JP6878796B2 - 速硬化型ポリウレタン樹脂組成物 - Google Patents

速硬化型ポリウレタン樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、通信タブレット等の電子機器部材、衣料、家具・家電部材、日用雑貨、及び自動車部材に有用なポリウレタン樹脂組成物、該組成物を用いた成形体、及びコーティング材、接着剤に関する。
ポリウレタン樹脂は、耐摩耗性、屈曲性、可撓性、柔軟性、加工性、接着性、耐薬品性などの諸物性に優れ、且つ各種加工法への適性にも優れるため、電子機器部材、衣料、家具・家電、日用雑貨、建築・土木、及び自動車部材へのコーティング材、インキ、接着剤、塗料などの樹脂成分として、又はフィルム、シートなどの各種成形体として広く使用されている。
これらポリウレタン樹脂は、基本的にはポリオール成分、ポリイソシアネート成分、さらには鎖伸長剤成分を反応させて得られるものであり、各成分の種類、組み合わせにより種々の性能を有するポリウレタン樹脂が提供されている。
また、これらポリウレタン樹脂は、要求特性などにより、ポリイソシアネートを硬化剤とする2液で使用される場合がある。この場合、高い耐久性、特に耐熱性に優れた成型体を得る事ができる。しかしながら、2液で使用した場合、物性発現するための養生時間が必要となる。
このような背景の中で養生時間の短縮目的に反応性を促進させるため、2液のうちのいずれか一方に予め硬化促進剤を添加しておくことが記載されている(例えば、特許文献1〜5参照)。
しかしながら、これら硬化促進剤を主剤に添加した場合は、経時着色や硬化促進剤の分離沈降の問題がある。一方、硬化剤に硬化促進剤を添加した場合は、経時着色や経時増粘、ゲル化を起こす恐れがある。
上記の問題を解決するため、ポリイソシアネートに触媒作用を奏する官能基を有する変成剤で変性してなるポリイソシアネートを硬化剤に用いることで、養生時間の短縮が提案されている(特許文献6参照)。
しかしながら、反応性を促進させ養生時間の短縮に効果は見られるが、硬化剤に触媒作用を付与していることから、経時増粘やゲル化が懸念される。
特開2007−112986号公報 特開2008−063395号公報 特開2008−075048号公報 特開2008−303284号公報 特開2008−037993号公報 特開2010−100768号公報
本発明は上記背景技術に鑑みてなされたものであり、従来では成し得なかった経時着色、経時増粘やゲル化を起こさない主剤、及び該主剤と硬化剤とを混合後、養生時間を短縮することができるポリウレタン樹脂組成物、及び耐熱性、耐加水分解性、耐候性、耐摩耗性、耐薬品性などの諸特性に優れた成形体、コーティング材、及び接着剤を提供すること。
すなわち本発明は以下の(1)〜(9)の実施形態を含むものである。
(1)主剤(A)と硬化剤(B)とを含む速硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、主剤(A)が、ポリオール(a)と、ポリイソシアネート(b)と、鎖伸長剤(c)と、変性剤(d)との反応生成物であり、変性剤(d)が一分子中に第3級アミノ基と水酸基を有することを特徴とする速硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(2)変性剤(d)の分子量が80〜170であることを特徴とする上記(1)に記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(3)変性剤(d)が、第3級アミノ基を2個以上有することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(4)変性剤(d)が、環状構造を有することを特徴とする上記(1)乃至(3)のいずれかに記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(5)変性剤(d)が、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−メタノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N−(ジメチルアミノプロピル)アミノエタノール、及びN,N−ジメチルエタノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする上記(1)に記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(6)主剤(A)と硬化剤(B)とを配合後、20℃〜80℃の環境下12時間以内に、当該硬化物の軟化温度が、当該硬化物が完全硬化した硬化物の軟化温度の85%に到達することを特徴とする上記(1)乃至(5)のいずれかに記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
(7)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物を含む接着剤。
(8)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物を硬化させてなるコーティング材。
(9)上記(1)乃至(6)のいずれかに記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物を硬化させてなる成型体。
本発明によれば、従来では成し得なかった経時着色、経時増粘やゲル化を起こさず、養生時間を短縮できる速硬化型ポリウレタン樹脂組成物を提供することができ、さらに、耐熱性、耐加水分解性、耐候性、耐摩耗性、耐薬品性などの諸特性に優れた接着剤、コーティング材、及び成型体を提供することができる。
本発明の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、主剤(A)と硬化剤(B)とからなるポリウレタン樹脂組成物であって、主剤(A)が、ポリオール(a)、ポリイソシアネート(b)、鎖伸長剤(c)、及び変性剤(d)との反応生成物であり、変性剤(d)が一分子中に第3級アミノ基と水酸基を有することを特徴とする。この形態により、経時着色、経時増粘やゲル化などを起こさず、養生時間を短縮することができる。
本発明で使用されるポリオール(a)としては、特に限定されるものではなく、例えばポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、ポリエステルポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオール、アクリルポリオール、シリコーンポリオール、ヒマシ油系ポリオール、フッ素系ポリオール等を単独で使用、又は2種類以上を併用することができる。
ポリオール(a)の数平均分子量としては、500〜50,000が好ましく、1,000〜4,000がさらに好ましい。数平均分子量が下限未満の場合には、柔軟性が低下する起これがあり、上限値を超える場合には、耐熱性が低下する恐れがある。
また、ポリオール(a)は、1分子中の活性水素基数(平均官能基数)が1.9〜4.0であることが好ましい。活性水素基数が下限値未満の場合には、耐摩耗性や機械物性が低下する恐れがある。また、上限値を超える場合には、柔軟性が低下する恐れがある。
<ポリカーボネートポリオール>
ポリカーボネートポリオールの具体例としては、例えば、一般式(1)のRが、炭素数2〜20の2価の脂肪族、又は脂環族炭化水素であるエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの1種類以上と、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のジアルキルカーボネート類、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等のアルキレンカーボネート類、ジフェニルカーボネート、ジナフチルカーボネート、ジアントリルカーボネート、ジフェナントリルカーボネート、ジインダニルカーボネート、テトラヒドロナフチルカーボネート等のジアリールカーボネート類との脱アルコール反応や脱フェノール反応から得られるものを挙げることができる。また、耐摩耗性、耐擦傷性、及び耐オレイン酸性を付与する観点から、1,6−ヘキサンジオールと、ジエチルカーボネートからなるポリカーボネートポリオールを好適に用いることができる。
Figure 0006878796
*式中Rは、炭素数2〜20の2価の脂肪族、又は脂環族炭化水素。
<ポリカプロラクトンポリオール>
ポリカプロラクトンポリオールの具体例としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオールの1種類以上を開始剤として、ε−カプロラクトンやアルキル置換ε−カプロラクトンの何れか一方、又は両方を開環付加させて得られるものを用いることができる。
<ポリエステルポリオール>
ポリエステルポリオールの具体例としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、コハク酸、酒石酸、シュウ酸、マロン酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、グルタコン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,4−シクロヘキシルジカルボン酸、α−ハイドロムコン酸、β−ハイドロムコン酸、α−ブチル−α−エチルグルタル酸、α,β−ジエチルサクシン酸、マレイン酸、フマル酸等のジカルボン酸、またはこれらの無水物等の1種類以上と、エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールAのエチレンオキサイドやプロピレンオキサイド付加物、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の分子量500以下の低分子ポリオール類の1種類以上との縮重合反応から得られるものを挙げることができる。また、低分子ポリオールの一部をヘキサメチレンジアミン、イソホロンジアミン、モノエタノールアミン等の低分子ポリアミンや低分子アミノアルコールに代えて得られるポリエステル−アミドポリオールを使用することもできる。
<ポリエーテルポリオール>
ポリエーテルポリオールの具体例としては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、3,3−ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジオール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ダイマー酸ジオール、ビスフェノールA、ビス(β−ヒドロキシエチル)ベンゼン、キシリレングリコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の低分子ポリオール類、またはエチレンジアミン、プロピレンジアミン、トルエンジアミン、メタフェニレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、キシリレンジアミン等の低分子ポリアミン類等のような活性水素基を2個以上、好ましくは2〜3個有する化合物を開始剤として、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等のようなアルキレンオキサイド類を付加重合させることによって得られるポリエーテルポリオール、或いはメチルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、フェニルグリシジルエーテル等のアリールグリシジルエーテル類、テトラヒドロフラン等の環状エーテルモノマーを開環重合することで得られるポリエーテルポリオールを挙げることができる。
<ポリオレフィンポリオール>
ポリオレフィンポリオールの具体例としては、例えば水酸基を2個以上有するポリブタジエン、水素添加ポリブタジエン、ポリイソプレン、水素添加ポリイソプレン等を挙げることができる。
<アクリルポリオール>
アクリルポリオールとしては、アクリル酸エステル及び/又はメタクリル酸エステル〔以下(メタ)アクリル酸エステルという〕と、反応点となりうる少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有するアクリル酸ヒドロキシ化合物及び/又はメタクリル酸ヒドロキシ化合物〔以下(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物という〕と、重合開始剤とを熱エネルギーや紫外線または電子線などの光エネルギー等を使用し、アクリルモノマーを共重合したものを挙げることができる。
<(メタ)アクリル酸エステル>
(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば炭素数1〜20のアルキルエステルを挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、例えば(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸ペンチル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸−2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ドデシルのような(メタ)アクリル酸アルキルエステル;シクロヘキシル(メタ)アクリレートのような(メタ)アクリル酸の脂環属アルコールとのエステル;(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸ベンジルのような(メタ)アクリル酸アリールエステル等を挙げることができる。このような(メタ)アクリル酸エステルは、単独又は2種類以上組み合わせたものを挙げることができる。
<(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物>
(メタ)アクリル酸ヒドロキシ化合物の具体例としては、ポリイソシアネート(b)との反応点となり得る少なくとも分子内に1個以上の水酸基を有しており、具体的には、例えば2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレートなどのアクリル酸ヒドロキシ化合物等が挙げられる。また、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルメタクリレート、3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロピルメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレートなどのメタクリル酸ヒドロキシ化合物等が挙げられる。これらアクリル酸ヒドロキシ化合物やメタクリル酸ヒドロキシ化合物は、単独、又は2種以上を組み合わせたものを挙げることができる。
<シリコーンポリオール>
シリコーンポリオールの具体例としては、例えばγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどを重合したビニル基含有シリコーン化合物や、分子中に少なくとも1個の末端水酸基を有する、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジヒドロキシポリジフェニルシロキサン等のポリシロキサン等を挙げることができる。
<ヒマシ油系ポリオール>
ヒマシ油系ポリオールの具体例としては、ヒマシ油脂肪酸とポリオールとの反応により得られる線状または分岐状ポリエステルポリオールが挙げられる。また、脱水ヒマシ油、一部分を脱水した部分脱水ヒマシ油、水素を付加させた水添ヒマシ油も使用することができる。
<フッ素系ポリオール>
フッ素系ポリオールの具体例としては、例えば含フッ素モノマーとヒドロキシ基を有するモノマーとを必須成分として共重合反応により得られる線状または分岐状のポリオールを挙げることができる。ここで、含フッ素モノマーとしては、フルオロオレフィンであることが好ましく、例えば、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン、トリクロロフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデン、フッ化ビニル、トリフルオロメチルトリフルオロエチレン等が挙げられる。また、ヒドロキシル基を有するモノマーとしては、例えば、ヒドロキシエチルビニルエーテル、4−ヒドロキシブチルビニルエーテル、シクロヘキサンジオールモノビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル、2−ヒドロキシエチルアリルエーテル等のヒドロキシアルキルアリルエーテル、ヒドロキシアルキルクロトン酸ビニル等のヒドロキシル基含有カルボン酸ビニル又はアリルエステル等のヒドロキシル基を有するモノマーが挙げられる。
また、ポリオール(a)に耐久性、耐候性、柔軟性等の観点から、前記のポリカーボネートポリオールと、前記のポリカプロラクトンポリオールと、脂肪族グリコールとをエステル交換反応することにより得られるコポリマーポリオールも好適に用いることができる。
ポリカプロラクトンポリオールに対するポリカーボネートポリオールと脂肪族グリコールの比率〔(ポリカーボネートポリオール+脂肪族グリコール)/ポリカプロラクトンポリオール〕としては、質量比で99/1〜60/40であることが好ましい。このようにして得られたコポリマーポリオールは、それぞれ単独、若しくは混合物とした場合よりも耐久性、耐候性、柔軟性等の性能を高めることができる。
<脂肪族グリコール>
脂肪族グリコールとしては、例えばエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジメチロールヘプタン、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール等を挙げることができる。
<コポリマーポリオールの製造方法>
コポリマーポリオールの製造方法としては、公知の技術を用いることができる。一般的には、ポリカーボネートポリオール、ポリカプロラクトンポリオール、及び脂肪族グリコールを配合し、窒素ガスをバブリングしながら、60℃で均一になるまで溶解させる。その後、190℃で、目的の分子量になるまでエステル交換反応を行うことで得られる。
次に、本発明の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物に使用されるポリイソシアネート(b)について説明する。
本発明のポリイソシアネート(b)としては、前記の性能を有していれば特に限定されるものではなく、脂環族ジイソシアネート、芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートを単独で使用、もしくは2種類以上を併用することができる。
<脂環族ジイソシアネート>
脂環族ジイソシアネートの具体例としては、例えばイソホロンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート、水素添加キシレンジイソシアネート、水素添加テトラメチルキシレンジイソシアネート等を挙げることができる。
<芳香族ジイソシアネート>
芳香族ジイソシアネートの具体例としては、例えば2,4−トリレンジイソシアネート、2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレンジイソシアネートと2,6−トリレンジイソシアネートの混合物、m−キシリレンジイソシアネート、p−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートと4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネートの混合物、4,4’−ジフェニルエーテルジイソシアネート、2−ニトロジフェニル−4,4’−ジイソシアネート、2,2’−ジフェニルプロパン−4,4’−ジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルメタン−4,4’−ジイソシアネート、4,4’−ジフェニルプロパンジイソシアネート、m−フェニレンジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、ナフチレン−1,4−ジイソシアネート、ナフチレン−1,5−ジイソシアネート、3,3’−ジメトキシジフェニル−4,4’−ジイソシアネート等を挙げることができる。
<脂肪族ジイソシアネート>
脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチレンジイソシアネート、2−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、3−メチル−ペンタン−1,5−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、トリオキシエチレンジイソシアネート等を挙げることができる。
<芳香脂肪族ジイソシアネート>
芳香脂肪族ジイソシアネートの具体例としては、1,3−または1,4−キシリレンジイソシアネート若しくはその混合物、1,3−または1,4−ビス(1−イソシアナト−1−メチルエチル)ベンゼン若しくはその混合物、ω,ω’−ジイソシアナト−1,4−ジエチルベンゼン等を挙げることができる。
また、これらの芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネートと、これら各種ジイソシアネートを原料として得られるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基及びイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレタン基含有ポリイソシアネート、アロファネート基含有ポリイソシアネート、ビウレット基含有ポリイソシアネート、ウレトイミン基含有ポリイソシアネート等を併用することもできる。
次に、本発明の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物に使用される鎖伸長剤(c)について説明する。
本発明において、鎖伸長剤(c)としては特に限定するものではないが、例えば、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−ビス(β−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、ネオペンチルグリコール、メチルオクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ビスフェノール、シクロヘキサンジメタノール、ジメチロールヘプタン、ポリプロピレングリコール、イソホロンジアミン、シクロヘキサンジアミン、ノルボルナンジアミン、水素添加トリレンジアミン、水素添加キシレンジアミン、水素添加テトラメチルキシレンジアミン、エチレンジアミン、ブチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジフェニルメタンジアミン、トリレンジアミン、キシリレンジアミン、2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシエチルプロピレンジアミン、2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、ジ−2−ヒドロキシプロピルエチレンジアミン、2−ヒドロキシ−1,3−プロパンジアミン等を挙げることができる。これらは、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
次に、本発明の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物に使用される変性剤(d)について説明する。
本発明における変性剤(d)は、主剤(A)と硬化剤(B)との反応において触媒作用を奏する官能基を有するものである。
本発明における変性剤(d)は、同一分子中に第3級アミノ基と水酸基を有するものである。変性剤(d)の分子量は80〜170が好ましい。また、第3級アミンを2個以上有することが好ましく、環状構造を有することが更に好ましい。
<同一分子中に第3級アミノ基と水酸基を有する化合物>
同一分子中に第3級アミノ基と水酸基を有する化合物としては、例えば、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−メタノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N−(ジメチルアミノプロピル)アミノエタノール、N,N−ジメチルエタノールアミン等を挙げることができる。これらは、単独で用いても、2種以上組み合わせて用いてもよい。
変性剤(d)は有機非金属化合物であることが、可使時間の観点等からより好ましい。ここで、非金属とは、化合物の構造中にスズ等の高い触媒活性を有する金属元素を含まないことを指す。
なお、変性剤(d)には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、第3級アミン、第4級アンモニウム塩を併用することができる。
<第3級アミン>
第3級アミンの具体例としては、例えば、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルプロピレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジエチレントリアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチル−(3−アミノプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N”,N”−ペンタメチルジプロピレントリアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルグアニジン、1,3,5−トリス(N,N−ジメチルアミノプロピル)ヘキサヒドロ−S−トリアジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン−7、N,N,N’,N’−テトラメチルヘキサメチレンジアミン、N,N’−ジメチルピペラジン、ジメチルシクロヘキシルアミン、N−メチルモルホリン、N−エチルモルホリン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール、1−イソブチル−2−メチルイミダゾール、1−ジメチルアミノプロピルイミダゾール等を挙げることができる。
<第4級アンモニウム塩>
第4級アンモニウム塩としては、例えば、テトラメチルアンモニウムクロライド等のテトラアルキルアンモニウムハロゲン化物、水酸化テトラメチルアンモニウム塩等のテトラアルキルアンモニウム水酸化物、テトラメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウムギ酸塩、2−ヒドロキシプロピルトリメチルアンモニウム2−エチルヘキサン酸塩等のテトラアルキルアンモニウム有機酸塩類等を挙げることができる。
本発明においては、主剤(A)を合成する際、主剤(A)の分子量を調整するためにモノアミンやモノアルコールを用いることができる。
<モノアミン>
モノアミンの具体例としては、例えば、エチルアミン、モルホリン、プロピルアミン、ジブチルアミン、ジエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N−n−ブチルエタノールアミン、N−t−ブチルエタノールアミン、ヒドロキシエチルピペラジン、N−(3−アミノプロピル)ジエタノールアミン、N−シクロヘキシルエタノールアミン等を挙げることができ、単独、又は2種以上を併用することができる。
<モノアルコール>
モノアルコールの具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、1−ペンタノール、2−ペンタノール、イソアミルアルコール、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、1−ヘプタノール、1−オクタノール、2−エチル−1−ヘキサノール、3,3,5−トリメチル−1−ヘキサノール、1−トリデカノール、2−トリデカノール、2−オクチルドデカノール、1−ペンタデカノール、2−ペンタデカノール、シクロペンタデカノール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、シクロペンタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノール、トリメチルシクロヘキサノール等を挙げることができ、単独、又は2種以上を併用することができる。
本発明において、主剤(A)を合成する際のウレタン化反応温度は、20〜120℃が好ましく、50〜100℃がより好ましい。なお、このウレタン化反応は、無触媒でも反応が進行するが、公知のウレタン化反応触媒を使用し、反応を促進することもできる。
<ウレタン化反応触媒>
ウレタン化反応に使用できる触媒としては、例えば、ジブチル錫ジアセテート、ジブチル錫ジラウレート、ジオクチル錫ジラウレート等の有機金属化合物や、トリエチレンジアミンやトリエチルアミン等の有機アミンやその塩から選択して用いることができる。
ウレタン化反応の反応時間は、触媒の有無、種類、及び温度により異なるが、一般には10時間以内、好ましくは1〜5時間で十分である。なお、反応時間が長くなるに従い着色等の不具合を生じる場合がある。
また、主剤(A)の製造に使用する有機溶剤としては、ウレタン化反応に影響を与えない溶剤が適宜選ばれる。
<有機溶剤>
有機溶剤の具体例としては、例えば、オクタン等の脂肪族炭化水素類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族炭化水素類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル類、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、エチル−3−エトキシプロピオネート等のグリコールエーテルエステル類、ジオキサン等のエーテル類、ヨウ化メチレン、モノクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ヘキサメチルホスホニルアミド等の極性非プロトン溶媒等が挙げられる。これらの溶媒は、単独、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明によって得られた速硬化型ポリウレタン樹脂組成物には、必要に応じて、酸化防止剤、紫外線吸収剤、顔料、染料、溶剤、難燃剤、加水分解抑制剤、潤滑剤、可塑剤、充填材、帯電防止剤、分散剤、貯蔵安定剤、界面活性剤、レベリング剤等の添加剤を適宜配合することができる。
本実施形態の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物における硬化剤(B)の具体例としては、前記の芳香族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、芳香脂肪族ジイソシアネート、これらのジイソシアネートを原料として得られるイソシアヌレート基含有ポリイソシアネート、ウレトジオン基含有ポリイソシアネート、ウレタン基含有ポリイソシアネート、アロファネート基含有ポリイソシアネート、ビウレット基含有ポリイソシアネート、ウレトンイミン基含有ポリイソシアネート等が挙げられ、単独もしくは2種類以上を併用しても良い。
次に、本発明の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物を使用した成形体、及びコーティング材の加工方法について説明する。
本発明の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物は、通信タブレットなどの電子機器部材、衣料、家具・家電部材、日用雑貨、及び自動車部材の成形物及びコーティング材として使用される。
成形物としては、部材、構造物、フィルム、及びシートが含まれ、注型や塗布などの公知技術により成形された部材である。
また、コーティング材としては、本発明の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物を含有したコーティング材用樹脂に、必要に応じて前記の架橋剤や添加剤を混合、均一撹拌後、スプレー塗装、ナイフ塗工、ワイヤーバー塗工、ドクターブレード塗工、リバースロール塗工、カレンダー塗工等の公知技術により、基材上に形成したコーティング膜である。
<基材>
前記の基材としては、ステンレス、リン酸処理鋼、亜鉛鋼、鉄、銅、アルミニウム、真鍮、ガラス、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンナフタレート樹脂、ポリブチレンフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、AS樹脂、ABS樹脂、ポリカーボネート−ABS樹脂、6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、MXD6ナイロン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリアセタール樹脂、塩素化ポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィド樹脂、NBR樹脂、クロロプレン樹脂、SBR樹脂、SEBS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン樹脂などの素材で成型された基材やポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリトリメチレンテレフタレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリスチレン樹脂、6−ナイロン樹脂、6,6−ナイロン樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、セルロース、ポリ乳酸、綿、ウールから選ばれる少なくとも1種類を主成分とする有機繊維やガラスウールなどの無機繊維、炭素繊維を挙げることができる。
これらの基材は、接着性を上げるために、基材表面を予めコロナ放電処理、フレーム処理、紫外線照射処理、及びオゾン処理等の処理をすることもできる。
また、コーティング材の塗布量としては、樹脂固形分換算で少なくとも40g/m以上になるように塗布することが好ましい。下限値未満である場合には、耐紫外線吸収剤性、耐摩耗性、及び耐擦傷性の低下を招く恐れがある。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。また、実施例における%表記は、特に断りのない限り質量基準である。
<ポリウレタン樹脂組成物の合成>
<実施例1>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール1(1,6ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量4,000)を250gと、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、DMFと言う。)を350gと、メチルエチルケトン(以下、MEKと言う。)を350g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、ヘキサメチレンジイソシアネート(東ソー社製、NCO含有量:49.9質量%、以下、HDIと言う。)を13gと、イソホロンジイソシアネート(エボニックジャパン社製、NCO含有量:37.8質量%、以下、IPDIと言う。)を19g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.9質量%であった。
このイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液に、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−メタノール(東ソー社製、商品名:RZETA)を2g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.8質量%であった。得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液にイソホロンジアミン(以下、IPDAと言う。)を15g窒素気流下、40℃で4時間にわたり鎖延長反応させ、モノエタノールアミン(以下、MEAと言う。)を1g仕込み、窒素気流下、40℃で2時間にわたりイソシアネート基を封止反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−1を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−1の数平均分子量は90,000、25℃における粘度が15,000mPa・sであった。
<GPC:分子量の測定>
(1)測定器:HLC−8220(東ソー社製)
(2)カラム:TSKgel(東ソー社製)
・G3000H−XL
・G2500H−XL
・G2000H−XL、G1000H−XL
(3)キャリア:THF(テトラヒドロフラン)
(4)検出器:RI(屈折率)検出器
(5)温度:40℃
(6)流速:1.000ml/min
(7)検量線:標準ポリスチレン(東ソー社製)
・F−80(分子量:7.06×10、分子量分布:1.05)
・F−20(分子量:1.90×10、分子量分布:1.05)
・F−10(分子量:9.64×10、分子量分布:1.01)
・F−2(分子量:1.81×10、分子量分布:1.01)
・F−1(分子量:1.02×10、分子量分布:1.02)
・A−5000(分子量:5.97×10、分子量分布:1.02)
・A−2500(分子量:2.63×10、分子量分布:1.05)
・A−500(分子量:5.0×10、分子量分布:1.14)
(8)サンプル溶液濃度:0.5%THF溶液
<実施例2>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール2(1,6ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量2,000)を236gとDMFを350gと、MEKを350g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、IPDIを47g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.8質量%であった。
このイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液に、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−メタノールを1.0g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.8質量%であった。得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液にIPDAを15g仕込み、窒素気流下、40℃で4時間にわたり鎖延長反応させ、MEAを1g仕込み、窒素気流下、40℃で2時間にわたりイソシアネート基を封止反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−2を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−2の数平均分子量は85,000、25℃における粘度が13,000mPa・sであった。
<実施例3>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール3〔1,6ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール(数平均分子量2,000)/ポリカプロラクトンポリオール(数平均分子量2,000)=質量比7/3のコポリマーポリオール、数平均分子量2,000〕を317gと、DMFを180gと、MEKを420g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート/4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート混合物(東ソー社製、商品名:ミリオネートNM、NCO含有量:33.6質量%、以下、MDIと言う。)を65g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.9質量%であった。
このイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液に、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−メタノールを1g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.8質量%であった。得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液にIPDAを13g仕込み、窒素気流下、40℃で4時間にわたり鎖延長反応させ、MEAを4g仕込み、窒素気流下、40℃で2時間にわたりイソシアネート基を封止反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−3を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−3の数平均分子量は30,000、25℃における粘度が3,500mPa・sであった。
<実施例4>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール4(1,4ブタンジオール/アジピン酸系ポリエステルポリオール、数平均分子量2,000)を225gと、DMFを350gと、MEKを350g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート(バイエル社製、NCO含有量:32.0質量%、以下、水添MDIと言う。)を56g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.9質量%であった。
このイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液に、N,N−ジメチルアミノヘキサノール(花王社製:商品名カオーライザーNo.25)を3g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.8質量%であった。得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液にIPDAを15g仕込み、窒素気流下、40℃で4時間にわたり鎖延長反応させ、MEAを1g仕込み、窒素気流下、40℃で2時間にわたりイソシアネート基を封止反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−4を得た。ポリウレタン脂組成物用主剤PU−4の数平均分子量は50,000、25℃における粘度が5,000mPa・sであった。
<実施例5>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール5(1,6ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1,500)を227gと、DMFを350gと、MEKを350g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、HDIを14gと、IPDIを40g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は1.0質量%であった。
このイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液に、N−メチル−N−(ジメチルアミノプロピル)アミノエタノール(エアープロダクツジャパン社製:商品名POLYCAT17)を3g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は1.0質量%であった。得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液にIPDAを15g仕込み、窒素気流下、40℃で4時間にわたり鎖延長反応させ、MEAを1g仕込み、窒素気流下、40℃で2時間にわたりイソシアネート基を封止反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−5を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−5の数平均分子量は80,000、25℃における粘度が20,000mPa・sであった。
<実施例6>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール6(1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量3,000)を206gと、ポリオール5(1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1,000)を110gと、DMFを180gと、MEKを420g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、IPDIを65g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は1.0質量%であった。
このイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液に、N,N−ジメチルエタノールアミン(ハンツマン社製:商品名JEFCAT DMEA)を2g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.9質量%であった。得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液にIPDAを13g仕込み、窒素気流下、40℃で4時間にわたり鎖延長反応させ、MEAを4g仕込み、窒素気流下、40℃で2時間にわたりイソシアネート基を封止反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−6を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−6の数平均分子量は40,000、25℃における粘度が6,000mPa・sであった。
<実施例7>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール3を253gと、1,4−BGを4gと、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−メタノールを1gと、MEKを700g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、MDIを42g仕込み、窒素気流下、75℃で4時間ウレタン化反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−7を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−7の数平均分子量は60,000、25℃における粘度が10,000mPa・sであった。
<実施例8>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール3を250gと、1,4−BGを4gと、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール(花王社製:商品名カオーライザーNo.23NP)を3gと、MEKを700g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、水添MDIを45g仕込み、窒素気流下、75℃で4時間ウレタン化反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−8を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−8の数平均分子量は55,000、25℃における粘度が13,000mPa・sであった。
<比較例1>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール2を236gと、DMFを350gと、MEKを350g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、IPDIを47g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.8質量%であった。
得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液にIPDAを15g仕込み、窒素気流下、40℃で4時間にわたり鎖延長反応させ、MEAを1g仕込み、窒素気流下、40℃で2時間にわたりイソシアネート基を封止反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−9を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−9の数平均分子量は95,000、25℃における粘度が16,000mPa・sであった。
<比較例2>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール3を321gと、DMFを180gと、MEKを420g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、IPDIを61g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は1.0質量%であった。
このイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーI溶液に、モルホリンを1g仕込み、窒素気流下、75℃で3時間ウレタン化反応させることにより、イソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液を得た。このプレポリマーのNCO含有量は0.9質量%であった。得られたイソシアネート基末端ウレタンプレポリマーII溶液にIPDAを13g仕込み、窒素気流下、40℃で4時間にわたり鎖延長反応させ、MEAを4g仕込み、窒素気流下、40℃で2時間にわたりイソシアネート基を封止反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−10を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−10の数平均分子量は30,000、25℃における粘度が2,500mPa・sであった。
<比較例3>
撹拌機、温度計、加熱装置、蒸留塔を備えた容量2リットルの四つ口フラスコに、ポリオール3を254gと、1,4−BGを4gと、MEKを700g仕込み、これらを45℃で均一に撹拌しながら窒素ガスバブリングして高分子ポリオールの溶液を調製した。この高分子ポリオール溶液に、MDIを42g仕込み、窒素気流下、75℃で4時間ウレタン化反応させることによりポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−11を得た。ポリウレタン樹脂組成物用主剤PU−11の数平均分子量は60,000、25℃における粘度が5,000mPa・sであった。
PU−1〜PU−11のポリウレタン樹脂組成物、及びそれぞれに使用した原料の配合量と性状、貯蔵安定性を表1、表2に示す。
Figure 0006878796
Figure 0006878796
表1、表2に用いられている略記号は以下の通り。
(1)HDI:ヘキサメチレンジイソシアネート
(2)IPDI:イソホロンジイソシアネート
(3)水添MDI:水素添加ジフェニルメタンジイソシアネート
(4)MDI:2,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート/4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート混合物
(5)ポリオール1:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量4,000
(6)ポリオール2:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量2,000
(7)ポリオール3:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール(数平均分子量2,000)/ポリカプロラクトンポリオール(数平均分子量2,000)=質量比7/3のコポリマーポリオール、数平均分子量2,000
(8)ポリオール4:1,4−ブタンジオール/アジピン酸系ポリエステルポリオール、数平均分子量2,000
(9)ポリオール5:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1,500
(10)ポリオール6:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量3,000
(11)ポリオール7:1,6−ヘキサンジオール系ポリカーボネートポリオール、数平均分子量1,000
(12)IPDA:イソホロンジアミン
(13)MEA:モノエタノールアミン
(14)DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
(15)MEK:メチルエチルケトン
(16)1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−メタノール:東ソー社製、商品名;RZETA、分子量;142、第3級アミノ基;2個、水酸基;1個、環状構造;有
(17)N,N−ジメチルアミノヘキサノール:花王社製、商品名;カオーライザーNo.25、分子量;145、第3級アミン;1個、水酸基;1個、環状構造;無
(18)N−メチル−N−(ジメチルアミノプロピル)アミノエタノール:エアープロダクツジャパン社製、商品名;POLYCAT17、分子量;162、第3級アミノ基;2個、水酸基;1個、環状構造;無
(19)N,N−ジメチルエタノールアミン:ハンツマン社製、商品名;JEFCAT DMEA、分子量;89、第3級アミノ基;1個、水酸基;1個、環状構造;無
(20)N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール:花王社製、商品名;カオーライザーNo.23NP、分子量;177、第3級アミノ基;1個、水酸基;1個、環状構造;無
(21)モルホリン:キシダ化学社製、試薬特級、分子量;87、第3級アミノ基;0個、水酸基;0個、環状構造;有
<貯蔵安定性>
PU−1〜PU−11の各ポリウレタン樹脂組成物を200mlガラス瓶に採取密閉し、温度40℃の恒温槽で90日間静置後、外観を目視で評価した。
<評価基準>
・外観で変化が見られないもの(評価:◎)
・外観で僅かに黄変したもの(評価:○)
・外観で黄変したもの(評価:×)
〔コーティング材の作製〕
得られたPU−1〜PU−11の各ポリウレタン樹脂組成物用主剤100質量部に対して硬化剤(東ソー社製コロネートHX)を5質量部添加し樹脂組成物を調製した。その樹脂組成物を離型紙上に乾燥膜厚が100μmとなるように塗布し、常温で5分間静置後、温度60℃の乾燥機中で10分、120℃で5分加熱処理を行い、続いて40℃の恒温槽で72時間養生を行い、続いて温度23℃、相対湿度50%の環境下で7日間養生を行うことにより、コーティング材を作製した。なお、本発明では、当該手順にて得られた硬化物を完全硬化したコーティング材(硬化物)とする。このコーティング材を用いて、物性の評価を行った。
得られたコーティング材の諸物性を表3、表4に示す。
Figure 0006878796
Figure 0006878796
(1)評価試験1:
<引張特性>
JIS K6251に準拠して引張特性を測定した。
・試験装置:テンシロンUTA−500(エー・アンド・デー社製)
・測定条件:25℃×50%RH
・ヘッドスピード:200mm/分
・ダンベル:4号
(2)評価試験2:
<耐熱性>
引張測定用に作製した試験片を下記条件で処理し、評価試験1の引張特性を評価した。
・処理装置:送風定温乾燥機DRK633DA(アドバンテック社製)
・処理条件:120℃、空気循環系
・処理時間:500時間
(3)評価試験3
<耐加水分解性>
引張測定用に作製した試験片を下記条件で処理し、評価試験1の引張特性を評価した。
・処理装置:恒温恒湿器SH−220(エスペック社製)
・処理条件:70℃×95%RH
・試験時間:500時間
(4)評価試験4
<耐候性>
引張測定用に作製した試験片を下記条件で処理し、評価試験1の引張特性を評価した。
・処理装置:QUV(Q−LAB社製)
・ランプ:EL−313
・照度:0.59w/m
・λmax:313nm
・1サイクル:12時間〔UV照射:8時間(温度70℃)、結露:4時間(温度50℃)〕
・処理時間:450時間
(5)評価試験5:
<耐摩耗性>
JIS L1096に準じ、テーバー摩耗試験機(安田精機製作所社製)により、荷重1kg、円板回転速度60rpm×500回転、摩耗輪H−22を使用し、摩耗性を測定した。
<評価基準>
・外観の変化が認められないもの(評価:○)
・コーティング膜の一部が摩耗したもの(評価:△)
・コーティング膜が剥離、又は大部分が摩耗したもの(評価:×)
(6)評価試験6:
<耐薬品性>
コーティング材にオレイン酸を10g/m塗布し、80℃で24時間放置後、拭き取り外観を目視で評価した。
<評価基準>
・コーティング膜に変化が見られないもの(評価:◎)
・コーティング膜の僅かに皺を生じたもの(評価:○)
・コーティング膜の大部分に皺を生じたもの(評価:△)
・コーティング膜の一部〜大部分に溶解を生じたもの(評価:×)
(7)評価試験7:
<軟化温度>
・サンプル形状:JIS2号ダンベル
・測定荷重:断面積1cm当たり500gの荷重
・乾燥器内にサンプルをつるし上記荷重を掛け、1分間に5℃の昇温速度で加熱し、サンプルの伸び速度が変化した温度をそのサンプルの軟化点とし測定した。
(8)評価試験8:
<硬化性>
得られたPU−1〜PU−11のポリウレタン樹脂組成物用主剤各100質量部に対して硬化剤(東ソー社製コロネートHX)を5質量部添加し樹脂組成物を調製した。その樹脂組成物を離型紙上に乾燥膜厚が100μmとなるように塗布し、常温で5分間静置後、温度60℃の乾燥機中で10分、120℃で5分加熱処理を行い、続いて温度40℃の恒温槽で12時間養生を行いコーティング材を作製し、このコーティング材を用いて上記軟化温度を測定した。
<評価基準>
・測定値が完全硬化材測定値の95%以上のもの(評価:◎)
・測定値が完全硬化材測定値の85%以上95%未満のもの(評価:○)
・測定値が完全硬化材測定値の50%以上85%未満のもの(評価:△)
・測定値が完全硬化材測定値の50%未満のもの(評価:×)

Claims (5)

  1. 主剤(A)と硬化剤(B)とを含む速硬化型ポリウレタン樹脂組成物であって、主剤(A)が、ポリオール(a)と、ポリイソシアネート(b)と、鎖伸長剤(c)と、変性剤(d)との反応生成物であり、変性剤(d)が、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン−2−メタノール、N,N−ジメチルアミノヘキサノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエトキシエタノール、N,N−ジメチルアミノエトキシエタノール、N,N,N’−トリメチルアミノエチルエタノールアミン、N−メチル−N−(ジメチルアミノプロピル)アミノエタノール、及びN,N−ジメチルエタノールアミンからなる群より選ばれる少なくとも一種であることを特徴とする速硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  2. 主剤(A)と硬化剤(B)とを配合後、20℃〜80℃の環境下12時間以内に、当該硬化物の軟化温度が、当該硬化物が完全硬化した硬化物の軟化温度の85%に到達することを特徴とする請求項1に記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物。
  3. 請求項1、または2に記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物を含む接着剤。
  4. 請求項1、または2に記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物を硬化させてなるコーティング材。
  5. 請求項1、または2に記載の速硬化型ポリウレタン樹脂組成物を硬化させてなる成型体。
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