JP2018062633A - ブロックイソシアネート組成物、一液型塗料組成物及び塗膜 - Google Patents
ブロックイソシアネート組成物、一液型塗料組成物及び塗膜 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2018062633A JP2018062633A JP2016203084A JP2016203084A JP2018062633A JP 2018062633 A JP2018062633 A JP 2018062633A JP 2016203084 A JP2016203084 A JP 2016203084A JP 2016203084 A JP2016203084 A JP 2016203084A JP 2018062633 A JP2018062633 A JP 2018062633A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- group
- compound
- blocked isocyanate
- acid
- composition
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
- 0 *[N+]([O-])[Mn][N+](*)[O-] Chemical compound *[N+]([O-])[Mn][N+](*)[O-] 0.000 description 1
Landscapes
- Polyurethanes Or Polyureas (AREA)
- Paints Or Removers (AREA)
Abstract
Description
ブロックポリイソシアネート組成物のブロック剤としては、従来、オキシム類、フェノール類、アルコール類、ラクタム類が知られている。
比較的低温で架橋塗膜を形成することが可能なブロックポリイソシアネート組成物としては、ピラゾール系ブロックポリイソシアネート組成物(例えば、特許文献1参照)、脂肪族2級アミン系ブロックポリイソシアネート組成物(例えば、特許文献2参照)が開示されている。
また、焼付温度の更なる低温化が可能なブロックポリイソシアネート組成物としては、マロン酸ジエステル化合物をブロック剤とするブロックポリイソシアネート組成物(例えば、特許文献3参照)、マロン酸ジエチルとアセト酢酸エチルとをブロック剤とするブロックポリイソシアネート組成物(例えば、特許文献4及び5参照)等が提案されている。
特許文献1、2に記載されるようなブロックポリイソシアネート組成物においては、120℃程度の焼付温度が必要であり、焼付温度の更なる低温化が望まれている。
また、自動車の新車塗装等の用途では、従来のブロックポリイソシアネート組成物を使用した塗膜層に、さらに、クリヤ層のような塗膜を積層する場合がある。このような場合に用いるブロックポリイソシアネート組成物として、100℃以下の温度で架橋塗膜を形成可能であり、かつ、積層した際の密着性が良好なブロックポリイソシアネート組成物が望まれている。
一方で、特許文献3、4、5に記載されるようなブロックポリイソシアネート組成物は、100℃以下の温度で、架橋塗膜を形成可能であるが、これらのブロックポリイソシアネート組成物を使用した塗膜層に、さらに塗膜を積層した際の密着性に更なる課題を有している。
すなわち、本発明は以下のとおりである。
[4][1]〜[3]のいずれか一項に記載のブロックイソシアネート組成物と、ポリオールとを含む一液型塗料組成物。
[5][4]に記載の一液型塗料組成物を硬化した塗膜。
本明細書において、「ポリオール」とは、2つ以上のヒドロキシ基(−OH)を有する化合物をいう。
本明細書において、特に断りがない限り、「(メタ)アクリル」はメタクリルとアクリルを包含し、「(メタ)アクリレート」はメタクリレートとアクリレートを包含するものとする。
本発明のブロックイソシアネート組成物は、一般式(I)で示されるトリイソシアネート化合物と、ブロック剤と、から得られるブロックイソシアネート化合物を含む。
本実施形態において、ブロックイソシアネート化合物は、下記一般式(I)で示されるトリイソシアネート化合物と、ブロック剤と、から得られる。
・一般式(I)
〔Y1〕
一般式(I)中、複数存在するY1は、それぞれ独立に、単結合、或いは、エステル構造及び/又はエーテル構造を含んでもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基である。複数存在するY1は、それぞれ同一であってもよく異なっていてもよい。
エステル構造及び/又はエーテル構造を含んでもよい炭素数1〜20の2価の炭化水素基としては、−(CH2)n1−X−(CH2)n2−で表される基(n1及びn2はそれぞれ独立して、0〜10の整数である。但し、n1及びn2の両方とも0になることはなく、n1、n2のうち、NCOと結合している側は1以上であることが好ましい。Xは、エステル基またはエーテル基である)。
反応速度を速めたい場合、Xがエステル基であることが好ましい。
n1及びn2は0〜4が好ましく、0〜2がより好ましい。n1及びn2の組み合わせとしては、例えば、n1=0、n2=2の組み合わせ、n1=2、n2=2の組み合わせが好ましい。
R1は、水素原子又は、炭素数1〜12の1価の炭化水素基である。R1における炭化水素基としては、特に限定されず、アルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられる。R1としては、水素原子が好ましい。
また、R1は水素であることが好ましい。また、R31は水素であることが好ましい。
また、塗料組成物の硬化剤として使用した際の耐候性を良好とするため、複数存在するY1中の炭化水素基が脂肪族基、及び/又は脂環族基を有することが好ましい。
これらの中では、イソシアネート基の反応性をより向上できる観点から、NTI、GTI又はLTIが好ましく、NTI又はLTIがより好ましく、LTIが特に好ましい。
この分類に該当する例としては、特許第1468856号公報に開示されている4−イソシアネートメチル−1,8−オクタメチレンジイソシアネート(以下、NTIと言う、分子量251)、特開昭57−198760号公報に開示されている1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネート(以下、HTIと言う、分子量209)などが挙げられる。
この分類に該当する例としては、例えば、特公平4−1033号公報に開示されているビス(2−イソシアナトエチル)2−イソシアナトグルタレート(以下、GTIと言う、分子量311)、特開昭53−135931号公報に開示されているリジントリイソシアネート(以下、LTIと言う、分子量267)などが挙げられる。
アルキルトリアミンとしては、例えば、トリイソシアナトノナン(4−アミノメチル−1,8−オクタンジアミンなどが挙げられる。これらはトリアミンであり、アミンのホスゲン化などにより炭化水素のみを含むトリイソシアネートとすることができる。
本実施形態のブロックイソシアネート組成物において、そのブロック剤としては、下記式(II)に示すマロン酸ジエステル化合物(以下、単に「マロン酸ジエステル化合物」ともいう。)からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む。
R2及びR3が炭素数8以下のアルキル基又はシクロアルキル基を示すものであると、有効NCO含有率を高くすることができると共に、塗料としたときの主剤等との相溶性をより良好とすることができる傾向にある。
これらの中でも、炭素数1〜8のアルキル基を示すものであることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が好ましい。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、又はn−ブチル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。ここで有効NCO含有率とは、ブロックイソシアネート組成物の総量(100質量%)に対して、潜在的に存在するイソシアネート含有量(質量%)である。
R2及びR3が炭素数8以下のアルキル基又はシクロアルキル基を示すものであると、有効NCO含有率を高くすることができると共に、塗料としたときの主剤等との相溶性をより良好とすることができる傾向にある。
これらの中でも、炭素数1〜8のアルキル基が好ましく、炭素数1〜4のアルキル基がより好ましい。より具体的には、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、又はn−ブチル基が好ましく、メチル基又はエチル基がより好ましく、エチル基が特に好ましい。ここで有効NCO含有率とは、ブロックイソシアネート組成物の総量(100質量%)に対して、潜在的に存在するイソシアネート含有量(質量%)である。
また、当該モル比は50以下であることが好ましく、33以下がより好ましく、20以下が特に好ましく、10以下が殊更好ましい。
当該モル比が上記下限値を超えることによって、低温硬化性をより良好にすることができる傾向にある。一方で、当該モル比が上記上限値以下であることによって、低温時の結晶性を抑制することができる傾向にある。
より具体的なその他のブロック剤として、(1)マロン酸ジエステル化合物及びβケトエステル化合物以外の活性メチレン系;アセチルアセトン等のアシルケトン化合物、(2)メルカプタン系;ブチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン等、(3)酸アミド系;アセトアニリド、酢酸アミド、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタム等、(4)酸イミド系;コハク酸イミド、マレイン酸イミド等、(5)イミダゾール系;イミダゾール、2−メチルイミダゾール等、(6)尿素系;尿素、チオ尿素、エチレン尿素等、(7)オキシム系;ホルムアルドオキシム、アセトアルドオキシム、アセトオキシム、メチルエチルケトオキシム(以下、MEKOと略す)、シクロヘキサノンオキシム等、(8)アミン系;ジフェニルアミン、アニリン、カルバゾール、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミン、イソプロピルエチルアミン、ジイソブチルアミン、ジ(2−ブチルアミン)、ジ(t−ブチル)アミン、ジシクロヘキシルアミン、N−t−ブチルシクロヘキシルアミン、2−メチルピペリジン、2,6−ジメチルピペリジン、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン等、(9)イミン系;エチレンイミン、ポリエチレンイミン等、(10)ピラゾール系;ピラゾール、3−メチルピラゾール、3,5−ジメチルピラゾール等が挙げられる。
本実施形態のブロックイソシアネート組成物の製造方法について説明する。本実施形態のブロックイソシアネート組成物の製造方法は、トリイソシアネートと、マロン酸ジエステル化合物等のブロック剤と、からブロックイソシアネートを得る第1工程と、それに続く、得られたブロックイソシアネートとモノアルコール(1価アルコール化合物)とのエステル交換反応をさせる第2工程と、の2つの工程を有する。
また、当該モル比の上限値は、1.35であることがより好ましく、1.2以下が特に好ましく、1.1以下が殊更好ましい。当該モル比の下限値を上記特定の値とすることによって、ブロックイソシアネートの低温硬化性をより確実に発現することができる傾向にある。一方で、当該モル比の上限値を上記特定の値以下とすることによって、塗装後の乾燥性の低下を抑制することができる傾向にある。
触媒の添加量を少なくすると、ブロック化反応時にブロック化されないイソシアネート基の残量が多くなる傾向がある。トリイソシアネートとマロン酸ジエステル化合物等のブロック剤との反応は、溶剤の存在の有無に関わらず行うことが出来る。
次に第2工程について説明する。第2工程は、第1工程で得られたブロックイソシアネートと、1価アルコール化合物とを反応させる工程である。
本実施形態のブロックイソシアネート組成物は、不飽和結合含有化合物、不活性化合物、金属原子 、塩基性アミノ化合物、二酸化炭素からなる群から選ばれる1種以上の化合物を、ブロックイソシアネート化合物を基準に1.0質量ppm以上1.0×104質量ppm以下含むことが、長期保存時の着色防止および長期保存安定性向上の観点から好ましい。当該含有量の範囲の下限は、3.0質量ppm以上であることがより好ましく、5.0質量ppm以上であることがさらに好ましく、10質量ppm以上であることがよりさらに好ましく、含有量の範囲の上限は、5.0×103質量ppm以下であることがより好ましく、3.0×103質量ppm以下であることがさらに好ましく、1.0×103質量ppm以下であることがよりさらに好ましい。
一般的に、炭素−炭素間の二重結合は芳香環を構成する炭素−炭素間の二重結合である場合もあるが、本実施形態の不飽和結合含有化合物に含まれる不飽和結合は、芳香環を構成する炭素−炭素間の二重結合を含まない。
炭素−酸素間の二重結合を有する化合物としては、例えば、炭酸誘導体を挙げることができる。炭酸誘導体としては、例えば、尿素化合物、炭酸エステル、N−無置換カルバミン酸エステル、および、N−置換カルバミン酸エステルが挙げられる。
炭化水素化合物は化合物A及び化合物Bに、エーテル化合物及びスルフィド化合物は下記化合物C〜Eに、ハロゲン化炭化水素化合物は下記化合物Fに、含ケイ素炭化水素化合物、含ケイ素エーテル化合物及び含ケイ素スルフィド化合物は下記化合物Gにそれぞれ分類される。なお、ここに挙げる化合物A〜化合物Gは芳香族環以外に不飽和結合を含まず、上記した不飽和結合を有する化合物は含まれない。
化合物A:直鎖状、分岐鎖状又は環状構造を有する脂肪族炭化水素化合物。
化合物B:脂肪族炭化水素基で置換されていてもよい芳香族炭化水素化合物。
化合物C:エーテル結合又はスルフィド結合と、脂肪族炭化水素基とを有する化合物であり、同種又は異種の脂肪族炭化水素化合物が、エーテル結合又はスルフィド結合を介して結合した化合物。
化合物D:エーテル結合又はスルフィド結合と、芳香族炭化水素基とを有する化合物であり、同種又は異種の芳香族炭化水素化合物が、エーテル結合又はスルフィド結合を介して結合した化合物。
化合物E:エーテル結合又はスルフィド結合と、脂肪族炭化水素基と、芳香族炭化水素基とを有する化合物。
化合物F:脂肪族炭化水素化合物を構成する少なくとも1つの水素原子、又は、芳香族炭化水素化合物を構成する少なくとも1つの水素原子がハロゲン原子に置換されたハロゲン化物。
化合物G:上記化合物A〜化合物Eの炭素原子の一部又は全部がケイ素原子に置換された化合物。
本実施形態のブロックイソシアネート組成物は、一液型塗料組成物の硬化剤等として好適に用いることもできる。すなわち、本実施形態のブロックイソシアネート組成物を含有する一液型塗料組成物とすることができる。その一液型塗料組成物の樹脂成分としては、イソシアネート基との反応性を有する活性水素を分子内に2個以上有する化合物を含有することが好ましい。活性水素を分子内に2個以上有する化合物として、例えば、ポリオール、ポリアミン、ポリチオール等が挙げられる。これらの中でも、ポリオールが好ましい。ポリオールの具体例としては、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、アクリルポリオール、ポリオレフィンポリオール、フッ素ポリオール等が挙げられる。
本実施形態のブロックイソシアネート組成物を用いた一液型塗料組成物は、溶剤ベース、水系ベースどちらにも使用可能である。
本発明は、上記本発明の一液型塗料組成物を硬化した塗膜である。
ブロックイソシアネートの有効NCO含有率は、次のように求めた。ここでの有効NCO含有率(質量%)とは、ブロック化反応後のブロックイソシアネート組成物中に存在する架橋反応に関与しうるブロックイソシアネート基量を定量化するものであって、イソシアネート基の質量%として表し、下記式により算出した。
{(ブロックイソシアネート組成物の固形分(質量%))×(反応に使用したポリイソシアネート質量×前駆体のポリイソシアネートのイソシアネート基含有量%)}/(ブロック化反応後のブロックイソシアネート組成物の樹脂質量)
なお、試料が溶剤等で希釈されている場合は、希釈された状態での値を記載した。
底直径38mmのアルミ皿を精秤後、実施例又は比較例のブロックイソシアネート組成物をアルミ皿上に約1g乗せた状態で精秤し(W1)、ブロックイソシアネート組成物を均一厚さに調整後、105℃のオーブンで1時間保持した。アルミ皿が室温になった後、アルミ皿に残存したブロックイソシアネート組成物を精秤した(W2)。
固形分濃度=W2/W1×100
得られたブロックイソシアネート組成物を5℃で貯蔵した。その際の外観を確認し、下記の基準で評価した。
◎:1ヵ月超でも結晶化せず
○:1週間超1カ月以内に結晶化
△:1日超1週間以内に結晶化
×:1日以内に結晶化
「Setalux1152」(アクリルポリオール、Nuplex Resins社製の商品名、水酸基価138mgKOH/樹脂g、固形分濃度51質量%)とブロックイソシアネート組成物とを、NCO/OH=1.0になるように配合し、酢酸ブチルでフォードカップNo.4で20秒/23℃に調整し、α塗料溶液を得た。
得られたα塗料溶液をガラス板に、エアースプレーガンで乾燥膜厚40μmになるように塗装し、23℃で30分間乾燥後、90℃で20分間焼付し、硬化塗膜を得た。
得られた硬化塗膜を焼付け後、ケーニッヒ硬度をBYK Chemie社の振り子式硬度計により20℃で測定し、下記の基準で評価した。
◎:ケーニッヒ硬度が80以上
○:ケーニッヒ硬度が70以上80未満、
△:ケーニッヒ硬度が60以上70未満
×:ケーニッヒ硬度が60未満
上記(評価2)で得られたα塗料溶液をガラス板に、エアスプレーガンで乾燥膜厚40μmになるように塗装し、140℃で30分間、さらに160℃で30分間の計2回の焼付を行なった。得られた塗膜を20℃で1時間放置し、色差計(スガ試験機社製デジタル自動測色式色差計)を用いて、測定した塗板b値と焼付け前のガラス板b値の差(Δb)を耐黄変性とした。
○:Δbが1.0未満
△:Δbが1.0以上1.5未満
×:Δbが1.5以上
上記(評価2)で得られたα塗料溶液を軟鋼板に、エアースプレーガンで乾燥膜厚40μmになるように塗装し、23℃で30分間乾燥後、90℃で20分間焼付し、α塗膜層1を得た。α塗膜層1の軟鋼板との密着性試験をJIS K5600−5−6に準じて行った。その結果、一部の浮き等も含め、剥がれは観察されなかった。
「Setalux1767」(アクリルポリオール、Nuplex Resins社製の商品名、水酸基価150mgKOH/樹脂g、固形分65質量%)70部、日本サイテック株式会社製のヘキサメトキシメチル化メラミン樹脂「サイメル(登録商標)300」30質量部、p−トルエンスルホン酸1質量部を混合後、酢酸ブチルで、フォードカップNo.4で20秒/23℃に調整し、β塗料溶液を得た。
別途、上記(評価2)で得られたα塗料溶液を軟鋼板に、エアースプレーガンで乾燥膜厚40μmになるように塗装し、23℃で30分間乾燥後、90℃で20分間焼付し、α塗膜層2を得た。α塗膜層2に、β塗料溶液をエアスプレーガンで乾燥膜厚40μmになるように塗装し、23℃で30分間乾燥後、140℃で30分間焼付し、α層及びβ層を有する複層塗膜を得た。得られた複層塗膜の密着性試験をJIS K5600−5−6に準じて行った。下記の基準で評価した。
○:剥離塗膜、浮き無し
△:半分未満の剥離塗膜あり
×:半分以上の剥離塗膜あり
撹拌機、温度計、ガス導入管を取り付けた4ツ口フラスコ内に4−アミノメチル−1,8−オクタメチレンジアミン(以下トリアミンと称す)1060gをメタノー ル1500gに溶かし、これに35%濃塩酸1800mlを冷却しながら徐々に滴下した。減圧下にてメタノール及び水を除去して濃縮し、60℃/5mmHgにて 24時間乾燥したところ、白色固体のトリアミン塩酸塩が得られた。得られたトリアミン塩酸塩650gを微粉末としてo−ジクロルベンゼン5000gに懸濁させ、かきまぜながら反応液を昇温し、100℃に達した時点でホスゲンを200g/Hrの速度にて吹込みはじめ、さらに昇温を続けて180℃に保持し、12時間ホスゲンを吹込み続けた。減圧下にて溶存ホスゲン及び溶媒を留去したのち、真空蒸留することにより、沸点161〜163℃/1.2mmHgの無色透明な4−イソシアネートメチル−1,8−オクタンメチレンジイソシアネート(以下「NTI」という」420gが得られた。このもののNCO含有率50.0重量%であった。
撹拌機、温度計、ガス導入管を取り付けた4ツ口フラスコ内にエタノールアミン122.2g、o−ジクロロベンゼン100ml、トルエン420mlを入れ、氷冷化塩化水素ガスを導入し、エタノールアミンを塩酸塩に転換した。次に、リジン塩酸塩182.5gを添加し、反応液を80℃に加熱し、エタノールアミン塩酸塩を溶解させ、塩化水素ガスを導入してリジン二塩酸塩とした。さらに塩化水素ガスを20から30ml/分で通過させ、反応液を116℃に加熱し、水が留出しなくなるまでこの温度を維持した。生成した反応混合物をメタノールおよびエタノールの混合液中で再結晶してリジンβ−アミノエチルエステル三塩酸塩165gを得た。このリジンβ−アミノエチルエステル三塩酸塩100gを微粉末としてo−ジクロロベンゼン1200mlに懸濁させ、かきまぜながら反応液を昇温し、120℃に達した時点でホスゲンを0.4モル/時間の速度にて吹込みはじめ、10時間保持し、その後150℃に昇温した。懸濁液はほとんど溶解した。冷却後ろ過し、減圧下にて溶存ホスゲン及び溶媒を留去したのち、真空蒸留することにより、沸点155〜157℃/0.022mmHgの無色透明なLTI80.4gが得られた。このもののNCO含有率は47.1重量%であった。
撹拌機、温度計、ガス導入管を取り付けた4ツ口フラスコ内にグルタミン酸塩酸塩275g、エタノールアミン塩酸塩800g、トルエン150mlを入れ、塩化水素ガスを吹き込みながら、水が共沸しなくなるまで110℃にて24時間加熱還流した。生成した反応混合物をメタノールおよびエタノールの混合液中で再結晶してビス(2−アミノエチル)グルタメート三塩酸塩270gを得た。このビス(2−アミノエチル)グルタメート三塩酸塩85gをo−ジクロロベンゼン680gに懸濁させ、かきまぜながら反応液を昇温し、135℃に達した時点でホスゲンを0.8モル/時間の速度にて吹込みはじめ、13時間保持し、反応生成物をろ過後、減圧濃縮し、さらに薄膜蒸発缶で精製することにより、GTI54gが得られた。NCO含有率は39.8重量%であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、NTIを100質量部、マロン酸ジエチル201質量部、酢酸n−ブチル49質量部を仕込み、28%ナトリウムメチラート溶液1.0質量部を添加し、60℃で6時間反応した。その後、1−ブタノール49質量部を添加し2時間その温度で撹拌を続けた。それに燐酸モノ(2−エチルヘキシル)1.0質量部を添加し、有効NCO含有率12.5%、固形分濃度75質量%のブロックイソシアネート組成物B−1を得た。得られたブロックイソシアネート組成物B−1について、上述した(評価1)〜(評価4)の評価を行なった。得られた結果を表1に示す。
下記表1中、「TPA−100」は、HDI系ポリイソシアネート「デュラネートTPA−100」 (商品名:旭化成株式会社製、イソシアヌレート型)である。
実施例2〜10、比較例1〜3において、表1で示した配合とする以外は、実施例1と同様にして、ブロックイソシアネート組成物B−2〜B−10、B−11〜B−13を得た。得られたブロックイソシアネート組成物の物性値及び評価結果を表1に示す。
NTI:300gに2,2,4−トリメチルペンタンを0.03g添加し、イソシアネート組成物を得た。これを実施例1と同様の操作によりブロックイソシアネート組成物を得た。
このブロックイソシアネート組成物の各評価結果は実施例1と同様であった。
NTI:300gにヘキサデカンを0.03g添加し、イソシアネート組成物を得た。これを実施例1と同様の操作によりブロックイソシアネート組成物を得た。
このブロックイソシアネート組成物の各評価結果は実施例1と同様であった。
撹拌機、温度計、還流冷却管、窒素吹き込み管を取り付けた4ツ口フラスコ内を窒素雰囲気にし、NTIを20g仕込み、60℃に加熱し、メタノールを7.7gを添加し、撹拌しながら4時間保持し、N−置換カルバミン酸エステルC−1を得た。
NTI:300gにN−置換カルバミン酸エステルC−1を0.03g添加し、イソシアネート組成物を得た。これを実施例1と同様の操作によりブロックイソシアネート組成物を得た。
このブロックイソシアネート組成物の各評価結果は実施例1と同様であった。
Claims (5)
- 下記一般式(I)で示されるトリイソシアネート化合物と、ブロック剤と、から得られるブロックイソシアネート化合物を含み、前記ブロック剤は、下記一般式(II)に示されるマロン酸ジエステル化合物からなる群より選ばれる少なくとも1種を含む、ブロックイソシアネート組成物。
- 前記βケトエステル化合物に対する前記マロン酸ジエステル化合物のモル比が、1.0を超える、請求項2に記載のブロックイソシアネート組成物。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のブロックイソシアネート組成物と、ポリオールとを含む、一液型塗料組成物。
- 請求項4に記載の一液型塗料組成物を硬化した塗膜。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016203084A JP6765276B2 (ja) | 2016-10-14 | 2016-10-14 | ブロックイソシアネート組成物、一液型塗料組成物及び塗膜 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2016203084A JP6765276B2 (ja) | 2016-10-14 | 2016-10-14 | ブロックイソシアネート組成物、一液型塗料組成物及び塗膜 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2018062633A true JP2018062633A (ja) | 2018-04-19 |
JP6765276B2 JP6765276B2 (ja) | 2020-10-07 |
Family
ID=61967489
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2016203084A Active JP6765276B2 (ja) | 2016-10-14 | 2016-10-14 | ブロックイソシアネート組成物、一液型塗料組成物及び塗膜 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6765276B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019221173A1 (ja) * | 2018-05-15 | 2019-11-21 | 旭化成株式会社 | 化合物、硬化剤組成物、樹脂組成物、塗料組成物及び樹脂硬化物 |
US11629218B2 (en) | 2018-10-31 | 2023-04-18 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Coating film |
WO2023162870A1 (ja) * | 2022-02-28 | 2023-08-31 | 旭化成株式会社 | ブロックイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜 |
Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08225630A (ja) * | 1995-02-21 | 1996-09-03 | Asahi Chem Ind Co Ltd | ブロックポリイソシアネート、組成物、及び一液型熱硬化性組成物 |
JPH09302069A (ja) * | 1996-05-14 | 1997-11-25 | Kyowa Yuka Kk | ブロック化イソシアネート化合物 |
JP2000044649A (ja) * | 1998-08-03 | 2000-02-15 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 新規な水性(ブロック)ポリイソシアネート組成物及びそれを用いた水性塗料組成物 |
-
2016
- 2016-10-14 JP JP2016203084A patent/JP6765276B2/ja active Active
Patent Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH08225630A (ja) * | 1995-02-21 | 1996-09-03 | Asahi Chem Ind Co Ltd | ブロックポリイソシアネート、組成物、及び一液型熱硬化性組成物 |
JPH09302069A (ja) * | 1996-05-14 | 1997-11-25 | Kyowa Yuka Kk | ブロック化イソシアネート化合物 |
JP2000044649A (ja) * | 1998-08-03 | 2000-02-15 | Asahi Chem Ind Co Ltd | 新規な水性(ブロック)ポリイソシアネート組成物及びそれを用いた水性塗料組成物 |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2019221173A1 (ja) * | 2018-05-15 | 2019-11-21 | 旭化成株式会社 | 化合物、硬化剤組成物、樹脂組成物、塗料組成物及び樹脂硬化物 |
CN111819168A (zh) * | 2018-05-15 | 2020-10-23 | 旭化成株式会社 | 化合物、固化剂组合物、树脂组合物、涂料组合物和树脂固化物 |
JPWO2019221173A1 (ja) * | 2018-05-15 | 2021-02-12 | 旭化成株式会社 | 化合物、硬化剤組成物、樹脂組成物、塗料組成物及び樹脂硬化物 |
CN116143660A (zh) * | 2018-05-15 | 2023-05-23 | 旭化成株式会社 | 化合物、固化剂组合物、树脂组合物、涂料组合物和树脂固化物 |
US11629218B2 (en) | 2018-10-31 | 2023-04-18 | Asahi Kasei Kabushiki Kaisha | Coating film |
WO2023162870A1 (ja) * | 2022-02-28 | 2023-08-31 | 旭化成株式会社 | ブロックイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP6765276B2 (ja) | 2020-10-07 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR102018471B1 (ko) | 블록 폴리이소시아네이트 조성물, 1액형 코팅 조성물, 도막 및 도장 물품 | |
JP6712311B2 (ja) | ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜、及び塗装物品 | |
JP2011256217A (ja) | ブロックポリイソシアネート組成物 | |
JP6751209B2 (ja) | ブロックイソシアネート組成物、一液型塗料組成物及び塗膜 | |
JP2020079411A (ja) | ポリイソシアネート混合物、塗料組成物及び塗膜 | |
JP6765276B2 (ja) | ブロックイソシアネート組成物、一液型塗料組成物及び塗膜 | |
JP6393122B2 (ja) | ポリイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜 | |
JP2011256232A (ja) | 水系塗料組成物 | |
JP6849353B2 (ja) | ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜、及び塗装物品 | |
JP6591241B2 (ja) | ブロックポリイソシアネート組成物、一液型コーティング組成物、塗膜、及び塗装物品 | |
JP2022041367A (ja) | ブロックイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜 | |
JP6746461B2 (ja) | ポリイソシアネート組成物、ブロックポリイソシアネート組成物、親水性ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、及び塗膜 | |
JP2000290493A (ja) | ブロックポリイソシアネート組成物 | |
JP2009191127A (ja) | ブロックポリイソシアネート組成物 | |
JP6945012B2 (ja) | 塗装方法及び塗膜 | |
JP6738210B2 (ja) | ポリイソシアネート組成物、コーティング組成物、塗膜、並びに塗膜を備える物品 | |
JP3403478B2 (ja) | 新規なウレタン系塗料用組成物 | |
JP6626986B2 (ja) | ポリイソシアネート組成物、塗料組成物、および塗膜 | |
JP6821823B2 (ja) | ブロックイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜 | |
WO2022224927A1 (ja) | ブロックイソシアネート組成物、水分散体、塗料組成物、及び塗膜 | |
JP6662589B2 (ja) | ブロックポリイソシアネート組成物及びその製造方法、一液型コーティング組成物、塗膜、並びに塗膜を備える物品 | |
WO2023162870A1 (ja) | ブロックイソシアネート組成物、塗料組成物及び塗膜 | |
JPH11158247A (ja) | 硬化剤及び一液性コーティング組成物 | |
JPH07207229A (ja) | 硬化剤組成物及び一液性塗料組成物 | |
JPH07207227A (ja) | 焼付黄変が低下された一液性塗料組成物 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20190702 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20200609 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20200811 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20200901 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20200915 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6765276 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |