JP2890931B2 - ショックアブソーバのための電気制御装置 - Google Patents

ショックアブソーバのための電気制御装置

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JP2890931B2
JP2890931B2 JP31804191A JP31804191A JP2890931B2 JP 2890931 B2 JP2890931 B2 JP 2890931B2 JP 31804191 A JP31804191 A JP 31804191A JP 31804191 A JP31804191 A JP 31804191A JP 2890931 B2 JP2890931 B2 JP 2890931B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、車両のサスペンション
装置内に設けられるとともに、アクチュエータによって
弁開度が多段階に切り換えられる可変絞りを備えてな
り、前記弁開度に応じて減衰力を多段階に切り換えるシ
ョックアブソーバのための電気制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、例えば特開平2
−155816号公報に示されているように、車体の上
下方向の運動を検出するとともに、同検出結果に基づい
てショックアブソーバ内に設けた可変絞りの目標弁開度
を時間経過にしたがって繰り返し計算し、同計算された
目標弁開度を表す制御信号をショックアブソーバ内のア
クチュエータに出力して、同アブソーバの減衰力を走行
路面の状態に応じて多段階に切り換え制御するようにし
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来装置
にあっては、通常、目標弁開度の計算に必要な時間に比
して、アクチュエータの応答時間が長いので、可変絞り
の弁開度が目標弁開度に正確に制御されず、高速な目標
弁開度の計算が無駄になるばかりか、ショックアブソー
バによる減衰力の制御が走行路面の状態に応じて精度よ
く行われない。本発明は上記問題に対処するためになさ
れたもので、高速な目標弁開度の計算を無駄にすること
なく、走行路面の状態に応じて減衰力の制御が正確に行
われるショックアブソーバのための電気制御装置を提供
することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の構成上の特徴は、車両のサスペンション装
置内に設けられるとともに、アクチュエータによって弁
開度が多段階に切り換えられる可変絞りを備えてなり、
前記弁開度に応じて減衰力を多段階に切り換えるショッ
クアブソーバのための電気制御装置において、車体の上
下方向の運動を検出するセンサと、前記センサ出力に基
づいて前記アクチュエータの応答時間より短い第1所定
周期毎に前記可変絞りの目標弁開度を時間経過にしたが
って繰り返し計算する弁開度計算手段と、前記アクチュ
エータの応答時間以上の第2所定周期毎に、前記第1所
定周期毎に計算された前記第2所定周期間内の各目標弁
開度の平均値を計算する平均値計算手段と、前記計算さ
れた平均値を表す制御信号を前記アクチュエータに出力
して同アクチュエータを駆動制御する出力手段とを備え
たことにある。
【0005】
【発明の作用・効果】上記のように構成した本発明にお
いては、弁開度計算手段が、センサ出力に基づいてアク
チュエータの応答時間より短い第1所定周期毎に可変絞
りの目標弁開度を時間経過にしたがって繰り返し計算し
て、平均値計算手段が、アクチュエータの応答時間以上
の第2所定周期毎に、第1所定周期毎に計算された第2
所定周期間内の各目標弁開度の平均値を計算する。そし
て、出力手段が前記計算された平均値を表す制御信号を
アクチュエータに出力するので、アクチュエータはその
応答時間以上の第2所定周期毎に駆動制御されることに
なり、同アクチュエータは可変絞りの弁開度を前記計算
された平均値に精度よく制御する。また、この平均値は
第2所定周期間に渡る第1所定周期毎の各目標弁開度の
平均であるので、同平均値は第2所定周期間内の車体の
上下方向の運動すなわち路面の状況を正確に反映したも
のであり、ショックアブソーバの切り換え時間間隔が長
くなっても、目標弁開度の無駄な計算をなくした上で、
ショックアブソーバの減衰力は路面の状況に応じて正確
に制御されるようになる。その結果、本発明によれば、
高速な目標弁開度の計算を有効に使って、車体の振動を
路面の状況に応じて精度よく抑制することができる。
【0006】
【実施例】以下、本発明の一実施例を、スカイフック理
論を用いたショックアブソーバの減衰力制御に同発明を
適用した例をもって説明する。図1はショックアブソー
バ10A〜10Dを概略的に示すとともに、同アブソー
バ10A〜10Dを制御する電気制御装置をブロック図
により示している。
【0007】ショックアブソーバ10A〜10Dは、左
前輪、右前輪、左後輪および右後輪にそれぞれ対応した
サスペンション装置内にそれぞれ設けられ、ロワーアー
ム(ばね下部材)と車体(ばね部材)との間にそれぞれ
配設されている。これらのショックアブソーバ10A〜
10Dはそれぞれ同じに構成されているので、各ショッ
クアブソーバ10A〜10Dについてはショックアブソ
ーバ10Aを代表させて説明する。ショックアブソーバ
10Aはピストン11により上下室に仕切られた油圧シ
リンダ12を備え、同シリンダ12は図示しないロワー
アームに支持されている。ピストン11にはピストンロ
ッド13が下端にて接続され、同ロッド13は上端にて
車体を支承している。油圧シリンダ12の上下室は可変
絞り14を介して連通しており、同絞り14の弁開度が
ステップモータなどのような電気アクチュエータ15に
より多段(本件実施例では最大減衰状態および最小減衰
状態を含めてn+1段とする)に切り換え制御されるよ
うになっている。油圧シリンダ12の各下室には、ピス
トンロッド13の上下動に伴う上下室の体積変化を吸収
するためのガススプリングユニット16が接続されてい
る。
【0008】次に、電気制御装置について説明すると、
同装置は、加速度センサ21a〜21d、変位量センサ
22a〜22d、操舵角センサ23、車速センサ24、
ブレーキセンサ25およびアクセルセンサ26を備えて
いる。
【0009】加速度センサ21a〜21dは各輪毎に車
体(ばね上部材)側にそれぞれ設けられて車体の上方向
の加速度aZ1,aZ2,aZ3,aZ4を検出するもので、各
加速度aZ1,aZ2,aZ3,aZ4を表す検出信号を出力す
る。これらの加速度センサ21a〜21dには積分器2
7a〜27dが接続されており、各積分器27a〜27
dは前記各検出信号をそれぞれ積分して出力することに
より、車体の上方向の速度VZ1,VZ2,VZ3,VZ4を表
す信号を出力する。変位量センサ22a〜22dは各輪
毎に車体とロワーアーム(ばね下部材)との間にそれぞ
れ設けられて、車体のロワーアームに対する上方向の相
対的な変位量LY1,LY2,LY3,LY4を検出するもの
で、各変位量LY1,LY2,LY3,LY4を表す検出信号を
出力する。これらの変位量センサ22a〜22dには微
分器28a〜28dが接続されており、各微分器28a
〜28dは前記各検出信号を微分して出力することによ
り、車体のロワーアームに対する上方向の相対速度
Y1,VY2,VY3,VY4を表す信号を出力する。なお、
加速度センサ21a〜21dおよび変位量センサ22a
〜22dは、左前輪、右前輪、右後輪、左後輪の位置に
それぞれ対応している。
【0010】操舵角センサ23は操舵軸に設けられて操
舵ハンドルの基準位置からの回転角を検出することによ
り、同回転角に対応した操舵角θf を表す検出信号を出
力する。この操舵角センサ23には微分器31が接続さ
れており、同微分器31は前記検出信号を微分して出力
することにより、操舵速度dθf/dtを表す信号を出力す
る。車速センサ24は変速機の出力軸の回転を検出する
ことにより車速SPを検出して、同車速SPを表す検出信号
を出力する。ブレーキセンサ25はブレーキペダルの踏
み込み量BRを検出して、同踏み込み量BRを表す検出信号
を出力する。アクセルセンサ26はアクセルペダルの踏
み込み量ACを検出して、同踏み込み量ACを表す検出信号
を出力する。
【0011】また、加速度センサ21aの出力はバンド
パスフィルタ32にも接続されている。バンドパスフィ
ル32の中心周波数は約10Hz程度に設定されてお
り、左前輪位置の加速度センサ21aからの加速度aZ1
を表す検出信号を入力して同検出信号のうちの約10H
z近辺の周波数成分のみを出力する。この出力信号によ
り表された加速度をaZ1* とする。この場合、加速度セ
ンサ21aは路面の凹凸を検出する役目を果たすもので
あり、日本国内では車両の左側が路肩に近くて路面の凹
凸の影響を大きく受ける可能性が高く、かつ車両走行中
に前輪が後輪に比べて先に路面の影響を受けるために、
本実施例においては左前輪位置の加速度センサ21aを
バンドパスフィルタ32に接続するようにしたが、他の
車輪位置の加速度センサ21b〜21dをバンドパスフ
ィルタ32に接続してもよい。
【0012】これらの積分器27a〜27d、微分器2
8a〜28d、微分器31、車速センサ24、ブレーキ
センサ25、アクセルセンサ26およびバンドパスフィ
ルタ32はマイクロコンピュータ33に接続されてお
り、同コンピュータ33はバス33aにそれぞれ接続さ
れたROM33b、CPU33c、RAM33dおよび
I/O(入出力インターフェース)33eからなる。R
OM33bは、図2,3に示すフローチャートに対応し
たプログラムを記憶したプログラム領域と、図4,5,
7,8に示すような特性の変換テーブルとを備えてい
る。CPU33cは前記プログラムを実行し、RAM3
3dは前記プログラムの実行に必要な変数を一時的に記
憶するものである。I/O(入出力インターフェース)
33eは前記速度VZ1,VZ2,VZ3,VZ4 、相対速度
Y1,VY2,VY3,VY4、操舵速度dθf/dt 、車速S
P、ブレーキペダルの踏み込み量BR、アクセルペダルの
踏み込み量ACおよび加速度aZ1* を表す信号を入力する
とともに、ショックアブソーバ10A〜10Dの各電気
アクチュエータ15を駆動制御する制御信号を駆動回路
34a〜34dへ出力する。駆動回路34a〜34dは
前記制御信号に応じて各電気アクチュエータ15を駆動
するものである。
【0013】次に、上記のように構成した実施例の動作
を説明すると、電源が投入されると、CPU33cは図
2のステップ40にてプログラムの実行を開始し、ステ
ップ41にて変数XSS1〜XSS4,iを初期値「0」に設
定した後、ステップ42〜45またはステップ42〜5
2からなる循環処理を繰り返し実行する。なお、この循
環処理は、所定時間(本件実施例では5ms)毎に行わ
れるようになっている。前記循環処理においては、ステ
ップ42にてショックアブソーバ10A〜10Dの弁開
度XS1〜XS4を計算する「弁開度計算ルーチン」が実行
される。
【0014】この「弁開度計算ルーチン」の実行は図3
のステップ60にて開始され、ステップ61にて積分器
27a〜27d、微分器28a〜28d、微分器31、
車速センサ24、ブレーキセンサ25およびアクセルセ
ンサ26から、ばね上部材1の上方向の速度VZ1
Z2,VZ3,VZ4、ばね上部材1のばね下部材4に対す
る相対速度VY1,VY2,VY3,VY4、操舵速度dθf/d
t、車速SP、ブレーキペダルの踏み込み量BRおよびアク
セルペダルの踏み込み量ACを表す信号を入力するととも
に、バンドパスフィルタ32の出力信号値を入力する。
【0015】次に、ステップ62にて車体の運動モード
の変換、具体的には、下記数1に基づいて、車体(ばね
上部材)の上方向の各速度VZ1,VZ2,VZ3,VZ4を座
標変換することにより、車体12のロール速度VZR、ピ
ッチ速度VZP、ヒーブ速度VZHおよびワープ速度VZW
変換する。
【0016】
【数1】
【0017】次に、ステップ63にて前記入力した操舵
速度dθf/dt、車速SP、ブレーキペダルの踏み込み量BR
およびアクセルペダルの踏み込み量ACに基づいて、ロー
ル速度VZR、ピッチ速度VZP、ヒーブ速度VZHおよびワ
ープ速度VZWに対するスカイフック減衰係数CR,CP
H,CWを計算する。なお、スカイフック減衰係数と
は、一端を絶対空間に固定し他端にて車体を支承する仮
想のショックアブソーバを想定した場合における同アブ
ソーバの仮想の減衰係数であり、これに対し、実際のシ
ョックアブソーバの減衰係数を実減衰係数という。この
場合、ROM33b内の変換テーブル(図4(A)〜
(D))が参照されるとともに、同テーブルから前記操舵
速度dθf/dt、車速SP、ブレーキペダルの踏み込み量BR
およびアクセルペダルの踏み込み量ACの大きさに対応し
た各指数PST,PSP,PBR,PACが読み出されて、下記
数2に基づいて車体のロール、ピッチ、ヒーブおよびワ
ープの各運動に対するスカイフック減衰係数CR,CP
H,CWがそれぞれ計算される。
【0018】
【数2】
【0019】その結果、スカイフック減衰係数CR
P,CH,CWは、図4(A)〜(D)から明らかなよう
に、下記〜のような性質を有するものとなる。 操舵速度dθf/dtの絶対値|dθf/dt|又は車速SPが
大きくなるにしたがって指数PST又はPSPが大きくなる
ので、スカイフツク減衰係数CR は、車両が急旋回しま
たは高速走行するにしたがって大きくなって、車体のロ
ール運動を速く収束させる。 ブレーキペダルの踏み込み量BR又はアクセルペダルの
踏み込み量ACが大きくなるにしたがって指数PBR又はP
ACが大きくなるので、スカイフツク減衰係数CPは、車
両が急減速または急加速するにしたがって大きくなっ
て、車体のピッチ運動を速く収束させる。 車速SPが大きくなるにしたがって指数PSPが大きくな
るので、スカイフツク減衰係数CH は、車両が高速走行
するにしたがって大きくなって、車体のヒーブ運動を速
く収束させる。 操舵速度dθf/dt、車速SP、ブレーキペダルの踏み込
み量BR又はアクセルペダルの踏み込み量ACが大きくなる
にしたがって指数PST、PSP、PBR又はPACが大きくな
るので、車体12のワープ運動に対するスカイフツク減
衰係数CW は、車両が急旋回し、高速走行し、急減速
し、または急加速するにしたがって大きくなって、車体
のワープ運動を速く収束させる。 次に、ステップ64にて車体の運動モードの再合成、具
体的には、下記数3に基づいて、車体のロール速度
ZR、ピッチ速度VZP、ヒーブ速度VZHおよびワープ速
度VZWに、同ロール、ピッチ、ヒーブおよびワープの各
運動に対する前記スカイフック減衰係数CR,CP
H,CWをそれぞれ乗算するとともに、同乗算した各値
R・VZR,CP・VZP,CH・VZH,CW・VZWを座標変
換することにより、車体の上下方向の運動に相当する値
に変換する。
【0020】
【数3】
【0021】なお、前記数3中、各値C10,C20
30,C40は車体の上下運動に対するスカイフック減衰
係数に相当し、VZ10,VZ20,VZ30,VZ40は車体の上
方向の速度に相当する(前述した各速度VZ1,VZ2,V
Z3,VZ4に等しい)。
【0022】このように、ステップ62にて運動モード
分解処理をし、ステップ64にて運動モード再合成処理
をするようにした理由は、制御可能な車体に対する減衰
力は各ショックアブソーバ10A〜10Dの減衰力であ
る反面、乗員が感じる車体の運動は車体のロール、ピッ
チ、ヒーブ、ワープなどの各運動であるためである。そ
して、これらのロール、ピッチ、ヒーブ、ワープなどの
各運動に対して、目標となるスカイフック減衰係数
R,CP,CH,CWを車両の運転状態、すなわち操舵速
度dθf/dt、車速SP、ブレーキペダルの踏み込み量BRお
よびアクセルペダルの踏み込み量ACなどに基づいて計算
することが、車両の乗り心地を考慮し易いためである。
【0023】前記ステップ64の処理後、ステップ65
にて、ROM33b内の変換テーブル(図5)を参照し
て、前記検出した相対速度VY1,VY2,VY3,VY4を相
対速度VY10,VY20,VY30,VY40に変換する。これに
より、絶対値が微小値ε以下の相対速度VY1,VY2,V
Y3,VY4が微小値εに変更されて、次のステップ66の
演算処理にて分母を構成する相対速度VY10,VY20,V
Y30,VY40の値が「0」になることを避けることができ
る。
【0024】ステップ66においては、前記ステップ6
4の変換結果 C10・VZ10,C20・VZ20,C30
Z30,C40・VZ40が前記相対速度 VY10,VY20,V
Y30,VY40により除算されて、各除算結果C10・VZ10
/VY10,C20・VZ20/VY20,C30・VZ30/VY30
40・VZ40/VY40が実減衰係数C10*,C20*,C30
*,C40*として設定される。この演算により、各スカ
イフック減衰係数C10,C20,C30,C40に等価な各シ
ョックアブソーバ10A〜10Dの減衰係数が実減衰係
数C10*,C20*,C30*,C40*として設定されるこ
とになる。
【0025】次に、ステップ67にてバンドパスフィル
タ32の出力信号により表された加速度aZ1* に基づい
て周波数補正値CF を導く。この場合、まず、同ステッ
プ67の処理毎に前記加速度aZ1* 表すサンプリングデ
ータをRAM33d内に順次記憶し、同RAM33d内
には現在から過去に遡って所定時間ΔT内(10Hzの
信号の1周期に対応した約100ms程度)のサンプリン
グデータを記憶保持しておく。そして、図6に示すよう
に、これらのサンプリングデータの中から最大値ZMAX
を抽出し、同最大値ZMAX に基づいてROM33b内の
変換テーブル(図7参照)を参照して、同最大値ZMAX
に対応した周波数補正値CF (最大値ZMAX が大きくな
るにしたがって小さくなる)を決定する。
【0026】前記ステップ67の処理後、ステップ68
にて実減衰係数C10*,C20*,C30*,C40*に前記
周波数補正値CF をそれぞれ乗算することにより、周波
数補正した実減衰係数CF10*,CF20*,CF30
*,CF40*を計算する。この場合、補正値CF は路
面入力信号の約10Hz程度の周波数成分が増加するに
したがって小さくなるので、実減衰係数CF10*,CF
20*,CF30*,CF40*は前記周波数成分が増加
するにしたがって小さくなり、各ショックアブソーバ1
0A〜10Dの減衰特性は路面入力の10Hz付近でソ
フト側に補正されることになる。
【0027】次に、ステップ69にて、前記計算した実
減衰係数CF10*,CF20*,CF30*,CF40
に基づいてROM33b内の変換テーブル(図8参照)
を参照することにより、ショックアブソーバ10A〜1
0Dの弁開度XS1〜XS4を決定する。この場合、弁開度
S1〜XS4は、ショックアブソーバ10A〜10Dの最
大減衰状態(ハード)すなわち各可変絞り14の弁開度
最小値を100%とし、同アブソーバ10A〜10Dの
最小減衰状態(ソフト)すなわち各可変絞り14の最大
弁開度を0%として表される。この弁開度XS1〜XS4
決定後、ステップ70にて「弁開度計算ルーチン」の実
行を終了して、プログラムを図2のステップ43以降へ
進める。
【0028】ステップ43においては変数iに「1」が
加算され、ステップ44にて下記数4の演算を実行した
後、ステップ45にて変数iが予め定めた所定値m以上
であるか否かが判定される。なお、この所定値mは、プ
ログラムの循環周期(本件実施例の場合には5ms)と
電気アクチュエータ15の応答性すなわち同アクチュエ
ータ15が可変絞りの弁開度を変更するのに要する時間
(本件実施例の場合には50ms)との関係で定められ
るもので、本件実施例の場合には「10」(50ms/
5ms)に定められている。
【0029】
【数4】
【0030】そして、変数iが所定値m未満であれば、
ステップ45にて「NO」と判定されてプログラムはふ
たたびステップ42の「弁開度計算ルーチン」に戻さ
れ、変数iが所定値mに達するまで、ステップ42〜4
5の循環処理が繰り返し実行されるので、変数XSS1
SS4は所定時間(本件実施例では5ms)毎に弁開度
S1〜XS4を累算した値を示すことになる。
【0031】この循環処理により、変数iが所定値mに
達すると、ステップ45における「YES」との判定の
基に、ステップ46にて下記数5の演算の実行によりm
回分の弁開度XS1〜XS4の平均値XS1*〜XS4*が計算さ
れる。
【0032】
【数5】
【0033】次に、ステップ47にて、前記平均値XS1
*〜XS4*を用いた下記数6の演算の実行により、ショッ
クアブソーバ10A〜10Dの各可変絞り14の設定段
数N1*〜N4*が計算される。
【0034】
【数6】
【0035】そして、ステップ48〜50にて前記計算
した設定段数N1*〜N4*の小数部が4捨5入されて0〜
nのうちのいずれかの整数値に変更される。すなわち前
記計算した設定段数N1*〜N4*の小数部が「0.5」未
満であれば、ステップ48にて「NO」と判定されて、
ステップ49にて前記計算した設定段数N1*〜N4*が下
記数7に基づいて変更される。
【0036】
【数7】
【0037】また、前記計算した設定段数N1*〜N4*の
小数部が「0.5」以上であれば、ステップ48にて
「YES」と判定されて、ステップ50にて前記計算し
た設定段数N1*〜N4*が下記数8に基づいて変更され
る。
【0038】
【数8】
【0039】なお、上記数7,8中、INT(x) はxの小
数部を切り捨てて整数部のみを取り出す演算子を意味す
る。このようなステップ47〜50の処理の結果、前記
値nは上述のように各可変絞り14の切り換え可能な段
数より「1」だけ小さな値であり、前記平均値XS1*〜
S4*はパーセント表示されているので、前記設定段数
1*〜N4*は最終的に各可変絞り14が設定されるべき
段数を表すことになる。
【0040】次に、ステップ51にて前記最終的に計算
された設定段数N1*〜N4*を表す各制御信号が駆動回路
34a〜34dにそれぞれ出力される。駆動回路34a
〜34dはショックアブソーバ10A〜10D内の各電
気アクチュエータ15に前記制御信号に対応した駆動信
号を出力し、同アクチュエータ15は可変絞り14の弁
開度を設定段数N1*〜N4*に対応した値に制御する。そ
の結果、ショックアブソーバ10A〜10Dの減衰係数
が上記図3のステップ68にて計算された実減衰係数C
F10*〜CF40*に近い値に設定されるので、車体の振
動に対する減衰力が路面の状況および車両の運転状態に
応じて制御され、車両の乗り心地が良好となる。
【0041】前記ステップ51の処理後、ステップ52
にて、上述したステップ41の初期設定処理と同様、変
数XSS1〜XSS4,iが「0」に設定され、プログラムが
ステップ42へ戻される。そして、ふたたび、ステップ
42〜45またはステップ42〜52からなる循環処理
が実行されて、ショックアブソーバ10A〜10Dの減
衰力が上記と同様に制御され続ける。
【0042】上記作動説明のように、上記実施例によれ
ば、ステップ42〜45からなる循環処理が所定時間
(5ms)毎にm回(10回)行われて、路面の状況お
よび車両の運転状態に応じた弁開度XS1〜XS4が繰り返
し計算される。そして、m回分すなわち所定時間分(5
0ms)の弁開度XS1〜XS4が計算されると、ステップ
45〜51の処理により、前記弁開度XS1〜XS4の平均
値XS1*〜XS4*が計算されるとともに、同平均値XS1*
〜XS4*に応じてショックアブソーバ10A〜10Dの
各可変絞り14の弁開度が多段(n+1段)に切り換え
制御される。そして、各可変絞り14の弁開度が多段
(n+1段)に切り換え制御される時間間隔(50m
s)は電気アクチュエータ15の応答時間に設定されて
いるので、各可変絞り14の弁開度は確実にかつ精度よ
く切り換え制御される。また、この平均値XS1*〜XS4*
は所定時間(50ms)に渡って計算した弁開度XS1
S4の平均であるので、同平均値XS1*〜XS4*は前記所
定時間内の路面の状況および車両の運転状態を正確に反
映したものであり、ショックアブソーバ10A〜10D
の減衰力制御が適切に行われる。
【0043】また、上記実施例によれば、各可変絞り1
4の弁開度が連続的ではなく多段階に切り換えられ、そ
のため計算すべき設定段数N1*〜N4*も整数であるの
で、同段数N1*〜N4*を決定する過程における各種計算
の演算精度を上げる必要がなくなり、電気制御装置を構
成する各回路を簡単に構成できるようになる。
【0044】なお、上記実施例においては、平均値XS1
*〜XS4*を計算するための弁開度XS1〜XS4の計算は、
電気アクチュエータ15の応答時間(50ms)を一組
の弁開度XS1〜XS4を計算するのに必要な所定時間(5
ms)で除したm回(10回)に定めたが、この値mを
前記よりも大きな値にすることも可能である。
【0045】また、上記実施例においては本発明をスカ
イフック理論に基づいてショックアブソーバ10A〜1
0Dの弁開度を制御する装置に適用した例を示したが、
本発明をスカイフック理論を用いないで同アブソーバ1
0A〜10Dの弁開度を制御する装置に適用してもよ
い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例を示すショックアブソーバ
のための電気制御装置のブロック図である。
【図2】 図1のマイクロコンピュータにて実行される
プログラムのフローチャートである。
【図3】 図2の「弁開度計算ルーチン」の詳細を示す
フローチャートである。
【図4】 (A)〜(D)はショックアブソーバの減衰係数
を算出するための車両の運転状態に対する各種指数の特
性図である。
【図5】 車体のロワーアームに対する相対速度の変換
特性図である。
【図6】 車体の上下方向加速度の最大値を検出する動
作を説明するための信号波形図である。
【図7】 周波数補正値の変化特性図である。
【図8】 実減衰係数を弁開度に変換するための変換特
性図である。
【符号の説明】
10A〜10D…ショックアブソーバ、12…油圧シリ
ンダ、14…可変絞り、15…電気アクチュエータ、2
1a〜21d…加速度センサ、22a〜22d…変位量
センサ、23…操舵角センサ、24…車速センサ、25
…ブレーキセンサ、26…アクセルセンサ、27a〜2
7d…積分器、28a〜28d,31…微分器、32…
バンドパスフィルタ、33…マイクロコンピュータ。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両のサスペンション装置内に設けられ
    るとともに、アクチュエータによって弁開度が多段階に
    切り換えられる可変絞りを備えてなり、前記弁開度に応
    じて減衰力を多段階に切り換えるショックアブソーバの
    ための電気制御装置において、 車体の上下方向の運動を検出するセンサと、 前記センサ出力に基づいて前記アクチュエータの応答時
    間より短い第1所定周期毎に前記可変絞りの目標弁開度
    を時間経過にしたがって繰り返し計算する弁開度計算手
    段と、 前記アクチュエータの応答時間以上の第2所定周期毎
    に、前記第1所定周期毎に計算された前記第2所定周期
    間内の各目標弁開度の平均値を計算する平均値計算手段
    と、 前記計算された平均値を表す制御信号を前記アクチュエ
    ータに出力して同アクチュエータを駆動制御する出力手
    段とを備えたことを特徴とするショックアブソーバのた
    めの電気制御装置。
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