JP7243051B2 - ポリイソシアネート組成物およびそれを用いた塗料組成物 - Google Patents

ポリイソシアネート組成物およびそれを用いた塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリイソシアネート組成物、およびこれを硬化剤とした塗料組成物に関する。
従来、1,6-ヘキサメチレンジイソアネート(以下HDIと言う。)などの脂肪族イソシアネートから誘導される無黄変ポリイソシアネートは耐候性に優れることから、塗料・塗装及び接着剤分野等においてしばしば用いられている。その中でもイソシアヌレート結合を含有するポリイソシアネートタイプが化学的、熱的安定性が高く、特に耐候性、耐熱性、耐久性に優れているため、その用途に応じて幅広く使用されており、一層の用途展開が期待されている。
近年では、携帯電話筐体、パソコン筐体、オーディオ機器等のプラスチック製品、タッチパネル、液晶画面等の電子材料部品、冷蔵庫、電子レンジ、洗濯機等の家電製品、家具等の木工製品、ゴルフクラブ、テニスラケット等のスポーツ用品、床、シンク、ドアノブ等の建築内装、自動車の内外装など、様々な分野で、それら表面の更なる高強度化が求められている。
上記要求に対し、二液硬化型ポリウレタン系塗料を用いて自己修復性能を有する塗膜とし耐傷性を付与する方法(特許文献1~3)や、架橋密度を高くすることによって表面硬度を大きくした塗膜を形成する方法(特許文献4)が知られている。特許文献1では、特定のポリエステルポリオールと、ポリイソシアネート及び錫系ウレタン化触媒を必須成分とする塗料組成物が提案されている。特許文献2では、特定のイソシアネート基当量をもつポリイソシアネート化合物と、特定範囲の平均Tg、平均官能基数、数平均分子量をもつポリエステルポリオールとを必須成分として含有する樹脂組成物により、さらに靭性を付与することが提案されている。特許文献3では、特定のポリエステルポリオールと、特定のジオール化合物及び有機ジイソシアネートを反応させて得られる、イソシアヌレート基を含有しないアロファネート変性ポリイソシアネートを主成分とする硬化剤からなる塗料組成物が提案されている。しかしながら、これら特許文献1~3の方法は、特定のポリオールを使用する必要があるため、耐候性の求められる分野で一般的に使用されるアクリルポリオール等を使用した場合には、上記提案を適用しても耐傷性に対し不十分な場合が多く、改良が求められていた。一方、特許文献4では、イソホロンジイソシアネート(以下IPDIという)から誘導される特定のポリイソシアネートを用いることで高強度化を達成しており、ポリオールは限定されていないが、高強度と相反する性能である基材への追従性を損ないやすく、改良が求められていた。
特開昭63-86762号公報 特開2012-121984号公報 特開2006-124610号公報 特開2002-293873号公報
本発明は、一般的なアクリルポリオールを用いた場合でも優れた塗膜強度を発現できるポリイソシアネート組成物、および基材追従性にも優れた塗料組成物を提供することである。
本発明者らは、検討を重ねた結果、ヌレート型ポリイソシアネート(A)、特定のジオールとHDIとをウレタン化反応させて得られるポリイソシアネート(B)、及び(A)と特定のジオールとHDIとの反応生成物(C)を含むポリイソシアネート組成物を用いることにより、前記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の実施形態を含むものである。
[1]HDIのヌレート型ポリイソシアネート(A)、HDIと分子量が300未満の環状基を有するジオールとの反応生成物(B)、及びヌレート型ポリイソシアネート(A)と分子量が300未満の環状基を有するジオールとHDIとの反応生成物(C)を含むポリイソシアネート組成物であって、(A)と(B)のmol比が(A)/(B)=8/92~92/8の範囲であることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
[2]前記反応生成物(C)が、ポリイソシアネート組成物中に2質量パーセント以上含まれることを特徴とする上記[1]に記載のポリイソシアネート組成物。
[3]前記環状基を有するジオールが、シクロアルキル環、ベンゼン環、および複素環からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するジオールであることを特徴とする上記[1]又は[2]に記載のポリイソシアネート組成物。
[4]上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物とポリオールを含むポリウレタン樹脂組成物。
[5]上記[4]に記載のポリウレタン樹脂組成物を含む塗料組成物。
[6]上記[5]に記載の塗料組成物から得られる塗膜。
本発明によれば、一般的なアクリルポリオールを用いた場合でも優れた塗膜強度を発現でき、また基材追従性にも優れた塗膜を得ることができるポリイソシアネート組成物、およびこれを硬化剤とした塗料組成物を得ることができる。
ポリイソシアネート組成物のGPCクロマトグラムを示す図である。
以下に、本発明について詳しく説明する。
本発明のポリイソシアネート組成物は、HDIのヌレート型ポリイソシアネート(A)、HDIと分子量が300未満の環状基を有するジオールとの反応生成物(B)、及びHDIのヌレート体と分子量が300未満の環状基を有するジオールとHDIとの反応生成物(C)を含むものである。
本発明のポリイソシアネート組成物に用いるHDIは、脂肪族ジイソシアネートモノマー(以下、単に脂肪族ジイソシアネートとも言う。)の一種であり、その構造中にベンゼン環を含まないジイソシアネート化合物である。脂肪族ジイソシアネートとしては、HDIの他、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2-メチル-ペンタン-1,5-ジイソシアネート、3-メチル-ペンタン-1,5-ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。HDIは単独で使用または他の脂肪族ジイソシアネートと併用してもよく、イソホロンジイソシアネートやノルボルネンジイソシアネートに代表される脂環族ジイソシアネートと併用してもよい。
本発明のポリイソシアネート組成物に用いる環状基を有するジオールは、分子量が300未満である。また、分子骨格にシクロアルキル環、ベンゼン環、複素環からなる群より選ばれる少なくとも一種を有する化合物が好ましい。
このような環状基を有する化合物としては、例えばシクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、ナフタレンジメタノール等が挙げられ、環状構造を複数含むものとしては、例えば2,2’-ビス(4-ヒドロキシシクロヘキシル)プロパンやイソソルビド等が挙げられる。なかでも、耐候性の面から脂環族が好ましく、環状構造を複数含むものがより好ましい。
前記ヌレート型ポリイソシアネート(A)は、ジイソシアネートモノマー同士が環化重合したもので、次式で示される。これは3量化または5量化、多量化したイソシアヌレート基を有するポリイソシアネートとなる。
Figure 0007243051000001
[式中Rはヘキサメチレン基を表す。]
前記反応生成物(B)は、前記環状基を有するジオールとHDIとが反応しウレタン結合して得られるもので、次式に示される。
Figure 0007243051000002
[式中Rはヘキサメチレン基を表す。Rは環状基を有するジオール残基を表す。]
前記反応生成物(C)は、HDIのヌレート型ポリイソシアネート(A)と前記環状基を有するジオールとHDIとが反応しウレタン結合して得られるもので、次式に示される。
Figure 0007243051000003
[式中Rはヘキサメチレン基を表す。Rは環状基を有するジオール残基を表す。]
また、本発明のポリイソシアネート組成物中に含有するヌレート型ポリイソシアネート(A)と反応生成物(B)のmol比は、8/92~92/8の範囲である。反応生成物(A)が下限値未満の場合には、樹脂との相溶性が損なわれる恐れがあり、上限値を超える場合には、十分な塗膜強度を発現できない恐れがある。
また、ヌレート型ポリイソシアネート(A)、環状基を有するジオール、及びHDIから得られる反応生成物(C)は、ポリイソシアネート組成物中に2質量%以上含まれることが好ましい。2質量%以上含まれることで高硬度且つ低粘度化の効果や、他樹脂との相溶性をより高める効果を得ることができる。
反応生成物(C)の含有量は、ゲル浸透クロマトグラフィー(以下GPCと言う。)測定により求めることができる。図1に示す本発明のポリイソシアネート組成物の代表的なGPCクロマトグラムにおいて、反応生成物(C)は、ピークトップがリテンションタイム20.3分付近にあるピークで示されるものであり、そのピークがポリイソシアネート組成物全体に占める面積割合(ピークエリア%、以下PA%と言う。)を算出し、これを反応生成物(C)の含有量とする。GPC測定条件は後述の条件である。
なお、本発明のGPC測定にて得られるPA%は、各ピークに含まれる組成物の比重の差が小さいことから、質量%として同等に扱うこととした。
次に、本発明のポリイソシアネート組成物の具体的な製造方法について説明する。
第1工程では、HDIにイソシアヌレート化触媒を仕込み、有機溶剤の存在下または非存在下、目的とするイソシアネート基含有量、及び分子量になるまで、50~150℃にてイソシアヌレート化を行ってイソシアネート基末端プレポリマーIを製造する。
第2工程では、イソシアネート基末端プレポリマーIに反応停止剤を添加することによって、反応の停止を行う。
第3工程では、イソシアネート基末端プレポリマーIに環状基を有するジオールを、水酸基に対してイソシアネート基が過剰になる量を仕込んで、20~150℃でウレタン化反応させてイソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する。ここでウレタン化反応の目安としては、中和滴定法によるイソシアネート基含有量と屈折率上昇値により完結の有無を判断する。
これら第1工程~第3工程は、窒素ガス、若しくは、乾燥空気気流下で反応を進行させる。
第4工程では、イソシアネート基末端プレポリマーIIを薄膜蒸留又は溶剤抽出によって、遊離のHDIの含有量が1質量%未満になるまで除去する。
ここで、第1工程におけるイソシアヌレート化触媒としては、4級アンモニウム塩やカルボン酸金属塩などを用いることができる。
4級アンモニウム塩としては、2-ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム・オクチル酸塩(DABCO TMR、三共エアープロダクツ社製)や、テトラメチルアンモニウム・酢酸塩、テトラブチルチルアンモニウム・酢酸塩などが挙げられる。また、カルボン酸金属塩としては、例えば酢酸、プロピオン酸、ウンデシル酸、カプリン酸、オクチル酸、ミリスチル酸等のカルボン酸の亜鉛塩、スズ塩、ジルコニウム塩等が挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
第2工程における反応停止剤としては、触媒を失活させる作用があるものであり、具体的には、リン酸、塩酸等の無機酸、スルホン酸基、スルファミン酸基等を有する有機酸およびこれらのエステル類、アシルハライド等公知の化合物が使用される。これらの反応停止剤は、単独または2種以上を併用することができる。尚、添加時期は、反応終了後、速やかな添加が好ましい。
また、反応停止剤の添加量は、反応停止剤や使用した触媒の種類によって異なるが、触媒の0.5~10当量となるのが好ましく、0.8~5.0当量が特に好ましい。反応停止剤が少ない場合には、得られるポリイソシアネート組成物の貯蔵安定性が低下しやすく、多すぎる場合はポリイソシアネート組成物が着色する場合がある。
第3工程における「イソシアネート基が過剰になる量」とは、原料仕込みの際、有機ジイソシアネートのイソシアネート基とジオールの水酸基とのモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で3~100になるように仕込むことが好ましく、R=5~100になるように仕込むことがさらに好ましい。下限未満の場合には、反応生成物の分子量が高くなり、高粘度化及びゲル化が生じる恐れがある。上限を超える場合には、製品収率が下がり、生産性の低下を招く恐れや、十分な塗膜強度が得られない恐れがある。
また、本発明のウレタン化反応の反応温度は、20~150℃が好ましく、60~130℃がさらに好ましい。尚、ウレタン化反応の際、公知のウレタン化触媒を用いることができる。
ウレタン化反応の反応時間は、触媒の有無、種類、および温度により異なるが、一般には10時間以内、好ましくは1~5時間で十分である。
第1~第3工程においては、有機溶媒等を含まずに反応を行う方法や有機溶媒の存在下で反応を行う方法が適宜選ばれる。
有機溶媒の存在下で反応を行う場合には、反応に影響を与えない有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒としては、例えばオクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、エチル-3-エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル類、ジオキサン等のエーテル類、ヨウ化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応で使用した有機溶媒は、第4工程における遊離のHDIの除去時に同時に除去される。
第4工程の精製工程では、イソシアネート基末端プレポリマーIIを薄膜蒸留又は溶剤抽出によって、遊離のHDIの含有量を1質量%未満になるまで除去する。
第4工程では、例えば、10~100Paの高真空下、120~150℃で薄膜蒸留による除去法や有機溶剤による抽出法により、反応混合物中に存在している遊離の未反応のHDIの残留含有率を1質量%以下にする。尚、HDIの残留含有率が上限値を超える場合は、臭気の発生や貯蔵安定性の低下を招く恐れがある。
精製して得られたポリイソシアネート組成物は、ポットライフの延長や塗料組成物の一液化を目的として、公知のブロック剤を用いてブロックイソシアネートとすることも可能である。これにより、ブロック化されたポリイソシアネートは、常温時は不活性であるが、加熱することでブロック剤が解離し、再びイソシアネート基が活性化することで、活性水素基と反応する潜在的な機能を付加することができる。
本発明に用いることができるブロック剤としては、活性水素を分子内に1個有する化合物であり、例えば、アルコール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活性メチレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピラゾール系化合物等がある。
一連の反応で得られたポリイソシアネート組成物は、ポリオールを配合することによって、本発明のポリウレタン樹脂組成物を得ることができる。
ここで、本発明のポリウレタン樹脂組成物に使用されるポリオールとしては、特に限定されるものではないが、イソシアネート基との反応基として活性水素基を含有する化合物であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオール、2種類以上のポリオールのエステル交換物、及びポリイソシアネートとウレタン化反応した水酸基末端プレポリマー等が好適に用いられ、これらは1種類又は2種類以上の混合物として使用することもできる。
<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールとしては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4-シクロヘキシルジカルボン酸、α-ハイドロムコン酸、β-ハイドロムコン酸、α-ブチル-α-エチルグルタル酸、α,β-ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、ε-カプロラクトン、アルキル置換ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、アルキル置換δ-バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトン)モノマーの開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル-アミドポリオールを使用することもできる。
<ポリエーテルポリオール>
ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2~3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
<ポリカーボネートポリオール>
ポリカーボネートポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの1種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。
また、ポリカーボネートポリオールとポリエステルポリオールと低分子ポリオールのエステル交換反応により得られたポリオールも好適に用いることができる。
<ポリオレフィンポリオール>
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
<アクリルポリオール>
アクリルポリオールとしては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸エステルという〕と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物〔以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という〕と、重合開始剤とを熱エネルギーや紫外線または電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。
<(メタ)アクリル酸エステル>
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば炭素数1~20のアルキルエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル等を挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは単独または2種類以上組み合わせて使用しても良い。
<(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物>
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物としては、例えばポリイソシアネートとの反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のアクリル酸ヒドロキシ化合物等が挙げられる。また、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等のメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用しても良い。
<シリコーンポリオール>
シリコーンポリオールとしては、例えばγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を重合したビニル基含有シリコーン化合物、及び分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω-ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサンを挙げることができる。
<ヒマシ油系ポリオール>
ヒマシ油系ポリオールとしては、例えばヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状または分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油も使用することができる。
<フッ素系ポリオール>
フッ素系ポリオールとしては、例えば必須成分として含フッ素モノマーとヒドロキシ基を有するモノマーとの共重合反応により得られる線状または分岐状のポリオールを挙げることができる。ここで、含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレンが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
また、ポリオールは、1分子中の活性水素基数(平均官能基数)が1.9~6.0であることが好ましい。活性水素基数が下限値未満の場合には、塗膜物性が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合には、密着性が低下する恐れがある。
また、ポリオールの数平均分子量は、750~50000の範囲にあることが好ましい。下限値未満の場合には、密着性低下の恐れがあり、上限値を超えると低極性有機溶剤に対する溶解性の低下や密着性低下を招く恐れがある。
また、本発明のポリウレタン樹脂組成物は、塗料組成物として好適に用いることができる。塗料組成物中のポリイソシアネート組成物と、ポリオールとの配合の割合は、特に限定するものではないが、イソシアネート組成物中のイソシアネート基とポリオール中の水酸基のモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で0.5~2.5となるように配合することが好ましい。下限値未満の場合には水酸基が過剰になり、密着性の低下を招く恐れがある。また、架橋密度が低下し耐久性の低下や塗膜の機械的強度が低下する恐れがある。上限値を超える場合にはイソシアネート基が過剰になり、空気中の水分と反応し、塗膜の膨れやこれに伴う密着性の低下を生じる恐れがある。
また、希釈溶剤として使用する有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類等からなる群から、目的及び用途に応じて適宜選択して使用することができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、塗料組成物は、ポットライフ、硬化条件、及び作業条件等を考慮し、適宜公知のウレタン化触媒を用いることができる。具体的には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いる。これらの触媒は、単独または2種以上併用することができる。
また、塗料組成物の硬化条件としては、特に限定されるものではないが、硬化温度が-5~120℃、湿度が10~95%RH、養生時間が0.5~168時間であることが好ましい。
本発明によって得られた塗料組成物には、必要に応じて、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、分散剤、触媒、貯蔵安定剤、界面活性剤、レベリング剤等の添加剤を適宜配合することができる。
また、本発明によって得られた塗料組成物は、スプレー、刷毛、浸漬、コーター等の公知の方法により被着体の表面上に塗布され、塗膜を形成する。
ここで被着体は特に限定されるものではなく、ステンレス、リン酸処理鋼、亜鉛鋼、鉄、銅、アルミニウム、真鍮、ガラス、スレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート-ABS樹脂、6-ナイロン樹脂、6,6-ナイロン樹脂、MXD6ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、NBR樹脂、クロロプレン樹脂、SBR樹脂、SEBS樹脂などの素材で成形された被着体、コロナ放電処理やその他表面処理を施されたポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、または前記被着体表面に中間形成となりうる塗膜層が形成された被着体を用いることができる。
被着体表層に形成される塗膜の膜厚は、リコート性や耐久性に優れるため、被着体に少なくとも10μmの膜厚を形成すれば良い。膜厚が10μm未満である場合には耐久性が低下し、衝撃により塗膜の破れ等を生じる恐れがある。
本発明のポリイソシアネート組成物、及び塗料組成物は、塗膜強度及び基材追従性に優れるため自動車塗料用途へ好適に用いられる。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。なお、実施例における%表記は特に断りのない限り質量基準である。
<ポリイソシアネート組成物の合成>
<実施例1>
攪拌機、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、HDI(東ソー社製、NCO含量:49.9質量%)962gを仕込み、これを60℃に加熱し、イソシアヌレート化触媒であるトリメチルオクチルアンモニウムメチル炭酸塩(2-エチルヘキサノール10%希釈)1gを添加し、60℃にて表1に示す所定の反応転化率に達するまで反応させた後、反応停止剤である酸性リン酸エステル(JP-508、城北化学工業社製)0.17gを添加し、60℃で1時間停止反応を行った。停止反応後の反応液に、水素化ビスフェノールA(丸善石油化学社製、以下HBPAという)37gを仕込み、これらを撹拌しながら100℃に加熱し、所定の反応転化率に達するまでウレタン化反応させ反応生成物C-1を得た。ここで反応生成物C-1から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のHDIを除去し、ポリイソシアネート組成物P-1を290g得た。
P-1を下記条件にて、ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)で分析したところ、ヌレート型ポリイソシアネート、環状基を有するジオール、及びHDIから得られる反応生成物(C)が、リテンションタイム約20.3分付近(数平均分子量約1100)に検出され、20.13分から20.55分の面積を計算したところ約8PA%であった。
<GPC:分子量の測定>
(1)測定器:HLC-8220(東ソー社製)
(2)カラム:TSKgel(東ソー社製)
・G3000H-XL
・G2500H-XL
・G2000H-XL、G1000H-XL
(3)キャリア:THF(テトラヒドロフラン)
(4)検出器:RI(屈折率)検出器
(5)温度:40℃
(6)流速:1.000ml/min
(7)検量線:標準ポリスチレン(東ソー社製)
・F-80(分子量:7.06×105、分子量分布:1.05)
・F-20(分子量:1.90×105、分子量分布:1.05)
・F-10(分子量:9.64×104、分子量分布:1.01)
・F-2(分子量:1.81×104、分子量分布:1.01)
・F-1(分子量:1.02×104、分子量分布:1.02)
・A-5000(分子量:5.97×103、分子量分布:1.02)
・A-2500(分子量:2.63×103、分子量分布:1.05)
・A-500(分子量:5.0×102、分子量分布:1.14)
(8)サンプル溶液濃度:0.5%THF溶液。
<実施例2~3>
表1に示す仕込比にて実施例1と同様の方法で、ポリイソシアネート組成物P-2、P-3を得た。それぞれに含まれる反応生成物(C)は、P-2は約10PA%、P-3は約4PA%であった。
<比較例1>
C-HK:HDIポリイソシアヌレート(商品名:コロネートHK。東ソー社製)を用いた。
<比較例2>
T1890:IPDIポリイソシアヌレート(商品名:VESTANAT T1890/100。EVONIK社製)を用いた。
<比較例3~6>
表2に示す条件で、C-HKとT1890とを混合し、ポリイソシアネート組成物P-6~P-9を得た。
Figure 0007243051000004
Figure 0007243051000005
<二液塗料組成物の調製>
評価用塗料配合液は表3に示すように、ポリオールとポリイソシアネート混合物とをR(イソシアネート基/水酸基のモル比)=1.0になるように配合し、更に有機溶剤で固形分が50%になるように、塗料組成物(S-1~S-9)を調製した(配合量の単位はg)。ここでは、ポリオールには、アクリルポリオール(商品名:アクリディック49-394-IM、水酸基価:25mgKOH/g、固形分:50%、DIC社製)を使用し、有機溶剤には、酢酸ブチルを使用し、調製した。
Figure 0007243051000006
<塗装方法及び試験片の調製>
調製した塗料組成物を、鋼板(JIS G3141、商品名:SPCC-SB、処理方法:PF-1077、パルテック社製)にアプリケーターを用い、乾燥後の膜厚約40μmになるように塗布した。その後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で1時間乾燥後、80℃の乾燥機中で12時間加熱処理を行い、続いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で1日間以上養生し、コーティング塗膜S-1~S-9を得た。
<塗膜強度評価>
表3に示す配合で得られた塗料から作製したコーティング塗膜(乾燥後膜厚約20μm)を、ISO 14577に準じて、下記の条件で耐傷性試験を行った。評価A、Bであれば良好と言える。
・試験装置:フィッシャースコープHM2000(フィッシャー・インストルメンツ社製)
・圧子:ビッカースダイヤモンド
・試験荷重:5mN
・試験温度:25℃
<塗膜強度評価基準>
・80N/mm以上:(評価)A
・60N/mm以上~80N/mm未満:(評価)B
・60N/mm未満:(評価)C。
<基材追従性評価>
表3に示す配合で得られた塗料から作製したコーティング塗膜(乾燥後膜厚約20μm)を、JIS K5600-5-3に準じて、耐おもり落下性による基材追従性試験を実施した。評価A、Bであれば良好と言える。
<基材追従性評価基準>
・100cm:(評価)A
・90cm以上~100cm未満:(評価)B
・90cm未満:(評価)C。
<密着性評価用メタリックベース塗料の調製>
水性アクリルポリオール(製品名:バーノックWE-303、DIC社製)25.0gに、レオロジーコントロール剤(製品名:BYK-425、BYK社製)0.5g、消泡剤(製品名:BYK-012、BYK社製)0.5g、湿潤分散剤(製品名:DISPERBYK-192、BYK社製)1.0gを添加し、アルミニウムペースト(製品名:アルペーストWXM5660、東洋アルミニウム社製)2.0gを配合し、更にメタノールを15.0g加えることで粘度を調整し、メタリックベース塗料を得た。
<密着性評価>
調製したメタリックベース塗料を、鋼板(JIS G3141、商品名:SPCC-SB、処理方法:PF-1077、パルテック社製)に、乾燥後の膜厚約30μmになるようにスプレーで塗布した。その後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で30分養生し、60℃の条件で30分加熱処理を行った。さらに、表4で調製した塗料組成物を、メタリックベース塗料を塗布した鋼板の上からアプリケーターを用いて塗布し、常温にて10分予備乾燥後、90℃の乾燥機中で30分加熱処理を行った後、80℃の条件で12時間加熱処理を行い、コーティング塗膜を得た。得られた塗膜をJIS K5600-5-6に準じて、クロスカット法による付着性試験を実施した。評価A、Bであれば良好と言える。
<密着性評価基準>
・分類0:A
・分類1:B
・分類2~5:C
Figure 0007243051000007
1.ポリイソシアネート組成物のクロマトグラム
2.反応生成物(C)のピーク(斜線部)
3.反応生成物(C)のピークトップ

Claims (6)

  1. ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型ポリイソシアネート(A)、ヘキサメチレンジイソシアネートと分子量が300未満の環状基を有するジオールとの反応生成物(B)、及びヌレート型ポリイソシアネート(A)と分子量が300未満の環状基を有するジオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物(C)を含むポリイソシアネート組成物であって、
    (A)と(B)のmol比が(A)/(B)=8/92~92/8の範囲であり、
    前記反応生成物(C)が、下記式で表され、かつ、前記ポリイソシアネート組成物中に2質量パーセント以上含まれることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
    Figure 0007243051000008
    [式中R はヘキサメチレン基を表す。R は環状基を有するジオール残基を表す。]
  2. 前記反応生成物(C)が、ポリイソシアネート組成物中に4質量パーセント以上含まれることを特徴とする請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  3. 前記環状基を有するジオールが、シクロアルキル環、ベンゼン環、および複素環からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するジオールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物とポリオールを含むポリウレタン樹脂組成物。
  5. 請求項4に記載のポリウレタン樹脂組成物を含む塗料組成物。
  6. 請求項5に記載の塗料組成物から得られる塗膜。
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