JP2016007977A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車両懸架装置の耐久性低下を抑制しつつ、車両のロール方向における振動を振幅に応じて好適に制振することで、車両の乗り心地を向上させることができる車両制御装置を提供する。
【解決手段】ショックアブソーバ26とアクティブスタビライザ22とを備える車両懸架装置20を制御するECU1において、車両10に発生させるロール方向のトータルロール減衰力を演算するトータルロール減衰力演算部53と、車両10のロール角の絶対値に基づいて、ショックアブソーバ減衰力とスタビライザ減衰力との配分を調整する減衰力配分部54とを備え、減衰力配分部54は、車両10のロール角が低ロール角の絶対値以下となる場合、スタビライザ減衰力をトータルロール減衰力とする一方で、車両10のロール角が高ロール角の絶対値以上となる場合、ショックアブソーバ減衰力をトータルロール減衰力とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両懸架装置を制御する車両制御装置に関する。
従来、路面外乱による車両へのロール方向における振動に対して、アクティブスタビライザを制御することで、車両のロール方向における姿勢を制御する車両のスタビライザ制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
国際公開第2010/092687号
ところで、路面から車両のロール方向に与えられる振動は、その振幅が小さいものから大きいものまである。車両のロール方向における振動の振幅が大きい場合、車両のロール角が大きくなることから、アクティブスタビライザにより振動を減衰する減衰力は大きくなる。一方で、車両のロール方向における振動の振幅が小さい場合、車両のロール角が小さくなることから、アクティブスタビライザによって振動を減衰する減衰力は小さくなる。ここで、アクティブスタビライザのスタビライザ制御(以下、ASTB(Active Stabilizer)制御という)は、減衰力を大きくする場合、捻り力を大きくする(目標アンチロールモーメントを大きくする)ことから消費電力が大きくなり、また、アクティブスタビライザに与えられる負荷も大きくなる。
車両の振動を抑制するものとしては、スプリング及びショックアブソーバ(ダンパともいう)を備えるサスペンションがある。サスペンションは、ショックアブソーバの減衰力が制御され、ショックアブソーバによりスプリングの振動を減衰させる。車両のロール方向における振動の振幅が大きい場合、車両のサスペンションのストローク方向における振幅(伸縮)は大きくなる一方で、車両のロール方向における振動の振幅が小さい場合、車両のサスペンションのストローク方向における振幅は小さくなる。ここで、ストローク方向における微小な振幅は、サスペンション周りに設けられるサスアームブッシュまたはアッパーマウント等の部材のたわみによっても発生する。つまり、サスペンションがストローク方向に伸縮しなくても、サスペンションのストローク方向において微小な振幅が発生する場合がある。このため、サスペンションの減衰力制御(以下、AVS(Adaptive Variable Suspension)制御という)を、微小な振幅において行っても、サスペンションのストローク方向における振動を抑制することは困難であり、これに伴い、車両のロール方向における振動を抑制することは困難となる。また、AVS制御では、ショックアブソーバの減衰力を可変させるための作動回数に制限がある。このため、微小な振幅においてAVS制御を実行すると、ショックアブソーバの作動頻度が多くなってしまい、ショックアブソーバの耐久性が低下し易くなってしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、車両懸架装置の耐久性低下を抑制しつつ、車両のロール方向における振動を振幅に応じて好適に制振することで、車両の乗り心地を向上させることができる車両制御装置を提供することを課題とする。
本発明の車両制御装置は、スプリングの振動を減衰させるショックアブソーバと、ロール方向における車両の姿勢を制御するアクティブスタビライザと、を備える車両懸架装置を制御する車両制御装置において、前記車両のロールレートに基づいて、前記ショックアブソーバ及び前記アクティブスタビライザによって発生させる前記ロール方向の減衰力であるトータルロール減衰力を演算するトータルロール減衰力演算手段と、前記車両のロール角の絶対値に基づいて、前記ショックアブソーバによって発生させる前記ロール方向の減衰力であるショックアブソーバ減衰力と、前記アクティブスタビライザによって発生させる前記ロール方向の減衰力であるスタビライザ減衰力との配分を調整する減衰力配分手段と、を備え、前記減衰力配分手段は、前記車両の前記ロール方向における振幅が予め設定された微振幅領域となるような前記ロール角である低ロール角の絶対値以下となる場合、前記スタビライザ減衰力を前記トータルロール減衰力とする一方で、前記車両の前記ロール方向における振幅が予め設定された大振幅領域となるような前記ロール角である高ロール角の絶対値以上となる場合、前記ショックアブソーバ減衰力を前記トータルロール減衰力とすることを特徴とする。
本発明に係る車両制御装置は、低ロール角の絶対値以下となる場合、アクティブスタビライザにより、車両のロール方向における振動を減衰させることができる。一方で、高ロール角の絶対値以上となる場合、アクティブスタビライザによる車両のロール方向における振動の減衰が制限される。このため、車両のロール方向における振動の振幅が大きい場合、アクティブスタビライザによるASTB制御を制限することができるため、消費電力の増大を抑制することができ、また、アクティブスタビライザに与えられる負荷を軽減することができる。また、低ロール角の絶対値以下となる場合、ショックアブソーバによる車両のロール方向における振動の減衰が制限される。一方で、高ロール角の絶対値以上となる場合、ショックアブソーバにより、車両のロール方向における振動を減衰させることができる。このため、車両のロール方向における振動の振幅が小さい場合、ショックアブソーバによるAVS制御を制限することができるため、ショックアブソーバの減衰力を可変させるための作動回数を抑制することができ、ショックアブソーバの耐久性低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、本実施形態に係る車両制御装置に関する概略構成図である。 図2は、ロール角に応じて変化するAVS制御のゲインに関するグラフである。 図3は、ロール角に応じて変化するASTB制御のゲインに関するグラフである。 図4は、ロール角に応じて変化するAVS制御及びASTB制御のゲインに関するグラフである。 図5は、本実施形態に係る車両制御装置を機能的に示した説明図である。 図6は、車両の左右方向に与えられる加速度(横G)、ロール角及びロールレートの時間変化に関するグラフである。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
〔実施形態〕
図1から図6を参照して、本実施形態について説明する。図1は、本実施形態に係る車両制御装置に関する概略構成図である。図2は、ロール角に応じて変化するAVS制御のゲインに関するグラフである。図3は、ロール角に応じて変化するASTB制御のゲインに関するグラフである。図4は、ロール角に応じて変化するAVS制御及びASTB制御のゲインに関するグラフである。図5は、本実施形態に係る車両制御装置を機能的に示した説明図である。図6は、車両の左右方向に与えられる加速度(横G)、ロール角及びロールレートの時間変化に関するグラフである。
本実施形態の車両制御装置1は、車両10に設けられる車両懸架装置20を制御して、車両10のロール方向における振動を抑制するものである。車両懸架装置20は、いわゆるアクティブスタビライザサスペンションシステムであり、サスペンション21とアクティブスタビライザ22とを備えている。サスペンション21は、前後左右の4つの車輪に対応して4つ設けられる。各サスペンション21は、各車輪を車両10の車体に支持するものである。また、アクティブスタビライザ22は、左右の2つの車輪に対応して前後に2つ設けられる。先ず、車両制御装置1の説明に先立ち、図1を参照して、サスペンション21及びアクティブスタビライザ22について説明する。
図1では、前後いずれかの左右輪に設けられる2つのサスペンション21と、左右輪の間に設けられる1つのアクティブスタビライザ22とを図示している。なお、アクティブスタビライザ22は、前後の少なくとも一方に設ければよく、特に限定されない。以下では、特に断りのない限り4つのサスペンション21及び2つのアクティブスタビライザ22を区別せずに説明する。
サスペンション21は、車両10のばね上部材15とばね下部材16との間に設けられ、ばね上部材15とばね下部材16とを接続している。ばね上部材15は、サスペンション21によって支持される部材であり、車体を含むものである。ばね下部材16は、サスペンション21よりも車輪側に配置された部材であり、車輪に連結されたナックルや、ナックルに連結されたロアアーム等を含むものである。このサスペンション21は、スプリング25とショックアブソーバ26とを有する。スプリング25とショックアブソーバ26とは、並列に設けられている。
スプリング25は、ばね上部材15とばね下部材16とを接続し、ばね上部材15とばね下部材16との相対変位に応じたばね力を発生させ、そのばね力をばね上部材15およびばね下部材16に作用させる。なお、スプリング25は、例えば、コイルスプリングを用いてばね力を発生させる機構であってもよいし、空気ばねによってばね力を発生させる機構であってもよく、特に限定されない。また、ばね上部材15とばね下部材16との相対変位とは、ばね上部材15とばね下部材16とがサスペンション21のストローク方向において接近あるいは離間する方向の相対変位である。サスペンション21のストローク方向は、車両上下方向(図1の上下方向)に沿った方向であるものとして図示しているが、車両上下方向に対して所定の傾斜を有していてもよい。また、スプリング25は、ばね係数、すなわち、ばね力を可変に制御可能な構成であってもよい。
ショックアブソーバ26は、ばね上部材15とばね下部材16とを接続し、ばね上部材15とばね下部材16との相対運動を減衰させる減衰力を発生させる。ばね上部材15とばね下部材16との相対運動とは、ばね上部材15とばね下部材16とがサスペンション21のストローク方向において接近あるいは離間する方向の相対運動である。ショックアブソーバ26は、この相対運動におけるばね上部材15とばね下部材16との相対速度に応じた減衰力を発生させることで相対運動を減衰させる。
具体的に、ショックアブソーバ26は、ばね上部材15またはばね下部材16の一方に接続され、作動流体が封入されたシリンダ(アブソーバシェル)26aと、他方に接続され、シリンダ26a内を往復動するピストン部26bを有するピストンロッド(アブソーバロッド)26cと、を備えている。そして、サスペンション21は、このシリンダ26aとピストンロッド26cとが相対変位することでストロークし、ばね上部材15とばね下部材16とが相対変位する。このため、サスペンション21のストローク方向は、シリンダ26aとピストンロッド26cとの相対変位に沿った方向となり、換言すれば、ばね上部材15とばね下部材16との相対変位に沿った方向となる。
さらに、実施形態1のショックアブソーバ26は、減衰係数を可変に制御され、スプリング25の振動を減衰させる減衰力(以下、ショックアブソーバ減衰力ともいう)を可変に制御可能な構成となっている。つまり、ショックアブソーバ26は、車両10のサスペンション21の減衰力を調整する、いわゆるAVS制御が実行可能となっている。このショックアブソーバ26は、減衰係数を可変に制御する手段として、例えば、ピストン部26bを挟んで、一方側に形成されるシリンダ26a内のピストン上室と、他方側に形成されるシリンダ26a内のピストン下室とを連通する油路・オリフィス等の流路面積を可変する図示しないロータリーバルブを有している。このロータリーバルブは、サスペンション21に設けられるサスペンションコントロールアクチュエータ27によって回転する。このため、ショックアブソーバ26は、サスペンションコントロールアクチュエータ27によりロータリーバルブが回転することによって、減衰力が調整される。サスペンションコントロールアクチュエータ27は、例えば、サーボモータが用いられている。ここで、ショックアブソーバ26は、段数指令等を含むAVS指令信号に応じて流路面積が段階的に変化させられることで、互いに異なる複数の減衰特性(減衰係数)を選択的に複数段階で実現することができる。つまり、ショックアブソーバ26は、上記流路面積を変更し減衰特性を複数段階に変更することで減衰力を変更するものである。なお、ショックアブソーバ26は、これに限定されず、減衰力を調整可能な他のショックアブソーバを用いてもよい。
このように構成されるサスペンション21は、ショックアブソーバ26の減衰力が大きくなると、ショックアブソーバ26のストローク方向における相対運動がし難くなる(硬くなる)ことで、スプリング25の振動の減衰が大きなものとなる。一方で、サスペンション21は、ショックアブソーバ26の減衰力が小さくなると、ショックアブソーバ26のストローク方向における相対運動がし易くなる(柔らかくなる)ことで、スプリング25の振動の減衰が小さなものとなる。このように、サスペンション21のAVS制御は、スプリング25の振動を、ショックアブソーバ26の減衰力で減衰させる、受動的なパッシブ制御となっている。
次に、図1を参照して、アクティブスタビライザ22について説明する。アクティブスタビライザ22は、左右一対のスタビライザバー31,32と、アクティブスタビライザアクチュエータ33とを有する。
一方のスタビライザバー31は、アクティブスタビライザアクチュエータ33と、左右の一方の車輪側となるばね下部材16とを接続する。一方で、他方のスタビライザバー32は、アクティブスタビライザアクチュエータ33と、左右の他方の車輪側となるばね下部材16とを接続する。このスタビライザバー31,32は、アクティブスタビライザアクチュエータ33から対応する車輪に向けて車両左右方向(図1の左右方向)に延在しており、車輪側となる先端部が車両前後方向(図1の前後方向)に向けて折り曲げられている。折り曲げられたスタビライザバー31,32の先端部は、車輪を保持するばね下部材16、例えばロアアームに接続されている。
アクティブスタビライザアクチュエータ33は、一方のスタビライザバー31と他方のスタビライザバー32との相対的なねじり剛性を制御する、いわゆるASTB制御が実行可能となっている。つまり、アクティブスタビライザアクチュエータ33は、一方のスタビライザバー31と他方のスタビライザバー32との相対的な回転量を制御することで、ねじり剛性を制御している。アクティブスタビライザアクチュエータ33は、例えば、サーボモータを用いている。
ここで、アクティブスタビライザ22のASTB制御は、ねじり剛性を能動的に制御することで、アンチロールモーメントを発生させるアクティブ制御を実行可能となっており、また、能動的に制御されたねじり剛性によってロール方向における減衰力を発生させて振動を減衰させる、受動的なパッシブ制御を実行可能となっている。先ず、ASTB制御のアクティブ制御について説明する。
アクティブスタビライザアクチュエータ33は、車両10のロールによってスタビライザバー31,32に捻り力が作用するときに、この捻り力による捻り方向と反対方向にスタビライザバー31,32を相対回転させることによって、ロールモーメントに対抗するアンチロールモーメントを発生させることができる。このため、アクティブスタビライザアクチュエータ33は、左右のスタビライザバー31,32の相対回転量を変化させることにより、ロール抑制力としてのアンチロールモーメントを変化させることができる。よって、アクティブスタビライザ22は、アクティブスタビライザアクチュエータ33をアクティブ制御することで、車両10のロールを積極的に抑制することが可能となる。
なお、アクティブスタビライザアクチュエータ33の回転量とは、アクティブスタビライザアクチュエータ33の中立位置からの回転量となっている。また、中立位置とは、車両10が平坦路に制止している状態を基準状態としたとき、その基準状態におけるアクティブスタビライザアクチュエータ33の回転位置となっている。
従って、アクティブスタビライザアクチュエータ33の回転量が大きくなるほど、アクティブスタビライザアクチュエータ33の回転位置が中立位置から離れ、スタビライザバー31,32の捻り反力、言い換えるとロール抑制力が大きくなる。このように、アクティブスタビライザ22は、左右のスタビライザバー31,32間の捻り角を可変に制御可能な可変捻り角スタビライザである。
このアクティブスタビライザ22は、蓄電装置としてのバッテリに接続されており、バッテリから供給される電力によってアンチロールモーメントをアクティブに発生させることができる。つまり、アクティブスタビライザ22は、電力を消費することでロールを含む車両10の振動を抑制する力を能動的に発生させることができる。また、アクティブスタビライザ22は、振動を抑制する力を能動的に発生させるときの制御量、すなわち出力トルクや回転角度、回転角速度等を可変に制御可能である。
続いて、ASTB制御のパッシブ制御について説明する。アクティブスタビライザ22は、アクティブスタビライザアクチュエータ33を発電機として機能させることで、受動的に減衰力(以下、スタビライザ減衰力ともいう)を発生させている。つまり、アクティブスタビライザ22による減衰力制御では、車両10に発生するロール方向の振動に対してパッシブ制御を実行している。振動の入力によってスタビライザバー31,32が相対回転すると、アクティブスタビライザアクチュエータ33に捻り力が作用し、アクティブスタビライザアクチュエータ33は捻り力による発電を行う。このため、アクティブスタビライザアクチュエータ33は、スタビライザバー31,32に対して、捻り方向と反対方向に反力を作用させる。
この反力は、車両10のロールを減衰する減衰力として働く。言い換えると、アクティブスタビライザ22は、入力される車両10のロール方向の振動を電力に変換する回生発電を行うことで、車両10の振動を減衰することができる。このように、アクティブスタビライザ22は、車両10の振動を受動的に減衰するときの制御量、すなわち減衰係数(発電負荷)を可変に制御可能である。このため、アクティブスタビライザ22は、アクティブスタビライザアクチュエータ33によりスタビライザバー31,32のねじり剛性を調整することによって、車両10のロール方向における振動を減衰する減衰力が調整される。
このように構成されるアクティブスタビライザ22は、アクティブスタビライザアクチュエータ33によるねじり剛性が大きくなると、車両10のロール方向における振動がし難くなる(硬くなる)ことから、車両10のロール方向における振動の減衰が大きなものとなる。一方で、アクティブスタビライザ22は、アクティブスタビライザアクチュエータ33によるねじり剛性が小さくなると、車両10のロール方向における振動がし易くなる(柔らかくなる)ことから、車両10のロール方向における振動の減衰が小さなものとなる。
次に、図1を参照して、車両制御装置1について説明する。車両制御装置1は、例えば、コンピュータを有する電子制御ユニットであり、ECUを用いて構成されている。車両制御装置1(以下、ECU1という)は、上記のサスペンションコントロールアクチュエータ27及びアクティブスタビライザアクチュエータ33に接続され、サスペンションコントロールアクチュエータ27を制御して、サスペンション21の減衰力を調整し、また、アクティブスタビライザアクチュエータ33を制御して、アクティブスタビライザ22の減衰力を調整する。
また、ECU1には、ばね上Gセンサ41、ばね下Gセンサ42、ストロークセンサ43及びロールレートジャイロ44等の各種センサが接続されており、これら各種センサから検出信号が入力される。ばね上Gセンサ41は、ばね上部材15に配置され、ばね上部材15の上下方向の加速度を検出する。ばね下Gセンサ42は、ばね下部材16に配置され、ばね下部材16の上下方向の加速度を検出する。ストロークセンサ43は、車両10の各サスペンション21のストローク量を検出する。ECU1は、例えば、ストロークセンサ43が検出した各サスペンション21のストローク量を微分演算することで、各サスペンション21のストローク速度を算出することができる。ロールレートジャイロ44は、車両10のロールレートを検出する。車両10のロールレートとは、ばね上部材15のロール角の時間微分値に相当し、ロール角の変化速度(ロール角速度)に相当する。つまり、ロールレートが大きい場合には、車両10のばね上部材15のロール方向における挙動変化が大きく、一方で、ロールレートが小さい場合には、車両10のばね上部材15のロール方向における挙動変化が小さいものとなる。
ECU1は、上記の各種センサから入力される検出結果に基づいて、サスペンション21及びアクティブスタビライザ22等を制御する。つまり、ECU1は、各種センサの検出結果に基づいて、サスペンション21の減衰力を制御するサスペンション制御部(減衰力制御部)51を有する。また、ECU1は、各種センサの検出結果に基づいて、アクティブスタビライザ22の減衰力を制御するスタビライザ制御部52を有する。
サスペンション制御部51は、ロールレートを含む各種検出結果に基づいて、AVS制御を実行する。AVS制御は、スプリング25の振動を減衰させるにあたり、受動的なパッシブ制御となる。同様に、スタビライザ制御部52は、ロールレートを含む各種検出結果に基づいて、ASTB制御を実行する。ASTB制御は、車両10のロール方向における振動を減衰させるにあたり、アンチロールモーメントを発生させる能動的なアクティブ制御を実行可能であり、また、減衰力を発生させる受動的なパッシブ制御を実行可能である。
ここで、ECU1は、各種センサから入力される検出結果に基づいて、サスペンション21及びアクティブスタビライザ22の減衰力を制御するための車両状態量を演算する。車両状態量としては、ロールレートジャイロ44により検出されるロールレート、及び検出されたロールレートから算出されるロール角とがある。なお、ロールレートは、ロール角の時間微分値であることから、ロール角を算出する場合には、検出されたロールレートを時間積分すればよい。
また、ECU1は、サスペンション制御部51及びスタビライザ制御部52を制御するにあたり、トータルロール減衰力演算部53と、減衰力配分部54とを有している。トータルロール減衰力演算部53は、車両10のロール方向に作用させる減衰力、すなわち、サスペンション21のショックアブソーバ26及びアクティブスタビライザ22によって発生させるロール方向の減衰力であるトータルロール減衰力を演算する。つまり、このトータルロール減衰力は、ショックアブソーバ26の減衰力であるショックアブソーバ減衰力と、アクティブスタビライザ22の減衰力であるスタビライザ減衰力とを合わせた減衰力となっている。ここで、車両10のロール方向に作用するトータルロール減衰力は、ロールレートにほぼ比例することから、ロールレートに所定の減衰係数を乗算して算出したものがトータルロール減衰力となる。このとき、所定の減衰係数は、目標とする車両10(の車体)の減衰係数であり、目標車体減衰係数として予め設定される。なお、目標車体減衰係数は、ロールレートに応じて可変させてもよいし、一定としてもよく、特に限定されない。以上から、トータルロール減衰力演算部53は、ロールレートと目標車体減衰係数とを乗算することで、トータルロール減衰力を算出する。
減衰力配分部54は、トータルロール減衰力演算部53により演算されたトータルロール減衰力のうち、ショックアブソーバ減衰力とスタビライザ減衰力との配分を調整する。この減衰力配分部54は、車両10のロール角の絶対値に基づいて、ショックアブソーバ減衰力とスタビライザ減衰力との配分を設定している。具体的に、減衰力配分部54は、図2に示すAVS制御のゲインに基づいてショックアブソーバ減衰力の配分を設定し、図3に示すASTB制御のゲインに基づいてスタビライザ減衰力の配分を設定している。
図2を参照して、AVS制御のゲインについて説明する。図2に示すグラフは、その横軸がロール角となっており、その縦軸がゲインとなっている。また、ロール角θ1は、低ロール角θ1であり、ロール角θ4は、高ロール角θ4である。さらに、ロール角θ2は、低ロール角θ1と高ロール角θ4との間の第1中ロール角θ2であり、ロール角θ3は、第1中ロール角θ2と高ロール角θ4との間の第2中ロール角θ3である。このため、ロール角は、低い順から、低ロール角θ1、第1中ロール角θ2、第2中ロール角θ3、高ロール角θ4となっている。
図2に示すように、AVS制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が低ロール角θ1以下となる場合、すなわち、車両10のロール角が低ロール角−θ1と低ロール角+θ1との間となる場合、ゼロとなる。また、図2に示すように、AVS制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が高ロール角θ4以上となる場合、すなわち、車両10のロール角が高ロール角−θ4以下となり、車両10のロール角が高ロール角+θ4以上となる場合、1よりも大きい所定のゲインXとなる。なお、詳細は後述するが、このゲインXは、ASTB制御が制限され、AVS制御のみが実行されることから、ASTB制御によるスタビライザ減衰力が得られない分を、AVS制御によるショックアブソーバ減衰力で補うように加算したゲインとして設定される。
さらに、図2に示すように、AVS制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が、低ロール角θ1よりも大きく高ロール角θ4よりも小さい場合、ゼロより大きくゲインXよりも小さくなる。より具体的に、AVS制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が、低ロール角θ1よりも大きく第1中ロール角θ2よりも小さい場合、ゼロより大きく1より小さくなっており、低ロール角θ1から第1中ロール角θ2に向かって大きくなっている。また、AVS制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が、第1中ロール角θ2以上で第2中ロール角θ3以下となる場合、1となる。さらに、AVS制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が、第2中ロール角θ3よりも大きく高ロール角θ4よりも小さい場合、1より大きくゲインXより小さくなっており、第2中ロール角θ3から高ロール角θ4に向かって大きくなっている。
次に、図3を参照して、ASTB制御のゲインについて説明する。図3に示すグラフは、その横軸がロール角となっており、その縦軸がゲインとなっている。また、ロール角は、図2と同様に、低い順から、低ロール角θ1、第1中ロール角θ2、第2中ロール角θ3、高ロール角θ4となっている。
図3に示すように、ASTB制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が低ロール角θ1以下となる場合、1よりも大きい所定のゲインYとなる。なお、詳細は後述するが、このゲインYは、AVS制御が制限され、ASTB制御のみが実行されることから、AVS制御によるショックアブソーバ減衰力が得られない分を、ASTB制御によるスタビライザ減衰力で補うように加算したゲインとして設定される。また、図3に示すように、ASTB制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が高ロール角θ4以上となる場合、ゼロとなる。
さらに、図3に示すように、ASTB制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が、低ロール角θ1よりも大きく高ロール角θ4よりも小さい場合、ゼロより大きくゲインYよりも小さくなる。より具体的に、ASTB制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が、低ロール角θ1よりも大きく第1中ロール角θ2よりも小さい場合、1より大きくゲインYより小さくなっており、低ロール角θ1から第1中ロール角θ2に向かって小さくなっている。また、ASTB制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が、第1中ロール角θ2以上で第2中ロール角θ3以下となる場合、1となる。さらに、ASTB制御のゲインは、車両10のロール角の絶対値が、第2中ロール角θ3よりも大きく高ロール角θ4よりも小さい場合、ゼロより大きく1より小さくなっており、第2中ロール角θ3から高ロール角θ4に向かって小さくなっている。
そして、図2に示すAVS制御のゲインと、図3に示すASTB制御のゲインとを重ね合わせたものが、図4に示すグラフとなっている。図4に示すように、AVS制御のゲインと、ASTB制御のゲインとは、ロール角の全域に亘って、相互に補間するように設定される。
車両10のロール角の絶対値が低ロール角θ1以下となる場合、AVS制御のゲインがゼロとなる一方で、ASTB制御のゲインがゲインYとなることから、AVS制御が制限される一方で、ASTB制御が実行される。つまり、車両10のロール角の絶対値が低ロール角θ1以下となる領域は、AVS制御が制限されるAVS制御制限領域E1となっている。そして、AVS制御制限領域E1では、AVS制御が制限されることから、トータルロール減衰力は、スタビライザ減衰力のみで発生させる。
また、車両10のロール角の絶対値が高ロール角θ4以上となる場合、AVS制御のゲインがゲインXとなる一方で、ASTB制御のゲインがゼロとなることから、AVS制御が実行される一方で、ASTB制御が制限される。つまり、車両10のロール角の絶対値が高ロール角θ4以上となる領域は、ASTB制御が制限されるASTB制御制限領域E3となっている。そして、ASTB制御制限領域E3では、ASTB制御が制限されることから、トータルロール減衰力は、ショックアブソーバ減衰力のみで発生させる。
また、車両10のロール角の絶対値が低ロール角θ1よりも大きく高ロール角θ4よりも小さくなる場合、AVS制御のゲインが0より大きくゲインXよりも小さく、また、ASTB制御のゲインが0より大きくゲインYよりも小さいことから、AVS制御及びASTB制御が実行される。つまり、車両10のロール角の絶対値が低ロール角θ1よりも大きく高ロール角θ4よりも小さくなる領域は、AVS制御及びASTB制御が実行されるAVS・ASTB制御領域E2となっている。そして、AVS・ASTB制御領域E2では、AVS制御及びASTB制御が実行されることから、トータルロール減衰力は、ショックアブソーバ減衰力及びスタビライザ減衰力で発生させる。
具体的に、車両10のロール角の絶対値が第1中ロール角θ2以上で第2中ロール角θ3以下となる場合、AVS制御及びASTB制御のゲインがそれぞれ1となる。このため、トータルロール減衰力は、ショックアブソーバ減衰力とスタビライザ減衰力との配分が等分となり、AVS制御及びASTB制御が通常どおりに作動する。
また、車両10のロール角の絶対値が低ロール角θ1よりも大きく第1中ロール角θ2よりも小さい場合、AVS制御のゲインが1より小さく、ASTB制御のゲインが1より大きいことから、スタビライザ減衰力の配分が、ショックアブソーバ減衰力の配分よりも大きくなる。一方で、車両10のロール角の絶対値が第2中ロール角θ3よりも大きく高ロール角θ4よりも小さくなる場合、AVS制御のゲインが1より大きく、ASTB制御のゲインが1より小さいことから、ショックアブソーバ減衰力の配分が、スタビライザ減衰力の配分よりも大きくなる。なお、AVS制御のゲインの傾きと、ASTB制御のゲインの傾きとは、同じ傾きであってもよいし、異なる傾きであってもよい。
ここで、低ロール角θ1及び高ロール角θ4は、AVS制御の制御特性及びASTB制御の制御特性に基づいて設定されている。低ロール角θ1は、サスペンション21のショックアブソーバ26のストローク方向における振幅に基づいて設定されている。
先ず、低ロール角θ1について説明すると、車両10のロール方向における振動の振幅が小さい(微振幅となる)場合、この微振幅領域に対しては、AVS制御による車両10のロール方向における制振が困難であることから、AVS制御を制限する。よって、低ロール角θ1は、サスペンション21のストローク方向における微振幅領域の範囲となるように設定される。つまり、ロール角の絶対値が低ロール角θ1以下となる範囲が、サスペンション21のストローク方向における微振幅領域の範囲となる。なお、微振幅領域は、サスペンション21の作動性能によって変位することから、低ロール角θ1の角度は、使用されるサスペンション21に応じて適宜設定される。
次に、高ロール角θ4について説明すると、車両10のロール方向における振動の振幅が大きい(大振幅となる)場合、この大振幅領域に対しては、ASTB制御による車両10のロール方向における制振が、アクティブスタビライザ22に対して大きな負荷となり、消費電力も大きくなることから、ASTB制御を制限する。よって、高ロール角θ4は、アクティブスタビライザ22のロール方向における大振幅領域の範囲となるように設定される。つまり、ロール角の絶対値が高ロール角θ4以上となる範囲が、アクティブスタビライザ22のロール方向における大振幅領域の範囲となる。なお、大振幅領域は、アクティブスタビライザ22の作動性能によって変位することから、高ロール角θ4の角度は、使用されるアクティブスタビライザ22に応じて適宜設定される。
このように、ECU1は、ロール角に基づいて、AVS制御を実行する場合、AVS・ASTB制御領域E2及びASTB制御制限領域E3においてAVS制御を実行する。一方で、ECU1は、ロール角に基づいて、ASTB制御を実行する場合、AVS制御制限領域E1及びAVS・ASTB制御領域E2においてASTB制御を実行する。
次に、図5を参照して、ECU1のAVS制御及びASTB制御の一連の制御動作について説明する。ECU1には、ばね上Gセンサ41、ばね下Gセンサ42、ストロークセンサ43及びロールレートジャイロ44等の各種センサから検出信号が入力される。ECU1は、各種センサから検出信号が入力されると、検出信号に基づいて、車両10のロール方向におけるロールレートを、車両状態量として演算して導出する(ステップS1)。また、ECU1には、予め目標車体減衰係数が設定されている(ステップS2)ことから、ECU1は、導出したロールレートと目標車体減衰係数とを乗算して、トータルロール減衰力を算出する。
一方で、ECU1は、各種センサから検出信号が入力されると、検出信号に基づいて、車両10のロール角を、車両状態量として演算して導出する(ステップS3)。ECU1は、トータルロール減衰力を導出し、ロール角を導出すると、ロール角に基づいて、トータルロール減衰力を、ショックアブソーバ減衰力とスタビライザ減衰力とに振り分ける(ステップS4)。具体的に、ステップS4において、ECU1は、ロール角に基づいて、導出したトータルロール減衰力に、図2に示すAVS制御のゲインを与えることで、ショックアブソーバ26に要求する要求ショックアブソーバ減衰力を導出する。また、ステップS4において、ECU1は、ロール角に基づいて、導出したトータルロール減衰力に、図3に示すASTB制御のゲインを与えることで、アクティブスタビライザ22に要求する要求スタビライザ減衰力を導出する。
続いて、ECU1は、サスペンション制御部51において、導出した要求ショックアブソーバ減衰力に基づいてAVS制御を実行し、車両10のロール方向における振動を減衰させる(ステップS5:AVSロール減衰制御)。ここで、車両10は、ロール方向に振動すると、車体を含むばね上部材15の重心位置がロール方向に変動する。一方で、AVS制御を実行して車両10のロール方向における振動を抑制する場合、各車輪のサスペンション21を制御することから、車両10のロール方向における振動を、各車輪のストローク方向における振動に換算する必要がある。このため、ECU1は、AVS制御を実行すると、各種センサの検出結果に基づいて、ロール方向におけるばね上部材15の重心位置の変動を、ストローク方向における各車輪の位置の変動に変換演算する(ステップS6)。そして、ECU1は、演算した各車輪の位置の変動に基づいて、目標とする各車輪の目標位置に減衰させるために必要な目標減衰力を演算する。この後、ECU1は、目標減衰力に基づいて、サーボモータであるサスペンションコントロールアクチュエータ27の動作量をサーボ演算する(ステップS7)。そして、ECU1は、サーボ演算した動作量に基づいて、サスペンションコントロールアクチュエータ27を動作させる。これにより、ECU1は、サスペンション21のショックアブソーバ26で発生させた目標減衰力でスプリング25の振動を減衰させることで、車両10のロール方向における振動を減衰させることができる。
一方で、ECU1は、スタビライザ制御部52において、導出した要求スタビライザ減衰力に基づいてASTB制御を実行し、車両10のロール方向における振動を減衰させる(ステップS8:ASTBロール減衰制御)。ECU1は、ASTB制御を実行すると、各種センサの検出結果に基づいて、ロール方向におけるばね上部材15の重心位置の変動を抑制するための目標アンチロールモーメントを演算する。この後、ECU1は、目標アンチロールモーメントに基づいて、サーボモータであるアクティブスタビライザアクチュエータ33の動作量をサーボ演算する(ステップS9)。そして、ECU1は、サーボ演算した動作量に基づいて、アクティブスタビライザアクチュエータ33を動作させる。これにより、ECU1は、アクティブスタビライザ22に目標アンチロールモーメントを発生させることで、車両10のロール方向における振動を減衰させることができる。
次に、図6を参照して、本実施形態のECU1によりAVS制御及びASTB制御を実行したときの、車両の左右方向に与えられる加速度(以下、横Gという)、ロール角及びロールレートの時間変化について説明する。図6は、上から、横G、ロール角及びロールレートのグラフとなっており、その縦軸が、横G、ロール角及びロールレートの大きさであり、その横軸が時間となっている。なお、図6のロール角及びロールレートのグラフにおいて、ラインL2及びL4(実線)は、AVS制御及びASTB制御が協調せずそれぞれ単独で行われたとき(単独制御時)のグラフであり、ラインL3及びL5(点線)は、AVS制御及びASTB制御が協調して行われたときのグラフである。
図6のように時間変化する横Gが車両10に与えられる場合として、例えば、車両10が所定のカーブとなる路面を走行する場合、横Gは、ゼロからピークに向かって大きくなり、ピークを超えるとゼロに向かって小さくなる、上側に凸となる曲線のラインL1となる。このとき、車両10のロール方向における振幅は、横Gが小さいほど小さく、一方で、横Gが大きいほど大きくなる。このため、図6の横Gのグラフに示すように、横Gの小さい所定の範囲が微振幅領域となり、AVS制御制限領域E1となる。また、図6の横Gのグラフに示すように、横Gの大きい所定の範囲が大振幅領域となり、ASTB制御制限領域E3となる。そして、AVS制御制限領域E1とASTB制御制限領域E3との間の横Gが、AVS・ASTB制御領域E2となる。
図6に示す横Gが車両10に与えられると、単独制御時(ラインL2)におけるロール角は、横Gの微振幅領域(AVS制御制限領域E1)においてAVS制御及びASTB制御が実行される。この場合、AVS制御では、微振幅に応じたショックアブソーバ減衰力となるように、サスペンションコントロールアクチュエータ27を制御する。このとき、車両10のロール方向における微振幅を、サスペンション21によって抑制することが困難となることから、ロール角が大きくなってしまう。これに対し、協調制御時(ラインL3)におけるロール角は、横Gの微振幅領域において、AVS制御が制限され、ASTB制御のみが実行される。この場合、ASTB制御は、微振幅に応じたスタビライザ減衰力となるように、アクティブスタビライザアクチュエータ33を制御する。このとき、AVS制御が制限されることから、ASTB制御により車両10のロール方向における微振幅を好適に抑制することができ、単独制御時に比してロール角を小さくすることができる。
また、単独制御時におけるロール角は、横Gの大振幅領域(ASTB制御制限領域E3)においてAVS制御及びASTB制御が実行される。この場合、ASTB制御は、大振幅に応じたスタビライザ減衰力となるように、アクティブスタビライザアクチュエータ33を制御する。このとき、車両10のロール方向における大振幅を、アクティブスタビライザ22によって抑制することが困難となることから、ロール角が大きくなってしまう。これに対し、協調制御時(ラインL3)におけるロール角は、横Gの大振幅領域において、ASTB制御が制限され、AVS制御のみが実行される。この場合、AVS制御は、大振幅に応じたショックアブソーバ減衰力となるように、サスペンションコントロールアクチュエータ27を制御する。このとき、ASTB制御が制限されることから、AVS制御により車両10のロール方向における大振幅を好適に抑制することができ、単独制御時に比してロール角を小さくすることができる。このため、協調制御されたロール角は、ゼロからピークに向かって大きくなり、ピークを超えるとゼロに向かって小さくなる、上側に凸となる曲線のラインL3となる。
ここで、上記したようにロールレートは、ロール角の時間微分値である。このため、図6に示すロールレートは、単独制御時(ラインL4)のロールレートが、単独制御時(ラインL2)のロール角を時間微分した変化となり、協調制御時(ラインL5)のロールレートが、協調制御時(ラインL3)のロール角を時間微分した変化となる。よって、協調制御されたロールレートは、サインカーブとなるラインL5となる。このように、協調制御されたロール角及びロールレートは、滑らかな変化、つまり横Gと相似な変化となる。
以上のように、本実施形態によれば、ECU1は、低ロール角θ1以下となる場合、アクティブスタビライザ22により、車両10のロール方向における振動を減衰させることができる。一方で、高ロール角θ4以上となる場合、アクティブスタビライザ22による車両10のロール方向における振動の減衰が制限される。このため、車両10のロール方向における振動の振幅が大きい場合、アクティブスタビライザ22によるASTB制御を制限することができるため、消費電力の増大を抑制することができ、また、アクティブスタビライザ22に与えられる負荷を軽減することができる。また、低ロール角θ1以下となる場合、ショックアブソーバ26による車両10のロール方向における振動の減衰が制限される。一方で、高ロール角θ4以上となる場合、ショックアブソーバ26により、車両10のロール方向における振動を減衰させることができる。このため、車両10のロール方向における振動の振幅が小さい場合、ショックアブソーバ26によるAVS制御を制限することができるため、ショックアブソーバ26の減衰力を可変させるための作動回数を抑制することができ、ショックアブソーバ26の耐久性低下を抑制することができる。そして、ECU1は、ショックアブソーバ減衰力とスタビライザ減衰力とを振り分けることで(協調制御を行うことで)、図6に示すようにロール角及びロールレートを滑らかにできることから、乗り心地に違和感を生じさせることなく、車両10の乗り心地を向上させることができる。
なお、本実施形態では、ECU1を用いてAVS制御及びASTB制御を実行したが、この構成に限定されず、AVS制御専用のECU(例えば、AVSECU)とASTB制御専用のECU(例えば、ASTBECU)とを用いてもよい。
以上のように、本発明に係る車両制御装置は、サスペンション及びアクティブスタビライザを備えた車両を制御する場合において有用であり、特に、車両のロール方向における振動を抑制する場合に適している。
1 車両制御装置(ECU)
10 車両
15 ばね上部材
16 ばね下部材
20 車両懸架装置
21 サスペンション
22 アクティブスタビライザ
25 スプリング
26 ショックアブソーバ
27 サスペンションコントロールアクチュエータ
31,32 スタビライザバー
33 アクティブスタビライザアクチュエータ
41 ばね上Gセンサ
42 ばね下Gセンサ
43 ストロークセンサ
44 ロールレートジャイロ
51 サスペンション制御部
52 スタビライザ制御部
53 トータルロール減衰力演算部
54 減衰力配分部
E1 AVS制御制限領域
E2 AVS・ASTB制御領域
E3 ASTB制御制限領域

Claims (1)

  1. スプリングの振動を減衰させるショックアブソーバと、ロール方向における車両の姿勢を制御するアクティブスタビライザと、を備える車両懸架装置を制御する車両制御装置において、
    前記車両のロールレートに基づいて、前記ショックアブソーバ及び前記アクティブスタビライザによって発生させる前記ロール方向の減衰力であるトータルロール減衰力を演算するトータルロール減衰力演算手段と、
    前記車両のロール角の絶対値に基づいて、前記ショックアブソーバによって発生させる前記ロール方向の減衰力であるショックアブソーバ減衰力と、前記アクティブスタビライザによって発生させる前記ロール方向の減衰力であるスタビライザ減衰力との配分を調整する減衰力配分手段と、を備え、
    前記減衰力配分手段は、
    前記車両の前記ロール方向における振幅が予め設定された微振幅領域となるような前記ロール角である低ロール角の絶対値以下となる場合、前記スタビライザ減衰力を前記トータルロール減衰力とする一方で、
    前記車両の前記ロール方向における振幅が予め設定された大振幅領域となるような前記ロール角である高ロール角の絶対値以上となる場合、前記ショックアブソーバ減衰力を前記トータルロール減衰力とすることを特徴とする車両制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20180053911A (ko) * 2016-11-14 2018-05-24 현대자동차주식회사 통합샤시 시스템 협조제어 방법 및 차량

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