JPH06234969A - 有機薄膜発光素子 - Google Patents

有機薄膜発光素子

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JPH06234969A
JPH06234969A JP2155893A JP2155893A JPH06234969A JP H06234969 A JPH06234969 A JP H06234969A JP 2155893 A JP2155893 A JP 2155893A JP 2155893 A JP2155893 A JP 2155893A JP H06234969 A JPH06234969 A JP H06234969A
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JP
Japan
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light emitting
injection layer
hole injection
organic thin
thin film
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JP2155893A
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English (en)
Inventor
Shigeru Maruyama
茂 丸山
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Fuji Electric Co Ltd
Original Assignee
Fuji Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】温度上昇時の輝度安定性に優れ、有機薄膜発光
素子アレーが製造可能な有機薄膜発光素子を得る。 【構成】正孔注入層にイソシアネート基2個以上を含む
トリフェニルアミン系窒素化合物と水酸基を2個以上含
む化合物とを重合架橋したポリマを用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は各種表示装置の発光源
として用いる有機薄膜発光素子に係り、特に素子の正孔
注入層に用いられる物質に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のブラウン管に代わるフラットディ
スプレイの需要の急増に伴い、各種表示素子の開発及び
実用化が精力的に進められている。エレクトロルミネッ
センス素子(以下EL素子とする)もこうしたニ−ズに
即するものであり、特に全固体の自発発光素子として、
他のディスプレイにはない高解像度及び高視認性により
注目を集めている。現在、実用化されているものは、発
光層にZnS/Mn系を用いた無機材料からなるEL素
子である。しかるに、この種の無機EL素子は発光に必
要な駆動電圧が100V以上と高いため駆動方法が複雑
となり製造コストが高いといった問題点がある。また、
青色発光の効率が低いため、フルカラ−化が困難であ
る。これに対して、有機材料を用いた薄膜発光素子は、
発光に必要な駆動電圧が大幅に低減でき、かつ各種発光
材料の適用によりフルカラ−化の可能性を充分に持つこ
とから、近年研究が活発化している。
【0003】特に、電極/正孔注入層/発光層/電極か
らなる積層型において、発光物質にトリス(8−ヒドロ
キシキノリン)アルミニウムを、正孔注入物質に1,
1′−ビス(4−N,N′−ジトリアミノフェニル)シ
クロヘキサンを用いることにより、10V以下の印加電
圧で1000cd/m2 以上の輝度が得られたという報
告がなされて以来開発に拍車がかけられた(Appl.Phys.
Lett. 51,913,(1987))。
【0004】図5は従来の有機薄膜発光素子を示す断面
図である。11は絶縁性透明基板、12は正極、13は
正孔注入層、14は発光層、15は電子注入層、16は
負極、17は直流電源である。絶縁性透明基板11は素
子の支持体でガラス,樹脂等を用いる。正極12は金,
ニッケル等の半透膜やインジウムスズ酸化物(IT
O),酸化スズ(SnO2 )等の透明導電膜からなり抵
抗加熱蒸着、電子ビ−ム蒸着、スパッタ法により形成す
る。該正極12は、透明性を持たせるために、10〜3
00nmの厚さにすることが望ましい。
【0005】正孔注入層13は正孔を効率良く輸送し、
且つ注入することが必要で発光した光の発光極大領域に
おいてできるだけ透明であることが望ましい。成膜方法
としてスピンコ−ト、キャスティング、LB法、抵抗加
熱蒸着、電子ビ−ム蒸着等があるが抵抗加熱蒸着が一般
的である。膜厚は10ないし200nmであり、好適に
は20ないし80nmである。正孔注入物質としては前
記1,1′−ビス(4−N,N′−ジトリアミノフェニ
ル)シクロヘキサンの他ヒドラゾン化合物,ピラゾリン
化合物,スチルベン化合物,アミン系化合物などが用い
られる。
【0006】発光層14は正孔注入層または正極から注
入された正孔と、負極16または電子注入層15より注
入された電子の再結合により効率良く発光を行う。成膜
方法はスピンコ−ト、キャスティング、LB法、抵抗加
熱蒸着、電子ビ−ム蒸着等があるが抵抗加熱蒸着が一般
的である。膜厚は10ないし200nmであるが好適に
は20ないし80nmである。発光物質には前記トリス
(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムの他に化学式
(VII −2)ないし化学式(VII −5)に示す化合物が
用いられる。
【0007】
【化9】
【0008】電子注入層15は電子を効率良く発光層に
注入することが望ましい。成膜方法はスピンコ−ト、キ
ャスティング、LB法、抵抗加熱蒸着、電子ビ−ム蒸着
等があるが抵抗加熱蒸着が一般的である。膜厚は10な
いし200nmであるが好適には20ないし80nmで
ある。電子注入物質としてはオキサジアゾール誘導体,
ペリレン誘導体などが用いられる。
【0009】負極16は電子を効率良く有機層に注入す
ることが必要である。成膜方法としては抵抗加熱蒸着,
電子ビーム蒸着,スパッタ法が用いられる。負極用材料
としては、仕事関数の小さいMg,Ag,In,Ca,
Al等およびこれらの合金,積層体等が用いられる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】この様に、有機材料を
用いた薄膜発光素子は低電圧駆動やフルカラ−化の可能
性等を強く示唆しているものの、性能面や製造面で解決
しなければならない課題が多く残されている。特に正孔
注入層の耐熱性が悪く温度上昇時の発光輝度が安定性に
欠けること、またフォトリソグラフィによる素子の製造
に際して正孔注入層のパターニング性が悪く、有機薄膜
発光素子アレーやマルチカラー発光素子の製造が困難で
ある。
【0011】この理由は正孔注入層が低分子量の物質で
あるために80℃以上の高温では正孔注入層に凝集等の
物理変化が起こるためと考えられる。また正孔注入層は
耐薬品性の悪い有機物質を利用しているためにパターニ
ング時にエッチャントにより溶解,変質,変形する。こ
の発明は上述の点に鑑みてなされその目的は、正孔注入
層の耐熱性や耐薬品性を高めることにより、温度上昇時
の発光輝度が安定で、フォトリソグラフィを適用する際
のパターニング性に優れる有機薄膜発光素子を提供する
ことにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述の目的はこの発明に
よれば正極と負極とからなる一対の電極と、その間に挟
まれた電荷注入層と発光層とを有し、発光層は注入され
た電子と正孔を再結合させて所定の波長の発光を行うも
のであり、電荷注入層は電子注入層と正孔注入層の内の
少なくとも正孔注入層からなり、正孔注入層はイソシア
ネート基を二個以上含むトリフェニルアミン系化合物
と、水酸基を二個以上含む化合物とを重合反応させてな
るポリマからなるとすることにより達成される。
【0013】
【作用】イソシアネート基を二個以上含むトリフェニル
アミン系窒素化合物と、水酸基を二個以上含む化合物と
を重合架橋させてなるポリマは分子が三次元的に結合さ
れており、耐熱性,耐薬品性が向上する。上記ポリマは
トリフェニルアミン系窒素化合物であり、正孔導電性の
正孔注入物質となる。
【0014】
【実施例】イソシアネート基を二個以上含むトリフェニ
ルアミン系窒素化合物の具体例が化学式(I−1)、化
学式(II−1)、化学式(III −1),化学式(IV−
1)に、また水酸基を二個以上含む化合物の具体例が化
学式(V−1),化学式(VI−1)にそれぞれ示され
る。
【0015】
【化10】
【0016】ポリマの一例が化学式(VIII)に示され
る。重合架橋反応はイソシアネート基と水酸基における
付加反応である。イソシアネート基と水酸基がそれぞれ
二つ以上存在するために反応は三次元的に進行し、架橋
が達成される。
【0017】
【化11】
【0018】実施例1 図1はこの発明の実施例に係る有機薄膜発光素子を示す
断面図である。11は絶縁性透明基板、12は正極、1
3は重合架橋した正孔注入層、14は発光層、16は負
極、17は直流電源である。膜厚が100nmのITO
を正極12として設けた50mm角のガラス基板11を
スピンコータに載置し、化学式(I−1)で示されるト
リフェニルアミン化合物5gと化学式(V−1)で示さ
れるビスフェノール系化合物3gをジクロロメタン20
gに溶解して正孔注入層用の塗布液を調製し、この塗布
液を回転数800rpmにて前記ガラス基板上に100
nm厚さにコートし、80℃で16h加熱硬化して重合
架橋した正孔注入層13とした。
【0019】前記正孔注入層13をコートしたガラス基
板11を抵抗加熱蒸着装置内に載置し、発光層14を形
成した。真空槽内圧は8×10-4Paとした。発光物質
にトリス(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムを用
いボート温度100ないし300℃にて加熱し、成膜速
度を約0.2nm/sとして60nm厚さに形成した。
この後、基板11を真空槽から取り出し、直径5mmの
ドットパタ−ン16個からなるステンレス製マスクを取
りつけ、新たに抵抗加熱蒸着装置内に載置し、負極16
としてMg/Ag(10:1の重量比率)を100nm
厚さに形成した。 実施例2 上記実施例1の化学式(V−1)で示されるビスフェノ
ール系化合物に替えて化学式(VI−1)で示されるビス
フェノール系化合物を用いて実施例1と同様に有機薄膜
発光素子を製作した。 実施例3 上記実施例1の化学式(I−1)で示されるトリフェニ
ルアミン化合物に替えて化学式(II−1)で示されるヒ
ドラゾン化合物を用いて実施例1と同様に有機薄膜発光
素子を製作した。 実施例4 上記実施例1の化学式(I−1)で示されるトリフェニ
ルアミン化合物に替えて化学式(III −1)で示される
スチルベン化合物を用いて実施例1と同様に有機薄膜発
光素子を製作した。 実施例5 上記実施例1の化学式(I−1)で示されるトリフェニ
ルアミン化合物に替えて化学式(IV−1)で示されるジ
スチリル化合物を用いて実施例1と同様に有機薄膜発光
素子を製作した。 比較例1 上記実施例1において正孔注入物質としてトリフェニル
アミン化合物を用い正孔注入層を蒸着法により形成する
以外は実施例1と同様にして有機薄膜発光素子を製作し
た。
【0020】上記実施例1ないし実施例5と比較例1で
示される有機薄膜発光素子に直流電圧を印加したとこ
ろ、緑色(発光中心波長550nm)の均一な発光が得
られた。また50mm角のガラス基板上の直径5mmの
ドットパターン16個の全てが短絡現象を起こさず発光
特性のばらつきは7%以内であった。印加電圧15V下
における発光輝度(cd/m2 )は実施例1、2、3、
4および比較例1でそれぞれ2005、1995、18
95、2090、2600であった。
【0021】印加電圧15Vのもとで電流密度(mA/
cm2 )は実施例1、2、3、4および比較例1でそれ
ぞれ130、120、140、130、120であっ
た。さらに上記実施例に係る有機薄膜発光素子を120
℃で1h加熱したが発光特性の顕著な劣化はなかった。
しかしながら比較例1に係る有機薄膜発光素子を80℃
で1h加熱すると、16個中14個に短絡が発生し、残
る2個も発光輝度が半減した。 実施例6 図2はこの発明の異なる実施例に係る有機薄膜発光素子
を示す平面図である。
【0022】図3はこの発明の異なる実施例に係る有機
薄膜発光素子の製造工程を示し、図3(a)は正極と絶
縁層の積層された素子を示す断面図、図3(b)は前記
素子に正孔注入層の塗布された素子を示す断面図、図3
(c)は前記素子の正孔注入層を光重合してエッチング
した素子を示す断面図、図3(d)は前記素子の光重合
架橋した正孔注入層上に第一の発光層または第二の発光
層を蒸着した素子を示す断面図、図3(e)は前記素子
に負極を蒸着した素子を示すX−X(図2)断面図であ
る。
【0023】この有機薄膜発光素子は有機薄膜発光素子
アレーである。各画素は絶縁性透明基板21、正極2
2、重合架橋した正孔注入層24A、第一の発光層25
または第二の発光層26、負極27からなる。各素子は
絶縁層23により相互に絶縁される。このような有機薄
膜発光素子は次のようにして製造される。ガラス等の絶
縁性透明基板21上にインジウム−スズ酸化物(IT
O)をスパッタ法により150nmの厚さに積層したの
ち、幅0.5mm、ピッチ1mmの短冊状にエッチング
して正極22を形成した。光硬化性ポリイミドを全面に
塗布したのち、正極22の形成されていない部分にフォ
トマスクを用い光照射して硬化させ未硬化部分をエッチ
ングにより除去して絶縁層23を形成した。
【0024】化学式(IV−1)で示されるジアミン化合
物5gと化学式(V−1)で示されるビスフェノール系
化合物の3gをジクロロエタン20gに溶解して正孔注
入層用の塗布液を調製した。正極22と絶縁層43の形
成された絶縁性透明基板21をスピンコータに載置して
前記塗布液を回転数5000rpmにて100nmの厚
さにコートして正孔注入層24を得た。
【0025】次いで後述する第一の発光層と第二の発光
層を形成する箇所(0.5mm角)にマスクを用いて紫
外線を照射し、正孔注入層を重合架橋により硬化させ
た。絶縁性透明基板21をトルエン中に浸漬し、光非照
射部である未硬化部分を溶解除去し重合架橋した正孔注
入層24Aを得た。次に重合架橋した正孔注入層24A
を形成した絶縁性透明基板21を抵抗加熱蒸着装置に載
置し、第一の発光層25を形成した。成膜に際して真空
度を8×10-4に減圧した。発光物質にはトリス(8−
ヒドロキシキノリン)アルミニウムを用い、ボート温度
100ないし300℃で加熱し、成膜速度を0.2nm
/sとしてマスクを用い前記重合架橋した正孔注入層2
4Aの上に蒸着した。次いで発光物質を化学式(VII −
4)に示すナフタロペリノン化合物に替えて第二の発光
層26を形成した。ボート温度100ないし300℃で
加熱し、成膜速度を0.2nm/sとしてマスクを用い
前記重合硬化した正孔注入層24Aの上に蒸着した。
【0026】第一の発光層と第二の発光層の上にステン
レス製マスクを取り付け、抵抗加熱蒸着装置内に載置
し、Mg/Ag(10:1)を蒸着して0.5mm幅で
1mmピッチの負極27を正極と交差する形で形成し
た。得られた有機薄膜発光素子に直流電圧を印加したと
ころ緑色とオレンジ色の二色の発光を確認した。100
画素を形成した実施例6の全画素に12Vの電圧を印加
したところ全画素が発光し、このとき流れた電流は14
mA(70mA/cm2 )であった。 実施例7 図4はこの発明のさらに異なる実施例に係る有機薄膜発
光素子の製造工程を示し、図4(a)は絶縁性透明基板
41の上に正極42と絶縁層43と重合硬化した正孔注
入層44の積層された素子を示す断面図、図4(b)は
前記素子に窓の開けられた金属蒸着膜45を積層した素
子を示す断面図、図4(c)は前記素子のフォトレジス
ト46を除去し、第一の発光層を窓の開けられた金属蒸
着膜45上に形成した素子を示す断面図、図4(d)は
前記素子の金属蒸着膜を除去し、重合架橋した正孔注入
層44上に第一の発光層47を積層した素子を示す断面
図、図4(e)は前記素子に窓を有する金属蒸着膜45
Aを積層した素子を示す断面図、図4(f)は前記素子
のフォトレジスト46Aを除去して第二の発光層48を
積層した素子を示す断面図、図4(g)は前記素子の金
属蒸着膜45Aを除去し、第二の発光層48を重合硬化
した正孔注入層44上に積層し、負極49を形成した素
子を示す断面図である。
【0027】本実施例の有機薄膜発光素子は負極形成用
のフォトレジスト46Bは積層されたままである。この
フォトレジスト46Bは下部の負極49を保護する。こ
のような素子は次のようにして製造される。前記実施例
6と同一の方法で正極42を形成し、また重合架橋した
正孔注入層44を形成した。正極42は幅0.05mm
でピッチ0.1mmである。
【0028】重合架橋した正孔注入層44の形成された
絶縁性透明基板41を抵抗加熱蒸着装置内に載置し、A
lからなる金属蒸着膜45を300nmの厚さに蒸着し
た。Alに替えてCrを用いることもできる。抵抗加熱
蒸着装置より絶縁性透明基板を取り出し、光分解性アク
リル樹脂であるフォトレジスト46を金属蒸着膜45上
に塗布し、第一の発光層47を形成する部分に光照射
し、溶剤で光分解性アクリル樹脂をエッチングし、0.
01M/L濃度の水酸化ナトリウム溶液でAlである金
属蒸着膜45をエッチングした。次いで残された光分解
性アクリル樹脂の全面に光照射し、溶剤で光分解性アク
リル樹脂を除去した。これらの工程で重合架橋した正孔
注入層44は溶剤,水酸化ナトリウム溶液と接触するが
影響を受けない。
【0029】重合架橋した正孔注入層44とパターニン
グされた金属蒸着膜45の積層された絶縁性透明基板4
1を抵抗加熱蒸着装置内に載置し、全面に第一の発光層
47を積層した。成膜に際して抵抗加熱蒸着装置の内部
は8×10-8Paに減圧した。第一の発光層にはトリス
(8−ヒドロキシキノリン)アルミニウムを用いボート
温度100ないし300℃で加熱し、成膜速度を0.2
nm/sとして蒸着した。
【0030】第一の発光層47の積層された絶縁性透明
基板41を抵抗加熱蒸着装置より取り出し、0.01M
/L濃度の水酸化ナトリウム溶液に浸漬し、Al金属蒸
着膜45とその上部に蒸着された発光物質を同時にエッ
チングして重合架橋した正孔注入層44上に0.05m
m角の第一の発光層47を形成した。さらに必要に応じ
純水を用いて前記エッチングされた絶縁性透明基板41
を洗浄し、60ないし100℃で乾燥した。
【0031】第一の発光層47と同様にして第二の発光
層を48を化学式VII −4で示される化合物を用いて形
成した。第一の発光層47と第二の発光層48の形成さ
れた絶縁性透明基板41を再び抵抗加熱蒸着装置内に載
置し、Mg/Ag(10:1の比率)を真空蒸着し、幅
0.05mmでピッチ0.1mmの短冊状負極49を前
記正極42と直交するようにパターニングした。フォト
レジスト46Bには水溶性で光硬化性のポリビニルアル
コール系樹脂を使用した。Mg/Agは0.01M/L
濃度の水酸化ナトリウム溶液でエッチングした。フォト
レジスト46Bはそのまま残した。
【0032】電子注入層も必要に応じ発光層と同様にし
て形成することができる。得られた有機薄膜発光素子に
直流電圧を印加したところ緑色とオレンジ色の二色の発
光を確認した。100画素を形成した実施例7の全画素
に12Vの電圧を印加したところ全画素が発光し、この
とき流れた電流は0.2mA(80mA/cm2 )であ
った。
【0033】
【発明の効果】この発明によれば正極と負極とからなる
一対の電極と、その間に挟まれた電荷注入層と発光層と
を有し、発光層は注入された電子と正孔を再結合させて
所定の波長の発光を行うものであり、電荷注入層は電子
注入層と正孔注入層の内の少なくとも正孔注入層からな
り、正孔注入層はイソシアネート基を二個以上含むトリ
フェニルアミン系窒素化合物と、水酸基を二個以上含む
窒素化合物とを重合架橋させたポリマからなるとするの
で、イソシアネート基を二個以上含むトリフェニルアミ
ン系窒素化合物と、水酸基を二個以上含む化合物とを重
合反応させてなるポリマは三次元的に架橋されるととも
にトリフェニルアミン系構造を含有し、耐熱性,耐薬品
性の向上した正孔注入層が得られる。耐熱性,耐薬品性
の向上した正孔注入層は有機薄膜発光素子の発光輝度を
安定化させ、またフォトリソグラフィを適用する際のパ
ターニング性を向上させ信頼性に優れる有機薄膜発光素
子アレーやマルチカラー化有機薄膜発光素子が得られ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施例に係る有機薄膜発光素子を示
す断面図
【図2】この発明の異なる実施例に係る有機薄膜発光素
子を示す平面図
【図3】この発明の異なる実施例に係る有機薄膜発光素
子の製造工程を示し、図3(a)は正極と絶縁層の積層
された素子を示す断面図、図3(b)は前記素子に正孔
注入層の塗布された素子を示す断面図、図3(c)は前
記素子の正孔注入層を光重合してエッチングした素子を
示す断面図、図3(d)は前記素子の重合架橋した正孔
注入層上に第一の発光層または第二の発光層を蒸着した
素子を示す断面図、図3(e)は前記素子に負極を蒸着
した素子を示すX−X(図2)断面図
【図4】この発明のさらに異なる実施例に係る有機薄膜
発光素子の製造工程を示し、図4(a)は絶縁性透明基
板の上に正極と絶縁層と重合硬化した正孔注入層の積層
された素子を示す断面図、図4(b)は前記素子に窓の
開けられた金属蒸着膜を積層した素子を示す断面図、図
4(c)は前記素子のフォトレジストを除去し、第一の
発光層を窓の開けられた金属蒸着膜上に形成した素子を
示す断面図、図4(d)は前記素子の金属蒸着膜を除去
し、重合架橋した正孔注入層上に第一の発光層を積層し
た素子を示す断面図、図4(e)は前記素子に窓を有す
る金属蒸着膜を積層した素子を示す断面図、図4(f)
は前記素子のフォトレジストを除去して第二の発光層を
積層した素子を示す断面図、図4(g)は前記素子の金
属蒸着膜を除去し、第二の発光層を重合硬化した正孔注
入層上に積層し、負極を形成した素子を示す断面図
【図5】従来の有機薄膜発光素子を示す断面図
【符号の説明】
11 絶縁性透明基板 12 正極 13 重合架橋した正孔注入層 14 発光層 15 電子注入層 16 負極 17 直流電源 21 絶縁性透明基板 22 正極 23 絶縁層 24 正孔注入層 24A 重合架橋した正孔注入層 25 第一の発光層 26 第二の発光層 27 負極 41 絶縁性透明基板 42 正極 43 絶縁層 44 重合架橋した正孔注入層 45 金属蒸着膜 46 フォトレジスト 46A フォトレジスト 46B フォトレジスト 47 第一の発光層 48 第二の発光層 49 負極

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】正極と負極とからなる一対の電極と、その
    間に挟まれた電荷注入層と発光層とを有し、 発光層は注入された電子と正孔を再結合させて所定の波
    長の発光を行うものであり、 電荷注入層は電子注入層と正孔注入層の内の少なくとも
    正孔注入層からなり、正孔注入層はイソシアネート基を
    二個以上含むトリフェニルアミン系窒素化合物と、水酸
    基を二個以上含む化合物とを重合架橋させたポリマから
    なることを特徴とする有機薄膜発光素子。
  2. 【請求項2】請求項1記載の素子において、イソシアネ
    ート基を二個以上含むトリフェニルアミン系窒素化合物
    は一般式(I)に示されるトリフェニルアミン化合物,
    一般式(II)に示されるヒドラゾン化合物,一般式(II
    I )に示されるスチルベン化合物または一般式(IV) に
    示されるジアミン化合物であることを特徴とする有機薄
    膜発光素子。 【化1】 一般式(I)において、Aは構造式(Ia)または(I
    b)で示される。 【化2】 (R1 、R2 、R3 、R4 、R5 はそれぞれイソシアネ
    ート基,水素原子,ハロゲン原子または置換されてもよ
    いアルキル基であり、Aが構造式(1a)である場合は
    1 、R2 、R3 のうち少なくとも二つがイソシアネー
    ト基、またAが構造式(1b)である場合はR1
    2 、R4 、R5 のうち少なくとも二つがイソシアネー
    ト基である。) 【化3】 (R6 、R7 、R8 はそれぞれイソシアネート基,水素
    原子,ハロゲン原子または置換されてもよいアルキル基
    であり、この内少なくとも二つはイソシアネート基であ
    る。またR9 は置換されてもよいアルキル基,アリル
    基,アリール基,アラルキル基である。) 【化4】 (R10、R11、R12はそれぞれイソシアネート基,水素
    原子,ハロゲン原子または置換されてもよいアルキル基
    であり、この内少なくとも二つはイソシアネート基であ
    る。またR13は置換されてもよいアルキル基,アリル
    基,アリール基,アラルキル基である。) 【化5】 一般式(IV)において、Bは構造式(IVa)または(IV
    b)で示される。 【化6】 (R14、R15、R16、R17、R18、R19、R20はイソシ
    アネート基,水素原子,ハロゲン原子または置換されて
    もよいアルキル基であり、Bが構造式(IVa)である場
    合はR14、R15、R16、R17、R18のうち少なくとも二
    つがイソシアネート基、またBが構造式(IVb)である
    場合はR14、R15、R16、R17、R19、R20のうち少な
    くとも二つがイソシアネート基である。)
  3. 【請求項3】請求項1記載の素子において、水酸基を二
    個以上含む化合物は一般式(V)または(IV)で示され
    るビスフェノール系化合物であることを特徴とする有機
    薄膜発光素子。 【化7】 一般式(V)において、Dは構造式(Va)または(V
    b)で示される。 【化8】 (R21、R22、R23、R24、は水酸基,ハロゲン原子ま
    たは置換されてもよいアルキル基、R25、R26は置換さ
    れてもよいアルキル基である。)
  4. 【請求項4】請求項1記載の素子において、重合架橋は
    光重合架橋であり、正孔注入層の光非照射部が溶剤を用
    いて溶解除去されてなることを特徴とする有機薄膜発光
    素子。
  5. 【請求項5】請求項4記載の素子において、光重合架橋
    した正孔注入層に金属蒸着膜の窓を介して発光層を積層
    し、次いで金属蒸着膜をアルカリ溶液を用いて除去して
    なることを特徴とする有機薄膜発光素子。
  6. 【請求項6】請求項5記載の素子において、金属蒸着膜
    はAl蒸着膜であることを特徴とする有機薄膜発光素
    子。
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