JP5952629B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両の振動を緩衝するのに好適に用いられるサスペンション制御装置に関する。
一般に、自動車等の車両には、車体と各車輪との間に減衰力調整式緩衝器が設けられている。そして、該緩衝器による減衰力特性を可変に制御し、例えば車両の乗り心地を向上させる構成としたサスペンション制御装置が搭載されている(例えば、特許文献1参照)。
この種の従来技術によるサスペンション制御装置では、例えばセミアクティブサスペンションの乗り心地制御を行う場合に、ばね上加速度センサとばね下加速度センサから得られた加速度情報により、ばね上,ばね下間の相対速度を算出する。また、前記ばね上加速度センサから得られた加速度情報を積分し、ばね上速度を求める。該ばね上速度から目標減衰力を算出し、相対速度と目標減衰力のマップを用いて、前記減衰力特性を可変に制御するための電流値を算出している。
特開2009−286397号公報
ところで、従来技術によるサスペンション制御装置は、複数の加速度センサを車両のばね上とばね下とに取付ける必要があり、取付け性が悪い。また、サスペンション制御の乗り心地性能のさらなる向上が求められている。
本発明は、上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、本発明の目的は、センサの取付け性を向上することができ、またサスペンション制御の乗り心地性能を向上させたサスペンション制御装置を提供することにある。
上述した課題を解決するため、請求項1に係る発明は、作動流体が封入されたシリンダと、該シリンダ内に摺動可能に挿嵌され該シリンダ内をロッド側室とボトム側室とに画成するピストンと、該ピストンに連結され前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドと、前記シリンダ内での前記ピストンの摺動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構と、前記シリンダの外側に設けられ、前記シリンダとの間にリザーバ室を画成する外筒と、該外筒に固定されて、懸架ばねを支持するスプリングシートと、を備え、該スプリングシートに取付けられ、前記スプリングシートに加えられる荷重を検出する荷重検出手段と、前記外筒に取付けられ、前記リザーバ室内の圧力変動を検出する圧力検出手段と、該圧力検出手段および前記荷重検出手段による検出信号から前記減衰力発生機構で発生させる減衰力を演算して求める減衰力演算手段と、を有し、前記荷重検出手段は前記スプリングシートの変形を検出する第1の歪センサにより構成し、前記圧力検出手段は前記外筒の変形を検出する第2の歪センサにより構成し、前記スプリングシートは、前記外筒の外周面に沿って延びる取付部を有し、該取付部には切欠きを設け、前記第1,第2の歪センサはケース構造をなし、前記外筒と前記スプリングシートとに跨って取付けられ、前記第2の歪センサは前記切欠き内に位置することを特徴としている。
本発明によれば、取付け性を向上することができ、またサスペンション制御の乗り心地性能を向上させることができる。
本発明の実施の形態によるサスペンション制御装置を模式的に示す構成図である。 図1中のサスペンション装置を具体化して示す一部破断の正面図である。 4つの車輪側に設けられるサスペンション装置を電源およびECUに接続した状態を示す全体構成図である。 コントロールユニットによる制御処理を示す流れ図である。 コントロールユニットによる制御内容を具体化して示す制御ブロック図である。 図5中の減衰力推定部による制御内容を示す制御ブロック図である。 油液の流量と下室圧との関係を示す特性線図である。 スプリングシートの歪量、変位、相対速度、ばね力、外筒の歪量、上室圧、下室圧および減衰力目標値の特性を示す特性線図である。 図2中の外筒、スプリングシート、制御ユニットおよび歪センサを右側から拡大してみた側面図である。 図9とは制御ユニットおよび歪センサの取付位置が異なる変形例を示す側面図である。
以下、本発明の実施の形態によるサスペンション装置を、例えば4輪自動車に適用した場合を例に挙げ、添付図面の図1〜図9に従って詳細に説明する。
図1において、車両のボディを構成する車体1は、後述する懸架ばね5の上側に配置され、一般に「ばね上」と呼ばれる。「ばね下」と呼ばれる車輪2は、懸架ばね5の下側に配置され、例えば左,右の前輪と左,右の後輪とを含んで構成されている。これらの車輪2はタイヤ3を有し、該タイヤ3は、路面の細かい凹凸を吸収するばねとして作用する。
サスペンション装置4は、車体1と車輪2との間に介装して設けられる。このサスペンション装置4は、ばね下,ばね上間に配置される懸架ばね5と、この懸架ばね5と並列になって車体1と車輪2との間に設けられた減衰力調整式緩衝器(以下、可変ダンパ6という)とにより構成されている。なお、図1中では、1組のサスペンション装置4を、車体1と車輪2との間に設けた場合を例示している。しかし、サスペンション装置4は、実際には左,右の前輪と左,右の後輪(即ち、車輪2)と車体1との間に個別に独立して合計4組(図3参照)設けられるもので、このうちの1組のみを図1では模式的に図示している。
ここで、サスペンション装置4の可変ダンパ6は、図2に示すように減衰力調整式の油圧緩衝器を用いて構成される。可変ダンパ6は、作動流体としての油液が封入されたシリンダとしての内筒7と、該内筒7の内側に摺動可能に挿嵌され内筒7内をロッド側室としての上室Aとボトム側室としての下室Bとに画成したピストン8と、下端側が該ピストン8に連結され上端側が内筒7の外部に突出するように延出されたピストンロッド9と、ピストン8が内筒7内で摺動変位することによって生じる前記油液(作動流体)の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力調整バルブ等の減衰力発生機構10とを備えている。
また、可変ダンパ6は、内筒7の外側に設けられ内筒7との間に環状のリザーバ室Cを画成するベースシェルとしての外筒11と、該外筒11の外周側に固定して設けられ車体懸架用のばねである懸架ばね5を下側から支持するスプリングシート12と、ピストンロッド9の突出端側に設けられスプリングシート12との間で懸架ばね5を上,下方向から挟むばね受13とを備えている。ピストンロッド9は、懸架ばね5により常に伸長方向に付勢されている。
減衰力調整バルブ等からなる減衰力発生機構10は、例えば図2に示す如く外筒11の外側に設置され、可変ダンパ6の減衰力特性をハードな特性(硬特性)からソフトな特性(軟特性)に連続的に調整するためアクチュエータ(図示せず)が付設されている。なお、減衰力発生機構10は、減衰力特性を連続的に調整するものに限らず、例えば2段階または3段階以上の多段階で減衰力特性を調整可能なものであってもよい。
スプリングシート12は、外筒11の外周面に沿って下向きに延びる取付部12Aを有し、この取付部12Aは、例えば図9に示す複数の接合部14において外筒11の外周面に溶接等の手段で固着されている。また、スプリングシート12の取付部12Aには、逆U字状をなす切欠き12Bが形成されている。後述の歪センサ17は、スプリングシート12の力(即ち、応力−歪の影響)が伝わらないように、切欠き12B内に位置して外筒11の外周面に取付けられている。
制御部を構成する制御ユニット15は、図9に示すように、上,下方向に延びる略長方形(四角形状)のケース構造をなし、可変ダンパ6の外筒11とスプリングシート12とに跨って取付けられている。この制御ユニット15は、後述のコントロールユニット18をECU19と共に構成している。制御ユニット15には、スプリングシート12に加えられる荷重を検出する荷重検出手段としての第1の歪センサ16と、リザーバ室C内の圧力変動を検出する圧力検出手段としての第2の歪センサ17とが一体構造をなすように設けられている。
第1の歪センサ16は、その検出端側がスプリングシート12の取付部12Aに取付けられ、制御ユニット15は歪センサ16を外側から囲繞するように構成されている。これにより、歪センサ16は、スプリングシート12の弾性変形を後述の歪量ε1 として検出し、その検出信号を制御ユニット15に出力する。そして、制御ユニット15は、一例としては後述のストローク量算出部24を構成し、スプリングシート12の歪量ε1 から懸架ばね5の変位量x1 を算出する機能を有している。
第2の歪センサ17は、その検出端側がスプリングシート12の切欠き12B内に位置して外筒11の外周面に取付けられている。制御ユニット15は、歪センサ16,17を外側から覆う構造をなし、外筒11とスプリングシート12とに着脱可能に固定されている。そして、歪センサ17は、外筒11の弾性変形を後述の歪量ε2 として検出し、その検出信号を制御ユニット15を介して後述のECU19に出力するものである。
減衰力演算手段を構成するコントロールユニット18は、歪センサ16,17の検出信号(即ち、後述の歪量ε1 ,ε2 )から減衰力発生機構10で発生させるべき減衰力を下記の演算式(例えば、数1〜13式)により演算して求める。コントロールユニット18は、図3に示す各可変ダンパ6側の制御ユニット15とECU19とを含んで構成されている。
ここで、図3は、上述の如き可変ダンパ6を4輪自動車に適用した場合のセミアクティブサスペンションのシステム構成を示している。各可変ダンパ6側の制御ユニット15とECU19とは、公知のCAN通信(Controller Area Network)やFlexRay通信といった情報通信用の車両データバス20で接続されている。車載のバッテリからなる電源21は、電源ライン22を用いてECU19と各制御ユニット15とに接続されている。各可変ダンパ6側の制御ユニット15と減衰力発生機構10(アクチュエータ)とはハーネス23で接続されている。
ここで、制御ユニット15およびECU19からなるコントロールユニット18は、図5に示すように、ストローク量算出部24、相対速度算出部25、オブザーバ26、スカイフック制御部27、減衰力補正部28、電流算出部29および減衰力推定部30を含んで構成されている。このうち、ストローク量算出部24は、例えば制御ユニット15内に設けられ、ECU19内には、相対速度算出部25、オブザーバ26、スカイフック制御部27、減衰力補正部28、電流算出部29および減衰力推定部30を設ける構成としている。
しかし、本発明は、これに限定されるものではなく、ストローク量算出部24、相対速度算出部25、オブザーバ26、スカイフック制御部27、減衰力補正部28、電流算出部29および減衰力推定部30の全てを、制御ユニット15とECU19とのいずれか一方に設ける構成としてもよい。また、これらの一部を制御ユニット15側に設け、残りをECU19側に設ける構成としてもよい。
ストローク量算出部24は、スプリングシート12に取付けた歪センサ16による歪量ε1 (即ち、スプリングシート12の弾性変形量)と、可変ダンパ6の弾性係数E1 (可変ダンパ6に固有な固定値)とから、下記の数1式によりスプリングシート12に作用する応力σ1 を求める。なお、スプリングシート12の歪量ε1 は、後述の図8に示す特性線35のように、ピストンロッド9の伸縮動作等に従って変化する特性となる。
Figure 0005952629
また、懸架ばね5のばね力Fs は、このときの応力σ1 に断面積As を掛けることにより、下記の数2式で求められる。一方、懸架ばね5のばね力Fs と変位量x1 との関係は、懸架ばね5のばね定数k1 からフックの法則により、下記の数3式の関係となる。
Figure 0005952629
Figure 0005952629
このように、ストローク量算出部24は、前記数1〜3式の演算結果から懸架ばね5の変位量x1 を求める。この変位量x1 は、ばね上,ばね下間の相対変位に相当し、図8に示す後述の特性線36として取出すことができる。次に、相対速度算出部25は、ストローク量算出部24から出力される変位量x1 を微分してばね上,ばね下間の相対速度V1 を算出する。この相対速度V1 は、図8に示す後述の特性線37として求めることができる。懸架ばね5のばね力Fs は、特性線38として求めることができる。
また、オブザーバ26は、指令電流値Ic 、変位量x1 および相対速度V1 からばね上速度V2 を算出する。オブザーバ26は、例えば現代制御理論を適用したカルマンフィルタを用いて構成されている。オブザーバ26は、ストローク量算出部24から出力される変位量x1 と、相対速度算出部25から出力される相対速度V1 と、後述の電流算出部29から出力される指令電流値Ic とを取得し、これらの信号からばね上速度V2 を演算する。
次に、スカイフック制御部27では、例えばスカイフック制御理論によるゲインマップを用いて、オブザーバ26によるばね上速度V2 から目標減衰力Ft を算出する。次の減衰力補正部28は、スカイフック制御部27で算出した目標減衰力Ft を後述の減衰力推定部30で算出した推定減衰力Fe により補正し、減衰力補正値Fc を出力する。そして、電流算出部29は、この減衰力補正値Fc と相対速度V1 とを用いて制御指令としての指令電流値Ic を求める。
一方、減衰力推定部30は、外筒11に取付けた歪センサ17による外筒11の歪量ε2 と相対速度算出部25による相対速度V1 とに基づいて、実際に可変ダンパ6で制御している減衰力を推定し、推定減衰力Fe を出力する。ここで、減衰力推定部30は、図6に示すように、下室圧算出部31、上室圧算出部32および減衰力判断部33を含んで構成されている。
下室圧算出部31では、相対速度算出部25から入力された相対速度V1 と下室B側でのピストン8の断面積A1 とに基づいて、下室Bに流入,出する油液の流量Qx (L/min )を下記の数4式により算出する。こうして求めた流量Qx を、図7に示す特性線34による演算マップ(即ち、可変ダンパ6の下室圧−流量特性として予め決められている特性マップ)に代入することにより、下室Bの圧力P1 (MPa )を算出する。下室Bの圧力P1 は、図8に示す下室圧の特性線41として求めることができる。
Figure 0005952629
次に、上室圧算出部32では、上室Aの圧力P2 を下記のように算出する。外筒11に作用する応力σ2 は、歪センサ17から出力される外筒11の歪量ε2 と、外筒11の材料により予め決められる弾性係数E2 とにより、下記の数5式により求められる。外筒11の歪量ε2 は、図8に示す特性線39として表すことができる。
Figure 0005952629
また、外筒11に作用する軸力Fa は、このときの応力σ2 に断面積A2 を掛けることにより、下記の数6式で求められる。この断面積A2 は、外筒11の外径D1 と内径D2 とにより、下記の数7式の関係となる。
Figure 0005952629
Figure 0005952629
ここで、前記数5〜7式により、外筒11に作用する軸力Fa は、下記の数8式の関係となる。
Figure 0005952629
一方、外筒11に作用する軸力Fa と上室Aの圧力P2 との関係は、上室A側でのピストン8の受圧面積を面積A3 とすると、下記の数9式の関係となり、この面積A3 は、内筒7の内径D3 とピストンロッド9の外径D4 とにより、下記の数10式で求められる。
Figure 0005952629
Figure 0005952629
これにより、外筒11に作用する軸力Fa と上室Aの圧力P2 との関係は、下記の数11式として算定される。そして、上室Aの圧力P2 は、前記数8式と数11式とにより、下記の数12式により求められる。上室Aの圧力P2 は、図8に示す上室圧の特性線40として求めることができる。
Figure 0005952629
Figure 0005952629
減衰力推定部30の減衰力判断部33は、下室圧算出部31から出力される下室Bの圧力P1 と上室圧算出部32から出力される上室Aの圧力P2 とに、それぞれの受圧面積を積算してピストン8の上,下に作用する力F1 ,F2 を算出する。そして、両者の差から推定減衰力Fe を下記の数13式により求める。また、減衰力判断部33は、両者の差(F1 −F2 )から、(F1 −F2 )≧0の場合は縮み行程と判断し、(F1 −F2 )<0の場合は伸び行程と判断する。
Figure 0005952629
本実施の形態によるサスペンション制御装置は、上述の如き構成を有するもので、次に、コントロールユニット18を用いて可変ダンパ6の減衰力特性を可変に制御する処理について説明する。
まず、イグニッションスイッチオンの信号を受けて図4に示す制御処理が開始されると、ステップ1でコントロールユニット18(即ち、制御ユニット15とECU19)の初期設定を行う。ステップ2では、歪センサ16,17の0点補正処理を行う。次に、ステップ3では、例えば5〜10ms程度の制御周期に達したか否かを判定し、「NO」と判定する間は制御周期に達するまで待機する。一方、ステップ3で「YES」と判定し、制御周期に達したときには、次なるステップ4に移って前回の制御周期で演算された制御指令値を減衰力発生機構10のアクチュエータに出力し、可変ダンパ6の減衰力発生機構10を駆動する。
次に、ステップ5では、歪センサ16,17からの検出信号をポート入力する。即ち、スプリングシート12に取付けた歪センサ16による歪量ε1 と、外筒11に取付けた歪センサ17による外筒11の歪量ε2 とを読込む。次のステップ6では、得られた情報から乗り心地制御の制御演算を、図5に示すストローク量算出部24、相対速度算出部25、オブザーバ26、スカイフック制御部27、減衰力補正部28および減衰力推定部30によって行う。ステップ7では、それぞれの制御での制御指令値(指令電流値)を電流算出部29により求め、ステップ8では、制御指令値に基づいた電流制御を実行する。
そして、ステップ8による電流制御は、前記ステップ3で「YES」と判定される制御周期に達する度毎に、次なるステップ4の処理で、可変ダンパ6の減衰力発生機構10を駆動制御するために用いられる。これにより、可変ダンパ6の減衰力特性は、ハードな特性(硬特性)とソフトな特性(軟特性)との間で可変となって連続的に制御される。
ここで、本実施の形態によるサスペンション制御装置によれば、図8に示すように、歪センサ16によりスプリングシート12の歪量ε1 が特性線35として得られる。ストローク量算出部24からは、前記数1〜3式の演算によりばね上,ばね下間の相対変位(即ち、懸架ばね5の変位量x1 )が特性線36として求めることができる。
相対速度算出部25においては、ストローク量算出部24による変位量x1 (即ち、特性線36)を微分することにより、ばね上,ばね下間の相対速度V1 を特性線37として算出することができる。懸架ばね5のばね力Fs は、懸架ばね5の変位量x1 (特性線36)から前記数3式により特性線38の如く求めることができる。
一方、可変ダンパ6の外筒11は、その歪量ε2 が歪センサ17により特性線39として検出される。上室Aの圧力P2 は、前記数5〜12式の演算を行うことにより、図8中の特性線40として求めることができる。また、下室Bの圧力P1 は、前記数4式により算出される下室Bに流入,出する油液の流量Qx を、図7に示す特性線34による演算マップに代入することにより、図8中に示す下室圧の特性線41として求めることができる。
図5中のオブザーバ26は、歪センサ16からのスプリングシート12の歪量ε1 に基づく変位量x1 、前記相対速度V1 および指令電流値Ic からばね上速度V2 を算出し、スカイフック制御部27は、前記ばね上速度V2 から目標減衰力Ft を算出し、減衰力補正部28は、前記目標減衰力Ft を推定減衰力Fe で補正し、減衰力補正値Fc を図8中に実線で示す特性線42の減衰力目標値として出力する。
この結果、減衰力補正値Fc (即ち、図8中の特性線42による減衰力目標値)は、点線で示す実際の減衰力の特性線43と同等な特性として取出すことができ、従来技術のように、ダンパの個体差、温度変化等に影響されて実際の減衰力と目標値とにずれ等が生じるのを抑制することができる。
かくして、本実施の形態によれば、歪センサ16,17を制御ユニット15と一緒にスプリングシート12と外筒11と跨って取付ける。制御ユニット15およびECU19からなるコントロールユニット18は、歪センサ16からスプリングシート12の歪量ε1 の情報を読込み、歪量ε1 の情報から相対速度算出部25により相対速度V1 を算出し、オブザーバ26によりばね上速度V2 を算定し、スカイフック制御部27により目標減衰力Ft を算出する。
また、コントロールユニット18の減衰力推定部30は、可変ダンパ6の外筒11に付けられた歪センサ17による外筒11の歪量ε2 の情報と前記相対速度V1 とから可変ダンパ6の下室Bの圧力P1 と上室Aの圧力P2 とを算出し、それらの値とピストン8の受圧面積から現在の推定減衰力Fe を推定演算する。減衰力補正部28は、歪センサ16からのスプリングシート12の歪量ε1 に基づく目標減衰力Ft を推定減衰力Fe で補正し、減衰力補正値Fc を出力する。そして、電流算出部29は、この減衰力補正値Fc と相対速度V1 とを用いて、可変ダンパ6を制御する上での制御指令となる指令電流値Ic を求める構成としている。
これにより、従来の制御と比較して、車両のばね上とばね下とに加速度センサを取付ける必要がなく、スプリングシート12の取付部12Aに歪センサ16,17を含む制御ユニット15を取付けるようにしたので取付け性を向上することができる。
また、本実施の形態によれば、歪センサ16,17を使用した減衰力フィードバック制御を行える可変ダンパ6と制御ロジックを実現することにより、スプリングシート12に付けた歪センサ16の歪量ε1 から相対変位を、前記数3式による変位量x1 として求めることができ、これを微分して相対速度V1 を求めることができる。このため、積分演算を不要にすることができ、積分誤差が生じない制御を実現することができる。
また、歪センサ17による外筒11の歪量ε2 の情報からリザーバ室C内の圧力変動を取出すことができる。しかも、歪センサ16によるスプリングシート12の歪量ε1 の情報と歪センサ17による外筒11の歪量ε2 の情報から、スプリングシート12に加わる力の方向性と可変ダンパ6の外筒11に加わる力とを求めることにより、精度の良いサスペンション制御を行うことが可能となる。また、センサの取付け位置を考慮したロジックの作成が必要であるが、センサの取付位置が固定されるため、取付け位置を考慮したロジックの作成が不要となり、制御内容も簡易にすることができる。
なお、前記実施の形態では、図9に示す如く四角形状をなす制御ユニット15を上,下方向に延びるように、可変ダンパ6の外筒11とスプリングシート12の取付部12Aとに跨って取付ける場合を例に挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限るものではなく、例えば図10に示す変形例のように、四角形状をなす制御ユニット45を左,右方向(外筒11の周方向)に延ばして、スプリングシート12の取付部12Aと外筒11とに跨って取付ける構成としてもよい。
この場合、制御ユニット45に設けた2つの歪センサ16,17のうち、第1の歪センサ16はスプリングシート12の接合部14の周辺に取付けてもよい。第2の歪センサ17は、スプリングシート12の力(即ち、応力−歪の影響)が伝わりにくい位置(例えば、スプリングシート12の切欠き12B内となる位置)で、外筒11の外周面に取付けるのがよい。これにより、スプリングシート12の力(即ち、応力−歪の影響)が、歪センサ17に伝わるのを抑えることができる。
また、本発明は、前述の如き制御ユニット15,45を可変ダンパ6の外筒11、スプリングシート12に必ずしも取付ける必要はなく、制御ユニット15,45を可変ダンパ6とは別の位置に設ける構成でもよい。この場合、歪センサ16,17は互いに分離した位置に配置してもよい。第1の歪センサ16は、スプリングシート12の変形(即ち、歪)を検出できる位置に設ければよく、第2の歪センサ17は、外筒11の変形(即ち、歪)を検出できる位置に設ける構成とすればよい。
次に、前記各実施の形態に含まれる発明について記載する。即ち、本発明によれば、荷重検出手段はスプリングシートの変形を検出する第1の歪センサにより構成し、圧力検出手段は外筒の変形を検出する第2の歪センサにより構成している。これにより、第1の歪センサで検出したスプリングシートの変形(即ち、歪量)から、懸架ばねの変位量をばね上、ばね下間の相対変位として算出することができる。第2の歪センサで検出した外筒の変形(即ち、歪量)からは、シリンダ内のロッド側室の圧力を算出することができる。
また、本発明によれば、減衰力演算手段は、荷重検出手段の検出信号によりピストンロッドのストローク量を検出するストローク量算出部と、該ストローク算出部の算出値によりばね上,ばね下間の相対速度を算出する相対速度算出部と、該相対速度算出部の算出値によりボトム側室の圧力を算出するボトム側圧算出部と、圧力検出手段の検出信号によりロッド側室の圧力を算出するロッド側圧算出部とを含んで構成している。このため、車両のばね上とばね下とに加速度センサ等を取付けることなく、目標減衰力の演算処理を行うことができる。また、ボトム側圧算出部で算出したボトム側室の圧力と、ロッド側圧算出部で算出したロッド側室の圧力とから推定減衰力を求めることができると共に、ピストンロッドが縮み行程にあるか伸び行程にあるかも求めることができる。
1 車体
2 車輪
4 サスペンション装置
5 懸架ばね
6 可変ダンパ(減衰力調整式緩衝器)
7 内筒(シリンダ)
8 ピストン
9 ピストンロッド
10 減衰力発生機構
11 外筒(ベースシェル)
12 スプリングシート
15,45 制御ユニット
14 接合部
16 第1の歪センサ(荷重検出手段)
17 第2の歪センサ(圧力検出手段)
18 コントロールユニット(減衰力演算手段)
24 ストローク量算出部
25 相対速度算出部
30 減衰力推定部
31 下室圧算出部(ボトム側圧算出部)
32 上室圧算出部(ロッド側圧算出部)
A 上室(ロッド側室)
B 下室(ボトム側室)
C リザーバ室

Claims (2)

  1. 作動流体が封入されたシリンダと、
    該シリンダ内に摺動可能に挿嵌され該シリンダ内をロッド側室とボトム側室とに画成するピストンと、
    該ピストンに連結され前記シリンダの外部に延出されたピストンロッドと、
    前記シリンダ内での前記ピストンの摺動によって生じる作動流体の流れを抑制して減衰力を発生させる減衰力発生機構と、
    前記シリンダの外側に設けられ、前記シリンダとの間にリザーバ室を画成する外筒と、
    該外筒に固定されて、懸架ばねを支持するスプリングシートと、を備え、
    該スプリングシートに取付けられ、前記スプリングシートに加えられる荷重を検出する荷重検出手段と、
    前記外筒に取付けられ、前記リザーバ室内の圧力変動を検出する圧力検出手段と、
    該圧力検出手段および前記荷重検出手段による検出信号から前記減衰力発生機構で発生させる減衰力を演算して求める減衰力演算手段と、を有し、
    前記荷重検出手段は前記スプリングシートの変形を検出する第1の歪センサにより構成し、前記圧力検出手段は前記外筒の変形を検出する第2の歪センサにより構成し、
    前記スプリングシートは、前記外筒の外周面に沿って延びる取付部を有し、該取付部には切欠きを設け、
    前記第1,第2の歪センサはケース構造をなし、前記外筒と前記スプリングシートとに跨って取付けられ、前記第2の歪センサは前記切欠き内に位置することを特徴とするサスペンション制御装置。
  2. 減衰力演算手段は、前記荷重検出手段の検出信号により前記ピストンロッドのストローク量を検出するストローク量算出部と、該ストローク算出部の算出値によりばね上,ばね下間の相対速度を算出する相対速度算出部と、該相対速度算出部の算出値により前記ボトム側室の圧力を算出するボトム側圧算出部と、前記圧力検出手段の検出信号により前記ロッド側室の圧力を算出するロッド側圧算出部とを含んで構成してなる請求項1に記載のサスペンション制御装置。
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