JP5452450B2 - サスペンション装置 - Google Patents

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Description

本発明は、サスペンション装置に関する。
従来、サスペンション装置にあっては、車両のばね上部材とばね下部材との間に介装されて使用され、たとえば、車両のばね上部材とばね下部材との間に介装される緩衝器と、緩衝器が発生する減衰力を調節するアクチュエータと、アクチュエータを制御して緩衝器の発生する減衰力を制御する制御装置と、ばね上加速度を検知するばね上加速度検知器と、ばね上部材とばね下部材との相対変位を検出する相対変位検出器とを備えて構成されている。
そして、このサスペンション装置にあっては、スカイフック制御を基本として制御し、ばね上部材の振動を抑制するようにしている。ところで、特に、車両走行時において車輪が路面上の段差に乗り上げて通過するような場合に車体に入力される振動(インパクトショック)はハーシュネスと称され、車両における乗り心地を悪化させる一因となっている。スカイフック制御では、ばね下部材の動きに対しては減衰力を発生しないように制御するため、理論的には、インパクトショックを低減できるのであるが、ばね下部材の動きを全く減衰させないとばね下部材の振動を収束させることができないため、実際には、サスペンション装置は、ばね下部材の振動を抑える減衰力を発生するようになっていて、インパクトショックの低減には限界がある。
そこで、上記した従来のサスペンション装置にあっては、ばね下部材からばね上部材に伝播するハーシュネスに対して、ばね上部材とばね下部材の相対変位成分からこれを検知して、減衰力を低減しばね上部材への振動伝達を抑制するようにし、上記ばね上部材へのインパクトショックの伝達を抑制するようにしている(たとえば、特許文献1参照)。
特開平6−143965号公報
しかしながら、特開平6−143965号公報に開示されているサスペンション装置では、以下の理由によってインパクトショックを充分に低減することが難しい。
従来のサスペンション装置のように、スカイフック制御に加えて上記相対変位(または相対速度)の振動に含まれる高周波成分を抽出して、この高周波成分の大きさに基づいて減衰力を補正する制御を取り入れた制御の仕方では、段差乗り上げに伴う振動の入力から減衰力の低減する制御を実施するまでに制御上の応答遅れが生じてしまうことになり、その結果としてインパクトショックのばね上部材への伝達を充分に低減することが難しい。
また、車両が前方向に走行中においてばね下部材としての車輪が路面上の段差に乗り上げる場合、ばね下部材には、車両側方視で前から後上方へ向かう方向への力が作用し、緩衝器はばね上部材取付部を中心としてブッシュ撓み分だけ後方側への首ふり運動を呈するので、ばね下部材に車両の前後方向の加速度を検知するセンサを設けておき、センサで検知する加速度が大きい場合に、減衰力を低減するようにすれば、減衰力低減を応答性よく行うことができるので、インパクトショックを低減できるようになるが、ばね下部材に車両の前後方向の加速度を検知するセンサを別途設けなくてはならず、それでは、サスペンション装置の製造コストが高くなり、経済性を損ねてしまうことになる。
そこで、本発明は、上記した不具合を改善するために創案されたものであって、その目的とするところは、インパクトショックのばね上部材への伝達を効果的に低減することができ、かつ、経済的なサスペンション装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の課題解決手段は、車両におけるばね上部材とばね下部材との間に介装されてばね上部材とばね下部材との相対移動を抑制する減衰力を発揮する緩衝器と、当該緩衝器における減衰力を調節可能な減衰力調整機構と、当該減衰力調整機構を制御する制御装置とを備えたサスペンション装置において、制御装置は、上記緩衝器の収縮速度が所定の速度閾値以上となるとともに、収縮速度の変化量が所定の速度変化量閾値以上となると、当該緩衝器の収縮側減衰力を最小とすることを特徴とする。
本発明のサスペンション装置によれば、伸縮速度検知手段で検知した緩衝器の収縮速度が所定の速度閾値以上となるとともに、収縮速度の変化量が所定の速度変化量閾値以上となると、車両の車輪が路面上の段差に乗り上げるなどしてインパクトショックの入力があったと判定するようになっていて、インパクトショックの入力があったと判定すると、インパクトショック低減制御を実行して当該緩衝器の収縮側減衰力を最小とする。
この判定にあたり、伸縮速度が上記速度閾値以上となるかどうかの判断には位相遅れや演算遅れが出るような処理がなく、また、収縮速度の変化量にあっては、伸縮速度検知手段で予め決められたサンプリング周期で緩衝器の収縮速度を検知し、制御装置は、最新で検知した収縮速度と一つ前に検知した収縮速度の差を採って、この変化量が上記速度変化量閾値以上となるかどうかの判断を行えばよく、この判断にあっても位相遅れや演算遅れが出るような処理がない。
したがって、相対速度をフィルタ処理して高周波成分や低周波成分を抽出する必要もなく、インパクトショックの入力に対して応答性よく緩衝器の収縮側減衰力を最小とし、ばね下部材のばね上部材側への移動をスムーズとすることによりインパクトショックをいなして、ばね上部材へインパクトショックの伝達を効果的に低減することができるとともに、ばね下部材へ車両前後方向の加速度を検知する加速度センサを設けなくとも、インパクトショックの入力を高精度に検知することができるので、サスペンション装置の製造コストを低く抑えることができ経済性を損なうこともない。
一実施の形態におけるサスペンション装置の概略構成図である。 一実施の形態におけるサスペンション装置における状態遷移表である。 一実施の形態におけるサスペンション装置において、インパクトショック低減制御時に減衰力指令値に乗ずるゲインを説明する図である。 一実施の形態におけるサスペンション装置におけるインパクトショック低減制御時の減衰力指令値の変化を示す図である。 一実施の形態の一変形例のサスペンション装置におけるインパクトショック低減制御時の減衰力指令値の変化を示す図である。
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。図1に示すように、一実施の形態におけるサスペンション装置1は、図示しない車両におけるばね上部材としての車体とばね下部材としての車輪との間に介装されて車体と車輪との相対移動を抑制する減衰力を発揮する緩衝器2と、当該緩衝器2における減衰力を調節可能な減衰力調整機構3と、当該減衰力調整機構3を制御する制御装置4と、上記緩衝器2の伸縮速度を検知する伸縮速度検知手段5を備えて構成されている。
以下、各部材について詳細に説明すると、緩衝器2は、詳しくは図示しないが、たとえば、シリンダと、シリンダ内に摺動自在に挿入されるピストンと、シリンダ内に移動自在に挿入されてピストンに連結されるピストンロッドと、シリンダ内にピストンで区画した二つの圧力室と、圧力室同士を連通する通路と、通路の途中に設けられて流路面積を変更可能な減衰弁とを備えて構成される流体圧緩衝器とされており、車体と車輪との間に介装されている。そして、この緩衝器2は、伸縮作動に応じて圧力室内に充填された流体が通路を通過する際に減衰弁にて抵抗を与えて当該伸縮作動を抑制する減衰力を発揮し、車体と車輪の上下方向の相対移動を抑制するようになっている。なお、流体には、作動油のほか、水、水溶液、気体を利用することができる。流体が液体であって、緩衝器2が片ロッド型緩衝器である場合、緩衝器2は、シリンダ内にピストンロッドが出入りする体積を補償するために気体室やリザーバを備えるが、流体が気体である場合、気体室やリザーバを備えずともよい。
また、緩衝器2がリザーバを備えて伸長しても収縮してもシリンダ内からリザーバへ通じる通路を介して流体が排出されるユニフロー型に設定される場合、シリンダからリザーバへ通じる通路の途中に減衰弁を設けて、流体の流れに抵抗を与えて減衰力を発揮するようにしてもよい。
減衰力調整機構3は、この場合、上記緩衝器2の減衰弁における弁体を駆動して減衰弁の流路面積を調節することができるようになっていて、たとえば、ソレノイドやアクチュエータとされている。
なお、緩衝器2の上記した構成は、一例であって、たとえば、緩衝器2が電気粘性流体や磁気粘性流体を圧力室内に充填している場合、上記通路に減衰弁の代わりに電圧或いは磁界を作用させることができる装置を組み込み、これを減衰力調整機構3とし、制御装置4からの指令によって電圧或いは磁界の大きさを調節して緩衝器2の発生減衰力を制御するとしてもよい。
さらに、緩衝器2は、上記以外にも、電磁力で車体と車輪の相対移動を抑制する減衰力を発揮する電磁緩衝器とされてもよく、電磁緩衝器としては、たとえば、モータと、モータの回転運動を直線運動に返還する運動変換機構とを備えて構成されるか、リニアモータとされる。このように緩衝器2が電磁緩衝器である場合には、減衰力調整機構3は上記モータ或いはリニアモータに流れる電流を調節するモータ駆動装置とされればよい。
伸縮速度検知手段5は、たとえば、緩衝器2のシリンダとピストンロッドの相対変位を検出する変位センサと、当該変位センサで検出した変位を微分する微分演算部とを備えて構成されており、検知した緩衝器2の伸縮速度を制御装置4へ入力するようになっている。なお、上記微分演算部は、制御装置4へ統合されてもよく、その場合は、変位センサで検出した変位を制御装置4へ入力するようにすればよい。
制御装置4は、上述するインパクトショック低減制御およびばね下振動抑制制御を実施する条件が整っていない場合、図2の状態遷移表に示すように、緩衝器2の減衰力を通常制御してばね上部材の振動を抑制する。そのため、たとえば、ばね上部材としての車体の上下方向加速度を検知する上下加速度センサ6を備えており、上下加速度センサ6で検知した加速度からばね上速度を求め、上記ばね上速度と上記伸縮速度検知手段5で検知した緩衝器の伸縮速度とスカイフック減衰係数から緩衝器2が発揮すべき減衰力を求め、これを減衰力指令値として、求めた減衰力指令値どおりに緩衝器2が減衰力を発揮するように、減衰力調整機構3に指令を与えるようになっている。すなわち、この場合、制御装置4は、通常制御時には、周知のスカイフック制御理論に基づいて、緩衝器2の発生減衰力を制御するようになっている。なお、制御装置4が通常制御にあたって採用する制御は、一例であって、上記したスカイフック制御に限られない。
制御装置4は、上述のように、伸縮速度検知手段5および上下加速度センサ6が検知した加速度等から緩衝器2が発生すべき減衰力を求め、当該求めた減衰力に対応する指令を減衰力調整機構3へ出力するようになっており、ハードウェア資源としては、図示はしないが具体的にはたとえば、上下加速度センサ6が出力する信号を取り込むためのA/D変換器と、通常制御およびインパクトショックを低減するための制御に必要な処理に使用されるプログラムが格納されるROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、上記プログラムに基づいた処理を実行するCPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、上記CPUに記憶領域を提供するRAM(Random Access Memory)等の記憶装置とを備えて構成されればよく、CPUが上記プログラムを実行することで制御装置4の制御動作が実現される。なお、伸縮速度検知手段5における微分演算部が制御装置4のCPUに統合されるなどして、伸縮速度検知手段5の変位センサがアナログ信号を制御装置4へ入力する場合には、変位センサとの間にA/D変換器を設けるのは当然である。
なお、この場合、上下加速度センサ6を備えていて、ばね上部材の上下加速度を検知することができ、制御装置4は緩衝器2の減衰力を制御しており緩衝器2が出力している減衰力を推定することができるので、上記変位センサを設けずにオブザーバで緩衝器2の伸縮速度を推定することで、上記伸縮速度検知手段5を構成するとしてもよい。
そして、制御装置4は、図2の状態遷移表に示すように、伸縮速度検知手段5で検知した緩衝器2の収縮速度が所定の速度閾値α以上となるとともに、収縮速度の変化量が所定の速度変化量閾値β以上となると、車両の車輪が路面上の段差に乗り上げるなどしてインパクトショックの入力があったと判定するようになっていて、インパクトショックの入力があったと判定すると、インパクトショック低減制御を実行して当該緩衝器2の収縮側減衰力を最小とする。
すなわち、制御装置4は、上記した通常制御を実行しつつも、上記判定処理を実行することでインパクトショックの入力があったか否かを判定するようにし、インパクトショック低減制御を実施する条件が整うと、通常制御からインパクトショック低減制御に切り替えて、緩衝器2の減衰力を制御する。車輪が路面上の段差に乗り上げると、車輪は前後方向の力を受けるとともに、突き上げられて車体側へ高速で移動するので、インパクトショックの入力の可能性がある収縮速度を速度閾値αとしておくことで、収縮速度が速度閾値α以上となることでインパクトショックが入力された可能性があると判断できる。他方、インパクトショックの入力があると、車輪が突き上げられて上方となる車体側へ高速移動するため、速度変化量が増加傾向にあって、緩衝器2の収縮速度の変化量がローリング、ピッチングおよびスクウォートの場合における収縮速度の変化量に比較して大きくなる傾向を示し、インパクトショックの入力の可能性がある収縮速度の変化量を速度変化量閾値βとしておくことで、収縮速度の変化量が速度変化量閾値β以上となることでインパクトショックが入力された可能性があると判断できる。つまり、単に、緩衝器2の収縮速度が速度閾値α以上となるだけでは、転舵時に発生するローリングや、制動時や発進時におけるピッチングやスクウォートが発生した際の緩衝器2の収縮速度が上記した速度閾値α以上となる場合を確実に排除することはできないが、本実施の形態のように、収縮速度が速度閾値α以上となるだけでなく、収縮速度の変化量が速度変化量閾値β以上となる条件を同時に満たすことで、インパクトショックの入力があったと判定することで、ローリング、ピッチングおよびスクウォートの場合を排除してインパクトショックの入力を高精度に検知することができる。
そして、この判定にあたり、伸縮速度が上記速度閾値α以上となるかどうかの判断には位相遅れや演算遅れが出るような処理がなく、また、収縮速度の変化量にあっては、伸縮速度検知手段5で予め決められたサンプリング周期で緩衝器2の収縮速度を検知し、制御装置4は、最新で検知した収縮速度と一つ前に検知した収縮速度の差を採って、この変化量が上記速度変化量閾値β以上となるかどうかの判断を行えばよく、この判断にあっても位相遅れや演算遅れが出るような処理がない。したがって、相対速度をフィルタ処理して高周波成分や低周波成分を抽出する必要もなく、インパクトショックの入力に対して応答性よく緩衝器2の収縮側減衰力を最小とし、ばね下部材のばね上部材側への移動をスムーズとすることによりインパクトショックをいなして、ばね上部材へインパクトショックの伝達を効果的に低減することができるとともに、ばね下部材へ車両前後方向の加速度を検知する加速度センサを設けなくとも、インパクトショックの入力を高精度に検知することができるので、サスペンション装置1の製造コストを低く抑えることができ経済性を損なうこともない。
なお、伸縮速度が、たとえば、収縮側の符号を正とし、伸長側の符号を負とする場合、上記速度閾値αは正の値であって、インパクトショックが入力されたときに緩衝器2の収縮速度が到達する可能性のある値に設定される。具体的には、速度閾値αは、インパクトショック時における緩衝器2の収縮速度未満に設定されるとよく、閾値は実験的、経験的に求めてもよいし、また、走行速度によってインパクトショック時における緩衝器2の収縮速度が大きく異なる場合には、走行速度をパラメータとして速度閾値αの値を変更するように運用してもよい。
また、伸縮速度が、たとえば、収縮側の符号を正とし、伸長側の符号を負とする場合、インパクトショックによって速度変化量が増加傾向にあることをもってインパクトショックの入力を判断するので、上記速度変化量閾値βは、正の値に設定される。具体的には、上記速度変化量閾値βは、インパクトショック時における緩衝器2の収縮速度の変化量未満に設定されるとよく、閾値は実験的、経験的に求めてもよいし、また、走行速度によってインパクトショック時における緩衝器2の収縮速度の変化量が大きく異なる場合には、走行速度をパラメータとして速度変化量閾値βの値を変更するように運用してもよい。また、速度変化量閾値βは、伸縮速度検知手段5における収縮速度のサンプリング周期の設定によっても、異なるので、当該サンプリング周期との兼ね合いによって決定される。
さらに、インパクトショックの入力があったと判定する条件について、緩衝器2の収縮速度が所定の速度閾値α以上となることに加えて、とともに、収縮速度の変化量が2回連続して所定の速度変化量閾値β以上となることを条件とすることも可能であり、そのようにしてインパクトショックの入力があると判定することで、伸縮速度検知手段5の出力信号に重畳されるノイズ等によってインパクトショックを誤検知するようなことを防止でき、インパクトショックの入力をより正確に検知することができる。
制御装置4は、インパクトショック低減制御を開始すると、緩衝器2の収縮側減衰力を最小にする。制御装置4は、インパクトショック低減制御の開始とともに直ちに減衰力指令値を緩衝器2の収縮側減衰力を最小にする値を減衰力指令値として、減衰力調整機構3へ送る指令を求め、緩衝器2の収縮側減衰力を最小とする制御を実行してもよいが、この実施の形態では、制御装置4は、時間の経過とともに徐々に収縮側減衰力を最小へ変化させる。
具体的には、制御装置4は、減衰力指令値にインパクトショック低減制御の開始とともに1から0に変化するゲインを乗じて新たな減衰力指令値を求めて、減衰力調整機構3へ当該新たな減衰力指令値を出力し、時間の経過とともに徐々に収縮側減衰力を最小へ変化させる。より詳細には、制御装置4は、図3に示すように、通常制御時には1を出力し、インパクトショック低減制御の開始とともに0に変化する波形(図3中破線)を二次のローパスフィルタで濾過した結果の値(図3中実線)をゲインとして、当該ゲインに、インパクトショック低減制御開始直前の通常制御によって求められた減衰力指令値を乗じた値を新たな減衰力指令値とする。上記のように減衰力調整機構3へ与える減衰力指令値を求めるようにすると、濾過後のゲインは、図3に示すように、1から時間の経過とともに徐々に0へ変化するので、図4に示すように、緩衝器2の収縮側減衰力を時間とともに徐々に最小へと変化させることができる。なお、緩衝器2は、一般的に伸縮速度に応じて最小減衰力も大きくなるが、ゲインが0となって減衰力指令値が0となると必ず緩衝器2の減衰力はその時取りうる最小の減衰力となるので、ゲインを0へ変化させるようにすれば、緩衝器2の収縮側減衰力を最小にすることができる。なお、ゲインを乗じる前の減衰力指令値は、通常制御に則っているので、図4に示したところでは、車両の振動状況に応じた振動的な波形となっているが、インパクトショック低減制御が開始されてゲインが小さくなっていくと、減衰力指令値の振動成分も小さくなっていき、最終的には0に収束することになる。
このようにすることで、インパクトショック低減制御の開始とともに、減衰力指令値の急変を回避して、緩衝器2の収縮側減衰力の急変を避けつつ素早くかつ滑らかに最小へと変化させることができ、ばね上部材に緩衝器2の収縮側減衰力の急変による振動を与えずに済み、車両における乗り心地を向上することができる。なお、インパクトショック低減制御時における緩衝器2の収縮側減衰力を最小へ変化させる際に、時間に対して比例的に変化させたり、余弦波的に或いは双曲線正接関数的に変化させてたりしてもよいし、その他の曲線を用いて変化させるようにしてもよいが、二次のローパスフィルタで濾過して求めた減衰力指令値或いはゲインを使用する方が、簡単に緩衝器2の収縮側減衰力を滑らかに変化させることができ、簡単に乗り心地向上効果を高めることができる。
また、緩衝器2の収縮側減衰力を最小へ変化させるのに、緩衝器2の収縮速度の大きさに依存して変化させるようにすると、緩衝器2の収縮速度が収縮側減衰力を最小へする収縮速度に到達しない場合に、緩衝器2の収縮側減衰力が最小とならず、インパクトショック低減を効果的に行うことができない場合もあるが、上述したように、時間の経過とともに緩衝器2に収縮側減衰力を最小へ変化させることで、インパクトショック低減を効果的に行うことができる。
なお、インパクトショック低減制御において緩衝器2の収縮側減衰力を時間の経過とともに徐々に収縮側減衰力を最小へ変化させるには、インパクトショック低減制御の開始とともに、減衰力指令値を緩衝器2が出力しうる最小の値とし、それまでに行われていた通常制御時の減衰力指令値から最小の減衰力指令値へ変化する減衰力指令値の波形を二次のローパスフィルタで濾過し、濾過した結果を新たな減衰力指令値とし、当該新たな減衰力指令値を基に減衰力調整機構3へ指令を与えて緩衝器2の収縮側減衰力を時間とともに最小へ変化させるようにしてもよい。すなわち、インパクトショック低減制御が開示される減衰力指令値は、図5に示すように、時間の経過とともに徐々に変化して、この場合、最小値である0へ変化する。制御装置4は、インパクトショック低減制御を開始すると緩衝器2の伸縮方向が反転せずに収縮を継続している間、この最小の減衰力指令値を一定として、上記二次のローパスフィルタで濾過した減衰力指令値に基づいて減衰力調整機構3へ与える指令を求め、緩衝器2の収縮側減衰力を時間の経過とともに最小に近づけ、途中で緩衝器2の振動方向が伸長方向へ切り替わらなければ、最終的には緩衝器2の減衰力を最小とする。このようにしても、インパクトショック低減制御において緩衝器2の収縮側減衰力を時間の経過とともに徐々に収縮側減衰力を最小へ変化させることができるので、減衰力指令値の急変を回避して、緩衝器2の収縮側減衰力の急変を避けつつ素早くかつ滑らかに最小へと変化させることができ、ばね上部材に緩衝器2の収縮側減衰力の急変による振動を与えずに済み、車両における乗り心地を向上することができる。また、緩衝器2の収縮側減衰力を最小へ変化させるのに、緩衝器2の収縮速度の大きさに依存して変化させるようにすると、緩衝器2の収縮速度が収縮側減衰力を最小へする収縮速度に到達しない場合に、緩衝器2の収縮側減衰力が最小とならず、インパクトショック低減を効果的に行うことができない場合もあるが、上述したように、時間の経過とともに緩衝器2に収縮側減衰力を最小へ変化させることで、インパクトショック低減を効果的に行うことができる。
また、インパクトショック低減制御において緩衝器2の収縮側減衰力を時間の経過とともに徐々に収縮側減衰力を最小へ変化させることができれば、上記した以外の手法を採用してもよいことは、勿論である。
つづいて、制御装置4は、図2の状態遷移表に示すように、インパクトショックの入力があったと判定して緩衝器2の収縮側減衰力を最小とした後に、緩衝器2の振動方向が反転して緩衝器2が伸長に転じると、つまり、この場合、収縮側の速度の符号を正としているので伸縮速度が0より小さくとなると、インパクトショック低減制御を終了して、今度は、緩衝器2の伸長側と収縮側の減衰力を所定の大きさに制御してばね下部材としての車輪のバタつきを抑制するばね下振動抑制制御を実行する。インパクトショック低減制御を実行すると、緩衝器2の収縮側減衰力が最小となって、インパクトショックによる車輪の振動のばね上部材としての車体への伝達が絶縁されるが、緩衝器2と並列される懸架ばねが圧縮されるため、そのまま緩衝器2の減衰力を最小としておくと、車輪の振動が減衰されずに、却って車両における乗り心地を損なうので、緩衝器2の振動方向が収縮から伸長へと切り替わると、インパクトショック低減制御を終了して、緩衝器2の車輪の振動を抑制する減衰力を発生させるばね下振動抑制制御を実行するようにしている。これにより、インパクトショックをいなして車体への振動を絶縁した後は、車輪の振動を速やかに収束させることができ、車両における乗り心地をより一層向上させることができる。
具体的には、制御装置4は、インパクトショックの入力があったと判定して緩衝器2の収縮側減衰力を最小とした後に、緩衝器2の振動方向が反転して緩衝器2が伸長に転じると、インパクトショック低減制御を終了し、ばね下振動抑制制御を実行し、緩衝器2の伸縮速度の絶対値が所定時間T継続して所定のばね下振動抑制制御閾値γ以内となると、上記ばね下振動抑制制御を終了するようになっている。所定時間Tとばね下振動抑制制御閾値γは、任意に設定することができるが、インパクトショック低減制御を行った後に車輪の振動を充分に低減できたと判断できる程度の値に設定すればよい。具体的には、たとえば、当該所定時間Tについてはばね下部材の固有周期以上に設定しておくと、少なくとも緩衝器2の伸縮の一周期間で、伸縮速度がばね下振動抑制制御閾値γ以下となることが条件となるため、ばね下部材のインパクトショックによる振動が充分に減衰しているか否かを判断することができる。実際の乗用車では、上記ばね下部材における固有周波数は、10Hz〜20Hz程度であるので、上記所定時間Tを100ms(ミリ秒)程度に設定しておくことで、インパクトショック入力後のばね下部材の振動の減衰が充分に行われたことを判断することできる。また、ばね下振動抑制制御閾値γについては、速度閾値α未満に設定しておくと、インパクトショック入力後の伸縮速度が抑制されている状況となるので、ばね下部材の振動が充分に収束したことを判断できる。
なお、ばね下振動抑制制御に当たっては、制御装置4は、減衰力指令値を所定の値に設定して緩衝器2の伸縮両側の減衰力を制御してもよいが、通常制御を実行する手順で求めた減衰力指令値に、ばね下部材の振動の抑制のための減衰力を加算値として上乗せして、最終的な減衰力指令値を求めるようにしてもよいし、通常制御による減衰力指令値を用いず、ばね下部材の振動の抑制のための専用の減衰力指令値を求めて当該専用の減衰力指令値のみに基づいて緩衝器2の減衰力を制御してもよい。
また、上記したばね下部材抑制制御の終了条件は、緩衝器2の伸縮速度が所定時間T継続して所定のばね下振動抑制制御閾値γ以内となることとしているが、緩衝器2の伸縮速度ではなく、緩衝器2の振動の振幅をモニタしてばね下部材の振動状況を把握して上記ばね下部材抑制制御の終了時点を判断してもよいし、ばね下部材の振動はばね上部材へ伝達されるため、ばね上部材の上下加速度をモニタしてばね下部材抑制制御の終了時点を判断してもよい。
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
本発明の車両用緩衝器は、車両の制振用途に利用することができる。
1 サスペンション装置
2 緩衝器
3 減衰力調整機構
4 制御装置
5 伸縮速度検知手段
6 上下加速度センサ

Claims (6)

  1. 車両におけるばね上部材とばね下部材との間に介装されてばね上部材とばね下部材との相対移動を抑制する減衰力を発揮する緩衝器と、当該緩衝器における減衰力を調節可能な減衰力調整機構と、当該減衰力調整機構を制御する制御装置とを備えたサスペンション装置において、制御装置は、上記緩衝器の収縮速度が所定の速度閾値以上となるとともに、収縮速度の変化量が所定の速度変化量閾値以上となると、当該緩衝器の収縮側減衰力を最小とすることを特徴とするサスペンション装置。
  2. 上記制御装置は、上記緩衝器の収縮側減衰力を最小とする際に、収縮側減衰力を時間の経過とともに徐々に小さく変化させて最小とすることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション装置。
  3. 上記制御装置は、上記緩衝器の収縮速度の変化率が2回連続して速度変化量閾値以上となる場合に、当該緩衝器の収縮側減衰力を最小とすることを特徴とする請求項1または2に記載のサスペンション装置。
  4. 上記制御装置は、上記緩衝器の収縮側減衰力を最小へする制御を実行したのちに、当該緩衝器の作動方向が伸長方向へと切り替わると、当該緩衝器に所定の減衰力を発生させてばね下部材の振動を抑制するばね下振動抑制制御を行うことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のサスペンション装置。
  5. 緩衝器の伸縮速度が所定時間継続して所定のばね下振動抑制制御閾値以内となると、上記ばね下振動抑制制御を終了することを特徴とする請求項4に記載のサスペンション装置。
  6. 上記制御装置は、上記緩衝器の収縮側減衰力を最小とする際に、減衰力指令値に時間の経過とともに徐々に小さくなるゲインを乗じて収縮側減衰力を最小とすることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載のサスペンション装置。
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