JP4836648B2 - 減衰力可変式ダンパ装着車両 - Google Patents

減衰力可変式ダンパ装着車両 Download PDF

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Description

本発明は、減衰力可変式ダンパ装着車両に係り、詳しくは低速走行時における乗り心地と高速走行時におけるフラット感とを高いレベルで両立させる技術に関する。
サスペンションは、自動車の走行安定性や乗り心地を左右する重要な要素であり、車体に対して車輪を上下動自在に支持させるためのリンク(アームやロッド類)と、その撓みにより路面からの衝撃等を吸収するスプリングと、車体の上下振動を減衰させるダンパとを主要構成要素としている。サスペンション用のダンパとしては、作動油が充填された円筒状のシリンダチューブとこのシリンダチューブ内で摺動するピストンが先端に装着されたピストンロッドとを備え、ピストン(ピストンロッド)の移動に伴って作動油を複数の油室間で移動させる構造を採った筒型が広く採用されている。通常、筒型ダンパでは、オリフィスと薄鋼板等を素材とするディスクバルブとがピストンに設けられており、作動油がディスクバルブを押しのけて流動する際の流動抵抗によって減衰力が生起される。また、筒型ダンパでは、シリンダチューブに対してピストンやロッドが摺動する際に摩擦力(動摩擦力)が発生し、この摩擦力がピストンの摺動速度に依存しない減衰作用を行う。
近年、筒型ダンパの特性を改善するものとして、減衰力あるいは摩擦力を自動車の運動状態に応じて可変制御する減衰力可変式ダンパや摩擦力可変式ダンパが種々開発されている。例えば、減衰力可変式ダンパとしては、オリフィス面積を変化させるロータリバルブをピストンに設け、このロータリバルブをアクチュエータによって回転駆動するもの(特許文献1参照)や、作動油に磁気粘性流体を用い、ピストンに設けられた磁気流体バルブによって磁気粘性流体の粘度を制御するもの(特許文献2参照)等が提案されている。また、摩擦力可変式ダンパとしては、ピストンロッドが嵌挿される中空シールをシリンダチューブに設置し、この中空シールに圧縮空気を供給することで接触圧を増減させるもの(特許文献3参照)、相対摺動するアウタチューブとインナチューブとの間に潤滑油室を形成し、この潤滑油室に圧油を供給することで潤滑油室を画成するオイルシールの緊縛力を高めるもの(特許文献4参照)等が提案されている。
特開2003−326934号公報 特開2006−77789号公報 実開昭62−63437号公報 特開平11−82594号公報
筒型ダンパにおいては、減衰力と摩擦力とをともに大きくした場合、車輪が円滑に上下動しなくなって乗り心地が非常に低下する。そこで、筒型ダンパの設計にあたっては、減衰力と摩擦力とを適宜設定することにより、その特性を低速重視型あるいは高速重視型とすることが一般に行われている。低速重視型は、減衰力を大きくする一方で摩擦力を小さくしたもので、路面の凹凸等に起因する入力(高周波かつ小振幅の入力)に対して車輪がスムーズに上下動するために低速域での乗り心地が向上するが、高速域でのフラット感が低下してしまう(ふわふわと車体が上下に揺れてしまう)。これは、筒型ダンパにおいては、減衰力がシリンダチューブ内でのピストンの移動速度(すなわち、車輪と車体との相対変位速度)に依存するため、空気抵抗等に起因する低周波かつ大振幅の車体上下動を殆ど抑えられないことによる。逆に、高速重視型は、減衰力を小さくする一方で摩擦力を大きくしたもので、車輪と車体との相対変位が抑制されることにより高速域でのフラット感は向上するが、高周波かつ小振幅の入力に対して車輪が上下動しにくくなって低速域での乗り心地が悪化してしまう。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、低速域での乗り心地と高速域でのフラット感とを高いレベルで両立させた減衰力可変式ダンパ装着車両を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る減衰力可変式ダンパ装着車両は、左右のサスペンションにそれぞれ設置され、当該サスペンションに懸架された車輪の上下振動を減衰させる減衰力可変式ダンパと、前記サスペンションに作用する荷重の変化量を判定する荷重変化量判定手段と、前記サスペンションに懸架された車輪の上下振動の周波数を判定する周波数判定手段と、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満であり、前記周波数判定手段によって判定された周波数が所定値未満であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を高くし、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満であり、前記周波数判定手段によって判定された周波数が所定値以上であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を低くする減衰力制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項2の発明は、請求項1に記載の減衰力可変式ダンパ装着車両において、走行路面の状態を推定する路面状態推定手段を更に備え、前記周波数判定手段は、前記路面状態推定手段の推定結果に基づいて前記周波数の判定を行うことを特徴とする。
また、請求項3の発明に係る減衰力可変式ダンパ装着車両は、左右のサスペンションにそれぞれ設置され、当該サスペンションに懸架された車輪の上下振動を減衰させる減衰力可変式ダンパと、前記サスペンションに作用する荷重の変化量を判定する荷重変化量判定手段と、車速を検出する車速検出手段と、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満、かつ、前記車速検出手段によって検出された車速が所定値以上であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を高くし、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満、かつ、前記車速検出手段によって検出された車速が所定値未満であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を低くする減衰力制御手段と
を備えたことを特徴とする。
また、請求項4の発明に係る減衰力可変式ダンパ装着車両は、左右のサスペンションにそれぞれ設置され、当該サスペンションに懸架された車輪の上下振動を減衰させる減衰力可変式ダンパと、車速を検出する車速検出手段と、前記サスペンションに作用する荷重の変化量を判定する荷重変化量判定手段と、前記車速検出手段によって検出された車速が所定値以上で、かつ、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を高くし、車速が所定値未満で、かつ、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を低くする減衰力制御手段とを備えたことを特徴とする。
また、請求項5の発明は、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の減衰力可変式ダンパ装着車両において、前記減衰力可変式ダンパが作動時の摩擦力を変化させる摩擦力可変手段を備え、前記減衰力制御手段は、前記摩擦力可変手段を減衰力の増減に用いることを特徴とする。
本発明に係る減衰力可変式ダンパ装着車両によれば、サスペンションの荷重変化量や車体の上下振動周波数、車速等により減衰力を増減させるようにしたため、例えば、平坦な道路を高速で直進走行している際に強い空気抵抗を受けたような場合には、車体が大きな振幅でふわふわと上下に揺れ動かなくなって高いフラット感が実現できる一方、低速で悪路走行を行った場合には、車体が小さな振幅で上下に揺れ動かなくなって良好な乗り心地が実現できる。また、路面状態推定手段を備えたものでは、上下振動周波数の変化を予め判定することが可能となるため、減衰力制御における遅れを抑制できる。
以下、本発明を4輪自動車に適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
[第1実施形態]
≪第1実施形態の構成≫
図1は第1実施形態に係る4輪自動車の概略構成図であり、図2は第1実施形態に係るダンパの縦断面図であり、図3は第1実施形態に係るMLV(Magnetizable Liquid Valve:磁気流体バルブ)の概略構造図であり、図4は第1実施形態に係る減衰力制御装置の概略構成を示すブロック図である。
<自動車の概略構成>
先ず、図1を参照して、第1実施形態に係る自動車の概略構成について説明する。説明にあたり、4本の車輪やそれらに対して配置された部材、すなわち、タイヤやサスペンション等については、それぞれ数字の符号に前後左右を示す添字を付して、例えば、車輪3fl(左前)、車輪3fr(右前)、車輪3rl(左後)、車輪3rr(右後)と記すとともに、総称する場合には車輪3と記す。
図1に示すように、自動車(車両)Aの車体1にはタイヤ2が装着された車輪3が前後左右に設置されており、これら各車輪3がサスペンションアーム4や、スプリング5、減衰力可変式ダンパ6等からなるサスペンション7によって車体1に懸架されている。自動車Aには、各種の制御を行うECU(Electronic Control Unit)8の他、車速を検出する車速センサ9や、横加速度を検出する横Gセンサ10、ヨーレイトを検出するヨーレイトセンサ11等が車体1の適所に設置されている。また、自動車Aには、サスペンション7に作用する荷重を検出する荷重センサ12と、ホイールハウス付近の上下加速度を検出する上下Gセンサ13とが各車輪3ごとに設置され、前方の路面を撮影するCCD(Charge Coupled Devices)カメラ(路面状態推定手段)14が車体1前端側に設置されている。
ECU8は、マイクロコンピュータやROM、RAM、周辺回路、入出力インタフェース、各種ドライバ等から構成されており、通信回線(本実施形態では、CAN(Controller Area Network))を介して、各車輪3の減衰力可変式ダンパ6や各センサ9〜13、CCDカメラ14と接続されている。
<減衰力可変式ダンパ>
図2に示すように、本実施形態の減衰力可変式ダンパ6は、モノチューブ式(ド・カルボン式)であり、MRFが充填された円筒状のシリンダチューブ22と、このシリンダチューブ22に対して軸方向に摺動するピストンロッド23と、ピストンロッド23の先端に装着されてシリンダチューブ22内を上部油室24と下部油室25とに区画するピストン26と、シリンダチューブ22の下部に高圧ガス室27を画成するフリーピストン28と、ピストンロッド23等への塵埃の付着を防ぐカバー29と、フルバウンド時における緩衝を行うバンプストップ30とを主要構成要素としている。
シリンダチューブ22は、下端のアイピース22aに嵌挿されたボルト31を介して、車輪側部材であるサスペンションアーム4の上面に連結されている。また、ピストンロッド23は、上下一対のブッシュ32とナット33とを介して、その上端のスタッド23aが車体側部材であるダンパベース(ホイールハウス上部)34に連結されている。
図3に示すように、ピストン26には、上部油室24と下部油室25とを連通する連通孔41と、連通孔41の周囲に配設されたMLV42とが設けられている。ECU8からMLV42に電流が供給されると、連通孔41を流通するMRFに磁界が印可されて強磁性微粒子34が鎖状のクラスタを形成し、連通孔41内を通過するMRFの見かけ上の粘度(以下、単に粘度と記す)が上昇する。
<減衰力制御装置の概略構成>
図2に示すように、ECU8には、減衰力可変式ダンパ6の制御を行う減衰力制御装置(減衰力制御手段)50が内装されている。減衰力制御装置50は、上述した各種センサ9〜13やCCDカメラ14が接続する入力インタフェース51と、荷重センサ12の検出信号に基づいてサスペンション7の荷重変化量を判定する荷重変化量判定部(荷重変化量判定手段)52と、CCDカメラ14の撮像信号に基づいて車輪3の上下動周波数を判定する周波数判定部(周波数判定手段)53と、各センサ9〜11,13の検出信号や両判定部52,53の判定結果に基づいて各減衰力可変式ダンパ6の目標減衰力を設定する減衰力設定部54と、減衰力設定部54から入力した目標減衰力に応じてMLV42への駆動信号を生成する駆動信号生成部55と、駆動信号生成部55が生成した駆動信号を各減衰力可変式ダンパ6に出力する出力インタフェース56とから構成されている。
≪第1実施形態の作用≫
図5は第1実施形態に係る減衰力制御の手順を示すフローチャートであり。また、図6は第1実施形態に係る上下動周波数と車体の大振幅上下動との関係を示すグラフであり、図7は第1実施形態に係る上下動周波数と車体の小振幅上下動との関係を示すグラフである。
自動車Aが運転を開始すると、ECU8内の減衰力制御装置50は、所定の処理インターバル(例えば、10ms)をもって、図5のフローチャートにその手順を示す減衰力制御を実行する。
減衰力制御を開始すると、減衰力制御装置50は、図5のステップS1で各センサ9〜13やCCDカメラ14からの入力信号を読み込んだ後、ステップS2で荷重センサ12の検出信号に基づきサスペンション7に作用する荷重変化量ΔLsを判定し、ステップS3でCCDカメラ14の撮像結果に基づきサスペンション7の上下動周波数Fvmを判定する。
次に、減衰力制御装置50は、ステップS4で各車輪3の荷重変化量ΔLsが荷重変化量閾値Lth(本実施形態では、40N程度)未満であるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS5で各車輪3の上下動周波数Fvmが周波数閾値Fth(本実施形態では、3Hz)未満であるか否かを更に判定する。
ステップS5の判定もYesであった場合(例えば、自動車Aが平坦な道路を一定速度で直進走行していた場合)、減衰力制御装置50は、ステップS6で目標減衰力Dtgtを高く設定し、ステップS7で目標減衰力Dtgtに応じた駆動電流を各減衰力可変式ダンパ6のMLV42に出力する。これにより、減衰力可変式ダンパ6では、ピストン26の連通孔41内を通過するMRFの粘度が非常に高くなり、その伸縮動(シリンダチューブ22内でのピストン26の摺動)が起こりにくくなる。その結果、高速走行時に自動車Aが強い空気抵抗を受けたような場合にも、車体1が大きな振幅でふわふわと上下に揺れ動かなくなり、運転者は高いフラット感を得ることができる。なお、本発明者等がシミュレーションを行ったところ、図6に示すように、上下動周波数Fvmが周波数閾値Fthより低い領域においては、目標減衰力Dtgtを高くすることによって車体1の大振幅上下動が効果的に抑えられることが確認できた。
一方、ステップS5の判定がNoであった場合(例えば、自動車Aが小さな凹凸が多い道路を一定速度で直進走行していた場合)、減衰力制御装置50は、ステップS8で目標減衰力Dtgtを低く設定し、ステップS7で目標減衰力Dtgtに応じた駆動電流を各減衰力可変式ダンパ6のMLV42に出力する。これにより、減衰力可変式ダンパ6では、ピストン26の連通孔41内を通過するMRFの粘度が非常に低くなり、その伸縮動(シリンダチューブ22内でのピストン26の摺動)が起こりやすくなる。その結果、自動車Aが低速で悪路走行を行った場合にも、車体1が小さな振幅で上下に揺れ動かなくなり、運転者は良好な乗り心地を得ることができる。なお、本発明者等がシミュレーションを行ったところ、図7に示すように、上下動周波数Fvmが周波数閾値Fthより高い領域においては、目標減衰力Dtgtを低くすることによって車体1の小振幅上下動が効果的に抑えられることが確認できた。
また一方、ステップS4のNoであった場合(例えば、自動車Aが加減速や旋回走行を行って少なくとも1つのサスペンション7の荷重変化量ΔLsが大きくなった場合)、減衰力制御装置50は、ステップS9で各センサ9〜11,13から入力した車速や横加速度、ヨーレイト、上下加速度等の制御パラメータを用いて各減衰力可変式ダンパ6の目標減衰力Dtgtを設定し、ステップS7で目標減衰力Dtgtに応じた駆動電流をMLV42に出力する。これにより、車体1のノーズダイブやノーズスクワット、ロール等が抑えられ、運転者は良好な操縦性を得ることができる。
[第2実施形態]
次に、本発明の第2実施形態を説明する。第2実施形態は、上述した第1実施形態と略同一の構成を採っているが、図8のフローチャートに示すように、減衰力制御に用いる制御パラメータとして荷重変化量と車速とを用いる点が異なっている。
≪第2実施形態の作用≫
自動車Aが運転を開始すると、ECU8内の減衰力制御装置50は、所定の処理インターバル(例えば、10ms)をもって、図8のフローチャートにその手順を示す減衰力制御を実行する。
減衰力制御を開始すると、減衰力制御装置50は、図5のステップS11で各センサ9〜13からの入力信号を読み込んだ後、ステップS12で荷重センサ12の検出信号に基づきサスペンション7に作用する荷重変化量ΔLsを判定する。
次に、減衰力制御装置50は、ステップS13で各車輪3の荷重変化量ΔLsが荷重変化量閾値Lth(本実施形態では、40N程度)未満であるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS14で車速Vが車速閾値Vth(本実施形態では、120km/h)以上であるか否かを更に判定する。
ステップS14の判定もYesであった場合(例えば、自動車Aが平坦な道路を高速で直進走行していた場合)、減衰力制御装置50は、ステップS15で目標減衰力Dtgtを高く設定し、ステップS16で目標減衰力Dtgtに応じた駆動電流を各減衰力可変式ダンパ6のMLV42に出力する。これにより、減衰力可変式ダンパ6では、ピストン26の連通孔41内を通過するMRFの見かけ上の粘度が非常に高くなり、その伸縮動が起こりにくくなる。その結果、高速走行時に自動車Aが強い空気抵抗を受けたような場合にも、車体1が大きな振幅でふわふわと上下に揺れ動かなくなり、第1実施形態と同様に運転者は高いフラット感を得ることができる。
一方、ステップS14の判定がNoであった場合(例えば、自動車Aが小さな凹凸が多い道路を低速で直進走行していた場合)、減衰力制御装置50は、ステップS17で目標減衰力Dtgtを低く設定し、ステップS16で目標減衰力Dtgtに応じた駆動電流を各減衰力可変式ダンパ6のMLV42に出力する。これにより、減衰力可変式ダンパ6では、ピストン26の連通孔41内を通過するMRFの見かけ上の粘度が非常に低くなり、その伸縮動が起こりやすくなる。その結果、自動車Aが低速で悪路走行を行った場合にも、車体1が小さな振幅で上下に揺れ動かなくなり、第1実施形態と同様に運転者は良好な乗り心地を得ることができる。
また一方、ステップS13のNoであった場合(例えば、自動車Aが加減速や旋回走行を行って少なくとも1つのサスペンション7の荷重変化量ΔLsが大きくなった場合)、減衰力制御装置50は、ステップS18で各センサ9〜11,13から入力した車速や横加速度、ヨーレイト、上下加速度等の制御パラメータを用いて各減衰力可変式ダンパ6の目標減衰力Dtgtを設定し、ステップS7で目標減衰力Dtgtに応じた駆動電流をMLV42に出力する。これにより、車体1のノーズダイブやノーズスクワット、ロール等が抑えられ、運転者は良好な操縦性を得ることができる。
[第3実施形態]
次に、本発明の第3実施形態を説明する。第3実施形態は、上述した第1実施形態と同一の全体構成を採っているが、図9に示すように、減衰力可変式ダンパ6として摩擦力可変型シール(摩擦力可変手段)61を備えたものが使用されている。摩擦力可変型シール61はその内部に環状の中空部61aを備えたものであり、中空部61aは、エアパイプ62とコネクタ63とを介して外部のエア供給装置(図示せず)に接続されている。減衰力制御装置50に制御されたエア供給装置によって摩擦力可変型シール61の中空部61aに対してエア(圧縮空気)が給排されると、摩擦力可変型シール61がピストンロッド23を締め付ける締付力が増減し、減衰力可変式ダンパ6の作動時における摩擦力が変化する。
≪第3実施形態の作用≫
図10は第3実施形態に係る減衰力制御の手順を示すフローチャートである。
自動車Aが運転を開始すると、ECU8内の減衰力制御装置50は、所定の処理インターバル(例えば、10ms)をもって、図10のフローチャートにその手順を示す減衰力制御を実行する。
減衰力制御を開始すると、減衰力制御装置50は、図10のステップS21で各センサ9〜13やCCDカメラ14からの入力信号を読み込んだ後、ステップS22で荷重センサ12の検出信号に基づきサスペンション7に作用する荷重変化量ΔLsを判定し、ステップS23でCCDカメラ14の撮像結果に基づきサスペンション7の上下動周波数Fvmを判定する。
次に、減衰力制御装置50は、ステップS24で各車輪3の荷重変化量ΔLsが荷重変化量閾値Lth(本実施形態では、40N程度)未満であるか否かを判定し、この判定がYesであれば、ステップS25で各車輪3の上下動周波数Fvmが周波数閾値Fth(本実施形態では、3Hz)未満であるか否かを更に判定する。
ステップS25の判定もYesであった場合(例えば、自動車Aが平坦な道路を一定速度で直進走行していた場合)、減衰力制御装置50は、ステップS26で目標減衰力Dtgtを高く設定し、ステップS27で目標減衰力Dtgtに応じたエア圧となるように各減衰力可変式ダンパ6の摩擦力可変型シール61に対してエアを給排する。これにより、減衰力可変式ダンパ6では、ピストンロッド23(すなわち、ピストン26)の移動に伴う抵抗が増大し、その伸縮動が起こりにくくなる。その結果、高速走行時に自動車Aが強い空気抵抗を受けたような場合にも、車体1が大きな振幅でふわふわと上下に揺れ動かなくなり、運転者は高いフラット感を得ることができる。
一方、ステップS25の判定がNoであった場合(例えば、自動車Aが小さな凹凸が多い道路を一定速度で直進走行していた場合)、減衰力制御装置50は、ステップS28で目標減衰力Dtgtを低く設定し、ステップS27で目標減衰力Dtgtに応じたエア圧となるように各減衰力可変式ダンパ6の摩擦力可変型シール61に対してエアを給排する。これにより、減衰力可変式ダンパ6では、ピストンロッド23(すなわち、ピストン26)の移動に伴う抵抗が減少し、その伸縮動が起こりやすくなる。その結果、自動車Aが低速で悪路走行を行った場合にも、車体1が小さな振幅で上下に揺れ動かなくなり、運転者は良好な乗り心地を得ることができる。
また一方、ステップS24のNoであった場合(例えば、自動車Aが加減速や旋回走行を行って少なくとも1つのサスペンション7の荷重変化量ΔLsが大きくなった場合)、減衰力制御装置50は、ステップS29で各センサ9〜11,13から入力した車速や横加速度、ヨーレイト、上下加速度等の制御パラメータを用いて各減衰力可変式ダンパ6の目標減衰力Dtgtを設定し、ステップS30で目標減衰力Dtgtに応じた駆動電流をMLV42に出力する。これにより、ピストン26の連通孔41内を通過するMRFの粘度が変化し、車体1のノーズダイブやノーズスクワット、ロール等が抑えられ、運転者は良好な操縦性を得ることができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこれら実施形態に限られるものではない。例えば、上記第1実施形態では、CCDカメラを用いてサスペンションの上下動周波数を判定するようにしたが、この判定は、車体と路面との間の距離変化を検出することによって行うようにしてもよいし、ばね上共振点付近、ばね下共振点付近、およびその中間領域の振動をフィルタリングし、各振動の絶対値や相対関係等を求めることによって行うようにしてもよいし、横加速度や前後加速度、操舵角度等を用いて行うようにしてもよい。また、上記実施形態では荷重変化量の判定に荷重センサの検出結果を用いたが、ダンパのシリンダ内圧を検出する圧力センサの検出結果やばね下の加速度を検出する加速度センサの検出結果等に基づいて荷重変化量を判定するようにしてもよい。また、減衰力可変式ダンパとしては、ロータリバルブを用いてピストンに形成されたオリフィスの面積を変えるもの等、種々の形式が採用可能である。その他、本発明の主旨を逸脱しない範囲であれば、車両の具体的構成や制御の具体的手順、判定閾値等は適宜変更可能である。
第1実施形態に係る4輪自動車の概略構成図である。 第1実施形態に係るダンパの縦断面図である。 第1実施形態に係るMLVの概略構造図である。 第1実施形態に係る減衰力制御装置の概略構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る減衰力制御の手順を示すフローチャートである。 第1実施形態に係る上下動周波数と車体の大振幅上下動との関係を示すグラフである。 第1実施形態に係る上下動周波数と車体の小振幅上下動との関係を示すグラフである。 第2実施形態に係る減衰力制御の手順を示すフローチャートである。 第3実施形態に係るダンパの縦断面図である。 第3実施形態に係る減衰力制御の手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車体
3 車輪
6 減衰力可変式ダンパ
7 サスペンション
8 ECU
9 車速センサ(車速検出手段)
12 荷重センサ
14 CCDカメラ(路面状態推定手段)
50 減衰力制御装置(減衰力制御手段)
52 荷重変化量判定部(荷重変化量判定手段)
53 周波数判定部
61 摩擦力可変型シール(摩擦力可変手段)
A 自動車

Claims (5)

  1. 左右のサスペンションにそれぞれ設置され、当該サスペンションに懸架された車輪の上下振動を減衰させる減衰力可変式ダンパと、
    前記サスペンションに作用する荷重の変化量を判定する荷重変化量判定手段と、
    前記サスペンションに懸架された車輪の上下振動の周波数を判定する周波数判定手段と、
    前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満であり、前記周波数判定手段によって判定された周波数が所定値未満であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を高くし、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満であり、前記周波数判定手段によって判定された周波数が所定値以上であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を低くする減衰力制御手段と
    を備えたことを特徴とする減衰力可変式ダンパ装着車両。
  2. 走行路面の状態を推定する路面状態推定手段を更に備え、
    前記周波数判定手段は、前記路面状態推定手段の推定結果に基づいて前記周波数の判定を行うことを特徴とする、請求項1に記載の減衰力可変式ダンパ装着車両。
  3. 左右のサスペンションにそれぞれ設置され、当該サスペンションに懸架された車輪の上下振動を減衰させる減衰力可変式ダンパと、
    前記サスペンションに作用する荷重の変化量を判定する荷重変化量判定手段と、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満、かつ、前記車速検出手段によって検出された車速が所定値以上であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を高くし、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満、かつ、前記車速検出手段によって検出された車速が所定値未満であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を低くする減衰力制御手段と
    を備えたことを特徴とする減衰力可変式ダンパ装着車両。
  4. 左右のサスペンションにそれぞれ設置され、当該サスペンションに懸架された車輪の上下振動を減衰させる減衰力可変式ダンパと、
    車速を検出する車速検出手段と、
    前記サスペンションに作用する荷重の変化量を判定する荷重変化量判定手段と、
    前記車速検出手段によって検出された車速が所定値以上で、かつ、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を高くし、前記車速検出手段によって検出された車速が所定値未満で、かつ、前記荷重変化量判定手段によって判定された荷重変化量が所定値未満であるときに前記減衰力可変式ダンパの減衰力を低くする減衰力制御手段と
    を備えたことを特徴とする減衰力可変式ダンパ装着車両。
  5. 前記減衰力可変式ダンパが作動時の摩擦力を変化させる摩擦力可変手段を備え、
    前記減衰力制御手段は、前記摩擦力可変手段を減衰力の増減に用いることを特徴とする、請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の減衰力可変式ダンパ装着車両。
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