JP6364604B1 - 塗料組成物、塗膜、塗膜を備えた物品 - Google Patents

塗料組成物、塗膜、塗膜を備えた物品 Download PDF

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Abstract

【課題】塗膜に外力が加わった場合でも、粒子に起因する外観変化(艶上がり等)が抑えられ、かつ、ガソリン耐性が良好な塗膜が得られる塗料組成物を提供する。【解決手段】粒子と、塗膜形成成分とを含有する塗料組成物であって、粒子が、平均粒子径が1〜20μmの第1粒子を含み、塗膜形成成分により厚さ60μmの硬化膜を作成したとき、(i)硬化膜のガラス転移温度が30℃以上であり、かつ、(ii)硬化膜に対し、温度25℃、相対湿度50%の下、特定の条件でスクラッチ試験を行ったとき、スクラッチ試験直後の傷の長さL1が7.0mm以上であり、スクラッチ試験24時間後に残る傷の長さL2が4.0mm以下である塗料組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、塗料組成物、塗膜、塗膜を備えた物品に関する。
塗料分野においては、物品の意匠性を高める等の目的のための粒子を含む塗料組成物が種々知られている。例えば、粒子として艶消し剤を含む塗料組成物がある。艶消し剤として用いられる微粒子は、典型的には、可視光を効果的に散乱する大きさの微粒子である。具体的な艶消し剤としては、シリカ微粒子等がある。
艶消し剤を含む塗料組成物を利用して形成した塗膜を表面に備えた物品は、意匠性が高いことから、近年、消費者に好まれている。よって、艶消し剤を含む塗料組成物は、盛んに検討されるようになってきている。
例えば、特許文献1には、アクリル樹脂で被覆されたシリカ粒子の分散体(シリカ粒子の平均一次粒子径は1.0〜50μm)および架橋剤を含む、艶消し塗料組成物が開示されている。
また、特許文献2には、特定のイソシアネート系化合物と、特定のポリカーボネートジオールとを特定の割合で含み、かつ、平均粒子径が0.1〜20μmの艶消し剤を含む塗料用硬化剤組成物が開示されている。
特開2014−177598号公報 特開2010−13529号公報
上記に述べたとおり、艶消し剤等の粒子を含む塗料組成物は、近年、盛んに検討されている。
しかし、本発明者の知見によると、これまでに知られている、艶消し剤等の粒子を含む塗料組成物は、実用上、必ずしも性能が十分ではなかった。
例えば、ある公知の塗料組成物により形成された塗膜は、比較的硬い。この場合、塗膜に柔軟性が無いため、塗膜に摩擦力などの外力が加わった場合、その外力を十分吸収できない。すると、塗膜表面から粒子が脱落してしまい、外観に影響を与える場合があった。より具体的には、粒子が艶消し剤の場合、艶消し剤が塗膜表面から脱落することで、艶消し効果が低減してしまう(このことを「艶上がり」ともいう)場合があった。
一方、別の公知の塗料組成物により形成された塗膜は、比較的柔軟である。よって、外力を「吸収」し、粒子の「脱落」は抑えることができる。しかし、このような塗膜は、本発明者の知見によれば、ガソリンへの耐性が弱い傾向にあり、自動車やオートバイ向けに使いづらいという問題があった。
つまり、これまでに知られている粒子を含む塗料組成物を用いる限り、塗膜が外力を受けたときの外観変化(艶上がり等)の抑制と、ガソリン耐性との両立は困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものである。すなわち、本発明は、塗膜に外力が加わった場合でも、粒子に起因する外観変化(艶上がり等)が抑えられ、かつ、ガソリン耐性が良好な塗膜が得られる塗料組成物を提供することを目的の1つとする。
本発明者らは、上記課題を解決するための塗料組成物を、種々の観点から鋭意検討した。その検討を通じ、塗料組成物中の塗膜形成成分(粒子以外の成分)により形成された硬化膜について、そのガラス転移温度や、特定の条件でスクラッチ試験を行った際の傷の長さなどの指標が、上記課題と密接に連関していることを見出した。そして、これらの指標が一定の数値にある塗料組成物を新たに設計することにより、上記課題を達成できることを見出した。
本発明によれば、以下の塗料組成物が提供される。
「粒子と、塗膜形成成分とを含有する塗料組成物であって、
前記粒子が、平均粒子径が1〜20μmの第1粒子を含み、
当該塗膜形成成分により厚さ60μmの硬化膜を作成したとき、
(i)当該硬化膜のガラス転移温度が30℃以上であり、かつ、
(ii)当該硬化膜に対し、温度25℃、相対湿度50%の下、下記条件でスクラッチ試験を行ったとき、当該スクラッチ試験直後の傷の長さLが7.0mm以上であり、当該スクラッチ試験24時間後に残る傷の長さLが4.0mm以下であり、
前記塗膜形成成分が、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系樹脂と、ポリカプロラクトンポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群より選択される少なくともいずれかのポリオールと、イソシアネート化合物とを含む、
塗料組成物。
<条件>
・スクラッチ距離:10mm
・スクラッチ荷重:0〜0.49N
・荷重レート:0.049N/sec
・スクラッチ速度:1mm/sec
・圧子:先端径15μmのダイヤモンド圧子」
また、本発明によれば、上記の塗料組成物により形成された塗膜が提供される。
また、本発明によれば、上記の塗膜を備えた物品が提供される。
本発明によれば、塗膜に外力が加わった場合でも、粒子に起因する外観変化(艶上がり等)が抑えられ、かつ、ガソリン耐性が良好な塗膜が得られる塗料組成物を提供することができる。
以下、本発明の実施形態について、詳細に説明する。
本明細書において、数値範囲を説明する際の「a〜b」との表記は、特に断らない限り、a以上b以下のことを表す。
本明細書における基(原子団)の表記において、置換か無置換かを記していない表記は、置換基を有しないものと置換基を有するものの両方を包含するものである。例えば「アルキル基」とは、置換基を有しないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
本明細書において、「(メタ)アクリル」との表記は、アクリルおよびメタクリルの両方を包含する概念を意味する。
<塗料組成物>
本実施形態の塗料組成物は、
粒子と、塗膜形成成分とを含有する塗料組成物であって、
粒子が、平均粒子径が1〜20μmの第1粒子を含み、
塗膜形成成分により厚さ60μmの硬化膜を作成したとき、
(i)硬化膜のガラス転移温度が30℃以上であり、かつ、
(ii)硬化膜に対し、温度25℃、相対湿度50%の下、下記条件でスクラッチ試験を行ったとき、スクラッチ試験直後の傷の長さLが7.0mm以上であり、スクラッチ試験24時間後に残る傷の長さLが4.0mm以下である。
<条件>
・スクラッチ距離:10mm
・スクラッチ荷重:0〜0.49N(0〜50gf)
・荷重レート:0.049N/sec
・スクラッチ速度:1mm/sec
・圧子:先端径15μmのダイヤモンド圧子
ここで、「塗膜形成成分」とは、具体的には、塗料組成物中の、粒子(第1粒子や、後述の第2粒子)を除いた成分のことをいう。すなわち、ある塗料組成物Aのスクラッチ試験は、粒子を含まない(粒子を除いた)以外は塗料組成物Aと同様の組成物を調製し、その組成物を用いて厚さ60μmの硬化膜を形成することで行う。このようにする理由は、粒子を含む塗膜を用いてスクラッチ試験を行うと、圧子が粒子に接触して、膜そのものの特性を適切に評価することができないためである。
なお、塗膜形成成分は、遠心分離により粒子を除くことにより得てもよい。この場合、遠心分離の条件は、例えば、20℃、10000rpm、30分である。遠心分離後の上澄みを回収することで、塗膜形成成分を得ることができる。
また、塗膜形成成分は、塗料組成物をろ過して粒子を除くことで得てもよい。
本発明者らは、粒子に起因する外観変化(艶上がり等)を抑え、かつ、ガソリン耐性が良好な塗料組成物の設計について、種々の観点から検討した。その検討の中で、硬化膜のガラス転移温度、ならびに、上述の条件でスクラッチ試験を行ったときの傷の長さLおよびLが、粒子に起因する外観変化およびガソリン耐性に密接に関係していることを新たに知見した。
そして、この知見に基づき、塗膜形成成分により厚さ60μmの硬化膜を作成したときの硬化膜のガラス転移温度が30℃以上で、Lが7.0mm以上であり、かつ、Lが4.0mm以下であるように制御された塗料組成物を設計し、新たな発明を成した。
硬化膜のガラス転移温度や、L、Lが上記のように設計された塗料組成物により、塗膜に外力が加わった場合でも粒子に起因する外観変化(艶上がり等)を抑えることができ、また、良好なガソリン耐性を得ることができる。この理由は必ずしも明らかではないが、以下のように説明することができる。
まず、硬化膜のガソリン耐性は、硬化膜内部へのガソリンの「しみ込みやすさ」と関係していると考えられる。
硬化膜のガラス転移温度が低い場合は、硬化膜中の樹脂が、熱運動(ブラウン運動)しやすい。そのため、樹脂間に「すき間」が生じやすくなり、そのすき間にガソリンがしみ込んで、硬化膜がガソリンに侵されるものと考えられる。
一方、硬化膜のガラス転移温度が適度に高いと、硬化膜中の樹脂の熱運動が適度に抑制されて、樹脂間に「すき間」ができづらくなる。よって、ガソリンがしみ込みにくくなる。結果、硬化膜のガソリン耐性が向上すると考えられる。
また、「Lが7.0mm以上であり、かつ、Lが4.0mm以下である」という指標は、膜に外力が与えられたとき、膜が変形し、その後、その変形が、一定時間の経過後に復元することを意味する。
すなわち、本実施形態の塗料組成物を用いて形成した塗膜は、外力に対して変形して外力を吸収するため、塗膜表面から粒子が脱落しづらい。よって、粒子の脱落による外観変化(艶上がり等)を抑えることができる。
また、塗膜が単に柔軟なだけの場合、粒子が塗膜内部に押し込まれたまま戻らず、粒子の脱落が抑えられたとしても外観に影響を及ぼす可能性がある。しかし、本実施形態の塗料組成物を用いて形成した塗膜は、外力を吸収して変形後、その変形が、一定時間経過後に「復元する」性質を有する。このような性質(復元性)により、粒子が塗膜内部に押し込まれたままとはならない。このことによっても、外観の変化を小さくすることができる。
上記のような理由により、本実施形態の塗料組成物によれば、塗膜に外力が加わった場合でも、粒子に起因する外観変化(艶上がり等)が抑えられ、かつガソリンへの安定性を向上させることができると考えられる。
なお、LやLで規定される膜の柔軟性と、ガラス転移温度が比較的高いという性質は、一見、相反するものであるように思われる。つまり、膜を柔軟に設計すると、膜中で樹脂は比較的自由に熱運動できる(つまりガラス転移温度は低くなる)ように思われる。一方、膜のガラス転移温度を大きくし、膜中での樹脂の運動性を下げると、膜の柔軟性は低下してしまうように思われる。
しかし、本実施形態では、塗膜形成成分として用いられる各成分の種類や量、組成物の調製方法等を適切かつ慎重に選択することにより、硬化膜のガラス転移温度を30℃以上としつつ、LやLも上述の数値範囲となる塗料組成物を得ることができる。より具体的には、後述の樹脂を用いること、特に、樹脂の構造、樹脂自体のガラス転移温度、樹脂およびその他成分の配合量、後述のポリオールやイソシアネート化合物と樹脂との配合比率などを適切に選択することで、柔軟性があり、かつ、ガソリン耐性も良好な塗膜を形成することができる。
硬化膜のガラス転移温度について補足する。
本実施形態では、塗膜形成成分を用いて形成した硬化膜のガラス転移温度が30℃以上であり、30〜80℃であることが好ましく、35〜70℃であることがより好ましく、46〜65℃であることが特に好ましい。このような数値範囲とすることで、ガソリン耐性を一層高めることができ、本実施形態の塗料を車両に適用するにあたり特に望ましい。
なお、硬化膜のガラス転移温度の測定は、動的粘弾性測定により行うことができる。
スクラッチ試験について補足する。
本実施形態において、Lは、好ましくは7.0〜10mm、より好ましくは7.5〜9.5mmである。また、Lは、好ましくは0〜4.0mm、より好ましくは0〜3.8mm、さらに好ましくは0〜3.5mmである。
また、本実施形態においては、スクラッチ試験後、25℃相対湿度50%の雰囲気下で24時間置いた試験板を、60℃、相対湿度50%の雰囲気下で10分間置いたときの傷の長さLが、3.0mm以下であることが好ましく、0〜3.0mmであることがより好ましく、0〜2.0mmであることが更に好ましい。加えて、本実施形態においては、スクラッチ試験後、25℃、相対湿度50%の雰囲気下で24時間置いた試験板を、80℃、相対湿度50%の雰囲気下で10分間置いたときの傷の長さLが、2.0mm以下であることが好ましく、0〜2.0mmであることがより好ましく、0〜1.0mmであることが更に好ましい。
やLが特定の数値範囲であることにより、より一層、外観変化が起こりにくくなることが期待できる。また、万一、外力に対する塗膜の復元が不十分な場合であっても、加熱により塗膜が十分に復元し、艶上がり等の外観変化が「修復」されることが期待される。
本実施形態におけるスクラッチ試験は、試験片に圧子を接触させて、直線的・連続的に増加する荷重を圧子に加えながら、試験片(硬化膜)を一方向に一定速度で移動させるものである。
より具体的には、試験片(硬化膜)を1mm/secの一定速度で一方向に10mm動かす間に、先端径15μmのダイヤモンド圧子を、荷重0から0.049N/secの一定レートで0.49Nまで増加させながら試験片(硬化膜)に接触させるものである。
このような試験は、後述の実施例に記載の装置など、市販の装置を用いて行うことができる。
なお、Lの測定において、スクラッチ試験「直後」の傷の長さは、スクラッチ試験において、傷がつき始めた点を目視またはビデオ撮影で確認することにより行う。スクラッチ試験による傷は、時々刻々と修復され、試験後数分以内であってもある程度傷が修復する場合があるためである。
ガラス転移温度およびスクラッチ試験性能以外の硬化膜の性質等について説明する。
本実施形態では、塗膜形成成分を用いて形成した硬化膜の架橋点間分子量(g/mol)が、300〜700であることが好ましく、400〜700であることがより好ましい。この範囲とすることで、より柔軟で、外力に起因する外観変化が小さい塗膜を得られることが期待できる。
なお、架橋点間分子量は、硬化膜の粘弾性測定から、以下の式(Nielsen式)に基づき求めることができる。ここで、Mcは架橋点間分子量(g/mol)、dは塗膜密度(g/cm)、E’はゴム状領域(175℃)の貯蔵弾性率(dyn/cm)を表す。
Mc=293d/{log(E’/3)−7.0}
以下、本実施形態の塗料組成物が含むことができる成分について説明する。
(粒子)
本実施形態の塗料組成物は、平均粒子径が1〜20μmの第1粒子を含む。
この第1粒子は、特に限定されず、各種有機粒子、無機粒子、金属粒子等であってよい。また、第1粒子は、各種処理剤による表面処理、被覆処理、分散剤による分散処理等がされていてもよいし、これらの処理がされていなくてもよい。
第1粒子の形状は特に限定されないが、塗膜の均一性などを考慮すると、球状であることが好ましい。
第1粒子は、1種のみを用いてもよいし、複数種を併用してもよい。複数種の併用には、異なる素材のもの同士を併用するだけでなく、同じ素材であって平均粒子径が異なるものを併用する場合も含まれる。
本実施形態において、特に艶消しの効果を期待する場合、第1粒子の平均粒子径は1.5〜15μmであることが好ましく、2〜10μmであることがより好ましい。この数値範囲内とすることで、第1粒子が効果的に可視光を散乱または吸収し、艶消し効果を高めることができる。
なお、平均粒子径は、典型的には動的光散乱法により測定することができる。具体的には、第1粒子(艶消し剤)をメタノールにて希釈し、25℃で、Malvern Instruments Ltdの装置「ゼータサイザー」を用い、光強度分布よりキュムラント解析(ISO13321)を行い、得られたZ−Averageの値を平均粒子径とすることができる。後述する第2粒子についても同様である。
本実施形態において、第1粒子としては、無機系微粒子を好ましく用いることができる。無機系微粒子としては、シリカ、ガラス、マイカ、ゼオライト、珪藻土、グラファイト、クレー、タルク、炭酸カルシウムなどの塩類、金属、金属酸化物などが挙げられる。これらの中でも、艶消し性能の観点では、シリカが好ましい。無機系粒子の市販品としては、例えば、富士シリシア化学株式会社製の「サイロホービック」シリーズや「サイリシア」シリーズ等が挙げられる。
また、第1粒子としては、有機系微粒子を用いてもよい。有機系微粒子のうち、特に艶消し性能の観点では、例えばポリウレタン粒子、ポリエチレン粒子、ポリスチレン粒子、アクリル系樹脂粒子、ポリカーボネート粒子、ベンゾグアナミン/ホルムアルデヒド縮合物粒子、ベンゾグアナミン/メラミン/さいホルムアルデヒド縮合物粒子、尿素系樹脂粒子、ワックス粒子などを挙げることができる。有機系微粒子の市販品としては、例えば、根上工業株式会社製の「アートパール」シリーズ等が挙げられる。
本実施形態においては、塗料組成物は、主として艶消しに寄与する第1粒子に加え、主として着色(白色を含む)に寄与する第2粒子を含んでいてもよい。これにより、艶消しに優れ、また艶上がりが抑えられた、着色された物品を得ることができる。
第2粒子としては、公知の顔料を適宜用いることができる。公知の顔料として具体的には、例えば、チタン白(酸化チタン)、亜鉛華、鉛白、塩基性硫酸鉛、硫酸鉛、リトポン、硫化亜鉛、アンチモン白などの白色顔料;カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、ボーンブラック、黒鉛、鉄黒、アニリンブラックなどの黒色顔料;ナフトールエローS、ハンザエロー、ピグメントエローL、ベンジジンエロー、パーマネントエローなどの黄色顔料;クロムオレンジ、クロムバーミリオン、パーマネントオレンジなどの橙色顔料;酸化鉄、アンバーなどの褐色顔料;ベンガラ、鉛丹、パーマネントレッド、キナクリドン系赤顔料などの赤色顔料;コバルト紫、ファストバイオレット、メチルバイオレットレーキなどの紫色顔料、群青、紺青、コバルトブルー、フタロシアニンブルー、インジゴなどの青色顔料;クロムグリーン、ピグメントグリーンB、フタロシアニングリーンなどの緑色顔料などが挙げられるが、これらのみに限定されるものでもない。
第2粒子子の平均粒子径は、好ましくは0.01〜0.9μmであり、より好ましくは0.1〜0.9μmである。
本実施形態の塗料組成物は、2種以上の第2粒子を含んでいてもよい。
塗料組成物中における粒子の量(複数種の粒子を含む場合はその合計量)は、塗料組成物中の不揮発成分の全量を基準として、通常1〜50質量%、好ましくは2〜45質量%、より好ましくは3〜40質量%である。また、塗料組成物が樹脂を含む場合には、粒子の量は、樹脂100質量部に対して通常5〜150質量部、好ましくは10〜140質量部、より好ましくは20〜130質量部である。この数値範囲とすることで、粒子に期待される性能(着色、艶消し等)と、外力による粒子の脱落防止等の性能とをより高度に両立することができる。
なお、塗料組成物中が、第1粒子と第2粒子の両方を含む場合、粒子の全量に対する第1粒子の割合は、25〜99質量%であることが好ましく、30〜98質量%であることが好ましい。この割合とすることで、第1粒子の効果(艶消し)を十分得ることができると考えられる。
(樹脂)
本実施形態の塗料組成物は、樹脂を含むことが好ましい。なお、樹脂は、前述の「塗膜形成成分」に包含される。
樹脂は、塗膜の形成、塗膜の密着性向上等のために用いられる。樹脂は特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、シリコン樹脂、フッ素樹脂、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂、塩化ビニル樹脂、ポリウレタン樹脂などを挙げることができる。
また、樹脂がコポリマーである場合、その態様は、ランダム、ブロック、グラフト等のいずれであってもよい。
樹脂は、(メタ)アクリル樹脂またはポリエステル樹脂を含むことが好ましく、(メタ)アクリル樹脂を含むことがより好ましい。これにより、塗膜の耐久性の向上や、前述のガソリン耐性の向上等への寄与が期待できる。
なお、本明細書において、(メタ)アクリル樹脂とは、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルのモノマーに由来する構造単位を含む樹脂(高分子)を意味する。すなわち、(メタ)アクリル樹脂は、(メタ)アクリル系ではないモノマーに由来する構造単位を一部含んでいてもよい。ただし、(メタ)アクリル構造に由来する効果を十二分に得る観点では、(メタ)アクリル樹脂は、好ましくは、全構造単位の50質量%以上(より好ましくは、全構造単位の80質量%以上)が、(メタ)アクリル酸および/または(メタ)アクリル酸エステルのモノマーに由来する構造単位である。
(メタ)アクリル樹脂は、例えば、(メタ)アクリル系モノマーの単独重合体、または(メタ)アクリル系モノマーと他のエチレン性不飽和モノマーとの共重合体などであってよい。
他のエチレン性不飽和モノマーとしては、特に限定されないが、例えば、スチレン、α−メチルスチレン等のスチレン系モノマー、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニル系モノマー、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸等の不飽和カルボン酸モノマーなどが挙げられる。
また、別観点として、樹脂は、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリエーテルからなる群より選択される少なくともいずれかの部分構造を有することが好ましい。これらの化学構造は、適度に柔軟で弾力性を有しているため、塗膜の柔軟性・弾力性を高めることができる。よって、外力の吸収や復元性の点で望ましい。
なお、これらの部分構造は、樹脂の側鎖に存在してもよいし、樹脂の主鎖に存在してもよいし、その両方であってもよい。樹脂が(メタ)アクリル樹脂である場合には、これらの部分構造は、樹脂の側鎖に存在することが好ましい。
上記の部分構造についてより具体的に説明すると、樹脂は、以下のいずれかで表される部分構造を有することが好ましい。
Figure 0006364604
上記の一般式(1)〜(5)のそれぞれにおいて、
Xは、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
X’は、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
nは、1以上の整数である。好ましくは1〜10、より好ましくは2〜8である。
さらに別の観点として、樹脂は、ヒドロキシ基を有することが好ましい。樹脂がヒドロキシ基を有する場合、後述のイソシアネート化合物と反応し、架橋構造を形成することができる。そうすると、ガソリン耐性の良化等が期待できる。
より具体的には、樹脂は、その水酸基価が、50mgKOH/g以上であることが好ましく、55〜180mgKOH/gであることがより好ましく、60〜150mgKOH/gであることがさらに好ましい。
この数値範囲とすることで、後述のイソシアネート化合物と樹脂とが適度に反応し、架橋構造が適切に制御される。そのため、塗膜の柔軟性・弾力性を維持しつつ塗膜のガラス転移温度を高くすることができる。よって、塗膜に外力が加わった場合の外観変化の抑制と、ガソリン耐性とのより高度な両立が図れると考えられる。
なお、水酸基価とは、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数のことである。
樹脂が(メタ)アクリル樹脂である場合についてより詳しく説明する。
(メタ)アクリル樹脂の構成単位となる(メタ)アクリル系モノマーとしては、一般式CH=CR−COO−R’で表されるものが好ましい。ここで、Rは水素原子またはメチル基、R’は水素原子または一価の有機基である。R’の一価の有機基としては、好ましくはアルキル基、単環または多環のシクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基であり、これら基はさらに置換基を有していてもよい。
(メタ)アクリル系モノマーとして、より具体的には、以下の(i)〜(iv)のものが好ましく挙げられる。なお、(メタ)アクリル系モノマーは、例えば、(i)に該当するものの中から2種以上が選択されてもよい。
(i)一般式CH=CR−COO−R’において、R’が一価の有機基であり、その有機基が、アルキル基、単環または多環のシクロアルキル基、アリール基、またはアラルキル基であるモノマー。
この具体例としては、たとえば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、n−ラウリル(メタ)アクリレート、n−ステアリル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらの中でも、特に、R’が炭素数1〜3のアルキル基であるもの(メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート等)は、塗膜の適度な柔軟性に寄与すると考えられる。よって、外力に起因する塗膜の外観変化の低減と、ガソリン耐性との高度な両立の観点から望ましい。
樹脂が、このモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全構造単位に対して、好ましくは20〜80質量%、より好ましくは30〜70質量%、更に好ましくは40〜60質量%である。
(ii)一般式CH=CR−COO−R’において、R’の一価の有機基が、ヒドロキシ基等の極性基で置換されたモノマー。
この具体例としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
樹脂が、このモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全構造単位に対して、好ましくは1〜25質量%、より好ましくは3〜20質量%、さらに好ましくは3〜17質量%である。
(iii)一般式CH=CR−COO−R’において、R’が、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリエーテルからなる群より選択される少なくともいずれかの部分構造を含むモノマー。
この具体例としては、株式会社ダイセルの商品名「プラクセルF」シリーズや、エチレンオキシド付加モル数3〜20のメトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、等が挙げられる。
上記(iii)のモノマーに由来する構造単位を含む樹脂は、塗膜に外力が加わった場合の外観変化の抑制と、ガソリン耐性とのより高度な両立の点で、特に好ましいと考えられる。
具体的には、R’が含むポリカプロラクトン等の柔軟な化学骨格が塗膜の柔軟性・弾力性の向上に寄与する一方、(メタ)アクリルの主鎖骨格により塗膜のガラス転移温度が小さくなりすぎることがない。これらが相まって、柔軟性・弾力性がありつつも、ガラス転移温度がある程度高い樹脂が得られる。結果として、塗膜に外力が加わった場合の外観変化の抑制と、ガソリン耐性とのより高度な両立が図れると考えられる。
樹脂が、このモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全構造単位に対して、好ましくは1〜60質量%、より好ましくは3〜55質量%である。特に、塗料組成物が、後述のポリオールを含有しない場合には、このモノマーに由来する構造単位の含有量は、樹脂の全構造単位に対して40〜60質量%であることが好ましい。
このモノマーに由来する構造単位の含有量を適切に調整することで、粒子に起因する外観変化が抑えられる効果と、ガソリン耐性とを一層高度に両立させることが可能になると考えられる。
(iv)一般式CH=CR−COO−R’において、R’が水素原子であるモノマー。
この具体例としては、(メタ)アクリル酸が挙げられる。
樹脂が、このモノマーに由来する構造単位を含む場合、その含有量は、樹脂の全構造単位に対して、好ましくは1〜10質量%、より好ましくは1〜5質量%である。
樹脂の製造方法は、特に限定されず、公知の方法を適宜適用可能である。例えば、樹脂が、(メタ)アクリル樹脂である場合は、重合反応により製造することが好ましく、ラジカル重合により製造することがより好ましい。また、重合は、溶液重合、懸濁重合、および乳化重合などの公知の方法のいずれであってもよい。これらのうち、重合の精密な制御等の観点から、溶液重合が好ましい。
ラジカル重合の重合開始剤としては、公知のものを用いることができる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリル、2,2−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)、および2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などのアゾ系開始剤、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシオクタノエート、ジイソブチルパーオキサイド、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシピバレート、デカノイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、およびt−ブチルパーオキシベンゾエートなどの過酸化物系開始剤、過酸化水素と鉄(II)塩、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムなど、酸化剤と還元剤とを組み合わせたレドックス系開始剤などが挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合開始剤の配合量は、特に限定されないが、重合するモノマーの混合液全体を100質量部とした場合に、0.001〜10質量部とすることが好ましい。
また、重合反応に際しては、適宜、公知の連鎖移動剤、重合禁止剤、分子量調整剤などを用いてもよい。さらに、重合反応は、1段階で行ってもよいし、2段階以上で行ってもよい。重合反応の温度は特に限定されないが、典型的には50℃〜200℃、好ましくは80℃〜150℃の範囲内である。
樹脂の多分散度(重量平均分子量Mw/数平均分子量Mn)は、1以上7以下であることが好ましく、1.5以上5以下であることがより好ましい。この上限値以下とすることにより、良好な塗膜を形成できる。また、この下限値以上とすることにより、塗布作業を良好にできる。
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5000〜50000であることが好ましく、7000〜40000であることがより好ましく、10000〜30000であることがさらに好ましい。
この下限値以上とすることで、塗膜の基板への密着性を良好にできる。また、この上限値以下とすることで、塗膜中に気泡が発生することなどが抑制され、良好な塗膜が得られる。
(メタ)アクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、重合反応時間、反応温度、重合開始剤の使用量などの条件により調節することができる。
なお、数平均分子量Mnおよび重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)法により、標準ポリスチレン換算で測定することができる。
樹脂のガラス転移温度は、好ましくは0〜70℃、より好ましくは5〜60℃である。
なお、樹脂がコポリマーである場合、そのガラス転移温度は、種々の方法で求めることが可能であるが、例えば以下のフォックス(Fox)の式に基づいて求めることができる。
1/Tg=(W/Tg)+(W/Tg)+(W/Tg)+・・・+(W/Tg
〔式中、Tgは、樹脂のガラス転移温度(K)、W、W、W・・・Wは、それぞれのモノマーの質量分率、Tg、Tg、Tg・・・Tgは、それぞれ各モノマーの質量分率に対応するモノマーからなる単独重合体のガラス転移温度(K)を示す。〕
本明細書において、樹脂のガラス転移温度(塗膜のガラス転移温度ではなく、樹脂単独のガラス転移温度)は、上記式に基づいて求められたガラス転移温度を意味する。なお、特殊モノマー、多官能モノマーなどのようにガラス転移温度が不明のモノマーについては、ガラス転移温度が判明しているモノマーのみを用いてガラス転移温度が求められる。
塗料組成物中の樹脂の含有量は、塗料組成物中の不揮発成分の全量を基準として、10質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であることがより好ましい。一方、樹脂の含有量は、塗料組成物中の不揮発成分の全量を基準として、90質量%以下であることが好ましく、80質量%以下であることがより好ましい。この量は、塗料の取扱性、塗工性などから適宜決定される。
(ポリオール)
本実施形態の塗料組成物は、ポリオール、すなわち、1分子中にヒドロキシ基を2以上有する化合物を含むことが好ましい。ポリオールは、後述のイソシアネート化合物と反応することができる。そして、塗膜を硬化させることができる。なお、ポリオールは、上述の「塗膜形成成分」に包含されるものである。
ポリオールが1分子中に有するヒドロキシ基の個数は、通常2以上、好ましくは2〜6、より好ましくは2〜4である。
ポリオールは、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールからなる群より選択される少なくともいずれかのポリオールを含むことが好ましい。これらの化学構造は、適度に柔軟で、かつ弾力性を有している。このため、塗膜の柔軟性・弾力性をより高めることができる。よって、外力の吸収の点で望ましい。
ポリカプロラクトンポリオールは、一分子中に、カプロラクトンの開環構造および2以上のヒドロキシ基を有する化合物であれば特に制限なく使用可能であるが、具体的には、以下の一般式(P−1)〜(P−3)のいずれかで表されるポリオールが挙げられる。
Figure 0006364604
一般式(P−1)において、
Rは、2価の有機基を表す。2価の有機基としては、例えば、−CH−や−C−などの直鎖アルキレン基、−CH−C(CH−CH−などの分岐アルキレン基、−C−O−C−などのエーテル含有基、などが挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。mおよびnは、それぞれ、2〜20の整数であることが好ましい。また、mとnの和が4〜35であることが好ましい。
一般式(P−2)において、
Rは、3価の有機基を表す。3価の有機基としては、例えば、直鎖または分岐アルカンから水素原子を3つ取り除いた構造などが挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
l、mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。l、mおよびnは、それぞれ、2〜20の整数であることが好ましい。また、l、mおよびnの和が3〜40であることが好ましい。
一般式(P−3)において、
Rは、4価の有機基を表す。4価の有機基としては、例えば、直鎖または分岐アルカンから水素原子を4つ取り除いた構造などが挙げられる。
Xは、それぞれ独立に、直鎖または分岐のアルキレン基である。このアルキレン基の炭素数は、好ましくは3〜7、より好ましくは4〜6である。
k、l、mおよびnは、それぞれ独立に、1以上の整数を表す。k、l、mおよびnは、それぞれ、2〜20の整数であることが好ましい。また、k、l、mおよびnの和が4〜50であることが好ましい。
ポリカプロラクトンポリオールの市販品としては、例えば、株式会社ダイセルの、プラクセル200シリーズ、プラクセル300シリーズ、プラクセル400シリーズなどの商品名のものが利用可能である。
ポリカーボネートポリオールは、一分子中に、−O−(C=O)−O−で表されるカーボネート基および2以上のヒドロキシ基を有する化合物であれば、特に制限なく使用可能である。
ポリカーボネートポリオールは、1種以上のポリオール原料(多価アルコール)と、炭酸エステルやホスゲンとを反応させることにより得ることができる。
ポリオール原料としては、特に制限されないが、例えば、脂肪族ポリオール、脂環構造を有するポリオール、芳香族ポリオール等が挙げられる。本実施形態においては、塗膜の柔軟性の観点から、脂環構脂を有しない脂肪族ポリオールが好ましい。
炭酸エステルとしては、例えば、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等の脂肪族炭酸エステル、ジフェニルカーボネート等の芳香族炭酸エステル、エチレンカーボネート等の環状炭酸エステルが挙げられる。中でも、入手や製造のしやすさから、脂肪族炭酸エステルが好ましく、ジメチルカーボネートが特に好ましい。
ポリカーボネートポリオールの市販品としては、例えば、旭化成株式会社製のデュラノール(商品名)シリーズ等が利用可能である。
ポリエステルポリオールは、一分子中に、エステル基(−COO−または−OCO−)および2以上のヒドロキシ基を有する化合物であれば特に制限なく使用可能である。
ポリエステルポリオールは、1種以上のポリオール原料(多価アルコール)と、ポリカルボン酸又はそのエステル、無水物、ハライド等のエステル形成性化合物との反応により得ることができる。
ポリオール原料は特に制限されず、上記のポリカーボネートポリオールの原料と同様のポリオール原料を挙げることができる。
ポリカルボン酸又はそのエステル、無水物、ハライド等のエステル形成性化合物についても特に制限されず、脂肪族ジカルボン酸化合物、芳香族ジカルボン酸化合物、脂環式ジカルボン酸化合物、トリカルボン酸化合物等の多価カルボン酸、これらのポリカルボン酸の酸無水物、ハライド、低級エステル化合物等を挙げることができる。
ポリエーテルポリオールは、一分子中に、エーテル結合(−O−)および2以上のヒドロキシ基を有する化合物であれば特に制限なく使用可能である。
具体的な化合物としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、エチレンオキシドとプロピレンオキシド、エチレンオキシドとブチレンオキシドとのランダム共重合体やブロック共重合体等が挙げられる。
なお、本実施形態において、ポリオールは、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールのうち、複数に該当する化合物であってもよい。例えば、ポリオールは、エーテル結合とエステル結合とを有するポリエーテルポリエステルポリオール等であってもよい。
ポリオールの分子量は、例えばカタログ値において、好ましくは300〜3000、より好ましくは500〜2000である。適度な分子量とすることで、柔軟性・弾力性向上による塗膜の外観変化の抑制と、ガソリン耐性等の塗膜の耐久性とのより高度な両立が期待できる。
ポリオールの水酸基価は、好ましくは50〜300mgKOH/g、より好ましくは100〜250mgKOH/gである。適度な水酸基の量とすることで、下記のイソシアネート化合物との反応による架橋構造が制御され、塗膜の柔軟性・弾力性等を一層高めることが期待できる。
塗料組成物中のポリオールの含有量は、塗料組成物中の不揮発成分の全量を基準として、通常10〜80質量%、好ましくは15〜75質量%、より好ましくは20〜70質量%である。また、塗料組成物が樹脂を含む場合には、ポリオールの量は、樹脂100質量部に対して通常10〜200質量部、好ましくは15〜180質量部、より好ましくは20〜150質量部である。この数値範囲とすることで、ポリオールに由来する性能を十分得ることができるとともに、他成分とのバランスを取ることもできる。
(イソシアネート化合物)
本実施形態の塗料組成物は、イソシアネート化合物を含むことが好ましい。
イソシアネート化合物は、塗料組成物が前述の樹脂を含み、その樹脂がヒドロキシ基を含む場合にはその樹脂のヒドロキシ基と反応することができる。また、塗料組成物が前述のポリオールを含む場合には、ポリオールのヒドロキシ基と反応することができる。
イソシアネート化合物は、上述の「塗膜形成成分」に包含されるものである。
イソシアネート化合物は、多官能であること、すなわち、1分子中に2以上のイソシアネート基(脱離性基で保護されたイソシアネート基を含む)を有する化合物であることが好ましい。より好ましくは、イソシアネート化合物は、官能基数は、より好ましくは1分子あたり2〜6個、更に好ましくは1分子あたり2〜4個である。
単官能イソシアネート化合物としては、メチルイソシアネート、ブチルイソシアネート、ヘキシルイソシアネート及びオクチルイソシアネート等の脂肪族イソシアネート、シクロヘキシルイソシアネート及び4−メチルシクロヘキシルイソシアネート等の環状脂肪族イソシアネート、並びに、フェニルイソシアネート、ベンジルイシアネート及びナフチルイソシアネート等の芳香族イソシアネートが挙げられる。
多官能イソシアネート化合物としては、リジンイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート及びトリメチルヘキサンジイソシアネート等の脂肪族ジイソシアネート、水素添加キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、メチルシクロヘキサン−2,4−(又は2,6)−ジイソシアネート、4,4’−メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート)及び1,3−(イソシアナトメチル)シクロヘキサン等の環状脂肪族ジイソシアネート、並びに、リジントリイソシアネート等の3官能以上のイソシアネートが挙げられる。イソシアネート化合物の多量体であるイソシアヌレート及びビウレット型付加物、さらにはイソシアネート化合物を多価アルコール又は低分子量ポリエステル樹脂に付加したものをイソシアネート化合物として用いることもできる。
なお、イソシアネート化合物としては、ビウレット型、イソシアヌレート型、アダクト型などが知られている。本実施形態においては、いずれも用いることができるが、中でも、イソシアヌレート型のイソシアネート化合物、すなわち、イソシアヌル酸の環状骨格を有する多官能イソシアネートを用いることが好ましい。
イソシアネート化合物は、いわゆるブロックイソシアネートであってもよい。換言すると、イソシアネート化合物のイソシアネート基の一部又は全部は、保護基によりブロックされた、ブロックイソシアネート基の形態であってもよい。例えば、アルコール系、フェノール系、ラクタム系、オキシム系、及び活性メチレン系などの活性水素化合物によってイソシアネート基がブロックされてブロックイソシアネート基が形成される。特に、本実施形態の塗料組成物が1液系である場合は、保存性(経時安定性)の観点から、ブロックイソシアネート基を有するイソシアネート化合物が好ましい。
イソシアネート化合物の市販品としては、例えば、旭化成株式会社製のデュラネート(商品名)シリーズを用いることができる。
塗料組成物中におけるイソシアネート化合物の含有量は、塗料組成物中の不揮発成分の全量を基準として、通常10〜80質量%、好ましくは15〜75質量%、より好ましくは20〜70質量%である。また、塗料組成物が樹脂を含む場合には、イソシアネート化合物の量は、樹脂100質量部に対して通常20〜200質量部、好ましくは25〜180質量部、より好ましくは30〜150質量部である。この数値範囲とすることで、塗膜内で必要十分な架橋がなされると考えらえる。結果、柔軟性・復元性に優れ、塗膜に外力が加わった場合の外観変化が一層低減された塗膜が得られると考えられる。
(その他成分)
本実施形態の塗料組成物は、必要に応じて、他の成分を更に含んでもよい。例えば、紫外線硬化樹脂、光開始剤、硬化促進剤(硬化触媒等)、レベリング剤、紫外線吸収剤、光安定剤などを含んでもよい。なお、これらは、前述の「塗膜形成成分」に包含される。
(溶剤)
本実施形態の塗料組成物は、典型的には、各成分を溶剤に溶解または分散させた状態で用いる。
溶剤は、一態様として有機溶剤である。有機溶剤の例としては、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブタノール、イソブタノール等のアルコール系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤等が挙げられる。
溶剤の使用量は、特に限定されないが、固形分(不揮発成分)の濃度が、例えば5〜60質量%、好ましくは10〜50質量%となるような量で用いることができる。
(各成分の比率など)
本実施形態の塗料組成物は、各成分の量比を適切に調整することで、塗膜の柔軟性・弾力性を一層向上させ、外観変化の抑制や、外力による変形の回復の効果を一層得ることが期待できる。
特に本実施形態においては、組成物中のヒドロキシ基の量と、イソシアネート基の量比を適切に調整することが、最終的に得られる塗膜の物性(柔軟性、弾力性)をより良化させるために重要である。
具体的には、樹脂およびポリオールが有するヒドロキシ基に対する、イソシアネート化合物が含有するイソシアネート基(ブロックイソシアネート基を含む)のモル量(すなわち、当量比)は、好ましくは0.5〜1.5、より好ましくは0.7〜1.3、さらに好ましくは0.8〜1.2である。
また、本実施形態において、樹脂とポリオールをあわせた成分(樹脂とポリオールの均一な混合物)の水酸基価は、好ましくは100〜195mgKOH/g、より好ましくは110〜190mgKOH/gである。この範囲とすることで、外力による外観変化(艶上がり等)をより効果的に抑えることができる。
(組成物の形態)
本実施形態の塗料組成物は、1液系、すなわち、溶剤以外の全成分が、溶剤に実質的に均一に混合(溶解または分散)された状態であってよい。
イソシアネート化合物がブロックイソシアネートである場合には、1液系が好ましい。
また、別の態様として、本実施形態の塗料組成物は、2液系であってもよい。2液系にすることで、塗料組成物の保存性を高めることができる。
例えば、本実施形態の塗料組成物は、(1)樹脂および/またはポリオールを含み、イソシアネート化合物を含まないA液と、(2)イソシアネート化合物を含み、樹脂およびポリオールを含まないB液とから構成され、A液とB液は別々の容器で保存され、使用(塗工)直前にA液とB液を混合する形態であってもよい。この場合、粒子は、A液に含まれていても、B液に含まれていても、あるいはその他の容器で準備されていてもよい。
特に、イソシアネート化合物が、ブロックイソシアネートではない場合(すなわち、系中でイソシアネート基が−NCOの形で存在している場合)には、塗料組成物は2液系であることが望ましい。
<塗膜、塗膜を備えた物品>
本実施形態の塗膜は、典型的には、上記の各成分を溶媒に溶解または分散させた塗料組成物(2液系の場合は、2液を混合したもの)を、対象物(被塗物)の一部または全部に塗工することで得ることができる。
塗工方法は特に限定されず、例えばエアレススプレー法、エアスプレー法、静電塗装法、ロールコーター法、フローコーター法、スピンコート法、浸漬法などが挙げられる。
塗工後、20〜160℃で10〜120分間、好ましくは60〜120℃で20〜90分間硬化し、そして常温で放冷することで、最終的な塗膜を得ることができる。なお、硬化の温度や時間は、対象物(被塗物)の耐熱性などを踏まえて適宜調整してよい。
対象物(被塗物)の物品は、特に限定されないが、例えば、以下のような物品が挙げられる。
・携帯電話、スマートフォン、パソコン、パソコン周辺機器(キーボード、プリンタ、外付けディスク等)、腕時計、オーディオ機器、各種OA機器等の電気・電子機器。
・冷蔵庫、掃除機、電子レンジ等の家電製品。
・階段、床、机、椅子、タンス、その他の家具等の木工製品。
・自動車やオートバイ等の車両またはその部品:より具体的には、車両のボディ、内装品(メーターパネル、ダッシュボード、ハンドル等)、バンパー、スポイラー、ドアノブ、ヘッドライト、テールライト、アルミホイール、オートバイのガソリンタンク等。
なお、対象物(被塗物)には、塗工前に、脱脂や表面処理等を施してもよい。さらに、密着性向上等のために下塗り等を行ってもよい。
また、本実施形態においては、合成樹脂製のフィルム上に塗膜を形成し、形成された塗膜を、当該フィルムごと物品に貼りつけるなどして、塗膜を有する物品を得てもよい。
さらに、本実施形態においては、合成樹脂製のフィルムに塗膜を形成後、適当な転写プロセスにより、フィルム状に形成された塗膜を物品に転写後、フィルムを剥がして、塗膜を有する物品を得てもよい。
塗膜は、最終的な膜厚が、10〜200μmであることが好ましく、30〜150μmであることがより好ましい。膜厚を適切に調整することで、良好な外観と、膜としての柔軟性・弾力性をより高度に両立することが期待できる。
本実施形態において、艶消しを目的に塗膜を形成する場合、塗膜の60度鏡面光沢度は、典型的には70以下、好ましくは0〜60、より好ましくは3〜50である。なお、60度鏡面光沢度の測定方法は、JIS K 5600の「第4部:塗膜の視覚特性−第7節:鏡面光沢度」に準じて行うことができる。
後述の実施例に記載の測定方法を参照されたい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することができる。また、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれる。
本発明の参考形態を以下に付記する。
1.
粒子と、塗膜形成成分とを含有する塗料組成物であって、
前記粒子が、平均粒子径が1〜20μmの第1粒子を含み、
当該塗膜形成成分により厚さ60μmの硬化膜を作成したとき、
(i)当該硬化膜のガラス転移温度が30℃以上であり、かつ、
(ii)当該硬化膜に対し、温度25℃、相対湿度50%の下、下記条件でスクラッチ試験を行ったとき、当該スクラッチ試験直後の傷の長さL1が7.0mm以上であり、当該スクラッチ試験24時間後に残る傷の長さL2が4.0mm以下である
塗料組成物。
<条件>
・スクラッチ距離:10mm
・スクラッチ荷重:0〜0.49N
・荷重レート:0.049N/sec
・スクラッチ速度:1mm/sec
・圧子:先端径15μmのダイヤモンド圧子
2.
1.に記載の塗料組成物であって、
前記塗膜形成成分が、樹脂を含む塗料組成物。
3.
2.に記載の塗料組成物であって、
前記樹脂が、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリエーテルからなる群より選択される少なくともいずれかの部分構造を有する樹脂を含む塗料組成物。
4.
2.または3.に記載の塗料組成物であって、
前記樹脂が、(メタ)アクリル系樹脂を含む塗料組成物。
5.
1.〜4.のいずれか1つに記載の塗料組成物であって、
前記塗膜形成成分が、ポリオールと、イソシアネート化合物とを含む塗料組成物。
6.
5.に記載の塗料組成物であって、
前記ポリオールが、ポリカプロラクトンポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエステルポリオールおよびポリエーテルポリオールからなる群より選択される少なくともいずれかのポリオールを含む塗料組成物。
7.
1.〜6.のいずれか1つに記載の塗料組成物であって、
前記塗料組成物を硬化させて得られる、厚さ50μmの塗膜の60度鏡面光沢度が、70以下である塗料組成物。
8.
1.〜7.のいずれか1つに記載の塗料組成物により形成された塗膜。
9.
8.の塗膜を備えた物品。
10.
8.の塗膜を備えた車両。
本発明の実施態様を、実施例および比較例に基づき詳細に説明する。なお、本発明は実施例に限定されるものではない。
<樹脂(A−1)の合成>
撹拌基、温度計、コンデンサーおよび窒素ガス同入管を備えた500ml形のフラスコにメチルイソブチルケトン100質量部を仕込み、110℃まで昇温した。
これとは別に、メチルメタクリレート(MMA)49質量部、n−ブチルメタクリレート(BMA)30質量部、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(株式会社ダイセル製 プラクセルFA2D)5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)15質量部、メタクリル酸(MAA)1質量部、および、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)(和光純薬工業株式会社製、V−40)3質量部を混合した。この混合モノマーを2時間かけて、上記の500ml形のフラスコに滴下し、5時間反応させた。加熱を止めて室温まで冷却し、(メタ)アクリル系の樹脂(A−1)を含む樹脂溶液(固形分比率:約50質量%)を得た。
得られた樹脂(A−1)の水酸基価、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)は、後掲の表1に示すとおりであった。また、前述のフォックス(Fox)の式に基づいて、使用したモノマーの配合比から計算した樹脂(A−1)のガラス転移温度(Tg)は58℃であった。
<樹脂(A−2)〜(A−13)の合成>
後掲の表1、表2および表3に記載の配合比(数値は、質量部である)に従ってモノマーを準備し、合成例1と同様の方法で、(メタ)アクリル系の樹脂(A−2)〜(A−13)を含む樹脂組成物(固形分比率:約50質量%)を得た。各樹脂のガラス転移温度(計算値)、水酸基価、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)は、各表に示すとおりであった。
なお、各表中、プラクセルFA2D、プラクセルFA5およびプラクセルFM2は、それぞれ以下のモノマーである。
プラクセルFA2D:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(カプロラクトン2モル付加物、分子量344、水酸基価163mgKOH/g)
プラクセルFA5:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルアクリレート(カプロラクトン5モル付加物、分子量689、水酸基価74〜84mgKOH/g)
プラクセルFM2:株式会社ダイセル製、ポリカプロラクトン変性ヒドロキシエチルメタクリレート(カプロラクトン2モル付加物、分子量358、水酸基価150〜160mgKOH/g)
ここで、得られた各樹脂の水酸基価、数平均分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)および多分散度(Mw/Mn)は、以下の方法により求めた。
<水酸基価>
JIS K 0070「化学製品の酸価,けん化価,エステル価,よう素価,水酸基価及び不けん化物の試験方法」の、「7.1 中和滴定法」に規定された方法に準じて測定および算出した。
なお、水酸基価の算出に際しては、酸価の値も必要である。酸価の値についても、同JIS規格の「3.1 中和滴定法」に規定された方法に準じて測定および算出した。
<数平均分子量、重量平均分子量、多分散度>
ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定、算出した。用いた装置、条件等は以下の通りである。
使用機器:HLC8220GPC(株式会社東ソー製)
使用カラム:TSKgel SuperHZM−M、TSKgel GMHXL−H、TSKgel G2500HXL、TSKgel G5000HXL(株式会社東ソー製)
カラム温度:40℃
標準物質:TSKgel 標準ポリスチレンA1000、A2500、A5000、F1、F2、F4、F10(株式会社東ソー製)
検出器:RI(示差屈折)検出器
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:1ml/min
<実施例1〜23、比較例1〜7および参考例1〜3>
上記で得た樹脂、および、表1、表2および表3に示すその他の材料(ポリオール、イソシアネート化合物、粒子)を、各表に示す量(単位:質量部)で混合した。そして、酢酸ブチルで固形分濃度を調整し、固形分30質量%の塗料組成物を調製した。
なお、各表において、樹脂の量は、樹脂溶液(固形分比率:約50質量%)としての量ではなく、樹脂溶液中に含まれる樹脂(固形分)の量を表す。
また、各表において、「樹脂とポリオールの水酸基価」とあるのは、樹脂とポリオールを、各実施例で示された量で均一に混合したときの混合物の水酸基価の測定値のことである。
各表中の化合物のうち、樹脂以外についての情報は以下の通りである。
(ポリオール)
ポリカプロラクトンテトラオール:株式会社ダイセル製、プラクセル410D(分子量1000、水酸基価216〜232mgKOH/g)
ポリカプロラクトントリオール:株式会社ダイセル製、プラクセル308(分子量850、水酸基価190〜200mgKOH/g)
ポリカプロラクトンジオール:株式会社ダイセル製、プラクセル208(分子量830、水酸基価130〜140mgKOH/g)
カーボネートジオール:旭化成株式会社製、デュラノールT5650J(分子量800、水酸基価130〜150mgKOH/g)
(イソシアネート化合物)
TPA−100:旭化成株式会社製、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレートタイプ(イソシアネート基含有率23質量%、固形分100質量%)
(粒子(第1粒子、艶消し剤))
サイロホービック100:富士シリシア化学株式会社製のシリカビーズ、平均粒子径:2.7μm
サイロホービック200:富士シリシア化学株式会社製のシリカビーズ、平均粒子径:4μm
サイリシア450:富士シリシア化学株式会社製のシリカビーズ、平均粒子径:8μm
アートパールC−800:根上工業株式会社製の架橋ウレタンビーズ、平均粒子径:6μm
(粒子(第2粒子、顔料))
カーボンブラック:コロンビアカーボン社製、品番:RAVEN 5000 ULTRA II、平均粒子径:0.25μm
酸化チタン:石原産業株式会社製、品番:CR−95、平均粒子径:0.25μm
なお、上記の「平均粒子径」は、各粒子をメタノールで濃度0.1質量%に希釈(分散)したサンプルを、25℃で動的光散乱測定することで求めた。装置は、マルバーン社製の装置「Zetasizer Nano ZS」を用いた。光強度分布よりキュムラント解析(ISO13321)を行い、得られたZ−Averageの値を平均粒子径とした。
<塗膜形成成分による硬化膜の作製>
粒子を含まない以外は、各実施例、比較例または参考例と同様の組成物を調製した。これら組成物を、それぞれ、厚さ100μmの易接着ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡株式会社製、コスモシャインA4300)にスプレー塗装し、80℃、60分の条件で硬化させ、その後室温で放冷した。これにより、塗膜形成成分による硬化膜(膜厚60μm、粒子を含まない)を得た。
<スクラッチ試験>
25℃、相対湿度50%の雰囲気下、株式会社井本製作所製の連続荷重引掻き試験機(型番:900A)の試料台に、上記で得た膜厚60μmの硬化膜(粒子を含まない)を置いた。そして、以下の条件で塗面を引っ掻いてスクラッチ試験を行った。この試験直後の傷の長さL(mm)、および、スクラッチ試験を行った硬化膜を、25℃、相対湿度50%の雰囲気下に24時間静置した後に残る傷の長さL(mm)を測定した。また、スクラッチ試験後、25℃、相対湿度50%の雰囲気下に24時間置いた試験板を、60℃、相対湿度50%の雰囲気下に10分間置いたときの傷の長さLと、スクラッチ試験後、25℃、相対湿度50%の雰囲気下に24時間置いた試験板を、80℃、相対湿度50%の雰囲気下に10分間置いたときの傷の長さLも測定した。
(条件)
・スクラッチ距離:10mm
・スクラッチ荷重:0〜0.49N(0〜50gf)
・荷重レート:0.049N/sec
・スクラッチ速度:1mm/sec
・圧子:先端径15μmのダイヤモンド圧子
<硬化膜のガラス転移温度、および、架橋点間分子量>
上記で得た膜厚60μmの硬化膜(粒子を含まない)に対して、以下条件で動的粘弾性測定を行った。
装置:動的粘弾性測定装置 RSA3(TA Instruments社製)
測定モード:非共振強制振動法
昇温速度:5.0℃/min
測定間隔:12/min
周波数:1.0Hz
温度範囲:−50〜180℃
この測定におけるtanδのピークトップの温度を、硬化膜のガラス転移温度とした。また、前述のニールセン式に基づき架橋点間分子量Mc(g/mol)を求めた。
<評価用の塗膜の作製>
各実施例、比較例および参考例の塗料組成物を、厚さ1.0mm、辺の長さ100mm×100mmの正方形状の黒色ABS樹脂板(エンジニアリングテストサービス社製)にエアスプレーで塗装し、80℃で60分硬化させ、常温(25℃)にて24時間静置し、塗膜の厚さが50μmの試験板を得た。このようにして得られた試験板を使い、各種物性試験を行った。
<初期光沢>
得られた試験板の60°光沢を、BYK−Gardner GmbH社製の光沢計「マイクロ−グロス」で測定した。この光沢値が低いほど、つや消し効果が高いことを示す。
<外力に対する外観変化(艶上がり率)>
消しゴム試験機(ソニー株式会社製)を用い、試験板上に、ジーンズ生地を荷重1000gで30回/分、ストローク20mmにて往復させた。耐摩耗試験後の試験板の60°光沢(60°グロス)を、上記<初期光沢>と同様の方法で測定した。そして、艶上がり率(%)を下記の式を用いて算出した。この艶上がり率(%)が低いほど、外力による外観の影響が少ない(艶上がりのしにくい)塗料組成物であることを示す。
艶上がり率(%)={(試験後60°光沢−初期60°光沢)/初期60°光沢}×100
<耐ガソリン試験>
JIS D 0202の耐ガソリン試験に準じて評価を行った。
試験板を、市販のガソリンに、液面下120mmで5時間浸漬した。その後、1時間、大気中に放置し、試験板の塗膜の状態を下記の基準で目視評価した。評価数値が大きいほど耐ガソリン性が良好である。
4:異常なし
3:僅かに膨れ、しわ発生
2:膨れ、しわ発生
1:剥がれ、割れ発生
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表1、表2および表3からわかるように、塗膜形成成分の硬化膜のガラス転移温度が30℃以上であり、かつ、Lが7.0mm以上でありLが4.0mm以下である塗料組成物は、艶上がり率が小さく、また、ガソリン耐性も良好であった(実施例1〜23)。
一方、表4からわかるように、塗膜形成成分の硬化膜のガラス転移温度が30℃未満である例では、実施例1〜実施例23に比べてガソリン耐性が不十分だった(比較例1〜3)。
また、Lが7.0mm未満であるか、またはLが4.0mm超である例では、大きく艶上がりしてしまう結果となった(比較例4〜7)。
なお、表5に示されるように、粒子として平均粒子径が1〜20μmの第1粒子(艶消し剤)を含まない例は、初期光沢自体が極めて大きな値であった。しかしながら、塗膜形成成分の硬化膜のガラス転移温度が30℃以上であり、かつ、Lが7.0mm以上でありLが4.0mm以下である場合については、ガソリン耐性は良好だった(参考例1〜3)。

Claims (6)

  1. 粒子と、塗膜形成成分とを含有する塗料組成物であって、
    前記粒子が、平均粒子径が1〜20μmの第1粒子を含み、
    当該塗膜形成成分により厚さ60μmの硬化膜を作成したとき、
    (i)当該硬化膜のガラス転移温度が30℃以上であり、かつ、
    (ii)当該硬化膜に対し、温度25℃、相対湿度50%の下、下記条件でスクラッチ試験を行ったとき、当該スクラッチ試験直後の傷の長さLが7.0mm以上であり、当該スクラッチ試験24時間後に残る傷の長さLが4.0mm以下であり、
    前記塗膜形成成分が、ヒドロキシ基を有する(メタ)アクリル系樹脂と、ポリカプロラクトンポリオールおよびポリカーボネートポリオールからなる群より選択される少なくともいずれかのポリオールと、イソシアネート化合物とを含む、
    塗料組成物。
    <条件>
    ・スクラッチ距離:10mm
    ・スクラッチ荷重:0〜0.49N
    ・荷重レート:0.049N/sec
    ・スクラッチ速度:1mm/sec
    ・圧子:先端径15μmのダイヤモンド圧子
  2. 請求項に記載の塗料組成物であって、
    前記(メタ)アクリル系樹脂が、ポリカプロラクトン、ポリカプロラクタム、ポリカーボネート、ポリエステルおよびポリエーテルからなる群より選択される少なくともいずれかの部分構造を有する樹脂を含む塗料組成物。
  3. 請求項1または2に記載の塗料組成物であって、
    前記塗料組成物を硬化させて得られる、厚さ50μmの塗膜の60度鏡面光沢度が、70以下である塗料組成物。
  4. 請求項1〜のいずれか1項に記載の塗料組成物により形成された塗膜。
  5. 請求項の塗膜を備えた物品。
  6. 請求項の塗膜を備えた車両。
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