JP5157683B2 - サスペンション制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、サスペンション制御装置に係り、特に、車両の走行状態やドライバの操作状態に基づいて、サスペンションの減衰特性又はばね力を制御するサスペンション制御装置に関する。
従来より、横運動に対するロール運動の位相差がゼロとなるように目標ロール運動を設定して、サスペンションの減衰力を制御する車両の減衰力制御装置が知られている(例えば、特許文献1)。この減衰力制御装置は、サスペンションの減衰力を制御することにより、旋回時の車両乗り心地を向上させている。
特開2007−170590号公報
しかしながら、上記の特許文献1に記載の技術では、ヨ−運動と横運動との関係を考慮せずに目標ロール運動の設定を行っているため、ドライバにとって快適な車両運動を実現することができない、という問題がある。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、ドライバにとって快適な車両運動を実現することができるサスペンション制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために本発明に係るサスペンション制御装置は、自車両の走行状態及びドライバが自車両を操作したときの操作状態を検出する状態検出手段と、前記状態検出手段によって検出された前記走行状態及び前記操作状態に基づいて、ヨー角に関する状態量の変化に対する車両横方向の運動の変化の位相差を示す第1位相差を推定する位相差推定手段と、前記位相差推定手段によって推定された前記第1位相差に基づいて、前記第1位相差が大きくなるに従って大きくなるように、車両横方向の運動の変化に対するロール角に関する状態量の変化の位相差を示す第2位相差を決定する位相差決定手段と、前記位相差決定手段によって決定された前記第2位相差が得られるように、車輪側部材と車体側部材との間に配置されたサスペンションの減衰特性及びばね力の少なくとも一方を制御する制御手段とを含んで構成されている。
本発明に係るサスペンション制御装置によれば、状態検出手段によって、自車両の走行状態及びドライバが自車両を操作したときの操作状態を検出する。位相差推定手段によって、状態検出手段によって検出された走行状態及び操作状態に基づいて、ヨー角に関する状態量の変化に対する車両横方向の運動の変化の位相差を示す第1位相差を推定する。
そして、位相差決定手段によって、位相差推定手段によって推定された第1位相差に基づいて、第1位相差が大きくなるに従って大きくなるように、車両横方向の運動の変化に対するロール角に関する状態量の変化の位相差を示す第2位相差を決定する。制御手段によって、位相差決定手段によって決定された第2位相差が得られるように、車輪側部材と車体側部材との間に配置されたサスペンションの減衰特性及びばね力の少なくとも一方を制御する。
このように、ヨー角に関する状態量の変化に対する車両横方向の運動の変化の位相差を考慮して、車両横方向の運動の変化に対するロール角に関する状態量の変化の位相差を決定することにより、ドライバにとって快適な車両運動を実現することができる。
本発明に係るサスペンション制御装置は、状態検出手段によって検出された走行状態及び操作状態に基づいて、車両横方向の運動の変化の位相を推定する運動位相推定手段と、運動位相推定手段によって推定された車両横方向の運動の変化の位相と、位相差決定手段によって決定された第2位相差とに基づいて、ロール角に関する状態量の目標値を設定する目標値設定手段とを更に含み、制御手段は、位相差決定手段によって決定された第2位相差、及び目標値設定手段によって設定されたロール角に関する状態量の目標値が得られるように、サスペンションの減衰特性及びばね力の少なくとも一方を制御することができる。これによって、決定された車両横方向の運動の変化に対するロール角に関する状態量の変化の位相差を精度よく実現することができる。
上記の制御手段は、前後輪の各々について、サスペンションの減衰特性及びばね力の少なくとも一方を制御することができる。
上記の状態検出手段は、走行状態として車速を検出し、操作状態として操舵角を検出することができる。
以上説明したように、本発明のサスペンション制御装置によれば、ヨー角に関する状態量の変化に対する車両横方向の運動の変化の位相差を考慮して、車両横方向の運動の変化に対するロール角に関する状態量の変化の位相差を決定することにより、ドライバにとって快適な車両運動を実現することができる、という効果が得られる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の実施の形態に係るサスペンション制御装置10は、自車両の走行状態としての車速を検出する車速センサ12と、ドライバが自車両を操作したときの操作状態としてのハンドル操舵角を検出する操舵角センサ14と、車速センサ12及び操舵角センサ14の各々からの出力に基づいて、自車両の車輪側部材と車体側部材との間に配置されたサスペンション18の減衰特性及びばね力を制御するコンピュータ16とを備えている。
サスペンション18は、自車両の4輪の各々について設けられ、図2に示すように、可変ショックアブソーバ30と、アクティブスタビライザ(図示省略)と、エアスプリング32とを備えている。
可変ショックアブソーバ30は、左右前後の各車輪に連結されたロアアームLAと車体側部材との間にそれぞれ介装されていて、シリンダ34の下端にてロアアームLAに連結されるとともに、シリンダ34に上下動可能に挿入されたピストンロッド36の上端にて車体側部材に固定されている。エアスプリング32は、可変ショックアブソーバ30と並列に設けられている。ロアアームLAは、アッパアーム、ナックル等と共に車体に左右前後の各車輪を連結するためのリンク機構を構成している。
可変ショックアブソーバ30のシリンダ34は、その内周面上を液密的に摺動するピストン38により上下室R1、R2に区画されている。ピストン38には、可変絞り機構40が組み付けられている。可変絞り機構40は、その一部を構成するアクチュエータ42の作動により、絞り量が変更されてシリンダ34の上下室R1、R2間を連通させる連通路の開度を複数段階に切り換える。この切り換え段階に応じて、連通路の開度が大きくなると可変ショックアブソーバ30の減衰力がソフト側に設定され、連通路の開度が小さくなると可変ショックアブソーバ30の減衰力がハード側に設定される。
エアスプリング32は、空気圧制御部44によって送給される圧縮空気によって、内部の空気圧が変化し、エアスプリング32のばね力が変化する。
コンピュータ16は、CPUと、RAMと、後述するサスペンション制御処理ルーチンを実行するためのプログラムを記憶したROMとを備え、機能的には次に示すように構成されている。コンピュータ16は、車速センサ12から入力された車速信号、及び操舵角センサ14から入力された操舵角信号に基づいて、車両運動のヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差を推定する横運動位相差推定部20と、推定された横加速度の変化の位相差に応じて、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を決定するロール運動位相差決定部22と、決定されたロール角速度の変化の位相差に基づいて、サスペンション18の減衰特性及びばね力の目標値を設定する目標減衰特性ばね力設定部24と、設定された減衰特性及びばね力の目標値に基づいて、サスペンション18の減衰特性及びばね力を制御する減衰特性ばね力制御部26とを備えている。
なお、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差が、本発明における第1位相差に対応し、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差が、本発明における第2位相差に対応する。
図3に示すように、車両運動の軸を重心から車両前方方向に向かってx軸、車両左方向に向かってy軸、鉛直上向きに向かってz軸としたときの各軸回りの回転角速度を各々ロール角速度、ピッチ角速度、ヨー角速度と定義する。
横運動位相差推定部20は、以下に説明するように、車両運動のヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差を推定する。
まず、図4(A)、(B)に示すように、ヨー角速度の大きさ及び変化の位相は、車両の基本的な諸元(車両軸心から前後輪の車軸までの距離、前後のコーナリングパワーなど)と、ハンドル操舵角の操舵周波数と、車速とによって求められるため、上記図4(A)、(B)に示すような車速、操舵周波数、ヨー角速度の大きさ、及びヨー角速度の変化の位相の関係と、車速センサ12によって検出された車速と、操舵角センサ14によって検出されたハンドル操舵角から得られる操舵周波数とに基づいて、ヨー角速度の変化の位相を推定する。
また、図5(A)、(B)に示すように、横加速度の大きさ及び変化の位相は、ヨー角速度と同様に、車両の基本的な諸元と、ハンドル操舵角の操舵周波数と、車速とによって求められるため、上記図5(A)、(B)に示すような車速、操舵周波数、横加速度の大きさ、及び横加速度の変化の位相の関係と、車速センサ12によって検出された車速と、操舵角センサ14によって検出されたハンドル操舵角から得られる操舵周波数とに基づいて、横加速度の変化の位相を推定する。
そして、推定されたヨー角速度の変化の位相と横加速度の変化の位相とに基づいて、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差を推定する。
ここで、本実施の形態における原理について説明する。ハンドル操舵時の車両応答において、図6(A)に示すようなヨー角速度(YR)の変化に対する横加速度(LA)の変化の時間差と、図6(B)に示すような横ジャーク(LJ)の変化に対するロール角速度(RR)の変化の時間差との組み合わせに関する適値を、官能評価実験により調べたところ、図7に示すような時間差の組み合わせの範囲にあることが分かった。なお、この実験は、0.5Hzの正弦波のハンドル操舵を想定して実施したものである。
上記図7に示す官能評価実験の結果より、サスペンション制御により車体のロール運動を制御する場合、横運動に対してどのような応答特性(横運動の変化に対するロール運動の変化の位相差)を実現するかは、ヨー運動の変化に対する横運動の変化の位相差との関係を考慮して決めることが必要であり、ヨー運動の変化に対する横運動の変化の位相差との関係を考慮することでドライバにとって適切な車両運動を実現することができることがわかった。
そこで、本実施の形態では、ロール運動位相差決定部22によって、図8に示すような、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差が大きくなるに従って、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差が単調に大きくなるように定めた、これらの位相差の関係に基づいて、推定されたヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差に対応する、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を決定する。
例えば、車速が低い場合には、図4、図5に示す関係から、横加速度の変化がヨー角速度の変化に対して先行して発生することになるため、横加速度の変化に対してロール角速度の変化が遅れなく追従するような位相差が決定される。
次に、サスペンション18の減衰力及びばね力の目標値を算出する原理について説明する。
まず、車体のロールに対する運動方程式は以下の(1)式で表わされる。
Figure 0005157683
ここで、βは車体スリップ角であり、γはヨー角速度であり、φは車体ロール角である。また、Vは車速であり、gは重力加速度であり、mは車両のばね上質量であり、Iφはローリング慣性モーメントである。また、Ixzは慣性乗積であり、hはばね上重心とロール軸との間の距離であり、Kφは、前後輪のサスペンション(懸架装置)のロール剛性の和であり、Cφは、前後輪の可変ショックアブソーバ30による単位ロール角速度あたりのモーメントの和である。
上記(1)において、慣性乗積は無視しうるほど小さく、車体のロールに対する重力の影響も小さいので無視すると、以下の(2)式が得られる。
Figure 0005157683
ロール運動に対する運動方程式である上記(1)式へ上記(2)式を代入すると、以下の(3)式が得られる。
Figure 0005157683
上記(3)式において、V(dβ/dt+γ)は、車体の横加速度であり、これをgyとし、上記(3)式をラプラス変換すると、以下の(4)式が得られる。
Figure 0005157683
上記(4)式から、横加速度からロール角までの伝達関数が以下の(5)式で表される。
Figure 0005157683
上記(5)式で表される伝達関数を用いることで、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を見積もることができる。逆に言えば、Cφ、Kφ、又はCφとKφとの双方を制御することにより、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を制御することができる。
本実施の形態では、上記(5)式を予め計算して、図9(A)に示すようなロール角速度の変化の位相差とCφとの関係を表わすマップ、及び図9(B)に示すようなロール角速度の変化の位相差とKφとの関係を表わすマップを用意しておき、決定された横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を実現するためのKφ及びCφを各々求める。
そして、前後輪に対してどのようにばね力及び減衰特性を配分するかを決めておき、前輪のサスペンション18のばね定数の目標値を以下のように算出する。
例えば、ロール剛性を以下の(6)式で表される割合で前後輪に配分する場合について説明する。
(前輪):(後輪)=k:1−k (0<k<1) ・・・(6)
前輪の受け持つべきロール剛性Kφfは、以下の(7)式で算出される。
Figure 0005157683
図10に示すように、前輪のサスペンション18のエアスプリング32間の距離がトレッドdと等しく、かつ、左右のエアスプリング32のばね定数が等しいと仮定すれば、以下の(8)式が得られる。
Figure 0005157683
また、φ<<1であるため、以下の(9)式が得られる。
Figure 0005157683
上記(8)式、(9)式より得られる以下の(10)式に従って、前輪のサスペンション18のエアスプリング32のばね定数Ksfが算出される。
Figure 0005157683
また、後輪のサスペンション18のエアスプリング32のばね定数についても、前輪のサスペンション18のエアスプリング32のばね定数と同様に算出される。
また、前輪のサスペンション18の可変ショックアブソーバ30の減衰係数Cafは、以下の(11)式により算出される。
Figure 0005157683
ただし、Cφfは前輪の受け持つべき単位ロール角速度あたりのモーメントであり、
単位ロール角速度あたりのモーメントを以下の(12)式で表される割合で前後輪に配分する場合には、Cφfは以下の(13)で表わされる。
(前輪):(後輪)=n:1−n (0<n<1) ・・・(12)
Figure 0005157683
また、後輪のサスペンション18の可変ショックアブソーバ30の減衰係数についても、前輪のサスペンション18の可変ショックアブソーバ30の減衰係数と同様に算出される。
上記のように、目標減衰特性ばね力設定部24は、決定された横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を実現するように、サスペンション18の減衰係数及びばね定数の目標値を算出して、算出した目標値を設定する。
減衰特性ばね力制御部26は、前輪及び後輪の各々の減衰係数の目標値に応じた制御量に従って、前輪及び後輪の各々のサスペンション18のアクチュエータ42を作動させて、前輪及び後輪の各々のサスペンション18の減衰特性を制御する。また、減衰特性ばね力制御部26は、前輪及び後輪の各々のばね定数の目標値に応じた制御量に従って、前輪及び後輪の各々のサスペンション18の空気圧制御部44を作動させて、前輪及び後輪の各々のサスペンション18のばね力を制御する。
次に、第1の実施の形態に係るサスペンション制御装置10の作用について説明する。サスペンション制御装置10を搭載した車両の走行中に、コンピュータ16において、図11に示すサスペンション制御処理ルーチンが実行される。
まず、ステップ100において、車速センサ12及び操舵角センサ14の各々から出力された信号を取得する。そして、ステップ102では、上記ステップ100で取得した車速信号が示す車速、及び操舵角信号が示すハンドル操舵角から得られる操舵周波数に基づいて、上記図4に示す車速とハンドル操舵角の操舵周波数とヨー角速度との関係に従って、ヨー角速度の変化の位相を推定すると共に、上記図5に示す車速とハンドル操舵角の操舵周波数と横加速度との関係に従って、横加速度の変化の位相を推定する。
次のステップ104では、上記ステップ102で推定されたヨー角速度の変化の位相と横加速度の変化の位相とに基づいて、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差を推定する。
そして、ステップ106において、予め定められた、上記図8に示すようなヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差と横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差との関係に基づいて、上記ステップ104で推定された横加速度の変化の位相差に対応する、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を決定する。
次のステップ108では、上記ステップ106で決定された横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を実現するためのサスペンション18の減衰力を前後輪の各々に対して算出し、算出した減衰力を前後輪の各々に対する目標値として設定する。
また、ステップ110において、上記ステップ106で決定された横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を実現するためのサスペンション18のばね力を、前後輪の各々に対して算出し、算出したばね力を前後輪の各々に対する目標値として設定する。
そして、ステップ112において、上記ステップ108で設定された減衰力の目標値に基づいて、前後輪の各々について、サスペンション18のアクチュエータ42を作動させて、サスペンション18の減衰力を制御すると共に、上記ステップ108で設定されたばね力の目標値に基づいて、前後輪の各々について、サスペンション18の空気圧制御部44を作動させて、サスペンション18のばね力を制御して、サスペンション制御処理ルーチンを終了する。
以上説明したように、第1の実施の形態に係るサスペンション制御装置によれば、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差を考慮して、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を決定し、決定した位相差を実現するようにサスペンションの減衰特性及びばね力を制御することにより、ドライバにとって快適な車両運動を実現することができる。
また、官能評価実験に基づいて、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差に対応して定められた、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を実現することにより、運転しやすさや車両の快適性を向上させることができ、ドライバにとって快適な車両運動を実現することができる。
また、ドライバの感受特性にあった、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を設定することで、車両の操安性を向上させることができる。
次に、第2の実施の形態に係るサスペンション制御装置について説明する。なお、第1の実施の形態と同様の構成となる部分については、同一符号を付して説明を省略する。
第2の実施の形態では、フィードバック制御を行って、サスペンションの減衰特性及びばね力を制御している点が、第1の実施の形態と主に異なっている。
図12に示すように、第2の実施の形態に係るサスペンション制御装置210は、車速センサ12と、操舵角センサ14と、自車両のロール角速度を検出するロール角速度センサ214と、車速センサ12、操舵角センサ14、及びロール角速度センサ214の各々からの出力に基づいて、サスペンション18の減衰特性及びばね力を制御するコンピュータ216とを備えている。
コンピュータ216は、横運動位相差推定部20と、ロール運動位相差決定部22と、目標減衰特性ばね力設定部24と、車速センサ12から入力された車速信号及び操舵角センサ14から入力された操舵角信号に基づいて、横加速度の変化の位相を推定する横運動位相推定部222と、決定されたロール角速度の変化の位相差及び推定された横加速度の変化の位相に基づいて、ロール角速度の目標値を設定する目標ロール運動設定部223と、設定されたロール角速度の目標値とロール角速度センサ214により検出されたロール角速度との差を算出する減算器225と、減算器225により算出された値に基づいて、フィードバック制御を行うように、サスペンション18の減衰特性及びばね力の目標値の各々の修正値を算出するフィードバック制御部226と、サスペンション18の減衰特性及びばね力の目標値の各々に、各目標値の修正値を加算する加算器227と、減衰特性ばね力制御部26とを備えている。
横運動位相推定部222は、車速センサ12から出力された車速信号及び操舵角センサ14から出力された操舵角信号に基づいて、上記図5に示す車速とハンドル操舵角の操舵周波数と横加速度との関係から、横加速度の変化の位相を推定する。
目標ロール運動設定部223は、決定された横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差、及び推定された横加速度の変化の位相に基づいて、ロール角速度の変化の位相を求め、求められたロール角速度の変化の位相に対応するロール角速度を算出し、目標値として設定する。
フィードバック制御部226は、減算器225により算出された、ロール角速度の目標値と検出されたロール角速度との差に基づいて、ロール角速度センサ214からロール角速度の目標値が検出されるように、サスペンション18の減衰特性及びばね力の各々の目標値の修正値を算出する。
例えば、検出されたロール角速度が目標値より大きくなるような差が発生する場合には減衰特性及びばね力が目標とするロール角速度を得るには小さいと判断し、これらが大きくなるように減衰特性及びばね力の目標値の修正量を算出する。また、逆の差が発生する場合には減衰特性及びばね力が小さくなるように目標値の修正量を算出する。この修正量は、例えば、ロール角速度の目標値と検出されたロール角速度との差に比例した値として設定された制御量マップや制御式を用いて算出する。
また、フィードバック制御部226は、加算器227によって、算出したサスペンション18の減衰特性及びばね力の各々の目標値の修正値を、設定されたサスペンション18の減衰特性及びばね力の各々の目標値に反映させて、フィードバック制御を行う。
次に、第2の実施の形態に係るサスペンション制御処理ルーチンについて図13を用いて説明する。なお、第1の実施の形態と同様の処理について同一符号を付して詳細な説明を省略する。
まず、ステップ100において、車速センサ12及び操舵角センサ14の各々から出力された信号を取得し、ステップ102において、上記ステップ100で取得した車速信号が示す車速、及び操舵角信号が示すハンドル操舵角から得られる操舵周波数に基づいて、ヨー角速度の変化の位相を推定すると共に、横加速度の変化の位相を推定する。
次のステップ104では、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差を推定し、そして、ステップ106において、上記ステップ104で推定された横加速度の変化の位相差に対応する、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を決定する。
次のステップ108では、サスペンション18の減衰力の目標値を前後輪の各々に対して算出し、ステップ110において、サスペンション18のばね力の目標値を前後輪の各々に対して算出する。
そして、ステップ254において、上記ステップ106で決定された横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差と、上記ステップ104で推定された横加速度の変化の位相とに基づいて、ロール角速度の目標値を算出して設定する。
次のステップ256では、上記ステップ254で算出されたロール角速度の目標値と上記ステップ100で取得したロール角速度信号が示すロール角速度との差分値を算出する。そして、ステップ258において、上記ステップ256で算出した差分値に基づいて、ロール角速度の目標値を実現するための、サスペンション18の減衰力及びばね力の各々の目標値の修正値を算出する。
ステップ260では、上記ステップ258で算出された減衰力及びばね力の各々の目標値の修正値を、上記ステップ108、110で算出された減衰力及びばね力の各々の目標値に反映させて、減衰力及びばね力の目標値を設定する。
そして、ステップ112において、上記ステップ260で設定された減衰力の目標値に基づいて、前後輪の各々について、サスペンション18の減衰力を制御すると共に、上記ステップ260で設定されたばね力の目標値に基づいて、前後輪の各々について、サスペンション18のばね力を制御し、サスペンション制御処理ルーチンを終了する。
以上説明したように、第2の実施の形態に係るサスペンション制御装置によれば、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差を考慮して決定された、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を実現するようにサスペンションの減衰特性及びばね力を制御することにより、ドライバにとって快適な車両運動を実現することができる。
また、フィードバック制御を行うことにより、決定された横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を精度よく実現することができる。
なお、上記の第1の実施の形態及び第2の実施の形態では、サスペンションの減衰特性及びばね力を制御する場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、決定された横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差が実現されるように、サスペンションの減衰特性及びばね力の何れか一方のみを制御するようにしてもよい。例えば、サスペンションの減衰特性のみを制御する場合には、サスペンションのスプリングとして、通常のコイルスプリングを用いればよい。
また、ヨー角に関する状態量として、ヨー角速度を用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ヨー角に関する状態量として、ヨー角やヨー角加速度を用いて、サスペンション制御を行ってもよい。この場合には、ヨー角又はヨー角加速度の変化に対する横加速度の変化の位相差を推定すればよい。
また、車両横方向の運動を表わす物理量として、横加速度を用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、車両横方向の運動を表わす物理量として、横位置や、横速度、横ジャークを用いて、サスペンション制御を行ってもよい。この場合には、ヨー角に関する状態量の変化に対する、横位置、横速度、又は横ジャークの変化の位相差を推定し、横位置、横速度、又は横ジャークの変化に対するロール角速度の変化の位相差を決定すればよい。
また、ロール角に関する状態量として、ロール角速度を用いた場合を例に説明したが、これに限定されるものではなく、ロール角に関する状態量として、ロール角やロール角加速度を用いて、サスペンション制御を行ってもよい。この場合には、横加速度の変化に対するロール角やロール角加速度の変化の位相差を決定すればよい。
また、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の位相差を、時間差で表現してもよく、また、横加速度の変化に対するロール角速度の変化の位相差を、時間差で表現してもよい。
本発明の第1の実施の形態に係るサスペンション制御装置の構成を示す概略図である。 サスペンションの構成を示す概略図である。 車両運動を説明する各軸の方向を示す図である。 (A)車速とハンドル操舵角の操舵周波数とヨー角速度の大きさとの関係を示すグラフ、及び(B)車速とハンドル操舵角の操舵周波数とヨー角速度の変化の位相との関係を示すグラフである。 (A)車速とハンドル操舵角の操舵周波数と横加速度の大きさとの関係を示すグラフ、及び(B)車速とハンドル操舵角の操舵周波数と横加速度の変化の位相との関係を示すグラフである。 (A)ヨー角速度の変化と横加速度の変化とを示すグラフ、及び(B)ロール角速度の変化と横ジャークの変化とを示すグラフである。 官能評価実験の結果として得られる、ヨー角速度の変化に対する横加速度の変化の時間差と、横ジャークの変化に対するロール角速度の変化に対する時間差との関係を示すグラフである。 ヨー運動の変化に対する横運動の変化の位相差と、横運動の変化に対するロール運動の変化に対する時間差との関係を示すグラフである。 (A)ロール角速度の変化の位相差の目標値と、Kφとの関係を示すグラフ、及び(B)ロール角速度の変化の位相差の目標値と、Cφとの関係を示すグラフである。 サスペンションのエアスプリングのばね定数の算出方法を説明するための図である。 本発明の第1の実施の形態に係るサスペンション制御装置におけるサスペンション制御処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。 本発明の第2の実施の形態に係るサスペンション制御装置の構成を示す概略図である。 本発明の第2の実施の形態に係るサスペンション制御装置におけるサスペンション制御処理ルーチンの内容を示すフローチャートである。
符号の説明
10、210 サスペンション制御装置
12 車速センサ
14 操舵角センサ
16、216 コンピュータ
18 サスペンション
20 横運動位相差推定部
22 ロール運動位相差決定部
24 目標減衰特性ばね力設定部
26 減衰特性ばね力制御部
30 可変ショックアブソーバ
32 エアスプリング
42 アクチュエータ
44 空気圧制御部
214 ロール角速度センサ
222 横運動位相推定部
223 目標ロール運動設定部
226 フィードバック制御部

Claims (4)

  1. 自車両の走行状態及びドライバが自車両を操作したときの操作状態を検出する状態検出手段と、
    前記状態検出手段によって検出された前記走行状態及び前記操作状態に基づいて、ヨー角に関する状態量の変化に対する車両横方向の運動の変化の位相差を示す第1位相差を推定する位相差推定手段と、
    前記位相差推定手段によって推定された前記第1位相差に基づいて、前記第1位相差が大きくなるに従って大きくなるように、車両横方向の運動の変化に対するロール角に関する状態量の変化の位相差を示す第2位相差を決定する位相差決定手段と、
    前記位相差決定手段によって決定された前記第2位相差が得られるように、車輪側部材と車体側部材との間に配置されたサスペンションの減衰特性及びばね力の少なくとも一方を制御する制御手段と、
    を含むサスペンション制御装置。
  2. 前記状態検出手段によって検出された前記走行状態及び前記操作状態に基づいて、車両横方向の運動の変化の位相を推定する運動位相推定手段と、
    前記運動位相推定手段によって推定された前記車両横方向の運動の変化の位相と、前記位相差決定手段によって決定された前記第2位相差とに基づいて、前記ロール角に関する状態量の目標値を設定する目標値設定手段とを更に含み、
    前記制御手段は、前記位相差決定手段によって決定された前記第2位相差、及び前記目標値設定手段によって設定された前記ロール角に関する状態量の目標値が得られるように、前記サスペンションの減衰特性及びばね力の少なくとも一方を制御する請求項1記載のサスペンション制御装置。
  3. 前記制御手段は、前後輪の各々について、前記サスペンションの減衰特性及びばね力の少なくとも一方を制御する請求項1又は2記載のサスペンション制御装置。
  4. 前記状態検出手段は、前記走行状態として車速を検出し、前記操作状態として操舵角を検出する請求項1〜請求項3の何れか1項記載のサスペンション制御装置。
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