JP2016007978A - 車両制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ショックアブソーバの耐久性低下を抑制しつつ、ピッチ方向における振動を全帯域に亘って制振することで、車両の乗り心地を向上できる車両制御装置を提供する。【解決手段】ショックアブソーバ26を制御するECU1において、車両10のピッチ方向におけるピッチ振動周波数を、設定周波数よりも大きい高周波帯域と、設定周波数以下となる低周波帯域とに振り分けるバンドパスフィルタ53a及びハイパスフィルタ53bと、高周波帯域となるピッチ振動周波数に基づいて、ショックアブソーバ26の減衰力を制御するサスペンション制御部51と、低周波帯域となるピッチ振動周波数に基づいて、車両10の制駆動力を可変させて、ばね上部材15のピッチ方向における振動を減衰させるばね上制振制御部52とを備え、設定周波数は、制駆動力を可変させるために作動するばね上制振アクチュエータ31の応答限界となる応答上限周波数に基づいて設定される。【選択図】図1

Description

本発明は、車両に発生する振動を減衰させる減衰力を制御する車両制御装置に関する。
従来、エンジン出力及び各車輪のブレーキを制御すると共に、ショックアブソーバの減衰力を協調制御することで、高い安定性を確保することができる車両スタビリティ制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−100634号公報
ところで、路面から車両のピッチ方向に与えられる振動としては、低周波振動と、高周波振動とがある。低周波振動としては、例えば、登板路及び降板路であり、数Hz程度の振動となっている。高周波振動としては、例えば、路面の凹凸であり、数十Hz程度の振動となっている。ここで、車両のピッチ方向への振動を抑制する制御として、ばね上制振制御(以下、PBC(Pitch Bounce Control)制御という)がある。PBC制御(BCTD(Body Control with Torque Demand)制御ともいう)は、車両の制駆動力を可変させ、車両の駆動力を調整することで、車体等のばね上部材のピッチ方向における振動を抑制している。このPBC制御は、制駆動力を可変させるために作動するアクチュエータの応答性能によって、制振可能なピッチ方向の振動数(ピッチ振動周波数)が制限される。具体的に、PBC制御は、高周波振動に対する応答性が、低周波振動に対する応答性に比して遅いという制御特性を有することから、車両のピッチ方向における振動を、全域に亘って適切に制振することは困難となる。
また、車両のピッチ方向への振動を抑制する制御として、サスペンションの減衰力制御(以下、AVS(Adaptive Variable Suspension)制御という)がある。AVS制御は、サスペンションのショックアブソーバの減衰力を制御することで、スプリングの振動を広い帯域に亘って制振することが可能である。このAVS制御は、ストローク速度の低い低周波振動を、ストローク速度の速い高周波振動に比して制振することが不得手であるという制御特性を有する。特に、車両に対して、高周波振動と低周波振動とが重畳して与えられる場合、低周波振動を優先して制振すると、サスペンションが硬くなってしまい、高周波振動を十分に制振できない可能性がある。一方で、高周波振動を優先して制振すると、サスペンションが柔らかくなってしまい、低周波振動により車両が上下にあおられてしまう可能性がある。以上から、AVS制御では、高周波振動の制振と低周波振動の制振との両立を図ることが困難である。また、AVS制御では、ショックアブソーバの減衰力を可変させるための作動回数に制限がある。このため、AVS制御を振動の広域に亘って実行させると、ショックアブソーバの作動頻度が多くなってしまい、ショックアブソーバの耐久性が低下し易くなってしまう。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、ショックアブソーバの耐久性低下を抑制しつつ、車両のピッチ方向における振動を全帯域に亘って好適に制振することで、車両の乗り心地を向上させることができる車両制御装置を提供することを課題とする。
本発明の車両制御装置は、車両のばね上部材とばね下部材とを接続するスプリングの振動を減衰させるショックアブソーバを制御する車両制御装置において、前記車両のピッチ方向における振動を検出して得られるピッチ振動周波数を、予め設定された設定周波数よりも大きい高周波帯域と、前記設定周波数以下となる低周波帯域とに振り分ける周波数帯域振り分け部と、前記高周波帯域となる前記ピッチ振動周波数に基づいて、前記ショックアブソーバの減衰力を制御する減衰力制御部と、前記低周波帯域となる前記ピッチ振動周波数に基づいて、前記車両の車輪で発生させる制駆動力を可変させて、前記ばね上部材の前記ピッチ方向における振動を減衰させるばね上制振制御部と、を備え、前記設定周波数は、前記制駆動力を可変させるために作動するばね上制振アクチュエータの応答限界となる応答限界周波数に基づいて設定されることを特徴とする。
本発明に係る車両制御装置は、減衰力制御部によりショックアブソーバの減衰力を制御(AVS制御)することで、高周波振動を制振することができ、また、ばね上制振制御部により車輪の制駆動力を制御(PBC制御)することで、低周波振動を制振することができる。このため、高周波振動と低周波振動とが重畳して車両に与えられる場合であっても、高周波振動と低周波振動とを両立して制振することができる。また、ばね上制振アクチュエータの応答限界周波数に基づいて設定周波数を設定することで、低周波振動におけるPBC制御の作動帯域を広域にできる分、高周波振動におけるAVS制御の作動帯域を狭くすることができるため、AVS制御の作動頻度を抑制することができ、ショックアブソーバの耐久性低下を抑制することができるという効果を奏する。
図1は、実施形態1に係る車両制御装置に関する概略構成図である。 図2は、車両のばね上制振制御に関する説明図である。 図3は、ばね上制振アクチュエータの応答周波数特性に関するゲイン線図である。 図4は、ばね上制振アクチュエータの応答周波数特性に関する位相線図である。 図5は、PBC用のバンドパスフィルタに関するゲイン線図である。 図6は、AVS用のハイパスフィルタに関するゲイン線図である。 図7は、実施形態1に係る車両制御装置を機能的に示した説明図である。 図8は、ばね上制振制御を機能的に示した説明図である。 図9は、車両のピッチ方向における実振動の周波数特性に関するゲイン線図である。 図10は、実施形態2に係る車両制御装置に関する概略構成図である。 図11は、実施形態2に係る車両制御装置を機能的に示した説明図である。
以下に、本発明に係る実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。さらに、以下に記載した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせることも可能である。
〔実施形態1〕
図1から図9を参照して、実施形態1について説明する。図1は、実施形態1に係る車両制御装置に関する概略構成図である。図2は、車両のばね上制振制御に関する説明図である。図3は、ばね上制振アクチュエータの応答周波数特性に関するゲイン線図である。図4は、ばね上制振アクチュエータの応答周波数特性に関する位相線図である。図5は、PBC用のバンドパスフィルタに関するゲイン線図である。図6は、AVS用のハイパスフィルタに関するゲイン線図である。図7は、実施形態1に係る車両制御装置を機能的に示した説明図である。図8は、ばね上制振制御を機能的に示した説明図である。図9は、車両のピッチ方向における実振動の周波数特性に関するゲイン線図である。
実施形態1の車両制御装置1は、車両10に設けられるサスペンション21を制御すると共に、車両10に設けられる車輪から路面に伝達される駆動力を制御することで、車両10のピッチ方向における振動を抑制している。先ず、車両制御装置1の説明に先立ち、図1を参照して、サスペンション21について説明する。
サスペンション21は、前後左右の4つの車輪に対応して4つ設けられる。各サスペンション21は、各車輪を車両10の車体に支持するものである。なお、図1では、前後いずれかの左右輪に設けられる2つのサスペンション21を図示している。以下では、特に断りのない限り4つのサスペンション21を区別せずに説明する。
サスペンション21は、車両10のばね上部材15とばね下部材16との間に設けられ、ばね上部材15とばね下部材16とを接続している。ばね上部材15は、サスペンション21によって支持される部材であり、車体を含むものである。ばね下部材16は、サスペンション21よりも車輪側に配置された部材であり、車輪に連結されたナックルや、ナックルに連結されたロアアーム等を含むものである。このサスペンション21は、スプリング25とショックアブソーバ26とを有する。スプリング25とショックアブソーバ26とは、並列に設けられている。
スプリング25は、ばね上部材15とばね下部材16とを接続し、ばね上部材15とばね下部材16との相対変位に応じたばね力を発生させ、そのばね力をばね上部材15およびばね下部材16に作用させる。なお、スプリング25は、例えば、コイルスプリングを用いてばね力を発生させる機構であってもよいし、空気ばねによってばね力を発生させる機構であってもよく、特に限定されない。また、ばね上部材15とばね下部材16との相対変位とは、ばね上部材15とばね下部材16とがサスペンション21のストローク方向において接近あるいは離間する方向の相対変位である。サスペンション21のストローク方向は、車両上下方向(図1の上下方向)に沿った方向であるものとして図示しているが、車両上下方向に対して所定の傾斜を有していてもよい。また、スプリング25は、ばね係数、すなわち、ばね力を可変に制御可能な構成であってもよい。
ショックアブソーバ26は、ばね上部材15とばね下部材16とを接続し、ばね上部材15とばね下部材16との相対運動を減衰させる減衰力を発生させる。ばね上部材15とばね下部材16との相対運動とは、ばね上部材15とばね下部材16とがサスペンション21のストローク方向において接近あるいは離間する方向の相対運動である。ショックアブソーバ26は、この相対運動におけるばね上部材15とばね下部材16との相対速度に応じた減衰力を発生させることで相対運動を減衰させる。
具体的に、ショックアブソーバ26は、ばね上部材15またはばね下部材16の一方に接続され、作動流体が封入されたシリンダ(アブソーバシェル)26aと、他方に接続され、シリンダ26a内を往復動するピストン部26bを有するピストンロッド(アブソーバロッド)26cと、を備えている。そして、サスペンション21は、このシリンダ26aとピストンロッド26cとが相対変位することでストロークし、ばね上部材15とばね下部材16とが相対変位する。このため、サスペンション21のストローク方向は、シリンダ26aとピストンロッド26cとの相対変位に沿った方向となり、換言すれば、ばね上部材15とばね下部材16との相対変位に沿った方向となる。
さらに、実施形態1のショックアブソーバ26は、減衰係数を可変に制御され、スプリング25の振動を減衰させる減衰力を可変に制御可能な構成となっている。つまり、ショックアブソーバ26は、車両10のサスペンション21の減衰力を調整する、いわゆるAVS制御が実行可能となっている。このショックアブソーバ26は、減衰係数を可変に制御する手段として、例えば、ピストン部26bを挟んで、一方側に形成されるシリンダ26a内のピストン上室と、他方側に形成されるシリンダ26a内のピストン下室とを連通する油路・オリフィス等の流路面積を可変する図示しないロータリーバルブを有している。このロータリーバルブは、サスペンション21に設けられるサスペンションコントロールアクチュエータ27によって回転する。このため、ショックアブソーバ26は、サスペンションコントロールアクチュエータ27によりロータリーバルブが回転することによって、減衰力が調整される。サスペンションコントロールアクチュエータ27は、例えば、サーボモータが用いられている。ここで、ショックアブソーバ26は、段数指令等を含むAVS指令信号に応じて流路面積が段階的に変化させられることで、互いに異なる複数の減衰特性(減衰係数)を選択的に複数段階で実現することができる。つまり、ショックアブソーバ26は、上記流路面積を変更し減衰特性を複数段階に変更することで減衰力を変更するものである。なお、ショックアブソーバ26は、これに限定されず、減衰力を調整可能な他のショックアブソーバを用いてもよい。
このように構成されるサスペンション21は、ショックアブソーバ26の減衰力が大きくなると、ショックアブソーバ26のストローク方向における相対運動がし難くなる(硬くなる)ことで、スプリング25の振動の減衰が大きなものとなる。一方で、サスペンション21は、ショックアブソーバ26の減衰力が小さくなると、ショックアブソーバ26のストローク方向における相対運動がし易くなる(柔らかくなる)ことで、スプリング25の振動の減衰が小さなものとなる。このように、サスペンション21のAVS制御は、スプリング25の振動を、ショックアブソーバ26の減衰力で減衰させる、受動的なパッシブ制御となっている。
次に、図1を参照して、車両制御装置1について説明する。車両制御装置1は、例えば、コンピュータを有する電子制御ユニットであり、ECUを用いて構成されている。車両制御装置1(以下、ECU1という)は、上記のサスペンションコントロールアクチュエータ27に接続され、サスペンションコントロールアクチュエータ27を制御して、ショックアブソーバ26の減衰力を制御するAVS制御を実行する。また、ECU1は、車両10に設けられるばね上制振アクチュエータ31に接続され、ばね上制振アクチュエータ31を制御して、車両10の駆動力を調整することにより、ばね上部材15の振動を抑制するばね上制振制御(PBC制御)を実行する。
ここで、図1及び図2を参照して、PBC制御について説明する。PBC制御が実行される車両10は、例えば、動力源としてエンジン及びモータを搭載するハイブリッド車両となっている。なお、実施形態1では、ハイブリッド車両に適用して説明するが、動力源としてエンジンのみを搭載する車両に適用してもよく、特に限定されない。
また、実施形態1では、図2に示すように、車両10は、エンジン及びモータからの駆動力が後輪に伝達される後輪駆動車となっているが、車両10の駆動形式については、特に限定されない。車両10は、例えば、エンジン及びモータからの駆動力が前輪に伝達される前輪駆動車であってもよいし、前輪及び後輪に駆動力が伝達される四輪駆動車であってもよい。
図2に示すように、ばね上制振制御は、車両10に対して制駆動力Fbを発生させて、車両10の駆動力Ffを調整することにより、ばね上部材15のピッチ方向における振動を抑制している。制駆動力Fbは、車両10の駆動力Ffとは逆方向の駆動力であり、車両10の駆動力Ffを抑制している。
ここで、この車両10には、車両10で発生させる駆動力Ffを要求するため操作される図示しないアクセルペダルが設けられている。ECU1は、アクセルペダルが操作されると、アクセルペダルの操作量に応じた要求駆動力を導出する。そして、ECU1は、導出した要求駆動力に基づいて、エンジンから出力される動力と、モータから出力される動力とを発生させ、発生させたエンジンの動力とモータの動力とを統合して車輪に伝達する。
このとき、エンジンから出力される動力は、スロットルのスロットル開度を調整することにより制御される。スロットルは、スロットルアクチュエータ35によってスロットル開度が可変する。このスロットルアクチュエータ35は、例えば、サーボモータが用いられ、図1に示すようにECU1に接続される。よって、ECU1は、スロットルアクチュエータ35を制御することにより、エンジンから出力される動力を制御して、車両10の駆動力Ffを制御可能となっている。
また、モータ36から出力される動力は、モータ36に供給される電力を調整することにより制御される。このモータ36は、図1に示すようにECU1に接続される。よって、ECU1は、モータ36を制御することにより、モータ36から出力される動力を制御して、車両10の駆動力Ffを制御可能となっている。
PBC制御において制御される上記のばね上制振アクチュエータ31は、上記したスロットルアクチュエータ35及びモータ36等を含む構成となっている。なお、車両10が、動力源としてエンジンのみを搭載する車両である場合には、ばね上制振アクチュエータ31としてのモータ36を省いた構成となる。
次に、図2を参照し、ばね上振動時における車両10の挙動と、PBC制御とについて説明する。走行路を走行する車両10に対し、路面外乱が与えられると、車両10には、車体を含むばね上部材15に、車両10のピッチ方向における振動が発生する。車両10のピッチ方向における振動は、ばね上部材15の重心Cgを通ると共に車両10の左右方向に延びる軸を回転軸として、この回転軸回りにばね上部材15が搖動することで発生する。つまり、ばね上部材15には、重心Cgを中心として、所定の回転量(角度θ)分だけ回転するピッチモーメントが発生する。ここで、ばね上部材15の回転量は、車両10の中立位置からの回転量となっている。中立位置とは、車両10が平坦路に制止している状態を基準状態としたとき、その基準状態における車両10の回転位置となっている。よって、ばね上部材15の回転量は、中立位置からの回転角であるピッチ角θとなっている。
PBC制御では、ばね上部材15のピッチ方向における回転量を相殺するように、車両10に制駆動力Fbを発生させることにより、ピッチモーメントに対向するアンチピッチモーメントを変化させることができる。よって、PBC制御では、ばね上部材15をピッチ方向に所定の回転量を回転させることで、車両10のピッチ方向における振動を積極的に抑制することが可能となる。
このPBC制御では、ばね上部材15の進行方向の前方側が沈み込み、後方側が浮き上がるようにピッチモーメントが発生する場合、アンチピッチモーメントを発生させるべく、制駆動力Fbがマイナス側となるように、すなわち、車両10の駆動力Ffに制駆動力Fbが加算されるように制御される。一方で、PBC制御では、ばね上部材15の進行方向の前方側が浮き上がり、後方側が沈み込むようにピッチモーメントが発生する場合、アンチピッチモーメントを発生させるべく、制駆動力Fbがプラス側となるように、すなわち、車両10の駆動力Ffから制駆動力Fbが減算されるように制御される。
また、ECU1には、ばね上Gセンサ41、ばね下Gセンサ42、ストロークセンサ43及びピッチレートジャイロ44等の各種センサが接続されており、これら各種センサから検出信号が入力される。ばね上Gセンサ41は、ばね上部材15に配置され、ばね上部材15の上下方向の加速度を検出する。ばね下Gセンサ42は、ばね下部材16に配置され、ばね下部材16の上下方向の加速度を検出する。ストロークセンサ43は、車両10の各サスペンション21のストローク量を検出する。ECU1は、例えば、ストロークセンサ43が検出した各サスペンション21のストローク量を微分演算することで、各サスペンション21のストローク速度を算出することができる。ピッチレートジャイロ44は、車両10のピッチレートを検出する。車両10のピッチレートとは、ばね上部材15のピッチ角θの時間微分値に相当し、ピッチ角θの変化速度(ピッチ角速度)に相当する。つまり、ピッチレートが大きい場合には、車両10のばね上部材15のピッチ方向における挙動変化が大きく、一方で、ピッチレートが小さい場合には、車両10のばね上部材15のピッチ方向における挙動変化が小さいものとなる。
ECU1は、上記の各種センサから入力される検出結果に基づいて、サスペンション21及び車両10の駆動力等を制御する。つまり、ECU1は、各種センサの検出結果に基づいて、サスペンション21の減衰力を制御するサスペンション制御部(減衰力制御部)51を有する。また、ECU1は、各種センサの検出結果に基づいて、車両10の駆動力を制御するばね上制振制御部52を有する。
ここで、ECU1は、各種センサから入力される検出結果に基づいて、サスペンション21の減衰力及び車両10の駆動力を制御するための車両状態量を演算する。車両状態量としては、検出されたピッチレートを角振動数として用い、この角振動数を振動数に変換することで得られる、車両10のピッチ方向における振動周波数(ピッチ振動周波数)がある。
サスペンション制御部51は、ピッチレートを含む各種検出結果に基づいて、AVS制御を実行する。AVS制御は、スプリング25の振動を減衰させるにあたり、受動的なパッシブ制御となる。同様に、ばね上制振制御部52は、ピッチレートを含む各種検出結果に基づいて、PBC制御を実行する。PBC制御は、車両10のピッチ方向における振動を減衰させるにあたり、アンチピッチモーメントを発生させる能動的なアクティブ制御を実行可能である。
次に、図3及び図4を参照して、PBC制御における応答性について説明する。PBC制御において制御されるばね上制振アクチュエータ31は、その応答に関する周波数特性が、図3及び図4に示す応答周波数となっている。図3に示すゲイン線図を見ると、ばね上制振アクチュエータ31の応答周波数は、低周波数となる帯域(低周波帯域)において、ゲインがゼロ付近で安定する一方で、高周波数となる帯域(高周波帯域)において、ゲインがゼロよりも小さくなり、また、ゲインが不安定となる。また、図4に示す位相線図を見ると、ばね上制振アクチュエータ31の応答周波数は、低周波数となる帯域(低周波帯域)において、位相がゼロ付近で安定する一方で、高周波数となる帯域(高周波帯域)において、位相が大きくゼロから離れ、また、位相が不安定となる。
このとき、ばね上制振アクチュエータ31の応答上限周波数(応答限界周波数)fxを、位相が45°よりも大きく離れる周波数とする。つまり、応答上限周波数fxを、位相が−45°よりも小さくなる周波数とする。なお、位相が−45°となる周波数を応答上限周波数fxとしたのは、例えば、ばね上制振アクチュエータ31の応答による位相の遅延を最大90°まで許容可能とし、また、後述するバンドパスフィルタ53aを用いる場合、バンドパスフィルタ53aを通過した周波数が−45°位相が遅延することを考慮したからである。このように、PBC制御では、ばね上制振アクチュエータ31の応答周波数が、応答上限周波数fx以下となる低周波帯域であれば、ばね上制振アクチュエータ31が正常に応答可能である。
また、ばね上制振アクチュエータ31の応答周波数を、応答下限周波数fyよりも小さくすると、制駆動力Fbによる車両10の加減速が大きくなり、車両10の乗り心地に違和感を生じさせる。このように、PBC制御では、ばね上制振アクチュエータ31の応答周波数が、応答下限周波数fy以上となる低周波帯域であれば、乗り心地を損ねることなく、ばね上制振アクチュエータ31による車両10の制駆動力Fbを発生させることができる。
このため、実施形態1において、ECU1は、ピッチ振動周波数に基づいて、PBC制御を実行する場合、応答下限周波数fy以上で応答上限周波数fx以下となるピッチ振動周波数の低周波帯域(低周波振動)において、PBC制御をアクティブ制御する。言い換えれば、ECU1は、ピッチ振動周波数に基づいて、PBC制御を実行する場合、応答限界周波数fxよりも大きいピッチ振動周波数の高周波帯域(高周波振動)において、PBC制御のアクティブ制御を制限する。
一方で、AVS制御は、スプリング25の振動を受動的に減衰させるパッシブ制御であることから、ピッチ振動周波数の全帯域に亘って応答可能となっている。一方で、AVS制御は、ストローク速度の速い高周波振動を、ストローク速度の低い低周波振動に比して、抑制し易い制御特性を有する。
このため、実施形態1において、ECU1は、ピッチ振動周波数に基づいて、AVS制御を実行する場合、応答上限周波数fxよりも大きいピッチ振動周波数の高周波帯域において、AVS制御を実行する。言い換えれば、ECU1は、ピッチ振動周波数に基づいて、AVS制御を実行する場合、応答上限周波数fx以下となるピッチ振動周波数の低周波帯域(低周波振動)において、AVS制御を制限する。
このように、ECU1は、応答下限周波数fy以上で応答上限周波数fx以下の低周波帯域となるピッチ振動周波数に基づいてPBC制御を実行し、応答限界周波数fxよりも大きい高周波帯域となるピッチ振動周波数に基づいてAVS制御を実行している。このとき、ECU1は、ピッチ振動周波数に基づいて、PBC制御及びAVS制御を実行することから、ピッチ振動周波数を低周波帯域と高周波帯域とに振り分ける周波数帯域振り分け部として機能する、バンドパスフィルタ53a及びハイパスフィルタ53bとを有している。
バンドパスフィルタ53aは、ピッチ振動周波数のうち、低周波帯域となるピッチ振動周波数を通過させる一方で、高周波帯域となるピッチ振動周波数を除去する。図5のゲイン線図に示すように、バンドパスフィルタ53aの周波数特性は、応答下限周波数fy及び応答上限周波数fxがカットオフ周波数となっており、応答上限周波数fxは、ピッチ振動周波数を低周波帯域に分けるための予め設定される設定周波数となっている。そして、バンドパスフィルタ53aは、応答下限周波数fy以上で応答上限周波数Fx以下となる低周波帯域が、ゲインが0(dB)から−3(dB)の範囲となっている。また、バンドパスフィルタ53aは、応答下限周波数fyよりも小さい極低周波帯域と、応答上限周波数Fxよりも大きい高周波帯域が、ゲインが−3(dB)よりも小さくなっている。
ハイパスフィルタ53bは、ピッチ振動周波数のうち、低周波帯域となるピッチ振動周波数を除去する一方で、高周波帯域となるピッチ振動周波数を通過させる。図6のゲイン線図に示すように、ハイパスフィルタ53bの周波数特性は、応答上限周波数fxがカットオフ周波数となっており、ピッチ振動周波数を高周波帯域に分けるための予め設定される設定周波数となっている。そして、ハイパスフィルタ53bは、応答上限周波数Fx以下となる低周波帯域が、ゲインが−3(dB)よりも小さくなっており、応答上限周波数Fxよりも大きい高周波帯域が、ゲインが0(dB)から−3(dB)の範囲となっている。
次に、図7を参照して、ECU1のAVS制御及びPBC制御の一連の制御動作について説明する。ECU1には、ばね上Gセンサ41、ばね下Gセンサ42、ストロークセンサ43及びピッチレートジャイロ44等の各種センサから検出信号が入力される。ECU1は、各種センサから検出信号が入力されると、検出信号に基づいて、車両10のピッチ方向におけるピッチレート(の推定値)を、車両状態量として演算して導出する(ステップS1)。ECU1は、導出したピッチレートからピッチ振動周波数を導出し、このピッチ振動周波数を、バンドパスフィルタ53aを通過させることで、低周波帯域のピッチ振動周波数に分離し、ハイパスフィルタ53bを通過させることで、高周波帯域のピッチ振動周波数に分離する。これにより、ECU1は、ピッチ振動周波数を、低周波帯域と高周波帯域とに振り分けることで、低周波帯域のピッチ振動周波数に対応するピッチレートと、高周波帯域のピッチ振動周波数に対応するピッチレートとに振り分ける(ステップS2)。
続いて、ECU1は、サスペンション制御部51において、振り分けた高周波帯域のピッチレートに基づいてAVS制御を実行し、車両10のピッチ方向における振動を減衰させる(ステップS3:AVSピッチ減衰制御)。ここで、車両10は、ピッチ方向に振動すると、車体を含むばね上部材15の重心位置Cgがピッチ方向に変動する。一方で、AVS制御を実行して車両10のピッチ方向における振動を抑制する場合、各車輪のサスペンション21を制御することから、車両10のピッチ方向における振動を、各車輪のストローク方向における振動に換算する必要がある。このため、ECU1は、AVS制御を実行すると、各種センサの検出結果に基づいて、ピッチ方向におけるばね上部材15の重心位置Cgの変動を、ストローク方向における各車輪の位置の変動に変換演算する(ステップS4)。そして、ECU1は、演算した各車輪の位置の変動に基づいて、目標とする各車輪の目標位置に減衰させるために必要な目標減衰力を演算する。この後、ECU1は、目標減衰力に基づいて、サーボモータであるサスペンションコントロールアクチュエータ27の動作量をサーボ演算する(ステップS5)。そして、ECU1は、サーボ演算した動作量に基づいて、サスペンションコントロールアクチュエータ27を動作させる。これにより、ECU1は、サスペンション21のショックアブソーバ26で発生させた目標減衰力でスプリング25の振動を減衰させることで、車両10のピッチ方向における振動を減衰させることができる。
一方で、ECU1は、ばね上制振制御部52において、振り分けた低周波帯域のピッチレートに基づいてPBC制御を実行し、車両10のピッチ方向における振動を減衰させる(ステップS6:PBCピッチ減衰制御)。ECU1は、PBC制御を実行すると、各種センサの検出結果に基づいて、ピッチ方向におけるばね上部材15の重心位置Cgの変動を抑制するための目標アンチピッチモーメントを演算する。この後、ECU1は、目標アンチピッチモーメントに基づいて、ばね上制振アクチュエータ31を制御する。ここで、ばね上制振アクチュエータ31として、スロットルアクチュエータ35を制御する場合、ECU1は、目標アンチピッチモーメントに基づいて、サーボモータであるスロットルアクチュエータ35の動作量をサーボ演算する(ステップS7)。そして、ECU1は、サーボ演算した動作量に基づいて、スロットルアクチュエータ35を動作させる。これにより、ECU1は、車両10の駆動力により目標アンチピッチモーメントを発生させることで、車両10のピッチ方向における振動を減衰させることができる。なお、ステップS7では、ばね上制振アクチュエータ31として、モータ36を制御してもよく、この場合、ECU1は、目標アンチピッチモーメントに基づいて、モータ36から出力される動力を制御する。同様に、ステップS7では、ばね上制振アクチュエータ31として、スロットルアクチュエータ35及びモータ36を制御してもよい。
ここで、図8を参照して、PBC制御について具体的に説明する。ECU1は、ステップS1において、ピッチレート(の推定値)を導出すると、ステップS2において、バンドパスフィルタ53aにより、低周波帯域となるピッチレートを振り分ける。そして、ECU1は、ステップS6において、ピッチレートに基づいて、車両10のピッチ方向における減衰力として要求される要求アンチピッチモーメントを算出する。ここで、車両10のピッチ方向における減衰力は、ピッチレートと所定の減衰係数(スカイフックゲイン)とを所定の運動方程式に基づいて演算することで、要求アンチピッチモーメントとして算出される。ECU1は、算出された要求アンチピッチモーメント(目標アンチピッチモーメント)を目標としてPBC制御する。ここで、要求アンチピッチモーメントは、要求制駆動力とばね上部材15の重心位置Cgの高さとの積であることから、ECU1は、算出された要求アンチピッチモーメントに対して、ばね上部材15の重心位置Cgの高さを除算することで、要求制駆動力を導出する。ECU1は、要求制駆動力を導出すると、アクセルペダルの操作量に応じた要求駆動力を要求制駆動力で補正する。つまり、ECU1は、図2に示すように要求駆動力Ffから要求制駆動力Fbを減算することにより、補正された要求駆動力(車両10の前後方向における車輪の前後力)を導出する。
この後、ECU1は、補正された要求駆動力と車輪のタイヤ径とに基づいて、要求トルクを算出する。なお、要求トルクは、車輪のホイールセンタ(回転中心、つまりドライブシャフト位置)周りでのトルクであり、要求駆動力とタイヤ径との積である。そして、ECU1は、算出した要求トルクから、予め用意された要求トルクと要求スロットル開度との相関関係を示すマップMに基づいて、要求スロットル開度を導出する。そして、ECU1は、ステップS7において、導出した要求スロットル開度に基づいて、サーボモータであるスロットルアクチュエータ35の動作量をサーボ演算する。この後、ECU1は、ステップS7において、サーボ演算した動作量に基づいて、スロットルアクチュエータ35を動作させることにより、要求スロットル開度に制御する。このように、ECU1は、PBC制御を実行することで、制駆動力により補正された駆動力で車輪を回転させることにより、ばね上部材15のピッチ方向における振動を抑制することができる。
よって、ECU1は、高周波帯域のピッチ振動周波数に対応するピッチレートに基づいてAVS制御を実行し、低周波帯域のピッチ振動周波数に対応するピッチレートに基づいてPBC制御を実行する。すなわち、ECU1は、ピッチ振動周波数が高周波帯域のみである場合、AVS制御のみを実行して、車両10のピッチ方向における振動を減衰させる。一方で、ECU1は、ピッチ振動周波数が低周波帯域のみである場合、PBC制御のみを実行して、車両10のピッチ方向における振動を減衰させる。さらに、ECU1は、ピッチ振動周波数が低周波帯域及び高周波帯域を含む場合、つまり、高周波帯域のピッチ振動周波数と低周波帯域のピッチ振動周波数とが重畳する場合、AVS制御及びPBC制御を実行して、車両10のピッチ方向における振動を減衰させる。
次に、図9を参照して、実施形態1のECU1によりAVS制御及びPBC制御を実行したときの、ピッチ振動周波数の周波数特性について説明する。なお、図9のゲイン線図において、ライン(実線)L1は、ピッチ振動周波数による振り分けを行わずに、AVS制御及びPBC制御をそれぞれ単独で行ったときのピッチ振動周波数の周波数特性である。一方で、ライン(点線)L2は、ピッチ振動周波数による振り分けを行って、AVS制御及びPBC制御を協調させて行ったときのピッチ振動周波数の周波数特性である。
図9に示すように、ラインL1とラインL2とは、ピッチ振振動周波数の低周波帯域側において重なり合うように揃えられる。つまり、ECU1は、低周波帯域において、AVS制御及びPBC制御を単独制御したときのゲインとなるように、AVS制御及びPBC制御を協調制御する。この場合、ラインL1とラインL2とは、ピッチ振動周波数の高周波帯域側において離れる。つまり、ピッチ振動周波数の高周波帯域側において、ラインL1のゲインは大きく、ラインL2のゲインは小さくなる。このため、ピッチ振動周波数の高周波帯域側において、ラインL2のゲインをラインL1のゲインに比して小さくできることから、AVS制御及びPBC制御の協調制御を実行することで、車両10のピッチ方向における高周波振動を抑制できることが確認された。
以上のように、実施形態1によれば、ECU1のサスペンション制御部51によりショックアブソーバ26の減衰力を制御(AVS制御)することで、車両10のピッチ方向における高周波振動を制振することができる。また、ECU1のばね上制振制御部52により車両10の駆動力を制御(PBC制御)することで、車両10のピッチ方向における低周波振動を制振することができる。このため、高周波振動と低周波振動とが重畳して車両10に与えられる場合であっても、高周波振動と低周波振動とを両立して制振することができる。以上から、ECU1は、車両10のピッチ方向における振動を全帯域に亘って好適に制振することができるため、車両10の乗り心地を向上させることができる。また、ばね上制振アクチュエータ31の応答上限周波数fxに基づいて、低周波帯域と高周波帯域とを設定することで、低周波振動におけるPBC制御の作動帯域を応答限界まで作動させることができる分、高周波振動におけるAVS制御の作動帯域を狭くすることができるため、AVS制御の作動頻度を抑制することができ、サスペンション21の耐久性低下を抑制することができる。
なお、実施形態1では、ばね上制振アクチュエータ31として、スロットルアクチュエータ35及びモータ36を適用したが、車両10の駆動力を調整可能なものであれば、いずれのアクチュエータであってもよい。例えば、ばね上制振アクチュエータ31として、車両10に設けられるブレーキの制動力を調整するブレーキアクチュエータを適用してもよい。なお、ブレーキアクチュエータを制御してばね上制振制御を行う場合には、車両10が降板路を走行することで、ブレーキペダルが操作される必要がある。
〔実施形態2〕
次に、図10及び図11を参照して、実施形態2に係る車両制御装置について説明する。図10は、実施形態2に係る車両制御装置に関する概略構成図である。図11は、実施形態2に係る車両制御装置を機能的に示した説明図である。なお、重複した記載を避けるべく、実施形態1と異なる部分についてのみ説明する。実施形態1では、ECU1を用いてAVS制御及びPBC制御を実行したが、実施形態2では、AVSECU101を用いてAVS制御を実行すると共に、エンジンECU102を用いてPBC制御を実行している。
実施形態2において、図10に示すように、AVSECU101は、前後左右の4つのサスペンション21に対応して4つ設けられ、各AVSECU101は、各サスペンション21をAVS制御している。つまり、AVSECU101は、サスペンション21専用のECUとなっている。各AVSECU101は、実施形態1のサスペンション制御部51と、実施形態1のハイパスフィルタ53bとを備えている。各AVSECU101には、ばね上Gセンサ41、ばね下Gセンサ42、ストロークセンサ43及びピッチレートジャイロ44等の各種センサが接続されている。
また、エンジンECU102は、車両10に対し1つ設けられ、車両10の駆動力をPBC制御している。つまり、エンジンECU102は、車両10の駆動力を制御する専用のECUとなっている。エンジンECU102は、実施形態1のばね上制振制御部52と、実施形態1のバンドパスフィルタ53aとを備えている。エンジンECU102には、各AVSECU101と共通となる、ばね上Gセンサ41、ばね下Gセンサ42、ストロークセンサ43及びピッチレートジャイロ44等の各種センサが接続されている。このため、AVSECU101とエンジンECU102とには、各種センサから同一の検出信号が入力される。
次に、図11を参照して、AVSECU101のAVS制御及びエンジンECU102のPBC制御の一連の制御動作について説明する。AVSECU101には、ばね上Gセンサ41、ばね下Gセンサ42、ストロークセンサ43及びピッチレートジャイロ44等の各種センサから検出信号が入力される。AVSECU101は、各種センサから検出信号が入力されると、検出信号に基づいて、車両10のピッチ方向におけるピッチレートを、車両状態量として演算して導出する(ステップS11)。AVSECU101は、導出したピッチレートからピッチ振動周波数を導出し、このピッチ振動周波数を、ハイパスフィルタ53bを通過させ、高周波帯域のピッチ振動周波数に振り分けることで、高周波帯域のピッチ振動周波数に対応するピッチレートに振り分ける(ステップS12)。これにより、AVSECU101は、高周波帯域のピッチ振動周波数に対応するピッチレートを取得する。
続いて、AVSECU101は、サスペンション制御部51において、振り分けた高周波帯域のピッチレートに基づいてAVS制御を実行し、車両10のピッチ方向における振動を減衰させる(ステップS13:AVSピッチ減衰制御)。なお、AVSECU101によるステップS14及びステップS15は、実施形態1のステップS4及びステップS5と同様であるため説明を省略する。
一方で、エンジンECU102には、AVSECU101と同様に、ばね上Gセンサ41、ばね下Gセンサ42、ストロークセンサ43及びピッチレートジャイロ44等の各種センサから検出信号が入力される。エンジンECU102は、各種センサから検出信号が入力されると、検出信号に基づいて、車両10のピッチ方向におけるピッチレートを、車両状態量として演算して導出する(ステップS21)。エンジンECU102は、導出したピッチレートからピッチ振動周波数を導出し、このピッチ振動周波数を、バンドパスフィルタ53aを通過させ、低周波帯域のピッチ振動周波数に振り分けることで、低周波帯域のピッチ振動周波数に対応するピッチレートに振り分ける(ステップS22)。これにより、エンジンECU102は、低周波帯域のピッチ振動周波数に対応するピッチレートを取得する。
続いて、エンジンECU102は、ばね上制振制御部52において、振り分けた低周波帯域のピッチレートに基づいてPBC制御を実行し、車両10のピッチ方向における振動を減衰させる(ステップS23:PBCピッチ減衰制御)。なお、エンジンECU102によるステップS24は、実施形態1のステップS7と同様であるため説明を省略する。
以上のように、実施形態2によれば、サスペンション21専用のECUであるAVSECU101を用いて、ショックアブソーバ26の減衰力を制御(AVS制御)することで、車両10のピッチ方向における高周波振動を制振することができる。また、車両10の駆動力を制御する専用のECUであるエンジンECU102を用いて、車両10のばね上制振制御(PBC制御)することで、車両10のピッチ方向における低周波振動を制振することができる。このように、実施形態1のような単一のECU1を用いた構成に限らず、複数のAVSECU101及びエンジンECU102を用いた構成であっても、車両10のピッチ方向における振動を全帯域に亘って好適に制振することができるため、車両10の乗り心地を向上させることができる。
なお、実施形態1及び2では、バンドパスフィルタ53a及びハイパスフィルタ53bを用いて、ピッチ振動周波数を低周波帯域と高周波帯域とに振り分けたが、この構成に特に限定されない。例えば、バンドパスフィルタ53a及びハイパスフィルタ53bの他、ローパスフィルタ及びバンドエリミネーションフィルタを適宜組み合わせて、ピッチ振動周波数を低周波帯域と高周波帯域とに振り分けてもよい。つまり、ピッチ振動周波数を低周波帯域と高周波帯域とに振り分けることが可能であれば、いずれの手法を用いてもよい。
また、実施形態1及び2では、バンドパスフィルタ53a及びハイパスフィルタ53bを用いて、ピッチ振動周波数を低周波帯域と高周波帯域とに振り分けたが、ピッチ振動周波数を導出することなく、検出したピッチレートを低周波帯域と高周波帯域とに直接振り分ける構成であってもよい。
以上のように、本発明に係る車両制御装置は、サスペンションを備えた車両を制御する場合において有用であり、特に、車両のピッチ方向における振動を抑制する場合に適している。
1 車両制御装置
10 車両
15 ばね上部材
16 ばね下部材
21 サスペンション
25 スプリング
26 ショックアブソーバ
27 サスペンションコントロールアクチュエータ
31 ばね上制振アクチュエータ
35 スロットルアクチュエータ
36 モータ
41 ばね上Gセンサ
42 ばね下Gセンサ
43 ストロークセンサ
44 ピッチレートジャイロ
51 サスペンション制御部
52 ばね上制振制御部
53a バンドパスフィルタ
53b ハイパスフィルタ
101 AVSECU
102 エンジンECU

Claims (1)

  1. 車両のばね上部材とばね下部材とを接続するスプリングの振動を減衰させるショックアブソーバを制御する車両制御装置において、
    前記車両のピッチ方向における振動を検出して得られるピッチ振動周波数を、予め設定された設定周波数よりも大きい高周波帯域と、前記設定周波数以下となる低周波帯域とに振り分ける周波数帯域振り分け部と、
    前記高周波帯域となる前記ピッチ振動周波数に基づいて、前記ショックアブソーバの減衰力を制御する減衰力制御部と、
    前記低周波帯域となる前記ピッチ振動周波数に基づいて、前記車両の車輪で発生させる制駆動力を可変させて、前記ばね上部材の前記ピッチ方向における振動を減衰させるばね上制振制御部と、を備え、
    前記設定周波数は、前記制駆動力を可変させるために作動するばね上制振アクチュエータの応答限界となる応答限界周波数に基づいて設定されることを特徴とする車両制御装置。
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