JP2002343568A - 有機電界発光素子 - Google Patents
有機電界発光素子Info
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Abstract
さらに高輝度かつ高効率な発光を呈する有機電界発光素
子を提供する。 【解決手段】 発光領域を有する有機層が陽極と陰極と
の間に設けられている有機電界発光素子において、前記
有機層のうちの少なくとも一部が、例えば下記構造式
(1)で表される(バソフェナントロリン)ビス(ベン
ゼンチオレート)亜鉛錯体のような混合配位子錯体から
なることを特徴とする、有機電界発光素子。 構造式(1):
Description
有機層が陽極と陰極との間に設けられている有機電界発
光素子(EL素子)に関するものである。
レイが、例えばコンピュータやテレビジョンの画面表示
用として盛んに研究、開発されている。
く、色再現性が良いため、現在ディスプレイとして最も
多く使われているが、嵩高く、重く、また消費電力も高
いという問題がある。
スプレイとして、アクティブマトリックス駆動などの液
晶ディスプレイが商品化されている。しかしながら、液
晶ディスプレイは、視野角が狭く、また、自発光でない
ため周囲が暗い環境下ではバックライトの消費電極が大
きいことや、今後実用化が期待されている高精細度の高
速ビデオ信号に対して十分な応答性能を有しない等の問
題点がある。特に、大画面サイズのディスプレイを製造
することは困難であり、そのコストが高い等の課題もあ
る。
を用いたディスプレイの可能性があるが、やはり製造コ
ストが高く、また、1つの基板上に発光ダイオードのマ
トリックス構造を形成することが難しい等の問題があ
り、ブラウン管に取って代わる低価格のディスプレイ候
補としては、実用化までの課題が大きい。
ラットパネルディスプレイとして、最近、有機発光材料
を用いた有機電界発光素子(有機EL素子)が注目され
ている。即ち、発光材料として有機化合物を用いること
により、自発光で、応答速度が高速であり、視野角依存
性の無いフラットパネルディスプレイの実現が期待され
ている。
と金属陰極との間に、電流の注入によって発光する発光
材料を含む有機薄膜を形成したものである。C.W.Tang、
S.A.VanSlyke 等は Applied Physics Letters 第51巻
12号913〜915頁(1987年)掲載の研究報告
において、有機薄膜を正孔輸送性材料からなる薄膜と電
子輸送性材料からなる薄膜との2層構造として、各々の
電極から有機膜中に注入されたホールと電子が再結合す
ることにより発光する素子構造を開発した(シングルへ
テロ構造の有機EL素子)。
子輸送材料のいずれかが発光材料を兼ねており、発光は
発光材料の基底状態と励起状態のエネルギギャップに対
応した波長帯で起きる。このような2層構造とすること
により、大幅な駆動電圧の低減、発光効率の改善が行わ
れた。
i、S.Saito 等の Japanese Journalof Applied Physics
第27巻2号L269〜L271頁(1988年)掲
載の研究報告に記載されているように、正孔輸送材料、
発光材料、電子輸送材料の3層構造(ダブルへテロ構造
の有機EL素子)が開発され、更に、C.W.Tang、S.A.Va
nSlyke、C.H.Chen等の Journal of Applied Physics第
65巻9号3610〜3616頁(1989年)掲載の
研究報告に記載されているように、電子輸送材料中に発
光材料を含ませた素子構造などが開発された。これらの
研究により、低電圧で、高輝度の発光の可能性が検証さ
れ、近年、研究開発が非常に活発に行われている。
性から、理論的には分子構造を変化させることによって
発光色を任意に変えることができるという利点があると
言える。従って、分子設計を施すことにより、フルカラ
ーディスプレイに必要な色純度の良いR(赤)、G
(緑)、B(青)の3色を揃えることは、無機物を用い
た薄膜EL素子と比べて容易であると言える。
有機材料とは言えないが、金属イオンを中心に有機化合
物が配位してなる金属錯体材料も電界発光素子材料とし
て用いられており、一般的には有機EL発光材料の範疇
として取り扱われている。その典型的な例として、アル
ミニウムイオンを中心金属とし、8−キノリノールが3
分子配位したトリス(8−キノリノール)アルミニウム
[以下Alq3と略す]が挙げられる。このAlq3の発
光は配位した8−キノリノールに局在したππ*励起状
態からの蛍光と帰属されており、有機物からの発光と同
等としても支障はないかもしれない。しかしながら、A
lq3による発光は、最高輝度、信頼性ともにディスプ
レイ材料としては満足の行くものではない。
属ならびに希土類金属を中心とする錯体材料であり、金
属と配位子の間の電荷移動励起状態(metal-to-ligand
charge transfer;MLCT,ligand-to-metal charge transf
er;LMCT)からの発光と帰属されるものについても取扱
われてきており、上述の有機化合物と同様にしてこの金
属錯体材料を発光材料に用いる場合、その多様性から、
理論的には有機物である配位子の分子構造や組み合わせ
を変化させ、さらに中心金属を変化させることによっ
て、発光色を任意に変えることができるという利点があ
るといえる。
として蛍光を用いるのではなくリン光を用いる研究開発
が近年、目立ち始めており、金属錯体の場合、中心金属
の原子量が大きく、またその電子雲の広がりのため、励
起状態間における系間交差の確立が増大し、一重項励起
状態よりもさらに低い三重項励起状態からの発光、すな
わちリン光が期待される。
る金属錯体を含有する電界発光素子であって、高輝度か
つ高効率な発光を呈し、また発光波長のチューニングが
比較的容易にでき、従来の有機物材料よりも多様な発光
波長が選択できる有機電界発光素子を提供することにあ
る。
するために鋭意検討した結果、発光材料として特定の配
位子間励起状態を最低励起状態に有する金属錯体を用い
ることによって、安定した、高輝度のフルカラーディス
プレイに極めて有用な高信頼性の発光素子を提供できる
ことを見出し、本発明に到達したものである。
が陽極と陰極との間に設けられている有機電界発光素子
において、前記有機層のうちの少なくとも一部が、下記
一般式[I]で表される混合配位子錯体の少なくとも1
種からなることを特徴とする、有機電界発光素子に係る
ものである。
1及びR2は、アルキル基、ハロゲン原子、エーテル基、
オキシアルキル基(アルコキシ基)、カルボキシル基、
カルボン酸エステル基、ニトロ基、フェニル基、ベンジ
ル基から選ばれた基であり、それらが同一であっても異
なってもよく、更に置換基を有していてもよい。また、
m及びnは0以上の整数であり、1、2、3又はそれ以
上であってよい。また、前記アロマティックチオレート
は、下記一般式(5)、(6)、(7)、(8)、
(9)、(10)、(11)又は(12)で表される分
子構造からなるものであり、
R3及びR4はアルキル基、ハロゲン原子、エーテル基、
オキシアルキル基、カルボキシル基、カルボン酸エステ
ル基、ニトロ基、フェニル基、ベンジル基から選ばれた
基であり、それらが同一であっても異なってもよく、更
に置換基を有していてもよい。また、R3及びR4は置換
基であり、m’及びn’は0以上の整数であり、1、
2、3又はそれ以上であってよい。) また、前記金属イオンは、d軌道に電子が10個すべて
占有されているd10遷移金属イオンである。]
れる混合配位子錯体の少なくとも1種を発光材料に用い
るので、高輝度で安定な発光が得られると共に、電気
的、熱的或いは化学的にも安定性に優れた素子を提供で
きる。
位子錯体は、配位子間励起状態からの発光であるため、
配位子に置換基を導入することや、配位子の組み合わせ
を変えること等によって、発光波長のチューニングが比
較的容易にでき、従来の有機物発光材料よりも多様な発
光波長が選択できる。
明を更に具体的に説明する。
前記一般式[I]で表される混合配位子錯体において、
中心金属イオンはZn2+又はCd2+であることが好まし
く、この場合、配位原子となる2つの窒素と2つのイオ
ウは中心金属に対して四面体(テトラヘドラル)配位構
造をとる。これらの最高占有軌道(HOMO:highest
occupied molecular orbital)は前記アロマティックチ
オレートに局在した電子軌道であり、最低非占有軌道
(LUMO:lowest unoccupied molecular orbital)
は前記α−ジイミンに局在した電子軌道である。従っ
て、最低励起状態は前記アロマティックチオレートから
前記α−ジイミンへの配位子間励起状態(LLCT)で
あると帰属されている。そして、前記HOMOは前記ア
ロマティックチオレートの2つのイオウ原子に局在して
おり、極限すれば前記アロマティックチオレートのイオ
ウ原子から、前記α−ジイミンへのLLCTであること
が言える。また、これらの混合配位子錯体を構成する金
属イオン、イオウ原子の電子雲の広がりが大きく、さら
にこれらの重原子効果によって、一重項1LLCT励起
状態からさらにエネルギー準位が低い三重項3LLCT
励起状態への遷移が促進され、3LLCTからの発光、
すなわちリン光が観測される。
は、前記一般式[I]で表される混合配位子錯体を用い
るので、上述したように、りん光による発光を得ること
ができ、例えば蛍光による発光と比べ、より寿命の長
い、より高輝度で安定な発光が得られると共に、電気
的、熱的或いは化学的にもより一層安定性に優れてい
る。
Cd2+と同じく四面体配位構造をとることが知られてい
るFe2+は、d軌道に電子が6個占有されたd6遷移金
属イオンである。このように、d軌道が完全に電子が1
0個占有されていない遷移金属イオンを金属錯体の中心
金属にした場合は、最低励起状態が無発光遷移となるd
d*となるために、発光しないことがあることも知られ
ている。なお、本発明の前記混合配位子錯体:M(A
T)2(N,N)において、2配位する前記アロマティ
ックチオレートは単一のものであってもよく、また、M
(AT)(AT’)(N,N)で示されるような異種の
アロマティックチオレートを組み合わせることも可能で
ある。
(5)〜(12)において、前記アルキル基は炭素原子
数10以下のアルキル基であることが好ましく、例示す
るならばメチル基、エチル基及びプロピル基等が挙げら
れる。
原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられ、
前記エーテル基は、炭素原子数10以下のエーテル基で
あることが好ましく、例示するならばメトキシ基、エト
キシ基等が挙げられる。前記オキシアルキル基及び前記
カルボン酸エステル基は、炭素原子数10以下であるこ
とが好ましい。
体は、配位子間励起状態からの発光であるため、配位子
に前記した種々の置換基を導入することや、前記一般式
(1)〜(4)及び前記一般式(5)〜(12)の配位
子の組み合わせを変えることによって、発光波長のチュ
ーニングが比較的容易にでき、より多様な発光波長を選
択することができる。
された層の陰極側に接してホールブロッキング層を設け
ることも可能である。前記ホールブロッキング層を置く
ことによって、前記混合配位子錯体で構成された層にて
ホールと電子の再結合がより効率良く行われ、発光材料
独自の純粋な発光をより高輝度かつ高効率に得ることが
可能となる。
材料とは、次のようなエネルギー状態を有するものであ
ることが望ましい。すなわち、前記ホールブロッキング
層を形成する材料の最高占有分子軌道レベルが、前記ホ
ールブロッキング層の陽極側に接する層を形成する材料
の最高占有分子軌道レベルより低いエネルギーレベルに
あること、なおかつ前記ホールブロッキング層を形成す
る材料の最低非占有分子軌道レベルが、前記ホールブロ
ッキング層の陽極側に接する層を形成する材料の最低非
占有分子軌道レベルより高いエネルギーレベルにあり、
また前記ホールブロッキング層の陰極側に接する層を形
成する材料の最低非占有分子軌道レベルより低いエネル
ギーレベルにあることである。
297、特開平11−204258、特開平11−20
4264、特開平11−204259等に示されたフェ
ナントロリン誘導体が挙げられるが、前記のエネルギー
レベルの条件を満たすものであれば、フェナントロリン
誘導体に限定されるものではない。
づく有機電界発光素子の例をそれぞれ示すものである。
型有機電界発光素子Aであって、発光光20は保護層4
の側からも観測できる。図2は陰極3での反射光も発光
光20として得る反射型有機電界発光素子Bを示す。
めの基板であり、ガラス、プラスチック及び他の適宜の
材料を用いることができる。また、有機電界発光素子を
他の表示素子と組み合わせて用いる場合には、基板を共
用することもできる。2は透明電極(陽極)であり、I
TO(Indium tin oxide)、SnO2等を使用できる。
合配位子錯体を発光材料として含有している。この発光
層について、有機電界発光20を得る層構成としては、
従来公知の種々の構成を用いることができる。後述する
ように、例えば、正孔輸送層と電子輸送層のいずれかを
構成する材料が発光性を有する場合、これらの薄膜を積
層した構造が使用できる。更に本発明の目的を満たす範
囲で電荷輸送性能を上げるために、正孔輸送層と電子輸
送層のいずれか若しくは両方が、複数種の材料の薄膜を
積層した構造、または、複数種の材料を混合した組成か
らなる薄膜を使用するのを妨げない。また、発光性能を
上げるために、少なくとも1種以上の蛍光性の材料を用
いて、この薄膜を正孔輸送層と電子輸送層の間に挟持し
た構造、更に少なくとも1種以上の蛍光性の材料を正孔
輸送層若しくは電子輸送層、またはこれらの両方に含ま
せた構造を使用しても良い。これらの場合には、発光効
率を改善するために、正孔または電子の輸送を制御する
ための薄膜をその層構成に含ませることも可能である。
配位子錯体は、電子輸送性能と正孔輸送性能の両方を持
つため、素子構造中、電子輸送層を兼ねた、前記混合配
位子錯体からなる発光層としても、或いは正孔輸送層を
兼ねた、前記混合配位子錯体からなる発光層としても用
いることが可能である。また、この混合配位子錯体を発
光層として、電子輸送層と正孔輸送層とで挟み込んだ構
成とすることも可能である。図5及び図6は、前記の構
成に加えて、発光層5の陰極側に接してフェナントロリ
ン誘導体等からなるホールブロッキング層21を設けた
ものである。
は陰極であり、電極材料としては、Li、Mg、Ca等
の活性な金属とAg、Al、In等の金属との合金、或
いはこれらを積層した構造を使用できる。透過型の有機
電界発光素子においては、陰極の厚さを調節することに
より、用途に合った光透過率を得ることができる。ま
た、図中の4は封止・保護層であり、有機電界発光素子
全体を覆う構造とすることにより、その効果が上がる。
気密性が保たれれば、適宜の材料を使用することができ
る。また、8は電流注入用の駆動電源である。
て、有機層が、正孔輸送層と電子輸送層とが積層された
有機積層構造(シングルへテロ構造)を有しており、正
孔輸送層又は電子輸送層の形成材料として前記混合配位
子錯体が用いられてよい。或いは、有機層が、正孔輸送
層と発光層と電子輸送層とが順次積層された有機積層構
造(ダブルへテロ構造)を有しており、発光層の形成材
料として前記混合配位子錯体が用いられてよい。
発光素子の例を示すと、図3は、透光性の基板1上に、
透光性の陽極2と、正孔輸送層6と電子輸送層7とから
なる有機層5aと、陰極3とが順次積層された積層構造
を有し、この積層構造が保護膜4によって封止されてな
る、シングルへテロ構造の有機電界発光素子Cである。
図7では、電子輸送層7及び/又は正孔輸送層6の陰極
側に接してホールブロッキング層21が設けられてい
る。
層構成の場合には、正孔輸送層6と電子輸送層7の界面
から所定波長の発光20を発生する。これらの発光は基
板1側から観測される。
性の陽極2と、正孔輸送層10と発光層11と電子輸送
層12とからなる有機層5bと、陰極3とが順次積層さ
れた積層構造を有し、この積層構造が保護層4によって
封止されてなる、ダブルへテロ構造の有機電界発光素子
Dである。図8では、発光層11の陰極側に接してホー
ルブロッキング層21が設けられている。
は、陽極2と陰極3の間に直流電圧を印加することによ
り、陽極2から注入された正孔が正孔輸送層10を経
て、また陰極3から注入された電子が電子輸送層12を
経て、それぞれ発光層11に到達する。この結果、発光
層11においては電子/正孔の再結合が生じて一重項励
起子が生成し、分子内で三重項励起子に緩和し、この三
重項励起子から所定波長の発光を発生する。
て、基板1は、例えば、ガラス、プラスチック等の光透
過性の材料を適宜用いることができる。また、他の表示
素子と組み合わせて用いる場合や、図3及び図4、図7
及び図8に示した積層構造をマトリックス状に配置する
場合等は、この基板を共用としてよい。また、素子C、
Dはいずれも、透過型、反射型のいずれの構造も採りう
る。
(indium tin oxide)やSnO2等が使用できる。この
陽極2と正孔輸送層6(又は正孔輸送層10)との間に
は、電荷の注入効率を改善する目的で、有機物若しくは
有機金属化合物(金属錯体等)からなる薄膜を設けても
よい。なお、保護層4が金属等の導電性材料で形成され
ている場合は、陽極2の側面に絶縁膜が設けられていて
もよい。
5aは、正孔輸送層6と電子輸送層7とが積層された有
機層であり、これらのいずれか又は双方に前記した混合
配位子錯体が含有され、発光性の正孔輸送層6又は電子
輸送層7としてよい。有機電界発光素子Dにおける有機
層5bは、正孔輸送層10と前記した混合配位子錯体を
含有する発光層11と電子輸送層12とが積層された有
機層であるが、その他、種々の積層構造を取ることがで
きる。例えば、正孔輸送層と電子輸送層のいずれか若し
くは両方が発光性を有していてもよい。
を向上させるために、複数種の正孔輸送材料を積層した
正孔輸送層を形成してもよい。
層は電子輸送性発光層7であってよいが、電源8から印
加される電圧によっては、正孔輸送層6やその界面で発
光される場合がある。同様に、有機電界発光素子Dにお
いて、発光層は層11以外に、電子輸送層12であって
もよく、正孔輸送層10であってもよい。発光性能を向
上させるために、少なくとも1種の蛍光性材料を用いた
発光層11を正孔輸送層と電子輸送層との間に挟持させ
た構造でるのがよい。また、この蛍光性材料を正孔輸送
層又は電子輸送層、或いはこれら両層に含有させた構造
を構成してよい。このような場合、発光効率を改善する
ために、正孔又は電子の輸送を制御するための薄膜(ホ
ールブロッキング層やエキシトン生成層など)をその層
構成に含ませることも可能である。
i、Mg、Ca等の活性な金属とAg、Al、In等の
金属との合金を使用でき、これらの金属層が積層した構
造であってもよい。なお、陰極の厚みや材質を適宜選択
することによって、用途に見合った有機電界発光素子を
作製できる。
ものであり、有機電界発光素子全体を覆う構造とするこ
とで、電荷注入効率や発光効率を向上できる。なお、そ
の気密性が保たれれば、アルミニウム、金、クロム等の
単金属又は合金など、適宜その材料を選択できる。
流は通常、直流であるが、パルス電流や交流を用いても
よい。電流値、電圧値は、素子破壊しない範囲内であれ
ば特に制限はないが、有機電界発光素子の消費電力や寿
命を考慮すると、なるべく小さい電気エネルギーで効率
良く発光させることが望ましい。
を用いた平面ディスプレイの構成例である。図示の如
く、例えばフルカラーディスプレイの場合は、赤
(R)、緑(G)及び青(B)の3原色を発光可能な有
機層5(5a、5b)が、陰極3と陽極2との間に配さ
れている。陰極3及び陽極2は、互いに交差するストラ
イプ状に設けることができ、輝度信号回路14及びシフ
トレジスタ内蔵の制御回路15により選択されて、それ
ぞれに信号電圧が印加され、これによって、選択された
陰極3及び陽極2が交差する位置(画素)の有機層が発
光するように構成される。
リックスであって、正孔輸送層と、発光層および電子輸
送層のいずれか少なくとも一方とからなる積層体5を陰
極3と陽極2の間に配置したものである(図3及び図
7、又は図4及び図8参照)。陰極と陽極は、ともにス
トライプ状にパターニングするとともに、互いにマトリ
クス状に直交させ、シフトレジスタ内蔵の制御回路15
および14により時系列的に信号電圧を印加し、その交
差位置で発光するように構成されたものである。かかる
構成のEL素子は、文字・記号等のディスプレイとして
は勿論、画像再生装置としても使用できる。また陰極3
と陽極2のストライプ状パターンを赤(R)、緑
(G)、青(B)の各色毎に配し、マルチカラーあるい
はフルカラーの全固体型フラットパネルディスプレイを
構成することが可能となる。
るが、本発明は以下の実施例に限定されるものではな
い。
した10mlのエタノールに1mmolのZn(CH3
COO)2・2H2Oを溶解した。脱水処理を施した10
mlのエタノールに2mmolのベンゼンチオール(P
hSH)を溶解させたものを加熱しながら滴下した。さ
らに、脱水処理を施した10mlのエタノールに1mm
olの4,7−ジフェニル−1,10−フェナントロリ
ン(dp−phen)をさらに加熱しながら滴下した。
その後、1時間加熱し、室温まで冷却すると、淡桃色の
固体が析出した。これをろ過し、固体をエタノールで洗
浄した。この固体を、脱水処理を施したエタノールで処
理し、再結晶を3回行った。これにより、80〜90%
の高収率で、Zn(PhS)2(dp−phen)を得
ることができた。
ル−1,10−フェナントロリンの代わりに任意のα−
ジイミン化合物、ベンゼンチオールの代わりに任意のア
ロマティックチオール、酢酸亜鉛の代わりに酢酸カドミ
ウムを用いることにより、対応する混合配位子錯体を得
ることができた。
方法によって得られた下記構造式(1)で表される混合
配位子錯体((バソフェナントロリン)ビス(ベンゼン
チオレート)亜鉛錯体)を正孔輸送層(兼発光層)とし
て用い、シングルへテロ構造の有機電界発光素子を作製
した例である。
(ベンゼンチオレート)亜鉛錯体:Zn(PhS)
2(dp−phen)
さのITOからなる陽極が一表面に形成された30mm
×30mmのガラス基板をセッティングした。蒸着マス
クとして複数の2.0mm×2.0mmの単位開口を有
する金属マスクを基板に近接して配置し、真空蒸着法に
より10-4Pa以下の真空下で前記構造式(1)で表さ
れるZn(PhS)2(dp−phen)を例えば50
nmの厚さに正孔輸送層(兼発光層)として成膜した。
蒸着レートは各々0.1nm/秒とした。
(2)で表されるAlq3(トリス(8−キノリノー
ル)アルミニウム)を正孔輸送層に接して蒸着した。A
lq3からなるこの電子輸送層の膜厚も例えば50nm
とし、蒸着レートは0.2nm/秒とした。
用し、これも蒸着により、蒸着レート1nm/秒として
例えば50nm(Mg膜)および150nm(Ag膜)
の厚さに形成し、実施例1による図3に示したが如き有
機電界発光素子を作製した。
光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて
発光特性を評価した。発光色は赤色であり、分光測定を
行った結果、635nm付近に発光ピークを有するスペ
クトルを得た。分光測定は、大塚電子社製のフォトダイ
オードアレイを検出器とした分光器を用いた。また、電
圧−輝度測定を行ったところ、8Vで1.66×103
cd/m2の輝度が得られた。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで250時間であった。
方法によって得られた前記構造式(1)で表される混合
配位子錯体((バソフェナントロリン)ビス(ベンゼン
チオレート)亜鉛錯体)を発光層として用い、ダブルへ
テロ構造の有機電界発光素子を作製した例である。
さのITOからなる陽極が一表面に形成された30mm
×30mmのガラス基板をセッティングした。蒸着マス
クとして複数の2.0mm×2.0mmの単位開口を有
する金属マスクを基板に近接して配置し、真空蒸着法に
より10-4Pa以下の真空下で、正孔輸送層材料として
の下記構造式(3)で表されるα−NPDを例えば30
nmの厚さに成膜した。蒸着レートは0.1nm/秒と
した。
(1)で表されるZn(PhS)2(dp−phen)
を例えば30nmの厚さに発光層として成膜した。蒸着
レートは各々0.2nm/秒とした。
式(2)で表されるAlq3を用いて、発光層に接して
蒸着した。Alq3からなるこの電子輸送層の膜厚も例
えば30nmとし、蒸着レートは0.2nm/秒とし
た。
用し、これも蒸着により、蒸着レート1nm/秒として
例えば50nm(Mg膜)および150nm(Ag膜)
の厚さに形成し、図4に示した如き有機電界発光素子を
作製した。
光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて
発光特性を評価した。発光色は赤色であり、実施例1と
同様に分光測定を行った結果、632nm付近に発光ピ
ークを有するスペクトルを得た。また、電圧−輝度測定
を行ったところ、8Vで1.51×103cd/m2の輝
度が得られた。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで210時間であった。
方法によって得られた上記構造式(1)で表される混合
配位子錯体((バソフェナントロリン)ビス(ベンゼン
チオレート)亜鉛錯体)を正孔輸送層(兼発光層)とし
て用い、シングルへテロ構造に基づく有機電界発光素子
を作製した例である。
さのITOからなる陽極が一表面に形成された30mm
×30mmのガラス基板をセッティングした。蒸着マス
クとして複数の2.0mm×2.0mmの単位開口を有
する金属マスクを基板に近接して配置し、真空蒸着法に
より10-4Pa以下の真空下で前記構造式(1)で表さ
れるZn(PhS)2(dp−phen)を例えば50
nmの厚さに正孔輸送層(兼発光層)として成膜した。
蒸着レートは各々0.1nm/秒とした。
下記構造式(4)で表されるバソクプロインを正孔輸送
層に接して蒸着した。バソクプロインからなるこのホー
ルブロッキング層の膜厚は例えば15nmとし、蒸着レ
ートは0.1nm/秒とした。
式(2)で表されるAlq3(トリス(8−キノリノー
ル)アルミニウム)を正孔輸送層に接して蒸着した。A
lq 3からなるこの電子輸送層の膜厚も例えば50nm
とし、蒸着レートは0.2nm/秒とした。
用し、これも蒸着により、蒸着レート1nm/秒として
例えば50nm(Mg膜)および150nm(Ag膜)
の厚さに形成し、実施例3による図7に示したが如き有
機電界発光素子を作製した。
光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて
発光特性を評価した。発光色は赤色であり、分光測定を
行った結果、637nm付近に発光ピークを有するスペ
クトルを得た。分光測定は、大塚電子社製のフォトダイ
オードアレイを検出器とした分光器を用いた。また、電
圧−輝度測定を行ったところ、8Vで2190cd/m
2の輝度が得られた。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで180時間であった。
式[I]の混合配位子錯体を電子輸送性発光層として用い
た有機電界発光素子を作製した例である。
さのITOからなる陽極が一表面に形成された30mm
×30mmのガラス基板をセッティングした。蒸着マス
クとして複数の2.0mm×2.0mmの単位開口を有
する金属マスクを基板に近接して配置し、真空蒸着法に
より10-4Pa以下の真空下で上記構造式のα−NPD
を例えば30nmの厚さに成膜した。蒸着レートは0.
1nm/秒とした。
送層に接して蒸着し、電子輸送層(兼発光層)を膜厚例
えば30nmに形成した。この蒸着レートは0.2nm
/秒とした。
上記構造式(4)のバソクプロインを発光層に接して蒸
着した。バソクプロインからなるこのホールブロッキン
グ層の膜厚は例えば15nmとし、蒸着レートは0.1
nm/秒とした。
(2)のAlq3をホールブロッキング層に接して蒸着
した。Alq3からなるこの電子輸送層の膜厚も例えば
30nmとし、蒸着レートは0.2nm/秒とした。
用し、これも蒸着により、蒸着レート1nm/秒として
例えば50nm(Mg)および150nm(Ag膜)の
厚さに形成し、図8に示した如き有機電界発光素子を作
製した。
光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて
発光特性を評価した。発光色は赤色であり、実施例1と
同様に分光測定を行った結果、637nm付近に発光ピ
ークを有するスペクトルを得た。また、電圧−輝度測定
を行ったところ、8Vで1.78×103cd/m2の輝
度が得られた。
気下に1カ月放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで130時間であった。
方法によって得られた前記構造式(1)の混合配位子錯
体に代えて混合配位子錯体((バソフェナントロリン)
ビス(ベンゼンチオレート)カドミウム錯体)を用いた
以外は、実施例1と同様にして有機電界発光素子を作製
した例である。
雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価
した。発光色は赤色であり、実施例1と同様に分光測定
を行った結果、630nm付近に発光ピークを有するス
ペクトルを得た。また、電圧−輝度測定を行ったとこ
ろ、8Vで1.53×103cd/m2の輝度が得られ
た。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで230時間であった。
方法によって得られた前記構造式(1)の混合配位子錯
体に代えて混合配位子錯体((バソフェナントロリン)
ビス(ベンゼンチオレート)カドミウム錯体)を用いた
以外は、実施例2と同様にして有機電界発光素子を作製
した例である。
雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価
した。発光色は赤色であり、実施例1と同様に分光測定
を行った結果、628nm付近に発光ピークを有するス
ペクトルを得た。また、電圧−輝度測定を行ったとこ
ろ、8Vで1.48×103cd/m2の輝度が得られ
た。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで200時間であった。
方法によって得られた前記構造式(1)の混合配位子錯
体に代えて混合配位子錯体((バソフェナントロリン)
ビス(ベンゼンチオレート)カドミウム錯体)を用いた
以外は、実施例3と同様にして有機電界発光素子を作製
した例である。
雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価
した。発光色は赤色であり、実施例1と同様に分光測定
を行った結果、625nm付近に発光ピークを有するス
ペクトルを得た。また、電圧−輝度測定を行ったとこ
ろ、8Vで2.01×103cd/m2の輝度が得られ
た。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで150時間であった。
方法によって得られた前記構造式(1)の混合配位子錯
体に代えて混合配位子錯体((バソフェナントロリン)
ビス(ベンゼンチオレート)カドミウム錯体)を用いた
以外は、実施例4と同様にして有機電界発光素子を作製
した例である。
雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて発光特性を評価
した。発光色は赤色であり、実施例1と同様に分光測定
を行った結果、627nm付近に発光ピークを有するス
ペクトルを得た。また、電圧−輝度測定を行ったとこ
ろ、8Vで1.93×103cd/m2の輝度が得られ
た。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで140時間であった。
体のうち、前記α−ジイミンとして、下記構造式(5)
〜(9)で表される1,10−フェナントロリン誘導
体、下記構造式(10)〜(12)で表される2,2’
−ビピリジン誘導体、下記構造式(13)で表される
2,2’−ビキノリン誘導体及び下記構造式(14)で
表される2,2’−ビピラジン誘導体を用い、また前記
アロマティックチオレートとして、下記構造式(15)
〜(22)で表されるベンゼンチオレート誘導体、下記
構造式(23)〜(24)で表されるナフタレンチオレ
ート誘導体、下記構造式(25)で表されるアントラセ
ンチオレート誘導体及び下記構造式(26)で表される
フェナントレンチオレート誘導体を用い、中心金属とし
てのZn2+又はCd2+を組み合わせてなる、下記表1に
示すような混合配位子錯体を電子輸送性発光層材料とし
て用い、層構造、成膜法とも実施例4に準拠して図8に
示すようなダブルへテロ構造に基づく有機電界発光素子
を作製した例である。
電界発光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を
加えて発光特性を評価した。その結果を、まとめて下記
表1に示す。
見られなかったもの。
ェナントロリン)ビス(ベンゼンチオレート)亜鉛錯
体)の代わりに、下記構造式(27)で表される2,
3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−
21H,23H−ポルフィリン白金(II)錯体(PtO
EP)を正孔輸送層(兼発光層)に用いたこと以外は実
施例1と同様にして、図3に示すようなシングルへテロ
構造の有機電界発光素子を作製した。尚、下記構造式
(27)で表される2,3,7,8,12,13,1
7,18−オクタエチル−21H,23H−ポルフィリ
ン白金(II)錯体は、赤色発光を目的とした従来公知の
りん光発光材料である。
光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて
発光特性を評価した。発光色は赤色であり、分光測定を
行った結果、650nm付近に発光ピークを有するスペ
クトルを得た。分光測定は、大塚電子社製のフォトダイ
オードアレイを検出器とした分光器を用いた。また、電
圧−輝度測定を行ったところ、8Vで80cd/m2の
輝度が得られた。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度50cd/m2で電流値を一定に通
電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減する
まで100時間であった。
ェナントロリン)ビス(ベンゼンチオレート)亜鉛錯
体)の代わりに、上記構造式(27)で表される2,
3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−
21H,23H−ポルフィリン白金(II)錯体(PtO
EP)を発光層に用いたこと以外は実施例2と同様にし
て、図4に示すようなダブルへテロ構造の有機電界発光
素子を作製した。
光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて
発光特性を評価した。発光色は赤色であり、分光測定を
行った結果、650nm付近に発光ピークを有するスペ
クトルを得た。分光測定は、大塚電子社製のフォトダイ
オードアレイを検出器とした分光器を用いた。また、電
圧−輝度測定を行ったところ、8Vで90cd/m2の
輝度が得られた。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度50cd/m2で電流値を一定に通
電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減する
まで110時間であった。
ェナントロリン)ビス(ベンゼンチオレート)亜鉛錯
体)の代わりに、上記構造式(27)で表される2,
3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−
21H,23H−ポルフィリン白金(II)錯体(PtO
EP)を正孔輸送層(兼発光層)に用いたこと以外は実
施例3と同様にして、図7に示すようなシングルへテロ
構造に基づく有機電界発光素子を作製した。
光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて
発光特性を評価した。発光色は赤色であり、分光測定を
行った結果、650nm付近に発光ピークを有するスペ
クトルを得た。分光測定は、大塚電子社製のフォトダイ
オードアレイを検出器とした分光器を用いた。また、電
圧−輝度測定を行ったところ、8Vで120cd/m2
の輝度が得られた。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度110cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで90時間であった。
ェナントロリン)ビス(ベンゼンチオレート)亜鉛錯
体)の代わりに、上記構造式(27)で表される2,
3,7,8,12,13,17,18−オクタエチル−
21H,23H−ポルフィリン白金(II)錯体(PtO
EP)を発光層に用いたこと以外は実施例4と同様にし
て、図8に示すようなダブルへテロ構造に基づく有機電
界発光素子を作製した。
光素子に、窒素雰囲気下で順バイアス直流電圧を加えて
発光特性を評価した。発光色は赤色であり、分光測定を
行った結果、650nm付近に発光ピークを有するスペ
クトルを得た。分光測定は、大塚電子社製のフォトダイ
オードアレイを検出器とした分光器を用いた。また、電
圧−輝度測定を行ったところ、8Vで110cd/m2
の輝度が得られた。
気下に1カ月間放置したが、素子劣化は観察されなかっ
た。また、初期輝度100cd/m2で電流値を一定に
通電して連続発光し、強制劣化させた際、輝度が半減す
るまで80時間であった。
有機電界発光素子は、発光材料として前記一般式[I]
で表される混合配位子錯体としての例えば前記構造式
(1)で表される(バソフェナントロリン)ビス(ベン
ゼンチオレート)亜鉛錯体を用いることができるので、
りん光による発光を得ることができ、より一層寿命の長
い、より高輝度で安定な発光が得られると共に、電気
的、熱的或いは化学的にもより安定性に優れている。
位子錯体は、配位子間励起状態からの発光であるため、
高発光収量の電界発光素子となり、また配位子に置換基
を導入することや、配位子の組み合わせ又は中心金属と
の組み合わせを変えることによって、発光波長のチュー
ニングが比較的容易にでき、幅広いより多様な発光波長
が選択できる。
記一般式[I]で表される混合配位子錯体の少なくとも
1種を発光材料に用いるので、高輝度で安定な発光が得
られると共に、電気的、熱的或いは化学的にも安定性に
優れた素子を提供できる。
位子錯体は、配位子間励起状態からの発光であるため、
配位子に置換基を導入することや、配位子の組み合わせ
を変えること等によって、発光波長のチューニングが比
較的容易にでき、従来の有機物発光材料よりも多様な発
光波長が選択できる。
概略断面図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
図である。
断面図である。
面ディスプレイの構成図である。
膜、5、5a、5b…有機層、6…正孔輸送層、7…電
子輸送層、8…電源、10…正孔輸送層、11…発光
層、12…電子輸送層、14…輝度信号回路、15…制
御回路、20…発光光、21…ホール(正孔)ブロッキ
ング層、A、B、C、D…有機電界発光素子
Claims (12)
- 【請求項1】 発光領域を有する有機層が陽極と陰極と
の間に設けられている有機電界発光素子において、前記
有機層のうちの少なくとも一部が、下記一般式[I]で
表される混合配位子錯体の少なくとも1種からなること
を特徴とする、有機電界発光素子。 【化1】一般式[I]: 【化2】 (但し、前記一般式(1)〜(4)において、置換基R
1及びR2は、アルキル基、ハロゲン原子、エーテル基、
オキシアルキル基、カルボキシル基、カルボン酸エステ
ル基、ニトロ基、フェニル基、ベンジル基から選ばれた
基であり、それらが同一であっても異なってもよく、更
に置換基を有していてもよい。また、m及びnは0以上
の整数である。) また、前記アロマティックチオレートは、下記一般式
(5)、(6)、(7)、(8)、(9)、(10)、
(11)又は(12)で表される分子構造からなるもの
であり、 【化3】一般式(5): 一般式(6): 一般式(7): 一般式(8): 一般式(9): 一般式(10): 一般式(11): 一般式(12): (但し、前記一般式(5)〜(12)において、置換基
R3及びR4はアルキル基、ハロゲン原子、エーテル基、
オキシアルキル基、カルボキシル基、カルボン酸エステ
ル基、ニトロ基、フェニル基、ベンジル基から選ばれた
基であり、それらが同一であっても異なってもよく、更
に置換基を有していてもよい。また、m’及びn’は0
以上の整数である。) また、前記金属イオンは、d10遷移金属イオンであ
る。] - 【請求項2】 前記アルキル基が炭素原子数10以下の
アルキル基であり、前記エーテル基が炭素原子数10以
下のエーテル基であり、前記オキシアルキル基が炭素原
子数10以下のオキシアルキル基であり、前記カルボン
酸エステル基が炭素原子数10以下のカルボン酸エステ
ル基である、請求項1に記載した有機電界発光素子。 - 【請求項3】 前記一般式[I]で表される混合配位子
錯体の前記金属イオンがZn2+又はCd2+で表される、
請求項1に記載した有機電界発光素子。 - 【請求項4】 前記有機層が、ホール輸送層と電子輸送
層とが積層された有機積層構造を有しており、前記有機
層のうちの少なくとも電子輸送層が、前記一般式[I]
で表される混合配位子錯体の少なくとも1種を含有した
層である、請求項1に記載した有機電界発光素子。 - 【請求項5】 前記有機層が、ホール輸送層と電子輸送
層とが積層された有機積層構造を有しており、前記有機
層のうちの少なくともホール輸送層が、前記一般式
[I]で表される混合配位子錯体の少なくとも1種を含
有した層である、請求項1に記載した有機電界発光素
子。 - 【請求項6】 前記有機層が、ホール輸送層と電子輸送
層とが積層された有機積層構造を有しており、前記ホー
ル輸送層が、前記一般式[I]で表される混合配位子錯
体の少なくとも1種を含有した層であり、かつ前記電子
輸送層が、前記一般式[I]で表される混合配位子錯体
の少なくとも1種を含有した層である、請求項1に記載
した有機電界発光素子。 - 【請求項7】 前記有機層が、ホール輸送層と発光層と
電子輸送層とが積層された有機積層構造を有しており、
前記有機層のうちの少なくとも前記発光層が、前記一般
式[I]で表される混合配位子錯体の少なくとも1種を
含有した層である、請求項1に記載した有機電界発光素
子。 - 【請求項8】 前記混合配位子錯体で構成された層の陰
極側に接してホールブロッキング層が存在する、請求項
1に記載した有機電界発光素子。 - 【請求項9】 前記有機層が、ホール輸送層と電子輸送
層とが積層された有機積層構造を有しており、前記有機
層のうちの少なくとも電子輸送層が、前記一般式[I]
で表される混合配位子錯体の少なくとも1種を含有した
層であり、かつこの層の陰極側に接して前記ホールブロ
ッキング層が存在する、請求項8に記載した有機電界発
光素子。 - 【請求項10】 前記有機層が、ホール輸送層と電子輸
送層とが積層された有機積層構造を有しており、前記有
機層のうちの少なくともホール輸送層が、前記一般式
[I]で表される混合配位子錯体の少なくとも1種を含
有した層であり、かつこの層の陰極側に接して前記ホー
ルブロッキング層が存在する、請求項8に記載した有機
電界発光素子。 - 【請求項11】 前記有機層が、ホール輸送層と電子輸
送層とが積層された有機積層構造を有しており、前記ホ
ール輸送層が、前記一般式[I]で表される混合配位子
錯体の少なくとも1種を含有した層であり、かつ前記電
子輸送層が、前記一般式[I]で表される混合配位子錯
体の少なくとも1種を含有した層であり、なおかつ前記
電子輸送層の陰極側に接して前記ホールブロッキング層
が存在する、請求項8に記載した有機電界発光素子。 - 【請求項12】 前記有機層が、ホール輸送層と発光層
と電子輸送層とが積層された有機積層構造を有してお
り、前記有機層のうちの少なくとも前記発光層が、前記
一般式[I]で表される混合配位子錯体の少なくとも1
種を含有した層であり、かつこの層の陰極側に接して前
記ホールブロッキング層が存在する、請求項8に記載し
た有機電界発光素子。
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JP2001139617A JP2002343568A (ja) | 2001-05-10 | 2001-05-10 | 有機電界発光素子 |
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