JP2009289716A - 有機エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】駆動電圧、発光効率及びリーク特性が改善され、かつ製造の歩留まりが改善された有機EL素子及びその製造方法を提供することにある。
【解決手段】第一基板上に第一電極と少なくとも1層の有機層を有する第一部材の最表層(第一最表層)と、第二基板上に第二電極と少なくとも1層の有機層を有する第二部材の最表層(第二最表層)とを、貼合してなる有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法において、第一最表層と第二最表層とが貼合されて形成された機能層が、膜厚方向で機能成分の濃度勾配を有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、有機エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法に関する。詳しくは、駆動電圧、発光効率及びリーク特性が改善された有機エレクトロルミネセンス素子及びその製造方法に関する。
従来、発光型の電子デバイスとして、エレクトロルミネセンス(以下、ELDと略記する)がある。ELDの構成要素としては、無機エレクトロルミネセンス素子(以下、無機EL素子ともいう)や有機エレクトロルミネセンス素子(以下、有機EL素子ともいう)が挙げられる。無機EL素子は平面型光源として使用されてきたが、発光素子を駆動させるためには交流の高電圧が必要である。
一方、有機EL素子は、発光する化合物を含有する発光層を、陰極と陽極で挟んだ構成を有し、発光層に電子及び正孔を注入して、再結合させることにより励起子(エキシトン)を生成させ、このエキシトンが失活する際の光の放出(蛍光・燐光)を利用して発光する素子であり、数V〜数十V程度の電圧で発光が可能であり、さらに自己発光型であるために視野角に富み、視認性が高く、薄膜型の完全固体素子であるために省スペース、携帯性等の観点から注目されている。
また、有機EL素子は、従来実用に供されてきた主要な光源、例えば、発光ダイオードや冷陰極管と異なり、面光源であることからも大きな特徴である。この特性を有効に活用できる用途として、照明用光源や様々なディスプレイのバックライトがある。特に近年、需要の増加が著しい液晶フルカラーディスプレイのバックライトとして用いることも好適である。
有機EL素子をこのような照明用光源、あるいはディスプレイのバックライトとして実用するための課題として発光効率の向上が挙げられる。発光効率の向上のためには、有機EL素子を構成する有機機能層の一部において、それぞれ別個の機能を有する材料を複数混合して構成する所謂ホスト/ゲスト構造を組み入れることが一般的となりつつある。具体的には、発光層におけるホスト材料/発光ドーパントの組み合わせが挙げられる。特開2004−6102号公報、同2005−38672号公報には、発光層における発光ホストに対する発光ドーパントの比率が発光層内で連続的に変化することで寿命が向上することを示しているが、発光ドーパントの濃度を連続的に変化させる手段として明示しているのは真空蒸着法における蒸着レートの制御のみであり、生産性に適した手段の提案とはいえない。
一方、有機EL素子の製造方法としては、蒸着法、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法)等があるが、真空プロセスを必要とせず、連続生産が簡便であるという理由で、近年はウェットプロセスにおける製造方法が注目されている。特許文献1、2には、ウェットプロセスにおいて、隣接する2層間の成分を連続的に混合させる手段が開示されているが、この場合は隣接する2層の材料の溶解性の差を利用しており、同一材料を用いた単一層内でのドーパント濃度を連続変化させる手段としては適用できない問題がある。また、隣接する2層間、例えば正孔輸送層と発光層の成分を連続的に混合させることで正孔輸送層と発光層の間の界面の障壁を緩和させることができ、発光層への正孔注入の効率を向上させることができるが、反面、電子ブロックの機能は低下することになり、この技術のみで発光効率を高めることは困難である。
特開平11−74083号公報 特開2007−42314号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、駆動電圧、発光効率及びリーク特性が改善され、かつ製造の歩留まりが改善された有機EL素子及びその製造方法を提供することにある。
本発明の上記課題は、以下の構成により達成される。
1.第一基板上に第一電極と少なくとも1層の有機層を有する第一部材の最表層(第一最表層)と、第二基板上に第二電極と少なくとも1層の有機層を有する第二部材の最表層(第二最表層)とを、貼合してなる有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法において、第一最表層と第二最表層とが貼合されて形成された機能層が、膜厚方向で機能成分の濃度勾配を有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
2.前記第一最表層は少なくとも機能成分aを含有し、第二最表層は少なくとも機能成分bを含有し、第一最表層及び第二最表層の機能成分a及び機能成分bの濃度が、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする前記1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
式(1) 第一最表層 機能成分a濃度>機能成分b濃度
式(2) 第二最表層 機能成分b濃度>機能成分a濃度
3.前記機能層が発光層であることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
4.前記発光層の機能成分aが発光ドーパントであり、機能成分bが発光ホストであることを特徴とする前記3に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
5.前記機能層が正孔輸送層であることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
6.前記正孔輸送層の機能成分a、bのLUMOが下記式(3)を満たすことを特徴とする前記5に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
式(3) 機能成分aのLUMO<機能成分bのLUMO
7.前記機能層が電子輸送層であることを特徴とする前記1または2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
8.前記電子輸送層の機能成分a、bのHOMOが下記式(4)を満たすことを特徴とする前記7に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
式(4) 機能成分aのLUMO<機能成分bのLUMO
9.前記第一部材が、第一基板及び少なくとも陽極と第一最表層からなり、第二部材が、第二基板及び少なくとも陰極と第二最表層からなることを特徴とする前記1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
10.第一基板または第二基板のうち、少なくとも一方がフレキシブル基板であることを特徴とする前記1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
11.前記1〜10のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
本発明により、駆動電圧、発光効率及びリーク特性が改善され、かつ製造の歩留まりが改善された有機EL素子及びその製造方法を提供することができた。
以下、本発明の有機EL素子の各構成要素の詳細について、順次説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
本発明においては、有機層である第一部材の第一最表層と第二部材の第二最表層は少なくとも二種以上の機能成分からなり、それらを別々の基板に層形成した後に貼合を行うことで、膜厚方向の機能成分の濃度勾配を有することを特徴とする。
この製造方法により、駆動電圧、発光効率及びリーク特性が改善する理由は定かではないが、キャリアの移動を促す、あるいは抑制することで、キャリアを効率よく適切な発光位置に輸送するためであると考えられる。また、製造方法で貼合法を採用することで、製造歩留まりも向上する、あるいはウェットプロセスでの積層が容易になるといった効果もある。
《最表層》
本発明に係る第一最表層、第二最表層とは、貼合される前に第一部材と第二部材のそれぞれ最表面に設けられた層を指し、第一最表層は少なくとも機能成分aを含有し、第二最表層は少なくとも機能成分bを含有する。それぞれに含まれる機能成分a、bの濃度は前記式(1)及び(2)に示す関係を有することが好ましい。第一最表層と第二最表層を構成する機能成分はこの関係を持っていればどのような組み合わせでもよく、一つの最表層を形成する材料は一種類以上であればよく、有機材料を用いても、無機及び無機塩材料を用いてもよいが、層形成時に用いる溶媒は成分a及びbが共通で溶ける溶媒を選択することが好ましい。
《機能成分》
本発明に係る機能成分とは、第一最表層と第二最表層を構成する成分であり、特にホスト−ゲストの関係が成り立つものを指し、好ましくはホストとドーパント、あるいはエレクトロンドナーとエレクトロンアクセプターの関係である。第一最表層と第二最表層が貼合されることで形成される層が機能層であり、第一電極、例えば陽極と、第二電極、例えば陰極間に形成される有機層のいずれの層でもよく、発光層に電子や正孔を運びやすくするため、あるいは電子、正孔及び励起子を発光層中に留めるためには正孔輸送層、電子輸送層及び発光層であることが好ましく、さらに好ましくは発光層である。
《有機EL素子の層構成》
次に、本発明の有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)陽極/発光層ユニット/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層ユニット/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
以下に各層について説明する。
《発光層》
発光層とは、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよいが、層間での励起子の失活等が考えられることから発光層の層内であることが好ましい。
発光層の膜厚は、特に制限はないが、形成する膜の均質性や、発光時に不必要な高電圧を印加するのを防止し、かつ、駆動電流に対する発光色の安定性向上の観点から、2〜200nmの範囲に調整することが好ましく、さらに好ましくは5〜100nmの範囲に調整される。
本発明の有機EL素子の発光層には、発光ホスト化合物と、発光ドーパントの少なくとも一種とを含有することが好ましい。以下に発光層に含まれる発光ドーパント(発光ドーパント化合物ともいう)、ホスト化合物について説明する。
本発明の製造方法を用いて発光層を形成した場合においても、上記のような発光効率の上昇、駆動電圧の低下のみならずリーク特性の改善も見られた。その理由としては定かではないが、ドーパントの濃度を局所的に変化させることで発光層内にキャリアが移動しやすくなる、あるいは留めることで、発光位置を発光層と他層の界面から外し、励起子の失活を防ぐためだと推定している。
本発明の有機EL素子の発光層には、発光ホスト化合物とゲスト材料としての発光ドーパントの少なくとも一種を含有することが好ましく、発光ホスト化合物と3種以上の発光ドーパントを含有することがさらに好ましい。以下に発光層に含まれるホスト化合物(発光ホスト等ともいう)と発光ドーパント(発光ドーパント化合物ともいう)について説明する。
《ホスト化合物》
本発明に用いられるホスト化合物について説明する。
ここで、本発明においてホスト化合物とは、発光層に含有される化合物の内でその層中での質量比が20%以上であり、かつ室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が0.1未満の化合物と定義される。好ましくはリン光量子収率が0.01未満である。また、発光層に含有される化合物の中で、その層中での質量比が20%以上であることが好ましい。
ホスト化合物としては、公知のホスト化合物を単独で用いてもよく、または複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種用いることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、後述する発光ドーパントを複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。
また、本発明に用いられる発光ホストとしては、従来公知の低分子化合物でも、繰り返し単位をもつ高分子化合物でもよく、ビニル基やエポキシ基のような重合性基を有する低分子化合物(蒸着重合性発光ホスト)でもよい。
併用してもよい公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
《発光ドーパント》
本発明に係る発光ドーパントについて説明する。
本発明に係る発光ドーパントとしては、蛍光ドーパント(蛍光性化合物ともいう)、リン光ドーパント(リン光発光体、リン光性化合物、リン光発光性化合物等ともいう)を用いることができるが、より発光効率の高い有機EL素子を得る観点からは、有機EL素子の発光層や発光ユニットに使用される発光ドーパント(単に、発光材料ということもある)としては、上記のホスト化合物を含有すると同時に、リン光ドーパントを含有することが好ましい。
リン光ドーパントは、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
本発明に係るリン光ドーパントとしては、好ましくは元素の周期表で8〜10族の金属を含有する錯体系化合物であり、さらに好ましくはイリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物である。
以下に、リン光ドーパントとして用いられる化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは、正孔を輸送する機能を有する正孔輸送材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。本発明に係る正孔輸送層は二成分の混合層であるが、所謂p型半導体層、あるいはそれに類似した層である。低駆動電圧化に効果が認められ、キャリアアクセプターのドープにより正孔密度を高める、あるいは低いHOMO準位を形成し、ホッピングによる正孔移動度を高めているためと解釈されている。
貼合を用いて正孔輸送層を形成した場合においては、発光効率の上昇及び駆動電圧の低下が見られた。その理由としては定かではないが、貼合の際に材料が混合することで発光層に正孔がより注入しやすい、いわゆるp性の高い正孔輸送層を形成するのみならず、一方の材料のLUMOが高い材料(以下高LUMO材料ともいう)等適宜選択することで、層中の高LUMO材料の濃度が低い部分では、エレクトロンアクセプターとして働きp性を高めるとともに、高LUMO材料の濃度が高い部分では固定電子数が増え、電子障壁が高くなることによるものと思われる電子、あるいは励起子の阻止性能を発現するといった効果が得られると推定している。
正孔輸送材料としては、正孔の注入または輸送、電子の障壁性のいずれかを有するもので有機物、無機物のいずれでもよい。例えば、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体及びピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。
正孔輸送材料としては上記のものを使用することができるが、ポルフィリン化合物、芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物、特に芳香族第3級アミン化合物を用いることが好ましい。芳香族第3級アミン化合物及びスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノフェニル;N,N′−ジフェニル−N,N′−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1′−ビフェニル〕−4,4′−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N′,N′−テトラ−p−トリル−4,4′−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N′−ジフェニル−N,N′−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4′−ジアミノビフェニル;N,N,N′,N′−テトラフェニル−4,4′−ジアミノジフェニルエーテル;4,4′−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4′−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4′−N,N−ジフェニルアミノスチルベンゼン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば、4,4′−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4′,4″−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、p型−Si、p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。また、特開平11−251067号公報、J.Huang et.al.著文献(Applied Physics Letters 80(2002),p.139)に記載されているような所謂、p型正孔輸送材料を用いることもできる。本発明ではより高効率の発光素子が得られることからこれらの材料を用いることが好ましい。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば、真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。この正孔輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。また、不純物をドープしたp性の高い正孔輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。本発明ではこのようなp性の高い正孔輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《エレクトロンアクセプター》
本発明に係るエレクトロンアクセプターとは、電子受容性化合物を指す。単体ではなく、ドーパントとしてホストと混合することにより有機層を形成する。エレクトロンアクセプターにより酸化されたホストがカチオンラジカル状態で存在することで、陽極側の層界面付近における正孔障壁が軽減され、正孔の供給密度が高まり、低電圧化効果が認められる。所謂、p型半導体層を形成する。エレクトロンアクセプターを含有する層は発光層でも構わない。この場合のドーパントは、本発明に係るキャリアアクセプターと発光源を含有することとなる。発光源は蛍光でも燐光でも構わない。本発明に係るアクセプターは、好ましくは正孔輸送層に含有される。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する電子輸送材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。本発明に係る電子輸送層は二成分の混合層であるが、所謂n型半導体層、あるいはそれに類似した層である。低駆動電圧化に効果が認められ、キャリアドナーのドープにより電子密度を高める、あるいは低いLUMO準位を形成し、ホッピングによる電子移動度を高めているためと解釈されている。
貼合を用いて電子輸送層を形成した場合においても、同様に発光効率の上昇及び駆動電圧の低下が見られた。その理由は定かではないが、貼合の際に二成分が混合することで発光層に電子がより注入しやすい、いわゆるn性の高い電子輸送層が形成されるのみならず、一方の材料のHOMOが低い材料(以下低HOMO材料ともいう)等適宜選択することで、層中の低HOMO材料の濃度が低い部分ではエレクトロンドナーとして働きn性を高めるとともに、低HOMO材料の濃度が高い部分では固定正孔数が増え、正孔障壁が高くなることによるものと思われる正孔、あるいは励起子の阻止性能を発現するといった効果が得られると推定している。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)は、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料は従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えばニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。
さらに、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。さらにこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることができる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えば、トリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリーもしくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができ、正孔注入層、正孔輸送層と同様にn型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は上記電子輸送材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5〜200nmである。電子輸送層は上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。また不純物をドープしたn性の高い電子輸送層を用いることもできる。その例としては、特開平4−297076号公報、同10−270172号公報、特開2000−196140号公報、同2001−102175号公報、J.Appl.Phys.,95,5773(2004)等に記載されたものが挙げられる。本発明においては、このようなn性の高い電子輸送層を用いることがより低消費電力の素子を作製することができるため好ましい。
《エレクトロンドナー》
本発明に係るエレクトロンドナーとは、電子供与性化合物を指す。単体ではなく、ドーパントとしてホストと混合することにより有機層を形成する。エレクトロンドナーにより還元されたホストがアニオンラジカル状態で存在することで、陰極側の層界面付近における電子障壁が軽減され、電子の供給密度が高まり、低電圧化効果が認められる。所謂、n型半導体層を形成する。エレクトロンドナーを含有する層は発光層でも構わない。この場合のドーパントは、本発明のキャリアドナーと発光源を含有することとなる。発光源は蛍光でも燐光でも構わない。本発明に係るエレクトロンドナーは、好ましくは電子輸送層に含有される。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記の如く陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるがその膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記の如く有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば、特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する電子輸送層の構成を必要に応じて、本発明に係わる正孔阻止層として用いることができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられていることが好ましい。
正孔阻止層には、前述のホスト化合物として挙げたアザカルバゾール誘導体を含有することが好ましい。
また、本発明においては、複数の発光色の異なる複数の発光層を有する場合、その発光極大波長が最も短波にある発光層が、全発光層中、最も陽極に近いことが好ましいが、このような場合、該最短波層と該層の次に陽極に近い発光層との間に正孔阻止層を追加して設けることが好ましい。さらには、該位置に設けられる正孔阻止層に含有される化合物の50質量%以上が、前記最短波発光層のホスト化合物に対しそのイオン化ポテンシャルが0.3eV以上大きいことが好ましい。
イオン化ポテンシャルは化合物のHOMO(最高被占分子軌道)レベルにある電子を真空準位に放出するのに必要なエネルギーで定義され、例えば下記に示すような方法により求めることができる。
(1)米国Gaussian社製の分子軌道計算用ソフトウェアであるGaussian98(Gaussian98、Revision A.11.4,M.J.Frisch,et al,Gaussian,Inc.,Pittsburgh PA,2002.)を用い、キーワードとしてB3LYP/6−31G*を用いて構造最適化を行うことにより算出した値(eV単位換算値)の小数点第2位を四捨五入した値としてイオン化ポテンシャルを求めることができる。この計算値が有効な背景には、この手法で求めた計算値と実験値の相関が高いためである。
(2)イオン化ポテンシャルは光電子分光法で直接測定する方法により求めることもできる。例えば、理研計器社製の低エネルギー電子分光装置「Model AC−1」を用いて、あるいは紫外光電子分光として知られている方法を好適に用いることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層の機能を有し、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。また、後述する正孔輸送層の構成を必要に応じて電子阻止層として用いることができる。本発明に係る正孔阻止層、電子輸送層の膜厚としては、好ましくは3〜100nmであり、さらに好ましくは5〜30nmである。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としては、Au等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。あるいは、有機導電性化合物のように塗布可能な物質を用いる場合には、印刷方式、コーティング方式等湿式成膜法を用いることもできる。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。さらに膜厚は材料にもよるが、通常10〜1000nm、好ましくは10〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
陰極としては仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えば、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極はこれらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。なお、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
《基板》
本発明の有機EL素子の基板(以下、基体、支持基盤、基材、支持体等ともいう。)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また、透明であっても不透明であってもよい。基板側から光を取り出す場合には、基板は透明であることが好ましい。好ましく用いられる透明な基板としては、ガラス、石英、透明樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい基板は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、セロファン、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、セルロースアセテートブチレート、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)、セルロースアセテートフタレート(TAC)、セルロースナイトレート等のセルロースエステル類またはそれらの誘導体、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアルコール、ポリエチレンビニルアルコール、シンジオタクティックポリスチレン、ポリカーボネート、ノルボルネン樹脂、ポリメチルペンテン、ポリエーテルケトン、ポリイミド、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン類、ポリエーテルイミド、ポリエーテルケトンイミド、ポリアミド、フッ素樹脂、ナイロン、ポリメチルメタクリレート、アクリルあるいはポリアリレート類、アートン(商品名JSR社製)あるいはアペル(商品名三井化学社製)といったシクロオレフィン系樹脂等を挙げられる。
樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよく、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
高バリア性フィルムとするために、樹脂フィルム表面に形成されるバリア膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることがより好ましい。無機層と有機層の積層順については特に制限はないが、両者を交互に複数回積層させることが好ましい。
《バリア膜の形成方法》
バリア膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができるが、特開2004−68143号公報に記載されているような大気圧プラズマ重合法によるものが特に好ましい。不透明な支持基盤としては、例えばアルミ、ステンレス等の金属板・フィルムや不透明樹脂基板、セラミック製の基板等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の発光の室温における外部取り出し効率は1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。
《封止》
本発明の有機EL素子の封止に用いられる封止手段としては、例えば封止部材と、電極、支持基盤とを接着剤で接着する方法を挙げることができる。封止部材としては、有機EL素子の表示領域を覆うように配置されておればよく、凹板状でも、平板状でもよい。また、透明性、電気絶縁性は特に限定されない。具体的には、ガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等が挙げられる。ガラス板としては、特にソーダ石灰ガラス、バリウム・ストロンチウム含有ガラス、鉛ガラス、アルミノケイ酸ガラス、ホウケイ酸ガラス、バリウムホウケイ酸ガラス、石英等を挙げることができる。
また、ポリマー板としては、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルサルファイド、ポリサルフォン等を挙げることができる。金属板としては、ステンレス、鉄、銅、アルミニウム、マグネシウム、ニッケル、亜鉛、クロム、チタン、モリブテン、シリコン、ゲルマニウム及びタンタルからなる群から選ばれる一種以上の金属または合金からなるものが挙げられる。
本発明においては、有機EL素子を薄膜化できるということからポリマーフィルム、金属フィルムを好ましく使用することができる。さらには、ポリマーフィルムは、JIS K 7129−1992に準拠した方法で測定された水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下のバリア性フィルムであることが好ましく、さらには、JIS K 7126−1987に準拠した方法で測定された酸素透過度が、1×10−3ml/m・24h・atm以下、水蒸気透過度(25±0.5℃、相対湿度(90±2)%RH)が、1×10−3g/(m・24h)以下の高バリア性フィルムであることが好ましい。
封止部材を凹状に加工するのは、サンドブラスト加工、化学エッチング加工等が使われる。
封止に用いられる接着剤として具体的には、アクリル酸系オリゴマー、メタクリル酸系オリゴマーの反応性ビニル基を有する光硬化及び熱硬化型接着剤、2−シアノアクリル酸エステル等の湿気硬化型等の接着剤を挙げることができる。また、エポキシ系等の熱及び化学硬化型(二液混合)を挙げることができる。また、ホットメルト型のポリアミド、ポリエステル、ポリオレフィンを挙げることができる。また、カチオン硬化タイプの紫外線硬化型エポキシ樹脂接着剤を挙げることができる。なお、有機EL素子が熱処理により劣化する場合があるので、室温から80℃までに接着硬化できるものが好ましい。また、前記接着剤中に乾燥剤を分散させておいてもよい。封止部分への接着剤の塗布は、市販のディスペンサーを使ってもよいし、スクリーン印刷のように印刷してもよい。
また、有機層を挟み支持基盤と対向する側の電極の外側に、該電極と有機層を被覆し、支持基盤と接する形で無機物、有機物の層を形成し封止膜とすることも好適にできる。この場合、該膜を形成する材料としては、水分や酸素等素子の劣化をもたらすものの浸入を抑制する機能を有する材料であればよく、例えば、酸化珪素、二酸化珪素、窒化珪素等を用いることができる。さらに該膜の脆弱性を改良するためにこれら無機層と有機材料からなる層の積層構造を持たせることが好ましい。
これらの膜の形成方法については、特に限定はなく、例えば真空蒸着法、スパッタリング法、反応性スパッタリング法、分子線エピタキシー法、クラスタ−イオンビーム法、イオンプレーティング法、プラズマ重合法、大気圧プラズマ重合法、プラズマCVD法、レーザーCVD法、熱CVD法、コーティング法等を用いることができる。封止部材と有機EL素子の表示領域との間隙には、気相及び液相では、窒素、アルゴン等の不活性気体や、フッ化炭化水素、シリコンオイルのような不活性液体を注入することが好ましい。また、真空とすることも可能である。また、内部に吸湿性化合物を封入することもできる。吸湿性化合物としては、例えば金属酸化物(例えば、酸化ナトリウム、酸化カリウム、酸化カルシウム、酸化バリウム、酸化マグネシウム、酸化アルミニウム等)、硫酸塩(例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、硫酸コバルト等)、金属ハロゲン化物(例えば、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、フッ化セシウム、フッ化タンタル、臭化セリウム、臭化マグネシウム、沃化バリウム、沃化マグネシウム等)、過塩素酸類(例えば過塩素酸バリウム、過塩素酸マグネシウム等)等が挙げられ、硫酸塩、金属ハロゲン化物及び過塩素酸類においては無水塩が好適に用いられる。
《保護膜、保護板》
有機層を挟み、支持基盤と対向する側の前記封止膜あるいは前記封止用フィルムの外側に、有機EL素子の機械的強度を高めるために、保護膜あるいは保護板を設けてもよい。特に、封止が前記封止膜により行われている場合には、その機械的強度は必ずしも高くないため、このような保護膜、保護板を設けることが好ましい。これに使用することができる材料としては、前記封止に用いたのと同様なガラス板、ポリマー板・フィルム、金属板・フィルム等を用いることができるが、軽量かつ薄膜化ということからポリマーフィルムを用いることが好ましい。
《光取り出し及び/または集光シート》
特にバックライト用の有機EL素子においては、通常、全方位に光が放射され視野角が変わっても明るさが変わらないような特性が望ましいが、使用形態によっては、正面輝度をより高くし、大きな視野角(斜め方向から観察する角度)においては輝度を低下させることが望ましい。そのために、有機EL素子の上に、放射角を制御する拡散板、プリズムシート等が組み合わされることが好ましい。
《用途》
本発明の有機EL素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これに限定するものではないが、特に、カラーフィルターと組み合わせた液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。本発明の有機EL素子においては、必要に応じ製膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもいいし、電極と発光層をパターニングしてもいいし、有機EL素子全層をパターニングしてもいい。
《照明装置》
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような一種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。
なお、青色光(B)を発光する発光層の他に、緑色光(G)、赤色(R)光の発光層を具備することで、色度が改善された白色光を取出すことが可能な有機EL素子を得ることができる。
《反応性有機化合物》
本発明では、反応性基をもつ有機化合物(反応性有機化合物)を用いてもよい。反応性有機化合物を用いる層としては特に制限はなく、各層に用いることができる。
反応性有機化合物を基板上で反応させ、有機分子によるネットワークポリマーを形成させることができる。ネットワークポリマーが生成することで、構成層のTg(ガラス転移点)調整による素子劣化の抑制させることができる。
また、素子使用中の活性ラジカルを用いて分子の共役系の切断または生成を伴う反応を調整することにより、有機EL素子の発光波長を変えたり、特定波長の劣化を抑制したりすること等も可能である。
一方、製造面では、例えば、ウェットプロセスで積層する工程の場合では、下層が上層の塗布液に溶解しないことが好ましく、下層を樹脂化し溶剤溶解性を劣化させることで、上層塗布を可能とすることができる。
本発明に用いることのできる反応性基の一例を示す。
Figure 2009289716
また、反応性有機化合物の一例を示す。
Figure 2009289716
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《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法は、第一部材と第二部材それぞれに有機層を形成し、最表層同士を貼合することで行われる。
以下、本発明の有機EL素子の作成方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/電子注入層/陰極からなる有機EL素子の作製法を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
まず、適当な第一基板上に所望の電極物質、例えば、陽極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは10〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ陽極を作製する。また、同様に第二基板上にも所望の電極物質、例えば陰極用物質からなる薄膜を1μm以下、好ましくは50〜200nmの膜厚になるように形成させ陰極を形成させる。次にこれらの上に有機EL材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層の有機化合物薄膜(有機層)を形成させる。
これら各層の形成方法としては、前記のごとく蒸着方、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、スプレー法、印刷法)等がある。さらには均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、本発明においてはスピンコート法、インクジェット法、スプレー法、印刷法等の塗布法による成膜が好ましい。
本発明に係る有機EL材料を溶解または分散する液媒体としては、例えばメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカリン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができる。
これらの層を第一部材、第二部材で形成して同じ機能を有する層、例えば、発光層までそれぞれ形成させた後、第一部材と第二部材を貼合することにより所望の有機EL素子が得られる。このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には陽極を+、陰極を−として電圧2〜40V程度を印加すると発光が観察できる。また、交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例
《有機EL素子の作製》
(有機EL素子1の作製)
市販の無アルカリ硝子基板(ガラス基板1)上に、スパッタ装置により陽極(透明電極)としてITOを110nm設けた。フォトリソグラフィー法により、4mm×4mmの発光部位が得られるようにITOのパターニングを実施し、陽極付きガラス基材1を得た。
また、市販のポリエチレンテレフタレートフィルム(帝人・デュポン社製フィルム、以下PETと略記する)の全面に大気圧プラズマ処理装置を用いて特開2004−68143号に記載方法で、連続してPETフィルム上にSiOxからなる無機物のガスバリア膜を形成し、酸素透過度0.01ml/m/day以下、水蒸気透過度0.01mg/m/day以下のガスバリア性の可撓性フィルム2を得た。
陽極付きガラス基材1を洗浄し、グローブボックス中に移動し、この上に下記表1に従い、ウェットプロセスで有機層を作製した。
この陽極付きガラス基材1を市販のスピンコーターに取り付け、PEDOT(45mg)をトルエン10mlに溶解した溶液を用い、1000rpm、30秒の条件下、スピンコート(膜厚約50nm)した。60℃で1時間真空乾燥し、正孔注入層とした。
次いで、化合物HT−1(45mg)をトルエン10mlに溶解した溶液を用い、1000rpm、30秒の条件下、スピンコート(膜厚約20nm)し、60℃で1時間真空乾燥し、正孔輸送層とした。
次いで、H−2(30mg)とD−1(5.3mg)をトルエン11mlに溶解した溶液を用い、1000rpm、30秒の条件下、スピンコート(膜厚約40nm)した。紫外光を30秒照射し、光重合・架橋を行った後、60℃で1時間乾燥し、青色発光層(D−1濃度=15質量%)とした。ここで、D−1はリン光性発光ドーパントである。
さらに、化合物ET−1(68mg)とCsF(17mg)をトルエン10mlに溶解した溶液を用い、1000rpm、30秒の条件下、スピンコート(膜厚約40nm)した。60℃で1時間乾燥し電子輸送層(CsF濃度=20質量%)とした。
これを真空蒸着装置に取付け、真空槽を4×10−4Paまで減圧し、アルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、この上に可撓性フィルム2を貼合して、ガスバリア性フィルムでシールし、有機EL素子1を得た。
(有機EL素子2の作製)
市販の無アルカリ硝子基板(ガラス基板1)上に、スパッタ装置により陽極(透明電極)としてITOを110nm設けた。フォトリソグラフィー法により、4mm×4mmの発光部位が得られるようにITOのパターニングを実施し、陽極付きガラス基材1を得た。
陽極付きガラス基材1を洗浄し、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、4つのタンタル製抵抗加熱ボートに、PEDOT、HT−1、H−1、D−1をそれぞれ入れ、真空蒸着装置(第1真空槽)に取付けた。
まず、第1の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、下記表1に従い、PEDOTの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で陽極付きガラス基材1に膜厚約50nmになるように蒸着し、正孔注入層を設けた。
次に、HT−1の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1〜0.2nm/秒で膜厚20nmの厚さになるように蒸着し、正孔輸送層を設けた。
さらに、H−1の入った前記加熱ボートとD−1の入ったボートをそれぞれ独立に通電して、発光ホストであるHT−1と発光ドーパントであるD−1の蒸着速度を、D−1濃度が15質量%になるように調節し、膜厚約20nmになるように蒸着し、青色発光層を設け、ガラス基板1上に陽極、正孔注入層、正孔輸送層及び青色発光層を有する第一部材を得た。
一方、可撓性フィルム2を洗浄し、市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、4つのタンタル製抵抗加熱ボートにET−2、CsF、H−1、D−1を、タングステン製抵抗加熱ボートにアルミニウムをそれぞれ入れ、真空蒸着装置の第2真空槽に取り付けた。
まず、第2の真空槽を4×10−4Paまで減圧した後、下記表1に従い、アルミニウム蒸着し、陰極を設けた。
次に、ET−2の入った前記加熱ボートとCsFの入ったボートをそれぞれ独立に通電して、それぞれの蒸着速度をCsF濃度が20質量%になるように調節し、膜厚約40nmになるように蒸着した後、紫外光を30秒照射し、光重合・架橋を行い、電子輸送層を設けた。
次に、H−1の入った前記加熱ボートとD−1の入ったボートをそれぞれ独立に通電して、それぞれの蒸着速度をD−1濃度が15質量%になるように調節し、膜厚約20nmになるように蒸着し青色発光層を設け、可撓性フィルム2上に陰極、電子輸送層及び青色発光層を有する第二部材を得た。
次に、この第一部材と第二部材を大気に接触させることなく窒素雰囲気下、JIS B9920に準拠し、測定した清浄度がクラス10で、露点温度が−80℃以下、酸素濃度0.8ppmのグローブボックスへ移し、第一部材と第二部材の青色発光層面を合わせて貼合し、ガスバリア性フィルムでシールして有機EL素子2を得た。
(有機EL素子3〜11の作製)
有機EL素子2の作製において、表1〜3記載のように、第1基板、第2基板、各有機層に含まれる化合物・化合物濃度・膜厚を変更した以外は同様にして、有機EL素子3〜11を作製した。なお、表1〜3の左側から順に成膜し、表1〜3の右側部分同士を貼合した。
(可撓性フィルム3の作製)
可撓性フィルム2と同様に市販のPETフィルムの全面に無機物のガスバリア膜を形成し、酸素透過度0.01ml/m/day以下、水蒸気透過度0.01mg/m/day以下のガスバリア性を持たせた後、陽極として100mm×100mmに裁断し、上記フィルム上にITOを100nm成膜及びパターニングを実施し可撓性フィルム基板3を作製した。
(基板4の作製)
100mm×100mm×1.1mmの無アルカリガラス基板を洗浄し、真空蒸着装置に取り付け、次いで真空槽を4×10−4Paまで減圧し、アルミニウム110nmを蒸着し陰極層を設けて基板4を作製した。
Figure 2009289716
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《有機EL素子の評価》
作製した有機EL素子について、下記の評価を行った。
(リーク特性)
有機EL素子を株式会社エーディーシー製、直流電圧・電流源/モニタR6243を用いてリーク特性を評価した。有機EL素子に順方向に1.0mA/cmに流れる電圧にて、逆方向に流れる電流も測定し、そのときの順電流と逆電流の比、順電流÷逆電流をリーク特性とした。リーク特性が10以上であれば実用上使用可能と判断した。
D:リーク特性が10未満 使用にたえない
C:リーク特性が10以上、10未満 使用可能
B:リーク特性が10以上、10未満 より好ましい
A:リーク特性が10以上 最も好ましい
(発光効率)
前記R6243を用いて有機EL素子を駆動させ、コニカミノルタセンシング株式会社製分光放射輝度計CS1000を用いて輝度を測定し、電流当たりの発光輝度である電流効率(cd/A)を求めた。発光効率は、有機EL素子1の電流効率を100としたときの相対値で表す。
評価の結果を表4に示す。
Figure 2009289716
表4から、第一部材の最表層と第二部材の最表層とが貼合されて形成された機能層が、膜厚方向で機能成分の濃度勾配を有する本発明の有機EL素子3〜11は、膜厚方向で機能成分の濃度勾配を有しない、逐次成膜法による比較例の有機EL素子1、膜厚方向で機能成分の濃度勾配を有しない、貼合法による比較例の有機EL素子2に比べ、リーク特性、発光効率が向上していることが分かる。また、第一部材及び第二部材の基板として、可撓性フィルム(フレキシブル基板)を用いることができ、これはガラス基板に比べ連続製造が可能で生産性が高い。

Claims (11)

  1. 第一基板上に第一電極と少なくとも1層の有機層を有する第一部材の最表層(第一最表層)と、第二基板上に第二電極と少なくとも1層の有機層を有する第二部材の最表層(第二最表層)とを、貼合してなる有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法において、第一最表層と第二最表層とが貼合されて形成された機能層が、膜厚方向で機能成分の濃度勾配を有することを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  2. 前記第一最表層は少なくとも機能成分aを含有し、第二最表層は少なくとも機能成分bを含有し、第一最表層及び第二最表層の機能成分a及び機能成分bの濃度が、下記式(1)及び(2)を満たすことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
    式(1) 第一最表層 機能成分a濃度>機能成分b濃度
    式(2) 第二最表層 機能成分b濃度>機能成分a濃度
  3. 前記機能層が発光層であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  4. 前記発光層の機能成分aが発光ドーパントであり、機能成分bが発光ホストであることを特徴とする請求項3に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  5. 前記機能層が正孔輸送層であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  6. 前記正孔輸送層の機能成分a、bのLUMOが下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
    式(3) 機能成分aのLUMO<機能成分bのLUMO
  7. 前記機能層が電子輸送層であることを特徴とする請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  8. 前記電子輸送層の機能成分a、bのHOMOが下記式(4)を満たすことを特徴とする請求項7に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
    式(4) 機能成分aのLUMO<機能成分bのLUMO
  9. 前記第一部材が、第一基板及び少なくとも陽極と第一最表層からなり、第二部材が、第二基板及び少なくとも陰極と第二最表層からなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  10. 第一基板または第二基板のうち、少なくとも一方がフレキシブル基板であることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の有機エレクトロルミネセンス素子の製造方法。
  11. 請求項1〜10のいずれか1項に記載の製造方法で製造されたことを特徴とする有機エレクトロルミネセンス素子。
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