JP6240662B2 - ダンパ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ダンパ制御装置に関する。
JP2008−238921Aには、車両のばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置が開示されている。ダンパ制御装置は、ばね上部材のばね上共振周波数帯における振動の実効値と、ばね上部材のばね下共振周波数帯における振動の実効値と、ばね上部材のばね上共振周波数とばね下共振周波数との間の中間周波数帯における振動の実効値と、から車両が走行中の路面状態を推定する。ダンパ制御装置は、推定した路面状態に適した減衰力をダンパに出力させる。
このようなダンパ制御装置は、路面状態を判定できるので、路面状態に適した減衰力をダンパに発生させることで、車両における乗り心地を向上させることができる。
しかし、上記のようなダンパ制御装置は、波状路、こぶ状路、良路、簡易舗装路のうち走行中の路面がどの区分に一致するかを判定しているが、波状であるが路面表面がでこぼこであるような、複数の区分に該当する路面状態は判定することができない。したがって、この場合には、ダンパ制御装置は、ダンパに最適な減衰力を発揮させることが難しい。
また、乗用車等の場合、四輪各輪におけるダンパは、一種類の路面状態に適した減衰力を発揮する。しかし、四輪各輪が必ずしも同一状態の路面を走行するわけではない。したがって、車両が各輪毎に状態の異なる路面を走行する場合、各輪の全ダンパが実際に走行中の路面状態に最適な減衰力を発揮することはできない。よって、車両における乗り心地及び路面追従性が低下する。
本発明の目的は、各輪のダンパ全てが路面状態に最適な減衰力を発揮して、路面追従性及び車両における乗り心地を向上させることが可能なダンパ制御装置を提供することである。
本発明のある態様によれば、車両における車体と複数の車輪との間のそれぞれに介装される各ダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置は、うねりを有する路面であるうねり良路に適するうねり良路制御指令をダンパ毎に求めるうねり良路制御演算部と、うねり良路より凹凸の多いうねり悪路に適するうねり悪路制御指令をダンパ毎に求めるうねり悪路制御演算部と、うねり良路制御指令とうねり悪路制御指令とに基づいてダンパ毎の最終制御指令を求める最終指令演算部と、を備え、最終指令演算部は、うねり良路制御指令に乗じる良路ゲインとうねり悪路制御指令に乗じる悪路ゲインとを求め、うねり良路制御指令に良路ゲインを乗じて得た値とうねり悪路制御指令に悪路ゲインを乗じて得た値とに基づいて最終制御指令を求める。
図1は、本発明の実施形態に係るダンパ制御装置の構成図である。 図2は、ダンパの概略断面図である。 図3は、振動レベル検知対象の物体の系を説明する図である。 図4は、第一参照値と第二参照値との合成ベクトルを説明する図である。 図5は、第一参照値と第二参照値との軌跡及び第一参照値と第三参照値との軌跡を説明する図である。 図6は、ばね上振動レベル検知部を示す構成図である。 図7は、ばね上振動レベル検知部の構成の一部の詳細図である。 図8は、ばね下振動レベル検知部を示す構成図である。 図9は、判定部を示す構成図である。 図10は、うねり良路演算部を示す構成図である。 図11は、速度補正部における速度ゲインマップを示す図である。 図12は、うねり悪路演算部を示す構成図である。 図13は、ダンパの減衰特性を示す図である。 図14は、うねり悪路演算部を示す構成図である。 図15は、うねり悪路演算部で使用するゲインマップを示す図である。 図16、うねり悪路演算部の構成の一部の変形例を示す詳細図である。 図17は、うねり悪路演算部の構成の一部の変形例を示す詳細図である。 図18は、最終指令演算部を示す構成図である。 図19は、うねり良路及びうねり悪路を示す模式図である。 図20は、ダンパ制御装置が行う処理内容を示すフローチャートである。 図21は、図20のステップS3において行われるうねり路の判定処理を示すフローチャートである。 図22は、図20のステップS6において行われるうねり良路制御指令Fgの演算処理を示すフローチャートである。 図23は、図20のステップS8において行われるうねり悪路制御指令Fbの演算処理を示すフローチャートである。 図24は、図20のステップS9において行われる最終制御指令Ffの演算処理を示すフローチャートである。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1に示すように、ダンパ制御装置Eは、車両における車体Bと四つの車輪Wとの間に介装される四つの各ダンパDにおける減衰力を制御する。ダンパ制御装置Eは、各ダンパD毎にうねり良路に適するうねり良路制御指令Fgを求めるうねり良路制御演算部1と、各ダンパD毎にうねり悪路に適するうねり悪路制御指令Fbを求めるうねり悪路制御演算部2と、各ダンパD毎にうねり良路制御指令Fgとうねり悪路制御指令Fbとに基づいて最終制御指令Ffを求める最終指令演算部3と、を備える。
なお、波状の路面をもつ道路を「うねり路」と称し、路面に凹凸の少ない滑らかな道路を「良路」と称し、路面に凹凸の多い不整路を「悪路」と称する。図19に示すように、「うねり良路」とは、うねり路と良路とが複合された路面であり、うねりを有する路面をもつ道路であり、「うねり悪路」とは、うねり路と悪路とが複合された路面であり、うねり良路より凹凸の多い路面をもつ道路である。
ダンパDは、車両における車体Bと車輪Wとの間に介装され、車体Bを弾性支持する懸架ばねVSに並列に配置される。なお、車輪Wは、車体Bに揺動可能に取り付けられたリンク(図示せず)によって車体Bに連結され、車体Bに対して上下方向へ往復動することができる。
ダンパDは、図2に示すように、シリンダ12と、シリンダ12内に摺動自在に挿入されるピストン13と、シリンダ12内に移動自在に挿入されてピストン13に連結されるピストンロッド14と、シリンダ12内に画成されピストン13によって区画される二つの圧力室15、16と、圧力室15、16同士を連通する通路17と、通路17を通過する流体の流れに抵抗を与える減衰力調整部18と、を備える流体圧ダンパである。ダンパDは、伸縮作動に応じて圧力室15、16内に充填された流体が通路17を通過する際、減衰力調整部18によって流体に抵抗を与えて伸縮作動を抑制する減衰力を発揮する。これにより、ばね上部材とばね下部材との相対移動が抑制される。
流体は、磁気粘性流体であり、圧力室15、16内に充填される。減衰力調整部18は、通路17に磁界を作用させることができる。減衰力調整部18は、ダンパ制御装置Eから供給される電流量によって磁界の大きさを調整することで、通路17を通過する磁気粘性流体の流れに与える抵抗を変化させ、ダンパDの減衰力を変化させることができる。ダンパ制御装置Eは、減衰力調整部18に与える電流を増減することでダンパDの減衰力を制御する。
なお、流体として磁気粘性流体の代わりに電気粘性流体を用いてもよい。この場合、減衰力調整部18は、通路17に電界を作用させることができるものであればよい。減衰力調整部18は、ダンパ制御装置Eから与えられる電圧によって電界の大きさを調整することで、通路17を通過する電気粘性流体の流れに与える抵抗を変化させ、ダンパDの発生減衰力を変化させることができる。
流体は、上記した磁気粘性流体や電気粘性流体の他に、作動油、水、水溶液、気体等を利用することができる。この場合、減衰力調整部18は、ダンパDの通路17の流路面積を可変にする減衰弁と、減衰弁の弁体を駆動して通路17の流路面積を調節することができるソレノイド等の制御応答性の高いアクチュエータと、で構成される。減衰力調整部18は、アクチュエータへ与える電流量を増減させることで、通路17の流路面積を調整して、通路17を通過する流体の流れに与える抵抗を変化させ、ダンパDが発生する減衰力を調整することができる。
流体が液体であって、ダンパDが片ロッド型ダンパである場合、ダンパDは、シリンダ12内に出入りするピストンロッド14の体積を補償するための気体室やリザーバを備える。流体が気体である場合には、ダンパDは、気体室やリザーバを備えなくてもよい。ダンパDがリザーバを備え、伸長しても収縮してもシリンダ12内からリザーバへ通じる通路を介して流体が排出されるユニフロー型である場合、シリンダ12からリザーバへ通じる通路の途中に減衰力調整部18を設け、流体の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮させてもよい。
ダンパDは、電磁力でばね上部材とばね下部材との相対移動を抑制する減衰力を発揮する電磁ダンパであってもよい。電磁ダンパは、例えば、モータとモータの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構とを備えるものや、リニアモータ等である。ダンパDが電磁ダンパである場合には、減衰力調整部18がモータ又はリニアモータに流れる電流を調節するモータ駆動装置として機能することで、ダンパDの発生減衰力を調整することができる。
ダンパ制御装置Eは、図1に示すように、ダンパDのストローク変位を検出するストロークセンサ20と、ストロークセンサ20で検知したダンパDのストローク変位からストローク速度Vdを求めるストローク速度演算部21と、車体Bの上下方向の加速度を検知する三つの加速度センサ22a、22b、22cと、加速度センサ22a、22b、22cのそれぞれが検知した車体Bの上下方向の加速度α1、α2、α3から車体Bのばね上振動レベルLBを求めるばね上振動レベル検知部23と、ストロークセンサ20で検知したダンパDのストローク変位から車輪Wの上下方向の振動の大きさであるばね下振動レベルLWを求めるばね下振動レベル検知部24と、ばね上振動レベルLBから車両が走行中の路面がうねり路であるか否かを判定する判定部25と、各ダンパD毎にうねり良路に適するうねり良路制御指令Fgを求めるうねり良路制御演算部1と、各ダンパD毎にうねり悪路に適するうねり悪路制御指令Fbを求めるうねり悪路制御演算部2と、判定部25における判定結果と各ダンパD毎のうねり良路制御指令Fg及びうねり悪路制御指令Fbとに基づいて最終制御指令Ffを求める最終指令演算部3と、最終制御指令Ffに基づいて減衰力調整部18へ与える電流値Iを求める電流値演算部26と、電流値演算部26で求めた電流値I通りの電流量を減衰力調整部18へ供給する駆動部27と、を備える。
図20は、ダンパ制御装置Eが行う処理内容を示すフローチャートである。ステップS1においてダンパ制御装置Eは、車両の上下方向の加速度を検知する加速度センサ22a、22b、22cから車体の上下方向の加速度を検知する。ステップS2においてダンパ制御装置Eは、ステップS1において検知された上下方向の加速度からばね上振動レベルLBを演算する。ステップS3においてダンパ制御装置Eは、ばね上振動レベルLBからうねり路であるか否かを判定する。ステップS4においてダンパ制御装置Eは、ダンパDの変位を検出するストロークセンサからダンパDのストローク変位を読み込む。ステップS5においてダンパ制御装置Eは、ステップS4において読み込まれたストローク変位からストローク速度Vdを演算する。ステップS6においてダンパ制御装置Eは、ストローク速度Vdからうねり良路制御指令Fgを求める。ステップS7においてダンパ制御装置Eは、ストローク速度Vdからばね下振動レベルLWを演算する。ステップS8においてダンパ制御装置Eは、ストローク速度Vdとばね下振動レベルLWからうねり悪路制御指令Fbを求める。ステップS9においてダンパ制御装置Eは、うねり良路制御指令Fgとうねり悪路制御指令Fbから最終制御指令Ffを求める。
ストローク速度演算部21は、図1に示すように、ストロークセンサ20で検出したダンパDのストローク変位を微分してダンパDのストローク速度Vdを演算する。
加速度センサ22a、22b、22cは、それぞれ車体Bの上下方向の加速度α1、α2、α3を検知して、検知結果をばね上振動レベル検知部23に入力する。加速度センサ22a、22b、22cは、図示しない車体Bの同一水平面上であって同一直線上にない任意の3箇所に設置される。ばね上振動レベル検知部23は、加速度α1、α2、α3を処理して、車体Bのばね上振動レベルLBを演算する。なお、加速度α1、α2、α3の符号は、上向きを正とする。
ストローク速度演算部21において演算されたストローク速度Vdは、ばね下振動レベル検知部24に入力される。ばね下振動レベル検知部24は、ストローク速度Vdからばね下部材の振動の大きさを示すばね下振動レベルLWを求める。
以下、ばね上振動レベル検知部23及びばね下振動レベル検知部24について説明する。
まず、ばね上振動レベル検知部23及びばね下振動レベル検知部24における振動レベルの検知手法を原理的に説明する。
図3に示すように、物体MをばねSで支承する系における物体Mの振動レベルを検知する場合について考える。物体Mは、ベースTに鉛直に取り付けられたばねSによって図中下方から弾性支持されるばねマス系を構成する。物体Mの図3中上下方向の振動レベルLは、物体Mの上下方向の速度を第一参照値aとし、第一参照値aの微分値又は積分値に相当する値を第二参照値bとした上で、第一参照値aと第二参照値bとに基づいて演算される。
物体Mの上下方向の速度である第一参照値aは、例えば、物体Mに取り付けられた加速度センサで検出された物体Mの上下方向加速度を積分することで演算される。
次に、物体Mの上下方向の変位を第二参照値bにする場合、第二参照値bは第一参照値aを積分することによって演算される。なお、第二参照値bを第一参照値aの微分値相当の値とする場合、つまり、物体Mの上下方向の加速度を第二参照値bとする場合、第二参照値bは加速度センサで検出された上下方向の加速度に設定されてもよいし、第一参照値aを微分器によって微分することで演算されるようにしてもよい。
また、検知したい物体Mの振動レベルのうち任意の周波数帯の振動レベルを検知することができるように、第一参照値a及び第二参照値bから検知したい周波数成分を抽出する。具体的には、帯域フィルタ等を用いて第一参照値a及び第二参照値bを濾波することで、第一参照値a及び第二参照値bの検知したい周波数成分が演算される。基本的には、物体MとばねSとのばねマス系の固有振動数をフィルタで抽出する周波数に設定することで、物体Mのスペクトル密度の高い振動を抽出することができる。なお、帯域フィルタは、評価したい周波数帯の振動を抽出でき物体Mの振動に重畳されるノイズなどを除去できるので有用であるが、例えば、物体Mが単一の周期で振動するような場合には、省略してもよい。
物体Mの任意の周波数の振動は正弦波で表すことができる。物体Mの速度である第一参照値aの任意の周波数成分は正弦波で表すことができる。例えば、第一参照値aの任意の周波数成分をsinωt(ωは角周波数、tは時間)で表す場合、これを積分すると−(1/ω)cosωtとなり、第一参照値aの振幅と積分値の振幅とを比較すると、積分値の振幅は第一参照値aの1/ω倍となる。
したがって、第二参照値bが第一参照値aの積分値相当の値である場合には、フィルタで抽出する周波数に一致する角周波数ωを用いて、第一参照値aの積分値相当の値をω倍することで、第一参照値aと第二参照値bとの振幅を等しくすることができる。また、第二参照値bが第一参照値aの微分値相当の値である場合には、第一参照値aの微分値相当の値を1/ω倍することで、第一参照値aと第二参照値bとの振幅を等しくすることができる。このように、第一参照値aと第二参照値bとの振幅を等しくするためには、振動レベルを得るに当たって、第二参照値bが第一参照値aの積分値相当の値である場合には、検知対象となる振動の角周波数ωを用いて、積分値相当の値をω倍することで第二参照値bが調整され、第二参照値bが第一参照値aの微分値相当の値である場合には、微分値相当の値を1/ω倍することで第二参照値bが調整される。
続いて、このように処理された第一参照値aと第二参照値bとを、図4に示すように、直交座標にとった際の第一参照値aと第二参照値bとの合成ベクトルUの長さが演算され、これを振動レベルLとして求める。なお、合成ベクトルUの長さは、(a2+b21/2で演算されるが、ルート演算を省いて(a2+b2)、つまり、合成ベクトルUの長さの二乗の値を合成ベクトルUの長さを判断可能な値とし、振動レベルLとしてもよい。これにより、負荷の高いルート演算を回避することができ、演算時間を短縮することができる。また、直接的には合成ベクトルUの長さとは一致しないが、合成ベクトルUの長さをz乗(zは任意の値)した値や当該長さに任意の係数を乗じた値は、合成ベクトルUの長さを認識可能であるので、このような値を振動レベルとしてもよい。すなわち、合成ベクトルUの長さを認識可能な値を振動レベルLとすればよい。
ここで、ベースTを上下動させて物体Mに振動を与えたり、物体Mに変位を与えて解放したりして物体Mに振動を与えると、ばねSが伸縮してばねSの弾性エネルギと物体Mの運動エネルギとが交互に変換される。したがって、外乱がない場合には、中立位置からの変位が最大となる物体Mの速度は0となり、中立位置にあるときに物体Mの速度が最大となる。なお、中立位置とは、物体MがばねSによって弾性支持され静止状態にある場合の位置である。
第一参照値aと第二参照値bとは、上記手順の調整によって、両者の振幅が等しくなり、第一参照値aと第二参照値bとの位相は90度ずれている。従って、物体Mの振動が減衰せず同じ振動を繰り返す場合、第一参照値aと第二参照値bとの理想的な軌跡は、図4に示すように、円を描くことになる。振動レベルLは、この円の半径に等しい。なお、実際には、フィルタの抽出精度や物体Mに作用する外乱、第一参照値aや第二参照値bに含まれるノイズ等によって、両者の振幅を完全一致させることができない場合もあるが、振動レベルLの値は、ほぼ上記した円の半径に等しくなる。
このように、振動レベルLは、速度である第一参照値aが0でも、変位である第二参照値bの絶対値は最大値となり、反対に、第二参照値bが0でも第一参照値aの絶対値は最大値となる。これにより、振動レベルLは、物体Mの振動状況が変化しない場合には一定値となる。つまり、振動レベルLは、物体Mがどの程度の振幅で振動しているかを示す指標となる値であり、振動の大きさを表している。振動レベルLは、物体Mの一周期分の変位、速度、加速度のいずれかをサンプリングして波高を求めることなく、物体Mの変位と速度とに基づいて求めることができる。よって、振動レベルLは、タイムリーに求めることができる。このように振動レベルを検知すれば、物体Mの振動の大きさをタイムリーかつリアルタイムに検知することが可能である。
なお、振動レベルLは、第一参照値aと第二参照値bとを、物体Mの速度と加速度、加速度と加速度の変化率、変位と変位の積分値相当の値として求めてもよい。この場合でも、第一参照値aと第二参照値bとの位相は互いに90度ずれ、検知したい振動の角周波数ωで第二参照値bを調整することで、第一参照値aと第二参照値bとを直交座標にとった場合の軌跡は円となるので、振動レベルLが振動の大きさを表す指標となる。つまり、第一参照値aを物体Mの検知したい振動方向に一致する方向の変位、速度、加速度のうちいずれか一つとし、第二参照値bを第一参照値aの積分値相当又は微分値相当の値とすれば振動レベルLを求めることができる。
第一参照値aは、センサから直接得ることなく、センサ出力を微分や積分して得るようにしてもよい。第二参照値bは、第一参照値aの微分値相当の値又は積分値相当の値として求めることなく、別途センサを設けて当該センサから直接得るようにしてもよい。
また、第一参照値aの積分値相当の値を第二参照値bとする場合、第一参照値aの微分値相当の値を第三参照値cとし、第一参照値aと第二参照値bとで上記手順によって振動レベルに相当する値を求めて第一振動レベルL1とし、第二参照値bの代わりに第三参照値cを使用して第一参照値aと第三参照値cとで上記手順によって振動レベルに相当する値を求めて第二振動レベルL2としてもよい。この場合、第一振動レベルL1と第二振動レベルL2とを加算して2で割ることで算出される第一振動レベルL1と第二振動レベルL2との平均値が振動レベルLとなる。なお、第一参照値aの微分値相当の値を第二参照値bとする場合、第一参照値aの積分値相当の値を第三参照値cとすればよい。
この場合、図5に示すように、第一参照値aを横軸にとり、第二参照値bと第三参照値cとを縦軸にとる直交座標を考える。物体Mの振動レベルのうち検出した周波数帯の振動レベルを求めるため、第一参照値a、第二参照値b及び第三参照値cを帯域フィルタで濾波する。
しかし、物体Mの振動周波数と帯域フィルタで抽出する周波数との間にずれが生じている場合、第一振動レベルL1は第一参照値aの最大値以上の値をとって、第一参照値aと第二参照値bとの軌跡Jは、図5中破線で示すように、第一参照値aの最大値を半径とした円Hより長辺が大きい楕円形で示される。第二振動レベルL2は第一参照値aの最大値以下の値をとって、第一参照値aと第三参照値cとの軌跡Kは、短辺が円Hよりも小さい楕円形で示される。
つまり、物体Mの振動周波数と検知したい振動周波数とが一致しない場合、上記手順の調整をする際に使用する角周波数ωと実際の角周波数ω’とがずれている。これにより、第一参照値aの積分値相当の値である第二参照値bを調整した際に、第二参照値bの最大値は、第一参照値aの最大値のω/ω’倍となり、第一参照値aの微分値相当の値である第三参照値cの最大値は、第一参照値aの最大値のω’/ω倍となる。
このように、第一振動レベルL1が第一参照値aより大きな値をとる場合、その分、第二振動レベルL2は第一参照値aよりも小さな値をとる。したがって、これらを平均して振動レベルLを求めることで、振動レベルLの変動が緩和され、物体Mの振動周波数と検知したい振動周波数とが一致していなくても、安定した振動レベルLを求めることができ、振動レベルLを精度よく検知することができる。また、このように振動レベルLの変動の緩和を行っても、振動レベルLにうねりが生じる場合には、振動レベルLに物体Mの振動周波数の2倍の周波数成分のノイズが重畳することが分かっている。この場合、重畳されるノイズを取り除くフィルタを設けて振動レベルLを濾波すればよい。
なお、上記した例では、第一参照値aに対して積分値相当の値と微分値相当の値とを第二参照値bと第三参照値cとして振動レベルLを求めたが、例えば、変位を第一参照値aとし、速度を第二参照値bとして、振動レベルLを求めることに加えて、加速度を第一参照値aとし、加速度の変化率を第二参照値bとして、別途振動レベルLを求めてもよい。この場合、変位と速度とから得た振動レベルLと、加速度と加速度の変化率とから得た振動レベルLと、の平均値が最終的な振動レベルとして求められる。つまり、異なる第一参照値と第二参照値とで得た複数の振動レベルに基づいて、最終的な振動レベルを得ることも可能である。
次に、ばね上振動レベル検知部23において、車両における車体Bの振動レベルであるばね上振動レベルLBを検知する手法について具体的に説明する。
ばね上振動レベル検知部23は、図6に示すように、車体Bの上下方向の速度であるバウンス速度Vb、ローリング方向の速度であるロール速度Vr及びピッチング方向の速度であるピッチング速度Vpを得る第一参照値取得部23aと、第一参照値取得部23aで得た値を第一参照値として第一参照値の微分値に相当する値である第二参照値を得る第二参照値取得部23bと、第一参照値と第二参照値とからばね上部材の共振周波数成分を抽出するフィルタ23cと、調整部23dと、ばね上振動レベルLBを求める振動レベル演算部23eと、を備える。
第一参照値取得部23aは、図7に示すように、加速度センサ22a、22b、22cで検知した加速度α1、α2、α3からバウンス速度Vbを求めるバウンス速度演算部41と、加速度α1、α2、α3からロール速度Vrを求めるロール速度演算部42と、加速度α1、α2、α3からピッチング速度Vpを求めるピッチング速度演算部43と、を備える。
加速度センサ22a、22b、22cは、検出した車体Bの上下方向の加速度α1、α2、α3に応じた電圧信号をバウンス速度演算部41、ロール速度演算部42及びピッチング速度演算部43に出力する。バウンス速度演算部41、ロール速度演算部42及びピッチング速度演算部43は、加速度センサ22a、22b、22cの信号を処理して、ばね上部材のバウンス速度Vb、ロール速度Vr及びピッチング速度Vpを演算する。なお、加速度α1、α2、α3の符号は、上向きを正とする。
バウンス速度演算部41は、加速度α1、α2、α3からばね上部材のバウンス方向の加速度αbを得て、加速度αbを積分して車体Bのバウンス速度Vbを求め、バウンス速度Vbをバウンス方向の振動レベルLbを得るための第一参照値abとする。バウンス速度Vbは、車体Bの重心における上下方向の速度である。
ロール速度演算部42は、加速度α1、α2、α3から車体Bのローリング方向の加速度αr、つまり、角加速度を得て、加速度αrを積分してロール速度Vrを求め、ロール速度Vrをローリング方向の振動レベルLrを得るための第一参照値arとする。ロール速度Vrは、車体Bの重心におけるローリング方向の角速度である。
ピッチング速度演算部43は、加速度α1、α2、α3から車体Bのピッチング方向の加速度αp、つまり、角加速度を得て、加速度αpを積分してピッチング速度Vpを求め、ピッチング速度Vpをピッチング方向の振動レベルLpを得るための第一参照値apとする。ピッチング速度Vpは、車体Bの重心におけるピッチング方向の角速度である。
バウンス加速度αb、ロール加速度αr及びピッチング方向の加速度αpは、加速度α1、α2、α3と、各加速度センサ22a、22b、22cの設置位置と、車体Bの重心位置と、から求められる。すなわち、車体Bを剛体と見なして、車体Bの同一水平面上の同一直線上にない任意の3箇所の上下方向の加速度α1、α2、α3を得れば、車体Bの任意の位置におけるバウンス速度Vb、ロール速度Vr及びピッチング速度Vpは一義的に決まるので、変位及び加速度についても同様に求めることができる。また、物体の振動が回転方向である場合の振動レベルを求める場合には、第一参照値を物体の回転方向の変位である回転角、回転方向の速度である角速度、回転方向の加速度である角加速度としてもよい。
車両における車体Bのローリング方向、ピッチング方向及びバウンス方向の振動を抑制する制御をする場合、一般的には、車体Bの重心位置における各方向の振動を評価して、制御することが多い。したがって、本実施形態でも車体Bの重心位置におけるバウンス方向の振動レベルLb、ローリング方向の振動レベルLr及びピッチング方向の振動レベルLpを求めることとする。
第二参照値取得部23bは、バウンス速度Vbを微分することでバウンス方向の加速度に相当する第二参照値bbを求め、ロール速度Vrである第一参照値arを微分することでばね上部材のローリング方向の加速度に相当する第二参照値brを求め、ピッチング速度Vpである第一参照値apを微分することでばね上部材のピッチング方向の加速度に相当する第二参照値bpを求める。なお、各第二参照値bb、br、bpは、第一参照値ab、ar、apの微分値相当の値であり、バウンス速度Vb、ロール速度Vr、ピッチング速度Vpを求める際に第二参照値bb、br、bpに相当する値が算出されているので、これを第二参照値としてもよい。
フィルタ23cは、バウンス方向の第一参照値ab、バウンス方向の第二参照値bb、ローリング方向の第一参照値ar、ローリング方向の第二参照値br、ピッチング方向の第一参照値ap及びピッチング方向の第二参照値bpをフィルタ処理して、車体Bの共振周波数の成分を抽出する。
調整部23dは、バウンス方向の第二参照値bb、ローリング方向の第二参照値br及びピッチング方向の第二参照値bpを、車体Bの共振周波数に一致する角周波数ωを用いて調整する。
振動レベル演算部23eは、バウンス方向の第一参照値abと調整後のバウンス方向の第二参照値bbとから上記した物体Mの振動レベルLを求める演算方法を用いることで、車体Bにおけるバウンス方向の振動レベルLbを求める。また、振動レベル演算部23eは、ローリング方向の第一参照値arと調整後のローリング方向の第二参照値brとから、上記した演算方法を用いることで、車体Bにおけるローリング方向の振動レベルLrを求める。さらに、振動レベル演算部23eは、ピッチング方向の第一参照値apと調整後のピッチング方向の第二参照値bpとから上記した演算方法を用いることで、車体Bにおけるピッチング方向の振動レベルLpを求める。
ばね上振動レベル検知部23は、バウンス方向の振動レベルLbとローリング方向の振動レベルLrとピッチング方向の振動レベルLpとを加算して、車体Bのばね上振動レベルLBを求める。ローリング方向の振動レベルLr及びピッチング方向の振動レベルLpは、車体Bの重心位置における回転方向の振動レベルである。
そこで、ばね上振動レベル検知部23は、ローリング方向の振動レベルLrに、車体Bの重心位置から四つのダンパDの直上に位置する部分までの横方向距離の平均値を乗じて、四つのダンパDの直上でのロール振動レベルの平均値を算出する。また、ばね上振動レベル検知部23は、ピッチング方向の振動レベルLpに、車体Bの重心位置から四つのダンパDの直上に位置する部分までの前後方向距離の平均値を乗じて、四つのダンパDの直上でのピッチング振動レベルの平均値を算出する。
ばね上振動レベル検知部23は、これらの平均値をバウンス方向の振動レベルLbに加算することでばね上振動レベルLBを求める。なお、横方向距離の平均値は、前輪トレッド幅の半分の値と後輪トレッド幅の半分の値とを平均した値であるが、これらが大きく異なっていない場合は、いずれか一方の値を採用してもよい。また、前後方向距離の平均値は、前輪位置と重心位置との前後方向距離と、後輪位置と重心位置との前後方向距離とを平均した値であるが、これらの値が大きく異なっていない場合には、いずれか一方の値を採用してもよい。このようにして求められたばね上振動レベルLBは、判定部25に入力される。
ばね下振動レベル検知部24は、図8に示すように、ストローク速度演算部21から得たダンパDのストローク速度Vdを第一参照値として第一参照値の微分値に相当する値である第二参照値を得る第二参照値取得部24aと、第一参照値の積分値に相当する値である第三参照値を得る第三参照値取得部24bと、第一参照値、第二参照値及び第三参照値からばね下部材の共振周波数成分を抽出するフィルタ24cと、調整部24dと、車輪Wの振動の大きさであるばね下振動レベルLWを求める振動レベル演算部24eと、を備える。
なお、ダンパ制御装置Eにはストローク速度演算部21が設けられ、ストローク速度演算部21で求めたストローク速度Vdを第一参照値としているので、ばね下振動レベル検知部24は第一参照値取得部を備えていない。しかし、車輪Wにセンサを取り付けて直接車輪Wの上下方向加速度、速度、変位を検出して第一参照値とする場合には、ばね下振動レベル検知部24は、車輪Wの上下方向加速度、速度、変位を第一参照値として取得する第一参照値取得部を備えていてもよい。
第二参照値取得部24aは、ダンパDのストローク速度Vdである第一参照値を微分することで、ダンパDのストローク加速度αdを求める。第三参照値取得部24bは、ストローク速度Vdである第一参照値を積分することで、ダンパDのストローク変位であるダンパ変位Xdを求めて、これを第三参照値とする。なお、ダンパ変位Xdは、ストロークセンサ20で検出されるので、検出されるダンパ変位Xdをそのまま第三参照値としてもよい。
フィルタ24cは、第一参照値であるダンパDのストローク速度Vd、第二参照値であるストローク加速度αd及び第三参照値であるダンパ変位Xdを濾波し、ストローク速度Vd、ストローク加速度αd及びダンパ変位Xdに含まれる車輪Wの共振周波数帯の周波数成分のみを抽出する。
なお、車輪Wの変位、速度、加速度を求めることができればよいので、第二参照値と第三参照値とを得る際に第一参照値を微分及び積分する場合、フィルタ24cの処理は、第一参照値を得る前のダンパ変位Xdに対してのみ行ってもよい。つまり、濾波処理は、ストロークセンサ20の出力に対して直接行われてもよく、第二参照値と第三参照値とを得る前に第一参照値のみに対して行われてもよい。
調整部24dは、こうして得られた第一参照値、第二参照値及び第三参照値を、車輪Wの共振周波数に一致する角周波数ωを用いて調整する。
振動レベル演算部24eは、第一参照値と第二参照値とから第一振動レベルLW1を求め、第一参照値と第三参照値とから第二振動レベルLW2を求め、これらの平均値である車輪Wのばね下振動レベルLWを求める。なお、第三参照値取得部24bを設けることなく、第一参照値と第二参照値とからばね下振動レベルLWを求めてもよい。しかし、第三参照値取得部24bを設けてばね下振動レベルLWを求めることで、ばね下振動レベルLWをより精度よく検知することができる。ばね下振動レベルLWは、うねり悪路制御演算部2及び最終指令演算部3に入力される。
判定部25は、ばね上振動レベルLBが所定のばね上振動レベル閾値以上である場合、車両が走行中の路面がうねり路であると判定し、ばね上振動レベル閾値未満である場合、うねり路ではないと判定する。つまり、判定部25は、車体Bが大きく振動している場合に、うねり路と判定する。なお、判定部25における判断において、車両の速度に応じてばね上振動レベルLBは補正される。
判定部25は、図9に示すように、車両の速度に基づいて補正係数を求め補正係数をばね上振動レベルLBに乗じてばね上振動レベルLBを補正する補正演算部25aと、補正後のばね上振動レベルLBとばね上振動レベル閾値とを比較して上記判定を行う判定演算部25bと、を備える。判定部25は、ばね上振動レベルLBに車両の速度が高くなるほど大きくなる補正係数を乗じてばね上振動レベルLBを補正し、補正後のばね上振動レベルLBがばね上振動レベル閾値以上であるか否かでうねり路であるか否かを判定する。これにより、車速が高くなるとばね上振動レベル閾値が低くなるので、車体Bの振動が小さくてもうねり路であると判定しやすくなる。車速が高くなると、ダンパDにうねり路に適した減衰力を発揮させて車体Bの路面追従性を向上させた方が搭乗者に安心感を与えることができるので、うねり路と判定しやすくすることで、車両における乗り心地を向上させることができる。
図21は、図20のステップS3において行われるうねり路の判定処理を示すフローチャートである。ステップS11においてダンパ制御装置Eは、車両の速度に基づいて補正係数を求める。ステップS12においてダンパ制御装置Eは、ステップS11において求められた補正係数にばね上振動レベルLWを乗じてばね上振動レベルを補正する。ステップS13においてダンパ制御装置Eは、補正後のばね上振動レベルと所定の閾値を比較する。補正後のばね上振動レベルが閾値以上の場合には処理がステップS14に進み、うねり路であると判定される。補正後のばね上振動レベルが閾値より小さい場合には処理がステップS15に進み、うねり路でないと判定される。
このような補正が必要なければ、判定部25の構成から補正演算部25aを廃止してもよい。また、判定部25では、ばね上振動レベルLBをパラメータとしてうねり路であるか否かを判定しているが、ばね上振動レベルLB以外にも、例えば、車体Bの上下方向加速度や速度、変位等をパラメータとしてうねり路であるか否かを判定してもよい。但し、ばね上振動レベルLBは車体Bの振動の大きさを表わしているので、ばね上振動レベルLBをパラメータとした方が、車体Bが大きく振動しているか否かを精度よく検知することができる。例えば、車体Bの速度をパラメータとして車体Bの振動が大きいか否かを判断する場合、車体Bの振動そのものが大きくても車体Bが最大変位する場合には車体Bの速度は0となり、車体Bが振動中心にある場合に車体Bの速度は最大となることから、車体Bの振動の大きさを精度よく検知することが難しい。したがって、ばね上振動レベルLBを使用することで、車体Bの振動の大きさを正確に判断することができる。
続いて、図1に示すうねり良路制御演算部1は、図10に示すように、ストローク速度演算部21で求めたダンパDのストローク速度Vdの入力を受けてストローク速度Vdの低周波成分である低周波ダンパ速度VLowを抽出するフィルタ1aと、ダンパDのストローク速度Vdの入力を受けてストローク速度Vdの変化率であるストローク加速度αdを求める微分部1bと、ローパスフィルタ1aで抽出した低周波ダンパ速度VLowに基づいてうねり良路用の目標減衰力であるうねり良路制御指令Fgを求める制御指令生成部1cと、判定部25における補正演算部25aにて補正されたばね上振動レベルLBと車両の速度に基づいてうねり良路制御指令Fgを補正する速度補正部1dと、ダンパDのストローク加速度αdに基づいてうねり良路制御指令Fgを補正する加速度補正部1eと、を備える。
フィルタ1aは、ダンパDのストローク速度Vdに含まれる車体Bの共振周波数帯を含んだ低周波成分を抽出することで低周波ダンパ速度VLowを得る。フィルタ1aは、例えば、懸架ばねVSに弾性支持された車体Bの共振周波数よりも少し高い周波数をカットオフ周波数とするローパスフィルタである。なお、フィルタ1aは、車体Bの共振周波数帯の成分の透過を許容するバンドパスフィルタであってもよい。
微分部1bは、ストローク速度Vdを微分することでストローク加速度αdを求める。微分部1bは、ハイパスフィルタ処理することで疑似的に微分演算してもよい。
制御指令生成部1cは、低周波ダンパ速度VLowとうねり良路用の目標減衰力との関係を示す所定のマップを保有しており、低周波ダンパ速度VLowからマップを利用したマップ演算を行うことにより目標減衰力を求め、目標減衰力をうねり良路制御指令Fgとして出力する。マップは、任意に設計することができる。
速度補正部1dは、補正演算部25aにて補正されたばね上振動レベルLBと車両の速度とに基づいて、制御指令生成部1cが出力するうねり良路制御指令Fgを補正する。速度補正部1dは、車速に応じて、予め用意された三つの速度ゲインマップから一つを選択する。速度ゲインマップは、図11に示すように、車速に応じて、低速用、中速用、高速用の三つが用意される。各速度ゲインマップは、ばね上振動レベルLBと速度ゲインとの関係をそれぞれマップ化したものである。ばね上振動レベルLBが同じであれば、速度ゲインは低速用の速度ゲインマップが選択されている場合に一番小さな値となり、高速用の速度ゲインマップが選択される場合に最大となる。
速度補正部1dは、うねり良路制御指令Fgに速度ゲインを乗じて、うねり良路制御指令Fgを補正する。ばね上振動レベルLBが同じ値であっても、車速が高い場合、低い場合に比較してうねり良路制御指令Fgは大きくなる。したがって、うねり良路制御指令Fgが後述する最終指令演算部3にて有効である場合、車速が高くなると、車速が低い場合と比較してダンパDが発生する減衰力は大きくなって、車両における車体姿勢の安定に寄与することができる。なお、うねり良路制御指令Fgを車速に感応させる速度補正部1dは、必要が無ければ廃止してもよい。
加速度補正部1eは、微分部1bで求めたストローク加速度αdに基づいて、うねり良路制御指令Fgを補正する。加速度補正部1eは、ストローク加速度αdが高くなると値が小さくなる加速度ゲインを求め、うねり良路制御指令Fgに加速度ゲインを乗じてうねり良路制御指令Fgを補正する。ストローク加速度αdが大きい場合、ストローク加速度αdが小さい場合と比較してうねり良路制御指令Fgは小さくなる。したがって、うねり良路制御指令Fgが後述する最終指令演算部3にて有効である場合、ストローク加速度αdが大きくなると、ストローク加速度αdが小さい場合と比較してダンパDが発生する減衰力は小さくなるので、ダンパDの減衰力の急変が緩和されて、車両における乗り心地の悪化を防止することができる。なお、うねり良路制御指令Fgをストローク加速度αdに感応させる加速度補正部1eは、必要が無ければ廃止してもよい。
図22は、図20のステップS6において行われるうねり良路制御指令Fgの演算処理を示すフローチャートである。ステップS21においてダンパ制御装置Eは、ダンパDのストローク速度Vdを読み込む。ステップS22においてダンパ制御装置Eは、ステップS21において読み込まれたストローク速度Vdをフィルタ処理して低周波ダンパ速度VLowを求める。ステップS23においてダンパ制御装置Eは、低周波ダンパ速度VLowとうねり良路用の目標減衰力との関係を示すマップからうねり良路制御指令Fgを求める。ステップS24においてダンパ制御装置Eは、ばね上振動レベルLBと車両の速度の関係を示す速度ゲインマップから速度ゲインを求め、うねり良路制御指令Fgに速度ゲインを乗じてうねり良路制御指令を補正する。ステップS25においてダンパ制御装置Eは、ストローク速度Vdを微分してストローク加速度adを求める。ステップS26においてダンパ制御装置Eは、ステップS25において求められたストローク加速度adに基づいて加速度ゲインを求め、うねり良路制御指令に加速度ゲインを乗じてうねり良路制御指令を補正する。
続いて、図1に示すうねり悪路制御演算部2は、図12に示すように、予め用意されたばね下部材の制振に適する減衰特性とダンパDのストローク速度Vdとから減衰力目標値を求める減衰力目標値演算部2aと、ストローク速度Vdの低周波成分である低周波ダンパ速度VLowに基づいてダンパDの減衰力目標値Fを補正してうねり悪路制御指令Fbを求める制御指令生成部2bと、を備える。
減衰力目標値演算部2aは、予め用意された減衰特性と、ストローク速度演算部21で求めたストローク速度Vdと、から目標減衰力を求める。減衰力目標値演算部2aは、図13に示した減衰特性マップを参照して、現在のストローク速度Vdに対応する減衰力を減衰力目標値Fとして求める。図13に示す減衰特性は、ストローク速度Vdに対するばね下部材の振動を抑制するのに適した減衰力を示す。なお、図13の破線は、ダンパDの減衰力の出力下限を示し、一点鎖線は、ダンパDの減衰力の出力上限を示す。ダンパDは、出力下限から出力上限までの範囲で減衰力を変化させることができる。また、減衰特性を、例えば、ソフト、ミディアム、ハードの三つ用意しておき、ばね下振動レベルLWの大きさに応じて最適な減衰特性を選択し、選択された減衰特性を用いて減衰力目標値Fを求めるようにしてもよい。このように減衰特性を選択することで、車輪Wの振動抑制効果を高めることができる。減衰特性は、例えば、ストローク速度Vd等といったばね下振動レベルLW以外のパラメータを基準として選択されてもよい。
制御指令生成部2bは、図14に示すように、ダンパDが低周波ダンパ速度VLowを抑制する減衰力を発揮することができるか否かを判断する判断部60と、ばね下振動レベルLWが上限値又は下限値を超えるとばね下振動レベルLWの値を飽和させる飽和演算部61と、ストローク速度Vdとばね下振動レベルLWとの入力を受けてストローク速度Vdをばね下振動レベルLWで割る割算部62と、割算部62の結果及び判断部60の判断結果から減衰特性に乗じる補正ゲインGを求めるゲイン演算部63と、減衰力目標値Fに補正ゲインGを乗じてうねり悪路制御における最終的な減衰力目標値であるうねり悪路制御指令Fbを求める乗算部64と、を備える。
判断部60は、低周波ダンパ速度VLowとダンパDの振動情報とから、ダンパDがストローク速度Vdのばね上共振周波数成分を抑制する減衰力を発揮できるか否かを判断する。なお、ダンパDの振動情報としては現在の減衰力の向きが分かる情報であればよい。
よって、判断部60は、ダンパDのストローク速度Vdの速度方向とストローク速度Vdの低周波成分である低周波ダンパ速度VLowの方向を得る。判断部60は、ストローク速度演算部21からストローク速度Vdが入力されると、ストローク速度Vdの低周波成分である低周波ダンパ速度VLowを得る処理を行って、ストローク速度Vdの低周波成分を得る。この処理は、うねり良路制御演算部1におけるフィルタ1aにおける処理と共通するので、この処理はフィルタ1aで行ってもよい。
また、ダンパDの振動情報としては、現在の減衰力の向きが分かる情報であればよいので、ダンパDのストローク速度Vd、変位、圧力室15、16の圧力といった情報であればよい。このような情報は、ダンパDの振動状況をセンシングするセンサから直接得てもよいし、ダンパ制御装置Eの上位の制御装置がある場合、当該制御装置から得てもよい。この場合、ダンパ制御装置Eでストローク速度Vdを求めるので、図1に示すように、ダンパDの振動情報としてストローク速度演算部21で求めたストローク速度Vdを判断部60へ入力するか、或いは、ストロークセンサ20で得られるダンパDの変位を判断部60へ入力すれば、別途ダンパDの振動情報を得るためのセンサを設ける必要はない。
判断部60は、ダンパDが低周波ダンパ速度VLowを抑制する減衰力を発揮できるか否かを判断するが、具体的には、低周波ダンパ速度VLowの方向とダンパDの伸縮方向とが一致しているか否かを判断している。例えば、低周波ダンパ速度VLowとストローク速度Vdとを利用する場合、低周波ダンパ速度VLowの方向のうち上方向の速度を正とし、ダンパDの伸長側のストローク速度Vdを正とすると、低周波ダンパ速度VLowとストローク速度Vdとの符号の一致をもって、或いは、低周波ダンパ速度VLowとストローク速度Vdとの乗算結果が正の値であることをもって、ダンパDが低周波ダンパ速度VLowを抑制する減衰力を発揮できると判断する。
なお、低周波ダンパ速度VLowのうち上方向の速度を正とし、ダンパDの伸長側のストローク速度Vdを負とするか、低周波ダンパ速度VLowのうち上方向の速度を負とし、ダンパDの伸長側のストローク速度Vdを正とする場合には、低周波ダンパ速度VLowとストローク速度Vdとの符号の不一致をもって、或いは、低周波ダンパ速度VLowとストローク速度Vdとの乗算結果が負の値であることをもって、ダンパDが低周波ダンパ速度VLowを抑制する減衰力を発揮できると判断すればよい。
飽和演算部61は、ばね下振動レベルLWの値が下限値を下回ると下限値に、上限値を上回ると上限値にそれぞれ制限する処理を行う。例えば、ばね下振動レベルLWの下限値を0.3とし、上限値を0.6とすると、ばね下振動レベルLWの値が0.3未満である場合にはばね下振動レベルLWの値を0.3とし、ばね下振動レベルLWの値が0.6より大きい場合にはばね下振動レベルLWの値を0.6とする。ばね下振動レベルLWの値が0.3以上、0.6以下である場合には、ばね下振動レベルLWの値をそのまま出力する。
割算部62は、ストローク速度Vdと飽和演算部61とが出力したばね下振動レベルLWの入力を受けてストローク速度Vdをばね下振動レベルLWで割る割算を実行する。こうして得られた値は、判断部60の判断結果とともにゲイン演算部63に入力される。例えば、ストローク速度Vdが0.6m/s以上である場合、ばね下振動レベルLWは0.6に制限されるので、割算部62は1以上の値を出力する。ばね下振動レベルLWが0.6でありストローク速度Vdが0.3である場合、割算部62は0.5を出力し、ストローク速度Vdが0である場合、割算部62は0を出力する。なお、ストローク速度VdはダンパDの伸縮の方向で符号が反転し、ばね下振動レベルLWは常に正の値を採るため、割算部62の演算結果はダンパDの伸長側と収縮側とで符号が反転する。このように割算部62を設けることで、ゲイン演算部63におけるマップ演算においてストローク速度Vdが正規化される。
ゲイン演算部63は、ダンパDが低周波ダンパ速度VLowを抑制する減衰力を発揮できる場合に採用するべきゲインマップM1と、ダンパDが低周波ダンパ速度VLowを抑制する減衰力を発揮できない場合に採用するべきゲインマップM2と、を有する。ゲイン演算部63は、判断部60の判断結果から二つのゲインマップM1、M2のうちの一方を選択し、割算部62により正規化されたストローク速度Vd/LWから加算ゲインを求め、加算ゲインに1を加算して最終的に減衰力目標値Fに乗じるべき補正ゲインGを得る。つまり、ゲインの値が1から乖離すればするほど、減衰力目標値Fが大きく補正される。
ゲインマップM1、M2は、縦軸に加算ゲインを採り、横軸に正規化されたストローク速度Vd/LWを採ったグラフ上に設定される。ゲインマップM1は、図15中実線で示すように、横軸の−1から1までの値を採る正規化されたストローク速度Vd/LWに対して加算ゲインが0から0.3の間の値をとるようになっている。ゲインマップM2は、図15中破線で示すように、正規化されたストローク速度Vd/LWに対して加算ゲインが−0.3から0の間の値をとるようになっている。なお、割算部62の演算結果が1以上又は−1以下の値の場合、加算ゲインは、ゲインマップM1、M2の終端の値である−0.3又は0.3を採る。
ゲイン演算部63は、ゲインマップM1、M2を利用してマップ演算して得た加算ゲイン値に1を加算した値を補正ゲインGとして出力する。ストローク速度Vdの絶対値がばね下振動レベルLW以上の値となっても、加算ゲインは下限値の−0.3又は上限値の0.3に制限され、補正ゲインGの値は飽和する。また、補正ゲインGがダンパDのストローク速度Vdに応じて変化し、ストローク速度Vdが増加すると補正ゲインGも増加する。なお、ゲインマップM1、M2の縦軸に補正ゲインを採って、正規化されたストローク速度Vd/LWから直接的に補正ゲインGを求めてもよい。
乗算部64は、減衰力目標値Fに補正ゲインGを乗じて、最終的な減衰力目標値であるうねり悪路制御指令Fbを求める。ここで、ばね下振動レベルLWが大きい場合、振動中のダンパDのストローク速度Vdの振幅も大きくなるため、ばね下振動レベルLWが小さい場合と比較して、ストローク速度Vdの変化率が大きくなる。よって、ばね下振動レベルLWが大きい場合は、ばね下振動レベルLWが小さい場合と比較して、ダンパDの減衰力の変化率も大きくなり、特に、ストローク速度Vdが低速域にある場合に減衰力変化が著しくなる。したがって、ばね下振動レベルLWの大きさよらず、ストローク速度Vdのみによって補正ゲインGを決定すると、ばね下振動レベルLWが大きい場合にゲインの値の1からの乖離が大きくなりすぎてストローク速度Vdが低速域にある場合のダンパDの減衰力を急変させる可能性がある。
そこで、ばね下振動レベルLWの大きさ毎に補正ゲインマップを用意する。例えば、ばね下振動レベルLWが0.3及び0.6の場合の最低二つの補正ゲインマップを用意しておき、ばね下振動レベルLWが他の値を採る場合には、補正ゲインマップ間を線形補間する等して補正ゲインGを求める。なお、ばね下振動レベルLWが大きければ大きいほど、ストローク速度Vdが低速域にある場合の補正ゲインGが大きいと減衰力の急変の影響を受けやすいため、補正ゲインGの値が上記のように飽和するまでは、ばね下振動レベルLWが大きければ大きいほど、任意のストローク速度Vdに対して補正ゲインGの値の1からの乖離が小さくなるように設定される。
図23は、図20のステップS8において行われるうねり悪路制御指令Fbの演算処理を示すフローチャートである。ステップS31においてダンパ制御装置Eは、ストローク速度Vdを読み込む。ステップS32においてダンパ制御装置Eは、予め用意された減衰特性とストローク速度Vdから減衰力目標値Fを求める。ステップS33においてダンパ制御装置Eは、ダンパDが低周波ダンパ速度VLowを抑制する減衰力を発揮できるか否かを判定する。ステップS34においてダンパ制御装置Eは、ばね下振動レベルLWを読み込む。ステップS35においてダンパ制御装置Eは、ばね下振動レベルLWの値が下限値を下回ると下限値に、上限値を上回ると上限値に制限する処理を行う。ステップS36においてダンパ制御装置Eは、ストローク速度VdをステップS35において処理されたばね下振動レベルで除算する。ステップS37においてダンパ制御装置Eは、ステップS33の判断結果とステップS36の演算結果とゲインマップM1、M2とに基づいて加算ゲインを求める。ステップS39においてダンパ制御装置Eは、減衰力目標値Fと補正ゲインを乗算してうねり悪路制御指令Fbを求める。
なお、上述のように、割算部62を設けてゲイン演算部63のマップ演算におけるストローク速度Vdを正規化することで、ばね上部材の振動方向とダンパDの振動方向とが一致する場合のゲインマップM1と両者が一致しない場合のゲインマップM2とをそれぞれ一つ用意しておけば、ばね下振動レベルLWに応じた補正ゲインマップを多数用意する必要はない。これにより、演算が容易となり、ダンパ制御装置Eにおける記憶容量を小さくすることができる。
また、減衰力の急変を回避する必要がない場合には、ばね下振動レベルLWに応じた補正ゲインマップを用意するのではなく、ばね下振動レベルLWによって正規化せず、ストローク速度Vdから加算ゲイン又は補正ゲインGを求めるマップを用意して、補正ゲインGを求めてもよい。なお、ゲインマップM1、M2は、縦軸を中心として線対称となっているが、これに限られるものではない。
なお、ゲインマップM1、M2は、縦軸0のラインを中心として線対称になっており、任意の正規化されたストローク速度Vd/LWの値に対して、ゲインマップM1、M2に基づいてマップ演算された値は、互いに符号を反転させた値となる。これらの値に1を加えた値が補正ゲインGとなり、両者を加算すると2となる。本実施形態では、ダンパDの減衰特性が任意のストローク速度Vdに対してダンパDの伸長側と収縮側とで減衰力の絶対値が同じであって、伸側減衰力と圧側減衰力との比である伸圧比が1となっている。したがって、上記のように補正ゲインGを求めると、任意のストローク速度Vdに対するダンパDの伸側減衰力の値と圧側減衰力の値との和は、減衰力目標値Fに補正ゲインGを乗じる前後で同じ値となる。このようにすることで、ダンパDのストローク一周期で出力する減衰力とストローク速度Vdで演算されるエネルギ吸収量とは、減衰力目標値Fに補正ゲインGを乗じた場合と乗じる前とで等しくなる。ばね下部材の制振を考えると、ダンパDのエネルギ吸収量が同じであれば、ばね下部材の振動を充分抑制できるので、上記したように減衰力目標値Fに補正ゲインGを乗じる前後で減衰力のトータル量を等しくすることで、ばね下部材の振動抑制に必要充分な振動減衰量が確保されるため、ばね下部材の制振に悪影響を与えずに済む。
なお、本実施形態では、減衰力目標値Fに補正ゲインGを乗じて実際にダンパDの減衰力調整部18を駆動する駆動部27へ与えるうねり悪路制御指令Fbを求めているが、減衰特性を補正ゲインG倍することで減衰特性のマップを補正した後に、ストローク速度Vdと補正後のマップとからうねり悪路制御指令Fbを求めてもよい。さらに、例えば、減衰特性をいくつか用意しておき、ばね下振動レベルLWの値に応じて、ばね下部材の制振に最も適する減衰特性を選択し、選択された減衰特性に基づいて減衰力目標値Fを求め、補正ゲインGにて補正するようにしてもよい。
ゲイン演算部63によって求められるゲインは、低周波ダンパ速度VLowの値によって補正してもよい。例えば、図16に示すように、制御指令生成部2bは、ゲイン演算部63の後にゲイン補正部65を有し、ゲイン補正部65は、低周波ダンパ速度VLowの値が低い場合に、ゲイン演算部63によって求められるゲインに1以下の値を採る補正ゲインを乗じる。これにより、低周波ダンパ速度VLowが低い場合のゲインを小さくして減衰係数の変更度合いを小さくし、特に、ダンパDのストローク速度Vdの低周波成分の速度方向が逆転する際のダンパDの減衰力の急減を緩和して、車両における乗り心地をさらに向上させることが可能である。
さらに、上記補正ゲインGとは、別個独立して、車両の速度に応じてゲイン演算部63によって求められるゲインを補正するようにしてもよい。例えば、図17に示すように、制御指令生成部2bは、ゲイン演算部63の後にゲイン速度補正部66を有し、ゲイン速度補正部66は、ゲイン演算部63によって求められるゲインに車両の速度が高くなると徐々に大きくなる速度補正ゲインを乗じて上記ゲインを補正する。これにより、車両の速度に適した低周波ダンパ速度VLowの振動を抑制して、車両における乗り心地をさらに向上させることが可能である。なお、この車両の速度による上記ゲインの補正と低周波ダンパ速度VLowの値による上記ゲインの補正とは、互いに独立して設けて、両補正を実施するようにしてもよい。
うねり良路制御指令Fg及びうねり悪路制御指令Fbは、四つのダンパD毎に求められる。最終指令演算部3は、うねり良路制御指令Fgとうねり悪路制御指令Fbとに基づいてダンパD毎の最終制御指令Ffを求める。つまり、最終指令演算部3は、一つのダンパDについて求められたうねり良路制御指令Fgとうねり悪路制御指令Fbとに基づいて当該ダンパDの最終制御指令Ffを求める。例えば、車両の右前方の車輪Wと車体Bとの間に介装されるダンパDを右前ダンパとすると、右前ダンパについて求められたうねり良路制御指令Fgとうねり悪路制御指令Fbとに基づいて右前ダンパの最終制御指令Ffを求める。最終指令演算部3は、他のダンパDについても同様にして、全てのダンパDについて最終制御指令Ffを求める。
最終指令演算部3は、図18に示すように、ばね下振動レベルLWの入力に対して1から0に変化する良路ゲインGgと悪路ゲインGbとを求める路面ゲイン生成部3aと、路面ゲイン生成部3aで求めた良路ゲインGgとうねり良路制御指令Fgとを乗じた値と悪路ゲインGbとうねり悪路制御指令Fbとを乗じた値とを加算して最終制御指令Ffを求める最終指令生成部3bと、判定部25の判定結果が入力され最終制御指令Ffを有効とするか無効とするかを決定する決定部3cと、を備える。
路面ゲイン生成部3aは、ばね下振動レベルLWと良路ゲインGgとの関係を示すマップを保有しており、ばね下振動レベルLWが入力されるとマップ演算を行って良路ゲインGgを求める。路面ゲイン生成部3aは、良路ゲインGgを求めると、1からこの良路ゲインGgを減算して悪路ゲインGbを求める。良路ゲインGgは、ばね下振動レベルLWが大きくなると値が小さくなるようになっており、ばね下振動レベルLWの値が任意に設定される下方値以上になるまでは1をとり、ばね下振動レベルLWの値が任意に設定される下方値よりも大きい上方値以上になると0をとり、下方値と上方値との間ではばね下振動レベルLWの値の増加に対して1から0へと変化する。
最終制御指令Ffは、良路ゲインGgとうねり良路制御指令Fgとを乗じた値と悪路ゲインGbとうねり悪路制御指令Fbとを乗じた値とを加算して求められる。つまり、ばね下振動レベルLWの値が下方値よりも小さく、路面が良路であると推定される場合には、うねり良路制御指令Fgが有効となる一方、うねり悪路制御指令Fbが無効となる。ばね下振動レベルLWの値が上方値以上となり、路面が悪路であると推定される場合には、うねり良路制御指令Fgが無効となる一方、うねり悪路制御指令Fbが有効となる。ばね下振動レベルLWの値が下方値以上であって上方値未満となり、路面が良路と悪路の中間であると推定される場合には、ばね下振動レベルLWの大きさに応じてうねり良路制御指令Fgとうねり悪路制御指令Fbとの比率を変化させることで最終制御指令Ffを求める。このように最終制御指令Ffを求めるので、路面状況によってうねり良路制御とうねり悪路制御とをフェードインフェードアウトさせて切換えるような制御が可能となり、路面状況が良路と悪路との中間の状況であってもダンパDの発する減衰力を路面に最適なものとすることができる。
決定部3cは、判定部25において路面がうねり路であると判定された場合には、最終制御指令Ffをそのまま有効とし、路面がうねり路でないと判定された場合には、最終制御指令Ffの値を0として、電流値演算部26へ出力する。つまり、最終指令演算部3は、うねり路である場合には、うねり路に適した最終制御指令Ffを有効とし、うねり路でない場合には、上記したうねり路用の制御を無効とすべく最終制御指令Ffを0として電流値演算部26へ指令を送る。
図24は、図20のステップS9において行われる最終制御指令Ffの演算処理を示すフローチャートである。ステップS41においてダンパ制御装置Eは、ばね下振動レベルLWに基づいて1から0に変化する良路ゲインGdと悪路ゲインGbを求める。ステップS42においてダンパ制御装置Eは、うねり良路制御指令Fgと良路ゲインGbとを乗じた値とうねり悪路制御指令Fbと悪路ゲインGbとを乗じた値とを加算して最終制御指令Ffを求める。ステップS43においてダンパ制御装置Eは、うねり路であるか否か判定を行う。うねり路である場合は、最終制御指令Ffはそのままの値とする。うねり路でない場合は、ステップS44に進み、最終制御指令Ffを0とする。
なお、上記したうねり路用の制御以外の制御指令は、判定部25において、うねり路であると判定された場合に0となり、うねり路以外であると判定された場合にうねり路以外の制御則に則って求められた値となり、前述の最終制御指令Ffとともに電流値演算部26に入力される。
電流値演算部26は、うねり路用以外の制御指令と最終制御指令Ffとを比較して高い方を選択するハイセレクトした結果に基づいて減衰力調整部18へ与える電流値Iを求める。判定部25におけるうねり路判定とうねり路以外の判定との切り替えは、うねり路制御及びうねり路以外の制御の有効又は無効の判断に基づいて行われ、当該判断はフェードインフェードアウトさせるので、ダンパDの減衰力の急変を緩和することができる。
駆動部27は、例えば、PWM回路などを備え、電流値演算部26で求めた電流値I通りの電流量を減衰力調整部18へ供給する。各ダンパDは、うねり路判定がなされる場合、最終制御指令Ff通りの減衰力を発揮する。駆動部27は、PI補償、PID補償等の補償器を備え、減衰力調整部18に流れる電流をフィードバック制御し、減衰力調整部18へ電流値I通りに電流を供給する。なお、駆動部27がフィードバック制御を行わないようにしてもよい。
ダンパ制御装置Eは、うねり路では、車両に設けられた複数のダンパD毎にうねり良路制御指令Fgとうねり悪路制御指令Fbとに基づいて最終制御指令Ffを求めるので、車輪W毎に異なる路面状態を走行する場合であっても、全ダンパDが各車輪Wが走行する路面状況に適した減衰力を発揮することができる。よって、路面追従性と車両における乗り心地を向上させることができる。
さらに、ダンパ制御装置Eは、最終指令演算部3がうねり良路制御指令Fgに乗じる良路ゲインGgとうねり悪路制御指令Fbに乗じる悪路ゲインGbとを求め、うねり良路制御指令Fgに良路ゲインGgを乗じて得た値とうねり悪路制御指令Fbに悪路ゲインGbを乗じて得た値とに基づいて最終制御指令Ffを求める。これにより、路面状況が良路と悪路との中間の状況にあっても路面状況に最適な減衰力をダンパDに出力させることができるとともに、路面状況に応じてうねり良路制御とうねり悪路制御とをフェードインフェードアウトさせてダンパDの減衰力の急変を緩和することができる。よって、より一層、路面追従性と乗心地を向上することができる。
さらに、ダンパ制御装置Eでは、良路ゲインGgと悪路ゲインGbとを加算すると1となるように設定されるので、最終制御指令Ffが過剰となったり過少となったりすることを防止することができる。
さらに、うねり悪路制御を実施中であって、車両がフラットな路面を走行中に単発的な突起や凹部を通過する場合、ばね下部材の振動がばね上部材へ伝達されてばね上部材にばね上共振周波数帯の振動が励起される。このとき、ダンパ制御装置Eでは、ダンパDのストローク速度Vdの低周波ダンパ速度VLowを抑制してばね上部材の振動を抑制できるとともに、フラットな路面にばね上部材を追従させることができるので、スカイフック制御を行わなくてもスカイフック制御を実施した場合と同レベルのばね上部材の制振が可能である。
さらに、ダンパ制御装置Eは、うねり路を走行中であるか否かを判定する判定部25を備え、車両がうねり路を走行中であると判定される場合に、最終制御指令Ffを有効とするので、うねり路に適した制御をタイムリーに実行することができる。
さらに、ダンパ制御装置Eでは、判定部25の判定において、車体Bの振動の大きさであるばね上振動レベルLBに基づいてうねり路を走行中であるか否かを判定するので、車両がうねり路を走行中であるか否かを正確に判定することができ、うねり路制御とうねり路以外の制御との切り分けを正確に行うことができる。
さらに、ダンパ制御装置Eは、ばね上振動レベルLB及び車両の速度に基づいてうねり良路制御指令Fgを補正する速度補正部1dを備えるので、ばね上振動レベルLBが同じ値であっても、車速が高い場合は低い場合と比較してうねり良路制御指令Fgが大きくなり、車速が高くなると車速が低い場合と比較してダンパDが発生する減衰力が大きくなり、車両における車体姿勢を安定化させることができる。
さらに、ダンパ制御装置Eは、各ダンパDのストローク加速度αdに基づいてうねり良路制御指令Fgを補正する加速度補正部1eを備えるので、ストローク加速度αdが大きい場合には小さい場合と比較してうねり良路制御指令Fgが小さくなり、ダンパDの減衰力の急変が緩和されて、車両における乗り心地の悪化を防止することができる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、ダンパ制御装置Eは、ハードウェア資源としては、センサ部が出力する信号を取り込むためのA/D変換器と、振動レベル検知と電流値Iの演算に必要な処理に使用されるプログラムが格納されるROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、プログラムに基づいた処理を実行するCPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、CPUに記憶領域を提供するRAM(Random Access Memory)等の記憶装置と、を備える。CPUがプログラムを実行することで、ダンパ制御装置Eの動作が実現されればよい。
さらに、上記実施形態では、ダンパDの減衰特性が、任意のストローク速度Vdに対するダンパDの伸長側と収縮側との減衰力の大きさが同一となるように設定されているが、このような減衰特性をもたないダンパに対しても上記実施形態を適用可能である。この場合、うねり悪路制御指令Fbの生成に当たり、ダンパDの伸長時に出力される減衰力量と収縮時に出力される減衰力量とのトータルが同じになるように減衰特性を変更すれば、車輪Wの振動抑制に必要充分な減衰力量が確保されるため、車輪Wの制振に悪影響を与えることはない。
さらに、車輪Wのばね下振動レベルLWを検知するには、ストロークセンサ20で検出したシリンダ12とピストンロッド14との相対変位を検知する以外にも、車輪Wを車体Bに揺動可能に取り付けるアーム等にセンサを取り付けて、直接車輪Wの上下方向加速度を検出し、上下方向加速度を用いて第一参照値を求めてもよい。また、ダンパDにストロークセンサ20を組み込んでもよい。
さらに、上記実施形態では、四輪車両をモデルに説明したが、車両が四輪以上の車輪Wを備えている場合にも、同様に適用することができる。また、うねり良路制御演算部1及びうねり悪路制御演算部2は、一例であって、上記に限定されるものではない。
さらに、上記実施形態では、ダンパ制御装置Eは、車両が走行中の路面がうねり良路であるかうねり悪路であるかを判定しているが、この判定は、路面を判定しているのではなく、ばね上振動レベルLBとばね下振動レベルLWとを用いて、ばね上部材及びばね下部材の振動状況を評価して路面状況を推定しているのである。したがって、路面が実際にうねり路である場合にのみうねり良路制御とうねり悪路制御とが実行されるのではなく、ばね上振動レベルLBが大きくなる状況であれば路面がうねり路でなくても上記制御が実行さればね上部材の路面追従性が向上する。
本願は、2013年3月13日に日本国特許庁に出願された特願2013−050132に基づく優先権を主張し、この出願の全ての内容は参照により本明細書に組み込まれる。

Claims (7)

  1. 車両における車体と複数の車輪との間のそれぞれに介装される各ダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置であって、
    うねりを有する路面であるうねり良路に適するうねり良路制御指令を前記ダンパ毎に求めるうねり良路制御演算部と、
    前記うねり良路より凹凸の多いうねり悪路に適するうねり悪路制御指令を前記ダンパ毎に求めるうねり悪路制御演算部と、
    前記うねり良路制御指令と前記うねり悪路制御指令とに基づいて前記ダンパ毎の最終制御指令を求める最終指令演算部と、
    を備え
    前記最終指令演算部は、前記うねり良路制御指令に乗じる良路ゲインと前記うねり悪路制御指令に乗じる悪路ゲインとを求め、前記うねり良路制御指令に前記良路ゲインを乗じて得た値と前記うねり悪路制御指令に前記悪路ゲインを乗じて得た値とに基づいて前記最終制御指令を求める、
    ダンパ制御装置。
  2. 請求項に記載のダンパ制御装置であって、
    前記最終指令演算部は、前記車輪の各輪の振動の大きさであるばね下振動レベルに基づいて前記良路ゲインと前記悪路ゲインとを求める、
    ダンパ制御装置。
  3. 請求項に記載のダンパ制御装置であって、
    前記良路ゲインと前記悪路ゲインとを加算すると1になる、
    ダンパ制御装置。
  4. 請求項1に記載のダンパ制御装置であって、
    前記車両がうねり路を走行中であるか否かを判定する判定部をさらに備え、
    前記車両がうねり路を走行中であると判定される場合に、前記最終制御指令を有効とする、
    ダンパ制御装置。
  5. 請求項に記載のダンパ制御装置であって、
    前記判定部は、前記車体の振動の大きさであるばね上振動レベルに基づいて前記車両がうねり路を走行中であるか否かを判定する、
    ダンパ制御装置。
  6. 請求項1に記載のダンパ制御装置であって、
    前記車体の振動の大きさであるばね上振動レベル及び前記車両の速度に基づいて前記うねり良路制御指令を補正する速度補正部をさらに備える、
    ダンパ制御装置。
  7. 請求項1に記載のダンパ制御装置であって、
    前記各ダンパのストローク加速度に基づいて前記うねり良路制御指令を補正する加速度補正部をさらに備える、
    ダンパ制御装置。
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