JPH07228114A - ショックアブソーバのための電気制御装置 - Google Patents

ショックアブソーバのための電気制御装置

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JPH07228114A
JPH07228114A JP1942494A JP1942494A JPH07228114A JP H07228114 A JPH07228114 A JP H07228114A JP 1942494 A JP1942494 A JP 1942494A JP 1942494 A JP1942494 A JP 1942494A JP H07228114 A JPH07228114 A JP H07228114A
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JP
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shock absorber
speed
damping force
angular velocity
stroke
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JP1942494A
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English (en)
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Masaaki Yamaoka
正明 山岡
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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    • B60GVEHICLE SUSPENSION ARRANGEMENTS
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    • B60G17/018Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements characterised by the use of a specific signal treatment or control method
    • B60G17/0182Resilient suspensions having means for adjusting the spring or vibration-damper characteristics, for regulating the distance between a supporting surface and a sprung part of vehicle or for locking suspension during use to meet varying vehicular or surface conditions, e.g. due to speed or load the regulating means comprising electric or electronic elements characterised by the use of a specific signal treatment or control method involving parameter estimation, e.g. observer, Kalman filter
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
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    • B60G2600/187Digital Controller Details and Signal Treatment
    • B60G2600/1871Optimal control; Kalman Filters
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
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    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/01Attitude or posture control
    • B60G2800/012Rolling condition
    • B60G2800/0122Roll rigidity ratio; Warping
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
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    • B60G2800/00Indexing codes relating to the type of movement or to the condition of the vehicle and to the end result to be achieved by the control action
    • B60G2800/24Steering, cornering

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ショックアブソーバの減衰係数を切り替え制
御することにより、車両旋回時の操安性を良好にする。 【構成】 車体のヒーブ速度X1、ピッチ角速度X2及びロ
ール角速度X3を、ストローク速度Y1〜Y4とショックアブ
ソーバ12a〜12dの設定減衰力F1〜F4を用いたカル
マンフィルタ演算により推定する(ステップ106)。ヨ
ーレートγ、車速V及び操舵角θf に基づいて、実ヨー
レートが目標ヨーレートに等しくなるように、前後輪の
目標ロール剛性配分比を決定する(ステップ108)。前
記各速度X1,X2,X3に対して所定の減衰力を付与するとと
もに、前後輪のロール剛性配分が目標ロール剛性配分に
なるように減衰力F1〜F4を決定する(ステップ110)。
折れ線近似を用いたストローク速度−減衰力特性にした
がって、ショックアブソーバ12a〜12dの減衰係数
を切り替え制御する(ステップ112〜120)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車体の姿勢変化に応じ
て各輪位置のショックアブソーバの減衰係数を切り替え
制御して、車両の乗り心地及び操安性を良好にするショ
ックアブソーバのための電気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開平3
−276807号公報及び特開平3−276808号公
報に示されているように、各輪位置におけるばね上速度
成分(車体の路面に対する上下速度)を加速度センサの
検出値を積分演算することによってそれぞれ計算し、こ
の計算した各ばね上速度成分を車体のヒーブ、ピッチ、
ロール及びワープの各運動量に分解し、これらの分解し
た各運動量に旋回のような車両の走行状態に応じた重み
付けをした後に同各運動量を再合成して、この再合成し
たばね上速度を用いてショックアブソーバの減衰係数を
切り替え制御することにより、車体の姿勢を制御するよ
うにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の装
置においては、車体のヒーブ、ピッチ及びロールの各運
動を別々に制御できるので、車両の走行状態やドライバ
の好みに応じた車両の運動を実現できるが、車両の操安
性の他の一つの指標であるヨーの制御、すなわち車両の
アンダステア、オーバステアなどのステアリング特性を
制御することができないという問題がある。また、他の
問題点としては、ばね上部材(車体)の加速度を検出す
る加速度センサの検出値を積分演算することにより、各
ばね上速度成分を計算しているが、ばね上部材の加速度
を精度よく検出することは難しく、この計算したばね上
速度成分には大きな誤差が含まれる場合がある。
【0004】
【発明の目的及び特徴】本発明の目的は、車体のヒー
ブ、ピッチ及びロールの各運動を別々に制御して車両の
操安性及び乗り心地を良好にするとともに、車両のヨー
運動すなわちステアリング特性を制御して車両の操安性
をさらに良好にしたショックアブソーバのための電気制
御装置を提供することにある。この目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、上記従来技術における車
体のワープ速度による制御に代えて前輪と後輪とのロー
ル剛性配分比による制御を採用し、車体のヒーブ速度、
ピッチ角速度及びロール角速度に対して所定の減衰力を
付与するとともに、車体の実ヨーレートを目標ヨーレー
トに等しくする目標ロール剛性配分比に前輪と後輪との
ロール剛性が配分されるように、各ショックアブソーバ
の減衰係数を制御するようにしたことにある。
【0005】また、本発明の他の目的は、車体のヒーブ
速度、ピッチ角速度及びロール角速度すなわちばね上速
度成分を精度よく検出できるようにすることにある。こ
の目的を達成するために、本発明の他の構成上の特徴
は、ショックアブソーバの設定減衰力と車体の車輪に対
するストローク変位量又はストローク速度とを用いたカ
ルマンフィルタ演算により、車体のヒーブ速度、ピッチ
角速度及びロール角速度を推定するようにしたことにあ
る。
【0006】さらに、本発明の他の目的は、目標減衰力
を得るために、ショックアブソーバの減衰係数の切り替
えを簡単かつ精度よく制御することにある。この目的を
達成するために、ショックアブソーバのストローク速度
に対する減衰力の変化特性を良好に表す折れ線近似にし
たがい、車体の車輪に対するストローク速度及び設定さ
れるべき目標減衰力に基づいてショックアブソーバの減
衰係数の切り替え段を決定するようにしたことにある。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面を用いて説明
すると、図1は車体BDの左右前後位置にて各車輪WH
をそれぞれ懸架したサスペンション装置10A〜10D
を備えた車両全体を概略的に示している。サスペンショ
ン装置10A〜10Dは車体BDを弾性的に支承するス
プリング11a〜11dをそれぞれ備えるとともに、車
体BDの上下運動に減衰力を付与するショックアブソー
バ12a〜12dをそれぞれ備えている。
【0008】ショックアブソーバ12a〜12dは車輪
WHと車体BDとの間に介装され、図2に示すように、
車輪WHに接続したロワーアームに下端にて固定された
外部シリンダ22及び内部シリンダ23と、内部シリン
ダ23内に上下動可能に挿入されて上端にて車体BDに
固定されたロッド24とを備えている。ロッド24の下
端部には円筒状に形成した段付きのスリーブ25が固定
されており、同スリーブ25の小径の下部外周上には内
部シリンダ23内を上下室R1,R2に液密的に区画す
るピストン26が固定されている。上下室R1,R2は
ピストン26内に設けた油路26a,26bを介して連
通するとともに、スリーブ25内に設けた油路25a〜
25dを介して連通するようになっている。
【0009】油路26aの下部開口端には下方へのみ開
くリーフバルブ27aが組み付けられており、同バルブ
27aはピストン26が上方へ移動する際にのみ上室R
1から下室R2の作動油の移動を許容する。油路26b
の上部開口端には上方へのみ開くリーフバルブ27bが
組み付けられており、同バルブ27bはピストン26が
下方へ移動する際にのみ下室R2から上室R1の作動油
の移動を許容する。スリーブ25の油路25bの内周上
には外周面にテーパ部31aを形成してなる円筒状のオ
リフィス部材31が上下方向に摺動可能に収容されてお
り、同オリフィス部材31はその上下動によりテーパ部
31aとスリーブ25の油路25bの周壁との間に形成
したオリフィスの絞り量を連続的に変更可能にしてい
る。そして、このショックアブソーバ12a〜12dに
おいては、リーフバルブ27a,27b及びオリフィス
を通過する作動油に対する通路抵抗により減衰力が付与
されるようになっているとともに、オリフィスの変更に
より減衰係数が切り替えられるようになっている。
【0010】このオリフィス部材31は駆動ロッド32
の下部に固定されており、同ロッド32の上端部は多数
のボールを介してナット33に螺合している。ナット3
3はアクチュエータを構成するステップモータ34によ
り回転駆動され、その回転により駆動ロッド32及びオ
リフィス部材31を上下動させる。ステップモータ34
はナット33を内周面上に固定したロータ34aと、同
ロータ34aの外周上に周方向に沿って所定間隔で固定
した複数の永久磁石34bと、同磁石34bに対向して
環状に所定間隔で配設した複数のコイル34cとからな
る。そして、ショックアブソーバ12a〜12dの減衰
係数が、ロータ34aのn個の回転位置に対応してn段
階に切り替えられるようになっている。なお、nは2以
上の整数である。
【0011】次に、上記のようなショックアブソーバ1
2a〜12dの各ステップモータ34A〜34D(前述
したショックアブソーバ12a〜12dのステップモー
タ34と同じ)を制御する電気制御装置について説明す
る。この電気制御装置は、図3に示すように、ストロー
クセンサ41a〜41d、ヨーレートセンサ42、車速
センサ43及び操舵角センサ44を備えている。
【0012】ストロークセンサ41a〜41dは各ショ
ックアブソーバ12a〜12dに組み付けられて、各輪
位置における車体(ばね上部材)BDと車輪WH及びロ
ワーアーム(ばね下部材)との距離を表すストローク変
位量Y5,Y6,Y7,Y8 をそれぞれ検出して同変位量Y5,Y6,Y
7,Y8 を表す検出信号を出力する。これらのストローク
センサ41a〜41dには微分器45a〜45dがそれ
ぞれ接続されており、同微分器45a〜45dはストロ
ーク変位量Y5,Y6,Y7,Y8 をそれぞれ微分して、車体(ば
ね上部材)BDの車輪WH及びロワーアーム(ばね下部
材)に対する相対速度を表すストローク速度Y1,Y2,Y3,Y
4 を表す信号を出力する。なお、ストロークセンサ41
a〜41dは、左前輪、左後輪、右後輪及び右前輪の位
置にそれぞれ対応している。ヨーレートセンサ42は車
体のヨーレートγ(左回転方向が正で表され、かつ右回
転方向が負で表される)を検出して、同ヨーレートγを
表す検出信号を出力する。車速センサ43は変速機の出
力軸の回転、車輪の回転速度の平均値又は全車輪のうち
の従動輪の回転速度の平均値を検出することにより車速
Vを検出して、同車速Vを表す検出信号を出力する。操
舵角センサ44は操舵軸に設けられて操舵ハンドルの基
準位置からの回転角又はラックバーの基準位置からの変
位量を検出することにより、同回転角に対応した操舵角
θf (左回転方向が正で表され、かつ右回転方向が負で
表される)を表す検出信号を出力する。
【0013】これらの各センサ41a〜41d,42〜
44及び各微分器45a〜45dにはマイクロコンピュ
ータ46が接続されている。マイクロコンピュータ46
はメインプログラム(図4)、そのサブプログラム(図
5,8,11,12)及びテーブル化された各種データ
を予め記憶しており、前記プログラムの実行によりショ
ックアブソーバ12a〜12dの減衰係数をn段階にそ
れぞれ切り替え制御するための制御信号を出力する。マ
イクロコンピュータ46には駆動回路47a〜47dが
接続されており、同駆動回路47a〜47dは前記各制
御信号に応答してステップモータ34A〜34Dの回転
を制御する。
【0014】次に、上記のように構成した実施例の動作
を説明すると、マイクロコンピュータ46はステップ1
00にて「メインプログラム」の実行を開始し、ステッ
プ102にて各種変数データを初期値に設定する。例え
ば、各ショックアブソーバ12a〜12dの切り替え段
N1〜N4は「1」に設定される。この初期設定処理後、
ステップ104〜120からなる処理を繰り返し実行す
る。ステップ104においては、微分器45a〜45
d、ストロークセンサ41a〜41d、ヨーレートセン
サ42、車速センサ43及び操舵角センサ44から、ス
トローク速度Y1〜Y4、ストローク変位量5〜Y8、ヨーレ
ートγ、車速V及び操舵角θf を表す各検出信号を入力
する。次に、ステップ106にてばね上状態量としての
車体BDのヒーブ速度X1、ピッチ角速度X2及びロール角
速度X3 を推定するための「ばね上状態量推定処理ルー
チン」を実行する。
【0015】この「ばね上状態量推定処理ルーチン」の
詳細は図5に示されているが、同ルーチンの説明の前
に、「ばね上状態推定処理ルーチン」の処理にて利用さ
れる推定方法について説明しておく。この推定方法は車
両の数学的モデルに基づいてカルマンフィルタ演算を利
用するもので、図15に示す車両の数学的モデルによれ
ば、各種物理量は下記数1のような離散システムで表現
され得る。
【0016】
【数1】X[n+1]=AX[n]+BU[n]+GW[n] Y[n]=CX[n]+DU[n]+V[n] ここで、Aは14×14の定数行列であり、Bは14×4 の定
数行列であり、Gは14×8の定数行列であり、Cは4×14
の定数行列であり、Dは4×4の定数行列であり、V[n]
は4×1のノイズを示す縦ベルトルである。また、X
[n],Y[n],W[n],U[n]は、下記数2に示すように、
変数に関する14×1,4×1,8×1,4×1 の列ベクトルであ
る。
【0017】
【数2】X[n]=[X1 X2 X3 X4 X5 X6 X7 X8 X9 X10 X11
X12 X13 X14]T Y[n]=[Y1 Y2 Y3 Y4]T W[n]=[XG1 XG2 XG3 XG4 VG1 VG2 VG3 VG4]T U[n]=[U1 U2 U3 U4]T なお、X1〜X3はそれぞれ車体重心位置のヒーブ速度、ピ
ッチ角速度、ロール角速度であり、X4〜X7はそれぞれ各
車輪位置でのストローク変位量であり、X8〜X11はそれ
ぞれ各車輪重心点での上下方向速度であり、X12〜X14は
それぞれ左前後輪及び右後輪のタイヤ変形量であり、Y1
〜Y4はそれぞれ観測量として各車輪位置における車体B
Dの各車輪WHに対する上下方向速度を表すストローク
速度であり、XG1〜XG4はそれぞれ各車輪位置における路
面の上下方向変位量であり、VG1〜VG4はそれぞれ各車輪
位置における路面の上下方向速度であり、U1〜U4はそれ
ぞれショックアブソーバ12a〜12dの各設定減衰力
である。なお、右前輪のタイヤ変形量を使用しないのは
カルマンフィルタの設計上の問題であり、車輪に関する
物理量X8〜X15 うちの一つであればどの一つの物理量を
省略するようにしてもよい。
【0018】この数1の表現システムにおいてはショッ
クアブソーバ12a〜12dの各設定減衰力U1〜U4を採
用して同アブソーバ12a〜12dの切り替え段N1〜
N4を採用しないようにしたので、ショックアブソーバ
12a〜12dにおける各ストローク速度Y1〜Y4に対す
る各設定減衰力U1〜U4の特性が非線形であるにもかかわ
らず、見かけ上はシステムは線形となる。これにより、
カルマンフィルタのゲインLを求めることができる。こ
こで、観測量としてストローク速度Y1〜Y4を採用してい
るので、前記数1に表現したシステムは現代制御理論に
よる可観測状態であり、言い換えれば観測量すなわちス
トローク速度Y1〜Y4により車両全ての状態量が推定可能
である。さて、前記ゲインLを用いて、前記数1の一般
式を解くと、観測更新値X'[n+1]及び時間更新値X"[n]
は下記数3に示すようになる。
【0019】
【数3】 X'[n]=X"[n]+L(Y[n]−CX"[n]−DU[n]) X"[n]=AX'[n]+BU[n] したがって、ストローク速度Y[n]及び減衰力U[n]が解
れば、観測更新値X'[n+1]及び時間更新値X"[n]を計算
することができる。この場合、観測更新値X'[n+1]及び
時間更新値X"[n]は共に推定された状態ベクトルを表
し、同ベクトルの第1〜3要素X'1〜X'3又はX"1〜X"3は
それぞれ車体BDのヒーブ速度、ピッチ角速度及びロー
ル角速度を表すことになる。
【0020】この場合、ストローク速度Y[n] (Y1〜Y
4)は観測量であるが、ショックアブソーバ12a〜1
2dの各設定減衰力U[n] (U1〜U4)は観測量ではな
い。しかも、各設定減衰力U1〜U4は、図6に示すよう
に、各ストローク速度Y1〜Y4に対して非線形特性を示
す。そこで、本願実施例においては、各設定減衰力U1〜
U4を、各ショックアブソーバ12a〜12dにて設定さ
れている切り替え段N1〜N4とストローク速度Y1〜Y4と
を用いた近似法により計算することにする。
【0021】この近似法について説明すると、ショック
アブソーバ12a〜12dは、オリフィス部材31によ
るオリフィスとリーフバルブ27a,27bを通過する
作動油に対する両通路抵抗により減衰力を発生してい
る。リーフバルブ27a,27bは自己付勢力を有する
ので、減衰力Fが小さい(ストローク速度Yが小さい)
ときには、作動油は主に前記オリフィスを通過して、ス
トローク速度Yに対する減衰力Fの特性はオリフィスの
絞り量に依存する。一方、減衰力Fが大きい(ストロー
ク速度Yが大きい)ときには、作動油は主にリーフバル
ブ27a,27bを通過して、ショックアブソーバ12
a〜12dのストローク速度Yに対する減衰力Fの特性
はリーフバルブ27a,27bの特性に依存する。した
がって、ストローク速度Yの全域に渡るショックアブソ
ーバ12a〜12dの特性は、図6に示すように、所定
のストローク速度Y0を境にオリフィス領域R1及びリー
フバルブ領域R2,R3に分割することができる。そし
て、各領域R1〜R3におけるショックアブソーバ12
a〜12dの各切り換え段N(=1〜n)毎のストロー
ク速度Yに対する減衰力Fの変化カーブを、図7の実線
で示すように折れ線近似することができる。その結果、
本願の実施例においては、ショックアブソーバ12a〜
12dの減衰力Fを、同アブソーバ12a〜12dの各
切り換え段N毎に、下記数4を用いて近似計算すること
にする。
【0022】
【数4】 F(N)=a0(N)・Y …オリフィス領域R1 F(N)=a1(N)・Y−b1(N) …リーフバルブ領域R
2 F(N)=a1(N)・Y+b1(N) …リーフバルブ領域R
3 ここで、a0(N),a1(N)はオリフィス領域R1及びリー
フバルブ領域R2,R3における折れ線の各傾きをそれ
ぞれ表し、−b1(N),+b1(N)はリーフバルブ領域R
2,R3における折れ線のy軸との切片を表し、括弧内
のNは1〜nに渡って変化するショックアブソーバ12
a〜12dの各切り替え段を表す。
【0023】ふたたび、前記説明のカルマンフィルタ演
算を用いた図5に示す「ばね上状態量推定処理ルーチ
ン」の説明に戻る。マイクロコンピュータ46はステッ
プ200にて同ルーチンの実行を開始し、ステップ20
2にて変数jを「1」に設定した後、ステップ204〜
214からなる循環処理を変数jが「4」になるまで繰
り返し実行して、前記入力したストローク速度Y1〜Y4に
基づいてショックアブソーバ12a〜12dの各減衰力
U1〜U4を計算する。この場合、前記折れ線近似における
各定数a0(N),a1(N),b1(N)(N=1〜n)はマイク
ロコンピュータ46内のROMに予め記憶されている。
前記入力したストローク速度Yj(j=1〜4)がオリフィス領
域R1にあれば(|Yj|≦Y0)、ステップ204,20
6の処理により、減衰力Ujは値a0(Nj)・Yjに設定され
る。なお、ショックアブソーバ12a〜12dの切り換
え段Njを表す値は後述するステップ114の「切り換え
段決定ルーチン」又は前記ステップ102の初期設定処
理により設定される値を利用する。また、前記入力した
ストローク速度Yj(j=1〜4)がリーフバルブ領域R2にあ
れば(Yj<−Y0)、ステップ204,208の処理によ
り、減衰力Ujは値a1(Nj)・Yj−b1(Nj) に設定される。
さらに、前記入力したストローク速度Yj(j=1〜4)がリー
フバルブ領域R3にあれば(Yj>Y0)、ステップ20
4,210の処理により、減衰力Ujは値a1(Nj)・Yj+b
1(Nj) に設定される。
【0024】このようなステップ204〜214の処理
後、マイクロコンピュータ46はステップ216にてカ
ルマンフィルタ演算を実行して、車体BDのヒーブ速度
X1、ピッチ角速度X2及びロール角速度X3を推定する。こ
の場合、各種実験、シミューレーションにより決定され
たゲインLはマイクロコンピュータ46内のROM内に
予め記憶されているので、前記ステップ104の処理に
より入力したストローク速度Y1〜Y4及び前記ステップ2
06〜210にて計算した減衰力U1〜U4に基づき、観測
更新値X'[n+1]及び時間更新値X"[n]が計算される。観
測更新値X'[n+1]及び時間更新値X"[n]の第1〜3要素
X'1〜X'3又はX"1〜X"3はそれぞれ車体BDのヒーブ速度
X1、ピッチ角速度X2及びロール角速度X3を表しているの
で、第1〜3要素X'1〜X'3又はX"1〜X"3により車体BD
のヒーブ速度X1、ピッチ角速度X2及びロール角速度X3が
推定される。そして、ステップ218にてこの「ばね上
速度推定ルーチン」の実行を終了する。
【0025】なお、前記実施例においては観測量として
ストローク速度Y1〜Y4を採用したが、このストローク速
度Y1〜Y4に代えてストローク変位量Y5〜Y8を用いても、
前記数1に表現したシステムは現代制御理論による可観
測状態にあり、言い換えれば観測量すなわちストローク
変位量Y5〜Y8により車両全ての状態量が推定可能であ
る。したがって、前記ステップ216の処理にて、スト
ローク速度Y1〜Y4に代えてストローク変位量Y5〜Y8を用
いたカルマンフィルタ演算を実行して、車体BDのヒー
ブ速度X1、ピッチ角速度X2及びロール角速度X3を推定す
るように本願実施例を変形してもよい。
【0026】さらに、ショックアブソーバ12a〜12
dのオリフィスの絞り量の切り換え制御には遅れが生じ
ることもある。この遅れが車体BDのヒーブ速度X1、ピ
ッチ角速度X2及びロール角速度X3の推定に影響を与える
ような場合には、ショックアブソーバの切り換え段Njを
表す値として、前記遅れ時間に応じて前回の切り換え段
Njと今回の切り換え段Njとを補間した値を用いるように
してもよい。
【0027】前記図4のステップ106の処理後、ステ
ップ108にて「ロール剛性配分比決定ルーチン」を実
行する。この「ロール剛性配分比決定ルーチン」は、車
両旋回時に車体の実ヨーレートγを目標ヨーレートγ*
(車両走行にとって理想的なヨーレートを意味する)に
等しくする目標ロール剛性配分比(フロントロール剛性
配分値Rf対リアロール剛性配分値1−Rf)を決定する
ルーチンで、図8に詳細に示されているように、実際に
は前輪用のフロントロール剛性配分値Rf を計算する。
マイクロコンピュータ46はこの「ロール剛性配分比決
定ルーチン」の実行をステップ300にて開始し、ステ
ップ302にて目標ヨーレートγ* を計算するための目
標ヨーレートγ*の定常値γo及び時定数τを決定する。
この場合、マイクロコンピュータ46内のROMに設け
られていて図9,10に示すような変化特性の定常値テ
ーブル及び時定数テーブルがそれぞれ参照されて、前記
ステップ104の処理により入力した車速Vに対応した
定常値γo 及び時定数τが決定される。次に、ステップ
304にて、下記数5の演算の実行により、目標ヨーレ
ートγ*を計算する。
【0028】
【数5】
【0029】ここで、θf は前記ステップ104の処理
により入力した操舵角であり、sはラプラス演算子であ
る。この目標ヨーレートγ* の計算後、ステップ306
にて下記数6の演算の実行によりフロントロール剛性配
分値Rf を計算する。
【0030】
【数6】Rf=Rf0−Kr・γ・(γ*−γ) ここで、Rf0は予め決められたフロントロール剛性配
分基準値(1未満の正数)であり、Kr は制御ゲイン
(正数)である。なお、前記数6の計算結果であるフロ
ントロール剛性配分値Rf は1未満の正数を表す値とな
る。前記ステップ306の処理後、ステップ308にて
この「ロール剛性配分比決定ルーチン」を終了する。
【0031】前記数6の物理的意味について説明を加え
ておく。本実施例に係る車両がアンダステア傾向にあれ
ば、車両が左旋回しても右旋回しても、目標ヨーレート
γ*の絶対値|γ*|は実ヨーレートγ の絶対値|γ|
に比べて大きくなる。この場合、乗算値γ・(γ*−γ)は
必ず正になるとともにアンダステア傾向が増加するにし
たがって大きくなるので、フロントロール剛性配分値R
f はアンダステア傾向の増加にしたがって小さくなる。
また、逆に、車両がオーバステア傾向にあれば、車両が
左旋回しても右旋回しても、目標ヨーレートγ*の絶対
値|γ*|は実ヨーレートγの絶対値|γ|に比べて小
さくなる。この場合、乗算値γ・(γ*−γ)は必ず負にな
るとともにオーバステア傾向が増加するにしたがって小
さくなるので(その絶対値は大きくなるので)、フロン
トロール剛性配分値Rf はアンダステア傾向の増加にし
たがって大きくなる。これにより、フロントロール剛性
配分値Rf (目標ロール剛性配分比)は、車両旋回時の
実ヨーレートγが目標ヨーレートγ* に等しくなるよう
に、車両のステアリング特性を制御する値を示すことに
なる。
【0032】ふたたび「メインプログラム」の説明に戻
り、前記図4のステップ108の処理後、ステップ11
0にて「目標減衰力計算ルーチン」を実行する。この
「目標減衰力計算ルーチン」は、前記検出(推定)した
ばね上状態量(車体のヒーブ速度X1、ピッチ角速度X2及
びロール角速度X3)に対してスカイフック理論による理
想的な減衰係数を付与するとともに、前輪と後輪とのロ
ール剛性配分が前記計算した目標ロール剛性配分比にな
るように、ショックアブソーバ12a〜12dの各目標
減衰力F1〜F4を決定するもので、その詳細は図11に示
されている。図11の「目標減衰力計算ルーチン」の具
体的な処理を説明する前に、同処理に用いられる制御手
法について説明しておく。
【0033】まず、図15に示すような車両の数学的モ
デルを想定するとともに、車体のヒーブ速度X1、ピッチ
角速度X2及びロール角速度X3に対するスカイフック理論
による理想的な各減衰係数をCh,Cp,Crとすると、スカ
イフックダンパによる規範モデルの運動方程式は下記数
7のように表される。
【0034】
【数7】
【0035】一方、実車両における運動方程式は下記数
8のように表される。
【0036】
【数8】
【0037】ここで、Msは車体の質量であり、Iyyは車
体のピッチ慣性モーメントであり、Ixxは車体のロール
慣性モーメントであり、Ks1,Ks2,Ks3,Ks4はそれぞれ
各サスペンション装置10A〜10Dのばね定数であ
り、Kf,Krはそれぞれ前輪側及び後輪側の各スタイビラ
イザのばね定数であり、Tf,Trはそれぞれフロント及び
リアトレッドであり、Lf,Lrはそれぞれ車体重心とフロ
ント及びリア車軸との距離である。
【0038】次に、前記数7,8で表された車両の運動
方程式が等価になる条件を求めると、同条件は下記数9
のように表される。
【0039】
【数9】F1+F2+F3+F4=−Ch・X1 −Lf・(F1+F4)+Lr・(F2+F3)=−Cp・X2 (Tf/2)・(F1−F4)+(Tr/2)・(F2−F3)=−Cr・X3 さらに、前輪と後輪とのロール剛性配分がRf対1−Rfに
なる条件を加味すると、下記数10が成立する。
【0040】
【数10】
【0041】これらの数9,10を行列表現すると、下
記数11のように表される。
【0042】
【数11】
【0043】ただし、行列Pは数12のように表され、
ロール剛性力補助減衰項Qは下記数13のように表され
る。
【0044】
【数12】
【0045】
【数13】
【0046】そして、前記数11のような減衰力F1〜F4
はばね上状態量(車体のヒーブ速度X1、ピッチ角速度X2
及びロール角速度X3)に対してスカイフック理論による
理想的な減衰力を付与できるとともに、前輪と後輪との
ロール剛性配分を目標ロール剛性配分に設定できる。
【0047】次に、図11の「目標減衰力計算ルーチ
ン」の具体的な処理について説明すると、マイクロコン
ピュータ46は同ルーチンの実行をステップ400にて
開始し、ステップ402にて前記行列Pを決定する。こ
の場合、行列Pの各要素を計算するようにしてもよい
が、本願実施例においては、フロントロール剛性配分値
Rf をM個(2以上の整数)に分割してM個のテーブル
データをマイクロコンピュータ46内のROMに予め記
憶しておくことにする。したがって、ステップ402に
おいては、前記ステップ108にて計算したフロントロ
ール剛性配分値Rfに最も近いテーブルデータをROM
から単に読み出すか、または同剛性配分値Rf の両側の
2つのテーブルデータをROMから読み出して同剛性配
分値Rf に応じて補間した行列Pを新たに作成する。次
に、ステップ404にて、前記ステップ108にて計算
したフロントロール剛性配分値Rf に基づいて前記数1
3にしたがってロール剛性力補助減衰項Qを計算すると
ともに、同計算した補助減衰項Q及び前記ステップ10
6にて推定した車体のヒーブ速度X1、ピッチ角速度X2及
びロール角速度X3を用いて前記数11にしたがってショ
ックアブソーバ12a〜12dの目標減衰力F1〜F4を計
算する。この場合、各減衰係数Ch,Cp,Crはマイクロコ
ンピュータ46内のROMに予め記憶されている。そし
て、ステップ406にて、この「目標減衰力計算ルーチ
ン」の実行を終了する。
【0048】ふたたび、図4の「メインプログラム」の
説明に戻ると、前記ステップ110の目標減衰力F1〜F4
の計算後、ステップ112,116,118の処理によ
りショックアブソーバ12a〜12dを表す変数jを
「1」から「4」まで「1」ずつ順次増加させて、ステ
ップ114の「切り替え段決定ルーチン」の実行により
同アブソーバ12a〜12dの各切り替え段Nj(j=1〜
4)を決定する。この「切り替え段決定ルーチン」の詳細
は図12に詳細に示されているが、その前に、同ルーチ
ンにて利用される切り替え段決定方法について説明して
おく。
【0049】ショックアブソーバ12a〜12dの各切
り換え段N(=1〜n)毎のストローク速度Yに対する
減衰力FN)の特性が図7の実線で表されるとともに、オ
リフィス領域R1及びリーフバルブ領域R2,R3毎に
前記数4の関数式によって折れ線近似できることは前述
の通りである。この場合、図7の各切り替え段N毎のn
個の実線の中央を通るn−1個の折れ線(図7に破線で
示す)を定義して2つの破線で挟まれた領域を想定し、
ストローク速度Yと減衰力Fで決まる座標が含まれる領
域に属する実線に対応した切り換え段1〜nをショック
アブソーバ12a〜12dの切り換え段数Nとして近似
する。これらの破線に関し、減衰力Fk(k=1〜n-1)とス
トローク速度Yとは下記数14のように表される。
【0050】
【数14】 Fk=am0(k)・Y …オリフィス領域R1 Fk=am1(k)・Y−bm1(k) …リーフバルブ領域R2 Fk=am1(k)・Y+bm1(k) …リーフバルブ領域R3 ここで、am0(k),am1(k)はオリフィス領域R1及びリー
フバルブ領域R2,R3におけるn−1個の各折れ線の
傾きをそれぞれ表し、bm1(k)はリーフバルブ領域R2,
R3における同各折れ線のy軸との切片を表し、これら
は下記数15のように定義されるものである。
【0051】
【数15】am0(k)={a0(k+1)+a0(k)}/2 am1(k)={a1(k+1)+a1(k)}/2 bm1(k)={b1(k+1)+b1(k)}/2 なお、前記値a0(k),a1(k),b1(k)(k=1〜n)は前述の
ようにショックアブソーバ12a〜12dの各切り替え
段N(=1〜n)毎に定まる値であるので、これらの値
am0(k),am1(k),bm1(k)(k=1〜n-1)も予め決まる定数で
あり、本願実施例ではマイクロコンピュータ46内のR
OMに予め記憶されているデータである。
【0052】図12の「切り替え段決定ルーチン」につ
いて説明すると、マイクロコンピュータ46は同ルーチ
ンの実行をステップ500にて開始し、ステップ502
にて前記ステップ104の処理により入力したストロー
ク速度Yj(j=1〜4) の大きさを判定する。ストローク速
度Yjの絶対値|Yj|が微小値ΔY以下であれば、ステッ
プ502の判定処理により、プログラムをステップ50
4に進めて同ステップ504にて切り替え段Nj を
「1」に設定して、ステップ548にてこの「切り替え
段決定ルーチン」の実行を終了する。このステップ50
4の処理による切り替え段Nj の設定は、次に説明する
ステップ506の演算の分母が「0」になることを防止
するためである。
【0053】また、ストローク速度Yjの絶対値|Yj|が
微小値ΔYより大きくかつ所定値Y0以下であれば、ステ
ップ502の判定処理により、プログラムをステップ5
06以降へ進める。ステップ506においては、前記ス
テップ110の処理により計算した目標減衰力Fjを前記
ステップ104の処理により入力したストローク速度Yj
で除算することにより、目標減衰力Fjとストローク速度
Yjで決まる図7の座標位置(Yj,Fj)と原点を結ぶ直線
の傾きCを計算する。次に、ステップ508〜518の
処理により、切り替え段を表す変数kを「1」から
「n」まで順次「1」ずつ増加させながら、座標位置
(Yj,Fj)が図7のオリフィス領域R1にて各破線BL1
〜BLn-1で挟まれたいずれの領域に属するかを判定し
て、ショックアブソーバ12a〜12dの切り替え段N
j を決定する。すなわち、座標位置(Yj,Fj)が図7の
オリフィス領域R1にて破線BL1 とx軸との間にあって
傾きCが図7の破線BL1 の傾きam0(1)以下であれば、変
数kが「1」であるときにステップ510にて「YE
S」と判定して、ステップ516にて切り替え段Nj を
変数k(=1)に設定する。座標位置(Yj,Fj)が図7
のオリフィス領域R1にて破線BL1,BL2の間に位置して
傾きCが図7の破線BL1 の傾きam0(1)より大きくかつ傾
きam0(2)以下であれば、変数kが「2」であるときにス
テップ510にて「YES」と判定して、ステップ51
6にて切り替え段Nj を「2」に設定する。以下、同様
にして、切り替え段Nj は「n−1」まで設定される。
さらに、座標位置(Yj,Fj)が図7のオリフィス領域R
1にて破線BLn-1 とy軸との間にあって傾きCが図7の
破線BLn-1 の傾きam0(n-1)より大きければ、変数kが
「n」になった時点でステップ514にて「YES」と
判定して、ステップ518にて切り替え段Nj を「n」
に設定する。前記ステップ516,518の処理後、ス
テップ548にてこの「切り替え段決定ルーチン」の実
行を終了する。
【0054】また、ストローク速度Yjが所定値−Y0未満
であれば、ステップ502の判定処理により、プログラ
ムをステップ520〜532に進める。ステップ520
〜532の処理により、切り替え段を表す変数kを
「1」から「n」まで順次「1」ずつ増加させながら、
目標減衰力Fjとストローク速度Yjで決まる図7の座標位
置(Yj,Fj)が図7のリーフバルブ領域R2にて図7の
各破線BL1〜BLn-1で挟まれたいずれの領域に属するかを
判定して、ショックアブソーバ12a〜12dの切り替
え段Nj を決定する。すなわち、座標位置(Yj,Fj)が
図7のリーフバルブ領域R2にて破線BL1 より上側にあ
って、目標減衰力Fjがステップ522にて計算した減衰
力F1=am1(1)・Yj−bm1(1)(破線BL1上のストローク速度
Yjに対応した減衰力に等しい)以上であれば、変数kが
「1」であるときにステップ524にて「YES」と判
定して、ステップ530にて切り替え段Nj を変数k
(=1)に設定する。座標位置(Yj,Fj)が図7のリー
フバルブ領域R2にて破線BL1,BL2の間に位置してい
て、目標減衰力Fjがステップ522にて計算した減衰力
F2=am1(2)・Yj−bm1(2)以上であれば(ステップ522
にて前回計算した減衰力F1=am1(1)・Yj−bm1(1)より小
さい)、変数kが「2」であるときにステップ524に
て「YES」と判定して、ステップ530にて切り替え
段Nj を「2」に設定する。以下、同様にして、切り替
え段Nj は「n−1」まで設定される。さらに、座標位
置(Yj,Fj)が図7のリーフバルブ領域R2にて破線BL
n-1 より下側にあって、目標減衰力Fjがステップ522
にて計算した減衰力Fn-1=am1(n-1)・Yj−bm1(n-12)より
小さければ、変数kが「n」になった時点でステップ5
28にて「YES」と判定して、ステップ532にて切
り替え段Nj を「n」に設定する。前記ステップ53
0,532の処理後、ステップ548にてこの「切り替
え段決定ルーチン」の実行を終了する。
【0055】また、ストローク速度Yjが所定値Y0より大
きければ、ステップ502の判定処理により、プログラ
ムをステップ534〜546に進める。ステップ534
〜546の処理においても、切り替え段を表す変数kを
「1」から「n」まで順次「1」ずつ増加させながら、
目標減衰力Fjとストローク速度Yjで決まる図7の座標位
置(Yj,Fj)が図7のリーフバルブ領域R3にて各破線
BL1〜BLn-1で挟まれたいずれの領域に属するかを判定し
て、ショックアブソーバ12a〜12dの切り替え段N
j を決定する。これらのステップ534〜544の処理
は前述したステップ520〜532の処理とほぼ同様で
あり、異なる点は、ステップ536にて破線BL1〜BLn-1
上の減衰力Fm が演算式Fm=am1(k)・Yj+bm1(k)に基づい
て計算される点と、ステップ538にて目標減衰力Fjが
減衰力Fm以上であるか否かの判定処理を行う点にある。
【0056】ふたたび、図4の「メインプログラム」の
説明に戻ると、前記ステップ112〜118の切り替え
段N1〜N4の決定後、ステップ120にて同決定された
切り替え段N1〜N4を駆動回路47a〜47dに出力す
る。各駆動回路47a〜47dは前記切り替え段N1〜
N4に対応した制御信号をステップモータ34A〜34
Dに出力する。ステップモータ34A〜34Dは前記制
御信号に応答してそれらの各ロータ34aを前記切り替
え段N1〜N4に対応した回転角まで回転させる。このロ
ータ34aの回転により、オリフィス部材31及び駆動
ロッド32が上下動して、各ショックアブソーバ12a
〜12dの切り替え段が前記決定された切り替え段N1
〜N4にそれぞれ設定される。その結果、各ショックア
ブソーバ12a〜12dの減衰力が図7の実線にしたが
ったものに設定される。
【0057】次に、上述した「切り替え段決定ルーチ
ン」の変形例について説明する。この変形例は、図14
に示すように、リーフバルブ領域R2,R3におけるス
トローク速度Yに対する減衰力Fの変化特性線の傾きを
一定にしても、ショックアブソーバ12a〜12dの減
衰力に大きな誤差が含まれないことに鑑みてなされもの
である。この場合、ショックアブソーバ12a〜12d
の減衰力Fを、同アブソーバ12a〜12dの各切り換
え段N毎に、下記数16を用いて近似計算することにす
る。
【0058】
【数16】 F(N)=a0(N)・Y …オリフィス領域R1 F(N)=a1・Y−b1(N) …リーフバルブ領域R
2 F(N)=a1・Y+b1(N) …リーフバルブ領域R
3 ここで、a0(N),a1はオリフィス領域R1及びリーフ
バルブ領域R2,R3における折れ線の各傾きをそれぞ
れ表し、−b1(N),+b1(N)はリーフバルブ領域R2,
R3における折れ線のy軸との切片を表し、括弧内のN
は1〜nに渡って変化するショックアブソーバ12a〜
12dの各切り替え段を表す。
【0059】この変形例においても、図14の各切り替
え段N毎のn個の実線の中央を通るn−1個の折れ線
(図14に破線で示す)を定義して2つの破線で挟まれ
た領域を想定し、ストローク速度Yと減衰力Fで決まる
座標が含まれる領域に属する実線に対応した切り換え段
1〜nをショックアブソーバ12a〜12dの切り換え
段数として近似する。これらの破線に関し、減衰力Fk
(k=1〜n-1)とストローク速度Yとは下記数17のように
表される。
【0060】
【数17】 Fk=am0(k)・Y …オリフィス領域R1 Fk=a1・Y−bm1(k) …リーフバルブ領域R2 Fk=a1・Y+bm1(k) …リーフバルブ領域R3 ここで、am0(k)はオリフィス領域R1におけるn−1個
の各折れ線(図14の実線)の傾きをそれぞれ表し、bm
1(k)はリーフバルブ領域R2,R3における同各折れ線
(図14の実線)のy軸との切片を表し、これらは下記
数18のように定義されるものである。
【0061】
【数18】am0(k)={a0(k+1)+a0(k)}/2 bm1(k)={b1(k+1)+b1(k)}/2 なお、前記値a0(k),b1(k)(k=1〜n)は前述のようにシ
ョックアブソーバ12a〜12dの各切り替え段毎に定
まる値であるので、これらの値am0(k),bm1(k)(k=1〜n-
1)も予め決まる定数であり、本願実施例ではマイクロコ
ンピュータ46内のROMに予め記憶されているデータ
である。
【0062】次に、これらの近似法を用いた変形例に係
る図13の「切り替え段決定ルーチン」について説明す
ると、マイクロコンピュータ46は同ルーチンの実行を
ステップ600にて開始し、ステップ602にて上記実
施例の場合と同様にストローク速度Yj(j=1〜4) の大き
さを判定する。ストローク速度Yjの絶対値|Yj|が微小
値ΔY以下の場合も、同絶対値|Yj|が微小値ΔYより
大きくかつ所定値Y0以下の場合も、上記ステップ502
〜518の処理と同一なステップ602〜6018の処
理により、切り替え段Nj を決定する。
【0063】一方、ストローク速度Yjが所定値−Y0未満
であれば、ステップ602の判定処理により、プログラ
ムをステップ620に進める。ステップ620において
は、下記数19の演算により、目標減衰力Fjとストロー
ク速度Yjで決まる図14のリーフバルブ領域R2内の座
標位置(Yj,Fj)から傾きa1 でy軸に延ばした直線の
y軸切片bを計算する。
【0064】
【数19】b=a1・Yj−Fj 次に、ステップ622〜632の処理により、切り替え
段を表す変数kを「1」から「n」まで順次「1」ずつ
増加させながら、座標位置(Yj,Fj)が図14のリーフ
バルブ領域R2にて各破線BL1〜BLn-1で挟まれたいずれ
の領域に属するかを判定して、ショックアブソーバ12
a〜12dの切り替え段Nj を決定する。そして、この
場合には、ステップ624にて、前記計算した接片bが
予め記憶されている図14の各破線BL1,BL2…BLn-1の
y軸切片−bm1(k)(k=1〜n-1)以上である否かの判定処
理により、前記座標位置(Yj,Fj)が含まれる領域の決
定を行う。他の動作は上記実施例とほぼ同様であるの
で、その説明を省略する。
【0065】また、ストローク速度Yjが所定値Y0より大
きければ、ステップ602の判定処理により、プログラ
ムをステップ634に進める。ステップ634において
は、下記数20の演算により、目標減衰力Fjとストロー
ク速度Yjで決まる図14のリーフバルブ領域R3内の座
標位置(Yj,Fj)から傾きa1 でy軸に延ばした直線の
y軸切片bを計算する。
【0066】
【数20】b=Fj−a1・Yj 次に、ステップ636〜646の処理により、切り替え
段を表す変数kを「1」から「n」まで順次「1」ずつ
増加させながら、座標位置(Yj,Fj)が図14のリーフ
バルブ領域R2にて各破線BL1〜BLn-1で挟まれたいずれ
の領域に属するかを判定して、ショックアブソーバ12
a〜12dの切り替え段Nj を決定する。そして、この
場合には、ステップ638にて、前記計算した接片bが
予め記憶されている図14の各破線BL1,BL2…BLn-1の
y軸切片bm1(k)(k=1〜n-1)以下である否かの判定処理
により、前記座標位置(Yj,Fj)が含まれる領域の決定
を行う。したがって、この変形例においても、ショック
アブソーバ12a〜12dの切り替え段Nj が折れ線近
似により設定される。
【0067】なお、上記実施例及び変形例に係る折れ線
近似法により、ショックアブソーバのストローク速度−
減衰力特性の非線形性が同アブソーバの伸び側及び縮み
側の特性の違いなどで良好に近似できない場合には、ス
トローク速度に対する領域の分割数をさらに多くするこ
とも計算速度の許す限り可能である。
【0068】以上のような動作説明からも理解できると
おり、上記実施例又はその変形例によれば、次のような
特徴を有する。まず、ばね上状態量検出手段としてのス
テップ106の「ばね上状態量推定ルーチン」の処理に
より、車体のばね上状態量すなわち車体のヒーブ速度X
1、ピッチ角速度X2及びロール角速度X3が、各車輪位置
における車体BDの各車輪WHに対するストローク速度
Y1〜Y4又はストローク変位量Y5〜Y8とショックアブソー
バ12a〜12dの設定減衰力F1〜F4を用いたカルマン
フィルタ演算により推定される。これにより、ばね上部
材の加速度のような精度よく検出することが困難な物理
量を用いることなく、ばね上状態量を検出することが可
能になり、ショックアブソーバ12a〜12dの制御精
度を向上させることができる。
【0069】また、旋回走行状態検出手段としてのヨー
レートセンサ42、車速センサ43及び操舵角センサ4
4により車両の旋回走行状態量が検出され、ロール剛性
配分比決定手段としてのステップ108の「ロール剛性
配分比決定ルーチン」の処理により、同旋回走行状態量
に基づいて車体BDの実ヨーレートγが目標ヨーレート
γ* になるような目標ロール剛性配分比(フロントロー
ル剛性配分値Rf)が決定される。さらに、減衰力計算手
段としてのステップ110の「目標減衰力計算ルーチ
ン」の処理により、車体BDのヒーブ速度X1、ピッチ角
速度X2及びロール角速度X3に所定の減衰力を付与すると
ともに、前輪と後輪とのロール剛性配分が同決定した目
標ロール剛性配分比になるように各ショックアブソーバ
12a〜12dの目標減衰力F1〜F4が計算される。そし
て、切り替え段決定手段としてのステップ114の「切
り替え段決定ルーチン」の処理により、ストローク速度
検出手段としてのストロークセンサ41a〜41d及び
微分器45a〜45dによって検出したストローク速度
Y1〜Y4と前記計算した減衰力F1〜F4とに基づいて切り替
え段N1〜N4が決定され、かつ制御手段としてのステッ
プ120の処理及び駆動回路47a〜47dにより、シ
ョックアブソーバ12a〜12dが前記決定した切り替
え段N1〜N4に設定される。その結果、車体のばね上状
態量としての車体のヒーブ速度X1、ピッチ角速度X2及び
ロール角速度X3によるショックアブソーバ12a〜12
dの減衰係数の制御に、前輪と後輪とのロール剛性配分
比によるショックアブソーバの12a〜12dの減衰係
数の制御が加えられる。
【0070】また、近似手段を構成する「切り替え段決
定ルーチン」(図12)においては、ショックアブソー
バ12a〜12dのストローク速度Y1〜Y4に対する減衰
力F1〜F4の変化特性を良好に表す表す折れ線近似を用い
て、ショックアブソーバ12a〜12dの切り替え段N
1〜N4が決定されるので、切り替え段N1〜N4の決定の
ための演算が簡単になる。さらに、図13に示す「切り
替え段決定ルーチン」においては、所定のストローク速
度Y0以上の直線の傾きを一定にしたので、切り替え段N
1〜N4の決定のための演算がより簡単になる。
【0071】
【発明の効果】上記のように構成した本発明の特徴によ
れば、ショックアブソーバの減衰力の制御に前輪と後輪
とのロール剛性配分比による制御を加えて、車体の実ヨ
ーレートと目標ヨーレートとが等しくなるように前輪と
後輪とのロール剛性を配分するようにしたので、車両の
操安性、特に旋回時の操安性が良好になる。
【0072】また、本発明の他の特徴によれば、ストロ
ーク変位量又はストローク速度とショックアブソーバの
設定減衰力とを用いたカルマンフィルタ演算により、ば
ね上部材(車体)の加速度を検出する加速度センサを用
いないで、車体のヒーブ速度、ピッチ角速度及びロール
角速度すなわちばね上速度成分を検出するようにしたの
で、同ばね上速度成分の検出精度を良好にでき、ひいて
はショックアブソーバの制御精度を向上させることがで
きる。
【0073】さらに、本発明の他の特徴によれば、ショ
ックアブソーバのストローク速度に対する減衰力の変化
特性を良好に表す折れ線近似にしたがって、ショックア
ブソーバの減衰係数の切り替え段を決定するようにした
ので、簡単かつ精度よくショックアブソーバの減衰係数
の切り替え段を決定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例に係る車両の概略図であ
る。
【図2】 図1のショックアブソーバの要部を示す断面
図である。
【図3】 図2のステップモータを制御するための電気
制御装置のブロック回路図である。
【図4】 図3のマイクロコンピュータにて実行される
「メインプログラム」のフローチャートである。
【図5】 図4の「ばね上状態量推定ルーチン」を詳細
に示すフローチャートである。
【図6】 ショックアブソーバのストローク速度に対す
る減衰力の変化特性を示すグラフである。
【図7】 ショックアブソーバのストローク速度に対す
る減衰力の変化特性を折れ線近似したグラフである。
【図8】 図4の「ロール剛性配分比決定ルーチン」を
詳細に示すフローチャートである。
【図9】 車両旋回時に発生するヨーレートの定常項の
車速に対する変化特性を示すグラフである。
【図10】車両旋回時に変化するヨーレートの時定数の
車速に対する変化特性を示すグラフである。
【図11】図4の「目標減衰力計算ルーチン」を詳細に
示すフローチャートである。
【図12】図4の「切り替え段決定ルーチン」を詳細に
示すフローチャートである。
【図13】前記「切り替え段決定ルーチン」の変形例を
詳細に示すフローチャートである。
【図14】前記変形例に係るショックアブソーバのスト
ローク速度に対する減衰力の変化特性を折れ線近似した
グラフである。
【図15】車両の運動を説明するための車両の数学的モ
デルを示す概略図である。
【符号の説明】
BD…車体、WH…車輪、10A〜10D…サスペンシ
ョン装置、11a〜11d…スプリング、12a〜12
d…ショックアブソーバ、22,23…シリンダ、25
a〜25d…油路、26…ピストン、26a,26b…
油路、27a,27b…リーフバルブ、31…オリフィ
ス部材、34、34A〜34D…ステップモータ、41
a〜41d…ストロークセンサ、42…ヨーレートセン
サ、43…車速センサ、44…操舵角センサ、45a〜
45b…微分器、46…マイクロコンピュータ、47a
〜47d…駆動回路。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 各車輪と車体との間にそれぞれ介装され
    電気的に制御されて減衰係数を複数の切り替え段のいず
    れかに切り替え可能なショックアブソーバのための電気
    制御装置において、 車体のヒーブ速度、ピッチ角速度及びロール角速度をそ
    れぞれ検出するばね上状態量検出手段と、 車両の旋回走行状態量を検出する旋回走行状態量検出手
    段と、 各車輪位置における車体の各車輪に対するストローク速
    度をそれぞれ検出するストローク速度検出手段と、 前記検出した車両の旋回走行状態量に基づいて車体の実
    ヨーレートが目標ヨーレートになるように前輪と後輪と
    の目標ロール剛性配分比を決定するロール剛性配分比決
    定手段と、 前記検出したヒーブ速度、ピッチ角速度及びロール角速
    度と前記決定した目標ロール剛性配分比とに基づいて、
    同ヒーブ速度、ピッチ角速度及びロール角速度に対して
    所定の減衰力を付与するとともに、前輪と後輪とのロー
    ル剛性配分比を同決定した目標ロール剛性配分比になる
    ような各ショックアブソーバの目標減衰力を計算する減
    衰力計算手段と、 前記検出した各ストローク速度及び前記計算した各目標
    減衰力に基づいて各ショックアブソーバの切り替え段を
    決定する切り替え段決定手段と、 各ショックアブソーバの減衰係数を前記決定した切り替
    え段に制御する制御手段とを備えたことを特徴とするシ
    ョックアブソーバのための電気制御装置。
  2. 【請求項2】 前記請求項1に記載のばね上状態量検出
    手段を、各ショックアブソーバの設定減衰力と前記検出
    した各ストローク速度とを用いたカルマンフィルタ演算
    により、車体のヒーブ速度、ピッチ角速度及びロール角
    速度を推定する推定手段で構成したことを特徴とするシ
    ョックアブソーバのための電気制御装置。
  3. 【請求項3】 前記請求項1に記載のばね上状態量検出
    手段を、 各車輪位置における車体の各車輪に対するストローク変
    位量を検出するストローク変位量検出手段と、 前記検出したストローク変位量及び各ショックアブソー
    バの設定減衰力に基づいて、車体のヒーブ速度、ピッチ
    角速度及びロール角速度を推定するカルマンフィルタ演
    算手段とで構成したことを特徴とするショックアブソー
    バのための電気制御装置。
  4. 【請求項4】 前記請求項1に記載のショックアブソー
    バを可変オリフィスとリーフバルブの液路抵抗により減
    衰力を発生するように構成するととともに、同可変オリ
    フィスの絞り量を種々に変更することによりショックア
    ブソーバの減衰係数を複数の切り替え段に切り替えるよ
    うにしてなり、 前記切り替え段決定手段を、前記切り替え段毎に所定の
    ストローク速度を境に異なる傾きを有する折れ線で近似
    したショックアブソーバのストローク速度に対する減衰
    力の変化特性にしたがい、前記検出した各ストローク速
    度及び前記計算した各目標減衰力に基づいて各ショック
    アブソーバの減衰係数の切り替え段を決定する近似手段
    で構成したことを特徴とするショックアブソーバのため
    の電気制御装置。
  5. 【請求項5】 前記請求項4に記載の近似手段で用いた
    各折れ線における傾きを前記所定のストローク速度以上
    の領域で一定にしたことを特徴とするショックアブソー
    バのための電気制御装置。
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