JP6362330B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、及び、面状発光体 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、及び、面状発光体 Download PDF

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Description

本発明は、例えば、表示装置、照明装置等の用途に適用可能な有機エレクトロルミネッセンス素子、及び、該有機エレクトロルミネッセンス素子を複数配列して作製された面状発光体に関する。
近年、有機物質を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と記す)は、例えば、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子や、書き込み光源アレイの発光素子などへの用途において有望視されており、有機EL素子の研究開発が活発に進められている。
有機EL素子は、一般に、基板、第1電極、発光層を含む有機化合物層及び第2電極を備え、第1電極、有機化合物層及び第2電極がこの順で基板上に形成された薄膜型の素子である。なお、第1電極及び第2電極の一方が陽極を構成し、他方が陰極を構成する。また、発光層は、有機発光物質を含有する一つ又は複数の有機層で構成される。
このような構成の有機EL素子において、第1電極及び第2電極間に電圧を印加すると、一方の電極(陽極)から発光層に正孔が注入され、かつ、他方の電極(陰極)から発光層に電子が注入される。そして、発光層に注入された正孔及び電子が発光層において再結合することにより、有機発光物質のエネルギー準位が伝導帯から価電子帯に戻り、この際に生じるエネルギーが光として発光層から放出される。
上記原理で発光する有機EL素子では、その発光面において、ダークスポットと呼ばれる非発光点が時間経過とともに拡大する。このダークスポットの拡大現象は、有機EL素子の電極や有機層(発光層)などが、外部からの酸素や水蒸気の浸入により劣化することにより発生する。それゆえ、このような有機EL素子への酸素や水蒸気の浸入を防止するために、従来、様々な有機EL素子の封止技術が提案されている(例えば特許文献1及び2参照)。
特許文献1には、有機EL素子の素子基板上に封止膜を設ける技術が提案されている。また、特許文献2には、有機EL素子の素子基板上に無機封止膜を形成し、さらに、該無機封止膜上にシール材を介して封止部材を接着する技術が提案されている。
特開2005−100815号公報 特開2007−59094号公報
ところで、近年、有機EL素子の技術分野では、フレキシブル性が求められており、さらに、フレキシブル性を有する有機EL素子においても、良好な封止性能(発光性能)を確保するための封止技術の開発が望まれている。
本発明は上記要望に応えるためになされたものであり、本発明の目的は、フレキシブル性及び発光性能の両方に優れた特性を有する有機EL素子、及び、それを備えた面状発光体を提供することである。
上記課題を解決するために、本発明の有機EL素子は、素子基板と、素子基板上に形成された第1電極と、第1電極上に形成され、発光層を含む有機化合物層と、有機化合物層の上面及び側面を覆うように設けられた第2電極とを備える。さらに、本発明の有機EL素子は、第1電極の非発光領域内の所定領域上に形成され、かつ、第1電極及び第2電極間に形成された無機絶縁膜と、第2電極の上面及び側面を覆うように設けられた無機膜と、無機膜に接した状態で、かつ、無機膜の上面及び側面を覆うように設けられた封止樹脂層と、封止樹脂層上に設けられた封止基材とを備え、有機化合物層は、第2電極、無機膜及び封止樹脂層の3つの層により封止され、無機膜が、窒化ケイ素で形成され、無機膜の膜厚は、100nm〜250nmの範囲内の値である。
また、本発明の面状発光体は、複数の上記本発明の有機EL素子と、該複数の有機EL素子を、所定の形態で配列して支持する支持部材とを備える構成とする。
上述のように、本発明の有機EL素子は、有機化合物層が、第2電極、無機膜、及び、封止樹脂層の3つの層で覆われる構造、すなわち、3層封止構造を有する。この場合、各層の厚さを薄くしても、十分な封止性能を確保することができる。それゆえ、本発明によれば、このような封止構成を採用することにより、フレキシブル性及び発光性能の両方に優れた特性を有する有機EL素子、及び、それを備えた面状発光体を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る有機EL素子の概略構成断面図である。 図2は、本発明の一実施形態に係る面状発光体の概略構成断面図である。 図3は、各種実施例で作製した有機EL素子の概略構成断面図である。 図4は、各種実施例の有機EL素子の特性評価の結果を示す図である。
まず、本実施形態の有機EL素子の構成を説明する前に、本発明で解決する課題について、より具体的に説明する。
上述のように、従来、有機EL素子の素子基板上に封止膜(無機封止膜)やシール材を設ける封止技術が提案されているが、実際には、このような封止技術だけで、良好な封止性能を得ることは難しい。そのため、現状では、例えば、有機EL素子のシール幅(封止幅:発光層の発光領域端部から有機EL素子の側壁部までの距離)を広げて、良好な封止性能(発光性能)を得ている。しかしながら、シール幅を広げた場合には、有機EL素子の発光面の外周端付近の領域に形成される非発光領域の面積が増大する。
また、外部からの水分の浸入を防止する別の手法としては、発光層の光取り出し側とは反対側に設けられた電極(第2電極)の厚さを増大させて、有機層を外界から保護する手法が考えられる。しかしながら、この手法では、有機EL素子のフレキシブル性が劣化する。さらに、この手法では、第2電極の膜厚が厚すぎると、第2電極が素子基板から剥離し易くなるという弊害が生じる。
上述した各種問題から、フレキシブル性が要求される有機EL素子に上記封止技術を単に適用しただけでは、フレキシブル性及び発光性能の両方に優れた特性を有する有機EL素子を得ることは難しい。そこで、本発明では、フレキシブル性が要求される有機EL素子において、シール幅や厚みを増大させることなく、発光品質の経時変化(劣化)を抑制することができる封止技術を提案する。
<1.有機EL素子の構成>
以下に、本発明の一実施形態に係る有機EL素子の一例を、図面を参照しながら具体的に説明するが、本発明は下記の例に限定されない。
[有機EL素子の全体構成]
図1に、本発明の一実施形態に係る有機EL素子の概略構成断面図を示す。本実施形態の有機EL素子1は、フレキシブル性を有する有機EL素子であり、有機EL素子本体部2と、接着剤層3(封止樹脂層)と、封止基材4とを備える。
本実施形態では、封止基材4を、接着剤層3を介して有機EL素子本体部2と貼り合わせることにより、有機EL素子1を作製する。すなわち、本実施形態の有機EL素子1は、固体密着タイプの封止手法により作製される。なお、この際、図1には示さないが、陽極11及び陰極13の外部取り出し電極端部が外部に露出するように、封止基材4を、接着剤層3を介して有機EL素子本体部2と貼り合わせる。
有機EL素子本体部2は、素子基板10と、陽極11(第1電極)と、発光層を含む有機化合物層12と、陰極13(第2電極)と、無機膜14と、無機絶縁膜15とを備える。本実施形態では、素子基板10上に、陽極11、有機化合物層12、陰極13、及び、無機膜14をこの順で積層する。
なお、この際、陰極13は、有機化合物層12を覆うように形成され、また、無機膜14は、陰極13を覆うように形成される。すなわち、本実施形態の有機EL素子1は、陰極13、無機膜14、及び、接着剤層3の3つの層で、有機化合物層12で封止する構成(3層封止構成)を有する。それゆえ、本実施形態の有機EL素子1では、陰極13、無機膜14、及び、接着剤層3の各膜厚を薄くしても十分な封止性能が得られる。
また、このような封止構成を採用することにより、有機化合物層12の上面(封止基材4側の表面)だけでなく、側面も陰極13、無機膜14、及び、接着剤層3により封止される。それゆえ、本実施形態では、有機EL素子1のシール幅も狭くする(非発光領域を減少させる)ことができる。すなわち、本実施形態の有機EL素子1では、シール幅や厚みを増大させることなく(フレキシブル性を確保しつつ)、発光品質の経時変化(劣化)を抑制することができる。
また、無機絶縁膜15は、図1に示すように、陽極11の外周端部付近の領域、すなわち、陽極11の非発光領域内の所定領域上に形成され、陽極11と陰極13との間に設けられる。本実施形態では、無機絶縁膜15により、陽極11及び陰極13間の絶縁性を確保する(陽極11及び陰極13間の電気的短絡を防止する)。
なお、本実施形態の有機EL素子1では、発光層(有機化合物層12)から射出された光を、陽極11側のみから取り出してもよいし、陽極11及び陰極13の両方の側から取り出してもよい。また、本実施形態では、陰極13側のみから発光光を取り出してもよい。
有機化合物層12は、図1には示さないが、発光層以外にも、例えば、キャリア(正孔及び電子)の注入層、阻止層及び輸送層等の各種有機層を備え、これらの各種有機層を積層して構成される。これらの各有機層の構成については、後で詳述する。
なお、有機EL素子1の好ましい積層構成例は、次の通りである。
(1)素子基板/陽極/発光層/電子輸送層/陰極/無機膜/接着剤層/封止基材
(2)素子基板/陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極/無機膜/接着剤層/封止基材
(3)素子基板/陽極/正孔輸送層(正孔注入層)/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層(陰極バッファー層)/陰極/無機膜/接着剤層/封止基材
(4)素子基板/陽極/正孔注入層(陽極バッファー層)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層(陰極バッファー層)/陰極/無機膜/接着剤層/封止基材
以下、図1に示す有機EL素子1の各部及び各層の構成をより具体的に説明する。
[素子基板]
素子基板10(基体、基板、基材、支持体)は、例えば、ガラス、プラスチック等の透明性材料で形成することができる。特に、素子基板10を、ガラス基板、石英基板、又は、可撓性基材で構成することが好ましい。可撓性基材としては、透明樹脂フィルムや薄膜ガラスなどを用いることができる。
透明樹脂フィルムの形成材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステルを用いることができる。また、透明樹脂フィルムの形成材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン等の材料を用いることができる。さらに、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類、又は、それらの誘導体を透明樹脂フィルムの形成材料として用いることができる。
また、透明樹脂フィルムの形成材料としては、例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリル、ポリアリレート類等の材料を用いることができる。さらに、例えば、アートン(登録商標:JSR社製)、又は、アペル(登録商標:三井化学社製)と呼ばれるシクロオレフィン系樹脂を透明樹脂フィルムの形成材料として用いることもできる。
素子基板10を透明樹脂フィルムで構成した場合、有機EL素子1内への例えば水蒸気、酸素等の透過を抑制するために、透明樹脂フィルムの表面に、無機材料からなる被膜、有機材料からなる被膜、又は、これらの被膜を積層したハイブリッド被膜を設けてもよい。この場合には、水蒸気透過度(環境条件:25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が約0.01g/[m・day・atm]以下の値となるようなバリア性フィルムで上記被膜を構成することが好ましい。また、上記被膜を、酸素透過度が約10−3cm/[m・day・atm]以下の値であり、かつ、水蒸気透過度が約10−3g/[m・day・atm]以下の値となるようなバリア性フィルムで構成することがより好ましい。さらに、上記被膜を、酸素透過度が約10−3cm/[m・day・atm]以下の値であり、かつ、水蒸気透過度が約10−5g/[m・day・atm]以下の値となるようなバリア性フィルムで構成することが特に好ましい。なお、本明細書でいう「水蒸気透過度」は、JIS(日本工業規格)−K7129(1992年)に準拠した赤外センサー法により測定された値であり、「酸素透過度」は、JIS−K7126(1987年)に準拠したクーロメトリック法により測定された値である。
上述したバリア性フィルム(上記被膜)の形成材料としては、有機EL素子1の劣化を招く、例えば水分、酸素等の因子の有機EL素子1への浸入を抑制できる材料であれば、任意の材料を用いることができる。例えば、バリア性フィルムを、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機材料からなる被膜で構成することができる。なお、バリア性フィルムの脆弱性を改良するためには、上記無機材料からなる被膜と有機材料からなる被膜とを積層したハイブリッド被膜でバリア性フィルムを構成することが好ましい。この場合、無機材料からなる被膜及び有機材料からなる被膜の積層順序は任意であるが、両者を交互に複数回積層することが好ましい。
また、上述のようなバリア性フィルムの形成手法としては、バリア性フィルムを素子基板10(透明樹脂フィルム)上に形成できる手法であれば任意の手法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法(特開2004−68143号公報参照)、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等の手法を用いることができる。なお、本実施形態では、特に、大気圧プラズマ重合法を用いることが好ましい。
[陽極]
陽極11(第1電極)は、発光層に正孔を供給(注入)する電極膜であり、仕事関数の大きい(4eV以上)、例えば、金属、合金、電気伝導性化合物、及び、これらの混合物等の電極材料で形成される。
具体的には、有機EL素子1において、陽極11側から光を取り出す場合には、陽極11は、例えば、Au等の金属や、CuI、ITO(Indium Tin Oxide)、SnO、ZnO等の金属化合物などの光透過性を有する電極材料で形成することができる。また、この場合、陽極11を、例えばIDIXO(登録商標:In−ZnO)等の非晶質の透明電極材料で形成することもできる。
なお、有機EL素子1において、陽極11側から光を取り出す場合には、陽極11の光透過率は約10%より大きいことが好ましい。また、陽極11のシート抵抗(表面抵抗)は数百Ω/sq.以下の値であることが好ましい。さらに、陽極11の膜厚は、形成材料に依存して変化するが、通常、約10〜1000nm、好ましくは約10〜200nmの範囲内の値で設定される。
一方、有機EL素子1において、陽極11側から光を取り出さない場合(陰極13側からのみ光を取り出す場合)には、陽極11を、例えば金属、アモルファス合金、微結晶性合金等の高反射率を有する電極材料で形成することもできる。
上記構成の陽極11は、例えば蒸着やスパッタリングなどの手法により形成することができる。また、この際、フォトリソグラフィー技術を用いて、陽極11を所望の形状パターンで形成してもよい。なお、陽極11において、形状パターンの精度を必要としない場合(精度が約100μm以上の値である場合)には、陽極11を例えば蒸着やスパッタリングなどの手法により形成する際に、所望の形状パターンが形成されたマスクを介して、所望パターンの陽極11を形成してもよい。
[有機化合物層]
有機化合物層12は、図1には示さないが、上述のように、例えば、発光層、キャリア(正孔及び電子)の注入層、阻止層及び輸送層等の各種有機層を備える。以下、各有機層の構成について説明する。
(1)正孔注入層
本実施形態の有機EL素子1では、陽極11と発光層との間、又は、陽極11と後述の正孔輸送層との間に、正孔注入層(陽極バッファー層)を設けてもよい。なお、正孔注入層は、有機EL素子1の駆動電圧の低下や発光輝度の向上を図るために、陽極11と、発光層又は正孔輸送層との間に設けられる。
ここでは、正孔注入層の構成の詳細な説明を省略するが、例えば、「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に正孔注入層の構成が詳細に記載されている。また、正孔注入層(陽極バッファー層)の形成材料としては、特開2000−160328号公報に記載されている化合物を用いることができる。また、後述の各種実施例で説明するように、例えば、PEDOT(ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン):後述の構造式(1))等を含む化合物を正孔注入層(陽極バッファー層)の形成材料として用いてもよい。
(2)正孔輸送層
正孔輸送層は、陽極11から供給された正孔を発光層に輸送(注入)する層である。また、正孔輸送層は、陰極13側からの電子の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、正孔輸送層という用語は、広い意味で、正孔注入層及び/又は電子阻止層を含む意味で用いられることもある。
正孔輸送材料としては、上述した正孔を輸送(注入)する作用、及び、電子の流入を阻止する作用を発現可能な材料であれば、有機材料及び無機材料のいずれの材料も用いることができる。具体的には、正孔輸送材料として、例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体、ピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、導電性高分子オリゴマー(特に、チオフェンオリゴマー)等の化合物を用いることができる。
また、正孔輸送材料としては、例えば、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物(スチリルアミン化合物)等の化合物を用いることができる。特に、本実施形態では、芳香族第3級アミン化合物(例えば、後述の各種実施例で用いる構造式(2)HT−1を有する化合物)を正孔輸送材料として用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル、N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD)、2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン、N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル、1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン、ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン、ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン、N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル、4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル、N,N,N−トリ(p−トリル)アミン等の化合物を用いることができる。また、芳香族第3級アミン化合物として、4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン、4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン、3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン等のスチリルアミン化合物を用いることができる。さらに、芳香族第3級アミン化合物として、米国特許第5,061,569号明細書に記載されているような2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)や、特開平4−308688号公報に記載されているようなトリフェニルアミンユニットが3つ、スターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)などの化合物を用いてもよい。
また、正孔輸送材料としては、例えば、上述した各種正孔輸送材料を高分子鎖に導入した高分子材料、又は、上述した各種正孔輸送材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。なお、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物もまた、正孔輸送材料及び正孔注入層の形成材料として使用することができる。
さらに、正孔輸送材料として、例えば、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)等の文献に記載されているような、いわゆるp型正孔輸送材料と呼ばれる材料を用いてもよい。なお、このような材料を正孔輸送材料として用いた場合には、より高効率の発光素子を得ることができる。
また、本実施形態では、正孔輸送層に不純物をドープして、p性の高い(正孔リッチ)の正孔輸送層を形成してもよい。その一例は、例えば、特開平4−297076号、特開2000−196140号、特開2001−102175号、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されている。このような正孔リッチの正孔輸送層を用いた場合には、より低消費電力の有機EL素子1を作製することができる。
正孔輸送層は、例えば、スピンコート法、蒸着法等の手法により形成することができる。正孔輸送層の膜厚は、例えば用いる正孔輸送材料等の条件に応じて適宜設定されるが、通常、約5nm〜5μm、好ましくは約5〜200nmの範囲内の値に設定される。なお、正孔輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。正孔輸送層を一層構造とする場合には、上述した正孔輸送材料のうちの一種又は二種以上の材料が正孔輸送層に含まれるようにする。
(3)発光層
発光層は、陽極11から直接、又は、陽極11から正孔輸送層等を介して注入される正孔と、陰極13から直接、又は、陰極13から電子輸送層等を介して注入される電子とが再結合して発光する層である。なお、発光する部分は、発光層の内部であってもよいし、発光層と、それに隣接する層との間の界面であってもよい。
また、発光層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。なお、発光層を複数設ける場合には、互いに発光色の異なる複数の発光層を積層した構成にしてもよい。また、発光層を複数設ける場合には、隣り合う発光層間に、非発光性の中間層を設けてもよい。この場合、中間層は、発光層内の後述するホスト化合物と同様の材料で形成することができる。
本実施形態では、発光層を、ホスト化合物(発光ホスト)と、発光材料(発光ドーパント)とを含む有機発光性材料で形成する。このような構成の発光層では、発光材料の発光波長や含有させる発光材料の種類等を適宜調整することにより任意の発光色を得ることができる。
また、発光層は、例えば、スピンコート法、蒸着法等の手法を用いて形成することができる。なお、発光層の膜厚は、任意に設定することが可能であるが、例えば、構成膜の均質性、発光時における不必要な高電圧の印加の防止、及び、駆動電流に対する発光色の安定性向上等の観点では、発光層の膜厚を、例えば、約2〜200nmの範囲内の値に設定することが好ましく、特に、約5nm〜100nmの範囲内の値に設定することがより好ましい。
ここで、発光層に含まれるホスト化合物及び発光材料の構成について具体例に説明する。
(1)ホスト化合物
発光層に含まれるホスト化合物としては、室温(25℃)におけるリン光発光のリン光量子収率が約0.1未満の値である化合物を用いることが好ましい。特に、リン光量子収率が約0.01未満の値である化合物をホスト化合物として用いることが好ましい。また、発光層中のホスト化合物の体積比は、発光層に含まれる各種化合物の中で約50%以上の値とすることが好ましい。
また、ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を用いることができる。その際、一種類のホスト化合物を用いてもよいし、複数種のホスト化合物を併用してもよい。複数種のホスト化合物を用いることにより、電荷(正孔及び/又は電子)の移動度(移動量)を調整することができ、有機EL素子1の発光効率を向上させることができる。
上述のような特性を有するホスト化合物としては、例えば、公知の低分子化合物、繰り返し単位をもつ高分子化合物、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)等の化合物を用いることができる。また、ホスト化合物としては、正孔輸送機能、電子輸送機能、発光の長波長化を防止する機能、及び、高Tg(ガラス転移温度)を有する化合物を用いることが好ましい。なお、ここでいう、「ガラス転移温度(Tg)」とは、DSC(Differential Scanning Calorimetry:示差走査熱量)法を用いて、JIS−K7121に準拠した手法により求められる値である。
具体的には、ホスト化合物として、例えば、特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等の文献に記載されている化合物を用いることができる。
なお、本実施形態では、ホスト化合物は、カルバゾール誘導体であることが好ましく、特に、カルバゾール誘導体であって、かつ、ジベンゾフラン化合物であることが好ましい(例えば、後述の各種実施例で用いる構造式(3)H−Aを有するホスト化合物)。
(2)発光材料
発光材料(発光ドーパント)としては、例えば、リン光発光材料(リン光性化合物、リン光発光性化合物)、蛍光発光材料等を用いることができる。なお、発光効率の向上の観点では、発光材料としてリン光発光材料を用いることが好ましい。
リン光発光材料は、励起三重項からの発光が得られる化合物である。具体的には、リン光発光材料は、室温(25℃)においてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において約0.01以上の値の化合物である。なお、本実施形態では、リン光量子収率が約0.1以上の値であるリン光発光材料を用いることが好ましい。また、リン光量子収率は、例えば、「第4版実験化学講座7・分光II」(1992年版、丸善)の398頁に記載されている手法により測定することができる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本実施形態では、リン光発光材料が、任意の溶媒において、約0.01以上の値のリン光量子収率が得られる発光材料であればよい。
また、発光層には、一種類の発光材料を含有させてもよいし、発光極大波長が互いに異なる複数種の発光材料を含有させてもよい。複数種の発光材料を用いることにより、互いに発光波長の異なる複数の光を混ぜることができ、これにより、任意の発光色の光を得ることができる。例えば、青色ドーパント、緑色ドーパント、及び、赤色ドーパント(3種類の発光材料)を発光層に含有させることにより白色光を得ることができる。
上述したホスト化合物及びリン光発光材料を含む発光層における発光(リン光発光)の過程(原理)としては、次の2種類の過程が挙げられる。
第1の発光過程は、エネルギー移動型の発光過程である。このタイプの発光過程では、まず、キャリア(正孔及び電子)が輸送される発光層内のホスト化合物上において、キャリアが再結合し、これにより、ホスト化合物の励起状態が生成される。そして、この際に発生するエネルギーがホスト化合物からリン光発光材料に移動し(励起状態のエネルギー準位がホスト化合物の励起準位から発光材料の励起準位(励起三重項)に移動し)、この結果、リン光発光材料から発光が生じる。
第2の発光過程は、キャリアトラップ型の発光過程である。このタイプの発光過程では、発光層において、リン光発光材料がキャリア(正孔及び電子)をトラップする。その結果、リン光発光材料上でキャリアの再結合が起こり、リン光発光材料から発光が生じる。上述したいずれの発光過程においても、リン光発光材料の励起状態のエネルギー準位は発光ホストの励起状態のエネルギー準位より低くする必要がある。
上述のような発光過程を生じさせるリン光発光材料としては、従来の有機EL素子で用いられる公知の各種リン光発光材料(リン光性化合物)の中から所望のリン光発光材料を適宜選択して用いることができる。例えば、リン光発光材料としては、元素の周期表で8族〜10族の金属元素を含有する錯体系化合物を用いることができる。そのような錯体系化合物の中でも、イリジウム化合物、オスミウム化合物、白金化合物(白金錯体系化合物)、及び、希土類錯体のいずれかをリン光発光材料として用いることが好ましい。本実施形態では、特に、リン光発光材料として、イリジウム化合物(例えば、後述の各種実施例で用いる構造式(4)〜(6)を有する発光ドーパント)を用いることが好ましい。
また、蛍光発光材料(蛍光発光体、蛍光性ドーパント)としては、例えば、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、又は希土類錯体系蛍光体等を用いることができる。
なお、本明細書では、有機EL素子1から発光する光を分光放射輝度計(コニカミノルタセンシング社製、CS−1000)で測定し、その測定結果を、CIE(国際照明委員会)色度座標(例えば、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16参照)に当て嵌めた時の色を、有機EL素子1から発光する光の色とする。具体的には、ここでいう「白色」とは、2度視野角正面輝度を上記手法により測定した際に、1000cd/mでのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にある色のことを言う。
また、本実施形態では、白色発光を得る手法として、ホスト化合物に、互いに発光波長の異なる複数の発光材料を含有させる手法を用いるが、本発明はこれに限定されない。例えば、青色発光層、緑色発光層及び赤色発光層を積層して発光層を構成し、各色の発光層からそれぞれ発光される光を混ぜることにより白色発光を得てもよい。
(4)電子輸送層
電子輸送層は、陰極13から供給された電子を発光層に輸送(注入)する層である。また、電子輸送層は、陽極11側からの正孔の流入を阻止する障壁としても作用する。それゆえ、電子輸送層という用語は、広い意味で、電子注入層及び/又は正孔阻止層を含む意味で用いられることもある。
発光層の陰極13側に隣接する電子輸送層(電子輸送層を一層構造とする場合には当該電子輸送層、電子輸送層を複数設ける場合には最も発光層側に位置する電子輸送層)に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極13より注入された電子を発光層に伝達(輸送)する機能を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。例えば、電子輸送材料として、従来の有機EL素子で用いられる公知の各種化合物の中から任意のものを適宜選択して用いることができる。
より具体的には、電子輸送材料として、例えば、フルオレン誘導体、カルバゾール誘導体、アザカルバゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、トリゾール誘導体、シロール誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、8−キノリノール誘導体等の金属錯体を用いることができる。その他の電子輸送材料としては、例えば、メタルフタロシアニンもしくはメタルフリーフタロシアニン、又は、それらの末端基をアルキル基やスルホン酸基等で置換した化合物を用いることもできる。また、本実施形態では、例えば、後述の各種実施例で用いる構造式(7)ET−1を有するジベンゾフラン誘導体を電子輸送材料として用いることもできる。
また、本実施形態では、電子輸送層に不純物をゲスト材料としてドープして、n性の高い(電子リッチ)電子輸送層を形成してもよい。このような構成の電子輸送層の具体例は、例えば、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等の文献に記載されている。具体的には、ゲスト材料(ドープ材)として、有機物のアルカリ金属塩を用いることができる。
有機物のアルカリ金属塩をドープ材として用いる場合、有機物の種類は任意であるが、例えば、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、安息香酸塩、フタル酸塩、イソフタル酸塩、テレフタル酸塩、サリチル酸塩、ピルビン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、アジピン酸塩、メシル酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩等の化合物を有機物として用いることができる。これらの中でも、特に、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩、吉草酸塩、カプロン酸塩、エナント酸塩、カプリル酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、又は、安息香酸塩を有機物として用いることが好ましい。さらに好ましい有機物は、ギ酸塩、酢酸塩、プロピオン酸塩、酪酸塩等の脂肪族カルボン酸であり、この脂肪族カルボン酸を用いる場合には、その炭素数が4以下であることが好ましい。なお、有機物として最も好ましい化合物は、酢酸塩である。
また、有機物のアルカリ金属塩を構成するアルカリ金属の種類は任意であり、例えば、Li、Na、K、又は、Csを用いることができる。これらのアルカリ金属の中でも、好ましいアルカリ金属は、K、又は、Csであり、さらに好ましいアルカリ金属は、Csである。
それゆえ、電子輸送層のドープ材として用い得る有機物のアルカリ金属塩は、上記有機物と上記アルカリ金属とを組み合わせた化合物になる。具体的には、ドープ材として、例えば、ギ酸Li、ギ酸K、ギ酸Na、ギ酸Cs、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、酢酸Cs、プロピオン酸Li、プロピオン酸Na、プロピオン酸K、プロピオン酸Cs、シュウ酸Li、シュウ酸Na、シュウ酸K、シュウ酸Cs、マロン酸Li、マロン酸Na、マロン酸K、マロン酸Cs、コハク酸Li、コハク酸Na、コハク酸K、コハク酸Cs、安息香酸Li、安息香酸Na、安息香酸K、又は、安息香酸Csを用いることができる。これらの中でも、酢酸Li、酢酸K、酢酸Na、又は、酢酸Csが好ましいドープ材であり、最も好ましいドープ材は、酢酸Csである。なお、これらのドープ材の好ましい含有量は、ドープ材を添加する電子輸送層に対して、約1.5〜35質量%の範囲内の値であり、より好ましい含有量は、約3〜25質量%の範囲内の値であり、最も好ましい含有量は、約5〜15質量%の範囲内の値である。
電子輸送層は、例えば、スピンコート法、蒸着法等の手法により形成することができる。また、電子輸送層の膜厚は、例えば用いる電子輸送材料等の条件に応じて適宜設定されるが、通常、約5nm〜5μm、好ましくは約5〜200nmの範囲内の値に設定される。なお、電子輸送層は、一層だけ設けてもよいし、複数層設けてもよい。電子輸送層を一層構造とする場合には、上述した電子輸送材料のうちの一種又は二種以上の材料が電子輸送層に含まれるようにする。
(5)電子注入層
本実施形態の有機EL素子1では、陰極13と発光層との間、又は、陰極13と電子輸送層との間に、電子注入層(電子バッファー層)を設けてもよい。電子注入層は、正孔注入層と同様に、有機EL素子1の駆動電圧の低下や発光輝度の向上を図るために、陰極と有機層(発光層又は電子輸送層)との間に設けられる。
ここでは、電子注入層の構成の詳細な説明を省略するが、例えば、「有機EL素子とその工業化最前線」(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)の第2編第2章「電極材料」(123−166頁)に電子注入層の構成が詳細に記載されている。
[陰極]
陰極13は、発光層に電子を供給(注入)する電極膜であり、通常、仕事関数の小さい(4eV以下)、例えば、金属(電子注入性金属)、合金、電気伝導性化合物、及び、これらの混合物等の電極材料で形成される。
具体的には、有機EL素子1において、陰極13側から光を取り出さない場合には、陰極13は、例えば、アルミニウム、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等の非透明性の電極材料で形成することができる。
一方、有機EL素子1において、陰極13側から光を取り出す場合には、陰極13を、光透過性を有する電極材料で形成することができる。本実施形態では、非晶質の透明電極材料であるIDIXO(登録商標:In−ZnO)を陰極13の形成材料として用いることが好ましい。
また、陰極13は、例えば、蒸着やスパッタリングなどの手法により形成することができる。
[無機膜]
無機膜14(ガスバリア層)は、発光層を含む有機化合物層12への水蒸気の浸入を防止するため(防湿のため)に設けられる。なお、無機膜14は、透明無機膜で構成することが好ましい。
無機膜14の形成材料としては、有機EL素子1の劣化を招く、例えば水分や酸素などの有機EL素子1への浸入を抑制できる無機材料であれば、任意の材料を用いることができる。また、無機膜14は、水蒸気透過度が約0.01g/[m・day・atm]以下の値である被膜で構成することが好ましい。
上述のような特性を有する無機膜14の形成材料としては、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素、酸化窒化ケイ素等の無機材料を用いることができる。本実施形態では、特に、無機膜14を、窒化ケイ素、又は、酸化窒化ケイ素の単一膜で構成することが好ましい。
なお、無機膜14の脆弱性を改良するために、無機膜14に有機材料からなる被膜を積層してもよい。この場合、有機材料としては、例えば、光硬化型シール剤、熱硬化型シール剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型シール剤、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)シール剤、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂シール剤等のシール剤を用いることができる。
無機膜14の形成手法としては、任意の手法を用いることができ、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等の手法を用いることができる。
なお、無機膜14の膜厚が薄すぎると、無機膜14に欠陥等が発生し、該欠陥を介して接着剤が陰極13に入りこむ。この場合には、接着剤層3の硬化反応により、陰極13が酸化等され、変質するなどの影響が発生する。さらに、陰極13の膜厚が薄い場合には、接着剤が無機膜14及び陰極13の欠陥等を介して、有機化合物層12に入り込み、ダークスポットの増大の要因にもなる。
一方、無機膜14の膜厚が厚すぎると、有機EL素子1の例えば生産性、フレキシブル性が低下する。また、無機膜14の膜厚が厚すぎると、無機膜14の形成時に発生する有機化合物層12等へのダメージの影響により、発光性能が劣化する場合もある。
それゆえ、本実施形態では、これらの点を考慮して、無機膜14の膜厚を適宜設定する。具体的には、無機膜14の膜厚を、約1μm未満の値に設定することが好ましく、特に、約100nm〜250nmの範囲内の値に設定することが好ましい。
[無機絶縁膜]
無機絶縁膜15は、陽極11及び陰極13間の電気的な短絡を防止するために設けられる。無機絶縁膜15は、例えばSiO膜等の絶縁膜で形成される。
無機絶縁膜15をSiO膜で構成する場合、無機絶縁膜15は、陽極11上に、例えばスパッタ法により形成することができる。また、無機絶縁膜15は、陽極11上にSi膜を形成し、その後、該Si膜を熱酸化することにより形成することもできる。さらに、無機絶縁膜15は、シランやテトラエトキシシランなどのガスを原料ガスとして用いた、減圧又は常圧でのCVD法により形成することもできる。
[接着剤層]
接着剤層3(封止樹脂層)で用い得る接着剤の例としては、アクリル酸系オリゴマー又はメタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化性又は熱硬化性接着剤や、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化性接着剤などが挙げられる。また、エポキシ系等の熱硬化性又は化学硬化性(二液混合)接着剤を、接着剤として用いてもよい。さらに、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを、接着剤として用いてもよい。この他にも、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を、接着剤として用いてもよい。
なお、本実施形態では、製造プロセスの簡易性の観点から、接着剤層3を、熱硬化性接着剤で形成することが好ましい。また、接着剤層3の形態としては、シート状に加工された熱硬化性接着剤を用いることが好ましい。シート状タイプの熱硬化性接着剤を用いる場合には、常温(25℃程度)では非流動性を示し、かつ、加熱すると50〜120℃の範囲内の温度で流動性を発現するような、シート状に成形された熱硬化性接着剤(シール材)を用いる。なお、本実施形態では、有機化合物層12を3つの層(陰極13、無機膜14及び接着剤層3)で封止するので、シート状(薄厚)の熱硬化性接着剤を用いても良好な封止性能が得られる。
熱硬化性接着剤としては、任意の接着剤を使用することができる。本実施形態では、密着性向上の観点で、接着剤層3と隣接する封止基材4や素子基板10などとの密着性の相性を考慮して、好適な熱硬化性接着剤を適宜選択する。例えば、分子の末端又は側鎖にエチレン性二重結合を有する化合物と、熱重合開始剤とを主成分とする樹脂などを用いることができる。より具体的には、エポキシ系樹脂、アクリル系樹脂等からなる熱硬化性接着剤を使用することができる。また、有機EL素子1の製造工程で用いる貼合装置及び硬化処理装置に応じて、溶融タイプの熱硬化性接着剤を使用してもよい。
[封止基材]
封止基材4は、フィルム状(板状)部材で構成され、素子基板10に対向して配置される。封止基材4は、例えば、ガラス、プラスチック等の透明性材料で形成することができる。特に、封止基材4を、ガラス基板、石英基板、又は、可撓性封止部材で構成することが好ましい。なお、可撓性封止部材としては、例えば、樹脂層とバリア層(無機物からなる被膜)とを積層した多層膜部材や、可撓性を有する薄膜ガラスなどの部材を用いることができる。
封止基材4を可撓性封止部材で構成する場合、樹脂層とバリア層とを積層した多層膜構成の可撓性封止部材を用いることが好ましい。また、可撓性封止部材の厚さは、例えば、製造時の取り扱い性、引っ張り強さ、バリア層の耐ストレスクラッキング性等の特性を考慮して、約10〜300μmの範囲内の値とすることが好ましい。なお、ここでいう「厚さ」は、可撓性封止部材の平均厚さであり、例えば、マイクロメータを使用して、可撓性封止部材の縦方向及び幅方向に沿ってそれぞれ10箇所程度で測定した厚さの平均値である。
また、封止基材4を可撓性封止部材で構成する場合、封止時の可撓性封止部材の水分量は、例えば、可撓性封止部材の持ち込み水分により発生する有機化合物層の結晶化の抑制、陰極13の剥離等により発生するダークスポットの抑制、及び、有機EL素子1の長寿命化等を考慮して、約1.0%以下の値とすることが好ましい。なお、ここでいう「水分量」は、ASTM(米国材料試験協会)−D570に準拠した手法で測定された値である。
可撓性封止部材を構成する樹脂基材は、例えば、エチレンテトラフルオロエチル共重合体(ETFE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、延伸ポリプロピレン(OPP)、ポリスチレン(PS)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、延伸ナイロン(ONy)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド、ポリエーテルスチレン(PES)等の一般の包装用フィルムに使用される熱可塑性樹脂で形成することができる。なお、熱可塑性樹脂フィルムとしては、必要に応じて、異種のフィルムを共押出しして作製された多層フィルムや、複数のフィルムの延伸角度を互いに変えて貼り合せることにより作製された多層フィルムなどを使用することもできる。また、このような多層フィルムを作製する場合、可撓性封止部材において必要とする物性を得るために、使用する各フィルムの密度、分子量分布等の物性を考慮して組合せることが好ましい。
また、可撓性封止部材を構成するバリア層の水蒸気透過度は、例えば、有機化合物層12の結晶化の抑制、陰極13の剥離等により発生するダークスポットの抑制、及び、有機EL素子1の長寿命化等を考慮して、約0.01g/[m・day・atm]以下の値であることが好ましい。また、バリア層の酸素透過度は、例えば、有機化合物層の結晶化の抑制、陰極13の剥離等により発生するダークスポットの抑制、及び、有機EL素子1の長寿命化等を考慮して、約0.01cm/[m・day・atm]以下の値であることが好ましい。
バリア層の形成材料としては、上述した水蒸気透過度及び酸素透過度を有する材料であれば任意の材料を用いることができる。例えば、バリア層を、酸化ケイ素、二酸化ケイ素、窒化ケイ素等の無機材料からなる被膜で構成することができる。また、バリア層の脆弱性を改良するために、上記無機材料からなる被膜と有機材料からなる被膜とを積層したハイブリッド被膜(多層膜)でバリア層を構成することがより好ましい。なお、この場合、無機材料からなる被膜及び有機材料からなる被膜の積層順序は任意であるが、両者を交互に複数回積層することが好ましい。
また、バリア層の形成手法としては、バリア層を樹脂層上に形成できる手法であれば任意の手法を用いることができる。例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法(特開2004−68143号公報参照)、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等の手法を用いることができる。なお、これらのバリア層の形成手法の中でも、特に、大気圧プラズマ重合法を用いてバリア層を形成することが好ましい。
[有機EL素子の製造手法]
ここで、本実施形態の有機EL素子1の製造手法について、簡単に説明する。
まず、本実施形態では、素子基板10上に、陽極11を形成する。次いで、陽極11の非発光領域内の所定領域上に無機絶縁膜15を形成する。その後、陽極11、及び、無機絶縁膜15の一部の領域上に発光層を含む有機化合物層12を形成する。
次いで、有機化合物層12上に、有機化合物層12を覆うように陰極13を形成し、さらに、陰極13上に、陰極13を覆うように無機膜14を形成する。
また、封止基材4上に接着剤層3を設けた封止部材を用意する。次いで、素子基板10の無機膜14と、封止基材4上に設けられた接着剤層3とが対向するように、素子基板10と封止基材4とを貼り合わせる。この際、貼り合わせ部材を、所定温度で加熱しながら所定圧力で押圧して、素子基板10と封止基材4とを貼り合わせる。
本実施形態では、このようにして有機EL素子1を作製する。なお、上記貼り合わせ処理は、減圧雰囲気下で実施することが好ましい。これにより、有機EL素子本体部2(素子基板10)と封止基材4とを貼り合わせた際に有機EL素子1の内部に気泡が残留することを防止することができる。
<2.面状発光体の構成>
次に、上述した有機EL素子1を複数配列(タイリング)して作製された面状発光体について説明する。
[面状発光体の構成]
図2に、本発明の一実施形態に係る面状発光体の概略構成断面図を示す。なお、図2には、説明を簡略化するため、2枚の有機EL素子1を配列した構成例を示すが、本発明はこれに限定されず、面状発光体を構成する有機EL素子1の枚数及び配列形態は、例えば用途等に応じて適宜設定される。
面状発光体20は、2枚の有機EL素子1と、支持基板21(支持部材)と、各有機EL素子1を支持基板21上に固定するための接着部材22とを備える。
面状発光体20では、各有機EL素子1の封止基材4側の面が接着部材22により大型の支持基板21上に固定される。なお、この際、図2に示す例では、2枚の有機EL素子1の対向する側面同士が互いに接するように、2枚の有機EL素子1を支持基板21上に配列する。また、この際、配列された2枚の有機EL素子1の光取り出し面(素子基板10側の面)が、互いに面一となるように、2枚の有機EL素子1を支持基板21上に配列する。以下、面状発光体20の各部の構成をより具体的に説明する。
[支持基板]
支持基板21は、2枚の有機EL素子1を、接着部材22を介して搭載した際に、その状態を保持可能な板状部材であれば、任意の板状部材を用いることができる。
なお、面状発光体20をフレキシブルに屈曲する構成とする場合には、支持基板21を、屈曲性を有する可撓性基板で構成する。このような可撓性基板としては、例えば樹脂フィルムや、板厚が約0.01mm〜0.50mmの範囲内の値であるガラス基板(薄膜ガラス)などを用いることができる。
[接着部材]
本実施形態では、各種工業分野において、粘着剤、接着剤等、又は、粘着材、接着材等の呼称で用いられる接着部材のうち、支持基板21又は封止基材4上に塗布して、支持基板21と封止基材4とを貼り合わせた後に、種々の化学反応により高分子量体又は架橋構造体を形成する硬化型の接着部材22を用いる。すなわち、接着部材22は、紫外線のような光を照射するか、熱を加えるか、又は、加圧することによって接着部分が硬化する材料で形成される。
上述のような物性を備えた接着部材22としては、例えば、ウレタン系、エポキシ系、フッ素含有系、水性高分子−イソシアネート系、アクリル系等の硬化型接着剤、湿気硬化ウレタン接着剤、ポリエーテルメタクリレート型、エステル系メタクリレート型、酸化型ポリエーテルメタクリレート等の嫌気性接着剤、シアノアクリレート系の瞬間接着剤、アクリレート及びペルオキシド系の2液型瞬間接着剤等の接着剤が挙げられる。
また、接着部材22の形成手法としては、任意の手法を用いることができ、特に、未硬化の接着剤を供給可能な手法を用いることができる。このような手法としては、例えば、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、コンマコーター、バーコーター、スプレー塗布、インクジェット法等の手法が挙げられる。また、未硬化の接着部材22の硬化手法には、用いる接着剤に適した手法を用いる。
なお、図2に示す例では、支持基板21を用いて複数の有機EL素子1を支持する構成例を説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、互いに隣り合う2枚の有機EL素子1の側部同士を接着剤(支持部材)で貼り合わせる場合には、支持基板21を用いなくてもよい。
<4.各種実施例及び特性評価>
次に、実際に作製した有機EL素子(有機ELパネル)の各種実施例の構成、及び、実施例の有機EL素子に対して行った特性評価について説明する。
図3に、下記各種実施例の有機EL素子の有機EL素子本体部の概略構成断面図を示す。なお、図3に示す有機EL素子本体部2において、図1に示すそれと同様の構成には同じ符号を付して示す。また、図3では、説明を簡略化するため、無機絶縁膜15の図示は省略する。
以下に説明する各種実施例では、有機化合物層12は、第1正孔輸送層31と、第2正孔輸送層32と、第1発光層33と、第2発光層34と、電子輸送層35と、電子注入層36とを備える。そして、この例では、陽極11上に、第1正孔輸送層31、第2正孔輸送層32、第1発光層33、第2発光層34、電子輸送層35、及び、電子注入層36がこの順で積層される。
次に、各種実施例の有機EL素子の製造手法を説明しながら、有機EL素子の各部の具体的な構成(例えば材料、寸法等)を説明する。
[実施例1]
まず、素子基板10として、寸法が150mm×150mm×100μmのガラス基板(薄膜ガラス:NHテクノグラス製、NH45)を用意した。次いで、素子基板10上に、厚さ150nmのITO(透明電極材料)を成膜して、陽極11を形成した。次いで、陽極11に対してパターニング処理を行い、所定形状の陽極11を形成した。
次いで、陽極11上に、スパッタ法により、膜厚200nmのSiO膜を成膜した。その後、SiO膜に対してパターニング処理を行い、陽極11上に所定形状の無機絶縁膜15を形成した。具体的には、図1に示すように、陽極11の外周端部付近の所定領域(陽極11の非発光領域内の所定領域)上に、無機絶縁膜15を形成した。次いで、陽極11及び無機絶縁膜15が形成された素子基板10をイソプロピルアルコールで超音波洗浄した。そして、超音波洗浄した素子基板10を乾燥窒素ガスで乾燥し、さらに、乾燥後の素子基板10に対してUVオゾン洗浄を5分間行った。
次いで、陽極11上、及び、無機絶縁膜15の一部の領域上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホネート(PEDOT/PSS:Bayer製、Baytron P Al 4083)を純水で70質量%の割合に希釈した溶液を、3000rpm、30秒の条件でスピンコート法により塗布した。その後、塗布した溶液を200℃で1時間乾燥し、これにより、膜厚30nmの第1正孔輸送層31を形成した。なお、第1正孔輸送層31に含まれるPEDOTは、下記構造式(1)で表される。
Figure 0006362330
次いで、第1正孔輸送層31まで形成された素子基板10を、窒素ガス(グレードG1)の雰囲気環境に移した。次いで、窒素雰囲気下において、下記構造式(2)で表される正孔輸送材料(HT−1化合物:分子量80,000)をクロロベンゼンに0.5質量%の割合で溶解した溶液を、1500rpm、30秒の条件でスピンコート法により第1正孔輸送層31上に塗布した。その後、塗布した溶液を160℃で30分間乾燥し、これにより、膜厚30nmの第2正孔輸送層32を形成した。
Figure 0006362330
次いで、ホスト化合物、青色ドーパント、緑色ドーパント、及び、赤色ドーパントを下記の割合で含む第1発光層組成物(溶媒:酢酸イソプロピル)を、インクジェットヘッドを用いて、第2正孔輸送層32上に吐出注入した。この際、この例では、第1発光層組成物の塗布液膜厚が5.3μmになるように、第1発光層組成物を吐出した。そして、第1発光層組成物が塗布された素子基板10を、120℃の乾燥箱中で10分間乾燥して、膜厚40nmの第1発光層33を形成した。
(第1発光層組成物)
ホスト化合物(H−A):0.69質量部
青色ドーパント(D−66):0.30質量部
緑色ドーパント(D−67):0.005質量部
赤色ドーパント(D−80):0.005質量部
酢酸イソプロピル:100質量部
なお、第1発光層組成物中のホスト化合物(H−A)、青色ドーパント(D−66)、緑色ドーパント(D−67)、及び、赤色ドーパント(D−80)は、それぞれ下記構造式(3)〜(6)で表される。
Figure 0006362330
Figure 0006362330
Figure 0006362330
Figure 0006362330
次いで、ホスト化合物、青色ドーパント、緑色ドーパント、及び、赤色ドーパントを下記の割合で含む第2発光層組成物(溶媒:酢酸イソプロピル)を、インクジェットヘッドを用いて、第1発光層33上に吐出注入した。この際、この例では、第2発光層組成物の塗布液膜厚が5.3μmになるように、第2発光層組成物を吐出した。そして、第2発光層組成物が塗布された素子基板10を、120℃の乾燥箱中で10分間乾燥して、膜厚40nmの第2発光層34を形成した。
(第2発光層組成物)
ホスト化合物(H−A):0.89質量部
青色ドーパント(D−66):0.10質量部
緑色ドーパント(D−67):0.005質量部
赤色ドーパント(D−80):0.005質量部
酢酸イソプロピル:100質量部
次いで、4mlのテトラフルオロプロパノール(TFPO)に、下記構造式(7)で表される電子輸送材料(ET−1化合物)を30mg溶解した溶液を、1500rpm、30秒の条件で、スピンコート法により第2発光層34上に塗布した。その後、塗布した溶液を、120℃で30分間乾燥し、これにより、膜厚30nmの電子輸送層35を形成した。
Figure 0006362330
次いで、電子輸送層35まで積層された素子基板10を、大気にさらすことなく、真空蒸着装置に取り付けた。また、フッ化ナトリウム及びフッ化カリウムがそれぞれ充填されたモリブデン製抵抗加熱ボートを真空蒸着装置の真空槽内に取り付けた。その後、真空槽を4×10−5Paまで減圧した後、フッ化ナトリウムが充填された抵抗加熱ボートに電流を流してフッ化ナトリウムを加熱し、フッ化ナトリウムの薄膜を0.02nm/秒のレートで電子輸送層35上に形成した。この際、この例では、膜厚1nmのフッ化ナトリウムの薄膜を形成した。次いで、フッ化カリウムが充填された抵抗加熱ボートに電流を流してフッ化カリウムを加熱し、フッ化カリウムの薄膜を0.02nm/秒のレートでフッ化ナトリウムの薄膜上に形成した。なお、この例では、膜厚1.5nmのフッ化カリウムの薄膜を形成した。この例では、このようにして、電子輸送層35上に、電子注入層36を形成した。
次いで、スパッタ装置を用いて、アルミニウムをスパッタリングして、電子注入層36上に、厚さ300nmの陰極13を形成した。
次いで、窒化ケイ素(SiNx)をスパッタリングして、陰極13上に、厚さ200nmの無機膜14を形成した。なお、この際のスパッタ条件は、次の通りである。ターゲット材料には、窒化ケイ素(SiNx)を用い、ターゲットの形状は円筒状とした。また、ターゲットの上端と、素子基板10との距離が7cmとなるように、陰極13まで積層された素子基板10を配置した。さらに、スパッタガスとしては、酸素を2体積%含むアルゴンガスを用い、スパッタ時のガス圧は、1.33×10−2Paとした。スパッタ電源には、周波数13.56MHzの交流電源を用い、投入電力が100Wのときの成膜レートを水晶振動子によりモニターすると0.1nm/秒であった。
この例では上述のようにして、有機EL素子本体部2を作製した。また、この例では、エポキシ系樹脂からなるシート状接着剤が予め貼合された封止基材4を用意した。なお、実施例1では、シート状接着剤の厚さは20μmとし、封止基材4としては、150mm×150mm×100μmのガラス基板(薄膜ガラス)を用いた。
次いで、有機EL素子本体部2の無機膜14と、封止基材4上に設けられたシート状接着剤とが対向するように、有機EL素子本体部2と封止基材4とを貼り合わせた。そして、その貼り合わせ部材を、100℃の真空ラミネーターで3分間加熱圧着した。次いで、加熱圧着された部材を、ホットプレートにより、100℃の一定温度で60分間加熱し、さらに、加熱後の部材を室温にて冷却した。実施例1では、このようにして、有機EL素子1を作製した。なお、この例では、有機EL素子1の封止幅(シール幅)は3mmとした。
[実施例2]
実施例2では、陰極13をIDIXO(登録商標:In−ZnO、透明電極材料)で形成し、その膜厚は200nmとした。実施例2の有機EL素子において、陰極13以外の構成は、上記実施例1の有機EL素子の対応する構成と同様とした。また、この例の有機EL素子も、上記実施例1と同様にして作製した。
[実施例3]
実施例3では、陰極13を膜厚300nmのAl膜で構成した。なお、この例では、陰極13を、EB(Electron Beam)蒸着法で形成した。この例では、陰極13の形成手法を変えたこと以外は、上記実施例1と同様にして有機EL素子を作製した。また、この例の有機EL素子の膜構成は、上記実施例1の有機EL素子のそれと同様とした。
[実施例4]
実施例4では、無機膜14を膜厚200nmのSiO膜で構成した。実施例4の有機EL素子において、無機膜14以外の構成は、上記実施例1の有機EL素子の対応する構成と同様とした。また、この例の有機EL素子も、上記実施例1と同様にして作製した。
[実施例5]
実施例5では、無機膜14を膜厚90nmのSiNx膜(窒化ケイ素膜)で構成した。この例の有機EL素子において、無機膜14以外の構成は、上記実施例1の有機EL素子の対応する構成と同様とした。また、この例の有機EL素子も、上記実施例1と同様にして作製した。
[実施例6]
実施例6では、陰極13を膜厚1000nmのAl膜で構成し、無機膜14を膜厚2000nmのSiNx膜で構成した。この例の有機EL素子において、陰極13及び無機膜14以外の構成は、上記実施例1の有機EL素子の対応する構成と同様とした。また、この例の有機EL素子も、上記実施例1と同様にして作製した。
[実施例7]
実施例7では、無機膜14を膜厚2000nmのSiNx膜で構成した。この例の有機EL素子において、無機膜14以外の構成は、上記実施例1の有機EL素子の対応する構成と同様とした。また、この例の有機EL素子も、上記実施例1と同様にして作製した。
[実施例8]
実施例8では、陰極13を膜厚1000nmのAl膜で構成し、無機膜14を膜厚1000nmのSiNx膜で構成した。また、この例では、接着剤層3をアクリル系樹脂で形成した。この例の有機EL素子において、陰極13、無機膜14及び接着剤層3以外の構成は、上記実施例1の有機EL素子の対応する構成と同様とした。また、この例の有機EL素子も、上記実施例1と同様にして作製した。
[比較例]
上記各種実施例の性能と比較するために、接着剤層3及び封止基材4を設けない構成の有機EL素子(比較例)を作製した。すなわち、比較例の有機EL素子では、陰極13及び無機膜14の2層で、有機化合物層12を封止する構成(2層封止構成)とした。
また、比較例では、陰極13を膜厚1000nmのAl膜で構成し、無機膜14を膜厚1000nmのSiNx膜で構成した。この例の有機EL素子の有機EL素子本体部2において、陰極13及び無機膜14以外の構成は、上記実施例1の対応する構成と同様とした。
[有機EL素子の特性評価]
(1)評価手法
上記各種実施例及び比較例で作製した各有機EL素子に対して、ダークスポット(DS)試験及びフレキシブル性試験を行った。具体的には、各有機EL素子に対して、下記の初期ダークスポット試験、フレキシブル性試験及び経時ダークスポット試験をこの順で実施した。
まず、初期ダークスポット試験では、作製直後の有機EL素子を点灯し、その状態で、ダークスポット(スポット状の非発光部)面積の発生割合(発生率:初期DS発生率)を調べた。なお、ダークスポット発生率は、有機EL素子の発光面を撮影し、その画像データに対して所定の画像処理を施すことにより求めた。また、有機EL素子の点灯は定電圧電源を用いて行い、有機EL素子の1ドットに直流電圧5Vを印加した。
なお、初期ダークスポット試験では、測定したダークスポット発生率を、下記の4段階(A、B、C、D)の基準に基づいて判別し、有機EL素子の発光性能を評価した。
A評価:ダークスポット発生率が0%(ダークスポットの発生が全くない)
B評価:ダークスポット発生率が0%より大きく5%未満
C評価:ダークスポット発生率が5%以上10%未満
D評価:ダークスポット発生率が10%以上
次いで、初期ダークスポット試験後の各有機EL素子に対して、フレキシブル性試験を行った。具体的には、直径100mmの円柱部材の表面に、有機EL素子の発光面を外側に向けて、有機EL素子を巻き付け、その状態を10秒間保持する。そして、この動作を3回繰り返し、その後、有機EL素子の外観を目視で観察した。
なお、フレキシブル性試験では、有機EL素子の発光面の観察結果を、下記の3段階(A、B、C)の基準に基づいて判別し、有機EL素子のフレキシブル性を評価した。
A評価:外観(発光面)に変化無し
B評価:外観(発光面)の一部にひび割れが発生
C評価:外観(発光面)の全面に渡って、ひびなどの欠陥が発生
そして、フレキシブル性試験後の各有機EL素子を、温度85℃、相対湿度90%RHの環境条件下に500時間保存した後、再度、ダークスポット発生率(経時DS発生率)を求めた(経時ダークスポット試験)。
なお、経時ダークスポット試験では、測定されたダークスポット発生率を、初期ダークスポット試験と同様に、上述した4段階(A、B、C、D)の基準に基づいて判別し、有機EL素子の発光性能を評価した。
(2)評価結果
上記各種実施例及び比較例で作製した種々の有機EL素子に対して行った、各種試験の評価結果を、図4に示す。
図4から明らかなように、ダークスポット試験及びフレキシブル性試験の両方の結果を総合的に見て、本実施形態の有機EL素子1のように、陰極13、無機膜14、及び、接着剤層3で有機化合物層12を封止する構成、すなわち、3層封止構成を採用することにより、比較例(2層封止構成)に比べて良好な特性が得られることが分かった。特に、無機膜14の膜厚を約200nm程度にすることにより、発光特性、その耐候性(発光安定性)、及び、フレキシブル性の全ての特性において優れた特性が得られることが分かった。
また、実施例1〜4の結果から明らかなように、本実施形態の有機EL素子1の構成では、陰極13の形成材料及び形成手法、並びに、無機膜14の形成材料に関係なく、発光特性、その耐候性(発光安定性)、及び、フレキシブル性に優れた特性が得られることが分かった。
1…有機EL素子、2…有機EL素子本体部、3…接着剤層、4…封止基材、10…素子基板、11…陽極、12…有機化合物層、13…陰極、14…無機膜、15…無機絶縁膜、20…面状発光体、21…支持基板、22…接着部材

Claims (7)

  1. 素子基板と、
    前記素子基板上に形成された第1電極と、
    前記第1電極上に形成され、発光層を含む有機化合物層と、
    前記有機化合物層の上面及び側面を覆うように設けられた第2電極と、
    前記第1電極の非発光領域内の所定領域上に形成され、かつ、前記第1電極及び前記第2電極間に形成された無機絶縁膜と、
    前記第2電極の上面及び側面を覆うように設けられた無機膜と、
    前記無機膜に接した状態で、かつ、前記無機膜の上面及び側面を覆うように設けられた封止樹脂層と、
    前記封止樹脂層上に設けられた封止基材とを備え、
    前記有機化合物層は、前記第2電極、前記無機膜及び前記封止樹脂層の3つの層により封止され、
    前記無機膜が、窒化ケイ素で形成され、
    前記無機膜の膜厚は、100nm〜250nmの範囲内の値である
    有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記素子基板及び前記封止基材が、ともに、可撓性基材で構成されていることを特徴とする
    請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記無機膜が、透明無機膜で構成されていることを特徴とする
    請求項1又は2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記封止樹脂層が、熱硬化性樹脂で形成されていることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記熱硬化性樹脂が、エポキシ系樹脂であることを特徴とする
    請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第2電極が、透明電極であることを特徴とする
    請求項1〜5のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 複数の有機エレクトロルミネッセンス素子と、
    前記複数の有機エレクトロルミネッセンス素子を、所定の形態で配列して支持する支持部材とを備え、
    前記有機エレクトロルミネッセンス素子が、素子基板と、前記素子基板上に形成された第1電極と、前記第1電極上に形成され、発光層を含む有機化合物層と、前記有機化合物層の上面及び側面を覆うように設けられた第2電極と、前記第1電極の非発光領域内の所定領域上に形成され、かつ、前記第1電極及び前記第2電極間に形成された無機絶縁膜と、前記第2電極の上面及び側面を覆うように設けられた無機膜と、前記無機膜に接した状態で、かつ、前記無機膜の上面及び側面を覆うように設けられた封止樹脂層と、前記封止樹脂層上に設けられた封止基材とを有し、前記有機化合物層は、前記第2電極、前記無機膜及び前記封止樹脂層の3つの層により封止され、前記無機膜が、窒化ケイ素で形成されており、前記無機膜の膜厚は、100nm〜250nmの範囲内の値であることを特徴とする
    面状発光体。
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