JP6059564B2 - ダンパ速度検知装置 - Google Patents

ダンパ速度検知装置 Download PDF

Info

Publication number
JP6059564B2
JP6059564B2 JP2013050134A JP2013050134A JP6059564B2 JP 6059564 B2 JP6059564 B2 JP 6059564B2 JP 2013050134 A JP2013050134 A JP 2013050134A JP 2013050134 A JP2013050134 A JP 2013050134A JP 6059564 B2 JP6059564 B2 JP 6059564B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
damper
stroke speed
stroke
speed calculation
speed
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2013050134A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2014172594A (ja
Inventor
友夫 窪田
友夫 窪田
昌利 奥村
昌利 奥村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
KYB Corp
Original Assignee
KYB Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by KYB Corp filed Critical KYB Corp
Priority to JP2013050134A priority Critical patent/JP6059564B2/ja
Publication of JP2014172594A publication Critical patent/JP2014172594A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6059564B2 publication Critical patent/JP6059564B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Vehicle Body Suspensions (AREA)

Description

本発明は、ダンパ速度検知装置に関する。
車両のばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置にあっては、たとえば、ダンパのストローク速度とばね上部材の上下方向速度に着目し、カルノップ切替則に基づいてスカイフックダンパを実現しようとするものがあり、ダンパのストローク速度とばね上部材の速度が同じ方向である場合には、ばね上部材の速度にスカイフックゲインを乗じて得た減衰力をダンパに出力させ、ダンパのストローク速度とばね上部材の速度が異なる方向である場合には、ダンパの減衰力を0とするようになっている(特許文献1参照)。
特開2011−213198号公報
このようなダンパ制御装置は、上述の制御を行うことで、ばね上部材の振動を抑制することができ、車両における乗り心地を向上させることができるのであるが、ダンパに上記のようにして求めた目標減衰力通りに減衰力を発揮させるには、ダンパのストローク速度を検知しなくてはならない。
一般的にダンパのストローク速度を検知するには、上記の従来のダンパ制御装置のように、車両のサスペンションアームと車体との相対変位や当該車体に対するアームの回転角等をセンサで検知し、センサで検知した信号を微分処理することによって得ている。上記センサで検知するのは、変位に相当するものであるから、変位を微分してダンパのストローク速度を得ようとするものである。
ところが、ダンパと車体との間、ダンパとアームとの間にはマウントゴムやブッシュと称される防振ゴムが介装されていて、この防振ゴムも振動し、上記制御では特にダンパの減衰係数を可変にする必要があって、ダンパの減衰係数が変更されると、防振ゴムとダンパのストロークの分担が変化するので、上記のようにして求めたストローク速度とダンパの実際のストローク速度とではどうしても乖離が生じて、ダンパのストローク速度を精度よく検知することができない。
特に、上記のようなカルノップ切替則でダンパを制御する場合には、ダンパのストローク方向の切換りを検知することが重要であるが、上記のようにダンパのストローク速度が誤差を含んでいるから、車両における乗り心地を損なってしまうことに繋がりかねない。
そこで、本発明は、上記不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、精度良くダンパのストローク速度を検知することができるダンパ速度検知装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、車両のばね上部材とばね下部材の相対変位を検知する変位センサと、上記相対変位から上記ばね上部材と上記ばね下部材との間に介装されたダンパのストローク速度を求める速度演算部とを備えたダンパ速度検知装置において、上記速度演算部は、上記相対変位とダンパの減衰係数とに基づいて上記ストローク速度を求めることを特徴とする。
本発明のダンパ速度検知装置にあっては、ダンパの減衰係数の変化に対応して、ストローク速度を求める。
よって、本発明のダンパ速度検知装置は、精度良くダンパのストローク速度を検知することができる。
一実施の形態におけるダンパ速度検知装置が適用されたダンパ制御装置の構成図である。 ダンパの概略縦断面図である。 ダンパの減衰特性とダンパの減衰力調整部へ与える電流量との関係の一例を説明する図である。 ストローク速度演算式の周波数伝達特性を示した図である。 速度演算部の構成の一例を示す図である。 ダンパの減衰特性とダンパの減衰力調整部へ与える電流量との関係の他の例を説明する図である。 一実施の一変形例におけるダンパ速度検知装置の構成図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1に示すように、ダンパ速度検知装置1は、車両のばね上部材Bとばね下部材Wの相対変位Xを検知する変位センサ2と、変位センサ2で検知した相対変位Xからばね上部材Bとばね下部材Wとの間に介装されたダンパDのストローク速度Vdを求める速度演算部3とを備えて構成されている。
このダンパ速度検知装置1は、ダンパDの減衰力を制御するダンパ制御装置Eに適用されており、ダンパ制御装置Eに対して検知したストローク速度Vdを入力するようになっている。
ダンパDには、ダンパ制御装置Eからの制御信号によって減衰力を調節する減衰力調整部4が組み込まれており、ダンパ制御装置Eは、この減衰力調整部4へ制御指令を与えてダンパDの減衰力を調整するようになっている。
以下、各部について説明する。図1に示すように、この例では、車両におけるばね上部材Bとばね下部材Wとの間には、ダンパDと直列配置されるマウントゴムMとが介装されており、さらに、ダンパDに並列されて懸架ばねSがばね上部材Bとばね下部材Wとの間に介装されている。したがって、ばね上部材Bは、懸架ばねSによって弾性支持されている。なお、ばね下部材Wは、車体であるばね上部材Bに揺動可能に取り付けられたサスペンションアームAと車輪Tとを含んでいる。
ダンパDは、ばね上部材BとサスペンションアームAとの間にマウントゴムMと共に介装されており、ばね上部材Bとばね下部材Wとが上下方向に相対的に振動するとマウントゴムMとともに上下方向へ振動するようになっている。
また、ダンパDは、たとえば、図2に示すように、シリンダ12と、シリンダ12内に摺動自在に挿入されるピストン13と、シリンダ12内に移動自在に挿入されてピストン13に連結されるピストンロッド14と、シリンダ12内にピストンで区画した二つの圧力室15,16と、圧力室15,16同士を連通する通路17と、通路17を通過する流体の流れに抵抗を与える減衰力調整部4とを備えて構成される流体圧ダンパとされている。そして、このダンパDは、伸縮作動に応じて圧力室内に充填された流体が通路を通過する際に減衰力調整部4にて抵抗を与えて当該伸縮作動を抑制する減衰力を発揮し、ばね上部材とばね下部材の相対移動を抑制するようになっている。
なお、流体には、作動油のほか、水、水溶液、気体を利用することができる。流体が液体であって、ダンパDが片ロッド型ダンパである場合、ダンパDは、シリンダ12内にピストンロッド14が出入りする体積を補償するために気体室やリザーバを備えるが、流体が気体である場合、気体室やリザーバを備えずともよい。
また、ダンパDがリザーバを備えて伸長しても収縮してもシリンダ12内からリザーバへ通じる通路を介して流体が排出されるユニフロー型に設定される場合、シリンダ12からリザーバへ通じる通路の途中に減衰力調整部4を設けて、流体の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮するようにしてもよい。
減衰力調整部4は、たとえば、上記ダンパDの図示しない通路の流路面積を可変にする減衰弁と、当該弁体を駆動して上記通路17の流路面積を調節することができるソレノイドやアクチュエータとで構成されていて、当該ソレノイドやアクチュエータへ与える電流量を増減させることで上記通路の流路面積を調整でき、通路17を流れる流体に与える抵抗を変化させてダンパDが発生する減衰力を調整可能となっている。この場合、たとえば、ダンパDのストローク速度が変わらなければ減衰力調整部4へ与える電流量を大きくするとダンパDの減衰力も大きくなるようになっていて、図3に示すように、ダンパ制御装置Eは、減衰力調整部4に供給する電流量が最小となった際のソフトな減衰特性から電流量が最大となった際のハードな減衰特性までの間で、電流量によってダンパDの減衰係数を可変にできるようになっている。
なお、減衰力調整部4の上記した構成は、一例であって、たとえば、ダンパDが電気粘性流体や磁気粘性流体を圧力室15,16内に充填している場合、上記通路17に減衰弁の代わりに電界或いは磁界を作用させることができる装置を組み込み、これを減衰力調整部4とし、ダンパ制御装置Eから与えられる電圧或いは電流によって電界或いは磁界の大きさを調整して、通路17を流れる流体に与える抵抗を変化させることでダンパDの発生減衰力を可変にしてもよい。また、ダンパDが電気粘性流体を利用する場合、通路17に与える電界の大きさによって減衰係数を調節するので、減衰力調整部4に与える電圧を増減することで制御することになるため、ダンパ制御装置Eは制御指令値として電圧値を求め、減衰力調整部4へ与える電圧値通りの電圧を与えるようにすればよい。
さらに、ダンパDは、上記以外にも、電磁力でばね上部材とばね下部材の相対移動を抑制する減衰力を発揮する電磁ダンパとされてもよく、電磁ダンパとしては、たとえば、モータと、モータの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構とを備えて構成されるか、リニアモータとされる。このようにダンパDが電磁ダンパである場合には、減衰力調整部4は上記モータ或いはリニアモータに流れる電流を調節するモータ駆動装置とされればよい。
ダンパ制御装置Eは、たとえば、ばね上部材Bの上下方向速度を検知する速度センサ5と、ばね上部材Bの上下方向速度とダンパ速度検知装置1で検知するストローク速度Vdとから減衰力調整部4へ与える制御指令を求める指令演算部6とを備え、ダンパDの減衰力を制御するようになっている。
指令演算部6は、たとえば、スカイフック制御を行う場合、ばね上部材Bの上下方向速度とストローク速度Vdの方向が一致している場合、上記上下方向速度にスカイフックゲインを乗じて目標減衰力を求め、反対に、ばね上部材Bの上下方向速度とストローク速度Vdの方向が異なる場合、目標減衰力を0とし、ダンパDに目標減衰力通りに減衰力を発揮させるべく制御指令を生成し、減衰力調整部4へこの制御指令を出力する。減衰力調整部4は、上述したように供給される電流量に応じて減衰係数を変化させるようになっている。よって、図3に示すように、ダンパDの減衰特性は、減衰力調整部4へ与える電流量を大きくすると減衰係数が大きなハードの特性となり、減衰力調整部4へ与える電流量を小さくすると減衰係数が小さくなるソフトの特性となる。つまり、電流量に応じてダンパDの減衰特性を調整することができる。そのため、指令演算部6は、ダンパ速度検知装置1で検知したダンパDのストローク速度Vdと目標減衰力とからダンパDに目標減衰力通りの減衰力を出力させるために減衰力調整部4へ供給すべき電流量を求めるようになっている。
変位センサ2は、たとえば、サスペンションアームAのばね上部材Bの回転角を検知し、この回転角からばね上部材Bとばね下部材Wの上下方向の相対変位Xを検知するようになっているが、サスペンションアームAとばね上部材Bの上下方向の相対変位Xを直接に検知するストロークセンサであってもよい。
速度演算部3は、相対変位Xとダンパ制御装置Eから入力されるダンパDの減衰係数とに基づいてストローク速度Vdを求める。一般的に弾性体であるマウントゴムMとこのマウントゴムMに連結されるダンパDのピストン13およびピストンロッド14の質量とでなる振動系(以下、「マウントゴム振動系」と言う)の共振周波数帯は100Hz〜400Hz程度であり、ダンパDに比較してマウントゴムMは高い剛性を示すが、ダンパDの減衰係数が大きくなるとダンパDの剛性が高くなりマウントゴムMが相対的に伸縮しやすくなる。つまり、ダンパDの減衰係数が小さい場合、ダンパDはマウントゴムMに対して伸縮しやすくなり、変位センサ2で検知した相対変位Xを微分して得られる擬似的なダンパDのストローク速度と実際のストローク速度とはほぼ一致するが、ダンパDの減衰係数が大きい場合、ダンパDはマウントゴムMに対して伸縮しにくくなり、変位センサ2で検知した相対変位Xを微分して得られる擬似的なダンパDのストローク速度と実際のストローク速度とに乖離が見られるようになる。そこで、速度演算部3は、ダンパDの減衰係数が小さい場合に相対変位Xからストローク速度Vdを精度良く求めることが可能なストローク速度演算式と、ダンパDの減衰係数が大きい場合に相対変位Xからストローク速度Vdを精度良く求めることが可能なストローク速度演算式とを保有しており、ダンパDの減衰係数をモニタし、減衰係数に応じてストローク速度Vdを求めることができるようになっている。
具体的には、速度演算部3は、減衰力調整部4へ供給される電流量が最小である場合のソフトな減衰特性における最小の減衰係数に対応したソフト用ストローク速度演算式と、減衰力調整部4へ供給される電流量が最大である場合のハードな減衰特性における最大の減衰係数に対応したハード用ストローク速度演算式の二つのストローク速度演算式を保有している。すなわち、ソフト用ストローク速度演算式は、減衰係数が最小である場合にストローク速度Vdを求めるのに最適化された演算式であり、ハード用ストローク速度演算式は、減衰係数が最大である場合にストローク速度Vdを求めるのに最適化された演算式である。
このストローク速度演算式は、周波数伝達関数G(s)で表現されており、この演算式に相対変位X(s)を入力として、演算を実行することでストローク速度Vd(s)を得ることができるようになっている。要するに、Vd(s)/X(s)=G(s)の関係となっている。つまり、ストローク速度演算式を利用した上記演算は、変位センサ2で検知した相対変位X(s)の信号をストローク速度演算式G(s)で設定されるフィルタで濾波する処理を実行していることになる。ストローク速度演算式G(s)で設定されるフィルタの特性は、たとえば、図4に一例を示すと、ソフト用の特性aとハード用の特性bのように設定することができ、ハイパスフィルタにローパスフィルタを合成したような特性とすることができる。ソフト用の特性aとハード用の特性bとでは、折れ点周波数が異なる特性となっており、減衰係数が大きい場合に対応するハード用の特性bの折れ点周波数が減衰係数が小さい場合に対応するソフト用の特性aの折れ点周波数に比較して低くなる特性となっている。ここで、ハード用の特性bの折れ点周波数をソフト用の特性aの折れ点周波数に比較して低くしているのは、減衰係数が大きくなるとダンパDがマウントゴムMに対して相対的にストロークしづらくなって、ダンパDの変位がサスペンションの実際の変位に対して応答が遅れ、ダンパDのストローク速度Vdの位相も相対変位Xに対して遅れるようになることから、ハード用の特性bの折れ点周波数を低くしておき、変位センサ2で検知した相対変位Xをハード用の特性bのフィルタで処理することで位相を遅らせることができ、ダンパDのストローク速度Vdを精度よく求めることができるからである。このような特性を実現するためのストローク速度演算式G(s)は、たとえば、ラプラス演算子をs、角周波数をωとして(ω・s)/(s+ω)とし、ソフト用のストローク速度演算式におけるωの値をハード用のストローク速度演算式におけるωの値よりも高く設定しておけばよい。
このように、ストローク速度演算式は、ダンパDの減衰係数が最小である場合のソフト用と減衰係数が最大である場合のハード用があり、速度演算部3に入力される減衰係数が最小である場合にはソフト用ストローク速度演算式を用いてストローク速度Vdを求めればよく、速度演算部3に入力される減衰係数が最大である場合にはハード用ストローク速度演算式を用いてストローク速度Vdを求めればよいのであるが、減衰係数が最小でも最大でもない場合もある。そこで、速度演算部3は、図5に示すように、ソフト用ストローク速度演算式を用いて相対変位Xから暫定ストローク速度Vdp1を求めるソフト用ストローク速度演算部31と、ハード用ストローク速度演算式を用いて相対変位Xから暫定ストローク速度Vdp2を求めるハード用ストローク速度演算部32とを備えていて、上記二つのストローク速度演算式の両方で演算を行って二つの暫定ストローク速度Vdp1,Vdp2を求め、さらに、減衰係数に応じて線形補間によってストローク速度Vdを求める線形補間部33を備える。具体的にはたとえば、最小の減衰係数が1であり、最大の減衰係数が5であって、ダンパ制御装置Eから入力される現在のダンパDの減衰係数が2である場合、減衰係数が1である場合に対応するストローク速度演算式による演算結果、つまり、暫定ストローク速度Vdp1が0.1m/sであり、減衰係数が5である場合に対応するストローク速度演算式による演算結果、つまり、暫定ストローク速度Vdp2が0.2m/sであるとすると、ストローク速度Vdは線形補間により0.1×3/4+0.2×1/4=0.125m/sとなる。よって、この場合、ストローク速度Vdは、0.125m/sと求められてダンパ制御装置Eへ入力される。この場合、減衰係数は、上記したように、減衰力調整部4へ供給する電流量によって決定される関係となっているので、線形補間部33へは、減衰力調整部4へ供給する電流量を直接に、或いは、電流量から換算した減衰係数の値を入力するようにすればよい。
このように本発明のダンパ速度検知装置1にあっては、ダンパDの減衰係数の変化に対応して、減衰係数に適したストローク速度演算式を用いることで、ダンパDのストローク速度Vdを精度よく検知することができるのである。
また、ダンパ速度検知装置1でストローク速度Vdを精度よく検知することができるので、ダンパ制御装置EでのダンパDの減衰力制御を良好なものとすることができ、特に、カルノップ切替則でダンパを制御する場合には、ダンパDのストローク方向の切換の検知も正確となるので、車両における乗り心地を向上させることができる。
ストローク速度演算式G(s)は、上記した二つを用意するのではなく、三つ以上用意しておいてもよく、たとえば、減衰係数が最小と最大の中間値である際のストローク速度Vdを求めるのに最適化されたストローク速度演算式を用意しておき、減衰係数が最小と中間値の間にある場合、ソフト用ストローク速度演算式と中間値に最適化されたストローク速度演算式を利用して暫定ストローク速度Vdp1,Vdp2を求めて線形補間によりストローク速度Vdを求めるようにしてもよく、このように、任意の減衰係数に最適化されたストローク速度演算式を多数用意しておき、ダンパDの減衰係数の大小両側の直近の減衰係数に対応する二つのストローク速度演算式を選択して、選択された各ストローク速度演算式を利用して上記相対変位Xから二つの暫定ストローク速度Vdp1,Vdp2を求め、これら暫定ストローク速度Vdp1,Vdp2から線形補間によりストローク速度Vdを求めるとしてもよい。
なお、ストローク速度演算式は、一例であって、減衰係数に応じて最適化された演算式を用いればよいのであって、上記した演算式に限定されるものではない。
また、上記したダンパDにあっては、減衰力調整部4への電流供給量に応じて減衰係数を変化させることができるので、上記ストローク速度演算式G(s)を(ω・s)/(s+ω)とする場合、減衰係数をCとして、たとえば、ω=β―C・αとしておき、Cが最小値を採るときのωの値がソフト用の特性aにおける折れ点周波数の値となり、且つ、Cが最大値を採るときのωの値がハード用の特性bにおける折れ点周波数の値となるように設定しておけば、減衰係数に応じてストローク速度演算式G(s)におけるωを変更することができ、上記のように線形補間を利用せずに、減衰係数に応じて常に最適なストローク速度演算式G(s)によりストローク速度Vdを求めることができる。
他方、ダンパDの減衰特性が、たとえば、図6に示すように、ストローク速度Vdが低速域にある場合には、減衰力がストローク速度Vdにおおむね比例的に変化し、高速域に達すると減衰係数が小さくなる特性を備えており、減衰力調整部4に与える電流量によって、可変幅内でダンパDの減衰特性を変更することができるようになっている場合、減衰力調整部4へ与える電流量からではダンパDの減衰係数を一義的に求められない場合には、以下のような手順で、減衰係数を便宜的に求めることができる。
変位センサ2で検知した相対変位Xを微分して得た疑似的なストローク速度が低速域にある場合、上記したように減衰力がストローク速度Vdにおおむね比例的に変化するので、この範囲であれば、減衰力調整部4に与える電流量で減衰係数を変化させることができると看做せる。
よって、擬似的なストローク速度が低速域にある場合には、上記した手順により、つまり、任意の減衰係数に最適化されたストローク速度演算式を二つ以上保有しておくか、減衰係数に応じてストローク速度演算式の折れ点周波数を変更するようにしておけば、ストローク速度Vdを上記同様に求めることができる。
また、擬似的なストローク速度が高速域にある場合には、電流量が大小しても減衰係数は低速域に比べれば小さくなるので、この範囲では、減衰係数が小さい場合に最適化されたストローク速度演算式を用いて、ストローク速度Vdを求めれば、図6に示した減衰特性をもったダンパDのストローク速度Vdも精緻に求めることが可能である。
具体的には、速度演算部3に、図7に示すように、変位センサ2が検知した相対変位Xを微分して擬似的なストローク速度を求める微分部34と、擬似的なストローク速度と減衰力調整部4へ供給している電流量の入力を受けてダンパDの減衰係数を補正する減衰係数補正部35とを設ければよく、ストローク速度演算式は、たとえば、減衰係数が最大である場合に最適化されたものと最小である場合に最適化されたものを保有しておくとする。
減衰係数補正部35は、擬似的なストローク速度と低速域を画定する閾値とを比較して擬似的なストローク速度が低速域にあると判断する場合、電流量から減衰係数を求め、擬似的なストローク速度が高速域にあると判断する場合、電流量によらずして、たとえば、減衰係数を最小とする。速度演算部3は、これとは別に、ソフト用ストローク速度演算式を用いて相対変位Xから暫定ストローク速度Vdp1を求め、ハード用ストローク速度演算式を用いて相対変位Xから暫定ストローク速度Vdp2を求める。そして、上記したように減衰係数補正部35で補正された減衰係数が線形補間部33に入力され、補正された減衰係数に応じて線形補間によって暫定ストローク速度Vdp1,Vdp2からストローク速度Vdを求める。このようにすることで、具体的に、図6に示した減衰特性をもったダンパDのストローク速度Vdも精緻に求めることが可能である。なお、この場合、減衰力調整部4に与える電流量で減衰係数が決定されるので、減衰係数補正部35では、減衰係数を求めるのではなく減衰力調整部4に実際に流れている電流量から減衰係数に相当する電流量を求める、つまり、実電流量を補正するようにし、線形補間部33へは補正後の電流量を入力するようにしてもよい。
なお、速度演算部は、この実施の形態の場合、ハードウェア資源としては、図示はしないが具体的にはたとえば、変位センサ2が出力する信号を取り込むためのA/D変換器と、ストローク速度Vdの演算に必要な処理に使用されるプログラムが格納されるROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、上記プログラムに基づいた処理を実行するCPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、上記CPUに記憶領域を提供するRAM(Random Access Memory)等の記憶装置とを備えて構成されればよく、CPUが上記プログラムを実行することで、速度演算部3の動作を実現すればよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明のダンパ速度検知装置は、車両の制振用途等に利用することができる。
1 ダンパ速度検知装置
2 変位センサ
3 速度演算部
B ばね上部材
D ダンパ
W ばね下部材

Claims (5)

  1. 車両のばね上部材とばね下部材の相対変位を検知する変位センサと、
    上記ばね上部材と上記ばね下部材との間に介装されたダンパの減衰係数と上記相対変位とに基づいて上記ダンパのストローク速度を求める速度演算部とを備えた
    ことを特徴とするダンパ速度検知装置。
  2. 上記速度演算部は、上記減衰係数の大きさに対応した少なくとも二つ以上のストローク速度演算式を有し、上記相対変位から上記ストローク速度演算式を利用してストローク速度を求める
    ことを特徴とする請求項1に記載のダンパ速度検知装置。
  3. 上記速度演算部は、上記減衰係数の大きさに対応した少なくとも二つ以上のストローク速度演算式を有し、上記減衰係数から少なくとも一つ以上のストローク速度演算式を選択し、上記相対変位から選択された上記ストローク速度演算式を利用して上記ストローク速度を求める
    ことを特徴とする請求項2に記載のダンパ速度検知装置。
  4. 上記速度演算部は、上記ストローク速度演算式のうち、上記減衰係数より大きな減衰係数に対応するストローク速度演算式と上記減衰係数より小さな減衰係数に対応するストローク速度演算式を選択し、選択された上記各ストローク速度演算式を利用して上記相対変位から二つの暫定ストローク速度を求めてから、上記ダンパの上記減衰係数に応じて線形補間によって上記ストローク速度を求める
    ことを特徴とする請求項2または3に記載のダンパ速度検知装置。
  5. 上記速度演算部は、周波数伝達関数で表現されるストローク速度演算式を備え、上記減衰係数に応じて上記ストローク速度演算式の角周波数を変更し、上記相対変位から上記ストローク速度を求める
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載のダンパ速度検知装置。
JP2013050134A 2013-03-13 2013-03-13 ダンパ速度検知装置 Active JP6059564B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013050134A JP6059564B2 (ja) 2013-03-13 2013-03-13 ダンパ速度検知装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013050134A JP6059564B2 (ja) 2013-03-13 2013-03-13 ダンパ速度検知装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2014172594A JP2014172594A (ja) 2014-09-22
JP6059564B2 true JP6059564B2 (ja) 2017-01-11

Family

ID=51694277

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013050134A Active JP6059564B2 (ja) 2013-03-13 2013-03-13 ダンパ速度検知装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6059564B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6254321B1 (ja) 2017-06-30 2017-12-27 株式会社ショーワ 懸架装置用の制御装置および懸架システム
CN107238503B (zh) * 2017-07-10 2023-04-07 辽宁理工学院 减振器用户端橡胶总成力学性能测试装置与测试方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH07102767B2 (ja) * 1988-09-09 1995-11-08 トヨタ自動車株式会社 減衰力制御装置
JPH08290713A (ja) * 1995-04-25 1996-11-05 Nissan Motor Co Ltd サスペンション制御装置
JP3118414B2 (ja) * 1996-05-22 2000-12-18 株式会社豊田中央研究所 車両のばね上ばね下相対速度算出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2014172594A (ja) 2014-09-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US9180748B2 (en) Suspension control system and method of controlling suspension device
JP2010126044A (ja) サスペンション制御装置、及びサスペンション制御方法
JP2010137796A (ja) 車両用サスペンション装置
JP6031025B2 (ja) ダンパ制御装置
JP5746246B2 (ja) ダンパ制御装置
JP2008247261A (ja) サスペンション制御装置
JP5834368B2 (ja) ダンパ制御装置
JP6059564B2 (ja) ダンパ速度検知装置
JP6240663B2 (ja) ダンパ制御装置
JP2010095211A (ja) 車両のサスペンション装置
JP5702200B2 (ja) 緩衝器の制御装置
JP5477262B2 (ja) サスペンション装置
JP5608057B2 (ja) サスペンション装置
JP6259237B2 (ja) ダンパ制御装置
JP2021146818A (ja) 電動サスペンション装置
JP2012066695A (ja) サスペンション装置
JP5952629B2 (ja) サスペンション制御装置
JP2014043199A (ja) サスペンション制御装置
JP6349308B2 (ja) ダンパ制御装置
JP5452450B2 (ja) サスペンション装置
JP6128641B2 (ja) ダンパ制御装置
JP2011042263A (ja) 可変ダンパ制御装置
JP2016007977A (ja) 車両制御装置
JP6243307B2 (ja) サスペンション用制御装置及びサスペンション装置
JP2014196029A (ja) サスペンション制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20150925

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160530

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160607

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20160622

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20161115

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20161209

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 6059564

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350