JP5834368B2 - ダンパ制御装置 - Google Patents

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本発明は、ダンパ制御装置に関する。
車両のばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパの減衰力を制御するダンパ制御装置にあっては、たとえば、スカイフック制御を基本として減衰力を制御するものがある。
このスカイフック制御にあたり、ダンパ制御装置は、一般的に、ばね上速度と、ばね上部材とばね下部材との上下方向の相対速度を検知し、ばね上速度と相対速度とが同じ符号である場合に、上記ばね上速度にスカイフック減衰係数を乗じて演算してダンパに出力させるべき減衰力を求め、ダンパにこの求めた減衰力を発生させるよう制御するようになっている。
特開平6−247117号公報
しかしながら、特開平6−247117号公報に開示されているダンパ制御装置では、以下の理由によってばね上部材の振動を低減することが難しい。
ここで、スカイフック制御は、基本的には、ばね上部材を仮想のスカイフックダンパによって吊り、このスカイフックダンパが発生するスカイフック減衰力でばね上部材の振動を抑制することを基本思想としており、仮想のスカイフックダンパが発生すべきスカイフック減衰力をばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパに疑似的に発揮させるようになっているので、減衰力を求める上でばね上部材の絶対速度が不可欠である。
したがって、スカイフック制御では、低周波のゆっくりとしたばね上部材の振動に対しては、ばね上速度が非常に低いため、スカイフック減衰力も非常に小さく、ばね上部材の低周波振動を充分に抑制することができない。
そこで、本発明は、上記した問題を解決すべく創案されたものであって、その目的とするところは、車両のばね上部材の低周波振動を抑制することが可能なダンパ制御装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、車両におけるばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパにおける減衰力を制御するダンパ制御装置において、上記ばね上部材のロール速度とピッチング速度の一方または両方を検出可能なばね上速度検出部と、上記ダンパのストローク速度を検出可能なダンパ速度検出部とを備え、上記ストローク速度から上記ダンパの要求減衰力を求め、上記ロール速度と上記ピッチング速度の一方または両方と上記要求減衰力とに基づいて上記ダンパの減衰力目標値を求めて上記ダンパの減衰力を制御することを特徴とする。
このようにダンパ制御装置が構成されているためストローク速度であるダンパ速度から直接にダンパの要求減衰力を求め、ロール速度とピッチング速度と要求減衰力とに基づいてダンパの減衰力目標値を求めてダンパの減衰力を制御するようになっているので、ばね上部材が低周波でゆっくりと振動している場合にあっても、ダンパのストローク速度が速く、且つ、ダンパが発揮できる減衰力の方向がばね上部材のロールやピッチングを抑制する方向であるとばね上部材の低周波振動を充分に制振するだけの減衰力を発揮できる。
したがって、本発明のダンパ制御装置によれば、ばね上部材がゆっくりとした低周波数で振動する場合にあっても、この低周波振動に対してダンパに充分な減衰力を発揮させて、ばね上部材を効果的に制振することができる。
一実施の形態におけるダンパ制御装置の概略構成図である。 一実施の形態におけるダンパ制御装置の制御部のブロック図である。 一実施の形態におけるダンパ制御装置の判断部のブロック図である。 ロール低周波成分(ピッチング低周波成分)に対するゲインのマップを示す図である。 車両の走行速度に対する速度感応ゲインのマップを示す図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1および図2に示すように、一実施の形態におけるダンパ制御装置1は、この例では、車両の四輪におけるばね上部材Bとばね下部材W1,W2,W3,W4との間にそれぞれ介装される四つのダンパD1,D2,D3,D4における減衰力を制御するようになっており、ばね上部材Bのロール速度Vrおよびピッチング速度Vpを検出可能なばね上速度検出部であるロール速度演算部42およびピッチング速度演算部43と、ダンパD1,D2,D3,D4のストローク速度を検出可能なダンパ速度検出部とを備え、ダンパD1,D2,D3,D4のストローク速度、ばね上部材Bのロール速度およびピッチング速度に基づいて各ダンパD1,D2,D3,D4の減衰力調整装置3へ与える制御指令を生成する制御部4とを備え、各ダンパD1,D2,D3,D4の減衰力を制御するようになっている。
また、この例では、図1に示すように、車両が四つの車輪を備え、ばね上部材Bは、四つの懸架ばねS1,S2,S3,S4と四つのばね下部材W1,W2,W3,W4によって支持されている。なお、ばね下部材W1,W2,W3,W4は、車体に揺動可能に取り付けられた車輪とリンクを含んでいる。
また、ダンパD1は、車両の車体の一部であるばね上部材Bとばね下部材W1との間に介装され、他のダンパD2,D3,D4も、それぞれ同様にばね上部材Bの部位B2,B3,B4とばね下部材W2,W3,W4との間に並列に介装されている。
以下、各部材について詳細に説明すると、各ダンパD1,D2,D3,D4は、詳しくは図示しないが、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されてピストンに連結されるピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画した二つの圧力室と、圧力室同士を連通する通路と、通路を通過する流体の流れに抵抗を与える減衰力調整装置3とを備えて構成される流体圧ダンパとされている。そして、この各ダンパD1,D2,D3,D4は、伸縮作動に応じて圧力室内に充填された流体が通路を通過する際に減衰力調整装置3にて抵抗を与えて当該伸縮作動を抑制する減衰力を発揮し、ばね上部材とばね下部材の相対移動を抑制するようになっている。なお、流体には、作動油のほか、水、水溶液、気体を利用することができる。流体が液体であって、各ダンパD1,D2,D3,D4が片ロッド型ダンパである場合、各ダンパD1,D2,D3,D4は、シリンダ内にピストンロッドが出入りする体積を補償するために気体室やリザーバを備えるが、流体が気体である場合、気体室やリザーバを備えずともよい。
また、ダンパD1,D2,D3,D4がリザーバを備えて伸長しても収縮してもシリンダ内からリザーバへ通じる通路を介して流体が排出されるユニフロー型に設定される場合、シリンダからリザーバへ通じる通路の途中に減衰力調整装置3を設けて、流体の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮するようにしてもよい。
減衰力調整装置3は、たとえば、上記ダンパD1,D2,D3,D4の図示しない通路の流路面積を可変にする減衰弁と、当該弁体を駆動して上記通路の流路面積を調節することができるソレノイドやアクチュエータとで構成されていて、当該ソレノイドやアクチュエータへ与える電流量を調整することで上記通路の流路面積を調整でき、通路を流れる流体に与える抵抗を変化させてダンパD1,D2,D3,D4が発生する減衰力を調整可能となっている。なお、減衰力調整装置3の上記した構成は、一例であって、たとえば、ダンパD1,D2,D3,D4が電気粘性流体や磁気粘性流体を圧力室内に充填している場合、上記通路に減衰弁の代わりに電圧或いは磁界を作用させることができる装置を組み込み、これを減衰力調整装置3とし、ダンパ制御装置1からの指令によって電圧或いは磁界の大きさを調整して、通路を流れる流体に与える抵抗を変化させることでダンパD1,D2,D3,D4の発生減衰力を可変にしてもよい。
さらに、ダンパD1,D2,D3,D4は、上記以外にも、電磁力でばね上部材とばね下部材の相対移動を抑制する減衰力を発揮する電磁ダンパとされてもよく、電磁ダンパとしては、たとえば、モータと、モータの回転運動を直線運動に変換する運動変換機構とを備えて構成されるか、リニアモータとされる。このようにダンパD1,D2,D3,D4が電磁ダンパである場合には、減衰力調整装置3は上記モータ或いはリニアモータに流れる電流を調節するモータ駆動装置とされればよい。
ばね上速度検出部は、加速度センサG1,G2,G3を備えている。加速度センサG1,G2,G3は、車体の上下方向の加速度を検知するものであって、図示しない車体の同一水平面上の同一直線上にない任意の3箇所に設置されている。
そして、この加速度センサG1,G2,G3は、検出した車体の上下方向の加速度α,α,αに応じた電圧信号を制御部4に出力し、制御部4は、図2に示すように、ロール速度演算部42とピッチング速度演算部43を備えていて、ロール速度演算部42およびピッチング速度演算部43は、上記加速度センサG1,G2,G3の信号を処理して、ばね上部材Bのロール速度Vrおよびピッチング速度Vpを演算できるようになっている。なお、加速度α,α,αの符号の取り方は、上向きを正とし、後述するばね下加速度もダンパD1,D2,D3,D4が発生する減衰力も同様としてある。
具体的には、ロール速度演算部42は、加速度α,α,αからばね上部材Bの重心におけるロール方向の加速度α、つまり、ロール方向の角加速度を得て、これを積分してばね上部材Bの重心におけるロールレートであるロール速度Vrを算出し、さらに、このロール速度Vrをローパスフィルタ処理して、ロール速度Vrの低周波成分を抽出する。
ピッチング速度演算部43は、加速度α,α,αからばね上部材Bの重心におけるピッチング方向の加速度α、つまり、ピッチング方向の角加速度を得て、これを積分してばね上部材Bの重心におけるピッチングレートであるピッチング速度Vpを算出し、さらに、このピッチング速度Vpをローパスフィルタ処理して、ピッチング速度Vpの低周波成分を抽出する。
ロール方向の加速度αおよびピッチング方向の加速度αは、具体的には、加速度α,α,αと各加速度センサG1,G2,G3の設置位置、車体の重心位置から求めることができる。すなわち、車体であるばね上部材Bを剛体と見なして、ばね上部材Bの同一水平面上の同一直線上にない任意の3箇所の上下方向の加速度α,α,αを得れば、各ばね上部材Bの任意の位置におけるロール方向の加速度αおよびピッチング方向の加速度αは一義的に決まるのであり、ロール速度Vrおよびピッチング速度Vpを求めることができる。
なお、ロール速度演算部42およびピッチング速度演算部43におけるローパスフィルタ処理における遮断周波数は、ばね上共振周波数を含んで且つばね上共振周波数より低い周波数までの低周波成分を抽出することができるように、たとえば、ばね上共振周波数より若干高い3Hzあたりに設定されており、ばね上共振周波数以上であってばね下共振周波数より低い周波数に設定される。また、加速度センサG1,G2,G3は、検出した車体の上下方向の加速度α,α,αに含まれるばね上共振周波数よりも非常に低い周波数帯のドリフト成分を取り除くために、たとえば、0.1Hz以下の周波数成分をカットするハイパスフィルタをロール速度演算部42およびピッチング速度演算部43に設けるようにしてもよい。
このように、ばね上速度検出部は、本実施の形態の場合、加速度センサG1,G2,G3、ロール速度演算部42およびピッチング速度演算部43を含んで構成されている。
つづいて、ダンパ速度検出部は、図1および図2に示すように、ダンパD1,D2,D3,D4のストローク変位を検知するストロークセンサS1,S2,S3,S4を備えている。このストロークセンサS1,S2,S3,S4で検知したダンパD1,D2,D3,D4のストローク変位は、制御部4に入力され、当該制御部4は、微分器44を備えていて、これらを微分して各ダンパD1,D2,D3,D4のストローク速度であるダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdを得るとともに、さらに、制御部4は、微分器45を備えていて、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdを微分して各ダンパD1,D2,D3,D4のストローク加速度であるダンパ加速度a,a,a,aを求める。したがって、ダンパ速度検出部は、この実施の形態では、上記した各ストロークセンサS1,S2,S3,S4と制御部4における微分器44,45とで構成されている。なお、ストロークセンサS1,S2,S3,S4と制御部4との間にハイパスフィルタを設けることで、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdを得ることも可能であり、その場合には、ストロークセンサS1,S2,S3,S4とハイパスフィルタとでダンパ速度検出部が構成される。また、各ストロークセンサS1,S2,S3,S4側にストローク変位を微分処理する装置を設けておき、これらでダンパ速度検出部としてもよい。
判断部2は、図1および図3に示すように、制御部4からダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdとダンパ加速度a,a,a,aの入力を受けると、各ばね下部材W1,W2,W3,W4が共振しているか否かを判断する。判断部2は、この実施の形態の場合、具体的には図3に示すように、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdを絶対値処理する絶対値処理器21と、ダンパ加速度a,a,a,aに所定のゲインを乗算するゲイン乗算器22と、ゲイン乗算器22の出力信号を絶対値処理する絶対値処理器23と、絶対値処理器21と絶対値処理器23の出力した信号同士を足し合わせる加算器24と、加算器24が出力した信号を濾過するローパスフィルタ25と、ローパスフィルタ25の出力した信号が所定の閾値以上であるか否かを判断するレベル判定器26と、レベル判定器26が出力した信号を濾過するローパスフィルタ27とを備え、このローパスフィルタ27が出力する判断信号を制御部4へ入力するようになっている。なお、ローパスフィルタ25の遮断周波数は、ばね下部材W1,W2,W3,W4の共振周波数程度に設定されていて、具体的にはたとえば、10Hz程度に設定されている。
よって、判断部2は、基本的には、レベル判定器26までの処理で、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdの絶対値とこれに対応するダンパ加速度a,a,a,aの絶対値を足し合わせ、これをローパスフィルタ25で濾過してばね下共振周波帯域を含む信号が所定の閾値を以上であるか否かを判断するようになっている。つまり、判断部2は、ばね下部材W1が共振しているか否かを判断するに際し、ばね下部材W1に連結されるダンパD1のダンパ速度Vdの絶対値とダンパ加速度aの絶対値を足してローパスフィルタ25でローパスフィルタ処理した値が閾値以上であると、ばね下部材W1が共振していると判断する。レベル判定器26は、各ばね下部材W1,W2,W3,W4についてそれぞれ判断を行い、共振していると判断すると「1」を出力し、そうでない場合には「0」を出力する。
なお、ダンパ加速度a,a,a,aにゲイン乗算器22でゲインを乗じているのは、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdを微分して得たダンパ加速度a,a,a,aのピーク値は、ダンパ加速度a,a,a,aよりも大きくなるので、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdとダンパ加速度a,a,a,aのピーク値を揃えるために設けられる。この実施の形態の判断部2では、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdのみならずダンパ加速度a,a,a,aを加味してばね下部材W1,W2,W3,W4の共振を判断するので、確実にばね下部材W1,W2,W3,W4の共振を判断することができる。つまり、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdのみでばね下部材W1,W2,W3,W4の共振を判断する場合、各ダンパD1,D2,D3,D4がストロークエンド近傍でダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdが小さくなるために、ばね下部材W1,W2,W3,W4が共振していても共振していないと判断してしまう場合があるが、このような場合にもダンパ加速度a,a,a,aが大きな値となるので、ばね下部材W1,W2,W3,W4の共振を正確に判断することができるのである。
なお、ローパスフィルタ25の代わりに、ばね下部材W1,W2,W3,W4の共振周波数帯域の信号のみの透過を許容するバンドパスフィルタを用いることも可能である。また、ローパスフィルタ27は、レベル判定器26の出力の急変をそのまま制御部4へ入力せずに、後述する本発明の制御をフェードインフェードアウトさせるために設けられるものである。このローパスフィルタ27を設けることで、制御のフェードインフェードアウト効果に加えて上記レベル判定器26の判定結果がハンチングしても制御部4への入力する信号をハンチングさせることがなく、このような場合でも制御部4の制御指令が急変することを回避することができる。
つづいて、制御部4は、図2に示すように、上記したロール速度演算部42、ピッチング速度演算部43および微分器44,45の他に、ロール速度Vrの低周波成分から各ダンパD1,D2,D3,D4へ与える制御指令の急変を防止するための指令急変防止ゲインを求めるゲイン演算部46、ピッチング速度Vpの低周波成分から各ダンパD1,D2,D3,D4へ与える制御指令の急変を防止するための指令急変防止ゲインを求めるゲイン演算部47、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdに応じて各ダンパD1,D2,D3,D4毎の要求減衰力F1,F2,F3,F4を求める減衰力演算部48、要求減衰力F1,F2,F3,F4にゲイン演算部46の出力した指令急変防止ゲインを乗算してロールを抑制するロール抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frを求める乗算器49、要求減衰力F1,F2,F3,F4にゲイン演算部47の出力した指令急変防止ゲインを乗算してピッチングを抑制するピッチング抑制減衰力Fp,Fp,Fp,Fpを求める乗算器50、ロール抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frとピッチング抑制減衰力Fp,Fp,Fp,Fpから各ダンパD1,D2,D3,D4毎の減衰力目標値F1,F2,F3,F4を求める減衰力目標値演算部51、減衰力目標値F1,F2,F3,F4に車両の走行速度に感応する速度感応ゲインを乗算して減衰力目標値を補正して補正後の減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**を求めるゲイン乗算部52、および、補正後の減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**に対応する各ばね下部材W1,W2,W3,W4毎の上記判断部2の出力を乗じて減衰力調整装置3へ与える制御指令を生成する制御指令生成部53を備えている。
ゲイン演算部46は、この実施の形態では、図4に示すマップのように、ロール速度に感応して0から1へ値が変化する指令急変防止ゲインをロール速度Vrの低周波成分から求める。この指令急変防止ゲインは、1から0の範囲で値が変化するようになっており、詳しくは、ロール速度Vrの低周波成分が0近傍である場合に、値が低下するように変化し、ロール速度Vrの低周波成分が0の時に0の値をとるようになっており、それ以外では1を採るようになっている。指令急変防止ゲインは、図4に示すようなマップを用いたマップ演算を行って求めてもよいし、ロール速度Vrの低周波成分をパラメータとしてゲインを演算する式を用いて求めてもよい。
ゲイン演算部47も同様に、この実施の形態では、図4に示すマップのように、ピッチング速度に感応して0から1へ値が変化する指令急変防止ゲインをピッチング速度Vpの低周波成分から求める。この指令急変防止ゲインは、1から0の範囲で値が変化するようになっており、詳しくは、ピッチング速度Vpの低周波成分が0近傍である場合に、値が低下するように変化し、ピッチング速度Vpの低周波成分が0の時に0の値をとるようになっており、それ以外では1を採るようになっている。指令急変防止ゲインは、図4に示すようなマップを用いたマップ演算を行って求めてもよいし、ピッチング速度Vpの低周波成分をパラメータとしてゲインを演算する式を用いて求めてもよい。なお、このゲイン乗算部46,47は、後述する減衰力目標値F1,F2,F3,F4の急変を抑制する抑制手段を構成しているが、これらを省略することもできる。
減衰力演算部48は、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdから各ダンパD1,D2,D3,D4毎の要求減衰力F1,F2,F3,F4を求める。つまり、ダンパ速度Vdから対応するダンパD1における要求減衰力F1を求め、他の要求減衰力F2,F3,F4についても対応するダンパ速度Vd,Vd,Vdから求める。また、各ダンパD1,D2,D3,D4の伸縮方向で要求減衰力F1,F2,F3,F4を異ならしめたり、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdが同じであっても各ダンパD1,D2,D3,D4毎に異ならしめたりすることもでき、たとえば、予めダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdをパラメータとして要求減衰力F1,F2,F3,F4を求めることができるマップを用意しておき、マップ演算によって求めればよい。また、マップを用いずに、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdに一律にゲインを乗じて要求減衰力F1,F2,F3,F4を求めてもよい。
乗算器49は、要求減衰力F1,F2,F3,F4にゲイン演算部46の出力した指令急変防止ゲインを乗算してロールを抑制するロール抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frを求める。つまり、指令急変防止ゲインに要求減衰力F1を乗じてロール抑制減衰力Frを求め、他の要求減衰力F2,F3,F4についても同様に指令急変防止ゲインに要求減衰力F2,F3,F4を乗じて各ロール抑制減衰力Fr,Fr,Frを求めて、これらを減衰力目標値演算部51へ出力する。このように要求減衰力F1,F2,F3,F4に指令急変防止ゲインを乗じてロール抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frを求めるので、ロール速度Vrの低周波成分の符号が反転する際に、減衰力目標値F1,F2,F3,F4が急変してしまうことを回避することができる。
乗算器50は、乗算器49と同様に、要求減衰力F1,F2,F3,F4にゲイン演算部47の出力した指令急変防止ゲインを乗算してピッチングを抑制するピッチング抑制減衰力Fp,Fp,Fp,Fpを求める。つまり、指令急変防止ゲインを要求減衰力F1を乗じてピッチング抑制減衰力Fpを求め、他の要求減衰力F2,F3,F4についても同様に要求減衰力F2,F3,F4に指令急変防止ゲインを乗じて各ピッチング抑制減衰力Fp,Fp,Fpを求めて、これらを減衰力目標値演算部51へ出力する。このように要求減衰力F1,F2,F3,F4に指令急変防止ゲインを乗じてピッチング抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frを求めるので、ロール速度Vrの低周波成分の符号が反転する際に、減衰力目標値F1,F2,F3,F4が急変してしまうことを回避することができる。
減衰力目標値演算部51は、ダンパD1,D2,D3,D4毎に減衰力目標値F1,F2,F3,F4を求める。具体的にダンパD1における減衰力目標値F1を求めるには、この実施の形態の場合、減衰力目標値演算部51は、ダンパ速度Vdの符合とロール速度Vrの低周波成分の符号がともに一致するかを判断し、一致している場合、ロール抑制減衰力Frをそのまま有効とし、一致していない場合、ロール抑制減衰力Frを0とする。つまり、ダンパ速度Vdの符合とロール速度Vrの低周波成分の符号が一致する場合には、ダンパD1がばね上部材Bのロールを抑制する方向の減衰力を発揮可能であるので、ロール抑制減衰力Frをそのまま有効し、反対に、ダンパ速度Vdの符合とロール速度Vrの低周波成分の符号が一致しない場合には、ダンパD1がばね上部材Bのロールを抑制する方向の減衰力を発揮できないので、ロール抑制減衰力Frを0とするのである。また、減衰力目標値演算部51は、ダンパ速度Vdの符合とピッチング速度Vpの低周波成分の符号がともに一致するかを判断し、一致している場合、ピッチング抑制減衰力Fpをそのまま有効とし、一致していない場合、ピッチング抑制減衰力Fpを0とする。ピッチング抑制減衰力Fpについても、ダンパ速度Vdの符合とピッチング速度Vpの低周波成分の符号が一致する場合には、ダンパD1がばね上部材Bのピッチングを抑制する方向の減衰力を発揮可能であるので、ピッチング抑制減衰力Fpをそのまま有効し、反対に、ダンパ速度Vdの符合とピッチング速度Vpの低周波成分の符号が一致しない場合には、ダンパD1がばね上部材Bのピッチングを抑制する方向の減衰力を発揮できないので、ピッチング抑制減衰力Fpを0とするのである。そして、最後に、上記処理後のロール抑制減衰力Frとピッチング抑制減衰力Fpを比較して両者のうち大きい値を選択し、この選択された値を減衰力目標値F1とする。上記処理を他のダンパD2,D3,D4についても対応するダンパ速度Vd,Vd,Vd、ロール速度Vr、ピッチング速度Vp、ロール抑制減衰力Fr,Fr,Frおよびピッチング抑制減衰力Fp,Fp,Fpに基づいて減衰力目標値F2,F3,F4を求める。なお、上記したところでは、ロール抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frとピッチング抑制減衰力Fp,Fp,Fp,Fpを比較して両者のうち大きい値を選択しているが、必ずしもこれに限定されるものではなく、両者に所定の比を乗じた後でこれらを加算して減衰力目標値F1,F2,F3,F4を求めるなどとしてもよい。また、減衰力目標値F1,F2,F3,F4を得る過程で要求減衰力F1,F2,F3,F4に指令急変防止ゲインを乗じてロール抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frとピッチング抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frを求めるので、ロール速度Vrおよびピッチング速度Vpの低周波成分の符号が反転する際に、減衰力目標値F1,F2,F3,F4が急変してしまうことを回避することができる。なお、必要が無ければ、指令急変防止ゲインを得る過程を廃止することも可能である。
ゲイン乗算部52は、減衰力目標値演算部51で演算した減衰力目標値F1,F2,F3,F4に、図示しない速度センサで検知した車両の走行速度に応じて変化する速度感応ゲインを乗じて補正する。具体的には、図5に示すように、車両の走行速度をパラメータとして変化する速度感応ゲインを用いて、減衰力目標値F1,F2,F3,F4を補正する。この速度感応ゲインは、この実施の形態では、0から1までの値をとるようになっており、車両の走行速度が低速時には、0から速度増加に伴って大きくなり、走行速度が中速時には1で一定し、走行速度が高速となると速度増加に対して予め決定される値へ向けて減少するようになっている。走行速度が低いと、悪路走行してもばね下部材W1,W2,W3,W4が大きく動くことが少ないため、各ダンパD1,D2,D3,D4のストローク速度であるダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdも低いことが予想されるため、高い減衰力目標値F1,F2,F3,F4を設定しても各ダンパD1,D2,D3,D4は減衰力目標値F1,F2,F3,F4通りの減衰力を発揮できず、また、車両の走行速度が高い場合、通常、車両が高い走行速度で悪路を走行することは考えられない。そのため、車速感応ゲインは、走行速度が低い場合と高い場合に、小さな値をとるようになっていて、車両の走行速度に適した減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**を求めることができるようになっている。
制御指令生成部53は、補正後の減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**に対応する各ばね下部材W1,W2,W3,W4毎の上記判断部2の出力を乗じて減衰力調整装置3へ与える制御指令を生成する。判断部2は、上記したように、各ばね下部材W1,W2,W3,W4毎に各ばね下部材W1,W2,W3,W4が共振しているか否か判断し、共振していると判断する場合には1を出力し、そうでない場合には0を出力する。したがって、制御指令生成部53は、ダンパD1へ与える制御指令を演算する場合、補正後の減衰力目標値F1**に判断部2がばね下部材W1について行った判断結果である値を乗じ、制御指令を生成する。制御指令生成部53は、他のダンパD2,D3,D4についても同様に処理して各ダンパD2,D3,D4へ与える制御指令を求める。
このように制御指令生成部53が出力した制御指令は、それぞれ対応するダンパD1,D2,D3,D4における減衰力調整装置3へ送られて、減衰力調整装置3は、この制御指令通りに各ダンパD1,D2,D3,D4が発生する減衰力を調整する。
ダンパ制御装置1は、上述のように、加速度センサG1,G2,G3及びストロークセンサS1,S2,S3,S4のそれぞれが検知した加速度等からダンパD1,D2,D3,D4が発生すべき減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**を求め、当該求めた減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**に対応する制御指令を減衰力調整装置3へ出力するようになっており、ハードウェア資源としては、図示はしないが具体的にはたとえば、加速度センサG1,G2,G3及びストロークセンサS1,S2,S3,S4が出力する信号を取り込むためのA/D変換器と、上記した制御に必要な処理に使用されるプログラムが格納されるROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、上記プログラムに基づいた処理を実行するCPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、上記CPUに記憶領域を提供するRAM(Random Access Memory)等の記憶装置とを備えて構成されればよく、CPUが上記プログラムを実行することで上記判断部2および制御部4の各部が実現される。
なお、ダンパ制御装置1は、上記制御とは別に、たとえば、ダンパD1,D2,D3,D4の減衰力をカルノップ則等に基づいてばね上部材Bの各部位B1,B2,B3,B4の振動を抑制する周知のスカイフック制御やその他の制御を合わせて行うようにしてもよく、そのような場合、減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**とスカイフック制御等に基づく減衰力目標値のうち高い方を選択したり、双方に所定比を乗じて足し合わせた値を減衰力目標値としたり等としてもよい。
このように本発明におけるダンパ制御装置1は、ストローク速度であるダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdから直接にダンパD1,D2,D3,D4の要求減衰力を求め、ロール速度Vrとピッチング速度Vpと要求減衰力F1,F2,F3,F4とに基づいてダンパD1,D2,D3,D4の減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**を求めてダンパD1,D2,D3,D4の減衰力を制御するようになっているので、ばね上部材Bが低周波でゆっくりと振動している場合にあっても、ダンパD1,D2,D3,D4のストローク速度が速く、且つ、ダンパD1,D2,D3,D4が発揮できる減衰力の方向がばね上部材Bのロールやピッチングを抑制する方向であるとばね上部材Bの低周波振動を充分に制振するだけの減衰力を発揮でき、従来のスカイフック制御では難しかったばね上部材Bがゆっくりとした低周波数で振動する場合にあっても、この低周波振動に対してダンパに充分な減衰力を発揮させて、ばね上部材を効果的に制振することができる。また、本実施の形態におけるダンパ制御装置1は、判断部2を備えているので、ばね下部材W1,W2,W3,W4が共振していてダンパD1,D2,D3,D4が高速で伸縮していて、ダンパD1,D2,D3,D4がばね上部材B1,B2,B3,B4を充分に制振可能な程度に減衰力を発揮できることを認識できる。
このように、ダンパD1,D2,D3,D4が制振に要求される減衰力を発揮することを認識することができるので、ダンパ制御装置1は、ばね上部材Bがゆっくりとした低周波数で振動する場合に、この低周波振動に対して的確に各ダンパD1,D2,D3,D4に充分な減衰力を発揮させて、ばね上部材Bを効果的に制振することができ、ばね下部材W1,W2,W3,W4が共振していていない場合には、ダンパD1,D2,D3,D4がばね上部材Bを制振するだけの充分な減衰力を発揮できないので、ダンパD1,D2,D3,D4に本制御における減衰力を発揮させずにばね上部材Bを不十分な減衰力で制振することでかえって乗り心地を悪化させるようなこともない。
なお、この実施の形態の判断部2では、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdのみならずダンパ加速度a,a,a,aを加味してばね下部材W1,W2,W3,W4の共振を判断するので、確実にばね下部材W1,W2,W3,W4の共振を判断することができ、ダンパD1,D2,D3,D4がばね上部材Bを制振可能な減衰力を発揮できるか否かの判断が正確に行われ、ばね上部材Bの制振をより効果的に行うことができる。さらに、ローパスフィルタ27を設けることで、制御のフェードインフェードアウト効果に加えてレベル判定器26の判定結果がハンチングしても減衰力調整装置3へ出力する制御指令の急変を回避でき、安定した制振制御を実現可能である。
また、この実施の形態のダンパ制御装置1にあっては、ばね上速度検出部がばね上部材Bのロール速度Vrおよびピッチング速度Vpのうちばね上共振周波数を含み且つばね上共振周波数よりも低い周波数までの低周波成分を検出可能であるので、ダンパD1,D2,D3,D4が発生する伸側減衰力と圧側減衰力のアンバランス等によって生じるばね上部材Bの沈み込みや浮き上がりを検出でき、各ダンパD1,D2,D3,D4に上記沈み込みや浮き上がりを解消するのに充分な減衰力を発揮させて、従来では解消できなかったばね上部材Bの沈み込みや浮き上がりを効果的に解消することができる。
また、減衰力目標値F1,F2,F3,F4を得る過程で要求減衰力F1,F2,F3,F4に指令急変防止ゲインを乗じてロール抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frとピッチング抑制減衰力Fr,Fr,Fr,Frを求めるので、ロール速度Vrおよびピッチング速度Vpの低周波成分の符号が反転する際に、減衰力目標値F1,F2,F3,F4が急変してしまうことを回避することができ、各ダンパD1,D2,D3,D4の発生減衰力の急変を防止して車両における乗り心地をさらに向上することができる。
さらに、ばね上速度検出部がばね上部材Bのロール速度Vrに基づいて減衰力を制御するようになっており、ロール速度Vrは、たとえば、車両の左側の部位の上下方向速度から右側の部位の上下方向速度を引き算するような演算過程を経て行われるため、加速度センサG1,G2,G3が検知する加速度α,α,αに含まれるノイズや傾斜地走行時における定常的なドリフト成分を除去することができ、精度良くばね上部材Bの低周波数のロール振動を抑制することができる。
また、ばね上速度検出部がばね上部材Bのピッチング速度Vpに基づいて減衰力を制御するようなっており、ピッチング速度Vpは、たとえば、車両の前側の部位の上下方向速度から後側の部位の上下方向速度を引き算するような演算過程を経て行われるため、加速度センサG1,G2,G3が検知する加速度α,α,αに含まれるノイズや傾斜地走行時における定常的なドリフト成分を除去することができ、精度良くばね上部材Bの低周波数のピッチング振動を抑制することができる。
また、上記したところでは、三つの加速度センサG1,G2,G3を用いて加速度α,α,αを検知して、ロール速度Vrとピッチング速度Vpとを求めているが、レートセンサを用いてこれらを検出するようにしてもよく、レートセンサを用いてもノイズや傾斜地走行時における定常的なドリフト成分を除去することができるから、精度良くばね上部材Bの低周波数のロール振動やピッチング振動を抑制することができる。
なお、上記したところでは、特に、ばね上部材Bのロール振動およびピッチング振動を抑制するべく、ばね上部材Bのロール速度Vrの低周波成分とピッチング速度Vpの低周波成分を抽出して、これらを抑制する制御を行っているが、フィルタ処理せずにロール速度Vrやピッチング速度Vpによって制御を行ってもよいし、また、特に、ばね上部材Bのロール振動のみを抑制したい場合には、ピッチング速度演算部43、ゲイン乗算器47および乗算器50を省略してロール速度Vrのみに基づいて減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**を求めてもよいし、反対に、ばね上部材Bのピッチング振動のみを抑制したい場合には、ロール速度演算部42、ゲイン乗算器46および乗算器49を省略してピッチング速度Vpのみに基づいて減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**を求めてもよい
さらに、車両の走行速度をパラメータとして変化する速度感応ゲインを用いて、減衰力目標値F1,F2,F3,F4を補正するようにすることで、車両の走行速度に適した減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**を求めることができ、より一層効果的に、ばね上部材Bの振動を抑制することができる。
なお、上記した判断部2の構成は、一例であって、ばね下部材W1,W2,W3,W4の共振を判断できればよいので、ストローク速度であるダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdのばね下共振周波数帯の振動状況から判断してもよいし、ばね下部材W1,W2,W3,W4の上下方向加速度を検知可能なセンサを設けてセンサの出力からこれを判断するようにしてもよい。
また、上に説明した減衰力目標値F1**,F2**,F3**,F4**を求める手法は、一例であって、上記した所に限定されるものではなく、ダンパ速度Vd,Vd,Vd,Vdとばね上部材Bの上下方向速度に依存してばね上部材Bの上下方向の振動を抑制する最終的な減衰力目標値を求めることができればよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の車両用ダンパは、車両の制振用途に利用することができる。
1 ダンパ制御装置
2 判断部
3 減衰力調整装置
4 制御部
B ばね上部材
D1,D2,D3,D4 ダンパ
W1,W2,W3,W4 ばね下部材

Claims (9)

  1. 車両におけるばね上部材とばね下部材との間に介装されるダンパにおける減衰力を制御するダンパ制御装置において、
    上記ばね上部材のロール速度とピッチング速度の一方または両方を検出可能なばね上速度検出部と、
    上記ダンパのストローク速度を検出可能なダンパ速度検出部とを備え、
    上記ストローク速度から上記ダンパの要求減衰力を求め、上記ロール速度と上記ピッチング速度の一方または両方と上記要求減衰力とに基づいて上記ダンパの減衰力目標値を求めて上記ダンパの減衰力を制御する
    ことを特徴とするダンパ制御装置。
  2. 上記ロール速度の符合と上記ピッチング速度の符号の一方または両方と上記ダンパのストローク速度の符合と上記要求減衰力とに基づいて上記ダンパの上記減衰力目標値を求めて上記ダンパの減衰力を制御する
    ことを特徴とする請求項1に記載のダンパ制御装置。
  3. 上記ばね下部材が共振していると判断する判断部を備え、
    上記判断部の判断結果と上記減衰力目標値とに基づいて上記ダンパの減衰力を制御する
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のダンパ制御装置。
  4. 上記ばね上速度検出部は上記ばね上部材の上記ロール速度と上記ピッチング速度の一方または両方のうち少なくともばね上共振周波数を含み且つ上記ばね上共振周波数よりも低い周波数までの低周波成分を検出可能であって、
    上記ばね下部材が共振していると上記判断部が判断する場合に、上記ロール速度と上記ピッチング速度の一方または両方の低周波成分に基づいて上記減衰力を制御する
    ことを特徴とする請求項3に記載のダンパ制御装置。
  5. 上記判断部は、上記ダンパのストローク速度とストローク加速度とに基づいて上記ばね下部材が共振しているか否かを判断する
    ことを特徴とする請求項に記載のダンパ制御装置。
  6. 上記ロール速度と上記ピッチング速度から指令急変防止ゲインを求め、上記ダンパの上記要求減衰力に上記指令急変防止ゲインを乗じて上記減衰力目標値を求める
    ことを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載のダンパ制御装置。
  7. 上記判断部が上記ばね下部材が共振していると判断する場合、上記求めた減衰力目標値から上記ダンパへ与える制御指令を生成し、上記ばね下部材が共振していないと判断する場合、上記減衰力目標値を0として上記ダンパへ与える制御指令を生成する
    ことを特徴とする請求項に記載のダンパ制御装置。
  8. 上記ロール速度と上記ピッチング速度の一方または両方の低周波成分に当該低周波成分の符号反転による上記減衰力目標値の急変を抑制する抑制手段を備えた
    ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のダンパ制御装置。
  9. 上記減衰力目標値に上記車両の速度に応じた速度感応ゲインを乗じて上記減衰力目標値を補正する
    ことを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載のダンパ制御装置。
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