JP4259278B2 - 熱硬化性塗料組成物 - Google Patents

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本発明は耐酸性、耐擦り傷性および耐久性に優れた塗膜を形成することができ、しかも形成された塗膜とその塗膜の上に塗り重ねられた塗膜との密着性(以下、リコート密着性という)に優れ、自動車用上塗塗料として好適に利用することができる熱硬化性塗料組成物に関する。
近年、自動車塗膜では酸性雨による雨じみや、洗車機等による擦り傷の発生が問題視されており、耐酸性、耐擦り傷性および耐久性に優れた塗料の開発が急務となっている。このような問題を解決するため、塗膜形成樹脂と硬化剤との架橋形式を複合化することにより塗膜の耐酸性を向上させた塗料組成物が提案されている。たとえば、硬化剤としてアゾール系ブロック剤でブロックしたブロックイソシアネートとアミノ樹脂を併用した熱硬化性組成物が提案されている(特許文献1)。しかし、この熱硬化性塗料組成物から得られる塗膜はアミノ樹脂の一種であるメラミン樹脂単独で硬化した塗膜よりは耐酸性に優れているが、メラミン樹脂を含んでいるため十分な耐酸性、耐擦り傷性を得ることができなかった。
また、メラミン樹脂を含まない架橋形式として、硬化剤がブロックイソシアネートと1,3,5-トリアジン-2,4,6-トリス−カルバミン酸エステルの併用タイプである熱硬化性塗料組成物が提案されている(特許文献2)。しかし、この熱硬化性塗料組成物から得られる塗膜は、耐酸性は良好であるが、トリアジン環を含有しているため耐擦り傷性が不十分であった。
また、1,2,4-トリアゾールと3,5-ジメチルピラゾール、及びその他のブロック剤でブロックしたブロックトポリイソシアネートを硬化剤とした一成分系ポリウレタン焼付組成物が提案されている(特許文献3)。しかし、この一成分系ポリウレタン焼付組成物から得られる塗膜は良好な焼付黄変性を示すが、1,2,4−トリアゾールの脱ブロック反応が3,5−ジメチルピラゾールより遅いため低温硬化性に問題があり、また、リコート密着性も不十分であった。
また、マロン酸ジエチルとその他のブロック剤でブロックしたブロックイソシアネートと加水分解性シリル基含有多価ヒドロキシ化合物、モノアルコールおよび/またはジオールを含む一液性熱硬化組成物が提案されている(特許文献4。)この一液性熱硬化組成物は低温硬化性、密着性、リコート性にすぐれているが、加水分解性シリル基間含有多価ヒドロキシ化合物を有しているため、貯蔵安定性が不十分であった。
また、酸価が4以下の水酸基含有アクリル系共重合体、脂肪族及び/または脂環式ブロックポリイソシアネート、有機スズ化合物及び/または有機亜鉛化合物からなる上塗り塗料から得られる塗膜が提案されている(特許文献5)。この上塗り塗料は仕上がり外観、耐候性、耐酸性に優れているが、酸価が4以下であるためリコート密着性が不十分であった。
また、ヒドロキシル基及びカルボキシル基を有する重合体及び活性メチレン系ブロック剤でブロックされたブロックイソシアネートを含有してなる塗料用樹脂組成物が提案されている(特許文献6)。しかし、この塗料用樹脂組成物は外観性、低温硬化性、耐候性、耐水性、耐溶剤性、再塗装性に優れた塗膜を形成できるが、活性メチレン系ブロック剤のみでブロックされているため貯蔵安定性に劣るという問題があった。
特開平9−169950号公報 特開2002−80781号公報 特開平7−304843号公報 特開平10−251373号公報 特開平9−125000号公報 特開2000−327993号公報
本発明は耐酸性、耐擦り傷性および耐久性に優れた塗膜を形成することができ、しかもリコート密着性、貯蔵安定性に優れ、自動車用上塗塗料として好適に利用することができる熱硬化性塗料組成物を提供することを目的としてなされたものである。
本発明者らは上記従来の問題点を解決すべく種々の検討を重ねた結果、樹脂として水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体を用い、硬化剤として特定の脂肪族系ポリイソシアネート化合物と特定の芳香族系および/または脂環族系ポリイソシアネート化合物の混合物を複素環式化合物と活性メチレン化合物でブロックしたブロックイソシアネートを用いた塗料組成物が、耐酸性、耐擦り傷性および耐久性に優れた塗膜を形成することができ、しかもリコート密着性に優れ、自動車用上塗塗料として好適に利用することができる熱硬化性塗料組成物を提供することを見出し、これらの知見に基づいて本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(A)水酸基価が20〜200mgKOH/gで、酸価が5〜50mgKOH/gである水酸基とカルボキシル基を有するビニル共重合体、及び(B)ブロックイソシアネート化合物を必須成分として含有する熱硬化性塗料組成物であって、(B)成分のブロックイソシアネート化合物のイソシアネート化合物が、(b1)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット体、及び2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエートから選ばれる1種以上の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する脂肪族系ポリイソシアネート化合物、および、(b2)1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する芳香族系および/または脂環族系ポリイソシアネート化合物からなり、さらに前記イソシアネート化合物をブロックするブロック剤が、(b3)複素環式化合物および(b4)活性メチレン化合物であって、ポリイソシアネート化合物(b1)と(b2)との固形分の質量比が20/80〜80/20であり、ブロック剤(b3)と(b4)とのモル比が、50/50〜90/10であり、(A)成分の水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体の水酸基と(B)成分のブロックイソシアネート化合物のブロックされたイソシアネート基のモル比が、1/2〜2/1であることを特徴とする熱硬化性塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記熱硬化性塗料組成物において、(A)の水酸基価が20〜200mgKOH/gで、酸価が5〜50mgKOH/gである水酸基とカルボキシル基を有するビニル共重合体が、式(1)
Figure 0004259278
(式中、Xは水素原子またはメチル基である。Rは炭素数3〜8のアルキレン基又はシクロアルキレン基である。)で表される構造単位を含む共重合体である熱硬化性塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記熱硬化性塗料組成物において、(A)の水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体が、ラクトン変性ビニル共重合体であり、ラクトン変性によるグラフト鎖の数平均分子量が100〜600であり、1級の水酸基がラクトン変性によるグラフト鎖の末端に存在する熱硬化性塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記熱硬化性塗料組成物において、(b2)が、1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する芳香族系および/または脂環族系イソシアネートのイソシアヌレート体、ビューレット体及びアダクト体から選ばれる1種以上のポリイソシアネート化合物である熱硬化性塗料組成物を提供する。
また、本発明は、上記熱硬化性塗料組成物において、(b3)が、3,5−ジメチルピラゾール及び1,2,4−トリアゾールから選ばれる1種以上の複素環化合物、(b4)が、マロン酸ジエチル及びアセト酢酸エチルから選ばれる1種以上の活性メチレン化合物である熱硬化性塗料組成物を提供する。
本発明の熱硬化性塗料組成物は、耐酸性、耐擦り傷性および耐久性に優れた塗膜を形成することができ、しかもリコート密着性、貯蔵安定性に優れている。
本発明に用いられる酸価が5〜50mgKOH/gで、水酸基価が20〜200mgKOH/gである水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体は、水酸基含有ビニル系単量体とカルボキシル基含有ビニル系単量体、及び必要に応じてその他のビニル系単量体とを共重合することにより得ることができる。
水酸基含有ビニル系単量体の具体的なものとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、および、一般式(1)で表される水酸基含有ビニル系単量体が挙げられる。
Figure 0004259278
(式中、Xは、それぞれ水素原子またはメチル基である。Rは炭素数3〜8のアルキレン基又はシクロアルキレン基である。)
一般式(1)で表される水酸基含有ビニル系単量体の具体的なものとしては、(メタ)アクリル酸に、1,4−ブタンジオール、1,4−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロピオンジオール等のジオールを付加した単量体が挙げられる。これらの水酸基含有ビニル系単量体は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。

また、水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体がラクトン変性ビニル共重合体である場合、そのラクトン変性ビニル共重合体を製造するために用いられる水酸基含有ビニル系単量体としては、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等の水酸基含有ビニル系単量体にラクトン類が開環付加したラクトン変性ビニル系単量体が挙げられる。
上記ラクトン類として、例えば、ε−カプロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−ブチロラクトン、β−プロピオンラクトンなどのラクトン類が挙げられる。
開環付加するラクトン量は前記水酸基含有ビニル系単量体1モルに対して1〜5モルを付加させることにより製造することができる。ラクトン変性によるグラフト鎖の数平均分子量は100〜600が好適である。ラクトン変性によるグラフト鎖の数平均分子量が100以下では硬化塗膜の耐擦り傷性が低下し、ラクトン変性によるグラフト鎖の数平均分子量が600以上では塗膜の耐溶剤性が低下する。ラクトン類は前記ビニル系単量体を変性してから、共重合しても、ビニル系単量体を共重合してから変性しても良い。ラクトン変性によるグラフト鎖の末端は、第1炭素原子に結合した水酸基である1級の水酸基であることが好ましい。
水酸基含有ビニル系単量体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
カルボキシル基含有ビニル系単量体の具体的なものとしてはアクリル酸、メタクリル酸などが挙げられる。カルボキシル基含有ビニル系単量体は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
その他のビニル系単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル−(メタ)アクリレート、i−プロピル−(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ペンチル(メタ)アクリレート、i−ペンチル(メタ)アクリレート、2−メチル−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−メチル−ペンチル(メタ)アクリレート、n−ヘプチル(メタ)アクリレート、2−メチル−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート等のアクリル酸またはメタクリル酸の炭素数1〜24のアルキルエステルまたはシクロアルキルエステルなどが挙げられる。その他スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、ビニルトルエンなどのアルキルスチレンなどのスチレン類、アクリルニトリル、アクリルアミド、酢酸ビニル、グリシジル(メタ)アクリレート、α,β−不飽和カルボン酸とカージュラE10(商品名、シェル石油化学)や、α-オレフィンエポキシドのようなモノエポキシ化合物との付加物等を挙げることができる。
その他のビニル系単量体は1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
水酸基含有ビニル系単量体と、カルボキシル基含有ビニル系単量体と、その他のビニル系単量体の重合方法としては公知の方法を採用することができ、例えば、溶液重合、非水ディスパージョン重合、塊状重合、などの重合法を採用することができ、特に溶液重合が好ましい。
(A)成分のビニル共重合体の樹脂酸価は5〜50mgKOH/gであり、好ましくは、5〜30mgKOH/g、さらに好ましくは5〜20mgKOH/gである。樹脂酸価が5mgKOH/g以下ではリコート密着性が不十分であり、樹脂酸価が50mgKOH/g以上では塗料の安定性が低下する。
(A)成分のビニル共重合体の水酸基価は20〜200mgKOH/g、好ましくは、40〜160mgKOH/gである。水酸基価が20mgKOH/g未満の場合、硬化塗膜の耐溶剤性が低下し、200mgKOH/gを越える場合、硬化塗膜の耐候性が低下するので好ましくない。
ラクトン変性によるグラフト鎖の末端にある1級の水酸基による水酸基価は、20〜200mgKOH/gが好ましく、特に40〜160mgKOH/gが好ましい。
本発明において(A)成分のビニル共重合体を製造するために用いられる各種単量体の使用割合は、通常、水酸基含有ビニル系単量体の使用割合が5〜70質量%、好ましくは10〜65質量%と、カルボキシル基含有ビニル系単量体の使用割合が0.5〜7.0質量%、好ましくは0.6〜3.0質量%と、その他のビニル系単量体の使用割合が94.5〜23質量%、好ましくは89.4〜32質量%である。
なお、その他のビニル系単量体としては、炭素数1〜20、好ましくは1〜10、特に好ましくは1〜7のアルキルアルコールのメタクリル酸又はアクリル酸のエステルを全単量体の合計量の10〜90質量%、スチレン類を全体量体の合計量の5〜20質量%、及びその他の単量体を全体量体の合計量の0〜10質量%の組み合わせが好ましい。
(A)成分のビニル共重合体の重量平均分子量は3000〜30000であり、好ましくは4000〜20000である。
(B)のブロックイソシアネート化合物である(b1)1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する脂肪族系ポリイソシアネート化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット体2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエートなどが好ましく、これらから選ばれる1種以上のイソシアネート化合物を使用することができる。
(B)のブロックイソシアネート化合物である(b2)1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する芳香族系ポリイソシアネート化合物としては、テトラメチルキシレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、テトラメチルキシレンジイソシアネートのビューレット体、テトラメチルキシレンジイソシアネートのアダクト体などが好ましい。脂環族系ポリイソシアネート化合物としては、イソホロンジイソシアネートのイソシアヌレート体、イソホロンジイソシアネートのビューレット体、イソホロンジイソシアネートのアダクト体、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンのイソシアヌレート体、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンのビューレット体、1,3−ビス(イソシアナートメチル)シクロヘキサンのアダクト体、1,4−ビス−(イソシアナートメチル)-シクロヘキサンのイソシアヌレート体、1,4−ビス−(イソシアナートメチル)-シクロヘキサンのビューレット体、1,4−ビス−(イソシアナートメチル)-シクロヘキサンのアダクト体、ビス(4−イソシアナートシクロヘキシル)メタンのイソシアヌレート体、ビス(4−イソシアナートシクロヘキシル)メタンのビューレット体、ビス(4−イソシアナートシクロヘキシル)メタンのアダクト体などが好ましく、これらから選ばれる1種以上のポリイソシアネート化合物を使用することができる。
(B)のブロックイソシアネート化合物のブロック剤である(b3)の複素環式化合物としては、ピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール、3−メチルピラゾール、4−ベンジル−3,5−ジメチルピラゾール、4−ブロモ−3,5−ジメチルピラゾール、3−メチル−5−フェニルピラゾール等のピラゾールまたはピラゾール誘導体、イミダゾール、ベンズイミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール等のイミダゾールまたはイミダゾール誘導体、1,2,4−トリアゾールなどが好ましい。(b3)の複素環式化合物は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
(B)のブロックイソシアネート化合物のブロック剤である(b4)の活性メチレン化合物としては、マロン酸ジメチル、マロン酸ジエチル、マロン酸ジプロピル、マロン酸ジイソプロピル、マロン酸ジブチル、マロン酸メチルエチルエステル、マロン酸メチルプロピルエステル、マロン酸メチルブチルエステル、マロン酸エチルプロピルエステル、マロン酸エチルブチルエステルなどのマロン酸エステル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸プロピル、アセト酢酸イソプロピル、アセト酢酸ブチルなどのアセト酢酸エステルが好ましい。(b4)の活性メチレン化合物は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
上記のブロックイソシアネート化合物(b1)および(b2)に対して、ブロック剤(b3)および(b4)によってブロックがなされる場合には、イソシアネート基とブロック剤の当量比が0.95:1.0〜1.1:1.0になるように行い、ポリイソシアネートのイソシアネート基の少なくとも95%、好ましくは全イソシアネート基がブロックされる。
通常ブロック化反応は、50〜100℃の温度で行なわれる。ブロック化反応には触媒を使用することができる。触媒としては、例えば、ナトリウムメチラート、ナトリウムエチラート、ナトリウムフェノラート、カリウムメチラート等の金属アルコラート、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム等のテトラアルキルアンモニウムのハイドロオキサイドや、その酢酸塩、オクチル酸塩、ミリスチン酸塩、安息香酸塩等の有機弱酸塩、酢酸、カプロン酸、オクチル酸、ミリスチン酸等のアルキルカルボン酸のアルカリ金属塩、及び、上記アルキルカルボン酸のスズ、亜鉛、鉛等の金属塩、ヘキサメチレンジシラン等のアミノアシル基含有化合物、リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属の水酸化物等が挙げられる。触媒は、1種単独で使用することもできるし、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
ブロックイソシアネート化合物(b1)と(b2)の質量比は20/80〜80/20が好ましく、より好ましくは30/70〜80/20、さらに好ましくは40/60〜80/20である。(b1)の(b2)に対する質量比が20/80より小さい場合には、塗膜の硬度が不十分であり、80/20より大きい場合には、塗膜の耐擦り傷性が不十分である。
ブロックイソシアネート化合物のブロック剤である(b3)と(b4)のモル比は50/50〜90/10が好ましく、より好ましくは60/40〜90/10、さらに好ましくは60/40〜80/20である。(b3)の(b4)に対するモル比が50/50より小さい場合には、硬化性、塗膜の耐ガソリン性が不十分であり、90/10より大きい場合には、リコート密着性は不十分である。
(A)成分の水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体の水酸基と(B)成分のブロックイソシアネート化合物のブロックされたイソシアネート基のモル比は、1/2〜2/1であるが、好ましくは1.2/2〜1.9/1である。
本発明の熱硬化性塗料組成物には、上記成分以外に、ブロックされたイソシアネート基の脱ブロック化触媒およびイソシアネート基の架橋反応触媒を配合することができる。例えば、ジブチルスズジラウレート、オクチル酸スズ、テトラ−n−ブチル−1,3−ジアセチルオキシジスタノキサン、ジブチルスズ脂肪酸塩類、ジブチルスズビスマレイン酸モノアルキルエステル塩類、ジブチルスズジアセテート、ジブチルスズ脂肪酸塩オキサイド類、モノブチルスズ脂肪酸塩類、ビスマス−トリス(2−エチルヘキノール)、オクチル酸ビスマス、オクチル酸ジルコンなどが挙げられる。ブロックされたイソシアネート基の脱ブロック化触媒およびイソシアネート基の架橋反応触媒は、それぞれ1種又は2種以上を使用することができる。
また、本発明の熱硬化性塗料組成物には、上記成分以外に、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、トリアジン系紫外線吸収剤、シュウ酸アニリド系紫外線吸収剤等の紫外線吸収剤、ヒンダードアミン系光安定剤等の光安定剤、フェノール系酸化防止剤、ホスファイト系酸化防止剤、チオエーテル系酸化防止剤、亜リン酸エステル等の酸化防止剤、有機樹脂微粒子、脂肪酸アマイド系ワックス、ポリアマイド系ワックス、ポリエチレン系ワックス、酸化ポリエチレン系ワックス、シリカ、有機ベントナイト、尿素化合物系粘性調整剤等の粘性調整剤、シリコーン系表面調整剤、ビニル化合物系表面調整剤等の表面調整剤、シリコーン系消泡剤、ビニル化合物系消泡剤等の消泡剤、酸性リン酸エステル系硬化触媒やスルホン酸系等の硬化触媒、アセチルアセトン、ベンゾトリアゾール類等の金属キレート化剤、HN−130、HN−150、HN−300P(日本ヒドラジン工業(株)製、商品名)等のポリウレタン樹脂安定化剤、等の添加剤を適宜配合することができる。
また、着色顔料として、酸化チタン、亜鉛華、黄色酸化鉄、赤色酸化鉄、カーボンブラック等の無機系着色顔料、フタロシアニンブルー、スレンブルー、フタロシアニングリーン、不溶性アゾ、溶性アゾ、ペリレン、キナクリドンレッド、チオインジゴレッド、ジオキサジンバイオレット、アンスラピリミジンイエロー、キノフタロンイエロー、ベンジジンイエロー等の有機系着色顔料、光輝材としてアルミニウム粉、ニッケル粉、パールマイカ粉、着色アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆アルミニウムフレーク顔料、蒸着アルミニウムフレーク顔料、金属酸化物被覆マイカ顔料、金属酸化物被覆合成マイカ顔料、金属酸化物被覆アルミナフレーク顔料、金属酸化物被覆シリカフレーク顔料、金属酸化物被覆板状酸化鉄、ステンレスフレーク、金属チタンフレーク顔料、板状硫化モリブデン、板状塩化ビスマス、板状酸化鉄、およびコレステリツク液晶ポリマー等を配合することができる。また、体質顔料として、炭酸カルシウム、タルク、沈降性硫酸バリウム等を配合することができる。これらの顔料は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
さらに、本発明の熱硬化性塗料組成物には、有機溶剤を配合することができる。有機溶剤の具体例としては、例えば、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、芳香族石油ナフサ、ソルベッソ#100(エクソン化学(株)登録商標)、ソルベッソ#150(エクソン化学(株)登録商標)等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン等の脂環式炭化水素、ジオキサン、テトラヒドロフラン等のエーテル類、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、第2ブタノール、2−エチルヘキサノール、メチルイソブチルカルビノール等のアルコール類、ブチルセロソルブ、3−メトキシブタノール、3−メチル−3−メトキシブタノール、メチルカルビトール、カルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテルアルコール類、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸n−ブチル、酢酸イソブチル、酢酸プロピレングリコールモノメチルエーテル、酢酸メトキシブチル、プロピオン酸n−ブチル、プロピオン酸n−ペンチル等のエステルおよびエーテルエステル類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、メチルn−アミルケトン、シクロヘキサノン、イソホロン、メチルイソアミルケトン、エチルn−ブチルケトン、エチルn−ブチルケトン、エチルn−アミルケトン、ジイソブチルケトン、ジエチルケトン、メチルプロピルケトン、ジイソプロピルケトン等のケトン類、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド等が挙げられる。有機溶剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせてもよい。
また、本発明の熱硬化性塗料組成物には水に分散して、水分散体として用いることもできる。
本発明の熱硬化性樹脂組成は(A)成分、(B)成分、および必要により配合する他の成分を前記配合量となるような配合割合で配合し、通常の塗料の混合手段を用いて常法により混合することにより製造することができる。
本発明の熱硬化性塗料組成物は、金属素材、樹脂素材等の被塗物に塗布する上塗り塗料として用いることができる。本発明の熱硬化性塗料組成物は、被塗物上に上塗り塗料としてそのまま塗布されるか、あるいは、下塗り、中塗り塗膜上に塗布される。塗布仕様としては、単独での1コート塗装、ベースコートとの組み合わせでの2コート塗装、3コート塗装、あるいは、通常の上塗り塗膜上のオーバーコート塗装が可能である。組み合わせるベースコートに使用する塗料としては、アクリル樹脂系やポリエステル樹脂系(アルキッド樹脂系を含む)の溶剤系塗料、溶剤系ハイソリッド塗料、水系塗料等のいずれの形態の塗料でも用いることができる。本発明の熱硬化性塗料組成物は、クリヤー塗料として、また顔料あるいは光輝材を含むエナメル塗料として使用することができる。
なお、リコート用のベースコートに使用する塗料としては、上記のベースコートに使用する塗料と同様なものが挙げられる。
塗装膜厚は乾燥膜厚で10〜60μm程度とするのが好ましく、塗膜を硬化させるための焼付条件は温度が約100〜180℃、時間が10〜120分程度とするのが好ましい。
本発明の熱硬化性塗料組成物は、通常の塗装方法、例えば、エアースプレー、エアーレススプレー、静電塗装、浸漬塗装等により、前記乾燥膜厚となるように塗装し、前記焼付条件で硬化塗膜を形成することができる。
以下に、実施例及び比較例をあげて本発明をより詳細に説明する。なお、特に明記しない限り「部」および「%」は、それぞ「質量部」および「質量%」を意味する。
製造例1〜9(水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体A−1〜9)
温度計、攪拌機、還流冷却機、滴下ロートを取り付けた4つ口フラスコにそれぞれ表1及び表2に記載した量のキシレンを仕込み140℃に昇温した。続いて、表1及び表2に記載したビニル系単量体および重合開始剤混合物を滴下ロートより2時間かけて滴下した。滴下終了後、1時間還流温度を保ち内容物を100℃まで冷却した。100℃まで冷却後、表1及び表2記載の重合開始剤を30分間で滴下した。その後100℃の温度で3時間保ったところで重合反応を終了し、それぞれ表1及び表2に記載の特性を有する水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体A−1〜9
の溶液を得た。
Figure 0004259278
Figure 0004259278
*1 プラクセルFM−4:ダイセル化学工業(株)製、ヒドロキシエチルメタクリレート1モルにε−カプロラクトンが4モル付加したモノマー。
*2 t−ブチルペルオキシベンゾエート:日本油脂(株)製、商品名「パーブチルZ」
製造例10〜20(ブロックイソシアネートB−1〜5、C−1〜6)
温度計、還流冷却器、攪拌機を取り付けた反応器に、表3及び表4に記載したキシレン、イソシアネート、ブロック剤を仕込み、攪拌状態で表3及び表4に記載した触媒を加え、100℃に昇温した。100℃で3時間保ち、IRでイソシアネート基が消失しているのを確認した後、トルエンをソルベッソ#100と置換しながら脱溶剤し、表3及び表4に記載の特性を有するブロックイソシアネートB−1〜5、C1〜6を得た。

Figure 0004259278
Figure 0004259278
*3 デスモジュールN3200:住友バイエルウレタン(株)製、固形分=100%、NCO(%)=23.0
*4 デスモジュールZ4470SN:住友バイエルウレタン(株)製、固形分=70%、NCO(%)=11.8
*5 3,5−ジメチルピラゾール:和光純薬(株)製
*6 マロン酸ジエチル:和光純薬(株)製
*7 ナトリウムメチラート:和光純薬(株)製
(実施例1〜13 及び比較例1〜12)
a)クリヤー塗料の作成
表5〜表8に示す組成のクリヤー塗料を作成し、このクリヤー用塗料をソルベッソ#100/n−ブタノール=90/10(重量比)の組成のシンナーにて25秒(フォードカップ#4/20℃)に粘度調整した。この塗料を下記方法により塗装して塗膜を形成させ、塗膜性能を試験した。
Figure 0004259278
Figure 0004259278
Figure 0004259278
Figure 0004259278
*8 チヌビン384:ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チバガイギー社製
*9 チヌビン292:ヒンダードアミン系ラジカル捕捉剤、チバガイギー社製
*10 BYK306:レベリング剤、ビックケミー社製
*11 ソルベッソ100:芳香族炭化水素、エクソン化学(株)製
(b)塗膜の形成
リン酸亜鉛処理軟鋼板にカチオン電着塗料として、日本油脂BASFコーティングス(株)製「アクアNo.4200」を、乾燥膜厚20μmとなるように電着塗装し、175℃で25分間焼き付け、さらに中塗塗料として日本油脂BASFコーティングス(株)製「ハイエピコNo.560シーラー」を、乾燥膜厚40μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付け、中塗り塗装板を得た。この中塗り塗装板に、水系ベースコート塗料として、日本油脂BASFコーティングス(株)製「アクアBC−3 ブラック」を、乾燥膜厚15μmとなるようにエアースプレー塗装し、80℃で10分間フラッシュ後、a)で示した各クリヤー塗料を乾燥膜厚40μmとなるようにエアースプレー塗装し、140℃で30分間焼き付けた。得られた各試験板の塗膜性能評価試験を行った。その結果を表9〜表10に示す。
Figure 0004259278
Figure 0004259278
塗膜性能評価方法
(1)耐酸性:40%硫酸水溶液0.2mlを試験板にスポット状に乗せた後60℃で15分間加熱し、その後水洗いしてシミ跡の発生度合いを目視観察した。
○:塗膜にほとんど変化が見られない。
△:わずかに水シミ跡が見られる。
×:著しい水シミ跡が見られる。
(2)耐擦り傷性:試験板上に泥水(JIS Z−8901−84 8種ダスト/水/中性洗剤=10/99/1重量比で混合したもの)をハケで塗布後、自動車用洗車機にて洗車ブラシを150rpmで10秒間回転させ、試験板を流水にて洗浄する。以上の操作を2回繰り返した後、試験板表面の擦り傷の程度を色彩色差計(CR−331ミノルタカメラ(株)製)によりL値を測定した。次式によりΔL値を算出し、その値から耐擦り傷性を評価した。

ΔL 値=試験後のL 値−試験前のL
◎:ΔL 値が2未満。
○:ΔL 値が2以上3未満。
△:ΔL 値が3以上4未満。
×:ΔL 値 が4以上。
(3)耐湿性:試験板を温度50±1℃、相対湿度98%以上の密閉容器に120時間入れた後の膨れを目視観察した。
○:塗膜にほとんど変化が見られない。
△:塗膜に膨れ(直径0.2mm以上)が見られる。
×:塗膜に膨れ(直径0.2mm以上)が多数見られる。
(4)耐ガソリン性:試験板をレギュラーガソリン中に20℃で7時間浸漬後、塗面の状態を観察した。
○:異常なし
△:塗膜の膨潤がわずかに見られる。
×:塗膜の膨潤、変色ハガレが著しい。
(5)鉛筆硬度:JIS K5600(1999)5.4試験機法により塗膜硬度を測定し、塗膜の擦り傷による評価を行った。
○:HB以上
×:B以下
(6)リコート密着性:ベースコート用塗料とクリヤーコート用塗料とを前記塗装方法により塗装して得た試験板に、もう一度ベースコート用塗料とクリヤーコート用塗料とを同条件にて塗装焼付した後、JIS
K−5400(1990)8.5付着試験に従い、塗膜のハガレ状態を目視観察した。
○:異常なし
×:ハガレあり
(7)60°鏡面光沢:JIS K−5600(1999) 4.7 の60°鏡面光沢度による。
(8)促進耐候性:サンシャインカーボンアーク灯式(JIS K−5400(1990)9.8.1)で試験板を3000時間試験後の60度光沢をBYK MICRO−GLOSS(ビックケミー社製)を使用して測定し、光沢保持率で評価した。
◎:光沢保持率が95%を超える。
○:光沢保持率が90〜95%である。
×:光沢保持率が90%未満である。
(9)貯蔵安定性:得られた熱硬化組成物を250mlの容器に入れ40℃の雰囲気で7日間保存した後、熱硬化組成物の増粘秒数を測定し、下記の基準で評価した。
〇:3秒未満。
△:3〜8秒。
×:8秒を超える。
実施例1〜13は耐酸性、擦り傷性、耐候性、リコート密着性に優れた自動車用上塗塗料を示した。比較例1、2は水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体とブロックイソシアネートの比率が適切でないため、耐湿性、耐ガソリン性、耐候性が低下した。比較例3は活性メチレン化合物でブロックしたイソシアネート量が低かったためリコート密着性が低下した。比較例4は複素環化合物でブロックしたイソシアネート量が低かったため耐ガソリン性が低下した。比較例5は脂肪族系ポリイソシアネート化合物の量が高すぎたため鉛筆硬度が低下した。比較例6は芳香族系および/または脂環族系ポリイソシアネート化合物の量が高すぎたため耐擦り傷性が低下した。比較例7は複素環式化合物でブロックしたイソシアネート量が高すぎたためリコート密着性が低下した。比較例8は活性メチレンでブロックしたイソシアネート量が高すぎたため貯蔵安定性が低下した。比較例9は水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体の水酸基価が低すぎたため耐ガソリン性が低下した。比較例10は水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体の水酸基が高すぎたため、耐候性が低下した。比較例11は水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体の酸価が低すぎたためリコート密着性が低下した。比較例12は水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体の酸価が高すぎため貯蔵安定性が低下した。
本発明の熱硬化性塗料組成物は、自動車塗装分野などの種々の塗装分野に利用できる。

Claims (5)

  1. (A)水酸基価が20〜200mgKOH/gで、酸価が5〜50mgKOH/gである水酸基とカルボキシル基を有するビニル共重合体、及び(B)ブロックイソシアネート化合物を必須成分として含有する熱硬化性塗料組成物であって、
    (B)成分のブロックイソシアネート化合物のイソシアネート化合物が、(b1)ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート体、ヘキサメチレンジイソシアネートのビューレット体、及び2−イソシアナートエチル−2,6−ジイソシアナートカプロエートから選ばれる1種以上の1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する脂肪族系ポリイソシアネート化合物、および、(b2)1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する芳香族系および/または脂環族系ポリイソシアネート化合物からなり、さらに前記イソシアネート化合物をブロックするブロック剤が、(b3)複素環式化合物および(b4)活性メチレン化合物であって、ポリイソシアネート化合物(b1)と(b2)との固形分の質量比が20/80〜80/20であり、ブロック剤(b3)と(b4)とのモル比が、50/50〜90/10であり、(A)成分の水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体の水酸基と(B)成分のブロックイソシアネート化合物のブロックされたイソシアネート基のモル比が、1/2〜2/1であることを特徴とする熱硬化性塗料組成物。
  2. (A)の水酸基価が20〜200mgKOH/gで、酸価が5〜50mgKOH/gである水酸基とカルボキシル基を有するビニル共重合体が、式(1)
    Figure 0004259278
    (式中、Xは水素原子またはメチル基である。Rは炭素数3〜8のアルキレン基もしくはシクロアルキレン基である。)で表される構造単位を含む共重合体である請求項1に記載の熱硬化性塗料組成物。
  3. (A)の水酸基とカルボキシル基とを有するビニル共重合体が、ラクトン変性ビニル共重合体であり、ラクトン変性によるグラフト鎖の数平均分子量が100〜600であり、1級の水酸基がラクトン変性によるグラフト鎖の末端に存在する請求項1に記載の熱硬化性塗料組成物。
  4. (b2)が、1分子中に3個以上のイソシアネート基を有する芳香族系および/または脂環族系イソシアネートのイソシアヌレート体、ビューレット体及びアダクト体から選ばれる1種以上のポリイソシアネート化合物である請求項1に記載の熱硬化性塗料組成物。
  5. (b3)が、3,5−ジメチルピラゾール及び1,2,4−トリアゾールから選ばれる1種以上の複素環化合物、(b4)が、マロン酸ジエチル及びアセト酢酸エチルから選ばれる1種以上の活性メチレン化合物である、請求項1又は3に記載の熱硬化性塗料組成物。
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