JP7069653B2 - ポリイソシアネート組成物およびそれを用いた二液型塗料組成物 - Google Patents

ポリイソシアネート組成物およびそれを用いた二液型塗料組成物 Download PDF

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Description

本発明は、ポリウレタン樹脂を得る場合などの硬化剤として有用な低粘度ポリイソシアネート組成物とこれを硬化剤とした二液型塗料組成物に関する。
従来、塗料・塗装及び接着剤分野においては、1,6-ヘキサメチレンジイソアネート(以下HDIという)などの脂肪族イソシアネートより誘導される無黄変ポリイソシアネートは耐候性に優れているが、その中でもイソシアヌレート結合を含有するポリイソシアネートタイプが化学的、熱的安定性が高く、特に耐候性、耐熱性、耐久性に優れているため、その用途に応じて幅広く使用されており、一層の用途展開が期待されている。
このイソシアヌレート結合を有するタイプは硬化剤として使用する場合、粘度が高いためにハンドリングが悪く、有機溶剤等で希釈して使用する場合がある。最近では、環境負荷低減の意識が高まり、有機溶剤の使用量を削減するために,硬化剤として使用されるポリイソシアネートの低粘度化が要望されている。ポリイソシアネートを低粘度化することで、塗装時のハンドリング性が向上し塗料組成物に使用される有機溶剤の使用量削減が可能となる。
ポリイソシアネートの低粘度化技術として、ウレトジオン結合を有するポリイソシアネートが提案されている。ウレトジオン結合を有するポリイソシアネートは低粘度化を実現できるが、熱的安定性や耐候性が悪いという問題があった(特許文献1、2)。
また、HDIと脂肪族モノアルコールとを反応させて得られるアロファネート結合を有するポリイソシアネートも提案されている(特許文献3)。アロファネート基はウレトジオン基と比較すると熱的安定性や耐候性に優れている。しかしながら、アロファネート結合を含有するポリイソシアネートも前述したイソシアヌレート結合と比較すると化学的、熱的安定性が悪く、耐候性も悪いという問題もあった。
また、HDIと炭素数11~20のモノオールとを反応させて得られるアロファネート結合、イソシアヌレート結合を含むポリイソシアネートが開示されている(特許文献4)。しかし、1分子中に有するイソシアネート基の量(以下、イソシアネート含有量)が低いものであった。イソシアネート含有量が高いほど、ポリオールとの組み合わせから成る塗料組成物において塗料組成物全体のポリオール中のヒドロキシル基と反応して得られるウレタン結合の濃度が高くなる。これはウレタン塗膜の機械物性の向上につながることから、イソシアネート含有量の高いポリイソシアネートが切望されている。
特開平5-32759号公報 特開2013-224350号公報 特開2003-137966号公報 特開2012-255101号公報
本発明は、上記した背景技術に鑑みてなされたものであり、その目的は、低粘度ながら熱的安定性や耐侯性を保持しつつ、複層塗膜のトップコートに用いた際のメタリック光沢性(フリップフロップ性)に優れたポリイソシアネート組成物および、これを硬化剤とした塗料組成物を提供することである。
本発明者らは、検討を重ねた結果、HDIとモノアルコールとを、一定の重合度以下でアロファネート反応させて得られる脂肪族ポリイソシアネートにより、前記課題が解決できることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の実施形態を含むものである。
[1]へキサメチレンジイソシアネートとモノアルコールとから得られるアロファネート変性ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物であって、該アロファネート変性ポリイソシアネートの平均重合度が1.5以下であることを特徴とする、ポリイソシアネート組成物。
[2]モノアルコールの炭素数が1~3であることを特徴とする上記[1]に記載のポリイソシアネート組成物。
[3]ポリイソシアヌレートを含む、上記[1]又は[2]に記載のポリイソシアネート組成物。
[4]上記[1]乃至[3]のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物において、アロファネート基のモル数/イソシアヌレート基とウレトジオン基の合計モル数=100/0~10/90であることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
[5]上記[1]乃至[4]のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物において、ポリイソシアネート組成物中のウレトジオン基濃度が5モル%以下であるポリイソシアネート組成物。
[6]上記[1]乃至[5]のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物とポリオールを含む二液型塗料組成物。
本発明のポリイソシアネート組成物は、低粘度ながら熱的安定性、耐侯性を保持しつつ、高いイソシアネート含有量を確保し、基材密着性、フリップフロップ性に優れたポリイソシアネート組成物、及びこれを硬化剤とした二液型塗料組成物を得ることができる。
また、低粘度という特徴から中塗りや下地といった下層塗膜への浸透性を付与し、複層塗膜としての物性向上が期待できる。
以下、本発明について詳しく説明する。
本発明のポリイソシアネート組成物は、HDIとモノアルコールとを一定の重合度以下でアロファネート反応させて得られるアロファネート変性ポリイソシアネートを含むものである。
本発明のアロファネート変性ポリイソシアネートを得る際に用いるイソシアネート成分は、脂肪族イソシアネートであるHDIである。脂肪族イソシアネートとしては、HDIの他に、テトラメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2-メチル-ペンタン-1,5-ジイソシアネート、3-メチル-ペンタン-1,5-ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。本発明においては、耐候性、工業的入手の容易さからHDIを用いるが、上記した他の脂肪族イソシアネートや、イソホロンジイソシアネート、ノルボルネンジイソシアネート等に代表される脂環族イソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、トルエンジイソシアネート等に代表される芳香族イソシアネート、キシレンジイソシアネート等に代表される芳香脂肪族イソシアネート等を本発明の主旨を逸脱しない範囲で併用してもよい。
本発明のアロファネート変性ポリイソシアネートを得る際に用いるモノアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノール、1-ブタノール、2-ブタノール、イソブタノール、1-ペンタノール、2-ペンタノール、イソアミルアルコール、1-ヘキサノール、2-ヘキサノール、1-ヘプタノール、1-オクタノール、2-エチル-1-ヘキサノール、3,3,5-トリメチル-1-ヘキサノール、1-トリデカノール、2-トリデカノール、2-オクチルドデカノール、ペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノール等が挙げられる。これらのモノオールは特に限定するものではないが、炭素数1~3のモノアルコールであるメタノール、エタノール、1-プロパノール、2-プロパノールを用いることが好ましい。炭素数1~3のモノアルコールを用いることで、ポリイソシアネートのイソシアネート含有量を高くすることができるため好ましい。
アロファネート反応により生成するアロファネート基とは、上記モノアルコールのヒドロキシル基とHDIのイソシアネート基とが反応しウレタン結合を形成した後、ウレタン基にさらに別のイソシアネート基が反応して得られるもので、次式に示される。このアロファネート反応生成物の平均重合度は、HDIとモノアルコールの比率によって調整することができる。
Figure 0007069653000001
[式中Rはヘキサメチレン基を表す。R’はアルキル基を表す。]。
本発明におけるアロファネート変性ポリイソシアネートの平均重合度は1.5以下である。本発明におおける平均重合度は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)の結果を元に、以下の計算式により算出することができる。
平均重合度=(単量体の割合(質量%)+二量体の割合(質量%)×2+三量体の割合(質量%)×3+四量体の割合(質量%)×4+多量体の割合(質量%)×5)/100。
なお、本発明における単量体等の割合は、GPCにより得られる各ピークエリアの面積を用いたものであり、ピークエリアの面積と質量を同等として扱った。
この平均重合度を1.5以下にすることで、複層塗膜のトップコート用硬化剤として使用した際に、下地プライマーへの浸透性を向上し、塗膜にした際の層間密着性を向上させることができ、また、メタリック光沢性(フリップフロップ性)にも優れた塗膜を得ることができる。
平均重合度を1.5以下にするためには、HDIとモノアルコールとの比率を調整すれば良く、特別な合成方法を必要としない。
また、本発明におけるイソシアヌレート基とは、ヘキサメチレンジイソシアネートモノマー同士が環化重合したもので、次式で示される。これは3量化または5量化、多量化したイソシアヌレート基を有するポリイソシアネートである。
Figure 0007069653000002
[式中Rはヘキサメチレン基を表す。]。
また、本発明におけるウレトジオン基とは、イソシアネート基が直鎖状に重合したもので、次式で示される。本発明のウレトジオン体はヘキサメチレンジイソシアネートモノマー2分子からなる、ウレトジオン基を有するジイソシアネート2量体を指す。
Figure 0007069653000003
[式中Rはヘキサメチレン基を表す。]。
本発明のポリイソシアネート組成物中に含有するアロファネート基とイソシアヌレート基とウレトジオン基とのモル比は、アロファネート基/(イソシアヌレート基+ウレトジオン基)=100/0~10/90の範囲であることが好ましい。アロファネート基のモル比が下限値未満の場合には、硬化剤の浸透性が低下し、密着性が損なわれる場合がある。
本発明のポリイソシアネート組成物は、含有するウレトジオン体がポリイソシアネート全組成中の5モル%以下であることが好ましい。5モル%以下であれば、塗膜の熱安定性や耐候性に優れ、ウレトジオン体の量が5モル%を越える場合には、塗膜の熱安定性や耐候性が悪化する恐れがある。
なお、本発明におけるウレトジオン体のモル%は、H-NMRのシグナル面積比から算出したものである。
次に、ポリイソシアネート組成物の具体的な製造方法について説明する。
第1工程では、有機ジイソシアネートとモノアルコールを、水酸基に対してイソシアネート基が過剰になる量を仕込んで、有機溶剤の存在下または非存在下、20~60℃でウレタン化反応させてイソシアネート基末端プレポリマーIを製造する。ここでウレタン化反応の目安としては、中和滴定法によるイソシアネート基含有量と屈折率上昇値により完結の有無を判断する。
第2工程では、イソシアネート基末端プレポリマーIにアロファネート化触媒を仕込み、目的とするイソシアネート基含有量、及び分子量になるまで、50~150℃にてアロファネート化を行ってイソシアネート基末端プレポリマーIIを製造する。
第3工程では、イソシアネート基末端プレポリマーIIに反応停止剤を添加することによって、反応の停止を行う。
これら第1工程~第3工程においては、窒素ガス、若しくは、乾燥空気気流下で反応を進行させる。
第4工程では、イソシアネート基末端プレポリマーIIを薄膜蒸留又は溶剤抽出によって、遊離の有機ジイソシアネートの含有量を1質量%未満になるまで除去する。
ここで、第1工程における「イソシアネート基が過剰になる量」とは、原料仕込みの際、有機ジイソシアネートのイソシアネート基とモノオールの水酸基とのモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で15~75になるように仕込むことが好ましく、R=20~70になるように仕込むことがさらに好ましい。下限未満の場合には、アロファネート反応生成物の重合度が高くなり、塗膜にした際のフリップフロップ性が悪化する恐れがある。上限を超える場合には、製品収率が下がり、生産性の低下を招く恐れがある。
ここで、本発明におけるフリップフロップ性とは、角度を変えて塗膜を観察した際に、観察の角度によって明度の変化の程度を表したものであり、その変化が大きいほど、フリップフロップ性が高く、意匠性が高い塗膜となる。
また、本発明のウレタン化反応の反応温度は、20~70℃が好ましく、30~60℃がさらに好ましい。尚、ウレタン化反応の際、公知のウレタン化触媒を用いることができる。具体的には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いる。これらの触媒は、単独または2種以上併用することができる。
ウレタン化反応の反応時間は、触媒の有無、種類、および温度により異なるが、一般には10時間以内、好ましくは1~5時間で十分である。
第2工程におけるアロファネート化触媒としては下記に示す触媒が挙げられる。
アロファネート化触媒としては、一般に塩基性を有するものが好ましく、例えば酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸の例えば錫、亜鉛、鉛、ビスマス、ジルコニウム等の金属塩等が挙げられる。これらのうち、反応性の観点から、アルキルカルボン酸の錫や、ジルコニウムが好ましい。
アロファネート化触媒の使用量は、有機ジイソシアネートと、モノアルコールとの合計質量に対して0.001~1.0質量%が好ましく、0.005~0.1質量%がより好ましい。
下限未満の場合には、アロファネート化反応が十分に進行せず、ポリイソシアネートの前駆体であるウレタン基含有ポリイソシアネートの生成量が多くなり、平均官能基数の低下に伴う塗膜物性の低下、及び生産性や収率の低下を招く恐れがある。また、上限値を超える場合には、目的物よりも分子量の高いポリイソシアネートの生成量が多くなり、粘度の上昇、及び反応性制御の低下を招く恐れがある。
また、アロファネート化反応の反応温度は50~150℃が好ましく、80~120℃がさらに好ましい。
また、ポリイソシアネートの製造においては、有機溶媒等を含まずに反応を行う方法や有機溶媒の存在下で反応を行う方法が適宜選ばれる。
有機溶媒の存在下で反応を行う場合には、反応に影響を与えない有機溶媒を用いることができる。有機溶媒の具体例としては、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3-メチル-3-メトキシブチルアセテート、エチル-3-エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル類、ジオキサン等のエーテル類、ヨウ化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N-メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶媒などが挙げられる。これらの溶媒は単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
反応で使用した有機溶媒は、第4工程における遊離の有機ジイソシアネートの除去時に同時に除去される。
第3工程におけるに反応停止剤としては、触媒の活性を失活させる作用があるものであり、具体的には、リン酸、塩酸等の無機酸、スルホン酸基、スルファミン酸基等を有する有機酸およびこれらのエステル類、アシルハライド等公知の化合物が使用される。これらの反応停止剤は、単独または2種以上を併用することができる。尚、添加時期は、反応終了後、速やかな添加が好ましい。
また、反応停止剤の添加量としては、反応停止剤や使用した触媒の種類によって異なるが、触媒の0.5~10当量となるのが好ましく、0.8~5.0当量が特に好ましい。反応停止剤が少ない場合には、得られるポリイソシアネート組成物の貯蔵安定性が低下しやすく、多すぎる場合はポリイソシアネート組成物が着色する場合がある。
第4工程の精製工程では、反応混合物中に存在している遊離の未反応の有機ジイソシアネートを、例えば、10~100Paの高真空下、120~150℃で薄膜蒸留による除去法や有機溶剤による抽出法により、遊離の未反応の有機ジイソシアネート残留含有率を1.0質量%以下にする。尚、有機ジイソシアネートの残留含有率が上限値を超える場合は、臭気の発生や貯蔵安定性の低下を招く恐れがある。
精製して得られたポリイソシアネート組成物は、ポットライフの延長や塗料組成物の一液化を目的として、公知のブロック剤を用いてブロックイソシアネートとすることも可能である。これにより、ブロック化されたポリイソシアネートは、常温時は不活性であるが、加熱することでブロック剤が解離し、再びイソシアネート基が活性化することで、活性水素基と反応する潜在的な機能を付加することができる。
本発明に用いることができるブロック剤としては、活性水素を分子内に1個有する化合物であり、例えば、アルコール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活性メチレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピラゾール系化合物等がある。
一連の反応で得られたポリイソシアネート組成物は、ポリイソシアヌレートと混合し、使用することができる。ポリイソシアネート組成物とポリイソシアヌレートの混合比(アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比)は、100/0~10/90であることが好ましく、70/30~10/90がさらに好ましく、50/50~10/90が最も好ましい。アロファネート基の混合比が10未満の場合には、密着性が低下する恐れがある。
更に、上記で得られたポリイソシアネート混合液は、ポリオールを配合することによって、本発明の二液型塗料組成物を得ることができる。
ここで、本発明の二液型塗料組成物に使用されるポリオールとしては、特に限定されるものではないが、イソシアネート基との反応基として活性水素基を含有する化合物であり、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオール、2種類以上のポリオールのエステル交換物、及びポリイソシアネートとウレタン化反応した水酸基末端プレポリマー等が好適に用いられ、これらは1種類又は2種類以上の混合物として使用することもできる。
<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールとしては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4-シクロヘキシルジカルボン酸、α-ハイドロムコン酸、β-ハイドロムコン酸、α-ブチル-α-エチルグルタル酸、α,β-ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるもの等を挙げることができる。また、ε-カプロラクトン、アルキル置換ε-カプロラクトン、δ-バレロラクトン、アルキル置換δ-バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトン)モノマーの開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル-アミドポリオールを使用することもできる。
<ポリエーテルポリオール>
また、ポリエーテルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等の活性水素基を2個以上、好ましくは2~3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
<ポリカーボネートポリオール>
また、ポリカーボネートポリオールとしては、例えばエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,9-ノナンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、3,3-ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン-1,4-ジオール、シクロヘキサン-1,4-ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β-ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの1種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。
また、ポリカーボネートポリオールとポリエステルポリオールと低分子ポリオールのエステル交換反応により得られたポリオールも好適に用いることができる。
<ポリオレフィンポリオール>
ポリオレフィンポリオールとしては、例えば水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
<アクリルポリオール>
アクリルポリオールとしては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸エステルという〕と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物〔以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という〕と、重合開始剤とを熱エネルギーや紫外線または電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。
<(メタ)アクリル酸エステル>
(メタ)アクリル酸エステルとしては、炭素数1~20のアルキルエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸-2-エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジル等の(メタ)アクリル酸アリールエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは単独または2種類以上組み合わせたものを挙げることができる。
<(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物>
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物としては、ポリイソシアネートとの反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、2-ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート、4-ヒドロキシブチルアクリレート、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のアクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。また、2-ヒドロキシエチルメタクリレート、2-ヒドロキシプロピルメタクリレート、4-ヒドロキシブチルメタクリレート、3-ヒドロキシ-2,2-ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等のメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせたものを挙げることができる。
<シリコーンポリオール>
シリコーンポリオールとしては、γ-メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを重合したビニル基含有シリコーン化合物、及び分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω-ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω-ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサンを挙げることができる。
<ヒマシ油系ポリオール>
ヒマシ油系ポリオールとしては、例えばヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状または分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油も使用することができる。
<フッ素系ポリオール>
フッ素系ポリオールとしては、例えば含フッ素モノマーとヒドロキシ基を有するモノマーとを必須成分として共重合反応により得られる線状または分岐状のポリオールを挙げることができる。ここで、含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレンが挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4-ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2-ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
また、ポリオールは、1分子中の活性水素基数(平均官能基数)が1.9~6.0であることが好ましい。活性水素基数が下限値未満の場合には、塗膜物性が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合には、密着性が低下する恐れがある。
また、ポリオールの数平均分子量は、750~50000の範囲にあることが好ましい。下限値未満の場合には、密着性低下の恐れがあり、上限値を超えると低極性有機溶剤に対する溶解性の低下や密着性低下を招く恐れがある。
また、二液型塗料組成物のポリイソシアネート組成物と、ポリオールとの配合割合は、特に限定するものではないが、イソシアネート組成物中のイソシアネート基とポリオール中の水酸基のモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で0.5~2.5となるように配合することが好ましい。下限値未満の場合には水酸基が過剰になり、密着性の低下を招く恐れがある。また、架橋密度が低下し耐久性の低下や塗膜の機械的強度が低下する恐れがある。上限値を超える場合にはイソシアネート基が過剰になり、空気中の水分と反応し、塗膜の膨れやこれに伴う密着性の低下を生じる恐れがある。
また、希釈溶剤として使用する有機溶剤としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸-n-ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類等からなる群から、目的及び用途に応じて適宜選択して使用することができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、二液型塗料組成物は、ポットライフ、硬化条件、及び作業条件等を考慮し、適宜公知のウレタン化触媒を用いることができる。具体的には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いる。これらの触媒は、単独または2種以上併用することができる。
また、二液型塗料組成物の硬化条件としては、特に限定されるものではないが、硬化温度が-5~120℃、湿度が10~95%RH、養生時間が0.5~168時間であることが好ましい。
本発明によって得られた二液型塗料組成物には、必要に応じて、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、分散剤、触媒、貯蔵安定剤、界面活性剤、レベリング剤等の添加剤を適宜配合することができる。
また、本発明によって得られた二液型塗料組成物は、スプレー、刷毛、浸漬、コーター等の公知の方法により被着体の表面上に塗布され、塗膜を形成する。
ここで被着体は特に限定されるものではなく、ステンレス、リン酸処理鋼、亜鉛鋼、鉄、銅、アルミニウム、真鍮、ガラス、スレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート-ABS樹脂、6-ナイロン樹脂、6,6-ナイロン樹脂、MXD6ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、NBR樹脂、クロロプレン樹脂、SBR樹脂、SEBS樹脂などの素材で成形された被着体、コロナ放電処理やその他表面処理を施されたポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、または前記被着体表面に中間形成となりうる塗膜層が形成された被着体を用いることができる。
被着体表層に形成される塗膜の膜厚は、リコート性や耐久性に優れるため、被着体に少なくとも10μmの膜厚を形成すれば良い。膜厚が10μm未満である場合には耐久性が低下し、衝撃により塗膜の破れ等を生じる恐れがある。
本発明のポリイソシアネート組成物は、非常に低粘度であるため、二液型塗料組成物とした場合、高固形分化が可能となり、有機溶剤の削減ができる。
また、本発明のポリイソシアネート組成物、及び二液型塗料組成物は自動車塗料用途へ好適に用いることができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<ポリイソシアネート組成物の合成>
<実施例1>
攪拌機、温度計、冷却管、および窒素ガス導入管を備えた容量1リットルの四つ口フラスコに、ヘキサメチレンジイソシアネート(東ソー社製、NCO含量:49.9質量%、以下HDIという)990g、およびメタノール10gを仕込み、これらを撹拌しながら40℃に加熱し、1時間ウレタン化反応を行った。その後60℃に昇温し、この反応液中にアロファネート化触媒であるオクチル酸ジルコニール(第一稀元素化学工業社製)0.1gを添加し、110℃にて所定の反応転化率に達するまで反応させた後、反応停止剤である酸性リン酸エステル(JP-508、城北化学工業社製)0.11gを添加し、60℃で1時間停止反応を行った。ここで反応生成物から、薄膜蒸留(条件:140℃,0.04kPa)により過剰のHDIを除去し、NCO含量22.4質量%、粘度(25℃)110mPa・s、遊離のHDI含量0.2質量%のポリイソシアネートC-1を112g得た。ポリイソシアネートC-1をH-NMR測定したところ、アロファネート基/イソシアヌレート基/ウレトジオン基のモル比率は、99/0/1であった。またGPC測定したところ、表2に示すピークが得られ、各ピークエリアの面積から以下の計算式にて計算した平均重合度は1.47であった。
<計算方法>
平均重合度=(単量体の割合(71質量%)+二量体の割合(18.8質量%)×2+三量体の割合(4.1質量%)×3+四量体の割合(1.2質量%)×4+多量体の割合(4.2質量%)×5)/100=1.47。
上記操作にて得られたポリイソシアネートC-1を100gと、コロネートHXR(ポリイソシアヌレート、東ソー社製、NCO含量:21.8質量%、以下C-HXRという)を900gの割合で混合し、ポリイソシアネート混合液P-1を1000g得た。ポリイソシアネート混合液P-1をH-NMR測定したところ、アロファネート基/イソシアヌレート基/ウレトジオン基のモル比率は、14/84/2であった。
<NMR:アロファネート基・イソシアヌレート基・ウレトジオン基モル比率の測定>
(1)測定装置:ECX400M(日本電子社製、H-NMR)
(2)測定温度:23℃
(3)試料濃度:0.1g/1ml
(4)積算回数:16
(5)緩和時間:5秒
(6)溶剤:重水素ジメチルスルホキシド
(7)化学シフト基準:重水素ジメチルスルホキシド中のメチル基の水素原子シグナル(2.5ppm)
(8)評価方法:8.5ppm付近のアロファネート基の窒素原子に結合した水素原子のシグナルと、3.7ppm付近のヌレート基の窒素原子に隣接したメチレン基の水素原子のシグナル及び、3.9ppm付近のウレトジオン基の窒素原子に隣接したメチレン基の水素原子のシグナルの面積比から結合基の含有量を測定した。
<GPC:分子量の測定>
(1)測定器:HLC-8220(東ソー社製)
(2)カラム:TSKgel(東ソー社製)
・G3000H-XL
・G2500H-XL
・G2000H-XL、G1000H-XL
(3)キャリア:THF(テトラヒドロフラン)
(4)検出器:RI(屈折率)検出器
(5)温度:40℃
(6)流速:1.000ml/min
(7)検量線:標準ポリスチレン(東ソー社製)
・F-80(分子量:7.06×105、分子量分布:1.05)
・F-20(分子量:1.90×105、分子量分布:1.05)
・F-10(分子量:9.64×104、分子量分布:1.01)
・F-2(分子量:1.81×104、分子量分布:1.01)
・F-1(分子量:1.02×104、分子量分布:1.02)
・A-5000(分子量:5.97×103、分子量分布:1.02)
・A-2500(分子量:2.63×103、分子量分布:1.05)
・A-500(分子量:5.0×102、分子量分布:1.14)
(8)サンプル溶液濃度:0.5%THF溶液。
(9)GPCチャートの各ピークの帰属:
・アロファネート多量体:リテンションタイム=19.9分付近のピーク
・アロファネート四量体:リテンションタイム=20.4分付近のピーク
・アロファネート三量体:リテンションタイム=21.1分付近のピーク
・アロファネート二量体:リテンションタイム=22.0分付近のピーク
・アロファネート単量体:リテンションタイム=23.2分付近のピーク。
<実施例2~3>
表3に示す条件で、C-1とC-HXRとの混合を行い、ポリイソシアネート混合液P-2、P-3を得た。
<実施例4~5>
表1に示す条件で、実施例1と同様の合成法にて、ポリイソシアネートC-2、C-3を得た。表3に示す条件で、得られたポリイソシアネートC-2、C-3と、C-HXRとの混合を行い、ポリイソシアネート混合液P-4~P-5を得た。
<比較例1~6>
表1に示す条件で、実施例1と同様の合成法にて、ポリイソシアネートC-4、C-5を得た。表3に示す条件で、得られたポリイソシアネートC-4、C-5と、C-HXRとの混合を行い、ポリイソシアネート混合液P-6~P-11を得た。
<比較例7>
市販の東ソー社製ポリイソシアヌレートC-HXRを用いた。
Figure 0007069653000004
Figure 0007069653000005
Figure 0007069653000006
<二液型塗料組成物の調製>
配合量は表4に示すように、ポリオールとポリイソシアネート混合物とをR(イソシアネート基/水酸基のモル比)=1.2になるように配合し、更に有機溶剤で固形分が50質量%になるように、二液塗料組成物(S-1~S-11)を調製した(配合量の単位はg)。ここでは、ポリオールには、アクリルポリオール(商品名:アクリディックA-801、水酸基価:50mgKOH/g、固形分:50質量%、DIC社製)を使用し、有機溶剤には、酢酸ブチルを使用し調製した。
Figure 0007069653000007
<塗装方法及び試験片の作製>
調製した二液塗料組成物を、それぞれメチルエチルケトンで脱脂した鋼板(JIS G3141、商品名:SPCC-SB、処理方法:PF-1077、パルテック社製)にアプリケーターを用い、任意の膜厚になるように塗布した。その後、温度60℃の乾燥機中で1時間加熱処理を行い、続いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生し、コーティング塗膜S-1~S-11を得た。
<耐候性>
表4に示す配合で得られた塗料から作製したコーティング塗膜を、下記の条件で耐候性の加速試験を行った。
・試験装置:QUV(Q-LAB社製)
・ランプ:EL-313
・照度:0.59w/m2
・λmax:313nm
・1サイクル:12時間〔UV照射:8時間(温度70℃)、結露:4時間(温度50℃)〕
・試験時間:864時間
<評価基準>
JIS Z8741に準じて、光沢度計(製品名:マイクロ-グロス、BYK社製)にて、60°における光沢度を測定し、光沢保持率を算出した。光沢保持率は次式により求めた。
光沢保持率(%)=100×耐候試験後光沢度÷初期光沢度 (式)
・50%以上:(評価)A
・49%未満:(評価)B。
<浸透性>
下地用プライマーとして、水性アクリルポリオール(製品名:バーノックWE-303、DIC社製)を、アプリケーターを用いてPP板状に塗布し、常温にて40分予備乾燥後、60℃の乾燥機中で20分加熱処理を行った。さらに表3で調製した二液型塗料組成物をプライマーの上からアプリケーターを用いて塗布し、常温にて15分予備乾燥後、90℃の乾燥機中で30分加熱処理を行った。その後PP板から塗膜を剥がし、プライマー側の塗面をIRにて測定を行った。
<評価基準>
測定されたIRスペクトルの波数700のピーク吸光度を基準に、波数2270のピークの吸光度を測定し、吸光度比として次式により算出した。
(波数2270のピークの吸光度/波数700のピークの吸光度)×1000 (式)
・1.5以上:A
・1.0以上~1.5未満:B
・1.0未満:C。
<密着性・フリップフロップ性評価用メタリックベース塗料の調製>
水性アクリルポリオール(製品名:バーノックWE-303、DIC社製)25.0gに、レオロジーコントロール剤(製品名:BYK-425、BYK社製)0.5g、消泡剤(製品名:BYK-012、BYK社製)0.5g、湿潤分散剤(製品名:DISPERBYK-192、BYK社製)1.0gを添加し、アルミニウムペースト(製品名:アルペーストWXM5660、東洋アルミニウム社製)2.0gを配合し、更にメタノールを15.0g加えることで粘度を調整した。
<密着性・フリップフロップ性>
調製したメタリックベース塗料を、メチルエチルケトンで脱脂した鋼板(JIS G3141、商品名:SPCC-SB、処理方法:PF-1077、パルテック社製)に、乾燥後の膜厚約30μmになるようにスプレーで塗布した。その後、温度23℃、相対湿度50%の環境下で30分養生し、60℃の条件で30分加熱処理を行った。さらに、表3で調製した二液塗料組成物を、メタリックベースを塗布した鋼板の上からアプリケーターを用いて塗布し、常温にて10分予備乾燥後、90℃の乾燥機中で30分加熱処理を行った後、80℃の条件で10時間加熱処理を行い、コーティング塗膜を得た。
<密着性評価基準>
得られた塗膜をJIS K5600-5-6に準じて、クロスカット法による付着性試験を実施した。
・分類0~1:A
・分類2~5:B。
<フリップフロップ性評価基準>
得られた塗膜をメタリックカラー用測色計(製品名:BYK-mac i 23mm、BYK社製)にて、5角度カラー(15°/25°/45°/75°/110°)を測定し、フリップフロップ値を算出した。フリップフロップ値(FF値)は次式により求めた。
FF値=2.69×(L15°-L110°)1.11/(L45°)0.86 (式)
・8.5以上:A
・8.5未満:B
Figure 0007069653000008

Claims (6)

  1. へキサメチレンジイソシアネートとモノアルコールとから得られるアロファネート変性ポリイソシアネートを含むポリイソシアネート組成物であって、
    該アロファネート変性ポリイソシアネートにおける式(1)より算出される値αが1.5以下であり、
    ポリイソシアヌレートをさらに含み、
    アロファネート基/イソシアヌレート基のモル比が、50/50~10/90であることを特徴とする、ポリイソシアネート組成物。
    α=(単量体の割合(質量%)+二量体の割合(質量%)×2+三量体の割合(質量%)×3+四量体の割合(質量%)×4+多量体の割合(質量%)×5)/100 …式(1)
  2. モノアルコールの炭素数が1~3であることを特徴とする請求項1に記載のポリイソシアネート組成物。
  3. モノアルコールがメタノールである、請求項1又は2に記載のポリイソシアネート組成物。
  4. 請求項1乃至3のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物において、アロファネート基のモル数/イソシアヌレート基とウレトジオン基の合計モル数=33/67~10/90であることを特徴とするポリイソシアネート組成物。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物において、ポリイソシアネート組成物中のウレトジオン基濃度が5モル%以下であるポリイソシアネート組成物。
  6. 請求項1乃至5のいずれかに記載のポリイソシアネート組成物とポリオールを含む二液型塗料組成物。
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