JP7243051B2 - ポリイソシアネート組成物およびそれを用いた塗料組成物 - Google Patents
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前記反応生成物(B)は、前記環状基を有するジオールとHDIとが反応しウレタン結合して得られるもので、次式に示される。
前記反応生成物(C)は、HDIのヌレート型ポリイソシアネート(A)と前記環状基を有するジオールとHDIとが反応しウレタン結合して得られるもので、次式に示される。
また、本発明のポリイソシアネート組成物中に含有するヌレート型ポリイソシアネート(A)と反応生成物(B)のmol比は、8/92~92/8の範囲である。反応生成物(A)が下限値未満の場合には、樹脂との相溶性が損なわれる恐れがあり、上限値を超える場合には、十分な塗膜強度を発現できない恐れがある。
ポリエステルポリオールとしては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4-シクロヘキシルジカルボン酸、α-ハイドロムコン酸、β-ハイドロムコン酸、α-ブチル-α-エチルグルタル酸、α,β-ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、ε-カプロラクトン、アルキル置換ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、アルキル置換δ-バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトン)モノマーの開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル-アミドポリオールを使用することもできる。
ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2~3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
ポリカーボネートポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの1種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
アクリルポリオールとしては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸エステルという〕と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物〔以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という〕と、重合開始剤とを熱エネルギーや紫外線または電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば炭素数1~20のアルキルエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルとしては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステル等を挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは単独または2種類以上組み合わせて使用しても良い。
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物としては、例えばポリイソシアネートとの反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のアクリル酸ヒドロキシ化合物等が挙げられる。また、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等のメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせて使用しても良い。
シリコーンポリオールとしては、例えばγ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等を重合したビニル基含有シリコーン化合物、及び分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω-ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサンを挙げることができる。
ヒマシ油系ポリオールとしては、例えばヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状または分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油も使用することができる。
フッ素系ポリオールとしては、例えば必須成分として含フッ素モノマーとヒドロキシ基を有するモノマーとの共重合反応により得られる線状または分岐状のポリオールを挙げることができる。ここで、含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレンが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
<実施例1>
攪拌機、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、HDI(東ソー社製、NCO含量:49.9質量%)962gを仕込み、これを60℃に加熱し、イソシアヌレート化触媒であるトリメチルオクチルアンモニウムメチル炭酸塩(2-エチルヘキサノール10%希釈)1gを添加し、60℃にて表1に示す所定の反応転化率に達するまで反応させた後、反応停止剤である酸性リン酸エステル(JP-508、城北化学工業社製)0.17gを添加し、60℃で1時間停止反応を行った。停止反応後の反応液に、水素化ビスフェノールA(丸善石油化学社製、以下HBPAという)37gを仕込み、これらを撹拌しながら100℃に加熱し、所定の反応転化率に達するまでウレタン化反応させ反応生成物C-1を得た。ここで反応生成物C-1から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のHDIを除去し、ポリイソシアネート組成物P-1を290g得た。
(1)測定器:HLC-8220(東ソー社製)
(2)カラム:TSKgel(東ソー社製)
・G3000H-XL
・G2500H-XL
・G2000H-XL、G1000H-XL
(3)キャリア:THF(テトラヒドロフラン)
(4)検出器:RI(屈折率)検出器
(5)温度:40℃
(6)流速:1.000ml/min
(7)検量線:標準ポリスチレン(東ソー社製)
・F-80(分子量:7.06×105、分子量分布:1.05)
・F-20(分子量:1.90×105、分子量分布:1.05)
・F-10(分子量:9.64×104、分子量分布:1.01)
・F-2(分子量:1.81×104、分子量分布:1.01)
・F-1(分子量:1.02×104、分子量分布:1.02)
・A-5000(分子量:5.97×103、分子量分布:1.02)
・A-2500(分子量:2.63×103、分子量分布:1.05)
・A-500(分子量:5.0×102、分子量分布:1.14)
(8)サンプル溶液濃度:0.5%THF溶液。
表1に示す仕込比にて実施例1と同様の方法で、ポリイソシアネート組成物P-2、P-3を得た。それぞれに含まれる反応生成物(C)は、P-2は約10PA%、P-3は約4PA%であった。
C-HK:HDIポリイソシアヌレート(商品名:コロネートHK。東ソー社製)を用いた。
T1890:IPDIポリイソシアヌレート(商品名:VESTANAT T1890/100。EVONIK社製)を用いた。
表2に示す条件で、C-HKとT1890とを混合し、ポリイソシアネート組成物P-6~P-9を得た。
評価用塗料配合液は表3に示すように、ポリオールとポリイソシアネート混合物とをR(イソシアネート基/水酸基のモル比)=1.0になるように配合し、更に有機溶剤で固形分が50%になるように、塗料組成物(S-1~S-9)を調製した(配合量の単位はg)。ここでは、ポリオールには、アクリルポリオール(商品名:アクリディック49-394-IM、水酸基価:25mgKOH/g、固形分:50%、DIC社製)を使用し、有機溶剤には、酢酸ブチルを使用し、調製した。
調製した塗料組成物を、鋼板(JIS G3141、商品名:SPCC-SB、処理方法:PF-1077、パルテック社製)にアプリケーターを用い、乾燥後の膜厚約40μmになるように塗布した。その後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で1時間乾燥後、80℃の乾燥機中で12時間加熱処理を行い、続いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で1日間以上養生し、コーティング塗膜S-1~S-9を得た。
表3に示す配合で得られた塗料から作製したコーティング塗膜(乾燥後膜厚約20μm)を、ISO 14577に準じて、下記の条件で耐傷性試験を行った。評価A、Bであれば良好と言える。
・試験装置:フィッシャースコープHM2000(フィッシャー・インストルメンツ社製)
・圧子:ビッカースダイヤモンド
・試験荷重:5mN
・試験温度:25℃
<塗膜強度評価基準>
・80N/mm2以上:(評価)A
・60N/mm2以上~80N/mm2未満:(評価)B
・60N/mm2未満:(評価)C。
表3に示す配合で得られた塗料から作製したコーティング塗膜(乾燥後膜厚約20μm)を、JIS K5600-5-3に準じて、耐おもり落下性による基材追従性試験を実施した。評価A、Bであれば良好と言える。
<基材追従性評価基準>
・100cm:(評価)A
・90cm以上~100cm未満:(評価)B
・90cm未満:(評価)C。
水性アクリルポリオール(製品名:バーノックWE-303、DIC社製)25.0gに、レオロジーコントロール剤(製品名:BYK-425、BYK社製)0.5g、消泡剤(製品名:BYK-012、BYK社製)0.5g、湿潤分散剤(製品名:DISPERBYK-192、BYK社製)1.0gを添加し、アルミニウムペースト(製品名:アルペーストWXM5660、東洋アルミニウム社製)2.0gを配合し、更にメタノールを15.0g加えることで粘度を調整し、メタリックベース塗料を得た。
調製したメタリックベース塗料を、鋼板(JIS G3141、商品名:SPCC-SB、処理方法:PF-1077、パルテック社製)に、乾燥後の膜厚約30μmになるようにスプレーで塗布した。その後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で30分養生し、60℃の条件で30分加熱処理を行った。さらに、表4で調製した塗料組成物を、メタリックベース塗料を塗布した鋼板の上からアプリケーターを用いて塗布し、常温にて10分予備乾燥後、90℃の乾燥機中で30分加熱処理を行った後、80℃の条件で12時間加熱処理を行い、コーティング塗膜を得た。得られた塗膜をJIS K5600-5-6に準じて、クロスカット法による付着性試験を実施した。評価A、Bであれば良好と言える。
<密着性評価基準>
・分類0:A
・分類1:B
・分類2~5:C
2.反応生成物(C)のピーク(斜線部)
3.反応生成物(C)のピークトップ
Claims (6)
- ヘキサメチレンジイソシアネートのヌレート型ポリイソシアネート(A)、ヘキサメチレンジイソシアネートと分子量が300未満の環状基を有するジオールとの反応生成物(B)、及びヌレート型ポリイソシアネート(A)と分子量が300未満の環状基を有するジオールとヘキサメチレンジイソシアネートとの反応生成物(C)を含むポリイソシアネート組成物であって、
(A)と(B)のmol比が(A)/(B)=8/92~92/8の範囲であり、
前記反応生成物(C)が、下記式で表され、かつ、前記ポリイソシアネート組成物中に2質量パーセント以上含まれることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
- 前記反応生成物(C)が、ポリイソシアネート組成物中に4質量パーセント以上含まれることを特徴とする請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
- 前記環状基を有するジオールが、シクロアルキル環、ベンゼン環、および複素環からなる群より選ばれる少なくとも一種を有するジオールであることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
- 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物とポリオールを含むポリウレタン樹脂組成物。
- 請求項4に記載のポリウレタン樹脂組成物を含む塗料組成物。
- 請求項5に記載の塗料組成物から得られる塗膜。
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