以下では、本明細書に開示する発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本明細書に開示する発明は以下の説明に限定されず、その形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。また、本明細書に開示する発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、第1、第2として付される序数詞は便宜上用いるものであり、工程順または積層順を示すものではない。また、本明細書において発明を特定するための事項として固有の名称を示すものではない。
(実施の形態1)
本実施の形態では、半導体装置の一形態について、図1および図21を参照して説明する。本実施の形態では、半導体装置の一例として、酸化物半導体膜を有するトランジスタを示す。
トランジスタは、チャネル形成領域が1つ形成されるシングルゲート構造でも、2つ形成されるダブルゲート構造もしくは3つ形成されるトリプルゲート構造であってもよい。また、チャネル形成領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート構造であってもよい。
図1に示すトランジスタ310は、ボトムゲート構造(逆スタガ型トランジスタともいう)であるトランジスタの一例である。図1(A)は、トランジスタ310の平面図であり、図1(B)は、図1(A)のA1−A2における断面図(チャネル長L方向の断面図)であり、図1(C)は、図1(A)のB1−B2における断面図(チャネル幅W方向の断面図)である。また、図1(A)では、煩雑になることを避けるために、トランジスタ310の構成要素の一部(例えば、ゲート絶縁膜302など)を省略して図示する。
図1に示すトランジスタ310は、絶縁表面を有する基板300上に設けられたゲート電極層301と、ゲート電極層301上に設けられたゲート絶縁膜302と、ゲート絶縁膜302上にゲート電極層301と重畳する領域に設けられた酸化物半導体膜303aと、酸化物半導体膜303aと接して設けられたソース電極層305aおよびドレイン電極層305bと、を有する。また、トランジスタ310を覆うように、絶縁膜306、絶縁膜307、および平坦化絶縁膜308が設けられている。
酸化物半導体膜303aは、少なくともインジウムを含む。特に、インジウムと亜鉛を含むことが好ましい。
また、酸化物半導体膜303aは、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜であることが好ましい。
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、結晶部および非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、いわゆる結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を明確に観察することができず、非晶質部と結晶部との境界は明確でない。またある結晶部と他の結晶部が近接する場合であっても、その境界は明確でない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、ab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
なお、本実施の形態では、酸化物半導体膜303aがCAAC−OS膜であるとして説明を行うが、酸化物半導体膜303aが単結晶または多結晶(ポリクリスタルともいう)であってもよい。
また、酸化物半導体膜303aにおいて、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bとの界面近傍の領域304bと、それ以外の領域304aとが存在する。たとえば、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bとの界面近傍の領域304bを、第1の領域と呼ぶことができる。またそれ以外の領域304aを第2の領域と呼ぶことができる。
酸化物半導体膜303aがCAAC−OS膜の場合、酸化物半導体膜303aの領域304aは、領域304bよりも非晶質部に対して結晶部の占める割合が高い。また、領域304aにおいては、非晶質部に対して結晶部の占める割合が高く、領域304bにおいては、非晶質部に対して結晶部の占める割合が低いことが好ましい。なお、領域304bは、非晶質化されていてもよい。
酸化物半導体膜303aの領域304aにおいて、ゲート電極層301と重畳する領域には、チャネルが形成される。そのため、酸化物半導体膜303aの領域304aは、水または水素などの不純物が低減され、かつ酸素欠損が低減されることで高純度化された領域であることが好ましい。高純度化された酸化物半導体(purified OS)は、i型(真性半導体)またはi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。また、上記酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いることにより、トランジスタのしきい値電圧がマイナスシフトすることを抑制することができる。
具体的に、高純度化された酸化物半導体は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)による水素濃度の測定値が、5×1018/cm3未満、より好ましくは5×1017/cm3以下、更に好ましくは1×1016/cm3以下とする。また、ホール効果測定により測定できる酸化物半導体膜のキャリア密度は、1×1014/cm3未満、好ましくは1×1012/cm3未満、更に好ましくは1×1011/cm3未満とする。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。水または水素などの不純物濃度が十分に低減され、かつ酸素欠損が低減されることで高純度化された酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。また、上記酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いることにより、しきい値電圧がマイナスシフトすることを抑制することができる。
また、酸化物半導体膜303aと、ソース電極層305aまたはドレイン電極層305bとが接する界面近傍の領域304bにおいては、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)による水素濃度の測定値が、5×1018/cm3以上である。
また、酸化物半導体膜303aと、ソース電極層305aまたはドレイン電極層305bとが接する界面近傍の領域304bにおいては、水素の他に、例えば、元素周期表における15族の元素(例えば、窒素、リン、および砒素)、元素周期表における13族の元素(例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、およびインジウム)、タングステン、モリブデン、および希ガス元素(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、およびキセノン)のいずれか一または複数が含まれうる。
上述の元素が、酸化物半導体膜303aの領域304bに含まれることにより、領域304aと比較して、導電性を高めることができる。これにより、酸化物半導体膜303aの領域304bを、低抵抗領域として機能させることができる。
なお、酸化物半導体膜303aを、2つの領域304a、304bに分けているが、これは電気特性において機能的に二つの領域に区分されるということを意味する。すなわち、1層であっても、層の内部で機能的に分離された2つの領域が存在すればよく、必ずしも2つの領域において、明瞭な境界が存在していなくてもよい。また、酸化物半導体膜303aは、2層以上の積層構造であってもよい。
酸化物半導体膜303aの領域304aにおいて、ゲート電極層301と重畳する領域の水素や酸素欠損が低減されていることにより、キャリアの発生を抑制することができる。これにより、寄生チャネルの形成を抑制することができるため、しきい値電圧が負の方向にシフトしてしまうことを抑制することができる。
酸化物半導体膜303aに接して設けられる絶縁膜306は、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、などの酸化物絶縁膜であることが好ましい。また、絶縁膜306は、酸化物半導体膜303aと接するため、絶縁膜306は、酸素過剰領域を有することが好ましい。
絶縁膜306に接して設けられる絶縁膜307は、酸素透過性が低い膜であることが好ましい。例えば、絶縁膜307として、酸化アルミニウム、窒化シリコンなどを用いることが好ましい。絶縁膜307として、酸素透過性が低い膜を用いることにより、絶縁膜306に含まれる酸素が外部に放出されてしまうことを抑制できる。また、絶縁膜307として、水素透過性が低い膜であることが好ましい。絶縁膜307として、水素透過性が低い膜を用いることにより、外部から水素が混入したとしても、酸化物半導体膜303aに拡散することを防止することができる。
また、絶縁膜307として酸化アルミニウム膜を用いる場合、酸化アルミニウム膜の抵抗率を1×1010Ωm以上1×1019Ωm以下(好ましくは、1×1010Ωm以上1×1018Ωm以下、より好ましくは1×1011Ωm以上1×1015Ωm以下)とすることが好ましい。または、酸化アルミニウム膜上に、酸化チタン膜または酸化マグネシウム膜を積層し、該酸化チタン膜または酸化マグネシウム膜の抵抗率を、1×1010Ωm以上1×1019Ωm以下(好ましくは、1×1010Ωm以上1×1018Ωm以下、より好ましくは1×1011Ωm以上1×1015Ωm以下)とすることが好ましい。絶縁膜307として、上記抵抗率を有する膜を設けることで、半導体装置の静電破壊を防止することができる。
なお、酸化アルミニウム膜を高密度(膜密度3.2g/cm3以上、好ましくは3.6g/cm3以上)とすると、トランジスタ310に安定な電気特性を付与することができるため、より好ましい。膜密度はラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)や、X線反射率測定法(XRR:X−Ray Reflection)によって測定することができる。
酸化アルミニウム膜は、該組成がAl2Oxで表現される場合、xは1以上3.5以下の酸化アルミニウム膜を用いることが好ましい。
絶縁膜307上に層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)となる絶縁膜を形成してもよい。層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)を設けることで薄膜の絶縁膜307に対する応力を緩和することができる。よって、絶縁膜307の破損を防止することができる。
図1では、絶縁膜307上に、平坦化絶縁膜308が設けられている場合について示す。平坦化絶縁膜308としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等の有機材料を用いることができる。平坦化絶縁膜308を設けることにより、トランジスタ310起因の表面凹凸を低減することができる。
また、絶縁膜307として、水素透過性が低い絶縁膜が用いられている場合は、平坦化絶縁膜308から、水素や水が酸化物半導体膜303aに達することを防止することができる。
次に、図1に示す半導体装置と一部異なる半導体装置について、図21を参照して説明する。なお、図1と同一部分または同様な機能を有する部分については、繰り返しの説明は省略する。
図21に示す半導体装置には、トランジスタ340と、端子326が設けられている。
図21に示すトランジスタ340は、図1に示すトランジスタ310と同様の酸化物半導体膜を有する、ボトムゲート構造のトランジスタである。
図21に示すトランジスタ340では、ゲート電極層は、窒化タンタル膜321aと、銅膜322aと、モリブデン膜323aの三層構造で構成されている。また、端子326におけるゲート配線も、窒化タンタル膜321bと、銅膜322bと、モリブデン膜323bの三層構造で構成されている。
ゲート電極層やゲート配線として、銅膜322a、322bを用いることにより、配線抵抗を低減することができる。また、銅膜322a、322b上に、モリブデン膜323a、323bを積層することで、ゲート絶縁膜や、酸化物半導体膜303aに銅が拡散することを抑制することができる。また、モリブデン膜は、仕事関数が酸化物半導体と比較して高いため、ゲート電極層として用いると、トランジスタ340のしきい値をプラス方向にシフトさせることができるため、好適である。
また、図21に示すトランジスタ340では、ゲート絶縁膜は、窒化シリコン膜324、酸化窒化シリコン膜325の二層構造で構成されている。
ゲート絶縁膜として、窒化シリコン膜324を用いることにより、金属や水などが、基板300やゲート電極層やゲート配線から、酸化物半導体膜303aに浸入することを抑制できる。
また、図21に示す端子326においては、ゲート絶縁膜に開口が設けられており、該開口を介してゲート配線と、電極層305cとが接続されている。
また、図1に示す半導体装置と同様に、図21に示す半導体装置も、トランジスタ340及び端子326上を覆うように絶縁膜306、絶縁膜307、及び平坦化絶縁膜308が設けられている。絶縁膜306は、例えば、酸素過剰領域を有する酸化窒化シリコン膜、絶縁膜307は、例えば、酸化アルミニウム膜、平坦化絶縁膜308は、例えば、アクリル樹脂が用いられていることが好ましい。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、図1に示すトランジスタ310を有する半導体装置の作製方法の一例について、図2および図3を参照して説明する。
まず、絶縁表面を有する基板300を用意する。
基板300に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有することが必要となる。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することもでき、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板300として用いても良い。
また、基板300として、可撓性基板を用いて半導体装置を作製してもよい。可撓性を有する半導体装置を作製するには、可撓性基板上に酸化物半導体膜303aを含むトランジスタ310を直接作製してもよいし、他の作製基板に酸化物半導体膜303aを含むトランジスタ310を作製し、その後、作製基板から剥離し、可撓性基板に転置してもよい。なお、作製基板から剥離し、可撓性基板に転置するために、作製基板と酸化物半導体膜303aを含むトランジスタ310との間に剥離層(例えば、タングステン)を設けると良い。
次に、基板300上に、下地膜として機能する絶縁膜を形成しても良い。絶縁膜としては、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)法またはスパッタリング法により、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムなどの酸化物絶縁材料、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどの窒化物絶縁材料、またはこれらの混合材料を用いて、単層構造または積層構造で、形成することができる。
絶縁膜として、例えば、窒化シリコン膜と酸化窒化シリコン膜との積層構造を用いることが好ましい。窒化シリコン膜を用いることにより、基板から金属や水素などが、後に形成される酸化物半導体膜に浸入することを抑制できる。また、酸化窒化シリコン膜を用いることにより、後にゲート電極層を形成する際に、エッチングによって基板300の一部が除去され、基板300の成分が後に形成される酸化物半導体膜に浸入することを抑制できる。
次に、基板300上に、ゲート電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を形成する。
導電膜は、スパッタリング法やプラズマCVD法により形成することができる。導電膜として、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いることができる。また、導電膜は、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を用いることもできる。また、導電膜は、上記の導電材料を用いて、単層構造または積層構造で形成される。
導電膜を単層構造で形成する場合は、例えば、膜厚100nmのタングステン膜を形成すればよい。導電膜を積層構造で形成する場合は、例えば、膜厚30nmの窒化タングステン膜、膜厚200nmの銅膜、膜厚30nmのタングステン膜を形成すればよい。また、膜厚30nmのタングステン膜に代えて、膜厚30nmのモリブデン膜を形成してもよい。銅膜を用いることにより、配線抵抗を低減することができる。また、銅膜上に、タングステン膜またはモリブデン膜を積層することで、銅が拡散することを防止できる。また、タングステン膜またはモリブデン膜は、仕事関数が酸化物半導体と比較して高いため、ゲート電極層として用いると、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向にシフトさせることができるため、好適である。なお、後に形成されるゲート絶縁膜によって、銅が拡散することを防止できれば、タングステン膜およびモリブデン膜は形成しなくともよい。
次に、フォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行ってゲート電極層301を形成する。ゲート電極層301を形成した後、レジストマスクを除去する。導電膜のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
ここで、レジストマスクを除去する際に生成した汚染物を除去する処理(不純物除去処理ともいう)を行ってもよい。不純物除去処理は、酸素、一酸化二窒素、もしくは希ガス(代表的にはアルゴン)を用いたプラズマ処理、または希フッ酸、水、現像液もしくはTMAH溶液を用いた溶液処理などを好適に用いることができる。
次に、基板300、およびゲート電極層301に加熱処理を行ってもよい。例えば、電気炉により、350℃以上500℃以下、30分〜1時間、加熱処理を行ってもよい。加熱処理を行うことにより、基板300やゲート電極層301に含まれる水素や水などを除去することができる。
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。例えば、GRTA装置を用いて加熱処理を行う場合には、650℃、1分〜5分間、加熱処理を行えばよい。
次に、ゲート電極層301上にゲート絶縁膜302を形成する(図2(A)参照)。
なお、ゲート絶縁膜302の被覆性を向上させるために、ゲート電極層301表面に平坦化処理を行ってもよい。特に、ゲート絶縁膜302として膜厚の薄い絶縁膜を用いる場合、ゲート電極層301表面の平坦性が良好であることが好ましい。
ゲート絶縁膜302の膜厚は、1nm以上300nm以下とし、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD(Chemical Vapor Deposition)法、PECVD(Plasma−Enhanced Chemical Vapor Deposition)法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いることができる。
ゲート絶縁膜302としては、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコンを用いて形成することができる。また、ゲート絶縁膜302として、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSiOxNy(x>0、y>0))、ハフニウムアルミネート(HfAlxOy(x>0、y>0))、酸化ランタンなどのhigh−k材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。また、ゲート絶縁膜302は、上記の材料を用いて、単層構造または積層構造で形成することができる。
ゲート絶縁膜302を単層構造で形成する場合は、膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。また、ゲート絶縁膜302を積層構造で形成する場合は、膜厚50nmの窒化シリコン膜、膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。窒化シリコン膜を用いることにより、金属や水などが、基板やゲート電極層301から、後に形成される酸化物半導体膜に浸入することを抑制できる。
次に、基板300、ゲート電極層301、およびゲート絶縁膜302に加熱処理を行ってもよい。例えば、GRTA装置により、650℃、1分〜5分間、加熱処理を行えばよい。また、電気炉により、350℃以上500℃以下、30分〜1時間、加熱処理を行ってもよい。加熱処理を行うことにより、ゲート絶縁膜302に含まれる水素や水などを除去することができる。
次に、ゲート絶縁膜302に対して、酸素を導入する処理(酸素ドープ処理や、酸素注入処理ともいう)を行っても良い。酸素を導入する処理を行うことによって、酸素過剰領域を有するゲート絶縁膜302が形成される。
酸素には、少なくとも、酸素ラジカル、オゾン、酸素原子、酸素イオン(分子イオン、クラスタイオンを含む)、のいずれかが含まれている。脱水化または脱水素化処理を行ったゲート絶縁膜302に酸素ドープ処理を行うことにより、ゲート絶縁膜302中に酸素を含有させることができ、先の熱処理によって脱離することのある酸素を補填するとともに、酸素過剰領域を形成することができる。
ゲート絶縁膜302への酸素の導入は、例えば、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理等を用いることができる。なお、イオン注入法として、ガスクラスタイオンビームを用いてもよい。また、酸素の導入は、ゲート絶縁膜302の全面を一度に処理してもよいし、例えば、線状のイオンビームを用いてもよい。線状のイオンビームを用いる場合には、基板またはイオンビームを相対的に移動(スキャン)させることで、ゲート絶縁膜302全面に酸素を導入することができる。また、プラズマ処理として、アッシング処理を用いてもよい。
酸素の供給ガスとしては、Oを含有するガスを用いればよく、例えば、O2ガス、N2Oガス、CO2ガス、COガス、NO2ガス等を用いることができる。なお、酸素の供給ガスに希ガス(例えばAr)を含有させてもよい。
また、例えば、イオン注入法で酸素の導入を行う場合、酸素のドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とするのが好ましく、酸素ドープ処理後のゲート絶縁膜302中の酸素の含有量は、ゲート絶縁膜302の化学量論的組成を超える程度とするのが好ましい。なお、このような化学量論的組成よりも酸素を過剰に含む領域は、ゲート絶縁膜302の一部に存在していればよい。なお、酸素の注入深さは、注入条件により適宜制御すればよい。
酸素の供給源となる酸素を過剰に含むゲート絶縁膜302を、後に形成される酸化物半導体膜303と接して設けることによって、さらに後に行う加熱処理により、ゲート絶縁膜302から酸素が脱離し、酸化物半導体膜303へ酸素を供給することができる。これにより、酸化物半導体膜303中の酸素欠損を低減することができる。
なお、ゲート絶縁膜302に対して、酸素を導入する処理は、ゲート絶縁膜302の加熱処理前に行ってもよく、ゲート絶縁膜302の加熱処理の前後に行ってもよい。
次に、ゲート絶縁膜302上に酸化物半導体膜303を形成する(図2(B)参照)。
酸化物半導体膜303に用いる酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)を含むことが好ましい。特に、インジウムと亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)のいずれか一種または複数種を有することが好ましい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を有してもよい。
例えば、酸化物半導体として、酸化インジウム、酸化スズ、酸化亜鉛、二元系金属の酸化物であるIn−Zn系酸化物、In−Mg系酸化物、In−Ga系酸化物、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
また、酸化物半導体として、InMO3(ZnO)m(m>0、且つ、mは整数でない)で表記される材料を用いてもよい。なお、Mは、Ga、Fe、MnおよびCoから選ばれた一の金属元素または複数の金属元素を示す。また、酸化物半導体として、In2SnO5(ZnO)n(n>0、且つ、nは整数)で表記される材料を用いてもよい。
例えば、In:Ga:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Ga:Zn=2:2:1(=2/5:2/5:1/5)、あるいはIn:Ga:Zn=3:1:2(=1/2:1/6:1/3)の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いることができる。あるいは、In:Sn:Zn=1:1:1(=1/3:1/3:1/3)、In:Sn:Zn=2:1:3(=1/3:1/6:1/2)あるいはIn:Sn:Zn=2:1:5(=1/4:1/8:5/8)の原子数比のIn−Sn−Zn系酸化物やその組成の近傍の酸化物を用いるとよい。
しかし、インジウムを含む酸化物半導体を用いたトランジスタは、これらに限られず、必要とする電気特性(電界効果移動度、しきい値、ばらつき等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とする電気特性を得るために、キャリア濃度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
例えば、In−Sn−Zn系酸化物半導体を用いたトランジスタでは比較的容易に高い電界効果移動度が得られる。しかしながら、In−Ga−Zn系酸化物半導体を用いたトランジスタでも、バルク内欠陥密度を低くすることにより電界効果移動度を上げることができる。
なお、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b+c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+C=1)の酸化物の組成の近傍であるとは、a、b、cが、(a−A)2+(b−B)2+(c−C)2≦r2を満たすことをいう。rとしては、例えば、0.05とすればよい。他の酸化物でも同様である。
また、酸化物半導体膜303は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とすることが好ましい。また、酸化物半導体膜303は、単結晶または多結晶(ポリクリスタルともいう)であってもよい。
また、CAAC−OS膜のように結晶部を有する酸化物半導体膜では、よりバルク内欠陥を低減することができ、表面の平坦性を高めればアモルファス状態の酸化物半導体以上の移動度を得ることができる。表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体膜303を形成することが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、より好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
なお、Raは、JIS B 0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている算術平均粗さを曲面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」で表現でき、以下の式にて定義される。
ここで、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標(x1,y1,f(x1,y1)),(x1,y2,f(x1,y2)),(x2,y1,f(x2,y1)),(x2,y2,f(x2,y2))の4点で表される四角形の領域とし、指定面をxy平面に投影した長方形の面積をS0、基準面の高さ(指定面の平均の高さ)をZ0とする。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定可能である。
酸化物半導体膜303表面の平坦性を高めるために、ゲート絶縁膜302において、酸化物半導体膜303が接して形成される領域に、平坦化処理を行うことが好ましい。平坦化処理としては、特に限定されないが、研磨処理(例えば、化学的機械研磨法(Chemical Mechanical Polishing:CMP))、ドライエッチング処理、プラズマ処理を用いることができる。
プラズマ処理としては、例えば、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタリングを行うことができる。逆スパッタリングとは、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。逆スパッタリングを行うと、ゲート絶縁膜302の表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することができる。
平坦化処理として、研磨処理、ドライエッチング処理、プラズマ処理は複数回行ってもよく、それらを組み合わせて行ってもよい。また、組み合わせて行う場合、工程順も特に限定されず、ゲート絶縁膜302表面の凹凸状態に合わせて適宜設定すればよい。
酸化物半導体膜303の膜厚は、1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下とすることが好ましい。また、酸化物半導体膜303は、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いて成膜することができる。
また、酸化物半導体膜303に含まれる水素または水の濃度は、できる限り低いことが好ましい。水素濃度が高いと、酸化物半導体に含まれる元素と水素との結合により、水素の一部がドナーとなり、キャリアである電子が生じてしまうためである。
したがって、酸化物半導体膜303の成膜工程において、酸化物半導体膜303に水素、または水がなるべく含まれないようにするために、酸化物半導体膜303の成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室でゲート絶縁膜302が形成された基板を予備加熱し、基板およびゲート絶縁膜302に吸着した水素または水などの不純物を脱離させ、排気することが好ましい。予備加熱室に設ける排気手段は、クライオポンプが好ましい。
また、酸化物半導体膜303は、成膜時に酸素が多く含まれるような条件(例えば、酸素が30%〜100%の雰囲気下でスパッタリング法により成膜を行うなど)で成膜して、酸素を多く含む(好ましくは酸化物半導体が結晶状態における化学量論的組成に対し、酸素の含有量が過剰な領域が含まれている)膜とすることが好ましい。
酸化物半導体膜303を、成膜する際に用いるスパッタリングガスは水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持する。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素および水が除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて、温度を130℃以上700℃以下として、ゲート絶縁膜302上に酸化物半導体膜303を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(H2O)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜303に含まれる水素、水、水酸基、または水素化物などの不純物の濃度を低減できる。
なお、本実施の形態において、酸化物半導体膜303として、AC電源装置を有するスパッタリング装置を用いたスパッタリング法を用い、膜厚35nmのIn−Ga−Zn系酸化物膜(IGZO膜ともいう)を成膜する。本実施の形態において、In:Ga:Zn=3:1:2の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物ターゲットを用いる。なお、成膜条件は、酸素およびアルゴン雰囲気下(酸素流量比率50%)、圧力0.4Pa、電源電力0.5kW、基板温度200℃とする。
また、ゲート絶縁膜302を成膜後、大気解放せずにゲート絶縁膜302と酸化物半導体膜303を連続的に形成することが好ましい。ゲート絶縁膜302を大気に曝露せずにゲート絶縁膜302と酸化物半導体膜303を連続して形成すると、ゲート絶縁膜302表面に水素や水分などの不純物が吸着することを防止することができる。
ここで、酸化物半導体膜303に、水素(水や水酸基を含む)を除去(脱水化または脱水素化)するための加熱処理を行ってもよい。加熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。加熱処理は減圧下または窒素雰囲気下などで行うことができる。
本実施の形態では、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体膜303に対して窒素雰囲気下450℃において1時間、さらに窒素および酸素雰囲気下450℃において1時間の加熱処理を行う。
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、LRTA装置、GRTA装置等のRTA装置を用いることができる。例えば、加熱処理として、650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス中に基板を入れ、数分間加熱した後、基板を不活性ガス中から出すGRTAを行ってもよい。
なお、加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
また、加熱処理で酸化物半導体膜303を加熱した後、同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度の一酸化二窒素ガス、または超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下の空気)を導入してもよい。酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、熱処理装置に導入する酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスの純度を、6N以上好ましくは7N以上(即ち、酸素ガスまたは一酸化二窒素ガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスの作用により、脱水化または脱水素化処理による不純物の排除工程によって同時に減少してしまった酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給することによって、酸化物半導体膜303の酸素欠損を低減することができる。
なお、脱水化または脱水素化のための加熱処理は、酸化物半導体膜を島状に加工する前、または島状に加工した後に行えばよい。また、脱水化または脱水素化のための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。また、酸化物半導体膜303に加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜303の結晶性を高めることができる。
脱水化または脱水素化のための加熱処理を、酸化物半導体膜303が島状に加工される前、つまり、酸化物半導体膜303がゲート絶縁膜302を覆った状態で行うと、ゲート絶縁膜302に含まれる酸素が加熱処理によって外部に放出されてしまうことを防止できる。
次に、フォトリソグラフィ工程により酸化物半導体膜303上にレジストマスクを形成し、酸化物半導体膜303に選択的にエッチングを行って島状の酸化物半導体膜303aを形成する(図2(C)参照)。島状の酸化物半導体膜303aを形成した後、レジストマスクを除去する。島状の酸化物半導体膜303aを形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成すると、フォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
酸化物半導体膜303のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。例えば、酸化物半導体膜303のウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液などを用いることができる。また、ITO−07N(関東化学社製)を用いてもよい。また、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法によるドライエッチングによってエッチング加工してもよい。
次に、ゲート絶縁膜302および酸化物半導体膜303a上に、後にソース電極層およびドレイン電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜305を形成する(図2(D)参照)。
導電膜305は、スパッタリング法やプラズマCVD法により形成することができる。導電膜305として、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成することができる。また、導電膜305は、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。導電膜305は、単層構造または積層構造で成膜される。
本実施の形態では、導電膜305は、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚400nmのアルミニウム膜、膜厚100nmのチタン膜の3層構造で形成する。
酸化物半導体膜303aがCAAC−OS膜の場合、導電膜305を形成することによって、導電膜305との界面近傍の領域304bにおける結晶部の結晶構造が乱れてしまう。これにより、領域304bにおいては、領域304aよりも、非晶質部に対して結晶部の占める割合が低下する。または、領域304bにおける結晶部が破壊され、非晶質化される。また、酸化物半導体膜303aが単結晶や多結晶などの結晶性を有する膜の場合は、導電膜305との界面近傍の領域304bにおける結晶の結晶構造が乱れることで結晶性が低下し、場合によっては非晶質化する。
酸化物半導体膜303aにおいて、結晶部または結晶の結晶構造が乱れた領域304bは、酸化物半導体膜303aの表面の数nmにわたって形成される。領域304bの結晶部または結晶の結晶構造が乱れることによって、ダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損が増加する。
そこで、領域304bのダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損に水素を移動させる。酸化物半導体膜303aに加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜303aの領域304aに含まれる水素は熱によって動き回り、水素が領域304bに引き寄せられる。
酸化物半導体膜303aの領域304bに、水素を移動させるための加熱処理は、例えば、100℃以上基板の歪み点以下、好ましくは、200℃以上650℃以下において加熱処理を行う。
加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜303aの領域304aに含まれる水素を、領域304bに引き寄せることにより、領域304aの水素濃度を低減することができる。また、酸化物半導体膜303aの領域304bに移動した水素は安定化するため、領域304aに再度拡散されにくい。そのため、酸化物半導体膜303aの領域304bは、水素濃度が増加する。領域304bの水素濃度が増加することにより、領域304aと比較して、導電性を高めることができる。これにより、酸化物半導体膜303aの領域304bを、低抵抗領域として機能させることができる。
なお、水素を領域304bに移動させるための加熱処理は、ソース電極層およびドレイン電極層の形成後に行ってもよく、ソース電極層およびドレイン電極層の形成の前後に行ってもよい。また、水素を領域304aから領域304bに移動させるための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。
次に、フォトリソグラフィ工程により導電膜305上にレジストマスクを形成し、導電膜305に選択的にエッチングを行ってソース電極層305aおよびドレイン電極層305bを形成する(図3(A)参照)。このとき、酸化物半導体膜303aの領域304bは露出される。ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bを形成した後、レジストマスクを除去する。導電膜305のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
酸化物半導体膜303aの領域304bは、領域304bの結晶部または結晶が破壊されることによって、ダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損が増加し、水素が引き寄せられたことによって、水素の濃度が領域304aよりも高くなっている。このため、水素濃度が高い領域304bが存在したまま、トランジスタを作製すると、トランジスタに悪影響を及ぼす場合がある。例えば、酸化物半導体膜303aの側端部や、バックチャネルが形成される領域に、水素濃度が高い領域が存在すると、水素や酸素欠損によって生じたキャリアが蓄積することで、寄生チャネルが形成され、リーク電流が生じやすくなり、しきい値電圧が変動してしまうおそれがある。
また、酸化物半導体膜303a上に形成された導電膜305のエッチングには、ハロゲンを含むエッチングガスを用いたプラズマ処理が好適に用いられる。しかし、酸化物半導体膜がハロゲンを含むエッチングガスに曝されると、該エッチングガスに含まれるハロゲン(例えば、塩素、フッ素)によって、酸化物半導体膜303a中の酸素が引き抜かれてしまい、プラズマ処理された酸化物半導体膜303aの表面近傍に酸素欠損が形成されるおそれがある。また、エッチングの後に、酸化物半導体膜303aの表面および該近傍に、該エッチングガスに含まれるハロゲンが残存することによって、酸化物半導体膜303aに酸素欠損が形成されるおそれがある。酸化物半導体膜303aに酸素欠損が生じると、酸化物半導体膜303aの上面(バックチャネル)側及び側端部が低抵抗化(n型化)してしまい、寄生チャネルが形成される恐れがある。
また、導電膜305を成膜する際に、酸化物半導体膜303aに、導電膜305に含まれる元素が添加される場合もある。
そこで、酸化物半導体膜のバックチャネル側及び側端部が低抵抗化して寄生チャネルが形成されることを防止するために、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bの形成によって露出した領域304bを除去する(図3(B)参照)。領域304bの除去工程は、酸化物半導体膜303aがエッチングされ、消失または分断されることのないように、酸化物半導体膜303aのエッチング条件を最適化することが望まれる。
領域304bの除去工程は、酸素、一酸化二窒素、もしくは希ガス(代表的にはアルゴン)を用いたプラズマ処理、またはフッ化水素酸(希フッ酸ともいう)、水、現像液もしくはTMAH溶液を用いた溶液処理などを好適に用いることができる。また、希フッ酸として、例えば、1/103希釈フッ酸(フッ酸:0.05%)で、IGZO膜を処理すると、1秒あたり1〜3nm膜厚が減少し、2/105希釈フッ酸(フッ酸:0.0025%)で、IGZO膜を処理すると、1秒あたり0.1nm程度膜厚が減少する。本実施の形態では、結晶構造が乱れた領域304bの除去工程として、希フッ酸を用いた溶液処理(ウェットエッチング)を行う。
酸化物半導体膜303aの側端部や、バックチャネルが形成される領域において、結晶部または結晶が破壊され、水素濃度が領域304aよりも高い領域304bを除去することにより、水素濃度が低減された領域304aを露出することができる。これにより、寄生チャネルが形成されることを防止し、リーク電流の発生や、しきい値電圧が変動してしまうことを抑制することができる。また、酸化物半導体膜303aと、ソース電極層305aまたはドレイン電極層305bとの界面近傍の領域304bにおいて、水素濃度が高く、ハロゲンが残存したとしても、低抵抗領域として機能させることができる。
なお、酸化物半導体膜303aの領域304bの一部が除去されることにより、酸化物半導体膜303aにおいて、ソース電極層305aまたはドレイン電極層305bと重畳する領域の膜厚は、ソース電極層305aまたはドレイン電極層305bと重畳しない領域の膜厚よりも大きくなる。
酸化物半導体膜303aの側端部や、バックチャネルが形成される領域において、結晶構造が乱れた領域304bを除去することで、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bを加工する際に生成した汚染物、またレジストマスクを除去する際に生成した汚染物も除去することができる。
以上の工程により、トランジスタ310を作製することができる(図3(B)参照)。
次に、酸化物半導体膜303a、ソース電極層305a、およびドレイン電極層305b上に、絶縁膜306を形成する(図3(C)参照)。
絶縁膜306は、プラズマCVD法、スパッタリング法により形成することができる。絶縁膜306として、例えば、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム等を用いて形成することができる。
なお、絶縁膜306として、窒素を含む酸化物絶縁膜(例えば、窒素を含む酸化シリコン膜、窒素を含む酸化アルミニウム膜)などを用いることができる。酸化物絶縁膜に含まれる窒素の濃度は0.01原子%以上含まれていればよく、好ましくは0.1原子%以上50原子%以下、より好ましくは0.5原子%以上15原子%以下であればよい。酸化シリコン膜に上記のような濃度で窒素が含まれるものは酸化窒化シリコン膜と呼ばれることもある。
本実施の形態では、絶縁膜306として、プラズマCVD法により酸化窒化シリコン膜を形成する。絶縁膜306の成膜条件は、例えば、SiH4とN2Oのガス流量比をSiH4:N2O=30:4000、圧力200Pa、RF電源電力(電源出力)150W、基板温度220℃±15℃とすればよい。また、絶縁膜306の膜厚は50nm以上100nm以下とすればよい。
ここで、絶縁膜306に熱処理による脱水化または脱水素化処理を行うことが好ましい。本実施の形態では、絶縁膜306の成膜ガスとして、水素を含むガスを用いている。しかし、絶縁膜306に脱水化または脱水素化処理を行うため、絶縁膜306中の水素を除去することができる。よって、プラズマCVD法を好適に用いることができる。プラズマCVD法は、成膜時に膜へごみなどが付着、混入しにくい上、比較的速い成膜速度で成膜することができるので、厚膜化が可能であり、生産性に有利である。
加熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。熱処理の温度は、絶縁膜306の成膜温度より高い方が、脱水化または脱水素化の効果が高いため好ましい。例えば、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、絶縁膜306に対して窒素雰囲気下450℃において1時間の熱処理を行う。
加熱処理によって、絶縁膜306の脱水化または脱水素化を行うことができ、水素、または水などの不純物が排除された絶縁膜を形成することができる。
脱水化または脱水素化のための熱処理を行うことにより、絶縁膜306に含まれる、水、水素等の不純物を除去し、低減させることができる。絶縁膜306をできるだけ水素を含まない膜とすることで、水素が酸化物半導体膜303aへ浸入することを抑制し、トランジスタ310の特性変動を抑制し、安定した電気特性を付与することができる。
なお、後に形成される絶縁膜307は、水素または水等を通過させないブロッキング機能を有することが好ましいため、絶縁膜306の脱水化または脱水素化処理を目的とした熱処理は、絶縁膜306の形成後であって、絶縁膜307の形成前に行うことが好ましい。
次に、絶縁膜306に対して、酸素を導入する処理(酸素ドープ処理や、酸素注入処理ともいう)を行う。これによって、酸素過剰領域を有する絶縁膜306が形成される。
酸素には、少なくとも、酸素ラジカル、オゾン、酸素原子、酸素イオン(分子イオン、クラスタイオンを含む)、のいずれかが含まれている。脱水化または脱水素化処理を行った絶縁膜306に酸素ドープ処理を行うことにより、絶縁膜306中に酸素を含有させることができ、先の熱処理によって脱離することのある酸素を補填するとともに、酸素過剰領域を形成することができる。
絶縁膜306への酸素の導入は、例えば、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理等を用いることができる。なお、イオン注入法として、ガスクラスタイオンビームを用いてもよい。また、酸素の導入は、絶縁膜306の全面を一度に処理してもよいし、例えば、線状のイオンビームを用いてもよい。線状のイオンビームを用いる場合には、基板またはイオンビームを相対的に移動(スキャン)させることで、絶縁膜306全面に酸素を導入することができる。
酸素の供給ガスとしては、Oを含有するガスを用いればよく、例えば、O2ガス、N2Oガス、CO2ガス、COガス、NO2ガス等を用いることができる。なお、酸素の供給ガスに希ガス(例えばAr)を含有させてもよい。
また、例えば、イオン注入法で酸素の導入を行う場合、酸素のドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とするのが好ましく、酸素ドープ処理後の絶縁膜306中の酸素の含有量は、絶縁膜306の化学量論的組成を超える程度とするのが好ましい。なお、このような化学量論的組成よりも酸素を過剰に含む領域は、絶縁膜306の一部に存在していればよい。なお、酸素の注入深さは、注入条件により適宜制御すればよい。
次に、本実施の形態では、絶縁膜306上にアルミニウム膜を成膜する。
アルミニウム膜は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等によって形成することが好ましい。また、アルミニウム膜の膜厚は3nm以上20nm以下(好ましくは3nm以上10nm以下、より好ましくは4nm以上5nm以下)とすることが好ましい。
アルミニウム膜として、チタン、またはマグネシウムが添加されたアルミニウム膜を用いてもよい。また、アルミニウム膜として、アルミニウム膜と、チタン膜またはマグネシウム膜との積層を用いてもよい。
次に、アルミニウム膜に対して、酸素ドープ処理を行う。酸素ドープ処理は、絶縁膜306に、酸素ドープ処理を行う場合を参照すればよいため、詳細な説明は省略する。アルミニウム膜に対して、酸素ドープ処理を行うことにより、アルミニウム膜の酸化物である、酸化アルミニウム膜が形成される。該酸化アルミニウム膜を、絶縁膜307として用いる。
酸素を、絶縁膜306およびアルミニウム膜に添加した後、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は250℃以上600℃以下、例えば300℃で行えばよい。加熱処理を行うことによって、絶縁膜306に含まれる酸素を、酸化物半導体膜303aへ固相拡散することで、酸化物半導体膜303aへ供給することができる。このように、酸化物半導体膜303aへの酸素供給を絶縁膜306からの固相拡散によって行うと、露出された酸化物半導体膜303aへ直接酸素ドープを行うプラズマ処理などの方法と比較して、酸化物半導体膜303aへのプラズマによるダメージを与えないという効果がある。
なお、酸化物半導体膜303aの側端部や、バックチャネルが形成される領域に、結晶構造が乱れた領域304bが形成されていると、結晶構造が乱れた領域304bに水素が移動して、該領域304bは低抵抗化してしまい、寄生チャネルが形成されてしまう。また、酸化物半導体膜303aの領域304bと、絶縁膜306とが接した状態で加熱処理を行っても、絶縁膜306から脱離した酸素は、領域304bの酸素欠損などで捕獲されてしまうため、絶縁膜306から酸化物半導体膜303aの領域304a(例えば、チャネルが形成される領域)に酸素を供給することが困難となってしまう。
したがって、酸化物半導体膜の側端部やバックチャネルが形成される領域に、寄生チャネルが形成されることを防止するためには、酸化物半導体膜303aの側端部や、バックチャネルが形成される領域に形成された領域304bを除去し、酸化物半導体膜303aの領域304aと、絶縁膜306とが接した状態で加熱処理を行い、酸化物半導体膜303aの領域304aに酸素を供給することが好ましい。
また、酸化物半導体膜303aがCAAC−OS膜(In−Ga−Zn系酸化物半導体)である場合において、酸素欠損は、Ga−Zn−O層に集中している。また、酸素は、Ga−Zn−O層を通りやすい。絶縁膜306が、酸化物半導体膜303aと接することによって、絶縁膜306に含まれる酸素は、c軸の方向よりも、a−b面に平行な方向、特にGa−Zn−O層を介して供給されやすい。
本実施の形態では、酸化物半導体膜303aの側端部や、バックチャネルが形成される領域において、水素濃度が高く、酸素欠損などが形成されている領域304bは除去されている。よって、絶縁膜306から酸化物半導体膜303aの側端部に供給された酸素が、酸素欠損に補填されてしまうことを防ぐことができる。そのため、絶縁膜306に含まれる酸素を、酸化物半導体膜303aの領域304a(特に、チャネルが形成される領域)に効率よく供給することができる。これにより、酸化物半導体膜303aの領域304aに含まれる酸素欠損を低減することができる。
酸化物半導体を用いたトランジスタの場合、絶縁膜から酸化物半導体膜に酸素が供給されることで、酸化物半導体膜と絶縁膜との界面準位密度を低減できる。この結果、トランジスタの動作などに起因して、酸化物半導体膜と絶縁膜との界面にキャリアが捕獲されることを抑制することができ、信頼性の高いトランジスタを得ることができる。
また、絶縁膜306および絶縁膜307への、脱水化または脱水素化処理、および/または酸素ドープ処理は、複数回行ってもよい。
また、絶縁膜306上に接して設けられる絶縁膜307には、例えば酸化アルミニウムを用いることができる。絶縁膜307として酸化アルミニウムを用いる場合、アルミニウム膜を酸化させることによって酸化アルミニウムを形成してもよい。アルミニウム膜の酸化によって、酸化アルミニウム膜を形成することで、スパッタリング法によって酸化アルミニウム膜を成膜する場合と比較して生産性を向上させることができる。また、アルミニウム膜の酸化は、絶縁膜306への酸素ドープ処理と同一工程によっても行うことができるため、工程の簡略化を図ることができる。よって、半導体装置の製造コストを低減することができる。
なお、絶縁膜306として酸化物絶縁膜(例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン)を用いる場合、該酸化物絶縁膜において、酸素は主たる成分材料の一つである。このため、酸化物絶縁膜中の酸素濃度を、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)などの方法を用いて、正確に見積もることは難しい。つまり、酸化物絶縁膜に酸素が意図的に添加されたか否かを判別することは困難であるといえる。また、絶縁膜306に含まれる過剰な酸素が後の工程で酸化物半導体膜303aへと供給される場合においても同様のことがいえる。
ところで、酸素には17Oや18Oといった同位体が存在し、自然界におけるこれらの存在比率はそれぞれ酸素原子全体の0.038%、0.2%程度であることが知られている。つまり、酸化物半導体膜と接する絶縁膜中または酸化物半導体膜中におけるこれら同位体の濃度は、SIMSなどの方法によって見積もることができる程度になるから、これらの濃度を測定することで、酸化物半導体膜と接する絶縁膜中、または酸化物半導体膜中の酸素濃度をより正確に見積もることが可能な場合がある。よって、これらの濃度を測定することで、酸化物半導体膜と接する絶縁膜に意図的に酸素が添加されたか否かを判別しても良い。
絶縁膜307上に層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)となる絶縁膜を形成してもよい。層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)を設けることで薄膜の絶縁膜307に対する応力を緩和することができる。よって、絶縁膜307の破損を防止することができる。
層間絶縁膜は、絶縁膜306と同様な材料および方法を用いて形成することができる。例えば、スパッタリング法により形成した酸化シリコン膜を400nm形成する。また、保護絶縁膜の形成後、加熱処理を行ってもよい。例えば、窒素雰囲気下300℃で1時間加熱処理を行う。
本実施の形態では、絶縁膜307上に、平坦化絶縁膜308を形成する。平坦化絶縁膜308を形成することにより、トランジスタ310起因の表面凹凸を低減することができる。平坦化絶縁膜308としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜308を形成してもよい。
例えば、平坦化絶縁膜308として、膜厚1500nmのアクリル樹脂膜を形成すればよい。アクリル樹脂膜は塗布法による塗布後、焼成(例えば窒素雰囲気下250℃1時間)して形成することができる。
平坦化絶縁膜308を形成後、加熱処理を行ってもよい。例えば、窒素雰囲気下250℃で1時間加熱処理を行う。
このように、トランジスタ310形成後、加熱処理を行ってもよい。また、加熱処理は複数回行ってもよい。
以上の工程により、トランジスタ310を有する半導体装置を作製することができる。
次に、図2および図3に示す半導体装置の作製方法と、一部異なる半導体装置の作製方法について、図4を参照して説明する。
まず、図2(A)に従って、基板300上に、ゲート電極層301を形成した後、ゲート電極層301上にゲート絶縁膜302を形成する。次に、図2(B)の工程に従って、ゲート絶縁膜302上に酸化物半導体膜303を形成する。その後、図2(C)の工程に従って、フォトリソグラフィ工程により、酸化物半導体膜303上にレジストマスクを形成し、酸化物半導体膜303に選択的にエッチングを行って島状の酸化物半導体膜303aを形成する。
次に、島状の酸化物半導体膜303aの表面に、元素周期表における15族の元素(例えば、窒素、リン、および砒素)、元素周期表における13族の元素(例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、およびインジウム)、および希ガス元素(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、およびキセノン)のいずれか一または複数を、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマ処理によって矢印309のように添加する(図4(A)参照)。
上述の元素は、酸化物半導体膜303a表面の数nmにわたって添加されることが好ましい。酸化物半導体膜303aに、上述の元素が添加されることで、酸化物半導体膜303aの表面において、結晶部または結晶の結晶構造が乱れた領域304bが形成される。領域304bの結晶部または結晶の結晶構造が乱れることによって、ダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損が増加する。
そこで、領域304bのダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損に水素を移動させる。酸化物半導体膜303aに加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜303aの領域304aに含まれる水素は、領域304bに引き寄せられる。
酸化物半導体膜303aの領域304bに、水素を移動させるための加熱処理は、例えば、100℃以上基板の歪み点以下、好ましくは、200℃以上400℃以下において加熱処理を行う。
加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜303aの領域304aに含まれる水素を、領域304bを引き寄せることにより、領域304aの水素濃度を低減することができる。また、酸化物半導体膜303aの領域304bは、水素が移動することにより、水素濃度が増加する。
なお、水素を領域304bに移動させるための加熱処理は、ソース電極層およびドレイン電極層の形成後に行ってもよく、ソース電極層およびドレイン電極層の形成の前後に行ってもよい。また、水素を領域304aから領域304bに移動するための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。
次に、ゲート絶縁膜302および酸化物半導体膜303a上に、導電膜を形成した後、図3(A)の工程に従って、フォトリソグラフィ工程により、導電膜上にレジストマスクを形成し、導電膜に選択的にエッチングを行って、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bを形成する。このとき、酸化物半導体膜303aの領域304bを露出させる(図4(B)参照)。
次に、図3(B)の工程に従って、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bの形成によって露出した酸化物半導体膜303aの領域304bを除去する(図4(C)参照)。
以上の工程によって、トランジスタ320を作製することができる(図4(C)参照)。
次に、図3(C)の工程に従って、絶縁膜306を形成し、絶縁膜306上に絶縁膜307を形成し、図3(D)の工程に従って、平坦化絶縁膜308を形成することにより、トランジスタ320を有する半導体装置を作製することができる(図4(D)参照)。
本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法では、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bを形成するための導電膜305を形成する際に、酸化物半導体膜303aの表面近傍(または導電膜との界面近傍)の領域304bを非晶質化する。または、酸化物半導体膜303aの表面に対し、プラズマ処理を行うことで、酸化物半導体膜の表面の領域304bを非晶質化する。
その後の加熱処理により、酸化物半導体膜303aの領域304a(特に、ゲート電極層301と重畳する領域)に存在する水素を、結晶構造が乱れた領域304bに移動させる。これにより、酸化物半導体膜303aの領域304aに含まれる水素濃度を低減することができる。なお、水素が移動して、水素濃度が高くなった領域304bは、低抵抗領域として機能させることができる。
また、酸化物半導体膜303aは、酸素過剰領域を含む酸化物絶縁膜(少なくとも、絶縁膜306)と接して設けられている。加熱処理により、酸化物絶縁膜から酸素が脱離し、脱離した酸素を酸化物半導体膜303aへ供給することができる。これにより、酸化物半導体膜303aの領域304aにおける酸素欠損を低減することができる。
酸化物半導体膜303aの領域304aの水素濃度が低減、また酸素欠損が低減されることで、キャリアの発生を抑制することができる。これにより、寄生チャネルの形成を抑制することができるため、しきい値電圧が負の方向にシフトしてしまうことを抑制することができる。
本発明の一態様により、酸化物半導体膜を用いたトランジスタ310およびトランジスタ320に安定した電気特性を付与し、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、半導体装置の他の一形態について、図5を参照して説明する。なお、先の実施の形態と同一部分または同様な機能を有する部分、および同様な作製工程については、繰り返しの説明は省略する。
図5に示すトランジスタ330は、ボトムゲート構造の一例である。図5(A)は、トランジスタ330の平面図であり、図5(B)は、図5(A)のC1−C2における断面図(チャネル長L方向の断面図)であり、図5(C)は、図5(A)のD1−D2における断面図(チャネル幅W方向の断面図)である。また、図5(A)では、煩雑になることを避けるため、トランジスタ330の構成要素の一部(例えば、ゲート絶縁膜302など)を省略して図示している。
図5に示すトランジスタ330は、絶縁表面を有する基板300上に設けられたゲート電極層301と、ゲート電極層301上に設けられたゲート絶縁膜302と、ゲート絶縁膜302上にゲート電極層301と重畳する領域に設けられた酸化物半導体膜と、酸化物半導体膜と接して設けられたソース電極層305aおよびドレイン電極層305bと、を有する。また、トランジスタ330を覆うように、絶縁膜306、絶縁膜307、および平坦化絶縁膜308が設けられている。
図5に示すトランジスタ330において、本実施の形態では、酸化物半導体膜は、酸化物半導体膜303aおよび酸化物半導体膜311aの2層構造で形成されている。
酸化物半導体膜303aおよび酸化物半導体膜311aは、少なくともインジウムを含む。特に、インジウムと亜鉛を含むことが好ましい。
本実施の形態において、酸化物半導体膜303aは、CAAC−OS膜であり、酸化物半導体膜311aは、非晶質膜であるとして説明を行うが、酸化物半導体膜303aが、単結晶、多結晶、または非晶質膜であってもよい。
酸化物半導体膜303aにおいて、ゲート電極層301と重畳する領域には、チャネルが形成される。そのため、酸化物半導体膜303aは、どのような結晶状態であっても、水または水素などの不純物が低減され、かつ酸素欠損が低減されることで高純度化された領域であることが好ましい。高純度化された酸化物半導体は、i型(真性半導体)またはi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特徴を有する。また、上記酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いることにより、トランジスタのしきい値電圧がマイナスシフトすることを抑制することができる。
具体的に、高純度化された酸化物半導体は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)による水素濃度の測定値が、5×1018/cm3未満、より好ましくは5×1017/cm3以下、更に好ましくは1×1016/cm3以下とする。また、ホール効果測定により測定できる酸化物半導体膜のキャリア密度は、1×1014/cm3未満、好ましくは1×1012/cm3未満、更に好ましくは1×1011/cm3未満とする。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。水または水素などの不純物濃度が十分に低減され、かつ酸素欠損が低減されることで高純度化された酸化物半導体を用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。また、上記酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いることにより、しきい値電圧がマイナスシフトすることを抑制することができる。
また、酸化物半導体膜311aにおいては、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)による水素濃度の測定値が、5×1018/cm3以上である。
また、酸化物半導体膜311aにおいては、水素の他に、例えば、元素周期表における15族の元素(例えば、窒素、リン、および砒素)、元素周期表における13族の元素(例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、およびインジウム)、タングステン、モリブデン、および希ガス元素(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、およびキセノン)のいずれか一または複数が含まれうる。
上述の元素が、酸化物半導体膜311aに含まれることにより、酸化物半導体膜303aと比較して、導電性を高めることができる。これにより、酸化物半導体膜311aを、低抵抗領域として機能させることができる。
酸化物半導体膜303aにおいて、水素や酸素欠損が低減されていることにより、キャリアの発生を抑制することができる。これにより、寄生チャネルの形成を抑制することができるため、しきい値電圧が負の方向にシフトしてしまうことを抑制することができる。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態4)
本実施の形態では、図5に示すトランジスタ330を有する半導体装置の作製方法の一例について、図6および図7を参照して説明する。なお、先の実施の形態と同一部分または同様な機能を有する部分、および同様な作製工程については、繰り返しの説明は省略する。
まず、図2(A)の工程と同様に、基板300上にゲート電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を形成する。次に、フォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、導電膜に選択的にエッチングを行ってゲート電極層301を形成する。その後、ゲート電極層301上にゲート絶縁膜302を形成する(図6(A)参照)。
次に、図2(B)の工程と同様に、ゲート絶縁膜302上に酸化物半導体膜303を形成する。その後、酸化物半導体膜303上に酸化物半導体膜311を形成する(図6(B)参照)。
本実施の形態では、酸化物半導体膜303は、CAAC−OS膜となるように成膜し、酸化物半導体膜311は、非晶質膜となるように成膜する。なお、酸化物半導体膜311は、1nm以上10nm未満であることが好ましい。
また、脱水化または脱水素化のための加熱処理は、酸化物半導体膜303の成膜後、酸化物半導体膜311の成膜後、酸化物半導体膜303および酸化物半導体膜311を島状に加工した後のいずれかに行えばよい。また、脱水化または脱水素化のための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。
酸化物半導体膜303および酸化物半導体膜311が島状に加工される前、少なくとも酸化物半導体膜303がゲート絶縁膜302を覆った状態で加熱処理を行うと、ゲート絶縁膜302に含まれる酸素が加熱処理によって外部に放出されてしまうことを防止できる。
次に、図2(C)の工程と同様に、フォトリソグラフィ工程により酸化物半導体膜311上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行って島状の酸化物半導体膜311aおよび酸化物半導体膜303aを形成する(図6(C)参照)。
次に、図2(D)の工程と同様に、ゲート電極層301、ゲート絶縁膜302、および酸化物半導体膜311a上に、後にソース電極層およびドレイン電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜305を形成する(図6(D)参照)。
酸化物半導体膜303aがCAAC−OS膜の場合、導電膜305を形成する際に、導電膜305との界面近傍の領域における結晶部の結晶構造が乱れることがある。これにより、導電膜305との界面近傍の領域においては、該領域以外の領域よりも、非晶質部に対して結晶部の占める割合が低くなる場合もある。また、酸化物半導体膜303aが単結晶や多結晶など結晶性を有する膜の場合は、導電膜305との界面近傍の領域における結晶の結晶構造が乱れることで結晶性が低下し、場合によっては非晶質化する。
本実施の形態では、酸化物半導体膜311aは、非晶質膜であるため、ダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損が多数存在している場合がある。また、酸化物半導体膜311aが非晶質膜の場合であっても、導電膜305を形成する際に、酸化物半導体膜311aにおいて、ダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損が形成される場合がある。
そこで、酸化物半導体膜311aのダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損に水素を移動させる。酸化物半導体膜303aおよび酸化物半導体膜311aに加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜303aに含まれる水素は、酸化物半導体膜311aに引き寄せられる。
酸化物半導体膜311aに、水素を移動させるための加熱処理は、例えば、100℃以上基板の歪み点以下、好ましくは、200℃以上400℃以下において加熱処理を行う。
加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜303aに含まれる水素を、酸化物半導体膜311aに引き寄せることにより、酸化物半導体膜303aの水素濃度を低減することができる。また、酸化物半導体膜311aに移動した水素は固定されるため、酸化物半導体膜303aに再度拡散されにくい。そのため、酸化物半導体膜311aは、水素が引き寄せられたことにより、水素濃度が増加する。酸化物半導体膜311aの水素濃度が増加することにより、酸化物半導体膜303aの領域304aと比較して、導電性を高めることができる。これにより、酸化物半導体膜311aを、低抵抗領域として機能させることができる。
なお、水素を酸化物半導体膜311aに移動させるための加熱処理は、ソース電極層およびドレイン電極層の形成後に行ってもよく、ソース電極層およびドレイン電極層の形成の前後に行ってもよい。また、水素を酸化物半導体膜303aから酸化物半導体膜311aに移動させるための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。
次に、フォトリソグラフィ工程により導電膜305上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行って、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bを形成する(図7(A)参照)。このとき、酸化物半導体膜311aは、露出される。ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bを形成した後、レジストマスクを除去する。
酸化物半導体膜311aは、水素が引き寄せられたことによって、水素濃度が酸化物半導体膜303aよりも高くなっている。このため、水素濃度が高い酸化物半導体膜311aが存在したまま、トランジスタを作製すると、トランジスタに悪影響を及ぼす場合がある。例えば、酸化物半導体膜303a上、例えば、バックチャネルが形成される領域に、水素濃度が高い領域が存在すると、水素や酸素欠損によって生じたキャリアが蓄積することで、寄生チャネルが形成され、リーク電流が生じやすくなり、しきい値電圧が変動してしまうおそれがある。
また、酸化物半導体膜311a上に形成された導電膜305のエッチングには、ハロゲンを含むエッチングガスを用いたプラズマ処理が好適に用いられる。しかし、酸化物半導体膜がハロゲンを含むエッチングガスに曝されると、該エッチングガスに含まれるハロゲン(例えば、塩素、フッ素)によって、酸化物半導体膜311a中の酸素が引き抜かれてしまい、プラズマ処理された酸化物半導体膜311aの表面近傍に酸素欠損が形成されるおそれがある。また、エッチングの後に、酸化物半導体膜311aの表面および該近傍に、該エッチングガスに含まれるハロゲンが残存することによって、酸化物半導体膜311aに酸素欠損が形成されるおそれがある。酸化物半導体膜311aに酸素欠損が生じると、酸化物半導体膜311aの上面(バックチャネル)側及び側端部が低抵抗化(n型化)してしまい、寄生チャネルが形成される恐れがある。
また、導電膜305を成膜する際に、酸化物半導体膜311aに、導電膜305に含まれる元素が添加される場合もある。
そこで、酸化物半導体膜のバックチャネル側及び側端部が低抵抗化して寄生チャネルが形成されることを防止するために、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bの形成によって露出した酸化物半導体膜311aを除去する(図7(B)参照)。酸化物半導体膜311aの除去工程は、酸化物半導体膜303aがエッチングされ、消失または分断されることのないように、酸化物半導体膜303aのエッチング条件を最適化することが望まれる。
酸化物半導体膜311aの除去工程は、図3(B)の工程で説明した、酸化物半導体膜303aの領域304bの除去工程と同様に行えばよいため、詳細な説明は省略する。
酸化物半導体膜303aの側端部や、バックチャネルが形成される領域において、結晶部または結晶が破壊され、水素濃度が酸化物半導体膜303aよりも高い酸化物半導体膜311aを除去することにより、水素濃度が低減された酸化物半導体膜303aを露出することができる。これにより、寄生チャネルが形成されることを防止し、リーク電流の発生や、しきい値電圧が変動してしまうことを抑制することができる。また、酸化物半導体膜303aと、ソース電極層305aまたはドレイン電極層305bとの界面近傍の領域において、水素濃度が高く、ハロゲンが残存したとしても、低抵抗領域として機能させることができる。
酸化物半導体膜303aの側端部や、バックチャネルが形成される領域において、酸化物半導体膜311aを除去することで、ソース電極層305aおよびドレイン電極層305bを加工する際に生成した汚染物、またレジストマスクを除去する際に生成した汚染物も除去することができる。
以上の工程により、トランジスタ330を作製することができる(図7(B)参照)。
次に、図3(C)の工程と同様に、酸化物半導体膜303a、ソース電極層305a、およびドレイン電極層305b上に、絶縁膜306を形成する(図7(C)参照)。次に、絶縁膜306に酸素ドープ処理を行った後、アルミニウム膜を形成し、さらに酸素ドープ処理を行うことにより、アルミニウム膜の酸化物である、酸化アルミニウム膜を形成する。該酸化アルミニウム膜を、絶縁膜307として用いる。
次に、図3(D)の工程と同様に、絶縁膜307上に、平坦化絶縁膜308を形成する。
以上の工程により、トランジスタ330を有する半導体装置を作製することができる(図7(D)参照)。
本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法では、酸化物半導体膜を酸化物半導体膜303aと酸化物半導体膜311aの2層構造で形成している。酸化物半導体膜311aは、非晶質膜である。
その後の加熱処理により、酸化物半導体膜303a(特に、ゲート電極層301と重畳する領域)に存在する水素を、該非晶質膜である酸化物半導体膜311aに引き寄せられる。これにより、酸化物半導体膜303aに含まれる水素濃度を低減することができる。なお、水素が引き寄せられ、水素濃度が高くなった酸化物半導体膜311aは、低抵抗領域として機能させることができる。
また、酸化物半導体膜303aは、酸素過剰領域を含む酸化物絶縁膜(少なくとも、絶縁膜306)と接して設けられている。加熱処理により、酸化物絶縁膜から酸素が脱離し、脱離した酸素を酸化物半導体膜303aへ供給することができる。これにより、酸化物半導体膜303aにおける酸素欠損を低減することができる。
酸化物半導体膜303aの水素濃度が低減、また酸素欠損が低減されることで、キャリアの発生を抑制することができる。これにより、寄生チャネルの形成を抑制することができるため、しきい値電圧が負の方向にシフトしてしまうことを抑制することができる。
本発明の一態様により、酸化物半導体膜を用いたトランジスタ330に安定した電気特性を付与し、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態5)
本実施の形態では、半導体装置の他の一形態について、図8乃至図11および図22を参照して説明する。本実施の形態では、半導体装置の一例として、酸化物半導体膜を有するトランジスタを示す。
トランジスタは、チャネル形成領域が1つ形成されるシングルゲート構造でも、2つ形成されるダブルゲート構造もしくは3つ形成されるトリプルゲート構造であってもよい。また、チャネル形成領域の上下にゲート絶縁膜を介して配置された2つのゲート電極層を有する、デュアルゲート構造であってもよい。
図8に示すトランジスタ410は、ボトムゲート構造の一つ(逆スタガ型トランジスタともいう)であるトランジスタの一例である。図8(A)は、トランジスタ410の平面図であり、図8(B)は、図8(A)のE1−E2における断面図(チャネル長L方向の断面図)であり、図8(C)は、図8(A)のF1−F2における断面図(チャネル幅W方向の断面図)である。また、図8(A)では、煩雑になることを避けるために、トランジスタ410の構成要素の一部(例えば、ゲート絶縁膜402など)を省略して図示する。
図8に示すトランジスタ410は、絶縁表面を有する基板400上に設けられたゲート電極層401と、ゲート電極層401上に設けられたゲート絶縁膜402と、ゲート絶縁膜402上のゲート電極層401と重畳する領域に設けられた酸化物半導体膜403と、酸化物半導体膜403と接して設けられたソース電極層405aおよびドレイン電極層405bと、を有する。また、トランジスタ410を覆うように、絶縁膜406、絶縁膜407、および平坦化絶縁膜408が設けられている。
酸化物半導体膜403は、少なくともインジウムを含む。特に、インジウムと亜鉛を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)のいずれか一種または複数種を含む。
なお、ここで、例えば、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
図8に示すトランジスタ410において、酸化物半導体膜403は、第1の層403aおよび第2の層403bを有している。
第1の層403aおよび第2の層403bには、異なる組成の酸化物半導体を用いる。例えば、第1の層403aと第2の層403bを、異なる元素を含む酸化物半導体としてもよい。また、構成元素を同一とし、両者の組成を異ならせてもよい。
このとき、ゲート電極層から遠い側(バックチャネル側)である第2の層403bを、ガリウム(Ga)等のスタビライザーを多く含む層とする。GaはInと比較して酸素欠損の形成エネルギーが大きく酸素欠損が生じにくい。そのため、当該酸化物半導体膜を用いたトランジスタは酸素欠損に由来するキャリアが少なく、オフ電流の低いトランジスタとすることができる。また、電気特性のばらつきの少ない、信頼性の高いトランジスタとすることができる。
例えばIn−Ga−Zn系酸化物を用いる場合、酸化物半導体膜の第2の層403bのGaの含有率を、第1の層403aよりも大きくするとよい。または、第2の層403bのGaの含有率をInと略同じか、Inより大きくするとよい。例えば第2の層403bをIn:Ga:Zn=1:1:1またはその組成の近傍、In:Ga:Zn=1:3:2またはその組成の近傍とすることができる。
また、ゲート電極層に近い側(チャネル側)である第1の層403aを、インジウム(In)を多く含む層とする。酸化物半導体では主として重金属のs軌道がキャリア伝導に寄与しており、Inの含有率を多くすることによりs軌道のオーバーラップが多くなる傾向があるため、Inを多く含む酸化物半導体は高いキャリア移動度を備えることができる。
例えばIn−Ga−Zn系酸化物を用いる場合、酸化物半導体膜の第1の層403aのInの含有率を、第2の層403bよりも大きくするとよい。または、第1の層403aのInの含有率をGaの含有率より大きくするとよい。例えば第1の層403aをIn:Ga:Zn=3:1:2またはその組成の近傍、またはIn:Ga:Zn=2:1:3またはその組成の近傍とすることができる。
このようにバックチャネル側にGa等のスタビライザーを多く含む酸化物半導体を適用し、チャネル側にInを多く含む酸化物半導体を適用することで、オフ電流が低く信頼性の高いトランジスタにおいて、さらに電界効果移動度を高めることができる。
なお本明細書等において、例えば、In、Ga、Znの原子数比がIn:Ga:Zn=a:b:c(a+b+c=1)である酸化物の組成が、原子数比がIn:Ga:Zn=A:B:C(A+B+C=1)の酸化物の組成の近傍であるとは、a、b、cが、(a−A)2+(b−B)2+(c−C)2≦r2を満たすことをいう。rとしては、例えば、0.05とすればよい。他の酸化物でも同様である。
また、酸化物半導体膜403は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜であることが好ましい。
CAAC−OS膜は、完全な単結晶ではなく、完全な非晶質でもない。CAAC−OS膜は、非単結晶であって結晶部および非晶質部を有する結晶−非晶質混相構造の酸化物半導体膜である。なお、当該結晶部は、一辺が100nm未満の立方体内に収まる大きさであることが多い。また、透過型電子顕微鏡(TEM:Transmission Electron Microscope)による観察像では、CAAC−OS膜に含まれる非晶質部と結晶部との境界は明確ではない。さらに結晶部と他の結晶部が近接する場合であっても、その境界は明確でない。また、TEMによってCAAC−OS膜には粒界(グレインバウンダリーともいう。)は確認できない。そのため、CAAC−OS膜は、粒界に起因する電子移動度の低下が抑制される。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部は、c軸がCAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃い、ab面に垂直な方向から見て三角形状または六角形状の原子配列を有し、c軸に垂直な方向から見て金属原子が層状または金属原子と酸素原子とが層状に配列している。なお、異なる結晶部間で、それぞれa軸およびb軸の向きが異なっていてもよい。本明細書において、単に垂直と記載する場合、85°以上95°以下の範囲も含まれることとする。また、単に平行と記載する場合、−5°以上5°以下の範囲も含まれることとする。
CAAC−OS膜に含まれる結晶部のc軸は、CAAC−OS膜の被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向に揃うため、CAAC−OS膜の形状(被形成面の断面形状または表面の断面形状)によっては互いに異なる方向を向くことがある。なお、結晶部のc軸の方向は、CAAC−OS膜が形成されたときの被形成面の法線ベクトルまたは表面の法線ベクトルに平行な方向となる。結晶部は、成膜することにより、または成膜後に加熱処理などの結晶化処理を行うことにより形成される。
CAAC−OS膜を用いたトランジスタは、可視光や紫外光の照射による電気特性の変動が小さい。よって、当該トランジスタは、信頼性が高い。
なお、本実施の形態では、酸化物半導体膜403がCAAC−OS膜であるとして説明を行うが、酸化物半導体膜403が単結晶または多結晶(ポリクリスタルともいう)であってもよい。
図8に示すトランジスタ410において、第1の層403aは、領域403a1と領域403a2を有する。また第2の層403bは、領域403b1と領域403b2を有する。また酸化物半導体膜403において、ソース電極層405aおよびドレイン電極層405bとの界面近傍の領域は、領域403a2および領域403b2である。またそれ以外の領域が、領域403a1および領域403b1である。たとえば、ソース電極層405aおよびドレイン電極層405bとの界面近傍の領域403a2および領域403b2を、第1の領域と呼ぶことができる。またそれ以外の領域403a1および領域403b1を、第2の領域と呼ぶことができる。
酸化物半導体膜403の領域403a1および領域403b1は、領域403a2および領域403b2と比較して非晶質部に対して結晶部の占める割合が高く、領域403a2および領域403b2は、非晶質部に対して結晶部の占める割合が低い領域とすることができる。
領域403a1および領域403b1はCAAC−OS膜、単結晶膜または多結晶膜(ポリクリスタルともいう)とすることができる。また、領域403a2および領域403b2は、領域403a1および領域403b1と比較して非晶質部の割合が高い領域であり、領域の全てが非晶質部で占められていてもよい。
図8は領域403a1および領域403b1がチャネル形成領域となる。領域403a2および領域403b2は、ソース電極層405aまたはドレイン電極層405bと重畳するためチャネル形成領域とならない。上述のようにCAAC−OS膜、単結晶膜または多結晶膜をチャネル形成領域とすることで、リーク電流の発生や、しきい値電圧が変動してしまうことを抑制することができる。
なお、領域403a2および領域403b2の少なくともどちらか一方を非晶質酸化物半導体とすると、酸化物半導体膜403の内部応力や外部からの応力を緩和し、トランジスタの特性ばらつきが低減され、また、トランジスタの信頼性をさらに高めることが可能となる。
また、領域403a1および領域403b1を水又は水素などの不純物が低減され、かつ酸素欠損が低減されることで高純度化された領域とすることができる。また領域403a2および領域403b2を低抵抗領域とすることができる。
ソース電極層またはドレイン電極層と重畳せず、ゲート電極層401と重畳する領域403a1および領域403b1は、チャネル形成領域となる。領域403a1および領域403b1は、水又は水素などの不純物が低減され、かつ酸素欠損が低減されることで高純度化された領域であることが好ましい。高純度化された酸化物半導体(purified OS)は、i型(真性半導体)またはi型に限りなく近い。そのため、上記酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いたトランジスタは、オフ電流が著しく低いという特性を有する。
具体的に、領域403a1および領域403b1は、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)による水素濃度の測定値が、5×1018/cm3未満、より好ましくは5×1017/cm3以下、更に好ましくは1×1016/cm3以下とすることができる。また、ホール効果測定により測定できる酸化物半導体膜のキャリア密度は、1×1014/cm3未満、好ましくは1×1012/cm3未満、更に好ましくは1×1011/cm3未満とすることができる。また、酸化物半導体のバンドギャップは、2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である。水又は水素などの不純物濃度が十分に低減され、かつ酸素欠損が低減されることで高純度化された酸化物半導体をチャネルが形成される領域に用いることにより、トランジスタのオフ電流を下げることができる。
また、酸化物半導体膜403と、ソース電極層405aまたはドレイン電極層405bと接する界面近傍の領域403a2および領域403b2においては、二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)による水素濃度の測定値が、5×1018/cm3以上、含まれていることが好ましい。酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2を低抵抗領域として機能させることができる。
また、酸化物半導体膜403と、ソース電極層405aまたはドレイン電極層405bとが接する界面近傍の領域403a2および領域403b2においては、水素の他に、例えば、元素周期表における15族の元素(例えば、窒素、リン、および砒素)、元素周期表における13族の元素(例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、およびインジウム)、タングステン、モリブデン、および希ガス元素(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、およびキセノン)のいずれか一または複数が含まれうる。
上述の元素が、酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2に含まれることにより、領域403a1および領域403b1と比較して、導電性を高めることができる。これにより、酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2を、低抵抗領域として機能させることができる。
酸化物半導体膜403の領域403a1および領域403b1において、チャネル形成領域の水素や酸素欠損が低減されていることにより、キャリアの発生を抑制することができる。これにより、寄生チャネルの形成を抑制することができるため、しきい値電圧が負の方向にシフトしてしまうことを抑制することができる。
なお、図8は酸化物半導体膜403を、領域403a1、領域403a2、領域403b1、領域403b2に分けているが、これは電気特性において機能的に4つに区分されるということを意味する。すなわち、1層であっても、層の内部で機能的に分離された4つの領域が存在すればよく、必ずしも4つの領域において、明瞭な境界が存在していなくてもよい。
また、図8は第1の層403aと第2の層403bの2層の積層構造としたが、酸化物半導体膜を3層以上積層させてもよい。例えば、異なる組成の酸化物半導体膜を3層以上積層させてもよい。また構成元素は同一であるが組成が異なる酸化物半導体膜を3層以上積層させてもよい。
また、図8は第1の層403aは領域403a1と領域403a2を有し、第2の層403bは領域403b1と領域403b2を有し、領域403a2はソース電極層405aまたはドレイン電極層405bと重畳する領域の酸化物半導体膜403の側端部にのみ存在する構成を示したが、これに限らない。
たとえば図9に示すように、第2の層403bがすべて結晶部に対して非晶質部が占める割合が高い領域またはすべて非晶質部で占められた領域(領域403b2)であってもよい。また、第2の層403bがすべて低抵抗領域(領域403b2)であってもよい。
また図10に示すように、第2の層403bがすべて第2の領域403b2であり、さらに領域403a2が、酸化物半導体膜403の側端部のみでなく、ソース電極層405aまたはドレイン電極層405bと重畳する領域に広がって存在してもよい。
また図11に示すように、第1の層403aおよび第2の層403bがそれぞれ領域403a2および領域403b2からなる構成としてもよい。
また複数の結晶性の高い領域で結晶性の低い領域を挟む構造としてもよい。また、結晶性の高い領域と結晶性の低い領域を交互に積層する構造としてもよい。同様に、高純度化された領域で低抵抗領域を挟む構造としてもよい。また、高純度化された領域と低抵抗領域を交互に積層する構造としてもよい。
酸化物半導体膜403に接して設けられる絶縁膜406は、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、などの酸化物絶縁膜であることが好ましい。また、絶縁膜406は、酸化物半導体膜403と接するため、絶縁膜406は、酸素過剰領域を有することが好ましい。
絶縁膜406に接して設けられる絶縁膜407は、酸素透過性が低い膜であることが好ましい。例えば、絶縁膜407として、酸化アルミニウム、窒化シリコンなどを用いることが好ましい。絶縁膜407として、酸素透過性が低い膜を用いることにより、絶縁膜406に含まれる酸素が外部に放出されてしまうことを抑制できる。また、絶縁膜407として、水素透過性が低い膜であることが好ましい。絶縁膜407として、水素透過性が低い膜を用いることにより、外部から水素が混入したとしても、酸化物半導体膜403に拡散することを防止することができる。
また、絶縁膜407として酸化アルミニウム膜を用いる場合、酸化アルミニウム膜の抵抗率を1×1010Ωm以上1×1019Ωm以下(好ましくは、1×1010Ωm以上1×1018Ωm以下、より好ましくは1×1011Ωm以上1×1015Ωm以下)とすることが好ましい。または、酸化アルミニウム膜上に、酸化チタン膜または酸化マグネシウム膜を積層し、該酸化チタン膜または酸化マグネシウム膜の抵抗率を、1×1010Ωm以上1×1019Ωm以下(好ましくは、1×1010Ωm以上1×1018Ωm以下、より好ましくは1×1011Ωm以上1×1015Ωm以下)とすることが好ましい。絶縁膜407として、上記抵抗率を有する膜を設けることで、半導体装置の静電破壊を防止することができる。
なお、酸化アルミニウム膜を高密度(膜密度3.2g/cm3以上、好ましくは3.6g/cm3以上)とすると、トランジスタ410に安定な電気特性を付与することができるため、より好ましい。膜密度はラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)や、X線反射率測定法(XRR:X−Ray Reflection)によって測定することができる。
酸化アルミニウム膜は、該組成がAl2Oxで表現される場合、xは1以上3.5以下の酸化アルミニウム膜を用いることが好ましい。
絶縁膜407上に層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)となる絶縁膜を形成してもよい。層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)を設けることで薄膜の絶縁膜407に対する応力を緩和することができる。よって、絶縁膜407の破損を防止することができる。
図8は、絶縁膜407上に、平坦化絶縁膜408が設けられている場合について示す。平坦化絶縁膜408としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂等の有機材料を用いることができる。平坦化絶縁膜408を設けることにより、トランジスタ410起因の表面凹凸を低減することができる。
また、絶縁膜407として、水素透過性が低い絶縁膜が用いられている場合は、平坦化絶縁膜408から、水素や水が酸化物半導体膜403に達することを防止することができる。
次に、図8に示す半導体装置と一部異なる半導体装置について、図22を参照して説明する。なお、図8と同一部分または同様な機能を有する部分については、繰り返しの説明は省略する。
図22に示す半導体装置には、トランジスタ440と、端子426が設けられている。
図22に示すトランジスタ440は、図8に示すトランジスタ410と同様の酸化物半導体膜を有する、ボトムゲート構造のトランジスタである。
図22に示すトランジスタ440では、ゲート電極層は、窒化タンタル膜421aと、銅膜422aと、モリブデン膜423aの三層構造で構成されている。また、端子426におけるゲート配線も、窒化タンタル膜421bと、銅膜422bと、モリブデン膜423bの三層構造で構成されている。
ゲート電極層やゲート配線として、銅膜422a、422bを用いることにより、配線抵抗を低減することができる。また、銅膜422a、422b上に、モリブデン膜423a、423bを積層することで、ゲート絶縁膜や、酸化物半導体膜403に銅が拡散することを抑制することができる。また、モリブデン膜は、仕事関数が酸化物半導体と比較して高いため、ゲート電極層として用いると、トランジスタ440のしきい値をプラス方向にシフトさせることができるため、好適である。
また、図22に示すトランジスタ440では、ゲート絶縁膜は、窒化シリコン膜424、酸化窒化シリコン膜425の二層構造で構成されている。
ゲート絶縁膜として、窒化シリコン膜424を用いることにより、金属や水などが、基板400やゲート電極層やゲート配線から、酸化物半導体膜403に浸入することを抑制できる。
また、図22に示す端子426においては、ゲート絶縁膜に開口が設けられており、該開口を介してゲート配線と、電極層405cとが接続されている。
また、図8に示す半導体装置と同様に、図22に示す半導体装置も、トランジスタ440及び端子426上を覆うように絶縁膜406、絶縁膜407、及び平坦化絶縁膜408が設けられている。絶縁膜406は、例えば、酸素過剰領域を有する酸化窒化シリコン膜、絶縁膜407は、例えば、酸化アルミニウム膜、平坦化絶縁膜408は、例えば、アクリル樹脂が用いられていることが好ましい。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態6)
本実施の形態では、図8に示すトランジスタ410を有する半導体装置の作製方法の一例について、図12および図13を参照して説明する。
まず、絶縁表面を有する基板400を用意する。
基板400に使用することができる基板に大きな制限はないが、少なくとも、後の加熱処理に耐えうる程度の耐熱性を有することが必要となる。例えば、バリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラスなどのガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板などを用いることができる。また、シリコンや炭化シリコンなどの単結晶半導体基板、多結晶半導体基板、シリコンゲルマニウムなどの化合物半導体基板、SOI基板などを適用することもでき、これらの基板上に半導体素子が設けられたものを、基板400として用いても良い。
また、基板400として、可撓性基板を用いて半導体装置を作製してもよい。可撓性を有する半導体装置を作製するには、可撓性基板上に酸化物半導体膜403を含むトランジスタ410を直接作製してもよいし、他の作製基板に酸化物半導体膜403を含むトランジスタ410を作製し、その後、作製基板から剥離し、可撓性基板に転置してもよい。なお、作製基板から剥離し、可撓性基板に転置するために、作製基板と酸化物半導体膜403を含むトランジスタ410との間に剥離層(例えば、タングステン)を設けると良い。
次に、基板400上に、下地膜として機能する絶縁膜を形成しても良い。絶縁膜としては、プラズマCVD法またはスパッタリング法により、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化ガリウムなどの酸化物絶縁材料、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウムなどの窒化物絶縁材料、またはこれらの混合材料を用いて、単層構造または積層構造で、形成することができる。
絶縁膜として、例えば、窒化シリコン膜と酸化窒化シリコン膜との積層構造を用いることが好ましい。窒化シリコン膜を用いることにより、基板から金属や水素などが、後に形成される酸化物半導体膜に浸入することを抑制できる。また、酸化窒化シリコン膜を用いることにより、後にゲート電極層を形成する際に、エッチングによって基板400の一部が除去され、基板400の成分が後に形成される酸化物半導体膜に浸入することを抑制できる。
次に、基板400上に、ゲート電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜を形成する。
導電膜は、スパッタリング法やプラズマCVD法により形成することができる。導電膜として、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いることができる。また、導電膜は、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を用いることもできる。また、導電膜は、上記の導電材料を用いて、単層構造または積層構造で形成される。
導電膜を単層構造で形成する場合は、例えば、膜厚100nmのタングステン膜を形成すればよい。導電膜を積層構造で形成する場合は、例えば、膜厚30nmの窒化タングステン膜、膜厚200nmの銅膜、膜厚30nmのタングステン膜を形成すればよい。また、膜厚30nmのタングステン膜に代えて、膜厚30nmのモリブデン膜を形成してもよい。銅膜を用いることにより、配線抵抗を低減することができる。また、銅膜上に、タングステン膜またはモリブデン膜を積層することで、銅が拡散することを防止できる。また、タングステン膜またはモリブデン膜は、仕事関数が酸化物半導体と比較して高いため、ゲート電極層として用いると、トランジスタのしきい値電圧をプラス方向にシフトさせることができるため、好適である。なお、後に形成されるゲート絶縁膜によって、銅が拡散することを防止することができれば、タングステン膜およびモリブデン膜は形成しなくともよい。
次に、フォトリソグラフィ工程により導電膜上にレジストマスクを形成し、選択的にエッチングを行ってゲート電極層401を形成する。ゲート電極層401を形成した後、レジストマスクを除去する。導電膜のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
ここで、レジストマスクを除去する際に生成した汚染物を除去する処理(不純物除去処理ともいう)を行ってもよい。不純物除去処理は、酸素、一酸化二窒素、もしくは希ガス(代表的にはアルゴン)を用いたプラズマ処理、または希フッ酸、水、現像液もしくはTMAH溶液を用いた溶液処理などを好適に用いることができる。
次に、基板400、およびゲート電極層401に加熱処理を行ってもよい。例えば、電気炉により、350℃以上500℃以下、30分〜1時間、加熱処理を行ってもよい。加熱処理を行うことにより、基板400やゲート電極層401に含まれる水素や水などを除去することができる。
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、LRTA(Lamp Rapid Thermal Anneal)装置、GRTA(Gas Rapid Thermal Anneal)装置等のRTA(Rapid Thermal Anneal)装置を用いることができる。LRTA装置は、ハロゲンランプ、メタルハライドランプ、キセノンアークランプ、カーボンアークランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプなどのランプから発する光(電磁波)の輻射により、被処理物を加熱する装置である。GRTA装置は、高温のガスを用いて加熱処理を行う装置である。高温のガスには、アルゴンなどの希ガス、または窒素のような、加熱処理によって被処理物と反応しない不活性気体が用いられる。例えば、GRTA装置を用いて加熱処理を行う場合には、650℃、1分〜5分間、加熱処理を行えばよい。
次に、ゲート電極層401上にゲート絶縁膜402を形成する(図12(A)参照)。
なお、ゲート絶縁膜402の被覆性を向上させるために、ゲート電極層401表面に平坦化処理を行ってもよい。特に、ゲート絶縁膜402として膜厚の薄い絶縁膜を用いる場合、ゲート電極層401表面の平坦性が良好であることが好ましい。
ゲート絶縁膜402の膜厚は、1nm以上300nm以下とし、スパッタリング法、MBE法、CVD法、PECVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法等を適宜用いることができる。
ゲート絶縁膜402としては、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム、または窒化酸化シリコンを用いて形成することができる。また、ゲート絶縁膜402として、酸化ハフニウム、酸化イットリウム、ハフニウムシリケート(HfSixOy(x>0、y>0))、窒素が添加されたハフニウムシリケート(HfSiOxNy(x>0、y>0))、ハフニウムアルミネート(HfAlxOy(x>0、y>0))、酸化ランタンなどのhigh−k材料を用いることでゲートリーク電流を低減できる。また、ゲート絶縁膜402は、上記の材料を用いて、単層構造または積層構造で形成することができる。
ゲート絶縁膜402を単層構造で形成する場合は、膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。また、ゲート絶縁膜402を積層構造で形成する場合は、膜厚50nmの窒化シリコン膜、膜厚200nmの酸化窒化シリコン膜を形成すればよい。窒化シリコン膜を用いることにより、金属や水などが、基板やゲート電極層401から、後に形成される酸化物半導体膜に浸入することを抑制できる。
次に、基板400、ゲート電極層401、およびゲート絶縁膜402に加熱処理を行ってもよい。例えば、GRTA装置により、650℃、1分〜5分間、加熱処理を行えばよい。また、電気炉により、350℃以上500℃以下、30分〜1時間、加熱処理を行ってもよい。加熱処理を行うことにより、ゲート絶縁膜402に含まれる水素や水などを除去することができる。
次に、ゲート絶縁膜402に対して、酸素を導入する処理(酸素ドープ処理や、酸素注入処理ともいう)を行っても良い。酸素を導入する処理を行うことによって、酸素過剰領域を有するゲート絶縁膜402が形成される。
酸素には、少なくとも、酸素ラジカル、オゾン、酸素原子、酸素イオン(分子イオン、クラスタイオンを含む)、のいずれかが含まれている。脱水化または脱水素化処理を行ったゲート絶縁膜402に酸素ドープ処理を行うことにより、ゲート絶縁膜402中に酸素を含有させることができ、先の熱処理によって脱離することのある酸素を補填するとともに、酸素過剰領域を形成することができる。
ゲート絶縁膜402への酸素の導入は、例えば、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理等を用いることができる。なお、イオン注入法として、ガスクラスタイオンビームを用いてもよい。また、酸素の導入は、ゲート絶縁膜402の全面を一度に処理してもよいし、例えば、線状のイオンビームを用いてもよい。線状のイオンビームを用いる場合には、基板またはイオンビームを相対的に移動(スキャン)させることで、ゲート絶縁膜402全面に酸素を導入することができる。また、プラズマ処理として、アッシング処理を用いてもよい。
酸素の供給ガスとしては、Oを含有するガスを用いればよく、例えば、O2ガス、N2Oガス、CO2ガス、COガス、NO2ガス等を用いることができる。なお、酸素の供給ガスに希ガス(例えばAr)を含有させてもよい。
また、例えば、イオン注入法で酸素の導入を行う場合、酸素のドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とするのが好ましく、酸素ドープ処理後のゲート絶縁膜402中の酸素の含有量は、ゲート絶縁膜402の化学量論的組成を超える程度とするのが好ましい。なお、このような化学量論的組成よりも酸素を過剰に含む領域は、ゲート絶縁膜402の一部に存在していればよい。なお、酸素の注入深さは、注入条件により適宜制御すればよい。
酸素の供給源となる酸素を過剰に含むゲート絶縁膜402を、後に形成される酸化物半導体膜403と接して設けることによって、さらに後に行う加熱処理により、ゲート絶縁膜402から酸素が脱離し、酸化物半導体膜403へ酸素を供給することができる。これにより、酸化物半導体膜403中の酸素欠損を低減することができる。
なお、ゲート絶縁膜402に対して、酸素を導入する処理は、ゲート絶縁膜402の加熱処理前に行ってもよく、ゲート絶縁膜402の加熱処理の前後に行ってもよい。
次に、ゲート絶縁膜402上に酸化物半導体膜403を形成する(図12(B)参照)。
酸化物半導体膜403は、スパッタリング法、MBE法、CVD法、PECVD法、ミストCVD法、パルスレーザ堆積法、ALD法等を適宜用いて形成することができる。
酸化物半導体膜403に用いる酸化物半導体としては、少なくともインジウム(In)を含むことが好ましい。特に、インジウムと亜鉛(Zn)を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすためのスタビライザーとして、それらに加えてガリウム(Ga)を有することが好ましい。また、スタビライザーとしてスズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)のいずれか一種または複数種を有することが好ましい。
また、他のスタビライザーとして、ランタノイドである、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ジスプロシウム(Dy)、ホルミウム(Ho)、エルビウム(Er)、ツリウム(Tm)、イッテルビウム(Yb)、ルテチウム(Lu)のいずれか一種または複数種を有してもよい。
例えば、酸化物半導体として、三元系金属の酸化物であるIn−Ga−Zn系酸化物(IGZOとも表記する)、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、四元系金属の酸化物であるIn−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
ゲート電極層に近い側(チャネル側)である第1の層403aの酸化物半導体膜の材料には、Inを多く含むものを用いることができる。例えばIn−Ga−Zn系酸化物を用いる場合、第1の層403aの材料は、Inの含有率をGaの含有率より大きくするとよい。例えばIn:Ga:Zn=3:1:2またはその組成の近傍とすることができる。
例えば第1の層403aをスパッタリング法で形成する場合、In:Ga:Zn=3:1:2の組成のスパッタリングターゲットを用いればよい。該スパッタリングターゲットのバルク抵抗は3.2×10−3Ω・cm程度であり、ターゲットは灰色を呈する。
また、ゲート電極層から遠い側(バックチャネル側)である第2の層403bの酸化物半導体膜の材料は、Gaを多く含むものを用いることができる。例えばIn−Ga−Zn系酸化物を用いる場合、第2の層403bの材料は、Gaの含有率がInと略同じか、Inより大きくするとよい。例えばIn:Ga:Zn=1:1:1またはその組成の近傍とすることができる。
例えば第2の層403bをスパッタリング法で形成する場合、In:Ga:Zn=1:1:1の組成のスパッタリングターゲットを用いればよい。該スパッタリングターゲットのバルク抵抗は3.9×10−2Ω・cm程度であり、ターゲットは薄い灰色を呈する。
このように、酸化物半導体膜の形成に用いる材料、例えばスパッタリングターゲットの組成を変えることで、異なる組成の酸化物半導体膜を積層することができる。
また、酸化物半導体膜403は、CAAC−OS(C Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor)膜とすることが好ましい。また、酸化物半導体膜403は、単結晶または多結晶(ポリクリスタルともいう)であってもよい。
また、CAAC−OS膜のように結晶部を有する酸化物半導体膜では、よりバルク内欠陥を低減することができ、表面の平坦性を高めればアモルファス状態の酸化物半導体以上の移動度を得ることができる。表面の平坦性を高めるためには、平坦な表面上に酸化物半導体膜403を形成することが好ましく、具体的には、平均面粗さ(Ra)が1nm以下、好ましくは0.3nm以下、より好ましくは0.1nm以下の表面上に形成するとよい。
なお、Raは、JIS B 0601:2001(ISO4287:1997)で定義されている算術平均粗さを曲面に対して適用できるよう三次元に拡張したものであり、「基準面から指定面までの偏差の絶対値を平均した値」で表現でき、以下の式にて定義される。
ここで、指定面とは、粗さ計測の対象となる面であり、座標(x1,y1,f(x1,y1)),(x1,y2,f(x1,y2)),(x2,y1,f(x2,y1)),(x2,y2,f(x2,y2))の4点で表される四角形の領域とし、指定面をxy平面に投影した長方形の面積をS0、基準面の高さ(指定面の平均の高さ)をZ0とする。Raは原子間力顕微鏡(AFM:Atomic Force Microscope)にて測定可能である。
酸化物半導体膜403表面の平坦性を高めるために、ゲート絶縁膜402において、酸化物半導体膜403が接して形成される領域に、平坦化処理を行うことが好ましい。平坦化処理としては、特に限定されないが、研磨処理(例えば、化学的機械研磨法(Chemical Mechanical Polishing:CMP))、ドライエッチング処理、プラズマ処理を用いることができる。
プラズマ処理としては、例えば、アルゴンガスを導入してプラズマを発生させる逆スパッタリングを行うことができる。逆スパッタリングとは、アルゴン雰囲気下で基板側にRF電源を用いて電圧を印加して基板近傍にプラズマを形成して表面を改質する方法である。なお、アルゴン雰囲気に代えて窒素、ヘリウム、酸素などを用いてもよい。逆スパッタリングを行うと、ゲート絶縁膜402の表面に付着している粉状物質(パーティクル、ごみともいう)を除去することができる。
平坦化処理として、研磨処理、ドライエッチング処理、プラズマ処理は複数回行ってもよく、それらを組み合わせて行ってもよい。また、組み合わせて行う場合、工程順も特に限定されず、ゲート絶縁膜402表面の凹凸状態に合わせて適宜設定すればよい。
酸化物半導体膜403の膜厚は、1nm以上200nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下とすることが好ましい。また、酸化物半導体膜403は、スパッタリング法、MBE(Molecular Beam Epitaxy)法、CVD法、パルスレーザ堆積法、ALD(Atomic Layer Deposition)法等を適宜用いて成膜することができる。
また、酸化物半導体膜403に含まれる水素または水の濃度は、できる限り低いことが好ましい。水素濃度が高いと、酸化物半導体に含まれる元素と水素との結合により、水素の一部がドナーとなり、キャリアである電子が生じてしまうためである。
したがって、酸化物半導体膜403の成膜工程において、酸化物半導体膜403に水素、または水がなるべく含まれないようにするために、酸化物半導体膜403の成膜の前処理として、スパッタリング装置の予備加熱室でゲート絶縁膜402が形成された基板を予備加熱し、基板およびゲート絶縁膜402に吸着した水素または水などの不純物を脱離させ、排気することが好ましい。予備加熱室に設ける排気手段は、クライオポンプが好ましい。
また、酸化物半導体膜403は、成膜時に酸素が多く含まれるような条件(例えば、酸素が30%〜100%の雰囲気下でスパッタリング法により成膜を行うなど)で成膜して、酸素を多く含む(好ましくは酸化物半導体が結晶状態における化学量論的組成に対し、酸素の含有量が過剰な領域が含まれている)膜とすることが好ましい。
酸化物半導体膜403を、成膜する際に用いるスパッタリングガスは水素、水、水酸基または水素化物などの不純物が除去された高純度ガスを用いることが好ましい。
減圧状態に保持された成膜室内に基板を保持する。そして、成膜室内の残留水分を除去しつつ水素および水が除去されたスパッタガスを導入し、上記ターゲットを用いて、温度を130℃以上700℃以下として、ゲート絶縁膜402上に酸化物半導体膜403を成膜する。成膜室内の残留水分を除去するためには、吸着型の真空ポンプ、例えば、クライオポンプ、イオンポンプ、チタンサブリメーションポンプを用いることが好ましい。また、排気手段としては、ターボ分子ポンプにコールドトラップを加えたものであってもよい。クライオポンプを用いて排気した成膜室は、例えば、水素原子、水(H2O)など水素原子を含む化合物(より好ましくは炭素原子を含む化合物も)等が排気されるため、当該成膜室で成膜した酸化物半導体膜403に含まれる水素、水、水酸基、または水素化物などの不純物の濃度を低減できる。
また、酸化物半導体膜403は第1の層403aと第2の層403bという複数の層の積層構造であるため、各領域の形成後にそれぞれ酸素を導入してもよい。酸素の導入は、酸素雰囲気下による熱処理や、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、酸素を含む雰囲気下で行うプラズマ処理などを用いることができる。
各層の形成毎に酸素を導入することで、酸化物半導体膜403内の酸素欠損を低減する効果を高めることができる。
なお、本実施の形態において、酸化物半導体膜403として、AC電源装置を有するスパッタリング装置を用いたスパッタリング法を用い、膜厚35nmのIn−Ga−Zn系酸化物膜(IGZO膜ともいう)を成膜する。本実施の形態において、In:Ga:Zn=3:1:2の原子数比のIn−Ga−Zn系酸化物ターゲットを用いる。なお、成膜条件は、酸素およびアルゴン雰囲気下(酸素流量比率50%)、圧力0.4Pa、電源電力0.5kW、基板温度200℃とする。
また、ゲート絶縁膜402を成膜後、大気解放せずにゲート絶縁膜402と酸化物半導体膜403を連続的に形成することが好ましい。ゲート絶縁膜402を大気に曝露せずにゲート絶縁膜402と酸化物半導体膜403を連続して形成すると、ゲート絶縁膜402表面に水素や水分などの不純物が吸着することを防止することができる。
ここで、酸化物半導体膜403に、水素(水や水酸基を含む)を除去(脱水化または脱水素化)するための加熱処理を行ってもよい。加熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。加熱処理は減圧下または窒素雰囲気下などで行うことができる。
本実施の形態では、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、酸化物半導体膜403に対して窒素雰囲気下450℃において1時間、さらに窒素および酸素雰囲気下450℃において1時間の加熱処理を行う。
なお、加熱処理装置は電気炉に限られず、抵抗発熱体などの発熱体からの熱伝導または熱輻射によって、被処理物を加熱する装置を用いてもよい。例えば、LRTA装置、GRTA装置等のRTA装置を用いることができる。例えば、加熱処理として、650℃〜700℃の高温に加熱した不活性ガス中に基板を入れ、数分間加熱した後、基板を不活性ガス中から出すGRTAを行ってもよい。
なお、加熱処理においては、窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、加熱処理装置に導入する窒素、またはヘリウム、ネオン、アルゴン等の希ガスの純度を、6N(99.9999%)以上好ましくは7N(99.99999%)以上(即ち不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。
また、加熱処理で酸化物半導体膜403を加熱した後、同じ炉に高純度の酸素ガス、高純度の一酸化二窒素ガス、または超乾燥エア(CRDS(キャビティリングダウンレーザー分光法)方式の露点計を用いて測定した場合の水分量が20ppm(露点換算で−55℃)以下、好ましくは1ppm以下、より好ましくは10ppb以下の空気)を導入してもよい。酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスに、水、水素などが含まれないことが好ましい。または、熱処理装置に導入する酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスの純度を、6N以上好ましくは7N以上(即ち、酸素ガスまたは一酸化二窒素ガス中の不純物濃度を1ppm以下、好ましくは0.1ppm以下)とすることが好ましい。酸素ガスまたは一酸化二窒素ガスの作用により、脱水化または脱水素化処理による不純物の排除工程によって同時に減少してしまった酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素を供給することによって、酸化物半導体膜403の酸素欠損を低減することができる。
なお、脱水化または脱水素化のための加熱処理は、酸化物半導体膜を島状に加工する前、または島状に加工した後に行えばよい。また、脱水化または脱水素化のための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。また、酸化物半導体膜403に加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜403の結晶性を高めることができる。
脱水化または脱水素化のための加熱処理を、酸化物半導体膜403が島状に加工される前、つまり、酸化物半導体膜がゲート絶縁膜402を覆った状態で行うと、ゲート絶縁膜402に含まれる酸素が加熱処理によって外部に放出されてしまうことを防止できる。
次に、フォトリソグラフィ工程により酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、酸化物半導体膜403に選択的にエッチングを行って島状の酸化物半導体膜403を形成する(図12(C)参照)。島状の酸化物半導体膜403を形成した後、レジストマスクを除去する。島状の酸化物半導体膜403を形成するためのレジストマスクをインクジェット法で形成してもよい。レジストマスクをインクジェット法で形成すると、フォトマスクを使用しないため、製造コストを低減できる。
酸化物半導体膜403のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。例えば、酸化物半導体膜403のウェットエッチングに用いるエッチング液としては、燐酸と酢酸と硝酸を混ぜた溶液などを用いることができる。また、ITO−07N(関東化学社製)を用いてもよい。また、ICP(Inductively Coupled Plasma:誘導結合型プラズマ)エッチング法によるドライエッチングによってエッチング加工してもよい。
次に、ゲート絶縁膜402および酸化物半導体膜403上に、後にソース電極層およびドレイン電極層(これと同じ層で形成される配線を含む)となる導電膜405を形成する(図12(D)参照)。
導電膜405は、スパッタリング法やプラズマCVD法により形成することができる。導電膜405として、モリブデン、チタン、タンタル、タングステン、アルミニウム、銅、クロム、ネオジム、スカンジウム等の金属材料またはこれらを主成分とする合金材料を用いて形成することができる。また、導電膜405は、酸化インジウム酸化スズ、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、酸化インジウム酸化亜鉛、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物などの導電性材料を適用することもできる。導電膜405は、単層構造または積層構造で成膜される。
本実施の形態では、導電膜405は、膜厚50nmのタングステン膜、膜厚400nmのアルミニウム膜、膜厚100nmのチタン膜の3層構造で形成する。
酸化物半導体膜403がCAAC−OS膜の場合、導電膜405を形成する際に、導電膜405と接する領域403a2および領域403b2の結晶構造が乱れる。これにより、領域403a2および領域403b2においては、領域403a1および領域403b1よりも、非晶質部に対して結晶部の占める割合が低くなる。また、領域403a2および領域403b2における結晶部が破壊され、すべて非晶質化される場合もある。また、酸化物半導体膜403が単結晶や多結晶などの結晶性を有する膜の場合は、導電膜405と接する領域403a2および領域403b2における結晶の結晶構造が乱れることで結晶性が低下し、場合によっては非晶質化する。
酸化物半導体膜403において、結晶部または結晶の結晶構造が乱れた領域403a2および領域403b2は、酸化物半導体膜403の表面の数nmにわたって形成される。領域403a2および領域403b2の結晶部または結晶の結晶構造が乱れることによって、ダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損が増加する。
そこで、領域403a2および領域403b2のダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損に水素を移動させる。酸化物半導体膜403に加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜403の領域403a1に含まれる水素は熱によって動き回る。水素が領域403a2および領域403b2に引き寄せられる。
酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2に、水素を移動させるための加熱処理は、例えば、100℃以上基板の歪み点以下、好ましくは、200℃以上400℃以下において加熱処理を行う。
加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜403の領域403a1に含まれる水素を、領域403a2および領域403b2に引き寄せることにより、領域403a1の水素濃度を低減することができる。また、酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2において移動した水素は安定であるため、領域403a1に再度拡散されにくい。そのため、酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2は、水素濃度が増加する。領域403a2および領域403b2の水素濃度が増加することにより、領域403a1および領域403b1と比較して、導電性を高めることができる。これにより、酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2を、低抵抗領域として機能させることができる。
なお、水素を領域403a1から領域403a2および領域403b2に移動させるための加熱処理は、ソース電極層およびドレイン電極層の形成後に行ってもよく、ソース電極層およびドレイン電極層の形成の前後に行ってもよい。また、水素を領域403a1から領域403a2および領域403b2に移動させるための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。
次に、フォトリソグラフィ工程により導電膜405上にレジストマスクを形成し、導電膜405に選択的にエッチングを行ってソース電極層405aおよびドレイン電極層405bを形成する(図13(A)参照)。このとき、酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2は露出される。ソース電極層405aおよびドレイン電極層405bを形成した後、レジストマスクを除去する。導電膜405のエッチングは、ドライエッチングでもウェットエッチングでもよく、両方を用いてもよい。
酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2は、領域403a2および領域403b2の結晶部または結晶が破壊されることによって、ダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損が増加し、水素が移動したことによって、水素の濃度が領域403a1よりも高くなっている。このため、水素濃度が高い領域403a2および領域403b2が存在したまま、トランジスタを作製すると、トランジスタに悪影響を及ぼす場合がある。例えば、酸化物半導体膜403の側端部や、バックチャネルが形成される領域に、水素濃度が高い領域が存在すると、水素や酸素欠損によって生じたキャリアが蓄積することで、寄生チャネルが形成され、リーク電流が生じやすくなり、しきい値電圧が変動してしまうおそれがある。
また、酸化物半導体膜403上に形成された導電膜405のエッチングには、ハロゲンを含むエッチングガスを用いたプラズマ処理が好適に用いられる。しかし、酸化物半導体膜がハロゲンを含むエッチングガスに曝されると、該エッチングガスに含まれるハロゲン(例えば、塩素、フッ素)によって、酸化物半導体膜403中の酸素が引き抜かれてしまい、プラズマ処理された酸化物半導体膜403の表面近傍に酸素欠損が形成されるおそれがある。また、エッチングの後に、酸化物半導体膜403の表面および該近傍に、該エッチングガスに含まれるハロゲンが残存することによって、酸化物半導体膜403に酸素欠損が形成されるおそれがある。酸化物半導体膜403に酸素欠損が生じると、酸化物半導体膜403の上面(バックチャネル)側及び側端部が低抵抗化(n型化)してしまい、寄生チャネルが形成される恐れがある。
また、導電膜405を成膜する際に、酸化物半導体膜403に、導電膜405に含まれる元素が添加される場合もある。
そこで、酸化物半導体膜のバックチャネル側及び側端部が低抵抗化して寄生チャネルが形成されることを防止するために、ソース電極層405aおよびドレイン電極層405bの形成によって露出した領域403a2および領域403b2を除去する(図13(B)参照)。領域403a2および領域403b2の除去工程は、酸化物半導体膜403がエッチングされ、消失または分断されることのないように、酸化物半導体膜403のエッチング条件を最適化することが望まれる。
領域403a2および領域403b2の除去工程は、酸素、一酸化二窒素、もしくは希ガス(代表的にはアルゴン)を用いたプラズマ処理、またはフッ化水素酸(希フッ酸ともいう)、水、現像液もしくはTMAH溶液を用いた溶液処理などを好適に用いることができる。また、希フッ酸として、例えば、1/103希釈フッ酸(フッ酸:0.05%)で、IGZO膜を処理すると、1秒あたり1〜3nm膜厚が減少し、2/105希釈フッ酸(フッ酸:0.0025%)で、IGZO膜を処理すると、1秒あたり0.1nm程度膜厚が減少する。本実施の形態では、結晶構造が乱れた領域403a2および領域403b2の除去工程として、希フッ酸を用いた溶液処理(ウェットエッチング)を行う。
酸化物半導体膜403の側端部や、バックチャネルが形成される領域において、結晶部または結晶が破壊され、水素濃度が領域403a1よりも高い領域403a2および領域403b2を除去することにより、水素濃度が低減された領域403a1を露出することができる。これにより、寄生チャネルが形成されることを防止し、リーク電流の発生や、しきい値電圧が変動してしまうことを抑制することができる。また、酸化物半導体膜403と、ソース電極層405aまたはドレイン電極層405bとの界面である領域403a2および領域403b2において、水素濃度が高く、ハロゲンが残存したとしても、低抵抗領域として機能させることができる。
なお、酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2の一部が除去されることにより、酸化物半導体膜403において、ソース電極層405aまたはドレイン電極層405bと重畳する領域の膜厚は、ソース電極層405aまたはドレイン電極層405bと重畳しない領域の膜厚よりも大きくなる。
酸化物半導体膜403の側端部や、バックチャネルが形成される領域において、結晶構造が乱れた領域403a2および領域403b2を除去することで、ソース電極層405aおよびドレイン電極層405bを加工する際に生成した汚染物、またレジストマスクを除去する際に生成した汚染物も除去することができる。
以上の工程により、トランジスタ410を作製することができる(図13(B)参照)。
次に、酸化物半導体膜403、ソース電極層405a、およびドレイン電極層405b上に、絶縁膜406を形成する(図13(C)参照)。
絶縁膜406は、プラズマCVD法、スパッタリング法により形成することができる。絶縁膜406として、例えば、酸化シリコン、酸化ガリウム、酸化アルミニウム、窒化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化窒化アルミニウム等を用いて形成することができる。
なお、絶縁膜406として、窒素を含む酸化物絶縁膜(例えば、窒素を含む酸化シリコン膜、窒素を含む酸化アルミニウム膜)などを用いることができる。酸化物絶縁膜に含まれる窒素の濃度は0.01原子%以上含まれていればよく、好ましくは0.1原子%以上50原子%以下、より好ましくは0.5原子%以上15原子%以下であればよい。酸化シリコン膜に上記のような濃度で窒素が含まれるものは酸化窒化シリコン膜と呼ばれることもある。酸化物絶縁膜に窒素を適量含ませることにより、酸素を化学量論組成よりも多く膜中に含ませることができる。
本実施の形態では、絶縁膜406として、プラズマCVD法により酸化窒化シリコン膜を形成する。絶縁膜406の成膜条件は、例えば、SiH4とN2Oのガス流量比をSiH4:N2O=30:4000、圧力200Pa、RF電源電力(電源出力)150W、基板温度220℃±15℃とすればよい。また、絶縁膜406の膜厚は50nm以上100nm以下とすればよい。
ここで、絶縁膜406に熱処理による脱水化または脱水素化処理を行うことが好ましい。本実施の形態では、絶縁膜406の成膜ガスとして、水素を含むガスを用いている。しかし、絶縁膜406に脱水化または脱水素化処理を行うため、絶縁膜406中の水素を除去することができる。よって、プラズマCVD法を好適に用いることができる。プラズマCVD法は、成膜時に膜へごみなどが付着、混入しにくい上、比較的速い成膜速度で成膜することができるので、厚膜化が可能であり、生産性において有利である。
加熱処理の温度は、300℃以上700℃以下、または基板の歪み点未満とする。熱処理の温度は、絶縁膜406の成膜温度より高い方が、脱水化または脱水素化の効果が高いため好ましい。例えば、加熱処理装置の一つである電気炉に基板を導入し、絶縁膜406に対して窒素雰囲気下450℃において1時間の熱処理を行う。
加熱処理によって、絶縁膜406の脱水化または脱水素化を行うことができ、水素、または水などの不純物が排除された絶縁膜を形成することができる。
脱水化または脱水素化のための熱処理を行うことにより、絶縁膜406に含まれる、水、水素等の不純物を除去し、低減させることができる。絶縁膜406をできるだけ水素を含まない膜とすることで、水素が酸化物半導体膜403へ浸入することを抑制し、トランジスタ410の特性変動を抑制し、安定した電気特性を付与することができる。
なお、後に形成される絶縁膜407は、水素または水等を通過させないブロッキング機能を有することが好ましいため、絶縁膜406の脱水化または脱水素化処理を目的とした熱処理は、絶縁膜406の形成後であって、絶縁膜407の形成前に行うことが好ましい。
次に、絶縁膜406に対して、酸素を導入する処理(酸素ドープ処理や、酸素注入処理ともいう)を行う。これによって、酸素過剰領域を有する絶縁膜406が形成される。
酸素には、少なくとも、酸素ラジカル、オゾン、酸素原子、酸素イオン(分子イオン、クラスタイオンを含む)、のいずれかが含まれている。脱水化または脱水素化処理を行った絶縁膜406に酸素ドープ処理を行うことにより、絶縁膜406中に酸素を含有させることができ、先の熱処理によって脱離することのある酸素を補填するとともに、酸素過剰領域を形成することができる。
絶縁膜406への酸素の導入は、例えば、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマイマージョンイオンインプランテーション法、プラズマ処理等を用いることができる。なお、イオン注入法として、ガスクラスタイオンビームを用いてもよい。また、酸素の導入は、絶縁膜406の全面を一度に処理してもよいし、例えば、線状のイオンビームを用いてもよい。線状のイオンビームを用いる場合には、基板またはイオンビームを相対的に移動(スキャン)させることで、絶縁膜406全面に酸素を導入することができる。
酸素の供給ガスとしては、Oを含有するガスを用いればよく、例えば、O2ガス、N2Oガス、CO2ガス、COガス、NO2ガス等を用いることができる。なお、酸素の供給ガスに希ガス(例えばAr)を含有させてもよい。
また、例えば、イオン注入法で酸素の導入を行う場合、酸素のドーズ量は1×1013ions/cm2以上5×1016ions/cm2以下とするのが好ましく、酸素ドープ処理後の絶縁膜406中の酸素の含有量は、絶縁膜406の化学量論的組成を超える程度とするのが好ましい。なお、このような化学量論的組成よりも酸素を過剰に含む領域は、絶縁膜406の一部に存在していればよい。なお、酸素の注入深さは、注入条件により適宜制御すればよい。
次に、本実施の形態では、絶縁膜406上にアルミニウム膜を成膜する。
アルミニウム膜は、スパッタリング法、蒸着法、CVD法等によって形成することが好ましい。また、アルミニウム膜の膜厚は3nm以上20nm以下(好ましくは3nm以上10nm以下、より好ましくは4nm以上5nm以下)とすることが好ましい。
アルミニウム膜として、チタン、またはマグネシウムが添加されたアルミニウム膜を用いてもよい。また、アルミニウム膜として、アルミニウム膜と、チタン膜またはマグネシウム膜との積層を用いてもよい。
次に、アルミニウム膜に対して、酸素ドープ処理を行う。酸素ドープ処理は、絶縁膜406に、酸素ドープ処理を行う場合を参照すればよいため、詳細な説明は省略する。アルミニウム膜に対して、酸素ドープ処理を行うことにより、アルミニウム膜の酸化物である、酸化アルミニウム膜が形成される。該酸化アルミニウム膜を、絶縁膜407として用いる。
酸素を、絶縁膜406およびアルミニウム膜に添加した後、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は250℃以上600℃以下、例えば300℃で行えばよい。加熱処理を行うことによって、絶縁膜406に含まれる酸素を、酸化物半導体膜403へ固相拡散することで、酸化物半導体膜403へ供給することができる。このように、酸化物半導体膜403への酸素供給を絶縁膜406からの固相拡散によって行うと、露出された酸化物半導体膜403へ直接酸素ドープを行うプラズマ処理などの方法と比較して、酸化物半導体膜403へのプラズマによるダメージを与えないという効果がある。
なお、酸化物半導体膜403の側端部や、バックチャネルが形成される領域に、結晶構造が乱れた領域403a2および領域403b2が形成されていると、結晶構造が乱れた領域403a2および領域403b2に水素が引き寄せられ、該領域403a2および領域403b2は低抵抗化してしまい、寄生チャネルが形成されてしまう。また、酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2と、絶縁膜406とが接した状態で加熱処理を行っても、絶縁膜406から脱離した酸素は、領域403a2および領域403b2の酸素欠損などで捕獲されてしまうため、絶縁膜406から酸化物半導体膜403の領域403a1および領域403b1(チャネル形成領域)に酸素を供給することが困難となってしまう。
したがって、酸化物半導体膜の側端部やバックチャネルが形成される領域に、寄生チャネルが形成されることを防止するためには、酸化物半導体膜403の側端部や、バックチャネルが形成される領域に形成された領域403a2および領域403b2を除去し、酸化物半導体膜403の領域403a1および領域403b1と、絶縁膜406とが接した状態で加熱処理を行い、酸化物半導体膜403の領域403a1および領域403b1に酸素を供給することが好ましい。
また、酸化物半導体膜403がCAAC−OS膜(In−Ga−Zn系酸化物半導体)である場合において、酸素欠損は、Ga−Zn−O層に集中している。また、酸素は、Ga−Zn−O層を通りやすい。絶縁膜406が、酸化物半導体膜403と接することによって、絶縁膜406に含まれる酸素は、c軸の方向よりも、a−b面に平行な方向、特にGa−Zn−O層を介して供給されやすい。
本実施の形態では、酸化物半導体膜403の側端部や、バックチャネルが形成される領域において、水素濃度が高く、酸素欠損などが形成されている領域403a2および領域403b2は除去されている。よって、絶縁膜406から酸化物半導体膜403の側端部に供給された酸素が、酸素欠損に補填されてしまうことを防ぐことができる。そのため、絶縁膜406に含まれる酸素を、酸化物半導体膜403の領域403a1および領域403b1(チャネル形成領域)に効率よく供給することができる。これにより、酸化物半導体膜403の領域403a1および領域403b1に含まれる酸素欠損を低減することができる。
酸化物半導体を用いたトランジスタの場合、絶縁膜から酸化物半導体膜に酸素が供給されることで、酸化物半導体膜と絶縁膜との界面準位密度を低減できる。この結果、トランジスタの動作などに起因して、酸化物半導体膜と絶縁膜との界面にキャリアが捕獲されることを抑制することができ、信頼性の高いトランジスタを得ることができる。
また、絶縁膜406および絶縁膜407への、脱水化または脱水素化処理、および/または酸素ドープ処理は、複数回行ってもよい。
また、絶縁膜406上に接して設けられる絶縁膜407には、例えば酸化アルミニウムを用いることができる。絶縁膜407として酸化アルミニウムを用いる場合、アルミニウム膜を酸化させることによって酸化アルミニウムを形成してもよい。アルミニウム膜の酸化によって、酸化アルミニウム膜を形成することで、スパッタリング法によって酸化アルミニウム膜を成膜する場合と比較して生産性を向上させることができる。また、アルミニウム膜の酸化は、絶縁膜406への酸素ドープ処理と同一工程によっても行うことができるため、工程の簡略化を図ることができる。よって、半導体装置の製造コストを低減することができる。
なお、絶縁膜406として酸化物絶縁膜(例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン)を用いる場合、該酸化物絶縁膜において、酸素は主たる成分材料の一つである。このため、酸化物絶縁膜中の酸素濃度を、SIMS(Secondary Ion Mass Spectrometry)などの方法を用いて、正確に見積もることは難しい。つまり、酸化物絶縁膜に酸素が意図的に添加されたか否かを判別することは困難であるといえる。また、絶縁膜406に含まれる過剰な酸素が後の工程で酸化物半導体膜403へと供給される場合においても同様のことがいえる。
ところで、酸素には17Oや18Oといった同位体が存在し、自然界におけるこれらの存在比率はそれぞれ酸素原子全体の0.038%、0.2%程度であることが知られている。つまり、酸化物半導体膜と接する絶縁膜中または酸化物半導体膜中におけるこれら同位体の濃度は、SIMSなどの方法によって見積もることができる程度になるから、これらの濃度を測定することで、酸化物半導体膜と接する絶縁膜中、または酸化物半導体膜中の酸素濃度をより正確に見積もることが可能な場合がある。よって、これらの濃度を測定することで、酸化物半導体膜と接する絶縁膜に意図的に酸素が添加されたか否かを判別しても良い。
絶縁膜407上に層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)となる絶縁膜を形成してもよい。層間絶縁膜(保護絶縁膜、平坦化絶縁膜)を設けることで薄膜の絶縁膜407に対する応力を緩和することができる。よって、絶縁膜407の破損を防止することができる。
層間絶縁膜は、絶縁膜406と同様な材料および方法を用いて形成することができる。例えば、スパッタリング法により形成した酸化シリコン膜を400nm形成する。また、保護絶縁膜の形成後、加熱処理を行ってもよい。例えば、窒素雰囲気下300℃で1時間加熱処理を行う。
本実施の形態では、絶縁膜407上に、平坦化絶縁膜408を形成する。平坦化絶縁膜408を形成することにより、トランジスタ410起因の表面凹凸を低減することができる。平坦化絶縁膜408としては、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、等の有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、平坦化絶縁膜408を形成してもよい。
例えば、平坦化絶縁膜408として、膜厚1500nmのアクリル樹脂膜を形成すればよい。アクリル樹脂膜は塗布法による塗布後、焼成(例えば窒素雰囲気下250℃1時間)して形成することができる。
平坦化絶縁膜408を形成後、加熱処理を行ってもよい。例えば、窒素雰囲気下250℃で1時間加熱処理を行う。
このように、トランジスタ410形成後、加熱処理を行ってもよい。また、加熱処理は複数回行ってもよい。
以上の工程により、トランジスタ410を有する半導体装置を作製することができる。
次に、図12および図13に示す半導体装置の作製方法と、一部異なる半導体装置の作製方法について、図14を参照して説明する。
まず、図12(A)に従って、基板400上に、ゲート電極層401を形成した後、ゲート電極層401上にゲート絶縁膜402を形成する。次に、図12(B)の工程に従って、ゲート絶縁膜402上に酸化物半導体膜403を形成する。その後、図12(C)の工程に従って、フォトリソグラフィ工程により、酸化物半導体膜403上にレジストマスクを形成し、酸化物半導体膜403に選択的にエッチングを行って島状の酸化物半導体膜403を形成する。
次に、島状の酸化物半導体膜403の表面に、元素周期表における15族の元素(例えば、窒素、リン、および砒素)、元素周期表における13族の元素(例えば、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、およびインジウム)、および希ガス元素(例えば、ヘリウム、ネオン、アルゴン、およびキセノン)のいずれか一または複数を、イオン注入法、イオンドーピング法、プラズマ処理によって矢印409のように添加する(図14(A))。
上述の元素は、酸化物半導体膜403表面の数nmにわたって添加されることが好ましい。酸化物半導体膜403に、上述の元素が添加されることで、酸化物半導体膜403の表面において、結晶部または結晶の結晶構造が乱れた領域403a2および領域403b2が形成される。領域403a2および領域403b2の結晶部または結晶の結晶構造が乱れることによって、ダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損が増加する。
そこで、領域403a2および領域403b2のダングリングボンド、格子間の歪み、空孔、酸素欠損に水素を移動させる。酸化物半導体膜403に加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜403の領域403a1に含まれる水素は、領域403a2および領域403b2に引き寄せられる。
酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2に、水素を移動させるための加熱処理は、例えば、100℃以上基板の歪み点以下、好ましくは、200℃以上400℃以下において加熱処理を行う。
加熱処理を行うことにより、酸化物半導体膜403の領域403a1に含まれる水素を、領域403a2および領域403b2を引き寄せることにより、領域403a1の水素濃度を低減することができる。また、酸化物半導体膜403の領域403a2および領域403b2は、水素が移動することにより、水素濃度が増加する。
なお、水素を領域403a2および領域403b2に移動させるための加熱処理は、ソース電極層およびドレイン電極層の形成後に行ってもよく、ソース電極層およびドレイン電極層の形成の前後に行ってもよい。また、水素を領域403a1から領域403a2および領域403b2に移動させるための加熱処理は、複数回行ってもよく、他の加熱処理と兼ねてもよい。
次に、ゲート絶縁膜402および酸化物半導体膜403上に、導電膜を形成した後、図13(A)の工程に従って、フォトリソグラフィ工程により、導電膜上にレジストマスクを形成し、導電膜に選択的にエッチングを行って、ソース電極層405aおよびドレイン電極層405bを形成する。このとき、酸化物半導体膜403の領域403b2を露出させる(図14(B))。
次に、図13(B)の工程に従って、ソース電極層405aおよびドレイン電極層405bの形成によって露出した領域403b2を除去する(図14(C))。
以上の工程によって、トランジスタ420を作製することができる(図14(C)参照)。
次に、図13(C)の工程に従って、絶縁膜406を形成し、絶縁膜406上に絶縁膜407を形成し、図13(D)の工程に従って、平坦化絶縁膜408を形成することにより、トランジスタ420を有する半導体装置を作製することができる(図14(D))。
本発明の一態様に係る半導体装置の作製方法では、ソース電極層405aおよびドレイン電極層405bを形成するための導電膜405を形成する際に、酸化物半導体膜403の表面近傍(または導電膜との界面近傍)の領域403b2を非晶質化する。または、酸化物半導体膜403の表面に対し、プラズマ処理を行うことで、酸化物半導体膜の表面の領域403a2および領域403b2を非晶質化する。
その後の加熱処理により、酸化物半導体膜403の領域403a1(特に、ゲート電極層401と重畳する領域)に存在する水素を、結晶構造が乱れた領域403a2および領域403b2に引き寄せる。これにより、酸化物半導体膜403の領域403a1に含まれる水素濃度を低減することができる。なお、水素が移動し、水素濃度が高くなった領域403a2および領域403b2は、低抵抗領域として機能させることができる。
また、酸化物半導体膜403は、酸素過剰領域を含む酸化物絶縁膜(少なくとも、絶縁膜406)と接して設けられている。加熱処理により、酸化物絶縁膜から酸素が脱離し、脱離した酸素を酸化物半導体膜403へ供給することができる。これにより、酸化物半導体膜403の領域403a1における酸素欠損を低減することができる。
酸化物半導体膜403の領域403a1および領域403b1の水素濃度が低減、また酸素欠損が低減されることで、キャリアの発生を抑制することができる。これにより、寄生チャネルの形成を抑制することができるため、しきい値電圧が負の方向にシフトしてしまうことを抑制することができる。
本発明の一態様により、酸化物半導体膜を用いたトランジスタ410およびトランジスタ420に安定した電気特性を付与し、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態7)
本実施の形態では、先の実施の形態のいずれかに示したトランジスタを用いて表示機能を有する半導体装置(表示装置ともいう)を作製することができる。また、トランジスタを含む駆動回路の一部または全体を、画素部と同じ基板上に一体形成し、システムオンパネルを形成することができる。
図15(A)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002を囲むようにして、シール材4005が設けられ、第2の基板4006によって封止されている。図15(A)においては、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜または多結晶半導体膜で形成された走査線駆動回路4004、信号線駆動回路4003が実装されている。また別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号および電位は、FPC(Flexible printed circuit)4018a、4018bから供給されている。
図15(B)、および図15(C)において、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004とを囲むようにして、シール材4005が設けられている。また、画素部4002と、走査線駆動回路4004の上に第2の基板4006が設けられている。よって、画素部4002と、走査線駆動回路4004とは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示素子と共に封止されている。図15(B)、および図15(C)においては、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に、別途用意された基板上に単結晶半導体膜または多結晶半導体膜で形成された信号線駆動回路4003が実装されている。図15(B)、および図15(C)においては、別途形成された信号線駆動回路4003と、走査線駆動回路4004または画素部4002に与えられる各種信号および電位は、FPC4018から供給されている。
また、図15(B)、および図15(C)においては、信号線駆動回路4003を別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装してもよいし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部のみを別途形成して実装してもよい。
なお、別途形成した駆動回路の接続方法は、特に、限定されるものではなく、COG(Chip On Glass)方法、ワイヤボンディング方法、或いはTAB(Tape Automated Bonding)方法などを用いることができる。図15(A)は、COG方法により信号線駆動回路4003、走査線駆動回路4004を実装する例であり、図15(B)は、COG方法により信号線駆動回路4003を実装する例であり、図15(C)は、TAB方法により信号線駆動回路4003を実装する例である。
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む。
なお、本明細書中における表示装置とは、画像表示デバイス、表示デバイス、もしくは光源(照明装置含む)を指す。また、コネクター、例えば、FPCもしくはTABテープもしくはTCPが取り付けられたモジュール、TABテープやTCPの先にプリント配線板が設けられたモジュール、または表示素子にCOG方式によりIC(集積回路)が直接実装されたモジュールも全て表示装置に含むものとする。
また、第1の基板上に設けられた画素部および走査線駆動回路は、トランジスタを複数有しており、先の実施の形態に示したトランジスタを適用することができる。
表示装置に設けられる表示素子としては液晶素子(液晶表示素子ともいう)、発光素子(発光表示素子ともいう)、を用いることができる。発光素子は、電流または電圧によって輝度が制御される素子をその範疇に含んでおり、具体的には無機EL(Electro Luminescence)、有機EL等が含まれる。また、電子インクなど、電気的作用によりコントラストが変化する表示媒体も適用することができる。
また、半導体装置の一形態について、図15乃至図17を用いて説明する。図17(A)および図17(B)は、図15(B)の一点鎖線M−Nにおける断面図に相当する。
図15および図17で示すように、半導体装置は接続端子電極4015および端子電極4016を有しており、接続端子電極4015および端子電極4016はFPC4018、4018a、4018bが有する端子と異方性導電膜4019を介して、電気的に接続されている。
接続端子電極4015は、第1の電極層4030と同じ導電膜から形成され、端子電極4016は、トランジスタ4010、4011のゲート電極層と同じ金属膜および導電膜で形成されている。
また、第1の基板4001上に設けられた画素部4002と、走査線駆動回路4004は、トランジスタを複数有しており、図15および図17では、画素部4002に含まれるトランジスタ4010と、走査線駆動回路4004に含まれるトランジスタ4011とを例示している。図17(A)では、トランジスタ4010、4011上には絶縁膜4020が設けられ、図17(B)では、さらに、絶縁膜4021が設けられている。
トランジスタ4010、4011としては、先の実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。本実施の形態では、実施の形態1で示したトランジスタ310と同様な構造および作製方法で得られるトランジスタを適用する例を示す。
実施の形態1で示したトランジスタ310と同様な構造および作製方法で得られるトランジスタ4010、4011は、安定した電気特性を有するため、図15及び図17に示す半導体装置に適用することにより、信頼性の高い半導体装置とすることができる。
また、駆動回路用のトランジスタ4011の酸化物半導体膜のチャネル形成領域と重なる位置にさらに導電層を設けてもよい。導電層を酸化物半導体膜のチャネル形成領域と重なる位置に設けることによって、バイアス−熱ストレス試験(BT試験)前後におけるトランジスタ4011のしきい値電圧の変化量をさらに低減することができる。また、導電層は、電位がトランジスタ4011のゲート電極層と同じでもよいし、異なっていても良く、第2のゲート電極層として機能させることもできる。また、導電層の電位がGND、0V、或いはフローティング状態であってもよい。
また、該導電層は外部の電場を遮蔽する、すなわち外部の電場が内部(トランジスタを含む回路部)に作用しないようにする機能(特に、静電気に対する静電遮蔽機能)も有する。導電層の遮蔽機能により、静電気などの外部の電場の影響によりトランジスタの電気的な特性が変動することを防止することができる。
画素部4002に設けられたトランジスタ4010は表示素子と電気的に接続し、表示パネルを構成する。表示素子は表示を行うことができれば特に限定されず、様々な表示素子を用いることができる。
図17(A)に表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の例を示す。図17(A)において、表示素子である液晶素子4013は、第1の電極層4030、第2の電極層4031、および液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶縁膜4032、4033が設けられている。第2の電極層4031は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極層4030と第2の電極層4031とは液晶層4008を介して積層する構成となっている。
また、スペーサ4035は絶縁膜を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、液晶層4008の膜厚(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお、球状のスペーサを用いていてもよい。
表示素子として、液晶素子を用いる場合、サーモトロピック液晶、低分子液晶、高分子液晶、高分子分散型液晶、強誘電性液晶、反強誘電性液晶等を用いることができる。これらの液晶材料(液晶組成物)は、条件により、コレステリック相、スメクチック相、キュービック相、カイラルネマチック相、等方相等を示す。
また、液晶層4008に、配向膜を用いないブルー相を発現する液晶組成物を用いてもよい。この場合、液晶層4008と、第1の電極層4030および第2の電極層4031とは接する構造となる。ブルー相は液晶相の一つであり、コレステリック液晶を昇温していくと、コレステリック相から等方相へ転移する直前に発現する相である。ブルー相は、液晶およびカイラル剤を混合させた液晶組成物を用いて発現させることができる。また、ブルー相が発現する温度範囲を広げるために、ブルー相を発現する液晶組成物に重合性モノマーおよび重合開始剤などを添加し、高分子安定化させる処理を行って液晶層を形成することもできる。ブルー相を発現する液晶組成物は、応答速度が速く、光学的等方性であるため配向処理が不要であり、視野角依存性が小さい。また配向膜を設けなくてもよいのでラビング処理も不要となるため、ラビング処理によって引き起こされる静電破壊を防止することができ、作製工程中の液晶表示装置の不良や破損を軽減することができる。よって液晶表示装置の生産性を向上させることが可能となる。酸化物半導体膜を用いるトランジスタは、静電気の影響によりトランジスタの電気的な特性が著しく変動して設計範囲を逸脱する恐れがある。よって酸化物半導体膜を用いるトランジスタを有する液晶表示装置にブルー相を発現する液晶組成物を用いることはより効果的である。
また、液晶材料の固有抵抗は、1×109Ω・cm以上であり、好ましくは1×1011Ω・cm以上であり、さらに好ましくは1×1012Ω・cm以上である。なお、本明細書における固有抵抗の値は、20℃で測定した値とする。
液晶表示装置に設けられる保持容量の大きさは、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。保持容量の大きさは、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。本明細書に開示する酸化物半導体膜を有するトランジスタを用いることにより、各画素における液晶容量に対して1/3以下、好ましくは1/5以下の容量の大きさを有する保持容量を設ければ充分である。
本明細書に開示する酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、オフ状態における電流値(オフ電流値)を低く制御することができる。よって、画像信号等の電気信号の保持時間を長くすることができ、電源オン状態では書き込み間隔も長く設定できる。よって、リフレッシュ動作の頻度を少なくすることができるため、消費電力を抑制する効果を奏する。
また、本明細書に開示する酸化物半導体膜を用いたトランジスタは、比較的高い電界効果移動度が得られるため、高速駆動が可能である。例えば、このような高速駆動が可能なトランジスタを液晶表示装置に用いることで、画素部のスイッチングトランジスタと、駆動回路部に使用するドライバートランジスタを同一基板上に形成することができる。すなわち、別途駆動回路として、シリコンウェハ等により形成された半導体装置を用いる必要がないため、半導体装置の部品点数を削減することができる。また、画素部においても、高速駆動が可能なトランジスタを用いることで、高画質な画像を提供することができる。
液晶表示装置には、TN(Twisted Nematic)モード、IPS(In−Plane−Switching)モード、FFS(Fringe Field Switching)モード、ASM(Axially Symmetric aligned Micro−cell)モード、OCB(Optical Compensated Birefringence)モード、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)モード、AFLC(AntiFerroelectric Liquid Crystal)モードなどを用いることができる。
また、ノーマリーブラック型の液晶表示装置、例えば垂直配向(VA)モードを採用した透過型の液晶表示装置としてもよい。垂直配向モードとしては、いくつか挙げられるが、例えば、MVA(Multi−Domain Vertical Alignment)モード、PVA(Patterned Vertical Alignment)モード、ASV(Advanced Super View)モードなどを用いることができる。また、VA型の液晶表示装置にも適用することができる。VA型の液晶表示装置とは、液晶表示パネルの液晶分子の配列を制御する方式の一種である。VA型の液晶表示装置は、電圧が印加されていないときにパネル面に対して液晶分子が垂直方向を向く方式である。また、画素(ピクセル)をいくつかの領域(サブピクセル)に分け、それぞれ別の方向に分子を倒すよう工夫されているマルチドメイン化あるいはマルチドメイン設計といわれる方法を用いることができる。
また、表示装置において、ブラックマトリクス(遮光層)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材などの光学部材(光学基板)などは適宜設ける。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライトなどを用いてもよい。
また、画素部における表示方式は、プログレッシブ方式やインターレース方式等を用いることができる。また、カラー表示する際に画素で制御する色要素としては、RGB(Rは赤、Gは緑、Bは青を表す)の三色に限定されない。例えば、RGBW(Wは白を表す)、またはRGBに、イエロー、シアン、マゼンタ等を一色以上追加したものがある。なお、色要素のドット毎にその表示領域の大きさが異なっていてもよい。ただし、開示する発明はカラー表示の表示装置に限定されるものではなく、モノクロ表示の表示装置に適用することもできる。
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子を適用することができる。エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
有機EL素子は、発光素子に電圧を印加することにより、一対の電極から電子および正孔がそれぞれ発光性の有機化合物を含む層に注入され、電流が流れる。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。本実施の形態では、発光素子として有機EL素子を用いる例を示す。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
発光素子は発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透光性であればよい。そして、基板上にトランジスタおよび発光素子を形成し、基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出や、基板側の面から発光を取り出す下面射出や、基板側および基板とは反対側の面から発光を取り出す両面射出構造の発光素子があり、どの射出構造の発光素子も適用することができる。
図16(A)(B)および図17(B)に表示素子として発光素子を用いた発光装置の例を示す。
図16(A)は発光装置の平面図であり、図16(A)中の一点鎖線V1−W1、V2−W2、およびV3−W3で切断した断面が図16(B)に相当する。なお、図16(A)の平面図においては、電界発光層542および第2の電極層543は省略してあり図示していない。
図16に示す発光装置は、基板500上に、トランジスタ510、容量素子520、配線層交差部530を有しており、トランジスタ510は発光素子540と電気的に接続している。なお、図16は基板500を通過して発光素子540からの光を取り出す、下面射出型構造の発光装置である。
トランジスタ510としては、先の実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。本実施の形態では、実施の形態1で示したトランジスタ310と同様な構造および作製方法で得られるトランジスタを適用する例を示す。
トランジスタ510はゲート電極層511a、511b、ゲート絶縁膜502、酸化物半導体膜512、ソース電極層またはドレイン電極層として機能する導電層513a、513bを含む。
実施の形態1で示したトランジスタ310と同様な構造および作製方法で得られるトランジスタ510は、安定した電気特性を有するため、図16に示す半導体装置に適用することにより、信頼性の高い半導体装置とすることができる。
容量素子520は、導電層521a、521b、ゲート絶縁膜502、酸化物半導体膜522、導電層523を含み、導電層521a、521bと導電層523とで、ゲート絶縁膜502および酸化物半導体膜522を挟む構成とすることで容量を形成する。
配線層交差部530は、ゲート電極層511a、511bと、導電層533との交差部であり、ゲート電極層511a、511bと、導電層533とは、間にゲート絶縁膜502を介して交差する。
本実施の形態においては、ゲート電極層511aおよび導電層521aとして膜厚30nmのチタン膜を用い、ゲート電極層511bおよび導電層521bとして膜厚200nmの銅薄膜を用いる。よって、ゲート電極層はチタン膜と銅薄膜との積層構造となる。
酸化物半導体膜512、522としては膜厚25nmのIGZO膜を用いる。
トランジスタ510、容量素子520、および配線層交差部530上には層間絶縁膜504が形成され、層間絶縁膜504上において発光素子540と重畳する領域にカラーフィルタ層505が設けられている。層間絶縁膜504およびカラーフィルタ層505上には平坦化絶縁膜として機能する絶縁膜506が設けられている。
絶縁膜506上に第1の電極層541、電界発光層542、第2の電極層543の順に積層した積層構造を含む発光素子540が設けられている。発光素子540とトランジスタ510とは、導電層513aに達する絶縁膜506および層間絶縁膜504に形成された開口において、第1の電極層541および導電層513aと接することによって電気的に接続されている。なお、第1の電極層541の一部および該開口を覆うように隔壁507が設けられている。
層間絶縁膜504には、プラズマCVD法による膜厚200nm以上600nm以下の酸化窒化シリコン膜を用いることができる。また、絶縁膜506には膜厚1500nmの感光性のアクリル膜、隔壁507には膜厚1500nmの感光性のポリイミド膜を用いることができる。
カラーフィルタ層505としては、例えば、有彩色の透光性樹脂を用いることができる。有彩色の透光性樹脂としては、感光性、非感光性の有機樹脂を用いることができるが、感光性の有機樹脂層を用いるとレジストマスク数を削減することができるため、工程が簡略化し好ましい。
有彩色は、黒、灰、白などの無彩色を除く色であり、カラーフィルタ層は、着色された有彩色の光のみを透過する材料で形成される。有彩色としては、赤色、緑色、青色などを用いることができる。また、シアン、マゼンダ、イエロー(黄)などを用いてもよい。着色された有彩色の光のみを透過するとは、カラーフィルタ層における透過光は、その有彩色の光の波長にピークを有するということである。カラーフィルタ層は、含ませる着色材料の濃度と光の透過率の関係に考慮して、最適な膜厚を適宜制御するとよい。例えば、カラーフィルタ層505の膜厚は1500nm以上2000nm以下とすればよい。
図17(B)に示す発光装置においては、表示素子である発光素子4513は、画素部4002に設けられたトランジスタ4010と電気的に接続している。なお発光素子4513の構成は、第1の電極層4030、電界発光層4511、第2の電極層4031の積層構造であるが、示した構成に限定されない。発光素子4513から取り出す光の方向などに合わせて、発光素子4513の構成は適宜変えることができる。
隔壁4510、507は、有機絶縁材料、または無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極層4030、541上に開口部を形成し、その開口部の側壁が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
電界発光層4511、542は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでもよい。
発光素子4513、540に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極層4031、543および隔壁4510、507上に保護膜を形成してもよい。保護膜としては、窒化シリコン膜、窒化酸化シリコン膜、DLC膜等を形成することができる。
また、発光素子4513、540に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、発光素子4513、540を覆う有機化合物を含む層を蒸着法により形成してもよい。
また、第1の基板4001、第2の基板4006、およびシール材4005によって封止された空間には充填材4514が設けられ密封されている。このように外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
充填材4514としては窒素やアルゴンなどの不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル、ポリイミド、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)を用いることができる。例えば充填材として窒素を用いればよい。
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、または円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタなどの光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
また、表示装置として、電子インクを駆動させる電子ペーパーを提供することも可能である。電子ペーパーは、電気泳動表示装置(電気泳動ディスプレイ)とも呼ばれており、紙と同じ読みやすさ、他の表示装置に比べ低消費電力、薄くて軽い形状とすることが可能という利点を有している。
電気泳動表示装置は、様々な形態が考えられ得るが、プラスの電荷を有する第1の粒子と、マイナスの電荷を有する第2の粒子とを含むマイクロカプセルが溶媒または溶質に複数分散されたものであり、マイクロカプセルに電界を印加することによって、マイクロカプセル中の粒子を互いに反対方向に移動させて一方側に集合した粒子の色のみを表示するものである。なお、第1の粒子または第2の粒子は染料を含み、電界がない場合において移動しないものである。また、第1の粒子の色と第2の粒子の色は異なるもの(無色を含む)とする。
このように、電気泳動表示装置は、誘電定数の高い物質が高い電界領域に移動する、いわゆる誘電泳動的効果を利用したディスプレイである。
上記マイクロカプセルを溶媒中に分散させたものが電子インクと呼ばれるものであり、この電子インクはガラス、プラスチック、布、紙などの表面に印刷することができる。また、カラーフィルタや色素を有する粒子を用いることによってカラー表示も可能である。
なお、マイクロカプセル中の第1の粒子および第2の粒子は、導電体材料、絶縁体材料、半導体材料、磁性材料、液晶材料、強誘電性材料、エレクトロルミネセント材料、エレクトロクロミック材料、磁気泳動材料から選ばれた一種の材料、またはこれらの複合材料を用いればよい。
また、電子ペーパーとして、ツイストボール表示方式を用いる表示装置も適用することができる。ツイストボール表示方式とは、白と黒に塗り分けられた球形粒子を、表示素子に用いる電極層である第1の電極層および第2の電極層の間に配置し、第1の電極層および第2の電極層に電位差を生じさせて球形粒子の向きを制御することにより、表示を行う方法である。
なお、図15乃至図17において、第1の基板4001、500、第2の基板4006としては、ガラス基板の他、可撓性を有する基板も用いることができ、例えば透光性を有するプラスチック基板などを用いることができる。プラスチックとしては、FRP(Fiberglass−Reinforced Plastics)板、PVF(ポリビニルフルオライド)フィルム、ポリエステルフィルムまたはアクリル樹脂フィルムを用いることができる。また、透光性が必要でなければ、アルミニウムやステンレスなどの金属基板(金属フィルム)を用いてもよい。例えば、アルミニウムホイルをPVFフィルムやポリエステルフィルムで挟んだ構造のシートを用いることもできる。
本実施の形態では、絶縁膜4020として酸化アルミニウム膜を用いる。絶縁膜4020はスパッタリング法やプラズマCVD法によって形成することができる。
酸化物半導体膜上に絶縁膜4020として設けられた酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を透過させない遮断効果(ブロック効果)が高い。
従って、酸化アルミニウム膜は、作製工程中および作製後において、変動要因となる水素、水分などの不純物の酸化物半導体膜への混入、および酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素の酸化物半導体膜からの放出を防止する保護膜として機能する。
また、平坦化絶縁膜として機能する絶縁膜4021、506は、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁膜を複数積層させることで、絶縁膜を形成してもよい。
絶縁膜4021、506の形成法は、特に限定されず、その材料に応じて、スパッタリング法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷等)、ドクターナイフ、ロールコーター、カーテンコーター、ナイフコーター等を用いることができる。
表示装置は光源または表示素子からの光を透過させて表示を行う。よって光が透過する画素部に設けられる基板、絶縁膜、導電膜などの薄膜はすべて可視光の波長領域の光に対して透光性とする。
表示素子に電圧を印加する第1の電極層および第2の電極層(画素電極層、共通電極層、対向電極層などともいう)においては、取り出す光の方向、電極層が設けられる場所、および電極層のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
第1の電極層4030、541、第2の電極層4031、543は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム錫酸化物(以下、ITOと示す。)、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物、グラフェンなどの透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、第1の電極層4030、541、第2の電極層4031、543はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、またはその合金、若しくはその金属窒化物から一つ、または複数種を用いて形成することができる。
本実施の形態においては、図16に示す発光装置は下面射出型なので、第1の電極層541は透光性、第2の電極層543は反射性を有する。よって、第1の電極層541に金属膜を用いる場合は透光性を保てる程度膜厚を薄く、第2の電極層543に透光性を有する導電膜を用いる場合は、反射性を有する導電膜を積層するとよい。
また、第1の電極層4030、541、第2の電極層4031、543として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子が用いることができる。例えば、ポリアニリンまたはその誘導体、ポリピロールまたはその誘導体、ポリチオフェンまたはその誘導体、若しくはアニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体などがあげられる。
また、トランジスタは静電気などにより破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
以上のように先の実施の形態で示したトランジスタを適用することで、様々な機能を有する半導体装置を提供することができる。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態8)
先の実施の形態に示したトランジスタを用いて、対象物の情報を読み取るイメージセンサ機能を有する半導体装置を作製することができる。
図18(A)に、イメージセンサ機能を有する半導体装置の一例を示す。図18(A)はフォトセンサの等価回路であり、図18(B)はフォトセンサの一部を示す断面図である。
フォトダイオード602は、一方の電極がフォトダイオードリセット信号線658に、他方の電極がトランジスタ640のゲートに電気的に接続されている。トランジスタ640は、ソースまたはドレインの一方がフォトセンサ基準信号線672に、ソースまたはドレインの他方がトランジスタ656のソースまたはドレインの一方に電気的に接続されている。トランジスタ656は、ゲートがゲート信号線659に、ソースまたはドレインの他方がフォトセンサ出力信号線671に電気的に接続されている。
なお、本明細書における回路図において、酸化物半導体膜を用いるトランジスタと明確に判明できるように、酸化物半導体膜を用いるトランジスタの記号には「OS」と記載している。図18(A)において、トランジスタ640、トランジスタ656は実施の形態1または実施の形態2に示したトランジスタが適用でき、酸化物半導体膜を用いるトランジスタである。本実施の形態では、実施の形態1で示したトランジスタ310と同様な構造および作製方法で得られるトランジスタを適用する例を示す。
図18(B)は、フォトセンサにおけるフォトダイオード602およびトランジスタ640に示す断面図であり、絶縁表面を有する基板601(TFT基板)上に、センサとして機能するフォトダイオード602およびトランジスタ640が設けられている。フォトダイオード602、トランジスタ640の上には接着層608を用いて基板613が設けられている。
トランジスタ640上には絶縁膜631、層間絶縁膜633、層間絶縁膜634が設けられている。フォトダイオード602は、層間絶縁膜633上に設けられ、層間絶縁膜633上に形成した電極層641a、641bと、層間絶縁膜634上に設けられた電極層642との間に、層間絶縁膜633側から順に第1半導体膜606a、第2半導体膜606b、および第3半導体膜606cを積層した構造を有している。
電極層641bは、層間絶縁膜634に形成された導電層643と電気的に接続し、電極層642は電極層641aを介して導電層645と電気的に接続している。導電層645は、トランジスタ640のゲート電極層と電気的に接続しており、フォトダイオード602はトランジスタ640と電気的に接続している。
ここでは、第1半導体膜606aとしてp型の導電型を有する半導体膜と、第2半導体膜606bとして高抵抗な半導体膜(i型半導体膜)、第3半導体膜606cとしてn型の導電型を有する半導体膜を積層するpin型のフォトダイオードを例示している。
第1半導体膜606aはp型半導体膜であり、p型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成することができる。第1半導体膜606aの形成には13族の不純物元素(例えばボロン(B))を含む半導体材料ガスを用いて、プラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしてはシラン(SiH4)を用いればよい。または、Si2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4等を用いてもよい。また、不純物元素を含まないアモルファスシリコン膜を形成した後に、拡散法やイオン注入法を用いて該アモルファスシリコン膜に不純物元素を導入してもよい。イオン注入法等により不純物元素を導入した後に加熱等を行うことで、不純物元素を拡散させるとよい。この場合にアモルファスシリコン膜を形成する方法としては、LPCVD法、気相成長法、またはスパッタリング法等を用いればよい。第1半導体膜606aの膜厚は10nm以上50nm以下となるよう形成することが好ましい。
第2半導体膜606bは、i型半導体膜(真性半導体膜)であり、アモルファスシリコン膜により形成する。第2半導体膜606bの形成には、半導体材料ガスを用いて、アモルファスシリコン膜をプラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしては、シラン(SiH4)を用いればよい。または、Si2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4等を用いてもよい。第2半導体膜606bの形成は、LPCVD法、気相成長法、スパッタリング法等により行ってもよい。第2半導体膜606bの膜厚は200nm以上1000nm以下となるように形成することが好ましい。
第3半導体膜606cは、n型半導体膜であり、n型を付与する不純物元素を含むアモルファスシリコン膜により形成する。第3半導体膜606cの形成には、15族の不純物元素(例えばリン(P))を含む半導体材料ガスを用いて、プラズマCVD法により形成する。半導体材料ガスとしてはシラン(SiH4)を用いればよい。または、Si2H6、SiH2Cl2、SiHCl3、SiCl4、SiF4等を用いてもよい。また、不純物元素を含まないアモルファスシリコン膜を形成した後に、拡散法やイオン注入法を用いて該アモルファスシリコン膜に不純物元素を導入してもよい。イオン注入法等により不純物元素を導入した後に加熱等を行うことで、不純物元素を拡散させるとよい。この場合にアモルファスシリコン膜を形成する方法としては、LPCVD法、気相成長法、またはスパッタリング法等を用いればよい。第3半導体膜606cの膜厚は20nm以上200nm以下となるよう形成することが好ましい。
また、第1半導体膜606a、第2半導体膜606b、および第3半導体膜606cは、アモルファス半導体ではなく、多結晶半導体を用いて形成してもよいし、微結晶半導体(セミアモルファス半導体(Semi Amorphous Semiconductor:SAS))を用いて形成してもよい。
また、光電効果で発生した正孔の移動度は電子の移動度に比べて小さいため、pin型のフォトダイオードはp型の半導体膜側を受光面とする方がよい特性を示す。ここでは、pin型のフォトダイオードが形成されている基板601の面からフォトダイオード602が受ける光622を電気信号に変換する例を示す。また、受光面とした半導体膜側とは逆の導電型を有する半導体膜側からの光は外乱光となるため、電極層は遮光性を有する導電膜を用いるとよい。また、n型の半導体膜側を受光面として用いることもできる。
絶縁膜631、層間絶縁膜633、層間絶縁膜634としては、絶縁性材料を用いて、その材料に応じて、スパッタリング法、プラズマCVD法、SOG法、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、液滴吐出法(インクジェット法等)、印刷法(スクリーン印刷、オフセット印刷等)等を用いて形成することができる。
絶縁膜631としては、無機絶縁膜として、酸化シリコン層、酸化窒化シリコン層、酸化アルミニウム層、または酸化窒化アルミニウム層などの酸化物絶縁膜、窒化シリコン層、窒化酸化シリコン層、窒化アルミニウム層、または窒化酸化アルミニウム層などの窒化物絶縁膜の単層、または積層を用いることができる。
本実施の形態では、絶縁膜631として酸化アルミニウム膜を用いる。絶縁膜631はスパッタリング法やプラズマCVD法によって形成することができる。
酸化物半導体膜上に絶縁膜631として設けられた酸化アルミニウム膜は、水素、水分などの不純物、および酸素の両方に対して膜を透過させない遮断効果(ブロック効果)が高い。
従って、酸化アルミニウム膜は、作製工程中および作製後において、変動要因となる水素、水分などの不純物の酸化物半導体膜への混入、および酸化物半導体を構成する主成分材料である酸素の酸化物半導体膜からの放出を防止する保護膜として機能する。
層間絶縁膜633、634としては、表面凹凸を低減するため平坦化絶縁膜として機能する絶縁膜が好ましい。層間絶縁膜633、634としては、例えばポリイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の、耐熱性を有する有機絶縁材料を用いることができる。また上記有機絶縁材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等の単層、または積層を用いることができる。
フォトダイオード602に入射する光622を検出することによって、被検出物の情報を読み取ることができる。なお、被検出物の情報を読み取る際にバックライトなどの光源を用いることができる。
実施の形態1で示したトランジスタ310と同様な構造および作製方法で得られるトランジスタ640は、安定した電気特性を有するため、図18に示す半導体装置に適用することにより、信頼性の高い半導体装置とすることができる。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。
(実施の形態9)
本明細書に開示する半導体装置は、さまざまな電子機器(遊技機も含む)に適用することができる。電子機器としては、テレビジョン装置(テレビ、またはテレビジョン受信機ともいう)、コンピュータ用などのモニタ、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、遊技機(パチンコ機、スロットマシン等)、ゲーム筐体が挙げられる。これらの電子機器の具体例を図19に示す。
図19(A)は、表示部を有するテーブル9000を示している。テーブル9000は、筐体9001に表示部9003が組み込まれており、表示部9003により映像を表示することが可能である。なお、4本の脚部9002により筐体9001を支持した構成を示している。また、電力供給のための電源コード9005を筐体9001に有している。
先の実施の形態に示す半導体装置は、表示部9003に用いることが可能であり、電子機器に高い信頼性を付与することができる。
表示部9003は、タッチ入力機能を有しており、テーブル9000の表示部9003に表示された表示ボタン9004を指などで触れることで、画面操作や、情報を入力することができ、また他の家電製品との通信を可能とする、または制御を可能とすることで、画面操作により他の家電製品をコントロールする制御装置としてもよい。例えば、実施の形態8に示したイメージセンサ機能を有する半導体装置を用いれば、表示部9003にタッチ入力機能を持たせることができる。
また、筐体9001に設けられたヒンジによって、表示部9003の画面を床に対して垂直に立てることもでき、テレビジョン装置としても利用できる。狭い部屋においては、大きな画面のテレビジョン装置は設置すると自由な空間が狭くなってしまうが、テーブルに表示部が内蔵されていれば、部屋の空間を有効に利用することができる。
図19(B)は、テレビジョン装置9100を示している。テレビジョン装置9100は、筐体9101に表示部9103が組み込まれており、表示部9103により映像を表示することが可能である。なお、ここではスタンド9105により筐体9101を支持した構成を示している。
テレビジョン装置9100の操作は、筐体9101が備える操作スイッチや、別体のリモコン操作機9110により行うことができる。リモコン操作機9110が備える操作キー9109により、チャンネルや音量の操作を行うことができ、表示部9103に表示される映像を操作することができる。また、リモコン操作機9110に、当該リモコン操作機9110から出力する情報を表示する表示部9107を設ける構成としてもよい。
図19(B)に示すテレビジョン装置9100は、受信機やモデムなどを備えている。テレビジョン装置9100は、受信機により一般のテレビ放送の受信を行うことができ、さらにモデムを介して有線または無線による通信ネットワークに接続することにより、一方向(送信者から受信者)または双方向(送信者と受信者間、あるいは受信者間同士など)の情報通信を行うことも可能である。
先の実施の形態に示す半導体装置は、表示部9103、9107に用いることが可能であり、テレビジョン装置、およびリモコン操作機に高い信頼性を付与することができる。
図19(C)はコンピュータであり、本体9201、筐体9202、表示部9203、キーボード9204、外部接続ポート9205、ポインティングデバイス9206等を含む。
先の実施の形態に示す半導体装置は、表示部9203に用いることが可能であり、信頼性の高いコンピュータとすることが可能となる。
図20(A)および図20(B)は2つ折り可能なタブレット型端末である。図20(A)は、開いた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、表示部9631a、表示部9631b、表示モード切り替えスイッチ9034、電源スイッチ9035、省電力モード切り替えスイッチ9036、留め具9033、操作スイッチ9038、を有する。
先の実施の形態に示す半導体装置は、表示部9631a、表示部9631bに用いることが可能であり、信頼性の高いタブレット型端末とすることが可能となる。
表示部9631aは、一部をタッチパネルの領域9632aとすることができ、表示された操作キー9638にふれることでデータ入力をすることができる。なお、表示部9631aにおいては、一例として半分の領域が表示のみの機能を有する構成、もう半分の領域がタッチパネルの機能を有する構成を示しているが該構成に限定されない。表示部9631aの全ての領域がタッチパネルの機能を有する構成としても良い。例えば、表示部9631aの全面をキーボードボタン表示させてタッチパネルとし、表示部9631bを表示画面として用いることができる。
また、表示部9631bにおいても表示部9631aと同様に、表示部9631bの一部をタッチパネルの領域9632bとすることができる。また、タッチパネルのキーボード表示切り替えボタン9639が表示されている位置に指やスタイラスなどでふれることで表示部9631bにキーボードボタン表示することができる。
また、タッチパネルの領域9632aとタッチパネルの領域9632bに対して同時にタッチ入力することもできる。
また、表示モード切り替えスイッチ9034は、縦表示または横表示などの表示の向きを切り替え、白黒表示やカラー表示の切り替えなどを選択できる。省電力モード切り替えスイッチ9036は、タブレット型端末に内蔵している光センサで検出される使用時の外光の光量に応じて表示の輝度を最適なものとすることができる。タブレット型端末は光センサだけでなく、ジャイロ、加速度センサ等の傾きを検出するセンサなどの他の検出装置を内蔵させてもよい。
また、図20(A)では表示部9631bと表示部9631aの表示面積が同じ例を示しているが特に限定されず、一方のサイズともう一方のサイズが異なっていてもよく、表示の品質も異なっていてもよい。例えば一方が他方よりも高精細な表示を行える表示パネルとしてもよい。
図20(B)は、閉じた状態であり、タブレット型端末は、筐体9630、太陽電池9633、充放電制御回路9634、バッテリー9635、DC/DCコンバータ9636を有する。なお、図20(B)では充放電制御回路9634の一例としてバッテリー9635、DC/DCコンバータ9636を有する構成について示している。
なお、タブレット型端末は2つ折り可能なため、未使用時に筐体9630を閉じた状態にすることができる。従って、表示部9631a、表示部9631bを保護できるため、耐久性に優れ、長期使用の観点からも信頼性の優れたタブレット型端末を提供できる。
また、この他にも図20(A)および図20(B)に示したタブレット型端末は、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像など)を表示する機能、カレンダー、日付または時刻などを表示部に表示する機能、表示部に表示した情報をタッチ入力操作または編集するタッチ入力機能、様々なソフトウェア(プログラム)によって処理を制御する機能、等を有することができる。
タブレット型端末の表面に装着された太陽電池9633によって、電力をタッチパネル、表示部、または映像信号処理部等に供給することができる。なお、太陽電池9633は、筐体9630の片面又は両面に設けることができ、バッテリー9635の充電を効率的に行う構成とすることができる。なお、バッテリー9635としては、リチウムイオン電池を用いると、小型化を図れる等の利点がある。
また、図20(B)に示す充放電制御回路9634の構成、および動作について図20(C)にブロック図を示し説明する。図20(C)には、太陽電池9633、バッテリー9635、DC/DCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3、表示部9631について示しており、バッテリー9635、DC/DCコンバータ9636、コンバータ9637、スイッチSW1乃至SW3が、図20(B)に示す充放電制御回路9634に対応する箇所となる。
まず、外光により太陽電池9633により発電がされる場合の動作の例について説明する。太陽電池9633で発電した電力は、バッテリー9635を充電するための電圧となるようDC/DCコンバータ9636で昇圧または降圧がなされる。そして、表示部9631の動作に太陽電池9633からの電力が用いられる際にはスイッチSW1をオンにし、コンバータ9637で表示部9631に必要な電圧に昇圧または降圧をすることとなる。また、表示部9631での表示を行わない際には、SW1をオフにし、SW2をオンにしてバッテリー9635の充電を行う構成とすればよい。
なお、太陽電池9633については、発電手段の一例として示したが、特に限定されず、圧電素子(ピエゾ素子)や熱電変換素子(ペルティエ素子)などの他の発電手段によるバッテリー9635の充電を行う構成であってもよい。例えば、無線(非接触)で電力を送受信して充電する無接点電力伝送モジュールや、また他の充電手段を組み合わせて行う構成としてもよい。
本実施の形態に示す構成、方法などは、他の実施の形態に示す構成、方法などと適宜組み合わせて用いることができる。