JP2018126711A - 複層塗膜形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】自動車用塗料において、高い意匠性が求められるようになり、その中でもアルミニウム顔料などの光輝性顔料を含有するシルバーメタリックは塗色が多く、意匠が多彩であることから人気が高い。この意匠性の指標としてフリップフロップ性がある。光輝性顔料を含有するメタリックベースコート塗膜、及びクリアコート塗膜を含む複層塗膜の、フリップフロップ性が高くなる複層塗膜形成方法を提供すること。【解決手段】光輝性顔料を含有するメタリックベースコート塗膜とクリアコート塗膜とを含む複層塗膜形成の際、被塗物の温度を特定の温度より、例えば25℃未満、好ましくは20℃以下、より好ましくは15℃以下に下げて光輝性顔料を含有する水性メタリックコートを塗装する複層塗膜形成方法。好ましくは、水性メタリックベースコートを塗装した後、上に溶剤系クリアコートを塗装する、複層塗膜形成方法。【選択図】なし

Description

本発明は、ウェット・オン・ウェット塗装による複層塗膜形成方法に関するものである。
近年、自動車用塗料において、高い意匠性が求められるようになり、その中でもアルミニウム顔料などの光輝性顔料を含有するシルバーメタリックは塗色が多く、意匠が多彩であることから人気が高い。この意匠性の指標としてフリップフロップ性がある。このフリップフロップ性とは、角度を変えて塗膜を観察した際に、観察の角度によって明度の変化の程度を表したものであり、その変化が大きいほど、フリップフロップ性が高く、意匠性が高い塗膜となる。
ところで、近年の自動車車体または自動車部品における複層塗膜形成方式としては、被塗物(鋼板、プラスチックなど)に、プライマー/ベース/クリアトップの3層を塗装してから加熱硬化を行う3コート1ベーク方式や、ベース/クリアトップの2層を塗装してから加熱硬化を行う2コート1ベーク方式が検討されている。その中でも有機溶剤の揮発による環境負荷を低減する観点から、ベース塗料として水性塗料を用いた3コート1ベーク方式および2コート1ベーク方式が特に求められるようになった。
しかしながら、上記3コート1ベーク方式および2コート1ベーク方式にした場合、上層と下層の塗料で混層が生じ、水性ベース層に含有していたアルミニウム顔料などの光輝性顔料が動くことにより、その配向が乱れ、フリップフロップ性が悪化する傾向があった。
特許文献1では、高いフリップフロップ性を有する塗膜を作製する場合、高湿条件下での塗膜の層間界面(水性メタリックベースコートとクリアトップコートの界面)でのなじみや反転を制御する方法が提案されているが、塗装環境の湿度を85%と非常に高く設定する必要があるため、特別な塗装設備が必要となる。
特許文献2では、水性メタリックベースコートの粘度を高くすることによって、水性メタリックベースコート内に残存している水分の突沸が生じても、アルミフレークの配向性が損なわれないという手法が提案されている。しかし、高粘度のメタリックベースコートを塗装するためには、加温して塗装に適した粘度まで低下させるというように、粘度制御が必要である。
また、特許文献3では、塗膜の層間に硬化触媒を塗布することで、少なくとも塗膜境界面が硬化し、塗膜の混層が生じることが無くなるという手法が提案され、アルミフレークの配向性の乱れを抑制できる可能性があるものの、触媒の塗布工程が増え、塗工方法が煩雑になるという問題がある。
特開2001―311035号公報 特開2005―205289号公報 特開2007―229671号公報
本発明は、上記した背景技術に鑑みてなされたものであり、水性メタリックベースコート塗膜、クリアコート塗膜を含む複層塗膜のフリップフロップ性が高くなる、複層塗膜形成方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、検討を重ねた結果、水性メタリックベースコートを塗装する際に、被塗物の温度を低くすることで、高いフリップフロップ性を有する複層塗膜が得られることを見出し、本発明に到達した。
すなわち本発明は、以下の[1]〜[6]に示す実施形態を含むものである。
[1]光輝性顔料を含有するメタリックベースコート塗膜、及びクリアコート塗膜を含む複層塗膜を形成する複層塗膜形成方法であって、温度が25℃未満の被塗物に、光輝性顔料を含有する水性メタリックベースコートを塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
[2]上記[1]に記載の複層塗膜形成方法において、光輝性顔料を含有するメタリックベースコート塗膜を形成し、プレヒート後に、クリアコートを塗装し、さらに乾燥して複層塗膜を形成することを特徴とする複層塗膜形成方法。
[3]温度が20℃以下の被塗物に塗装することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の複層塗膜形成方法。
[4]温度が15℃以下の被塗物に塗装することを特徴とする上記[1]又は[2]に記載の複層塗膜形成方法。
[5]上記[1]乃至[4]のいずれかに記載の方法で水性メタリックベースコートを塗装した後、該ベースコート上に溶剤系クリアコートを塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
[6]溶剤系クリアコートが、ポリイソシアネートとポリオールとを含む二液型ポリウレタン系塗料である、上記[5]に記載の複層塗膜形成方法。
なお、本発明においては、水性メタリックベースコート塗膜を形成し、プレヒート後に、クリアコートを塗装し、さらに乾燥して複層塗膜を形成する方法をウェット・オン・ウェット方式による複層塗膜形成方法という。
本発明の複層塗膜形成方法により、フリップフロップ値が高い複層塗膜を得ることができる。
以下に本発明について詳しく説明する。
本発明の複層塗膜形成方法は、ウェット・オン・ウェット方式の複層塗膜形成方法であって、光輝性顔料を含有する水性メタリックベースコートを塗装する際、被塗物の温度を25℃未満に下げた後に塗装する、複層塗膜形成方法である。
塗膜を形成する際、被塗物の温度を25℃以上にしてベースコートを塗装した場合フリップフロップ値が低下するが、この原因は、基材温度の熱エネルギーによって、メタリックベースコート内の光輝性顔料の揺動が大きくなり、その配向が乱れたためと考えられる。
上記とは逆に、本発明に示すように被塗物の温度を25℃未満に下げた場合には、メタリックベースコート内の光輝性顔料の揺動を抑制することができ、その配向の乱れが最小限にとどまることから、得られる塗膜のフリップフロップ値を高くすることができると考えられる。
本発明においては、複層塗膜形成方法における被塗物の温度を25℃未満にしてベースコートを塗装することで、被塗物の温度を25℃以上で塗装した場合と比較して、十分に高いフリップフロップ値が得られる。また、被塗物の温度は、20℃以下であることが好ましく、15℃以下であることがさらに好ましい。本発明においては、被塗物の温度が低温になるほどフリップフロップ値が高くなることから、より低温であることが好ましいが、水性メタリックベースコートに含まれる水分の凍結による外観不良を発生させないために、5℃を下回らないことが好ましい。
また、本発明においては、水性メタリックベースコート塗膜を形成し、プレヒート後に、溶剤系クリアコートを塗装し、さらに乾燥して複層塗膜を形成するウェット・オン・ウェット方式による複層塗膜形成方法であることが好ましい。
本発明の複層塗膜形成方法に用いることのできる水性メタリックベースコートは、特に限定されるものではないが、工業的入手の容易さから、水性アクリルポリオールを主成分とした樹脂に光輝性顔料としてアルミフレークを分散したものが好ましい。
また、本発明の複層塗膜形成方法に用いることのできる溶剤系クリアコートは、アクリル/メラミン系塗料、酸/エポキシ系塗料、ポリウレタン系塗料等が挙げられるが、その中でもポリイソシアネートとポリオールとを含む二液型ポリウレタン系塗料であることが好ましい。二液型ポリウレタン系塗料を用いることで耐チッピング性、耐擦り傷性が高く、仕上がり外観が高い複層塗膜を得ることができる。
二液型ポリウレタン系塗料で用いることができるポリイソシアネートとしては、例えば脂肪族ポリイソシアネート、及び脂肪族ポリイソシアネートのイソシアネート基末端プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一種のイソシアネート化合物とアルコールとの反応生成物であるウレタン基やアロファネート基を有するポリイソシアネート組成物や、脂肪族ポリイソシアネート、及び脂肪族ポリイソシアネートのイソシアネート基末端プレポリマーからなる群より選ばれる少なくとも一種のイソシアネート化合物同士を環化重合させたイソシアヌレート基を有するポリイソシアネート組成物等を挙げることができる。
さらにこのポリイソシアネート組成物は、ポットライフの延長や塗料組成物の一液化を目的として、公知のブロック剤を用いてブロックイソシアネートとすることも可能である。これにより、ブロック化されたポリイソシアネートは、常温時は不活性であるが、加熱することでブロック剤が解離し、再びイソシアネート基が活性化することで、活性水素基と反応する潜在的な機能を付加することができる。
ブロック剤としては、活性水素基を分子内に1個有する化合物であり、例えば、アルコール系、アルキルフェノール系、フェノール系、活性メチレン、メルカプタン系、酸アミド系、酸イミド系、イミダゾール系、尿素系、オキシム系、アミン系、イミド系、ピラゾール系化合物等を挙げることができる。
二液型ポリウレタン系塗料で用いることができるポリオールとしては、特に限定されるものではないが、イソシアネート基との反応基として活性水素基を含有する化合物であり、例えばポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオール、2種類以上のポリオールのエステル交換物、及びポリイソシアネートとウレタン化反応した水酸基末端プレポリマー等が好適に用いられ、これらは1種類又は2種類以上の混合物として使用することもできる。
<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールの具体例としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、ε−カプロラクトン、アルキル置換ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、アルキル置換δ−バレロラクトン等の環状エステル(いわゆるラクトン)モノマーの開環重合から得られるラクトン系ポリエステルポリオール等を挙げることができる。更に、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル−アミドポリオールを使用することもできる。
<ポリエーテルポリオール>
ポリエーテルポリオールの具体例としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
<ポリカーボネートポリオール>
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの1種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるもの等を挙げることができる。
また、ポリカーボネートポリオールとポリエステルポリオールと低分子ポリオールのエステル交換反応により得られたポリオールも好適に用いることができる。
<ポリオレフィンポリオール>
ポリオレフィンポリオールの具体例としては、水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
<アクリルポリオール>
アクリルポリオールとしては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル(以下(メタ)アクリル酸エステルという)と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物(以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という)と、重合開始剤とを熱エネルギーや紫外線または電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。
<(メタ)アクリル酸エステル>
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば炭素数1〜20のアルキルエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル、シクロヘキシル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリールエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは単独または2種類以上組み合わせたものを挙げることができる。
<(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物>
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物の具体例としては、ポリイソシアネートとの反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート等のアクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート等のメタクリル酸ヒドロキシ化合物が挙げられる。これら(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独または2種以上を組み合わせたものを挙げることができる。
<シリコーンポリオール>
シリコーンポリオールの具体例としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを重合したビニル基含有シリコーン化合物、及び分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサンを挙げることができる。
<ヒマシ油系ポリオール>
ヒマシ油系ポリオールの具体例としては、ヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状または分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油等も使用することができる。
<フッ素系ポリオール>
フッ素系ポリオールの具体例としては、含フッ素モノマーとヒドロキシ基を有するモノマーとを必須成分として共重合反応により得られる線状または分岐状のポリオールを挙げることができる。ここで、含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレン等が挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
また、これらのポリオールは、1分子中の活性水素基数(平均官能基数)が1.9〜30.0であることが好ましい。活性水素基数が下限値未満の場合には、塗膜物性が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合には、密着性が低下する恐れがある。
また、これらのポリオールの数平均分子量は、750〜50000の範囲にあることが好ましい。下限値未満の場合には、下限未満の場合には密着性低下の恐れがあり、上限値を超えると低極性有機溶剤に対する溶解性の低下や密着性低下を招く恐れがある。
また、本発明の二液型ポリウレタン系塗料のポリイソシアネート組成物と、ポリオールの配合割合は、特に限定するものではないが、イソシアネート組成物中のイソシアネート基とポリオール中の水酸基のモル比が、R=イソシアネート基/水酸基で0.5〜2.5となるように配合することが好ましい。下限値未満の場合には水酸基が過剰になり、密着性の低下を招く恐れがある。また、架橋密度が低下し耐久性の低下や塗膜の機械的強度が低下する恐れがある。上限値を超える場合にはイソシアネート基が過剰になり、空気中の水分と反応し、塗膜の膨れやこれに伴う密着性の低下を生じる恐れがある。
また、本発明に用いることができる光輝性顔料としては、例えば、パール顔料、アルミニウム粉、ステンレス鋼粉等の金属粉、アルミニウムフレーク等の金属フレーク、ガラスビーズ、ガラスフレーク、雲母、鱗片状酸化鉄等が挙げられる。
また、希釈溶剤として使用する有機溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸セロソルブ等のエステル類、ブタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、トルエン、キシレン、シクロヘキサン、ミネラルスピリット、ナフサ等の炭化水素類等からなる群から、目的及び用途に応じて適宜選択して使用することができる。これらの溶剤は単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、本発明の二液型ポリウレタン系塗料は、ポットライフ、硬化条件、及び作業条件等を考慮し、適宜に公知のウレタン化触媒を用いることができる。具体的には、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩を選択して用いる。これらの触媒は、単独で使用、または2種以上併用しても良い。
また、二液型ポリウレタン系塗料の硬化条件としては、触媒等により変化するため、特に限定するものではないが、硬化温度が−5〜120℃、湿度が10〜95%RH、養生時間が0.5〜168時間であることが好ましい。
本発明の二液型ポリウレタン系塗料には、必要に応じて、例えば、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール等の酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、分散剤、触媒、貯蔵安定剤、界面活性剤、レベリング剤等の添加剤を適宜配合することができる。
また、本発明の塗膜形成方法では、スプレー、刷毛、浸漬、コーターなどの公知の方法により、塗膜を形成することができる。
ここで被塗物は特に限定されるものではなく、ステンレス、リン酸処理鋼、亜鉛鋼、鉄、銅、アルミニウム、真鍮、ガラス、スレート、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂、6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、MXD6ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、NBR樹脂、クロロプレン樹脂、SBR樹脂、SEBS樹脂などの素材で成形された被塗物、コロナ放電処理やその他表面処理を施されたポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂、または前記被着体表面に中間形成となりうる塗膜層が形成された被塗物を用いることができる。
<複層塗膜形成方法>
本発明における複層塗膜形成方法は、例えば以下の第一工程〜第三工程による方法を挙げることができる。
・第一工程:被塗物の温度を25℃未満に調整する。
・第二工程:水性メタリックベースコートを第一工程の被塗物に塗布し、メタリックベース層を形成する。
・第三工程:第二工程で得られたメタリックベース層に、クリアトップコートを塗布し、複層塗膜を得る。
第一工程は、被塗物の温度を、ベースコートを塗布する前に調整する工程である。被塗物の温度調整方法は、被塗物を目的の温度に調節することができれば特に限定されるものではなく、恒温槽への投入等の方法を挙げることができる。また、本発明における被塗物の温度は、その塗装面の温度であり、非接触式温度測定機等により測定することができる。
第二工程は、第一工程で準備した被塗物に水性メタリックベースコートを塗布し、メタリックベース層を形成する工程である。具体的には、水性メタリックベースコート塗布後、5〜30分静置、40〜80℃で20〜60分予備加熱しメタリックベース層を形成することが好ましい。水性メタリックベースコートの乾燥時の膜厚は、10〜50μmであることが好ましい。
第三工程は、第二工程で得られたメタリックベース層にクリアトップコートを塗布し、複層塗膜を得る工程である。室温に戻したメタリックベース層にクリアトップコートを塗布し、5〜20分静置、その後70〜120℃で20〜60分乾燥することが好ましく、これにより複層塗膜を得ることができる。
以上の工程においては、前記した実施の形態を満たせば特に限定するものではなく、適宜変更し、適用することができる。
以上のような、本発明の塗膜形成方法は自動車塗料用途へ好適に用いることができる。
本発明の塗膜形成方法で得られた塗膜は、下記式1で求められるフリップフロップ値が被塗物の温度を25℃以上にした場合よりも高くなるため、意匠性に優れる。
フリップフロップ値=
2.69×(L15°−L110°)1.11/(L45°)0.86 (式1)
(上記式1におけるLは、多角度測色機による15°、45°、110°の各角度におけるLの測定値)
以下に示す、合成例、実施例および比較例に基づいて本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<フリップフロップ性評価用水性メタリックベースコート組成物の調製>
配合量は表1に示すように、水性アクリルポリオール(商品名:バーノックWE−303)と、アルミフレーク(商品名:STAPA IL Hydrolan 2154、BYK社製)、沈降防止剤(商品名:BYK−425、BYK社製)、消泡剤(商品名:BYK−012、BYK社製)、湿潤分散剤(商品名:DISPERBYK−192、BYK社製)、及びメタノールを配合し、水性メタリックベースコート組成物を調製した。
Figure 2018126711
<フリップフロップ性評価用クリアトップコート組成物の調製>
配合量は表2に示すように、アクリルポリオール(商品名:アクリディックA−801、水酸基価:50mgKOH/g、固形分:50%、DIC社製)と、HDIイソシアヌレート系ポリイソシアネート(商品名:コロネートHXR、NCO含量21.8質量%、粘度(25℃)2600mPa・s、遊離のHDI含量0.2質量%、東ソー社製)を、R(イソシアネート基/水酸基のモル比)=1.2になるように配合し、酢酸ブチルを固形分が30質量%になるように配合し、クリアトップコート組成物を調製した。
Figure 2018126711
<フリップフロップ性評価用複層塗膜の作製方法>
鋼板(JIS G3141、商品名:SPCC−SB、PF−1077処理、パルテック社製)をメチルエチルケトンで脱脂し、被塗物の温度を各温度に調整した後、その鋼板に表1で調製した水性メタリックベースコート組成物をスプレーで塗布し、その後、25℃で10分間静置した後、温度60℃の乾燥機中で30分間強制乾燥を行い、乾燥膜厚30μmのメタリックベース層を形成させた。続いて25℃で10分間静置した後に、表2で調製した二液型ポリウレタン塗料を、アプリケーターを用いて塗布し、25℃で10分間静置した後に、温度90℃の乾燥器で30分間強制乾燥を行い、さらに80℃の乾燥器で10時間強制乾燥させ、フリップフロップ性評価用複層塗膜を得た。
<フリップフロップ評価方法>
作製した2層塗膜のフリップフロップ性評価は、多角度測色機BYK−mac(BYK製)を用いて15°、45°、110°の各角度におけるLを測定し、下式にて計算した値をフリップフロップ値とした。
・フリップフロップ計算式
2.69×(L15°−L110°)1.11/(L45°)0.86
(上記式におけるLは、多角度測色機による15°、45°、110°の各角度におけるLの測定値)
測定結果を表3に示す。
<評価基準>
ベースコート塗装時の被塗物の温度を25℃にして塗膜を形成した場合のフリップフロップ値を100とした場合の各温度におけるフリップフロップ値を算出した。
フリップフロップ値が100を超える場合をフリップフロップ性が良好とし、100未満の場合を不良とした。
Figure 2018126711

Claims (6)

  1. 光輝性顔料を含有するメタリックベースコート塗膜、及びクリアコート塗膜を含む複層塗膜を形成する複層塗膜形成方法であって、温度が25℃未満の被塗物に、光輝性顔料を含有する水性メタリックベースコートを塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
  2. 請求項1に記載の複層塗膜形成方法において、光輝性顔料を含有するメタリックベースコート塗膜を形成し、プレヒート後に、クリアコートを塗装し、さらに乾燥して複層塗膜を形成することを特徴とする複層塗膜形成方法。
  3. 温度が20℃以下の被塗物に塗装することを特徴とする請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
  4. 温度が15℃以下の被塗物に塗装することを特徴とする請求項1又は2に記載の複層塗膜形成方法。
  5. 請求項1乃至4のいずれかに記載の方法で水性メタリックベースコートを塗装した後、該ベースコート上に溶剤系クリアコートを塗装することを特徴とする複層塗膜形成方法。
  6. 溶剤系クリアコートが、ポリイソシアネートとポリオールとを含む二液型ポリウレタン系塗料である、請求項5に記載の複層塗膜形成方法。
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