ポリ)エチレングリコール/フタル酸/マレイン酸縮
合ポリエステルのジ(メタ)アクリレート、(ポリ)プ
ロピレングリコール/フタル酸縮合ポリエステルのジ
(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコール/
トリメリット酸縮合ポリエステルのトリ(メタ)アクリ
レート、ネオペンチルグリコール(AO付加物)/マレ
イン酸縮合ポリエステルのジ(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコール(AO付加物)/マレイン酸/テ
トラヒドロフタル酸縮合ポリエステルのジ(メタ)アク
リレート、トリメチロールプロパン(AO付加物)/ア
ジピン酸縮合ポリエステルのジ又はトリ(メタ)アクリ
レート、(ポリ)エチレングリコール/アジピン酸縮合
ポリエステルのジ(メタ)アクリレート、(ポリ)エチ
レングリコール/マレイン酸縮合ポリエステルのジ(メ
タ)アクリレート等が挙げられ、その他、(メタ)アク
リル酸グリシジルとフタル酸縮合物のような側鎖に不飽
和基を有するポリエステル等も例示できる。
【0015】エポキシ(メタ)アクリレートは、通常の
エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させて得るこ
とができる。エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキ
シ樹脂の分子内の全てのエポキシ基を(メタ)アクリル
化しても、あるいは一部エポキシ基が残っていてもよ
い。好ましいエポキシ(メタ)アクリレートとしては例
えば、ビスフェノールA(AO付加物又はCL付加物)
ジグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート、水添ビ
スフェノールA(AO付加物又はCL付加物)ジグリシ
ジルエーテルの(メタ)アクリレート、臭素化ビスフェ
ノールA(AO付加物又はCL付加物)ジグリシジルエ
ーテルの(メタ)アクリレート、ビスフェノールF(A
O付加物又はCL付加物)ジグリシジルエーテルの(メ
タ)アクリレート、水添ビスフェノールF(AO付加物
又はCL付加物)ジグリシジルエーテルの(メタ)アク
リレート、臭素化ビスフェノールF(AO付加物又はC
L付加物)ジグリシジルエーテルの(メタ)アクリレー
ト、ビス(ヒドロキシフェニル)エタンジグリシジルエ
ーテルの(メタ)アクリレート、1,1,2,2―テト
ラキス(ヒドロキシフェニル)エタンのテトラグリシジ
ルエーテルの(メタ)アクリレート、フェノールノボラ
ックの(メタ)アクリレート、臭素化フェノールノボラ
ックの(メタ)アクリレート、クレゾールノボラックの
(メタ)アクリレート、ビフェニルジグリシジルエーテ
ルの(メタ)アクリレート、(ポリ)エチレングリコー
ルジグリシジルエーテルの(メタ)アクリレート、(ポ
リ)プロピレングリコールの(メタ)アクリレート、ネ
オペンチルグリコール(AO付加物)の(メタ)アクリ
レート、1,4―ブタンジオール(AO付加物)の(メ
タ)アクリレート、1,6―ヘキサンジオール(AO付
加物)の(メタ)アクリレート、トリメチロールエタン
(AO付加物)の(メタ)アクリレート、トリメチロー
ルプロパン(AO付加物)の(メタ)アクリレート、ペ
ンタエリスリトール(AO付加物)の(メタ)アクリレ
ート、フタル酸ジグリシジルエステルの(メタ)アクリ
レート、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステルの
(メタ)アクリレート、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシ
ジルエステルの(メタ)アクリレート、の(メタ)アク
リレート、ダイマー酸ジグリシジルエステルの(メタ)
アクリレート、ダイマー酸とビスフェノールAジグリシ
ジルエーテルのグリシジルエステルの(メタ)アクリレ
ート、N,N−ジグリシジルアニリンの(メタ)アクリ
レート、テトラグリシジルメチレンジアニリンの(メ
タ)アクリレート、エポキシ化大豆油の(メタ)アクリ
レート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとアル
キルアミンの反応物のグリシジル(メタ)アクリレー
ト、ビスフェノールAジグリシジルエーテルとジ(メ
タ)アリルアミンの反応物、エポキシシクロヘキサンカ
ルボン酸とヒドロキシメチルエポキシシクロヘキサンの
エステルの(メタ)アクリレート、メチルヒドロキシメ
チルエポキシシクロヘキサンとアジピン酸のジエステル
の(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリグリシジ
ルの(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0016】ポリウレタン(メタ)アクリレートは、通
常最初にポリオールとポリイソシアネートからポリウレ
タンを得、水酸基側を(メタ)アクリル酸でエステル化
するか、イソシアネート基側をヒドロキシ(メタ)アク
リル酸でウレタン化して得るか、予め(メタ)アクリル
化したポリオールとポリイソシアネートを反応させれば
得ることができる。ポリウレタンを構成するポリオール
としては、エチレングリコール、プロピレングリコー
ル、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオー
ル、1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ネオペンチルグリコー
ル、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコー
ル、トリメチロールプロパン、グリセリン、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール等が挙げられる
他、ポリカルボン酸とポリオールを反応させたポリエス
テルポリオール等も使用できる。ポリイソシアネートと
しては例えば、テトラメチレンジイソシアネート、ペン
タメチレンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシ
アネート、ジプロピルエーテルジイソシアネート、2,
2−ジメチルペンタンジイソシアネート、3−メトキシ
ヘキサンジイソシアネート、オクタメチレンジイソシア
ネート、2,2,4−トリメチルペンタンジイソシアネ
ート、ノナメチレンジイソシアネート、デカメチレンジ
イソシアネート、3−ブトキシヘキサンジイソシアネー
ト、1,4−ブチレングリコールジプロピルエーテルジ
イソシアネート、チオジヘキシルジイソシアネート、メ
タキシリレンジイソシアネート、パラキシリレンジイソ
シアネート、テトラメチルキシリレンジイソシアネー
ト、メタフェニレンジイソシアネート、パラフェニレン
ジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネー
ト、2,6−トリレンジイソシアネート、ジメチルベン
ゼンジイソシアネート、エチルベンゼンジイソシアネー
ト、イソプロピルベンゼンジイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、1,4−ナフタレンジイソシアネー
ト、1,5−ナフタレンジイソシアネート、2,6−ナ
フタレンジイソシアネート、2,7−ナフタレンジイソ
シアネート、水添キシリレンジイソシアネート、イソホ
ロンジイソシアネート、ビフェニルジイソシアネート、
3,3’−ジメチルビフェニルジイソシアネート、3,
3’−ジメトキシビフェニルジイソシアネート、ジフェ
ニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−
ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネー
ト、ジフェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシア
ネート、2,5,2’,5’−テトラメチルジフェニル
メタン−4,4’−ジイソシアネート、シクロヘキシル
ビス(4−イソシアントフェニル)メタン、3,3’−
ジメトキシジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネ
ート、4,4’−ジメトキシジフェニルメタン−3,
3’−ジイソシアネート、4,4’−ジエトキシジフェ
ニルメタン−3,3’−ジイソシアネート、2,2’−
ジメチル−5,5’−ジメトキシジフェニルメタン−
4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジクロロジフ
ェニルジメチルメタン−4,4’−ジイソシアネート、
ベンゾフェノン−3,3’−ジイソシアネート等が挙げ
られる。
【0017】本発明の(A)成分である活性エネルギー
線により重合可能な1以上の重合性炭素―炭素二重結合
を有する化合物の量は特に限定されないが、あまりに少
ないと重合体の強度が十分ではなくなり、あまりに多い
とエマルジョンの安定性が低下する等の弊害があること
から、エマルジョン全量に対して3〜80重量%が好ま
しく、5〜75重量%がより好ましく、10〜70重量
%が更に好ましい。又、(A)成分が活性エネルギー線
重合性プレポリマーのみであると、粘度が高くなり過ぎ
均一なエマルジョンを得ることが難しくなる場合がある
ので、活性エネルギー線重合性プレポリマーを使用する
場合は、反応性希釈剤と併用することが好ましい。
【0018】本発明の活性エネルギー線重合性エマルジ
ョンの成分である(B)成分は、1以上の重合性炭素―
炭素二重結合及びアニオン性親水基としてカルボン酸
基、リン酸エステル基、カルボン酸塩基又はリン酸エス
テル塩基を有する化合物である。重合性炭素―炭素二重
結合としては例えば、アリル、メタリル、アクリロイ
ル、メタクリロイル、プロペニル、ビニル、クロトニル
等が挙げられる。(B)成分としては具体的には例え
ば、
【0019】
【化7】 X―Ra−COOM (イ) X―CO―Rb―COOM (ロ) (X)k―PO4-k3-k (ハ)
【0020】で表わされる化合物が挙げられる。上式
中、Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを表わ
す。金属原子としては例えばリチウム、ナトリウム、カ
リウム等のアルカリ金属原子、マグネシウム、カルシウ
ム等のアルカリ土類金属原子(但し、アルカリ土類金属
原子は通常2価であるから、1/2)等が挙げられ、ア
ンモニウムとしてはアンモニアのアンモニウム、モノメ
チルアミン、ジメチルアミン、トリメチルアミン、モノ
エチルアミン、ジエチルアミン、モノプロピルアミン、
ジプロピルアミン、メチルエチルアミン、メチルプロピ
ルアミン、エチルプロピルアミン等のアルキルアミンの
アンモニウム又はモノエタノールアミン、ジエタノール
アミン、トリエタノールアミン、メチルエタノールアミ
ン、エチルエタノールアミン等のアルカノールアミン等
のアンモニウム等が挙げられる。
【0021】一般式(イ)中のRaはメチレン、エチレ
ン、プロピレン、ブチレン、ペンテン、ペンタメチレ
ン、ヘキサメチレン等のアルキレン基を表わす。なかで
も原料の都合から、メチレン、エチレン、プロピレン等
の炭素数1〜3のアルキレン基が好ましい。
【0022】一般式(ロ)中のRbは、二塩基酸又はそ
の無水物の残基である。二塩基酸としては、例えばシュ
ウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、
ウンデカン二酸、ドデカン二酸、トリデカン二酸、テト
ラデカン二酸等の飽和脂肪族ジカルボン酸、シクロペン
タンジカルボン酸、ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキ
サヒドロフタル酸等の飽和脂環族ジカルボン酸、フタル
酸、イソフタル酸、テレフタル酸、トリレンジカルボン
酸、キシリレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メ
サコン酸等の不飽和脂肪族ジカルボン酸、テトラヒドロ
フタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、ナジック酸
(エンドメチレンテトラヒドロフタル酸)、メチルナジ
ック酸、メチルブテニルテトラヒドロフタル酸、メチル
ペンテニルテトラヒドロフタル酸等の不飽和脂環族ジカ
ルボン酸等が挙げられる。これらは無水物の形で用いら
れてもよい。
【0023】一般式(ハ)中のkは1〜3の数を表わ
す。従って、k=1はリン酸のモノエステル又はリン酸
モノエステル塩を表わし、k=2はリン酸のジエステル
又はリン酸のジエステル塩を表わし、k=3はリン酸の
トリエステルを表わす。
【0024】これら一般式(イ)〜(ハ)で表わされる
化合物は、X―Hで表わされる化合物に親水基を導入す
れば得ることができる。一般式(イ)の−Ra−COO
Mで表わされる基を導入する場合は、親水化剤として例
えばクロロ酢酸(Raがメチル基に相当)、クロロプロ
ピオン酸(Raがエチル基に相当)又はこれらの塩等が
使用できる。この場合の反応条件は、特に限定されない
が、通常温度は室温〜150℃、圧力は常圧〜5kg/
cm2程度の加圧下、反応時間は1〜10時間程度であ
る。必要に応じて、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム
等のアルカリを触媒として使用してもよい。
【0025】一般式(ロ)の−CO−Rb−COOMで
表わされる基を導入する場合は、親水化剤として前述し
た二塩基酸又はその無水物等が使用できる。例えばマレ
イン酸(RbがCH=CH基に相当)、フタル酸(Rb
フェニル基に相当)又はこれらの塩又はこれらの無水物
等が挙げられる。この場合の反応条件は、特に限定され
ないが、通常温度は室温〜150℃、圧力は常圧、反応
温度は1〜10時間程度である。必要に応じて、水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを触媒として
使用してもよい。
【0026】一般式(ハ)の(X)k―PO4-k3-k
表わされる基を導入する場合は、親水化剤として例えば
五酸化二リン、ポリリン酸、オキシ塩化リン等が使用で
きる。この場合には、モノエステル型の化合物とジエス
テル型の化合物(場合によってはトリエステル型の化合
物も)が混合体として得られるが、これらは分離しても
よいし、分離が難しい場合はそのまま混合物として使用
してもよい。この場合の反応条件は、特に限定されない
が、通常温度は室温〜150℃、圧力は常圧、反応時間
は1〜10時間程度である。又、上記のように親水基を
導入した場合は、その後にアルカリやアンモニア、アル
キルアミン又はアルカノールアミン等で中和を行っても
よい。又、Xとして好ましい置換基は、以下の一般式
(1)〜(5)で表わされる置換基である。
【0027】
【化8】
【0028】一般式(1)において、Rは水素原子又は
メチル基を表わし、R1はメチレン基又はカルボニル基
を表わす。従って、一般式(1)で表わされる置換基の
重合性炭素―炭素二重結合はアリル、メタリル、アクリ
ロイル又はメタクリロイルである。AO1はオキシアル
キレン基であり、好ましくはオキシエチレン、オキシプ
ロピレン、オキシブチレン、オキシイソブチレン、オキ
シフェニルエチレン基等の炭素数2〜4のオキシアルキ
レン基又はオキシフェニルエチレン基である。(A
1n1部は、エチレンオキサイド、プロピレンオキサ
イド、ブチレンオキサイド、エピクロルヒドリン等のア
ルキレンオキサイド又はスチレンオキサイド等を付加重
合することにより得ることができる。又、付加させるア
ルキレンオキサイド又はスチレンオキサイド等により、
AO1が決定され、付加させるアルキレンオキサイド又
はスチレンオキサイド等は単独重合、2種類以上のラン
ダム共重合、ブロック共重合又はランダム/ブロック共
重合であってよい。付加の方法は公知の方法であってよ
い。重合体を得る重合過程でのエマルジョン安定性及び
重合が完了した重合体のエマルジョンの安定性を考慮し
た場合、AO1はオキシエチレン基が好ましく、2種以
上のアルキレンオキサイド又はスチレンオキサイド等を
用いる場合は1種はエチレンオキサイドを用いることが
好ましい。又、重合度n1は0又は1以上の数であり、
好ましくは1〜1,000、より好ましくは1〜50
0、更に好ましくは5〜100である。
【0029】R2は炭化水素基を表わす。炭化水素基と
しては例えば、アルキル基、アルケニル基、アリール
基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等である。
アルキル基としては例えば、メチル、エチル、プロピ
ル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、ターシャリブ
チル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ターシ
ャリペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、2−エ
チルヘキシル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、トリデシル、イソトリデシル、ミリスチル、パルミ
チル、ステアリル、イコシル、ドコシル、テトラコシ
ル、トリアコンチル、2−オクチルドデシル、2−ドデ
シルヘキサデシル、2−テトラデシルオクタデシル、モ
ノメチル分岐−イソステアリル等が挙げられる。アルケ
ニル基としては例えば、ビニル、アリル、プロペニル、
イソプロペニル、ブテニル、イソブテニル、ペンテニ
ル、イソペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテ
ニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニル、ドデセニ
ル、テトラデセニル、オレイル等が挙げられる。アリー
ル基としては例えば、フェニル、トルイル、キシリル、
クメニル、メシチル、ベンジル、フェネチル、スチリ
ル、シンナミル、ベンズヒドリル、トリチル、エチルフ
ェニル、プロピルフェニル、ブチルフェニル、ペンチル
フェニル、ヘキシルフェニル、ヘプチルフェニル、オク
チルフェニル、ノニルフェニル、デシルフェニル、ウン
デシルフェニル、ドデシルフェニル、スチレン化フェニ
ル、ベンジルフェニル、フェニルフェニル、p−クミル
フェニル、α−ナフチル、β−ナフチル基等が挙げられ
る。シクロアルキル基、シクロアルケニル基としては例
えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチ
ル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、メ
チルシクロヘプチル、シクロペンテニル、シクロヘキセ
ニル、シクロヘプテニル、メチルシクロペンテニル、メ
チルシクロヘキセニル、メチルシクロヘプテニル基等が
挙げられる。又、R2はアシル基でもよい。アシル基と
しては、前述の炭化水素基の結合末端にカルボニル基が
結合した基が挙げられる。例えば、アセチル、プロピオ
ニル、ブチリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリ
ル、ピバリル、ラウロイル、ミリストイル、パルミトイ
ル、ステアロイル、アクリロイル、プロピオロイル、メ
タクロイル、クロトノイル、オレイロイル、ベンゾイ
ル、フタロイル、スクシニル等が挙げられる。
【0030】なかでも、重合体を得る重合過程でのエマ
ルジョン安定性及び重合が完了した重合体のエマルジョ
ンの安定性を考慮した場合、炭素数6〜36のアルキル
基、アルケニル基、アリール基又はアシル基が安定した
疎水性を与えるため好ましい。
【0031】一般式(1)で表わされる置換基は例え
ば、特公平5―75001号及び特公平5―75002
号記載のとおり、(メタ)アリルグリシジルエーテルを
アルコール、フェノール、カルボン酸等と反応させた
後、アルキレンオキサイドを付加させるか、(メタ)ア
クリル酸グリシジルエステルをアルコール、フェノー
ル、カルボン酸等と反応させた後、アルキレンオキサイ
ドを付加させれば得ることができる。
【0032】
【化9】
【0033】一般式(2)で表わされる置換基の重合性
炭素―炭素二重結合はプロペニル基である。又、一般式
(2)において、R3は炭化水素基を表わす。炭化水素
基は上述のとおりである。又、R3にはプロペニル基が
含まれるので一般式(2)で表わされる置換基は2以上
の重合性炭素―炭素二重結合を有する場合が含まれる。
pはR3の置換数を表わし、0〜4の数である。pが2
以上の場合、即ちR3が複数の場合はそれぞれのR3は互
いに独立で同一の基でも異なる基でもよい。重合体を得
る重合過程でのエマルジョン安定性及び重合が完了した
重合体のエマルジョンの安定性を考慮した場合、安定し
た疎水性を得るためにはpは1〜4が好ましい。AO2
はオキシアルキレン基を表わし、n2は0又は1以上の
数を表わす。好ましいR3、AO2及びn2は前述のR2
AO1及びn1と同様である。
【0034】一般式(2)で表わされる置換基は例え
ば、特公平7―30126号又は特開平4―50204
号記載のとおり、(置換)フェノールにアリルクロライ
ドを反応させた後、アルキレンオキサイドを付加させる
(この際、アリル基はプロペニル基に転移する。)か、
(置換)プロペニルフェノールにアルキレンオキサイド
を付加させれば得ることができる。
【0035】
【化10】
【0036】一般式(3)において、Rは水素原子又は
メチル基を表わす。従って、一般式(3)で表わされる
置換基の重合性炭素―炭素二重結合はアクリロイル基又
はメタクリロイル基である。又、R4及びR5はそれぞれ
炭化水素基を表わす。炭化水素基は上述のとおりであ
る。qはR4の、rはR5の置換数を表わし、0〜4の数
である。q又はrが2以上の場合、即ちR4又はR5が複
数の場合はそれぞれのR4又はR5は互いに独立で同一の
基でも異なる基でもよい。重合体を得る重合過程でのエ
マルジョン安定性及び重合が完了した重合体のエマルジ
ョンの安定性を考慮した場合、安定した疎水性を得るた
めにはq及びrは1〜4が好ましい。AO3及びAO4
オキシアルキレン基を表わし、n3及びn4は0又は1以
上の数を表わす。好ましいR4、R5、AO3、AO4、n
3及びn4は前述のR2、AO1及びn1と同様である。
【0037】一般式(3)で表わされる置換基は例え
ば、特公平6―62685号記載のとおり、(置換)フ
ェノールアルキレンオキサイド付加物をホルムアルデヒ
ドで縮合させたものを(メタ)アクリロイル化すれば得
ることができる。
【0038】
【化11】
【0039】一般式(4)において、Rは水素原子又は
メチル基を表わし、R6はメチレン基又はカルボニル基
を表わす。従って、一般式(4)で表わされる置換基の
重合性炭素―炭素二重結合はアリル、メタリル、アクリ
ロイル又はメタクリロイルである。AO5はオキシアル
キレン基を表わし、n5は0又は1以上の数を表わす。
好ましいR6、AO5及びn5は前述のR2、AO1及びn1
と同様である。一般式(4)で表わされる置換基は例え
ば、ポリオキシアルキレングリコールを(メタ)アリル
クロライド又は(メタ)アクリル酸等により(メタ)ア
リル化又は(メタ)アクリロイル化するか、(メタ)ア
リルアルコール又は(メタ)アクリル酸等にアルキレン
オキサイドを付加重合させれば得ることができる。
【0040】
【化12】
【0041】一般式(5)において、Rは水素原子又は
メチル基を表わし、R7はメチレン基又はカルボニル基
を表わす。従って、一般式(5)で表わされる置換基の
重合性炭素―炭素二重結合はアリル基、メタリル基、ア
クリロイル基又はメタクリロイル基である。R8は炭化
水素基を表わす。炭化水素基は上述のとおりである。A
6はオキシアルキレン基を表わし、n6は0又は1以上
の数を表わす。好ましいR8、AO6及びn6は前述の
2、AO1及びn1と同様である。一般式(5)で表わ
される置換基は例えば、特開昭63―319035号記
載のとおり、α―オレフィンオキシドに(メタ)アリル
アルコール、(メタ)アクリル酸等を反応させたものに
アルキレンオキサイドを付加させれば得ることができ
る。
【0042】本発明の(B)成分である1以上の重合性
炭素―炭素二重結合及び、アニオン性親水基としてカル
ボン酸基、リン酸エステル基、カルボン酸塩基又はリン
酸エステル塩基を有する化合物の量は特に限定されない
が、あまりに多いと重合体の重合度が低下し強度が十分
ではなくなり、あまりに少ないとエマルジョンの安定性
が低下する等の弊害があることから、エマルジョン全量
に対して0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜15
重量%がより好ましく、1〜10重量%が更に好まし
い。
【0043】本発明の活性エネルギー線重合性エマルジ
ョンは、(B)成分として、エマルジョンの乳化・分散
剤としての効果及び重合体の単量体成分としての効果を
兼ね備える1以上の重合性炭素―炭素二重結合及び、ア
ニオン性親水基としてカルボン酸基、リン酸エステル
基、カルボン酸塩基又はリン酸エステル塩基を有する化
合物を有する化合物を含有するので、重合前及び重合後
のエマルジョンの機械的安定性に優れている。又、
(B)成分は硫酸エステルアンモニウム塩基を含有しな
い化合物であることから、エマルジョンを重合させた重
合体が着色したり、耐熱性が低下するということはな
く、重合体を塗膜にした場合には基材との密着性に優れ
ている。これは(B)成分として、エマルジョンの乳化
・分散剤としての効果及び重合体の単量体成分としての
効果を兼ね備える1以上の重合性炭素―炭素二重結合及
び、アニオン性親水基としてカルボン酸基、リン酸エス
テル基、カルボン酸塩基又はリン酸エステル塩基を有す
る化合物を使用したことによる本発明の特有の効果であ
る。
【0044】本発明の活性エネルギー線重合性エマルジ
ョンは、水又は水と溶剤の混合媒体に(A)成分、
(B)成分、及びその他の成分を混合させた、活性エネ
ルギー線により重合可能なエマルジョンであり、該エマ
ルジョンには(A)成分及び(B)成分以外の重合性成
分又は非重合性成分が含まれてもよい。
【0045】本発明の活性エネルギー線重合性エマルジ
ョンには、耐熱性、難燃性、印刷適性、塗工性、導電性
等の機能を付与するために(C)成分としてフィラーを
含んでもよい。フィラーとしては例えば、二酸化ケイ
素、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグ
ネシウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、硫酸
バリウム、クレイ、タルク、カオリン、コロイダルシリ
カ、金属粉等の無機フィラー、ポリエチレンパウダー、
スチレンマイクロボール、テトラブロモビスフェノール
A、デカブロモジフェニルオキサイド、芳香族ポリエス
テル、トリクレジルホスフェート、トリエチルホスフェ
ート、四フッ化樹脂、アスパラギン酸エステル、脂肪酸
アマイド、ステアリン酸亜鉛などの金属セッケン、ポリ
エチレンワックス等の有機フィラーが挙げられる。
(C)成分であるフィラーの添加量は特に限定されない
が、あまりに少ないと十分な添加効果が発揮されず、あ
まりに多いとエマルジョンの安定性が低下するので、エ
マルジョン全量に対して0.1〜50重量%が好まし
く、0.5〜35重量%がより好ましい。
【0046】又、本発明の活性エネルギー線重合性エマ
ルジョンには、(D)成分として活性エネルギー線感応
性重合開始剤を含むことができる。活性エネルギー線感
応性重合開始剤としては例えば、アセトフェノン系化合
物、ベンゾインエーテル系化合物、ベンジル系化合物、
チオキサントン系化合物等のケトン類化合物が挙げられ
る。アセトフェノン系化合物としては例えばアセトフェ
ノン、ジエトキシアセトフェノン、ジメチルアミノアセ
トフェノン、ジメチルアミノプロピオフェノン、2―ヒ
ドロキシ−2―メチル−1―フェニルプロパン−1―オ
ン、1―(4―ドデシルフェニル)―2―ヒドロキシ−
2―メチルプロパン−1―オン、1―(4―イソプロピ
ルフェニル)―2―ヒドロキシ−2―メチルプロパン−
1―オン、4’―イソプロピル−2―ヒドロキシ−2―
メチルプロピオフェノン、2―ヒドロキシ−2―メチル
プロピオフェノン、ターシャリブチルジクロロアセトフ
ェノン、ターシャリブチルトリクロロアセトフェノン、
アジドベンザルアセトフェノン等が挙げられる。ベンゾ
インエーテル系化合物としては、例えば、ベンゾイン、
ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテ
ル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチ
ルエーテル等が挙げられる。ベンジル系化合物として
は、ベンジル、アニシル、ベンジルメチルケタール、ベ
ンジル−β−メトキシエチルアセタール、1―ヒドロキ
シシクロヘキシルフェニルケトンメチルベンゾイルホル
メート、等が挙げられる。ベンゾフェノン系化合物とし
ては、例えばベンゾフェノン、クロロベンゾフェノン、
ジクロロベンゾフェノン、ビスジエチルアミノベンゾフ
ェノン、ベンゾイル安息香酸、ベンゾイル安息香酸メチ
ル、ミヒラーケトン、4,4’―ビスジエチルアミノベ
ンゾフェノン、4,4’―ジクロロベンゾフェノン、4
―ベンゾイル−4’―メチルジフェニルスルフィド、
3,3’―ジメチル−4―メトキシベンゾフェノン等が
挙げられる。チオキサントン系化合物としては、チオキ
サントン、2―メチルチオキサントン、2―エチルチオ
キサントン、2―クロロチオキサントン、2―イソプロ
ピルチオキサントン、2,4―ジメチルチオキサント
ン、2,4―ジエチルチオキサントン、2,4―ジイソ
プロピルチオキサントン等が挙げられる。その他、2,
4,6―トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオ
キサイド、ビス(シクロペンタジエニル)―ビス[2,
6―ジフルオロ−3―(ピル−1―イル)]チタニウム
等が挙げられる。(D)成分の活性エネルギー線感応性
重合開始剤は、エマルジョン全量に対して0.1〜20
重量%添加するのが好ましい。
【0047】又、本発明の活性エネルギー線重合性エマ
ルジョンには、重合速度を速くするために増感剤を添加
することができる。増感剤としては例えば、ピペリジ
ン、トリルチオ尿素、ナトリウムジエチルジチオホスフ
ェート、ベンジル−イソチウロニウム−p―トルエンス
ルホン酸、N,N―ジメチルアミノベンゾニトリル、
N,N―ジエチルアミノベンゾニトリル、N,N―ジ
(β―シアノエチル)アミノベンゾニトリル、N,N―
ジ(β―クロロエチル)アミノベンゾニトリル、トリブ
チルホスフィン、ピレン、ペリレン等が挙げられる。
【0048】又、本発明の活性エネルギー線重合性エマ
ルジョンには、エマルジョンをより安定化させるために
乳化・分散剤を添加することができる。乳化・分散剤と
しては例えばポリオキシアルキレングリコールアルキル
エーテル、ポリオキシアルキレングリコールアリールエ
ーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン誘導
体、ポリエーテルポリオール、脂肪酸アルキレンオキサ
イド付加物、油脂アルキレンオキサイド付加物、ポリグ
リセリンエステル、ポリオールハーフエステル等の非イ
オン界面活性剤、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、
アルキルエーテル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンス
ルホン酸塩、アルキルスルホコハク酸エステル塩、アル
キルリン酸エステル塩等のアニオン界面活性剤等が挙げ
られる。
【0049】又、本発明の活性エネルギー線重合性エマ
ルジョンには、用途に応じてバインダーとして高分子化
合物又は高分子エマルジョンを添加してもよい。高分子
化合物又は高分子エマルジョンとしては例えばポリビニ
ルアルコール、デンプン、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ゼラチン、カゼイン、ブタジエンエマルジョン、ポ
リ(メタ)アクリル酸塩、スチレン/ブタジエン重合体
エマルジョン、アクリロニトリル/スチレン/ブタジエ
ン重合体エマルジョン、酢酸ビニルエマルジョン、クロ
ロプレンエマルジョン、エチレン/酢酸ビニル重合体エ
マルジョン等が挙げられる。
【0050】その他、本発明の活性エネルギー線重合性
エマルジョンには、用途に応じて熱感応性ラジカル重合
開始剤、貯蔵安定剤、顔料、染料、レベリング剤、増粘
剤、消泡剤、難燃剤、酸化防止剤等を添加することがで
きる。
【0051】本発明の活性エネルギー線重合性エマルジ
ョンを重合させる活性エネルギー線としては、紫外線、
電子線、X線、α線、β線、γ線、中性子線、高周波等
があり、紫外線が経済的にもっとも好ましい。紫外線の
光源としては例えば、紫外線レーザ、水銀ランプ、キセ
ノンランプ、ナトリウムランプ、アルカリ金属ランプ等
が挙げられる。
【0052】本発明の活性エネルギー線重合性エマルジ
ョンは、塗料、粘着剤、接着剤、コーティング剤、紙塗
工剤、インキ、レジスト等通常の光感応性樹脂エマルジ
ョンのあらゆる用途に使用することができる。
【0053】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。尚、以下の実施例において部又は%は特に記載が
無い限り重量基準である。(B)成分及び比較品として
以下の化合物を使用した。 化合物1:
【0054】
【化13】
【0055】(EOはエチレンオキサイド残基、以下同
様。一般式(1)において、R=水素原子、R1=メチ
レン基、R2=ノニルフェニル基、AO1=オキシエチレ
ン基、n1=10、一般式(ロ)において、X=上式、
b=フタル酸残基、M=水素原子。) 化合物2:
【0056】
【化14】
【0057】(一般式(2)において、R3=ノニル
基、AO2=オキシエチレン基、n2=10、p=1、一
般式(ハ)において、X=上式、Ra=エチレン基、M
=ナトリウム原子。) 化合物3:
【0058】
【化15】
【0059】(一般式(3)において、R=メチル基、
4=ノニル基、R5=ノニル基、AO3=オキシエチレ
ン基、AO4=オキシエチレン基、n3=20、n4=2
0、q=1、r=1、一般式(ハ)においてk=1、M
=水素原子。) 化合物4:
【0060】
【化16】CH2=CH−CH2−O−(EO)2(P
O)20−PO3Na2
【0061】(POはプロピレンオキサイド残基、(E
O)(PO)部はランダム共重合。一般式(4)におい
て、R=水素原子、R6=エチレン基、AO5=オキシエ
チレン基及びオキシプロピレン基、n5=22、一般式
(ハ)において、k=1、M=ナトリウム原子。) 化合物5:
【0062】
【化17】
【0063】(一般式(5)において、R=水素原子、
7=メチレン基、R8=ドデシル基、AO6=オキシエ
チレン基、n6=10、一般式(ロ)において、Rb=マ
レイン酸残基、M=ナトリウム原子。) 化合物6:
【0064】
【化18】
【0065】((EO)(PO)部はランダム共重合。
一般式(4)において、R=水素原子、R6=カルボニ
ル基、AO5=オキシエチレン基及びオキシプロピレン
基、n5=20、一般式(ハ)において、k=1、M=
ナトリウム原子。) 化合物7:
【0066】
【化19】
【0067】(一般式(1)において、R=水素原子、
1=カルボニル基、R2=オレイロイル基、AO1=オ
キシエチレン基、n1=10、一般式(ロ)において、
X=上式、Rb=コハク酸残基、M=アンモニウム。) 比較の化合物1:硫酸エステルアンモニウム塩基を有す
る以下の化合物を使用した。
【0068】
【化20】
【0069】比較の化合物2:硫酸エステルアンモニウ
ム塩基を有する以下の化合物を使用した。
【0070】
【化21】
【0071】比較の化合物3:重合性炭素―炭素二重結
合を有さないノニルフェノールEO10モル付加物を使
用した。
【0072】比較の化合物4:重合性炭素―炭素二重結
合を有さないオレイン酸カリウムを使用した。
【0073】(実施例1) <エマルジョンの調整> (A)成分として、 ペンタエリスリトールテトラアクリレート30部 ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレ
ート10部 フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート10
部 (B)成分として、前記化合物1〜7及び比較品1〜4
を5部 重合開始剤としてヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トンを5部 を水40部にホモミキサーで混合してO/W型の本発明
の活性エネルギー線重合性エマルジョン1〜9及び比較
のエマルジョン1〜4を得た。以上のエマルジョンにつ
いて、以下のとおりエマルジョン安定性、膜形成後の耐
熱性及び滑り性を測定した。
【0074】<エマルジョン安定性>上記のエマルジョ
ンを60℃の恒温槽に20日間放置し、粘度、粒度分布
及び離水状態を目視で観察し、以下の基準で評価した。 ◎:粒度、粘度及び分散状態に変化がない ○:粒度、粘度及び分散状態に殆ど変化がない △:若干の粘度及び粒度の変化、離水が見られる ×:2層以上に分離した
【0075】<膜形成後の耐熱性及び滑り性>上記のエ
マルジョンをバーコーターによりポリエステルシートの
上に乾燥塗工量が2.5g/m2となるようにコーティ
ングし、乾燥後90W/cmの高圧水銀灯を有する紫外
線照射装置により2回照射させて重合させて重合膜を得
た。この膜を130℃のオーブンに30分間放置し、目
視にて、以下の基準で評価した。 ◎:変形・変色がない ○:殆ど変形・変色がない ×:明らかに変形・変色が認められた 又、重合後の重合膜の滑り性を測定し、以下の基準で評
価した。 ◎:滑り角が15°より小 ○:15°以上20°未満 △:20°以上25°未満 ×:25°以上
【0076】<膜の密着性>上記エマルジョンをバーコ
ーターによりポリエステルシートの上に乾燥塗工量が
2.5g/m2となるようにコーティングし、乾燥後9
0W/cmの高圧水銀灯を有する紫外線照射装置により
2回照射させて重合させて重合膜を得た。その後、重合
膜を1cm四方、20×20=計400個の桝目状に刻
み、ガムテープによる剥離試験を行い、以下の基準で評
価した。 ○:剥離した桝が1%未満であった △:剥離した桝が1%以上10%未満であった ×:剥離した桝が10%以上であった 各エマルジョンに使用した(B)成分及び試験結果は以
下のとおり。
【0077】
【表1】
【0078】(実施例2) <エマルジョンの調整> (A)成分として、 ペンタエリスリトールテトラアクリレート30部 ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレ
ート5部 フェノキシヘキサエチレングリコールアクリレート5部 (B)成分として、前記化合物1〜7及び比較品1〜4
を5部 フィラーとして炭酸カルシウムを10部 重合開始剤としてヒドロキシシクロヘキシルフェニルケ
トンを5部 を水40部にホモミキサーで混合してO/W型の本発明
の活性エネルギー線重合性エマルジョン8〜14及び比
較のエマルジョン5〜8を得た。以上のエマルジョンに
ついて、エマルジョン安定性、膜形成後の耐熱性及び滑
り性、光沢(60°反射率)を測定した。エマルジョン
安定性、膜形成後の耐熱性、滑り性及び密着性について
は実施例1と同じ評価方法で評価を行った。各エマルジ
ョンに使用した(B)成分及び試験結果は以下のとお
り。
【0079】
【表2】
【0080】(実施例3) <エマルジョンの調整> (A)成分として、 ビスフェノールA型エポキシアクリレート35部 カーボンブラック処理ロジンアルミニウム塩10部 ペンタエリスリトールテトラアクリレート5部 (B)成分として、前記化合物1〜7及び比較品1〜4
を5部 重合開始剤としてベンゾフェノンを5部 を水40部にホモミキサーで混合してO/W型の本発明
の活性エネルギー線重合性エマルジョン(UV硬化イン
キ用組成物)15〜21及び比較のエマルジョン9〜1
2を得た。得られた上記エマルジョンのエマルジョン安
定性を実施例1記載の方法で測定した。次いで、市販の
上質紙に上記エマルジョンを印刷用版を用いて文字を書
き、実施例1記載の紫外線照射装置で紫外線を照射し硬
化印刷した。その後80℃で1時間乾燥させた。この印
刷文字について耐水性及び耐熱性を測定した。
【0081】<耐水性>印刷された上質紙を60℃の温
水に浸して耐水性を目視にて以下の基準で評価した。 ○:変化なし △:にじみあり ×:にじみ及び印刷はがれあり
【0082】<耐熱性>印刷された上質紙を140℃の
恒温槽に10分間放置し、印刷文字の変色を目視にて以
下の基準で評価した。 ○:変化なし △:若干の黄変あり ×:黄変又は印刷はがれあり 各エマルジョンに使用した(B)成分及び試験結果は以
下のとおり。
【0083】
【表3】
【0084】以上の実施例のとおり、本発明の活性エネ
ルギー線重合性エマルジョンはエマルジョンの安定性、
膜形成時の耐熱性及び基材との密着性に優れ、着色が無
いことが分かる。一方、硫酸エステルアンモニウム塩基
を有する比較の化合物1及び2を使用した場合はエマル
ジョンの安定性、膜形成時の耐熱性、基材との密着性及
び着色に問題があることが分かる。
【0085】
【発明の効果】本発明の効果は、新規な活性エネルギー
線重合性エマルジョンを提供したことにある。本発明に
よれば、エマルジョンの安定性、膜形成時の耐熱性及び
基材との密着性に優れ、着色が無い重合体を得ることが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08F 30/02 C08F 30/02

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも、(A)成分として、活性エ
    ネルギー線により重合可能な1以上の重合性炭素―炭素
    二重結合を有する化合物及び、(B)成分として、1以
    上の重合性炭素―炭素二重結合及びアニオン性親水基と
    してカルボン酸基、リン酸エステル基、カルボン酸塩基
    又はリン酸エステル塩基を有する化合物を含有する活性
    エネルギー線重合性エマルジョン。
  2. 【請求項2】 (A)成分及び(B)成分の重合性炭素
    ―炭素二重結合がラジカル重合性炭素―炭素二重結合で
    ある請求項1記載の活性エネルギー線重合性エマルジョ
    ン。
  3. 【請求項3】 (B)成分の重合性炭素―炭素二重結合
    が、アリル基、メタリル基、アクリロイル基、メタクリ
    ロイル基又はプロペニル基である請求項1又は2記載の
    活性エネルギー線重合性エマルジョン。
  4. 【請求項4】 (B)成分が、以下の一般式(イ)〜
    (ハ)で表わされる化合物である請求項1乃至3のいず
    れか1項記載の活性エネルギー線重合性エマルジョン。 【化1】 X―Ra−COOM (イ) X―CO―Rb―COOM (ロ) (X)k―PO4-k3-k (ハ) (式中、Xは重合性炭素―炭素二重結合を有する置換基
    を表わし、Mは水素原子、金属原子又はアンモニウムを
    表わし、Raはアルキレン基を表わし、Rbは2塩基酸残
    基を表わし、kは1〜3の数を表わす。)
  5. 【請求項5】 重合性炭素―炭素二重結合を有する置換
    基であるXが、以下の一般式(1)〜(5)のいずれか
    の置換基である請求項4記載の活性エネルギー線重合性
    エマルジョン。 【化2】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、R1はメ
    チレン基又はカルボニル基を表わし、R2は炭化水素基
    又はアシル基を表わし、AO1はオキシアルキレン基を
    表わし、n1は0又は1以上の数を表わす。) 【化3】 (式中、R3は炭化水素基を表わし、pは0〜4の数を
    表わし、AO2はオキシアルキレン基を表わし、n2は0
    又は1以上の数を表わす。) 【化4】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、R4及び
    5は炭化水素基を表わし、q及びrは0〜4の数を表
    わし、AO3及びAO4はオキシアルキレン基を表わし、
    3及びn4は0又は1以上の数を表わす。) 【化5】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、R6はメ
    チレン基又はカルボニル基を表わし、AO5はオキシア
    ルキレン基を表わし、n5は0又は1以上の数を表わ
    す。) 【化6】 (式中、Rは水素原子又はメチル基を表わし、R7はメ
    チレン基又はカルボニル基を表わし、R8は炭化水素基
    を表わし、AO6はオキシアルキレン基を表わし、n6
    0又は1以上の数を表わす。)
  6. 【請求項6】 更に、(C)成分としてフィラーを含有
    する請求項1乃至5のいずれか1項記載の活性エネルギ
    ー線重合性エマルジョン。
  7. 【請求項7】 更に、(D)成分として活性エネルギー
    線感応性重合開始剤を含有する請求項1乃至6のいずれ
    か1項記載の活性エネルギー線重合性エマルジョン。
  8. 【請求項8】 請求項1乃至7のいずれか1項記載の活
    性エネルギー線重合性エマルジョンを重合させた重合体
    エマルジョン。
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