JP2014196029A - サスペンション制御装置 - Google Patents

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智博 木下
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紀章 板垣
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隆則 深尾
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Abstract

【課題】センサ数を減らした場合でも、ばね下加速度の悪化を防ぐことができるようにする。
【解決手段】コントローラ9の指令値算出部13は、目標減衰力算出部11から出力される信号(目標減衰力)とピストン速度推定部12から出力される信号(ピストン速度)とに基づいて、可変ダンパの減衰力可変アクチュエータに出力すべき制御電流値としての指令値を算出する。指令値算出部13は、指令値を算出するときに、減衰力特性がソフト側からハード側へと移行する場合に比べて、ハード側からソフト側へと移行する場合の減衰力変化速度が遅くなるようにレイトリミット制御を行って指令値を決める構成としている。
【選択図】図2

Description

本発明は、例えば4輪自動車等の車両に搭載され、車両の振動を緩衝するのに好適に用いられるサスペンション制御装置に関する。
一般に、自動車等の車両には、車体と各車輪(車軸側)との間に減衰力調整式緩衝器が設けられ、該緩衝器による減衰力特性を調整する構成としたサスペンション制御装置が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。この種の従来技術によるサスペンション制御装置では、システムコストを低減する目的で、車体の振動抑制制御を行なうためのセンサ数を、可能な限り減らして少なくすることが提案されている。
特開2010−83329号公報
ところで、従来技術によれば、センサ数を減らすと、ピストン速度(即ち、ばね上、ばね下間の相対速度)の推定精度が悪くなる。ピストン速度の推定精度が低い場合、路面によっては急激な指令値の変化が生じ、ばね下加速度が悪化する場合がある。このため、本発明者等はばね下加速度が悪化するタイミングを分析し、下記のような知見を得た。
即ち、緩衝器の特性(指令値)をソフト側からハード側に変化させているときにはばね下加速度の悪化は見られない。しかし、ハード側からソフト側に指令値を変化させているタイミングで路面や車体挙動に大きな変化があると、目標減衰力が急峻となり、ばね下加速度が悪化することがある。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、センサ数を減らした場合であっても、ばね下加速度の悪化を防止することができるようにしたサスペンション制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決するために本発明は、車体と車輪との間に介装されて外部からの指令により減衰力を変化させる減衰力調整式緩衝器と、前記車体に取付けられる振動検出手段による実振動検出値に基づいてその減衰力を制御する制御装置とからなるサスペンション制御装置であって、前記制御装置は、前記実振動検出値からピストン速度を推定し、目標減衰力を前記推定ピストン速度に応じてハード側からソフト側、またはソフト側からハード側に補正する目標減衰力補正手段を有し、前記目標減衰力補正手段は、減衰力をソフト側からハード側に移行する減衰力の変化速度と比して、ハード側からソフト側に移行する減衰力の変化速度を遅くすることを特徴としている。
本発明によれば、急激な減衰力の変化を抑制でき、ばね下加速度の悪化を防止することができる。
本発明の実施の形態によるサスペンション制御装置を模式的に示す図である。 図1中のコントローラによる制御内容を具体化して示す制御ブロック図である。 本発明の実施の形態によるピストン速度と目標減衰力との関係を示す特性線図である。 実施の形態によるレイトリミット制御によってハード側からソフト側に移行する減衰力の変化速度を遅くする場合の指令値特性を示す特性線図である。 レイトリミット制御を行う場合の角度と指令値変化速度との関係を示す特性線図である。 ばね下を共振させる路面を実車で走行したときのばね上加速度、ばね下加速度および指令値の変化特性を、実車試験データとして示す特性線図である。 比較例によるピストン速度と目標減衰力との関係を示す特性線図である。
以下、本発明の実施の形態によるサスペンション装置を、4輪自動車に適用した場合を例に挙げ、添付図面に従って詳細に説明する。
図1において、車両のボディを構成する車体1の下側には、例えば左,右の前輪と左,右の後輪(以下、総称して車輪2という)が設けられ、これらの車輪2はタイヤ3を含んで構成されている。タイヤ3は、路面の細かい凹凸を吸収するばねとして作用する。
サスペンション装置4は、車体1と車輪2との間に介装して設けられている。このサスペンション装置4は、懸架ばね5(以下、スプリング5という)と、該スプリング5と並列関係をなして車体1と車輪2との間に設けられた減衰力調整式緩衝器(以下、可変ダンパ6という)とにより構成される。なお、図1中では1組のサスペンション装置4を、車体1と車輪2との間に設けた場合を示している。しかし、サスペンション装置4は、例えば4つの車輪2と車体1との間に個別に独立して合計4組設けられるもので、このうちの1組のみを図1では模式的に図示している。
ここで、サスペンション装置4の可変ダンパ6は、減衰力調整式の油圧緩衝器を用いて構成される。この可変ダンパ6には、発生減衰力の特性(即ち、減衰力特性)をハードな特性(硬特性)からソフトな特性(軟特性)に連続的に調整するため、減衰力調整バルブ等からなる減衰力可変アクチュエータ7が付設されている。なお、減衰力可変アクチュエータ7は、減衰力特性を必ずしも連続的に調整する構成でなくてもよく、例えば2段階以上の複数段階で減衰力を調整可能なものであってもよい。また、可変ダンパ6は、圧力制御タイプでもよく、流量制御タイプであってもよい。
ばね上加速度センサ8は振動検出手段を構成し、車体1に設けられている。該ばね上加速度センサ8は、例えば可変ダンパ6の近傍となる位置で車体1に取付けられている。ばね上加速度センサ8は、所謂ばね上側となる車体1側で上,下方向の振動加速度を検出し、その検出信号を実振動検出値として後述のコントローラ9に出力する。
制御装置としてのコントローラ9は、例えばマイクロコンピュータを用いて構成されている。該コントローラ9は、ばね上加速度センサ8等からの検出信号に基づいて可変ダンパ6で発生すべき減衰力を後述の指令値により可変に制御するものである。コントローラ9は、その入力側がばね上加速度センサ8等に接続され、出力側が可変ダンパ6の減衰力可変アクチュエータ7等に接続されている。
本実施の形態では、システムコストを低減する目的で、車体の振動抑制制御を行なうためのセンサ数を、可能な限り減らして少なくしており、例えばばね下加速度センサ等は取付けられていない。また、コントローラ9は、ROM、RAM、不揮発性メモリ等からなる記憶部9Aを有している。コントローラ9の記憶部9Aには、図3、図4、図5に示す後述の特性線14,15、16,18等が更新可能な特性マップとして格納されている。
ここで、コントローラ9は、図2に示すように、ばね上速度推定部10、目標減衰力算出部11、ピストン速度推定部12および指令値算出部13を含んで構成されている。ばね上速度推定部10は、例えば積分器等を用いてばね上加速度センサ8からの検出信号(即ち、ばね上加速度)を積分することによって、車体1の上,下方向の変位速度をばね上速度として推定演算する。
目標減衰力算出部11は、ばね上速度推定部10から出力される前記ばね上速度に基づいて、可変ダンパ6で発生させる目標減衰力を算出する。この目標減衰力は、例えばスカイフック制御理論より求めることができる。なお、目標減衰力を算出する制御則としては、スカイフック制御に限らず、例えば最適制御、H∞制御等のフィードバック制御を用いることができる。
コントローラ9のピストン速度推定部12は、可変ダンパ6のピストンロッド(図示せず)が伸長,縮小するときの速度をピストン速度として推定演算するものである。このピストン速度は、ばね上加速度センサ8からの検出信号(即ち、ばね上加速度)に基づいて推定演算により求めることができる。ピストン速度は、ばね上側とばね下側との相対速度に該当するものである。
コントローラ9の指令値算出部13は、目標減衰力算出部11から出力される信号(目標減衰力)とピストン速度推定部12から出力される信号(ピストン速度)とに基づいて、可変ダンパ6の減衰力可変アクチュエータ7に出力すべき制御電流値としての指令値を算出する。指令値算出部13は、目標減衰力算出部11およびピストン速度推定部12と共に、前記実振動検出値からピストン速度を推定し、目標減衰力を前記推定ピストン速度に応じてハード側からソフト側、またはソフト側からハード側に補正する目標減衰力補正手段を構成している。
図3に示す特性線14は、後述のレイトリミット制御を行う場合のピストン速度と目標減衰力との関係を表している。この特性線14のうち特性線部14A,14Bは、図3中の第1象限にあり、このときピストン速度は伸び方向で正の値であり、目標減衰力は、可変ダンパ6の伸びを抑える方向に発生する正の減衰力となっている。そして、特性線部14A,14Bでは、レイトリミット制御により目標減衰力が正のときにピストン速度を負に行かせないようにする。
特性線14のうち特性線部14C,14Dは、図3中の第3象限にあり、このときピストン速度は縮み方向で負の値であり、目標減衰力は、可変ダンパ6の縮みを抑える方向に発生する負の減衰力となっている。そして、特性線部14C,14Dでは、目標減衰力が負のときにピストン速度を正に行かないようにする。
ここで、指令値算出部13は、指令値を算出するときに、減衰力特性がソフト側からハード側へと移行する場合に比べて、ハード側からソフト側へと移行する場合の減衰力変化速度が遅くなるようにレイトリミット制御を行って指令値を決める。このような指令値の算出には、減衰力とピストン速度の関係から求めてもよいし、バックステッピング法等により求めることもできる。また、レイトリミット制御は、前述の如く減衰力がハード側からソフト側へと移行するときに行い、その後はレイトリミット制御から通常の制御に戻すようにする。
次に、ハード側からソフト側へ移行する減衰力の変化速度を遅くする方法の1つとして、指令値を滑らかに下げるように変化させるレイトリミット制御について説明する。即ち、図4中に実線で示す特性線15、または点線で示す特性線16のように、指令値nをハード側からソフト側へと変化させる場合に、指令値nの変化速度に対して制限をもたせることによって、減衰力の急峻な変化を防ぐことができる。
一方、レイトリミット制御を行わない場合には、図4中に一点鎖線で示す特性線17のように、指令値nをハード側からソフト側へと変化させるときに、指令値nの変化速度に対して制限をもたせていないために、減衰力が急峻に変化している。なお、レイトリミット制御を行う上で、指令値nの変化速度を制限するために用いる関数は、指令値nと時間に依存する関数であり、二次関数、指数関数等を用いることができる。
図4中に点線で示す特性線16では、指令値nの変化速度を制限している曲線(即ち、特性線15)上から1点を、例えばソフトとハードの中間であるミドルの指令値を基準値Nmとして選び、点線で示す特性線部16A,16Bの如く、指令値nの変化を基準値Nmに基づいて2段階で制限する方法を採用している。
即ち、指令値nの変化を制限するために角度θを用いており、角度θが任意の最小角度θminよりも小さくならないように制限する。最小角度θminは、これまでの実験データ、経験値等によって決められる角度である。また、指令値nの大きさに応じてtanθminを切り替え、下記の数1,数2式のように設定する。ここで、a,bは任意の定数であり、これまでの実験データ、経験値等によって決められる値である。
Figure 2014196029
Figure 2014196029
図5に示す特性線18は、前記数1,2式による特性を表している。即ち、指令値nが基準値Nm以上(n≧Nm)のとき、指令値nの変化速度は、図5の範囲(a)で変化する。即ち、指令値nの変化速度は、0≧n≧−aに設定される。一方、指令値nが基準値Nmよりも小さい(n<Nm)のときに、指令値nの変化速度は、図5の範囲(b)で変化し、0≧n≧−bに設定される。このように、指令値nが基準値Nm以上となって大きいときは、指令値nの変化速度の制限を大きくし、指令値nが基準値Nmよりも小さいときは、指令値nの変化速度の制限を小さくなるように設定する。
指令値n(即ち、制御電流値)の変化は、減衰係数を変えることで制限されるものである。即ち、ピストン速度が一定のとき、指令値nの変化は減衰係数を変えることと等価である。換言すると、可変ダンパ6により発生する減衰力をハード側からソフト側に移行する際に用いる減衰係数は、前記減衰力をソフト側からハード側に移行する際に用いる減衰係数と比して小さく設定されるものである。
本実施の形態による車両用のサスペンション制御装置は、上述の如き構成を有するもので、次に、コントローラ9を用いて可変ダンパ6の減衰力特性を可変に制御する処理について説明する。
コントローラ9には、車両の走行時に発生する車体1(ばね上)側の上,下方向の振動による加速度が、ばね上加速度センサ8からの信号により実振動検出値として入力される。コントローラ9のばね上速度推定部10は、例えばばね上加速度センサ8からの検出信号(即ち、ばね上加速度)を積分することによって、車体1の上,下方向の変位速度をばね上速度として推定演算する。目標減衰力算出部11は、ばね上速度推定部10から出力される前記ばね上速度に基づいて、可変ダンパ6で発生させるべき目標減衰力を算出する。
コントローラ9のピストン速度推定部12は、ばね上加速度センサ8からの検出信号(即ち、ばね上加速度)に基づいて可変ダンパ6のピストン速度を推定演算により求める。コントローラ9の指令値算出部は、目標減衰力算出部11から出力される目標減衰力と、ピストン速度推定部12から出力されるピストン速度とに基づいて、可変ダンパ6の減衰力可変アクチュエータ7に出力すべき制御電流値としての指令値を算出する。
そして、車体1と車輪2との間に設けられた可変ダンパ6は、コントローラ9からの指令値が指令電流として減衰力可変アクチュエータ7に入力され、該減衰力可変アクチュエータ7は、可変ダンパ6内を流通する油液の流路面積を可変に制御するように駆動される。これにより、可変ダンパ6の減衰力特性は、ハードな特性(硬特性)とソフトな特性(軟特性)との間で可変に制御される。
ところで、ピストン速度推定部12は、例えばセンサ数を減らすことによりピストン速度の推定精度が悪くなることがある。ピストン速度の推定精度が低い場合には、路面によっては急激な指令値の変化が生じ、ばね下加速度が悪化する場合がある。即ち、ばね下の上,下振動が大きくなると、ばね下共振周波数の振動成分が増大して車両の乗り心地が悪化する。また、路面の凹凸に対する車輪2(タイヤ3)およびサスペンション装置4の追従性が低下し、結果として車両の上,下方向振動が大きくなり乗り心地の悪化を招くことになる。
本発明者等は、ばね下加速度が悪化するタイミングを分析し、下記のような知見を得た。即ち、緩衝器の特性(指令値)をソフト側からハード側に変化させているときにはばね下加速度の悪化は見られない。しかし、ハード側からソフト側に指令値を変化させているタイミングで路面や車体挙動に大きな変化があると、目標減衰力が急峻となり、ばね下加速度が悪化することがある。
図7に示す比較例は、現状の目標減衰力の変化経路を特性線19(特性線部19A,19B,19C,19D)により表している。図7中に示す経路Iは、目標減衰力の低下によるハードからソフトへの経路である。経路IIは、目標減衰力が正のときに推定ピストン速度が正から負へと変化した場合のハード側からソフト側へと移行する経路である。経路Iでは、ソフト抜けの原因となり得るほどに目標減衰力が急峻となっていない。これに対し、経路IIでは、第1象限から第2象限に入った瞬間、指令値の傾きは無限大になり得る。即ち、経路IIのように、目標減衰力が正であり、推定ピストン速度が負になるときに指令値が急峻に変化することがある。
そこで、本実施の形態によるサスペンション制御装置では、図3に示す特性線14のうち第1象限にある特性線部14Aの途中で目標減衰力をハード側からソフト側に移行させるときに、図3中に示す経路IIIに沿ったレイトリミット制御を行う構成としている。即ち、経路IIIに沿ったレイトリミット制御では、目標減衰力が正のときは推定ピストン速度が負にならないように推定ピストン速度を制約する。
換言すると、目標減衰力が正の場合に、推定ピストン速度は零より大きい正の速度とし、目標減衰力が負の場合には、推定ピストン速度を零より小さい負の速度とする。これを前提として、図2に示す目標減衰力算出部11から指令値算出部13に出力される信号(目標減衰力)が正から負に切り替わった場合(即ち、図3中の経路IIIの場合)には、指令値である制御電流を滑らかに下げるように変化させるレイトリミット制御を行うものである。即ち、目標減衰力が負の減衰力の場合は、減衰係数の変化速度を遅くする制御を行う。
本実施の形態によるレイトリミット制御では、図4中に実線で示す特性線15、または点線で示す特性線16のように、指令値nをハード側からソフト側へと変化させる場合に、指令値nの変化速度に対して制限をもたせることにより、減衰力の急峻な変化を防ぐことができる。
このように、レイトリミット制御を行う上で指令値nの変化速度を制限するために用いる関数は、指令値nと時間に依存する関数であり、二次関数、指数関数等を用いることができ、例えば図4中に実線で示す特性線15に沿って、指令値nの変化速度を曲線状に遅くすることができる。
また、図4中に点線で示す特性線16に沿ってレイトリミット制御を行う構成としてもよい。この場合は、点線で示す特性線部16A,16Bの如く、指令値nの変化を基準値Nmに基づいて2段階で制限することができる。即ち、指令値nが基準値Nm以上のときには、指令値nの変化速度を図5の範囲(a)に制限し、指令値nが基準値Nmよりも小さいときには、指令値nの変化速度を図5の範囲(b)に制限する。これにより、指令値nが基準値Nmより大きいときには、指令値nの変化速度の制限を大きくすることができ、指令値nが基準値Nmよりも小さいときには、指令値nの変化速度の制限を小さくなるように設定することができる。
図6に示す特性線20〜25は、実車でばね下を共振させる路面を走行したときの試験データである。なお、この実車試験では、ばね下加速度の変化特性を正確に検出するために車輪側にばね下加速度センサを取付けている。しかし、センサ数を減らしてシステムコストを低減するときには、ばね下加速度センサは不要にできるものである。
図6中に実線で示す特性線20は、本実施の形態によるレイトリミット制御を行った場合のばね上加速度の変化特性である。同じく実線で示す特性線21は、レイトリミット制御を行った場合のばね下加速度の変化特性であり、実線で示す特性線22は、レイトリミット制御を行った場合の指令値の変化特性である。一方、一点鎖線で示す特性線23,24,25は、レイトリミット制御を行っていない比較例の場合のばね上加速度,ばね下加速度,指令値の変化特性である。
図6中の特性線20〜25からも分かるように、レイトリミット制御によりハード側からソフト側に移行する減衰力の変化速度が遅くなるように、特性線22の如く指令値を制御することによって、特性線21の如くばね下加速度の悪化を抑えることができている。また、ばね上加速度は、特性線20で示すように悪化してはいない。これに対し、減衰力の変化速度を考慮していない比較例の場合には、一点鎖線で示す特性線24,25の如く、ハード側からソフト側へ指令値が移行するときに、ばね下加速度が急変して悪化している。
かくして、本実施の形態によれば、車体1の制振制御を行なうためのセンサ数を、システムコスト等を低減するために減らした場合でも、レイトリミット制御によりハード側からソフト側に移行する減衰力の変化速度が遅くなるように指令値を制御することによって、ばね下加速度の悪化を防止することができる。
従って、本実施の形態では、ばね下の上,下振動が大きくなるのを抑えることができ、ばね下共振周波数の振動成分の増大を抑制して車両の乗り心地を高めることができる。また、路面の凹凸に対する車輪2(タイヤ3)およびサスペンション装置4の追従性を向上でき、車両の上,下方向振動が大きくなるのを抑え、乗り心地の悪化を防ぐことができる。
また、可変ダンパ6が伸長行程と縮小行程との間で行程反転するときのように、例えばピストン速度が正から負へと切換るときには、指令値である制御電流を滑らかに下げるように変化させるレイトリミット制御を行うことにより、減衰力の急変に起因する異音や加加速度(ジャーク)の発生を低減することができる。
なお、前記実施の形態では、センサ数を減らす目的でばね下加速度センサを用いない場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば車両の車輪2側にばね下加速度センサを設け、所謂ばね下側となる車輪2側で上,下方向の振動加速度を検出する構成としてもよい。この場合には、ばね下加速度センサとばね上加速度センサとの検出信号に基づいて、所謂相対速度であるピストン速度を求める構成としてもよい。
また、前記実施の形態では、車体の振動を検出する振動検出手段をばね上加速度センサ8により構成する場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば車高センサを用いて振動検出手段を構成してもよく、車輪速センサ等の他のセンサ情報で、各車輪毎の上下運動を推定することで検出するようにしてもよい。
次に、前記実施の形態に含まれる発明について記載する。本発明によれば、前記減衰力をソフト側からハード側に移行する際に用いる減衰係数と比して、ハード側からソフト側に移行する際に用いる減衰係数を小さくする構成としている。このため、減衰力がハード側からソフト側に移行する際に急激な減衰力の変化を抑制でき、ばね下加速度の悪化を防止することができる。これにより、減衰力の急変に起因する異音やジャークの発生を低減することができる。
なお、本発明のレイトリミット制御が実施されているかの確認は、コントローラに最大ハードから最大ソフトになる条件のセンサ信号を入力し、また、最大ソフトから最大ハードになる条件のセンサ信号を入力し、このとき、アクチュエータへの供給電流の時間変化率を比較することで行うことができる。
1 車体
2 車輪
4 サスペンション装置
5 スプリング(懸架ばね)
6 可変ダンパ(減衰力調整式緩衝器)
7 減衰力可変アクチュエータ
8 ばね上加速度センサ(振動検出手段)
9 コントローラ(制御装置)
10 ばね上速度推定部
11 目標減衰力算出部
12 ピストン速度推定部
13 指令値算出部(目標減衰力補正手段)

Claims (1)

  1. 車体と車輪との間に介装されて外部からの指令により減衰力を変化させる減衰力調整式緩衝器と、前記車体に取付けられる振動検出手段による実振動検出値に基づいてその減衰力を制御する制御装置とからなるサスペンション制御装置であって、
    前記制御装置は、前記実振動検出値からピストン速度を推定し、目標減衰力を前記推定ピストン速度に応じてハード側からソフト側、またはソフト側からハード側に補正する目標減衰力補正手段を有し、
    前記目標減衰力補正手段は、減衰力をソフト側からハード側に移行する減衰力の変化速度と比して、ハード側からソフト側に移行する減衰力の変化速度を遅くすることを特徴とするサスペンション制御装置。
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