JP2009152033A - 有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法、有機エレクトロルミネッセンス素子、表示装置及び照明装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】陽極側基板、陰極側基板に挟まれた少なくとも1層の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機層の少なくとも1層が、少なくとも塗布溶剤と有機エレクトロルミネッセンス素子材料を含有する塗布液を用いて塗布される工程、塗布後、該塗布溶剤の沸点以上で加熱乾燥させる工程、次いで、前記有機エレクトロルミネッセンス素子材料を重合架橋させる工程を経て形成されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】なし
Description
該有機層の少なくとも1層が、少なくとも塗布溶剤と重合架橋性の有機エレクトロルミネッセンス素子材料とを含有する塗布液を用いて塗布される工程、塗布後、該塗布溶剤の沸点以上で加熱乾燥させる工程、次いで、該有機エレクトロルミネッセンス素子材料を重合架橋させて成膜する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
本発明の有機EL素子の製造方法について説明する。尚、本発明の有機EL素子の構成層の詳細は後に詳細に説明する。
該有機層の少なくとも1層が、少なくとも塗布溶剤と有機エレクトロルミネッセンス素子材料とを含有する塗布液を用いて塗布される工程、塗布後、該塗布溶剤の沸点以上で加熱乾燥させる工程、次いで、前記有機エレクトロルミネッセンス素子材料を重合架橋させる工程を有することを特徴とする。
本発明の有機EL素子の構成層として用いられる有機層の少なくとも1層の形成方法としては、少なくとも塗布溶剤と有機EL素子材料とを含有する塗布液を用いて陽極側もしくは陰極側電極の上に、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法)を用いて塗布が行われる。
本発明に係る塗布液の調製に用いられる塗布溶剤(単に溶媒、溶剤等ともいう)としては、例えば、塩化メチレン(40℃)、メチルエチルケトン(79.6℃)、テトラヒドロフラン(66℃)、シクロヘキサノン(155.65℃)等のケトン類、酢酸エチル(77.111℃)等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン(m体:173.0℃、o体:180.4℃、p体:174.1℃)等のハロゲン化炭化水素類、トルエン(110.6℃)、キシレン(o体:144.4℃、m体:139.1℃、p体:138.3℃)、メシチレン(164.7℃)、シクロヘキシルベンゼン(238.9℃)等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン(80.77℃)、デカリン(cis体:195.7℃、trans体:187.2℃)、ドデカン(210.3℃)等の脂肪族炭化水素類、DMF(153℃)、DMSO(208℃)等の有機溶媒を用いることができる。
本発明では、重合架橋性の有機EL素子材料として、塗布後に重合架橋させることのできる反応性基をもつ有機化合物(反応性有機化合物ともいう)を用いることを特徴とする。重合架橋性の有機EL素子材料(反応性有機EL素子材料)を用いる層としては特に制限はなく、各層に用いることができる。
本発明に用いられる重合架橋性の有機EL素子材料の重合架橋方法としては、種々のエネルギー線が用いられる。ここで、エネルギー線としては、X線、中性子線、電子線、紫外線等があるが、好ましくは、紫外線、電子線である。
本発明に用いられる重合架橋性の有機EL素子材料が重合架橋(反応)したことの確認方法は、反応性基の存在を従来公知の分析方法、例えば、IR(赤外分光)、ラマン、UV(紫外線分光)等の一般に知られた分析方法を適用することにより追跡可能である。
本発明の有機EL素子の製造の一態様(一例)として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の製造方法を説明する。
次に、本発明に係る有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
《発光層》
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明に用いられるホスト化合物について説明する。
本発明に係る発光ドーパントについて説明する。
本発明に係るリン光発光性ドーパントについて説明する。
蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素、または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In2O3−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。
陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。
本発明に係る有機EL素子に用いることのできる基板(以下、基体、基材、支持基板、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。基板側から光を取り出す場合には、基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
本発明に用いられる有機EL素子の封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
有機層を挟み基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
本発明に係る有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の表示装置について説明する。本発明の表示装置は、本発明の有機EL素子を具備したものである。
本発明の照明装置について説明する。本発明の照明装置は上記有機EL素子を有する。
本発明の有機EL素子を具備した、本発明の照明装置の一態様について説明する。
《有機EL素子1の製造》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した基板にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行なった。
H−A 1.0質量部
Ir−A 0.1質量部
テトラヒドロフラン 100質量部
続いて、基板を大気に曝露することなく真空蒸着装置へ取り付けた。また、モリブデン製抵抗加熱ボートにET−AとCsFをそれぞれ入れたものを真空蒸着装置に取り付け、真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、前記ボートに通電して加熱してET−Aを蒸着速度0.2nm/秒、CsFを0.03nm/秒で前記発光層上に共蒸着して、膜厚40nmの電子輸送層を形成した。引き続き、アルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子1を製造した。
有機EL素子1の製造において、正孔輸送層をスピンコート法により成膜した後、50℃で30分間乾燥した以外は同様にして有機EL素子2を製造した。
有機EL素子1の製造において、正孔輸送層をスピンコート法により成膜し、出力30mW/cm2のUVランプを15秒照射して重合・架橋した後、80℃で30分間乾燥した以外は同様にして有機EL素子3を製造した。
得られた有機EL素子1〜3の各々について、下記のようにして外部取出し効率及び寿命を評価した。
23℃、乾燥窒素雰囲気下で2.5mA/cm2定電流を印加したときの外部取り出し量子効率(%)を測定した。なお、測定には分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)を用いた。外部取り出し量子効率は、有機EL素子1の測定値を100とした相対値で表した。
初期輝度1000cdを与える一定電流で連続駆動したときに、輝度が半減するのに要した時間を測定し、これを半減寿命時間(τ0.5)として寿命の指標とした。なお、測定には分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)を用い、有機EL素子1の測定値を100とした時の相対値で表した。
《有機EL素子4製造》
有機EL素子1の製造において、正孔輸送層として20mgの化合物4−12(Tg:61℃)を5mlの塩化メチレン(沸点:40℃)に溶解した溶液を1500rpm、30秒でスピンコート法により成膜した後、50℃で30分間乾燥した以外は、有機EL素子1と同様にして有機EL素子4を製造した。
製造した有機EL素子4について実施例1と同様にして外部取出し効率及び寿命を評価した。尚、実施例1で製造した有機EL素子1(本発明)の評価を併せて示す。
《有機EL素子5の製造》
有機EL素子4の製造において、正孔輸送層をスピンコート法により成膜した後、30℃で30分間乾燥した以外は、有機EL素子4と同様にして有機EL素子5を製造した。
有機EL素子4の製造において、正孔輸送層を設けたのち、10mgのα−NPDを5mlのトルエンに溶解した溶液を3000rpm、30秒でスピンコート法により成膜した後、80℃で30分間乾燥し膜厚10nmの中間層を形成した以外は、有機EL素子4と同様にして有機EL素子6を製造した。
有機EL素子6の製造において、正孔輸送層をスピンコート法により成膜した後、30℃で30分間乾燥した以外は、有機EL素子6と同様にして有機EL素子7を製造した。
得られた有機EL素子5〜7について、実施例1と同様にして外部取出し効率及び寿命を評価した。尚、実施例2で製造した有機EL素子4を併せて評価し、有機EL素子4の測定値を100としたときの相対値で評価結果を下記の表3に示す。
3 画素
5 走査線
6 データ線
7 電源ライン
10 有機EL素子
11 スイッチングトランジスタ
12 駆動トランジスタ
13 コンデンサ
A 表示部
B 制御部
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤
Claims (7)
- 陽極側電極、陰極側電極に挟まれた少なくとも1層の発光層を含む複数の有機層を有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法において、
該有機層の少なくとも1層が、少なくとも塗布溶剤と重合架橋性の有機エレクトロルミネッセンス素子材料とを含有する塗布液を用いて塗布される工程、塗布後、該塗布溶剤の沸点以上で加熱乾燥させる工程、次いで、該有機エレクトロルミネッセンス素子材料を重合架橋させて成膜する工程を有することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。 - 前記塗布溶剤の沸点が有機エレクトロルミネッセンス素子材料のTg(ガラス転移温度)よりも低いことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記発光層が燐光発光材料を含有することを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 前記有機層の少なくとも1層が、発光層に隣接していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法を用いて製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
- 請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする表示装置。
- 請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を具備することを特徴とする照明装置。
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