JP2008041302A - 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液 Download PDF

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Abstract

【課題】任意の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を容易に積層形成可能な有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法を提供し、且つ、該溶液を用いる有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液を提供する。
【解決手段】有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を貧溶媒に溶解させる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法において、該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を該貧溶媒中に投入して懸濁液を調製する工程、次いで、該懸濁液を微細ノズルを用いて高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記貧溶媒中に溶解させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料用溶液の調製方法及び有機エレクトロルミネッセンス素子用材料塗布液に関する。
近年、有望なディスプレイ方式として、有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)が注目されている。
有機EL素子は、発光の高効率化、長寿命化などを目的として多層構造になっており、これらの膜を、複数、基板上に成膜する方法として蒸着、スパッタ、CVD法等がある。これらの方法は、装置が効果で、エネルギーを多く消費する上に、材料のロスが多く、コスト、生産能力上、課題が多いという問題点がある。
これらに対して、塗布方式により、これらを成膜する方式が提案されている。しかしながら、塗布法で有機層を機能層(正孔輸送層、発光層、電子輸送層など)ごとに積層するような場合、有機層の上層の塗布液溶媒により下層の膜表面の溶解が生じやすく、下層の膜に乱れが生じることがあるため、複数の有機層を積層して形成するのが極めて困難であるという問題点があった。
これに対し、下層の主成分である有機EL素子用材料の溶解度パラメータの可溶範囲外の溶媒に上層の有機EL素子用材料を溶解させ、下層薄膜表面を乱れさせること無く、積層する技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。
また、下層の主成分である有機EL素子用材料の溶解度パラメータの可溶範囲外の溶媒(貧溶媒)を、上層の有機EL素子材料の溶解度パラメータの可溶範囲内の溶媒(良溶媒)との混合溶媒に溶解させ、溶解度を落として積層する技術が開示されている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、一般的に有機EL素子用途に用いられる有機EL素子用材料は、その種類によって溶解度パラメータ、溶解度等の溶解物性が大きく異なるという例は極めて稀であるため、従来の方法は任意の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に対して適用が困難であるという課題がある。
また、多くの利点を持つ塗布法であるが、発光の高効率化、長寿命化、低駆動電圧化など要求される諸要素について未だ充分とはいえず、これらの課題を解決するための手段や材料が望まれている。
特開2002−299061号公報 特開2005−259523号公報
本発明の目的は、任意の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を容易に積層形成可能な有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法を提供し、且つ、該溶液を用いる有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液を提供することである。
本発明の上記目的は下記の構成1〜7により達成された。
1.有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を貧溶媒に溶解させる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法において、
該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を該貧溶媒中に投入して懸濁液を調製する工程、次いで、該懸濁液を微細ノズルを用いて高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記貧溶媒中に溶解させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
2.有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を貧溶媒に溶解させる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法において、
該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を該貧溶媒の20体積%以下の良溶媒中に溶解して溶液を調製する工程、次いで、該溶液を前記貧溶媒中に投入し懸濁液を調製する工程、該懸濁液を微細ノズルで高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕し、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記貧溶媒中に溶解させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
3.有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を貧溶媒に溶解させる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法において、
前記貧溶媒中に、該貧溶媒の20体積%以下の良溶媒を混合させ、混合溶媒を調製する工程、該混合溶媒中に該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を投入して懸濁液を調製する工程、次いで、該懸濁液を微細ノズルで高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕し、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記混合溶媒中に溶解させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
4.前記懸濁液を微細ノズルで高圧で送液することにより、該懸濁液中の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕し、微粒化する工程、次いで、前記懸濁液を冷却する工程を、各々少なくとも2回繰り返し行うことを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
5.前記微細ノズルの少なくとも二つが異なるノズル径を有し、且つ、懸濁液中の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕、微粒化する工程時に、該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の粒径にあわせて該ノズル径を小さく調整することを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
6.前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が低分子化合物であることを特徴とする前記1〜5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
7.前記1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法により調製されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液。
8.前記7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液を用いて作製されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
本発明により、任意の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を容易に積層形成可能な有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法を提供し、且つ、該溶液を用いる有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液を提供することが出来た。
本発明の有機EL素子用材料溶液の調製方法においては、請求項1〜6のいずれか1項に規定される構成により、任意の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を容易に積層形成可能な有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法を提供することが出来た。また、該調製方法を用いた有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液を提供することが出来た。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
従来公知の塗布系による有機EL素子の構成層の形成についての問題点として、通常の塗布系(材料が塗布溶媒に均一に溶解している塗布溶液を塗布する場合を表す。)では、上層から下層への材料の拡散若しくは下層から上層への拡散が起こり、素子機能の分離が損なわれやすいという問題点が挙げられる。
このような上層形成に用いる塗布溶媒によって、下層の塗膜表面の平面性が損なわれ、上下層の混合が起こるという理由は、一つには、一般に使用される有機エレクトロルミネッセンス素子用材料においては、各機能材料間で溶解度の差が少ない、即ち、各機能層の材料がある特定の溶媒には溶解しやすく、それ以外の溶媒に対する溶解性が悪いという事実による。
一般的な有機EL素子用材料は、ハロゲン系溶媒やTHF(テトラヒドロフラン)には溶解性が高いが、アルコール等には難溶であり、溶解度の差を利用して積層しようとすると、積層する材料の選択幅が非常に狭くなり、各層での機能にあった材料を最適なものに選択するという積層化のメリットがなくなり、また、材料に溶解度調製のための置換基を導入しても、導入により有機EL素子材料としての性能(例えば、電子輸送性、HOMO、LUMO準位、成膜性等)が変化してしまうため、溶解度の調節と材料の適性を同時に満たすことは容易ではない。
例えば、現在、正孔輸送層等に使用しているPEDOT/PSSは水分散液として市販され使用されているが、PEDOT/PSSは通常の有機溶媒に対して非常に難溶であるため、PEDOT/PSSからなる正孔輸送層上に、有機溶媒を用いて調製した有機EL素子材料溶液を塗布することで有機層形成が可能なことは知られている。
しかしながら、形成した有機層上に、更に有機EL素子用材料溶液からなる塗布膜を形成(例えば、塗布での3層構造)とすることは、下層の乱れ、また上下層の混合が生じてしまう。
このため、有機EL素子用材料を貧溶媒中に分散した状態で塗布する方法が検討されているが、有機EL素子材料の分散状態は不安定であり、均一膜を得るためには膜面均一化などの後処理を加えるなどの工程が必要となる等の工程上の問題点がある。
《有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法》
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法について説明する。
本発明者等は上記の種々の問題点を検討した結果、有機EL素子用材料を貧溶媒中に投入して得られた懸濁液を微細ノズルを用いて高圧で送液することにより、微細に破砕し、微粒化することにより、前記有機EL素子用材料を前記貧溶媒に溶解する方法を開発したものである。
また、本発明の有機EL素子用材料溶液の調製方法により調製された溶液を用いる塗布が、従来の分散液塗布と異なるのは、分散液では塗布後に必要となる均一膜化処理が不要となり、通常の塗布乾燥工程を経ることで均一な塗布膜を形成できる点にある。すなわち、溶媒による下層への影響がない分散の特徴と、均一膜を形成できる溶液の特徴を併せ持つことができる点にある。
本発明の有機EL素子用材料溶液の調製方法では、上層の塗布形成時に、下層を侵食しない溶媒を適宜選択できるので、その結果、極めて自由度の高い(即ち、有機EL素子材料の溶媒への溶解性にとらわれることなく、材料のEL素子特性として最も好ましい材料を選択することが出来る)積層塗布が可能になった。
本発明の有機EL素子用材料溶液の調製方法を適用して有機EL素子の種々の構成層(陽極、陰極、有機化合物層(有機層等ともいい、後で詳細に説明する。)等)を形成することで、上層から下層へ、また下層から上層への有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の拡散を効果的に防止することができるので、結果として、得られた有機EL素子は、優れた素子機能(高い外部取り出し量子効率を示し、発光寿命が長く、且つ、駆動電圧が低い)を示すことがわかった。
本発明の有機EL素子用材料溶液の調製方法は、有機EL素子用材料が貧溶媒に溶解しており、本願発明の要件は、下記(1)〜(3)のいずれか1項に記載の構成が挙げられる。
構成(1)有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を該貧溶媒中に投入して懸濁液を調製する工程、次いで、該懸濁液を微細ノズルを用いて高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記貧溶媒中に溶解させる、
構成(2)有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を該貧溶媒の20体積%以下の良溶媒中に溶解して溶液を調製する工程、次いで、該溶液を前記貧溶媒中に投入し懸濁液を調製する工程、該懸濁液を微細ノズルで高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕し、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記貧溶媒中に溶解させる、
構成(3)貧溶媒中に、該貧溶媒の20体積%以下の良溶媒を混合させ、混合溶媒を調製する工程、該混合溶媒中に該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を投入して懸濁液を調製する工程、次いで、該懸濁液を微細ノズルで高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕し、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記混合溶媒中に溶解させる、
上記構成(1)〜(3)のいずれかひとつの構成に記載の、有機EL素子用材料溶液の調製方法は、コンタミを特に嫌う有機EL素子用材料溶液の調製において、有機EL素子用材料を含む懸濁液を微細ノズルを用いて高圧で送液することで溶媒中の材料を破砕し微粒化する方法であり、特に、コンタミがないことを求められる有機EL素子用材料溶液の調製方法として優れていることがわかった。
《貧溶媒、良溶媒》
本発明に係る貧溶媒、良溶媒について説明する。
有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の良溶媒また貧溶媒は、成膜しようとする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の種類や性質によって異なる。
本発明に係る貧溶媒とは、有機EL素子用材料の溶解度が、1質量%以下(25℃、1気圧)である溶媒をいい、好ましくは0.1質量%以下のものを表す。
本発明に係る良溶媒とは、有機EL素子用材料に対する溶解度が、1質量%以上(25℃、1気圧)である溶媒をいい、好ましくは1.5質量%以上のものを表す。
本発明に係る貧溶媒、良溶媒としては、用いられる溶媒の種類は、成膜しようとする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料に応じて、前記の条件に適ったものを、公知の溶媒から選択すればよく、例えば、ジクロロメタン、ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素、テトラクロロエタン、トリクロロエタン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、クロロトルエン等のハロゲン系炭化水素系溶媒や、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、アニソールなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、2−メトキシエタノール、エチレングリコール、グリセリン等のアルコール系溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ヘキサン、オクタンデカン、テトラリン等のパラフィン系溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミルなどのエステル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン等のアミド系溶媒、アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンイソホロン等のケトン系溶媒、ピリジン、キノリン、アニリン等のアミン系溶媒、アセトニトリル、バレロニトリル等のニトリル系溶媒、チオフェン、二硫化炭素などの硫黄系溶媒が挙げられる。
尚、使用可能な溶媒は、これらに限るものではなく、これらを2種以上混合して、混合溶媒として用いてもよい。
これらのうち好ましい例としては、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料において、各機能層材料によっても異なるものの、良溶媒としては、例えば、芳香族炭化水素系溶媒、ハロゲン系炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒などであり、好ましくは、芳香族炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒である。また、貧溶媒としては、アルコール系溶媒、ケトン系溶媒、パラフィン系溶媒などが挙げられ、好ましくはアルコール系溶媒、パラフィン系溶媒が挙げられる。
《有機EL素子用材料の破砕、微粒化する工程》
本発明に係る、有機EL素子用材料の破砕、微粒化する工程について、上記の構成(1)を例にとって説明する。
上記の構成(1)においては、本発明に係る有機EL素子用材料を該材料の貧溶媒中に投入して得られる懸濁液を微細ノズルを用いて高圧で送液することにより、該懸濁液中の有機EL素子用材料を破砕、微粒化する工程を経て、前記有機EL素子用材料が前記貧溶媒中に溶解される。
本発明では、懸濁液中の有機EL素子用材料の破砕、微粒化する工程においては、ナノマイザーと呼ばれる、湿式メディアレス微粒化装置が好ましく用いられる。
前記ナノマイザーとしては、例えば、圧力式破砕機 吉田機械興業製 ナノマイザー等を挙げることが出来る。
《微細ノズル》
本発明に係る懸濁液を微細ノズルを用いて高圧で送液する場合、微細ノズルのノズル系としては、有機EL素子用材料の破砕時にノズルがつまらないことが好ましく、そのような観点から、有機EL素子用材料を貧溶媒に投入した初期の懸濁液中の初期粒子径より大きければよいが、高圧で送液する、且つ、ノズルへの詰まりなどを考慮し、初期の粒径の2倍以上、好ましくは3倍〜5倍程度が好ましい。
更に、有機EL素子用材料の破砕、微粒化の進行に伴い、微細ノズルのノズル径を更に小さくしていくと効率よく高圧を得ることが出来る。
《破砕、微粒化工程の回数、及び、破砕、微粒化時の圧力》
有機EL素子用材料と貧溶媒(貧溶媒と良溶媒の混合溶媒の場合もある)を含む懸濁液を微細ノズルを用いて高圧で送液するが、前記高圧(破砕圧力ともいう)の範囲としては、10MPa〜300MPaの範囲が好ましく、より好ましくは、80MPa〜250MPaの高圧力条件下で破砕、微粒化が行われることが好ましい。
また、送液時の懸濁液の流速は、200m/秒〜400m/秒の範囲が好ましい。
更に、破砕、微粒化の工程は、1回でもよいが、少なくとも2回、反復繰り返して行われることが好ましい。この際、反復して高圧条件下に置かれるために、懸濁液の温度が上昇することを防止する観点からは、破砕、微粒化を行う、循環系は冷却を行うことが好ましく、懸濁液の温度を60℃以下に調整することが好ましく、更に、5℃〜50℃の範囲に調整することが好ましい。
《有機EL素子用材料溶液》
本発明の有機EL素子用材料溶液について説明する。
本発明の有機EL素子用材料溶液とは、前記1〜6のいずれか1項に記載の有機EL素子用材料溶液の調製方法により調製されるものであり、該有機EL素子用材料溶液においては、有機EL素子用材料が難溶または不溶である貧溶媒中に溶解していることが特徴である。
ここで、有機EL素子用材料が貧溶媒中に溶解しているとは、本願では下記(a)、(b)のように定義している。
(a)貧溶媒中に有機EL素子用材料が分子状に溶解している場合(これば、通常、当業界で溶解といわれている)、
(b)有機EL素子用材料が、超微細粒子を形成していて、粒子や粒子径分布を有していても、本願において、予め決められた分析条件において、有機EL素子用材料の粒子や粒子径分布が認められない場合、本願では実質上、有機EL素子用材料が溶解していると考え、溶液とする。
ここで、本願に係る溶液であることを確認する為の、予め決められた分析条件を下記に示す。
《粒子や粒子径分布を確認するための分析条件》
本願に係る溶液(有機EL素子用材料が貧溶媒に溶解している状態、または、実質的に有機EL素子用材料が溶解している状態)ことを確認する分析方法(分析機器名、測定条件等)を具体的に記載してください。
粒子や粒子径分布の測定方法は、下記のように設定し、下記の分析条件において、粒子や粒子径分布(粒径分布ともいう)が観測されない場合、本願発明においては、溶液であると定義する。
小角広角X線回折装置(理学電機株式会社製:RINT2500/PC)を用いてX線小角散乱測定を行い、分散液中の微粒子の粒径分布を求めた。以下の測定条件で、透過法で測定を行った。尚、分散液はガラスキャピラリに封じ、この際、試料の厚さは1/μ(μは試料の質量吸収係数)となるように調整した。
ターゲット:銅
出力:40kV−200mA
1stスリット:0.04mm
2ndスリット:0.03mm
受光スリット:0.1mm
散乱スリット:0.2mm
測定法:2θ FTスキャン法
測定範囲:0.1°〜6°
サンプリング:0.04°
計数時間:30秒
得られた散乱パターンに基づいて、解析ソフト(理学電機株式会社製:NANO−solver Ver3.0)を用いて解析を行った。ここで、解析に必要なブランクデータは、分散媒のみを同条件で測定することによって得た。
解析は、散乱体のモデルを球とし、ブランクデータの除去、スリット補正を行った後、フィッティングを行った。
尚、粒径分布関数を求める方法としては、分散微粒子が分散媒に分散された状態で光散乱等を利用する方法等が挙げられるが、本実施形態における粒径分布関数は、測定対象や、粒径の範囲等の観点から、X線小角散乱法によって求めることが好ましい。
X線小角散乱法による測定は、市販の小角広角X線回折装置によって行うことができ、RINT2500/PC(理学電機株式会社製)、RINT−TTR2(理学電機株式会社製)、NANO−Viewer(理学電機株式会社製)、SAXSess(Anton−Paar GmbH製)等を好適に用いることができる。
また、X線小角散乱曲線から粒径分布を求めるためのプログラムとしては、NANO−solver(理学電機株式会社製)又はGIFT(Anton−Paar GmbH製)等のプログラムを用いることが好ましい。
《有機EL素子用材料の分子量》
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製に用いられる有機EL素子用材料としては、低分子化合物を用いることが好ましい。ここで、低分子化合物としては、10000以下の化合物を表すが、好ましくは、100〜10000の範囲の分子量を有するものであり、更に好ましくは、100〜2000の範囲の化合物である。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子用材料溶液の調製方法により調製された有機EL素子材料塗布液を用いることにより、素子特性として優れた有機EL素子を作製することが出来る。
本発明に係る有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製方法について説明する。
まず適当な基体上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10nm〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ陽極を作製する。
次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、正孔阻止層の有機化合物薄膜(有機化合物層、有機層等ともいう)を形成させる。
これら各層の形成方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点から、本発明においてはスピンコート法、インクジェット法、印刷法等の塗布法による成膜が好ましい。
本発明の有機EL素子の作製においては、構成層(構成層の詳細については後述する)の少なくとも一つが塗布方法(塗布法ともいう)により成膜されるが、前記塗布方法に用いる塗布液として、本発明の有機EL素子用材料溶液の調製方法により調製された有機EL素子材料塗布液が用いられる。
本発明においては、有機EL素子の構成層の中でも、有機化合物層(有機層ともいう)、例えば、陽極バッファー層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層、陰極バッファー層等の形成に、本発明の有機EL素子材料塗布液が用いられることが好ましい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは、50nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより所望の有機EL素子を得ることができる。
尚、陰極の形成に、本発明の有機EL素子材料塗布液を用いて行ってもよい。
また作製順序を逆にして、陰極、電子注入層、電子輸送層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。
《有機EL素子の構成層》
本発明の有機EL素子の構成層について説明する。本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。尚、本発明の有機EL素子の構成層の少なくとひとつは、本発明の有機EL素子材料塗布液を用いて作製されたことが特徴である。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
本発明の有機EL素子においては、青色発光層の発光極大波長は430nm〜480nmにあるものが好ましく、緑色発光層は発光極大波長が510nm〜550nm、赤色発光層は発光極大波長が600nm〜640nmの範囲にある単色発光層であることが好ましく、これらを用いた表示装置であることが好ましい。また、これらの少なくとも3層の発光層を積層して白色発光層としたものであってもよい。更に、発光層間には非発光性の中間層を有していてもよい。本発明の有機EL素子としては白色発光層であることが好ましく、これらを用いた照明装置であることが好ましい。
本発明の有機EL素子を構成する各層について説明する。
《発光層》
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
発光層の膜厚の総和は特に制限はないが、膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、かつ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、2nm〜5μmの範囲に調整することが好ましく、さらに好ましくは2nm〜200nmの範囲に調整され、特に好ましくは、10nm〜20nmの範囲である。
発光層の作製には、後述する発光ドーパントやホスト化合物を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。
本発明の有機EL素子の発光層には、ホスト化合物と、発光ドーパント(リン光ドーパント(リン光発光性ドーパントともいう)や蛍光ドーパント等)の少なくとも1種類とを含有することが好ましい。
(発光ドーパント)
本発明に係る発光ドーパントについて説明する。
本発明に係る発光ドーパントとしては、蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう)、リン光ドーパント(リン光発光体、リン光性化合物、リン光発光性化合物等ともいう)を用いることができるが、より発光効率の高い有機EL素子を得る観点からは、本発明の有機EL素子の発光層や発光ユニットに使用される発光ドーパント(単に、発光材料ということもある)としては、上記のホスト化合物を含有すると同時に、リン光ドーパントを含有することが好ましい。
(リン光ドーパント)
本発明に係るリン光ドーパントについて説明する。
本発明に係るリン光ドーパントは、励起三重項からの発光が観測される化合物であり、具体的には、室温(25℃)にてリン光発光する化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.01以上の化合物であると定義されるが、好ましいリン光量子収率は0.1以上である。
上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に係るリン光ドーパントは、任意の溶媒のいずれかにおいて上記リン光量子収率(0.01以上)が達成されればよい。
リン光ドーパントの発光は原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光ドーパントに移動させることでリン光ドーパントからの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光ドーパントがキャリアトラップとなり、リン光ドーパント上でキャリアの再結合が起こりリン光ドーパントからの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、リン光ドーパントの励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
また、本発明に係るリン光ドーパントとしては、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
本発明に係るリン光ドーパントとしては、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
以下に、リン光ドーパントとして用いられる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
Figure 2008041302
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(蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう))
蛍光ドーパント(蛍光性化合物)としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素または希土類錯体系蛍光体等が挙げられる。
次に、本発明の有機EL素子の構成層として用いられる、注入層、阻止層、電子輸送層等について説明する。
(ホスト化合物(発光ホスト等ともいう))
本発明に用いられるホスト化合物について説明する。
ここで、本発明においてホスト化合物とは、発光層に含有される化合物の内でその層中での質量比が20%以上であり、且つ室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.1未満の化合物と定義される。好ましくはリン光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、後述する発光ドーパントを複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
また、本発明に用いられる発光ホストとしては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
併用してもよい公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、且つ発光の長波長化を防ぎ、なお且つ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
また、公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係わる正孔阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
正孔阻止層には、前述のホスト化合物として挙げたアザカルバゾール誘導体を含有することが好ましい。
また、本発明においては、複数の発光色の異なる複数の発光層を有する場合、その発光極大波長が最も短波にある発光層が、全発光層中、最も陽極に近いことが好ましいが、このような場合、該最短波層と該層の次に陽極に近い発光層との間に正孔阻止層を追加して設けることが好ましい。更には、該位置に設けられる正孔阻止層に含有される化合物の50質量%以上が、前記最短波発光層のホスト化合物に対しそのイオン化ポテンシャルが0.3eV以上大きいことが好ましい。
イオン化ポテンシャルは化合物のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、例えば下記に示すような方法により求めることができる。
(1)米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用い、キーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて構造最適化を行うことにより算出した値(eV単位換算値)の小数点第2位を四捨五入した値としてイオン化ポテンシャルを求めることができる。この計算値が有効な背景には、この手法で求めた計算値と実験値の相関が高いためである。
(2)イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接測定する方法により求めることもできる。例えば、理研計器社製の低エネルギー電子分光装置「ModEL AC−1」を用いて、あるいは紫外光電子分光として知られている方法を好適に用いることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては、好ましくは3nm〜100nmであり、更に好ましくは5nm〜30nmである。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するものであり、有機物、無機物のいずれであってもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。
芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、更には米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような、所謂p型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明においては、より高効率の発光素子が得られることからこれらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層は上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報の各公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなp性の高い正孔輸送層を用いることが、より低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
また、不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。
本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In23−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常、10nm〜1000nmの範囲、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50nm〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1nm〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《支持基板》
本発明の有機EL素子に用いることのできる支持基板(以下、基体、基板、基材、支持体等とも言う)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また透明であっても不透明であってもよい。支持基板側から光を取り出す場合には、支持基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な支持基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい支持基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が0.01g/(m2・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、更には、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10-3ml/(m2・24hr・MPa)以下、水蒸気透過度が、10-5g/(m2・24h)以下以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
バリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
バリア膜の形成方法については特に限定はなく、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。
不透明な支持基板としては、例えば、アルミ、ステンレス等の金属板、フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は、1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《封止》
本発明に用いられる封止手段としては、例えば、封止部材と電極、支持基板とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。
封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも平板状でもよい。また透明性、電気絶縁性は特に問わない。
具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属または合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。更には、ポリマーフィルムは酸素透過度が、1×10-3ml/(m2・24hr・MPa)以下、水蒸気透過度が、10-5g/(m2・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。
尚、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基板と対向する側の電極の外側に該電極と有機層を被覆し、支持基板と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。更に該膜の脆弱性を改良するために、これら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。
封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体やフッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。
吸湿性化合物としては、例えば、金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば、過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み支持基板と対向する側の前記封止膜、あるいは前記封止用フィルムの外側に、素子の機械的強度を高めるために保護膜、あるいは保護板を設けてもよい。特に封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量且つ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《光取り出し》
有機EL素子は空気よりも屈折率の高い(屈折率が1.7〜2.1程度)層の内部で発光し、発光層で発生した光のうち15%から20%程度の光しか取り出せないことが一般的に言われている。これは、臨界角以上の角度θで界面(透明基板と空気との界面)に入射する光は、全反射を起こし素子外部に取り出すことができないことや、透明電極ないし発光層と透明基板との間で光が全反射を起こし、光が透明電極ないし発光層を導波し、結果として光が素子側面方向に逃げるためである。
この光の取り出しの効率を向上させる手法としては、例えば、透明基板表面に凹凸を形成し、透明基板と空気界面での全反射を防ぐ方法(米国特許第4,774,435号明細書)、基板に集光性を持たせることにより効率を向上させる方法(特開昭63−314795号公報)、素子の側面等に反射面を形成する方法(特開平1−220394号公報)、基板と発光体の間に中間の屈折率を持つ平坦層を導入し、反射防止膜を形成する方法(特開昭62−172691号公報)、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法(特開2001−202827号公報)、基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法(特開平11−283751号公報)等がある。
本発明においては、これらの方法を本発明の有機EL素子と組み合わせて用いることができるが、基板と発光体の間に基板よりも低屈折率を持つ平坦層を導入する方法、あるいは基板、透明電極層や発光層のいずれかの層間(含む、基板と外界間)に回折格子を形成する方法を好適に用いることができる。
本発明はこれらの手段を組み合わせることにより、更に高輝度あるいは耐久性に優れた素子を得ることができる。
透明電極と透明基板の間に低屈折率の媒質を光の波長よりも長い厚みで形成すると、透明電極から出てきた光は、媒質の屈折率が低いほど外部への取り出し効率が高くなる。
低屈折率層としては、例えば、エアロゲル、多孔質シリカ、フッ化マグネシウム、フッ素系ポリマー等が挙げられる。透明基板の屈折率は一般に1.5〜1.7程度であるので、低屈折率層は屈折率がおよそ1.5以下であることが好ましい。また、更に1.35以下であることが好ましい。
また、低屈折率媒質の厚みは媒質中の波長の2倍以上となるのが望ましい。これは低屈折率媒質の厚みが、光の波長程度になってエバネッセントで染み出した電磁波が基板内に入り込む膜厚になると、低屈折率層の効果が薄れるからである。
全反射を起こす界面もしくはいずれかの媒質中に回折格子を導入する方法は、光取り出し効率の向上効果が高いという特徴がある。この方法は回折格子が1次の回折や2次の回折といった所謂ブラッグ回折により、光の向きを屈折とは異なる特定の向きに変えることができる性質を利用して、発光層から発生した光のうち層間での全反射等により外に出ることができない光を、いずれかの層間もしくは、媒質中(透明基板内や透明電極内)に回折格子を導入することで光を回折させ、光を外に取り出そうとするものである。
導入する回折格子は、二次元的な周期屈折率を持っていることが望ましい。これは発光層で発光する光はあらゆる方向にランダムに発生するので、ある方向にのみ周期的な屈折率分布を持っている一般的な1次元回折格子では、特定の方向に進む光しか回折されず、光の取り出し効率がさほど上がらない。しかしながら、屈折率分布を二次元的な分布にすることにより、あらゆる方向に進む光が回折され、光の取り出し効率が上がる。
回折格子を導入する位置としては前述の通り、いずれかの層間もしくは媒質中(透明基板内や透明電極内)でもよいが、光が発生する場所である有機発光層の近傍が望ましい。
このとき、回折格子の周期は媒質中の光の波長の約1/2〜3倍程度が好ましい。
回折格子の配列は正方形のラチス状、三角形のラチス状、ハニカムラチス状等、2次元的に配列が繰り返されることが好ましい。
《集光シート》
本発明の有機EL素子は基板の光取り出し側に、例えば、マイクロレンズアレイ状の構造を設けるように加工したり、あるいは所謂集光シートと組み合わせることにより、特定方向、例えば、素子発光面に対し正面方向に集光することにより、特定方向上の輝度を高めることができる。
マイクロレンズアレイの例としては、基板の光取り出し側に一辺が30μmでその頂角が90度となるような四角錐を2次元に配列する。一辺は10μm〜100μmが好ましい。これより小さくなると回折の効果が発生して色付く、大きすぎると厚みが厚くなり好ましくない。
集光シートとしては、例えば、液晶表示装置のLEDバックライトで実用化されているものを用いることが可能である。このようなシートとして、例えば、住友スリーエム社製輝度上昇フィルム(BEF)等を用いることができる。プリズムシートの形状としては、例えば、基材に頂角90度、ピッチ50μmの△状のストライプが形成されたものであってもよいし、頂角が丸みを帯びた形状、ピッチをランダムに変化させた形状、その他の形状であってもよい。
また、発光素子からの光放射角を制御するために、光拡散板・フィルムを集光シートと併用してもよい。例えば、(株)きもと製拡散フィルム(ライトアップ)等を用いることができる。
《用途》
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるがこれに限定するものではないが、特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
本発明の有機EL素子においては、必要に応じ成膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもよいし、電極と発光層をパターニングしてもよいし、素子全層をパターニングしてもよく、素子の作製においては、従来公知の方法を用いることができる。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(コニカミノルタセンシング社製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
また、本発明の有機EL素子が白色素子の場合には、白色とは、2度視野角正面輝度を上記方法により測定した際に、1000Cd/m2でのCIE1931表色系における色度がX=0.33±0.07、Y=0.33±0.07の領域内にあることを言う。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。尚、実施例に用いられている化合物例を下記に示す。
Figure 2008041302
実施例1
《有機EL素子用材料溶液1の調製》:本発明
下記のようにして、有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液1を調製した。
1gのtBu−PBDをTHF(テトラヒドロフラン)10mlに溶解し、メタノール100ml中に加え、再沈させ、懸濁液(プレ分散液ともいう)とした。(尚、THFは良溶媒でありtBu−PBDの溶解度(20℃)が10質量%以上あり、またメタノールは貧溶媒でありtBu−PBDの溶解度(20℃)が0.3質量%以下である。)
次に、上記懸濁液(プレ分散液)を圧力式破砕器(吉田機械興業製ナノマイザー)を用いて破砕した。
ここで、上記の圧力式破砕器の破砕条件は下記に設定した。
微細ノズル径:120μm
破砕圧力 :200MPa
破砕回数 :80回
また、破砕の際、循環経路中に熱交換器を設置して、懸濁液の温度を冷却水(4℃)を用いて、5℃〜60℃の範囲になるように冷却した。
破砕回数80回後に、有機EL素子用材料であるtBu−PBDの分散粒径をMalvern社製のZetasizer 1000HSで測定したところ、粒子、粒子径分布等は観察されず溶液になっていることを確認することができた。
溶解を確認した。
《有機EL素子用材料溶液2の調製》:本発明
上記の有機EL素子用材料溶液1の調製において、有機EL素子材料である、tBu−PBDの懸濁液を圧力式破砕器にかける条件を下記のように、異なるノズル径を有する微細ノズル(300μm、120μm)を用いて、分散した分散した以外は同様にして、本発明の有機EL素子用材料溶液2を調製した。
圧力式破砕器に用いるジェネレータのノズル径を下記のように2段階に変更した。
工程1:破砕前(初期)の粒径分布中心が60μmを衝突型ジェネレータ、ノズル溝幅300μmを用い、破砕圧力が100MPaとなるよう加圧速度を調整し、2回破砕を行いプレ分散液とした。このときの粒径は20μm程度であった。
工程2:得られたプレ分散液を溝幅120μmの衝突型ノズルを用いて、80回の破砕を行った。
《有機EL素子用材料溶液3、4の調製》:比較例
有機EL素子材料溶液1の調製において、上記懸濁液(プレ分散液)の破砕に、圧力式破砕器(吉田機械興業製ナノマイザー)の代わりに、超音波分散機、機械式ホモジナイザーを各々用いて、有機EL素子材料用溶液3、4の調製を行ったが、いずれも貧溶媒であるメタノールに溶解して溶液を得ることは出来なかった。
次いで、下記のようにして、本発明の有機EL素子1を作製した。
《有機EL素子1の作製》
100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上に、陽極としてITO(インジウムチンオキシド)を100nm成膜した透明支持基板を準備した。これをイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し,UVオゾン洗浄を更に5分間行った。
この透明支持基板上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(PEDOT/PSS Bayer社製、Baytron P Al 4083)を純水で70%に希釈した溶液を3000rpm、30秒でスピンコート法により成膜した後、200℃で1時間乾燥し、膜厚30nmの正孔輸送層を設けた。
次に、この正孔輸送層上に、PVK(ポリビニルカルバゾール)30mgと1.5mgのIr−1をジクロルベンゼン3mlに溶解した溶液を同様にスピンコートで塗布、成膜後、60℃で1時間真空乾燥し、乾燥膜厚30nmの発光層を形成した。
次いで、上記で作製した有機EL素子用材料溶液1(tBu−PBDの溶液)を塗布手段としてスピンコーターを用い、発光層を形成した上記基板上にさらに膜厚30nmの電子輸送層を成膜した。
更に電子輸送層が形成された上記により試料を真空蒸着装置に移し、真空槽を4×10-4Paまで減圧し、前記電子輸送層上に陰極バッファー層としてフッ化リチウム10nm及び陰極としてアルミニウム110nmの層を順次蒸着成膜して、有機EL素子1を作製した。
《有機EL素子2の作製》
有機EL素子1の作製において、有機EL素子用材料溶液1の代わりに有機EL素子用材料溶液2を用いた以外は同様にして、本発明の有機EL素子2を作製した。
本発明の有機EL素子用材料溶液1を用いて作製された有機EL素子1、本発明の有機EL素子用材料溶液2を用いて作製された有機EL素子2は、各々、tBu−PBDをジクロロベンゼン等の良溶媒に溶解した溶液を用いて電子輸送層を形成する場合に比べ、電子輸送層塗布液による発光層(既に基板上に形成されている)の溶解がなく、結果として層間における材料の混合が少ないため、発光輝度、発光効率に優れることがわかった。尚、発光輝度、発光効率を評価する場合には、下記のように有機EL素子1、2を用いた照明装置を作製して評価した。
《有機EL素子の評価》
得られた有機EL素子1を評価するに際しては、作製後の有機EL素子1の非発光面をガラスケースで覆い、厚み300μmのガラス基板を封止用基板として用いて、周囲にシール材として、エポキシ系光硬化型接着剤(東亞合成社製ラックストラックLC0629B)を適用し、これを上記陰極上に重ねて前記透明支持基板と密着させ、ガラス基板側からUV光を照射して、硬化させて、封止して、図1、図2に示すような照明装置を形成して評価した。
図1は照明装置の概略図を示し、有機EL素子101はガラスカバー102で覆われている(なお、ガラスカバーでの封止作業は、有機EL素子101を大気に接触させることなく窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)で行った)。図2は照明装置の断面図を示し、図2において、105は陰極、106は有機EL層、107は透明電極付きガラス基板を示す。なお、ガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
照明装置の概略図である。 照明装置の断面図である。
符号の説明
101 有機EL素子
102 ガラスカバー
105 陰極
106 有機EL層
107 透明電極付きガラス基板
108 窒素ガス
109 捕水剤

Claims (8)

  1. 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を貧溶媒に溶解させる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法において、
    該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を該貧溶媒中に投入して懸濁液を調製する工程、次いで、該懸濁液を微細ノズルを用いて高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記貧溶媒中に溶解させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
  2. 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を貧溶媒に溶解させる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法において、
    該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を該貧溶媒の20体積%以下の良溶媒中に溶解して溶液を調製する工程、次いで、該溶液を前記貧溶媒中に投入し懸濁液を調製する工程、該懸濁液を微細ノズルで高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕し、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記貧溶媒中に溶解させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
  3. 有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を貧溶媒に溶解させる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法において、
    前記貧溶媒中に、該貧溶媒の20体積%以下の良溶媒を混合させ、混合溶媒を調製する工程、該混合溶媒中に該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を投入して懸濁液を調製する工程、次いで、該懸濁液を微細ノズルで高圧で送液することにより、前記懸濁液中の前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕し、微粒化する工程を経て、前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を前記混合溶媒中に溶解させることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
  4. 前記懸濁液を微細ノズルで高圧で送液することにより、該懸濁液中の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕し、微粒化する工程、次いで、前記懸濁液を冷却する工程を、各々少なくとも2回繰り返し行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
  5. 前記微細ノズルの少なくとも二つが異なるノズル径を有し、且つ、懸濁液中の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料を破砕、微粒化する工程時に、該有機エレクトロルミネッセンス素子用材料の粒径にあわせて該ノズル径を小さく調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
  6. 前記有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が低分子化合物であることを特徴とする請求項1〜5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子用材料溶液の調製方法により調製されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液。
  8. 請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子材料塗布液を用いて作製されたことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
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