JP6229700B2 - 定着装置、画像形成装置および定着制御方法 - Google Patents

定着装置、画像形成装置および定着制御方法 Download PDF

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Description

本発明は、定着装置、画像形成装置および定着制御方法に関する。
従来、複写機、プリンタ、FAX等の電子転写方式の画像形成装置に用いられる定着装置としては、例えば、表層にゴム層を有して内部に熱源を有する加熱ローラーと、加熱ローラーに圧接する加圧ローラーとを備え、印字時に、これらのローラーにより、未定着のトナー像が形成された転写材(例えば記録紙)を挟持搬送しつつ加熱して、トナー像を記録紙に定着させるものがある(熱ローラー方式)。
また、例えば、内部に熱源を有する加熱ローラーと、上加圧ローラーと、これらのローラーに巻き掛けられた薄肉の無端状ベルト(以下、「定着ベルト」と称する)と、上加圧ローラーに圧接する下加圧ローラーとを備え、印字時に、上下の加圧ローラーにより記録紙を挟持搬送しつつ定着ベルトを介して加熱して、トナー像を記録紙に定着させるベルト方式の定着装置がある。ベルト方式の定着装置は、薄肉の定着ベルトを加熱するときに消費される熱量が、熱ローラー方式の定着装置において熱伝導率の低いゴム層を加熱するときに消費される熱量と比べて少ないため、省エネルギーに有効な構成を有する。
ところで、印字時に、上加圧ローラーが冷えていると、加熱ローラーによって加熱された定着ベルトの熱量が定着ニップで記録紙上のトナーを溶融する以外に上加圧ローラーを温めるのに使用され、複数枚の印字を行う場合に熱量が不足し、トナー像を定着させるために必要とされる定着温度が得られないことにより、定着不良が発生する場合がある。そこで、電源投入後のウォームアップ時や印字前の待機時といった印字時以外に、上加圧ローラーを常時もしくは断続的に回転させ、加熱ローラーによって加熱された定着ベルトの熱量を使って上加圧ローラーを暖気する。
しかし、上加圧ローラーに下加圧ローラーが圧接しているため、下加圧ローラーが上加圧ローラーから暖気用の熱を奪って、加熱される。これにより、無駄な熱量が消費される。また、暖気用の熱が奪われることで、上加圧ローラーの熱量が不足する結果、定着温度が得られず、定着不良が発生する場合がある。
特許文献1には、待機時に下加圧ローラーを解除し、上加圧ローラーに圧接させない技術が開示されている。
特開2005−215580号公報
上加圧ローラーを暖気するとき、上記の特許文献1に記載された技術のように、下加圧ローラーを上加圧ローラーに圧接させないことで、暖気用の熱が下加圧ローラーに奪われず、上加圧ローラーの熱量が不足しないで、定着温度を低下させることなく、安定した定着性能を得ることができる。しかしながら、下加圧ローラーを上加圧ローラーに圧接させないように構成しても、上加圧ローラーは、加熱ローラーによって加熱された定着ベルトを介して加熱されるため、上加圧ローラーの暖気効率が低くなってしまうという問題があった。
本発明の目的は、定着面側部材の暖気効率を向上させつつ、定着不良の発生を防止することが可能な定着装置、画像形成装置および定着制御方法を提供することである。
本発明に係る定着装置は、
トナー像が形成された記録媒体の定着面側に配置される定着面側部材と、
前記定着面側部材に巻き掛けられた定着ベルトと、
前記定着ベルトを介して前記定着面側部材に圧接された状態において、前記記録媒体を狭持して搬送する定着ニップを形成する裏面側支持部材と、
前記定着ベルトを内側から加熱する、回転可能な加熱ローラーと、
前記定着ベルトを介して前記裏面側支持部材に圧接する第1圧接位置と、前記加熱ローラーに圧接する第2圧接位置との間で、前記定着面側部材を移動させる第1移動部と、
印字時において前記定着面側部材を前記第1圧接位置に移動させる一方、印字時以外において前記定着面側部材を前記第2圧接位置に移動させるように前記第1移動部を制御する制御部と、
を備える。
本発明に係る画像形成装置は、上記定着装置を備える。
本発明に係る定着制御方法は、
印字時に、定着面側部材を第1圧接位置に移動させることにより、定着ベルトを介して裏面側支持部材に圧接させ、
印字時以外に、前記定着面側部材を第2圧接位置に移動させることにより、加熱ローラーに圧接させる。
本発明によれば、印字時以外に定着面側部材を加熱ローラーに圧接するため、定着面側部材を、定着ベルトを介することなく直接加熱し、定着面側部材を暖気することができる。これにより、定着面側部材の暖気効率を向上させつつ、定着不良の発生を防止することができる。
本実施の形態に係る画像形成装置の全体構成を概略的に示す図である。 本実施の形態に係る画像形成装置の制御系の主要部を示す図である。 本実施の形態に係る定着装置を概略的に示す図である。 本実施の形態に係る定着装置を概略的に示す図である。 本実施の形態に係る定着装置の動作例を示すフローチャートである。 変形例1に係る定着装置を概略的に示す図である。 変形例2に係る定着装置を概略的に示す図である。 変形例3に係る定着装置を概略的に示す図である。
以下、本実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る画像形成装置1の全体構成を概略的に示す図である。図2は、本実施の形態に係る画像形成装置1の制御系の主要部を示す。画像形成装置1、給紙装置2および巻き取り装置3により、連続紙P及びカット紙Sを記録媒体として使用し、これらの記録媒体上に画像を形成する画像形成システム100が構成される。以下、連続紙Pに画像を形成する構成とカット紙Sに画像を形成する構成とが共通する場合には、連続紙Pに画像を形成する構成を代表して説明し、異なる場合には、それぞれの構成を説明する。
図1に示すように、画像形成システム100は、画像形成装置1と、連続紙Pの搬送方向(以下、用紙搬送方向とも言う)における画像形成装置1の上流側に配置される給紙装置2と、用紙搬送方向における画像形成装置1の下流側に配置される巻き取り装置3と、が接続されて構成される。
画像形成装置1は、電子写真プロセス技術を利用した中間転写方式のカラー画像形成装置である。すなわち、画像形成装置1は、感光体ドラム413上に形成されたY(イエロー)、M(マゼンタ)、C(シアン)、K(ブラック)の各色トナー像を中間転写ベルト421に転写(一次転写)し、中間転写ベルト421上で4色のトナー像を重ね合わせた後、給紙装置2から給紙された連続紙Pに転写(二次転写)することにより、画像を形成する。
また、画像形成装置1には、YMCKの4色に対応する感光体ドラム413を中間転写ベルト421の走行方向に直列配置し、中間転写ベルト421に一回の手順で各色トナー像を順次転写させるタンデム方式が採用されている。
給紙装置2は、連続紙Pを画像形成装置1へ給紙する装置である。給紙装置2の筐体内では、図1に示すように、ロール状の連続紙Pが支持軸に巻回されて回転可能に保持されている。給紙装置2は、支持軸に巻回された連続紙Pを、複数のローラー(例えば、繰り出しローラー、給紙ローラー)を経由して、一定の速度で外部へ搬送する。給紙装置2の給紙動作は、画像形成装置1が備える制御部101(図2参照)によって制御される。なお、給紙装置2において、連続紙Pは、必ずしもロール状に保持されている必要はなく、折り畳まれて保持されていても良い。また、図1には、一の連続紙Pのみが示されているが、給紙装置2の筐体内において複数の連続紙Pが保持されていても良い。
図2に示すように、画像形成装置1は、画像読取部10、操作表示部20、画像処理部30、画像形成部40、用紙搬送部50、定着部60、及び制御部101を備える。
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)102、ROM(Read Only Memory)103、RAM(Random Access Memory)104等を備える。CPU102は、ROM103から処理内容に応じたプログラムを読み出してRAM104に展開し、展開したプログラムと協働して画像形成装置1の各ブロック等の動作を集中制御する。このとき、記憶部72に格納されている各種データが参照される。記憶部72は、例えば不揮発性の半導体メモリ(いわゆるフラッシュメモリ)やハードディスクドライブで構成される。
制御部101は、通信部71を介して、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)等の通信ネットワークに接続された外部の装置(例えばパーソナルコンピューター)との間で各種データの送受信を行う。制御部101は、例えば、外部の装置から送信された画像データを受信し、この画像データ(入力画像データ)に基づいて連続紙Pに画像を形成させる。通信部71は、例えばLANカード等の通信制御カードで構成される。
画像読取部10は、ADF(Auto Document Feeder)と称される自動原稿給紙装置11及び原稿画像走査装置12(スキャナー)等を備えて構成される。
自動原稿給紙装置11は、原稿トレイに載置された原稿Dを搬送機構により搬送して原稿画像走査装置12へ送り出す。自動原稿給紙装置11により、原稿トレイに載置された多数枚の原稿Dの画像(両面を含む)を連続して一挙に読み取ることが可能となる。
原稿画像走査装置12は、自動原稿給紙装置11からコンタクトガラス上に搬送された原稿又はコンタクトガラス上に載置された原稿を光学的に走査し、原稿からの反射光をCCD(Charge Coupled Device)センサー12aの受光面上に結像させ、原稿画像を読み取る。画像読取部10は、原稿画像走査装置12による読取結果に基づいて入力画像データを生成する。この入力画像データには、画像処理部30において所定の画像処理が施される。
操作表示部20は、例えばタッチパネル付の液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)で構成され、表示部21及び操作部22として機能する。表示部21は、制御部101から入力される表示制御信号に従って、各種操作画面、画像の状態、各機能の動作状況等の表示を行う。操作部22は、テンキー、スタートキー等の各種操作キーを備え、ユーザーによる各種入力操作を受け付けて、操作信号を制御部101に出力する。
画像処理部30は、入力画像データに対して、初期設定又はユーザー設定に応じたデジタル画像処理を行う回路等を備える。例えば、画像処理部30は、制御部101の制御下で、階調補正データ(階調補正テーブル)に基づいて階調補正を行う。また、画像処理部30は、入力画像データに対して、階調補正の他、色補正、シェーディング補正等の各種補正処理や、圧縮処理等を施す。これらの処理が施された画像データに基づいて、画像形成部40が制御される。
画像形成部40は、入力画像データに基づいて、Y成分、M成分、C成分、K成分の各有色トナーによる画像を形成するための画像形成ユニット41Y、41M、41C、41K、中間転写ユニット42等を備える。
Y成分、M成分、C成分、K成分用の画像形成ユニット41Y、41M、41C、41Kは、同様の構成を有する。図示及び説明の便宜上、共通する構成要素は同一の符号で示し、それぞれを区別する場合には符号にY、M、C、又はKを添えて示すこととする。図1では、Y成分用の画像形成ユニット41Yの構成要素についてのみ符号が付され、その他の画像形成ユニット41M、41C、41Kの構成要素については符号が省略されている。
画像形成ユニット41は、露光装置411、現像装置412、感光体ドラム413、帯電装置414、及びドラムクリーニング装置415等を備える。
感光体ドラム413は、例えばドラム径が80[mm]のアルミニウム製の導電性円筒体(アルミ素管)の周面に、アンダーコート層(UCL:Under Coat Layer)、電荷発生層(CGL:Charge Generation Layer)、電荷輸送層(CTL:Charge Transport Layer)を順次積層した負帯電型の有機感光体(OPC:Organic Photo-conductor)である。電荷発生層は、電荷発生材料(例えばフタロシアニン顔料)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト)に分散させた有機半導体からなり、露光装置411による露光により一対の正電荷と負電荷を発生する。電荷輸送層は、正孔輸送性材料(電子供与性含窒素化合物)を樹脂バインダー(例えばポリカーボネイト樹脂)に分散させたものからなり、電荷発生層で発生した正電荷を電荷輸送層の表面まで輸送する。
制御部101は、感光体ドラム413を回転させる駆動モーター(図示せず)に供給される駆動電流を制御することにより、感光体ドラム413を一定の周速度で回転させる。
帯電装置414は、光導電性を有する感光体ドラム413の表面を一様に負極性に帯電させる。露光装置411は、例えば半導体レーザーで構成され、感光体ドラム413に対して各色成分の画像に対応するレーザー光を照射する。感光体ドラム413の電荷発生層で正電荷が発生し、電荷輸送層の表面まで輸送されることにより、感光体ドラム413の表面電荷(負電荷)が中和される。感光体ドラム413の表面には、周囲との電位差により各色成分の静電潜像が形成される。
現像装置412は、二成分現像方式の現像装置であり、感光体ドラム413の表面に各色成分のトナーを付着させることにより静電潜像を可視化してトナー像を形成する。
ドラムクリーニング装置415は、感光体ドラム413の表面に摺接されるドラムクリーニングブレード等を有し、一次転写後に感光体ドラム413の表面に残存する転写残トナーを除去する。
中間転写ユニット42は、中間転写ベルト421、一次転写ローラー422、複数の支持ローラー423、二次転写ローラー424、及びベルトクリーニング装置426等を備える。
中間転写ベルト421は無端状ベルトで構成され、複数の支持ローラー423にループ状に張架される。複数の支持ローラー423のうちの少なくとも一つは駆動ローラーで構成され、その他は従動ローラーで構成される。例えば、K成分用の一次転写ローラー422よりもベルト走行方向下流側に配置されるローラー423Aが駆動ローラーであることが好ましい。これにより、一次転写部におけるベルトの走行速度を一定に保持しやすくなる。駆動ローラー423Aが回転することにより、中間転写ベルト421は矢印A方向に一定速度で走行する。
中間転写ベルト421は、導電性および弾性を有するベルトであり、表面に体積抵抗率が8〜11[logΩ・cm]である高抵抗層を有する。中間転写ベルト421は、制御部101からの制御信号によって回転駆動される。なお、中間転写ベルト421については、導電性および弾性を有するものであれば、材質、厚さおよび硬度を限定しない。
一次転写ローラー422は、各色成分の感光体ドラム413に対向して、中間転写ベルト421の内周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、一次転写ローラー422が感光体ドラム413に圧接されることにより、感光体ドラム413から中間転写ベルト421へトナー像を転写するための一次転写ニップが形成される。
二次転写ローラー424は、駆動ローラー423Aのベルト走行方向下流側に配置されるバックアップローラー423Bに対向して、中間転写ベルト421の外周面側に配置される。中間転写ベルト421を挟んで、二次転写ローラー424がバックアップローラー423Bに圧接されることにより、中間転写ベルト421から連続紙Pへトナー像を転写するための二次転写ニップが形成される。
一次転写ニップを中間転写ベルト421が通過する際、感光体ドラム413上のトナー像が中間転写ベルト421に順次重ねて一次転写される。具体的には、一次転写ローラー422に一次転写バイアスを印加し、中間転写ベルト421の裏面側(一次転写ローラー422と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は中間転写ベルト421に静電的に転写される。
その後、連続紙Pが二次転写ニップを通過する際、中間転写ベルト421上のトナー像が連続紙Pに二次転写される。具体的には、二次転写ローラー424に二次転写バイアスを印加し、連続紙Pの裏面側(二次転写ローラー424と当接する側)にトナーと逆極性の電荷を付与することにより、トナー像は連続紙Pに静電的に転写される。トナー像が転写された連続紙Pは定着部60に向けて搬送される。
ベルトクリーニング装置426は、二次転写後に中間転写ベルト421の表面に残留する転写残トナーを除去する。なお、二次転写ローラー424に代えて、二次転写ローラーを含む複数の支持ローラーに、二次転写ベルトがループ状に張架された構成を採用しても良い。
用紙搬送部50は、給紙部51、排紙部52、及び搬送経路部53等を備える。給紙部51を構成する3つの給紙トレイユニット51a〜51cには、坪量やサイズ等に基づいて識別されたカット紙S(規格用紙、特殊用紙)が予め設定された種類毎に収容される。搬送経路部53は、レジストローラー対53a等の複数の搬送ローラー対を有する。
給紙トレイユニット51a〜51cに収容されているカット紙Sは、最上部から一枚ずつ送出され、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。このとき、レジストローラー対53aが配設されたレジストローラー部により、給紙されたカット紙Sの傾きが補正されるとともに搬送タイミングが調整される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像がカット紙Sの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。また、給紙装置2から画像形成装置1へ給紙された連続紙Pは、搬送経路部53により画像形成部40に搬送される。そして、画像形成部40において、中間転写ベルト421のトナー像が連続紙Pの一方の面に一括して二次転写され、定着部60において定着工程が施される。画像形成された連続紙Pまたはカット紙Sは、排紙ローラー52aを備えた排紙部52により機外に排紙される。
巻き取り装置3は、画像形成装置1から搬送されてきた連続紙Pを巻き取る装置である。巻き取り装置3の筐体内では、例えば、図1に示すように、連続紙Pが支持軸に巻回されてロール状に保持される。
定着部60は、加熱ローラー61、上加圧ローラー62(本発明の「定着面側部材」に対応)、定着ベルト63、下加圧ローラー64(本発明の「裏面側支持部材」に対応)、上加圧ローラー移動部66(本発明の「第1移動部」に対応)等で構成される。
定着部60は、定着器F内にユニットとして配置される。定着部60、および、定着部60を制御する制御部101が、本発明の「定着装置」に対応する。
加熱ローラー61は、アルミニウム等の熱伝導率の高い金属材料からなる中空構造のローラー部材であって、その円筒体の内部にはヒーター61a(熱源)(図3参照)が設けられている。ヒーター61aは、ハロゲンヒーターであって、その両端部が定着器Fの側板(図示せず)に固定される。装置本体の電源部(交流電源)により出力制御されたヒーター61aからの輻射熱によって加熱ローラー61が加熱される。制御部101は、ヒーター61aの点灯・消灯を制御する。また、制御部101は、加熱ローラー61を回転・停止させるように加熱ローラー移動部61b(図2参照)を制御する。
図3は、印字時における定着装置を概略的に示し、図4は印字時以外における定着装置を概略的に示す。
上加圧ローラー62は、連続紙Pの定着面(トナー像が形成されている面)側であって加熱ローラー61の下方に、回転可能に配置される。上加圧ローラー62は、SUS304等の芯金上にシリコーンゴムからなる弾性層が形成されたローラー部材であって、下加圧ローラー64に定着ベルト63を介して圧接して定着ニップを形成する。制御部101は、上加圧ローラー62を、定着ニップを形成するように下加圧ローラー64に圧接する第1圧接位置(図3参照)と、加熱ローラー61に圧接する第2圧接位置(図4参照)との間を移動させるように上加圧ローラー移動部66を制御する。つまり、上加圧ローラー62は、加熱ローラー61と上加圧ローラー62との間のスペースのみで上加圧ローラー62を、定着ニップの位置にある連続紙Pから遠ざけることができる構成となっている。
定着ベルト63は、樹脂材料からなるベース層上に、弾性層、離型層が順次積層された多層構造の無端状ベルトである。定着ベルト63の弾性層は、フッ素ゴム、シリコーンゴム、発泡性シリコーンゴム等の弾性材料で形成されている。離型層は、PFA(4フッ化エチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、ポリイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、PES(ポリエーテルサルフォン樹脂)、等で形成されている。離型層を設けることにより、トナー像に対する離型性が担保される。
定着ベルト63は、上加圧ローラー62と加熱ローラー61とに巻き掛けられている。定着ベルト63は、上加圧ローラー62が第1圧接位置に移動されたとき、上加圧ローラー62と加熱ローラー61とに張力(テンション)をかけられて支持される。このとき、定着ベルト63は、上加圧ローラー62と下加圧ローラー64とにより挟まれ、定着ベルト63と共に挟まれた連続紙Pを加熱する。一方、定着ベルト63は、上加圧ローラー62が第2圧接位置に移動されたとき、張力が解除され、加熱ローラー61に対しては自重のみで接している状態となる。
定着ベルト63の内面に対する加熱ローラー61の表面の摩擦係数は、定着ベルト63が加熱ローラー61に対し自重のみで接している状態で、加熱ローラー61の回転(図4に示す時計回りの方向の回転)に対し定着ベルト63を滑らせるように設定される。このような摩擦係数は、加熱ローラー61を表面処理し、また、加熱ローラー61にコーティングなどをすることにより得られる。なお、このような摩擦係数は、定着ベルト63の表面処理等により得られるようにしても良く、加熱ローラー61および定着ベルト63の両方の表面処理等により得られるようにしても良い。
下加圧ローラー64は、連続紙Pの裏面(定着面の反対の面)側に、回転可能に配置される。下加圧ローラー64は、主として、芯金と、芯金の外周面に接着層を介して形成された弾性層とからなる。
次に、本実施の形態に係る定着装置の動作例について説明する。ここでは、定着装置の動作として、電源が投入されると、ウォームアップ動作が実行され、ウォームアップ後、待機動作が実行され、待機中に印字の指示があると印字動作が実行され、印字が終了すると待機動作に戻ることを一例に挙げて説明する。印字動作が実行される時が本発明の「印字時」に対応し、ウォームアップ動作や待機動作が実行される時が本発明の「印字時以外」に対応する。
電源が投入される前、ヒーター61aは消灯している。このため、加熱ローラー61は冷えた状態にある。また、加熱ローラー61は回転していない。上加圧ローラー62は、第2圧接位置に位置し、加熱ローラー61に圧接している。
ウォームアップ時、制御部101は、ヒーター61aを点灯制御する。これにより、加熱ローラー61の温度が上昇する。また、制御部101は、加熱ローラー61を正転方向(図4に矢印で示す時計回りの方向)に回転させるように加熱ローラー移動部61bを制御する。上加圧ローラー62が加熱ローラー61に圧接しているため、加熱ローラー61の温度の上昇に応じて上加圧ローラー62の表面全体が温められる(上加圧ローラー62の暖気)。
ウォームアップ時、定着ベルト63の張力が解除された状態であり、加熱ローラー61に対しては自重のみで接している状態である。この状態で、定着ベルト63の内面に対する加熱ローラー61の表面の摩擦係数は、加熱ローラー61の回転に対し滑らせるように設定されているため、定着ベルト63は回転することがなく、定着ベルト63の熱が連続紙Pに運ばれない。
ウォームアップ時、制御部101は、温度センサー62a(図2参照)により検出された上加圧ローラー62の温度が待機温度に到達したことを判断した場合、加熱ローラー61を待機動作させる。
待機時、制御部101は、加熱ローラー61を連続回転させて、または、断続的に回転・停止を繰り返させて、上加圧ローラー62の温度を定着不良が発生しない温度に維持するように、加熱ローラー移動部61bを制御する。これにより、上加圧ローラー62の温度を暖気状態(図4参照)に維持することができる。
つまり、ウォームアップ時および待機時では、加熱ローラー61の熱量が上加圧ローラー62の暖気や暖気状態の維持に使われるため、無駄な熱量を消費することがなく、次の印字開始時に温度の落ち込みがない安定した定着性能を得ることができる。
次に、ウォームアップ後の定着装置の動作例について図5を参照して説明する。図5は、ウォームアップ後の定着装置の動作例を示すフローチャートである。
ステップS100の処理は、ウォームアップ後に開始する。制御部101は、印字時であるかどうかを判断する(ステップS100)。
制御部101が印字時であると判断した場合(ステップS100:YES)、制御部101は、上加圧ローラー62が第1圧接位置(図3参照)にあるかどうかを判断する(ステップS110)。上加圧ローラー62が第1圧接位置にあると制御部101が判断しない場合(ステップS110:NO)、処理はステップS120に移行する。上加圧ローラー62が第1圧接位置にあると制御部101が判断した場合(ステップS110:YES)、図5における処理は終了する。
ステップS120において、制御部101は、上加圧ローラー62を第2圧接位置(図4参照)から第1圧接位置に移動させるように上加圧ローラー移動部66を制御する。これにより、定着ベルト63に張力がかかるため、上加圧ローラー62がベルト駆動される。また、定着ベルト63および連続紙Pが上加圧ローラー62と下加圧ローラー64とにより挟まれるため、連続紙P上の未定着のトナー像が、定着ニップで加熱、加圧されて、連続紙Pに定着される。
ステップS100において、制御部101が印字時以外であると判断した場合(ステップS100:NO)、制御部101は、上加圧ローラー62が第2圧接位置にあるかどうかを判断する(ステップS130)。上加圧ローラー62が第2圧接位置にあると判断しない場合(ステップS130:NO)、処理はステップS140に移行する。上加圧ローラー62が第2圧接位置にあると判断した場合(ステップS130:YES)、図5における処理は終了する。
ステップS140において、制御部101は上加圧ローラー62を第1圧接位置から第2圧接位置に移動させるように上加圧ローラー移動部66を制御する。これにより、上加圧ローラー62が暖気状態となる。
本発明の実施の形態に係る定着装置では、制御部101が印字時に上加圧ローラー62を第1圧接位置に移動させて定着ベルト63に張力をかける一方、印字時以外に上加圧ローラー62を第2圧接位置に移動させて張力を解除するように上加圧ローラー移動部66を制御する。
これにより、印字時以外に上加圧ローラー62を加熱ローラー61と圧接、回転することで、上加圧ローラー62の表面を直接加熱し、暖気することができるため、無駄な熱量を消費することなく、次の印字開始時に定着温度の落ち込みがなく安定した定着性能を得ることができる。
また、加熱ローラー61と上加圧ローラー62との間のスペースのみで上加圧ローラー62を、定着ニップの位置にある連続紙Pから遠ざけることができる構成であるため、省スペースに構成することができる。
さらに、印字時以外は定着ベルト63の張力が解除された状態となるため、定着ベルト63にかかるストレスがなく耐久性を上げることができる。
さらに、上加圧ローラー62が定着ニップの位置から離れているため、連続紙Pが上加圧ローラー62からの熱によるダメージを受けることがなく、ヤレ紙とならない。
さらに、加熱ローラー61の定着ベルト63に対する摩擦係数が、印字時以外における加熱ローラー61の回転に対し定着ベルト63を滑らせるように設定されている。これにより、定着ベルト63を回転させないため、連続紙Pへ熱が運ばれず、すなわち連続紙Pが加熱されることがなく、ヤレ紙とならないため、連続紙Pが、ウォームアップ時や待機時に無駄に消費されることを防止することができる。
(変形例1)
本実施の形態の変形例1に係る定着装置について、図6を参照して説明する。
上記の実施の形態では、制御部101は、印字時、印字時以外に拘わらず加熱ローラー61を同じ方向(例えば図3に示す時計回りの方向)に回転させるように加熱ローラー移動部61bを制御する。また、印字時以外に定着ベルト63の張力が解除され、加熱ローラー61に対し定着ベルト63が自重のみで接しているとき、加熱ローラー61が回転しても定着ベルト63が滑るように、加熱ローラー61の表面の定着ベルト63の内面に対する摩擦係数が低く設定される。このような構成では、摩擦係数が低く過ぎると、印字時に加熱ローラー61からの駆動力を定着ベルト63に十分に伝えられず、摩擦係数を少しでも高くすると、印字時以外に定着ベルト63が滑らないで、回転してしまい、定着ベルト63の熱が連続紙Pに近づいて、連続紙Pが加熱され、ダメージを受けるおそれがある。
これに対し、変形例1では、制御部101は、加熱ローラー61を印字時に正転方向(例えば時計回りの方向)に回転させ、印字時以外に逆転方向(図6に示す反時計回りの方向)に回転させるように加熱ローラー移動部61bを制御する。この場合、定着ベルト63に対する加熱ローラー61の表面の摩擦係数は、加熱ローラー61が正転方向に回転する場合に高くなるように設定され、加熱ローラー61が逆転方向に回転する場合に低くなるように設定される。これにより、印字時は加熱ローラー61からの駆動力を定着ベルト63に十分に伝えられるため安定した回転を得られ、印字時以外は定着ベルト63を加熱ローラー61に対し滑らせることで、定着ベルト63の熱が連続紙Pに近づくことがない。
このような摩擦係数は、加熱ローラー61を表面処理し、また、加熱ローラー61にコーティングなどをすることにより得られる。なお、このような摩擦係数は、定着ベルト63の表面処理等により得られるようにしても良く、加熱ローラー61および定着ベルト63の両方の表面処理等により得られるようにしても良い。
(変形例2)
本実施の形態の変形例2に係る定着装置について、図7を参照して説明する。
上記の実施の形態では、印字時以外に定着ベルト63の張力が解除され、定着ベルト63が加熱ローラー61に対し自重のみで接している状態で、加熱ローラー61が回転しても定着ベルト63を滑らせるように、摩擦係数が設定されている。
しかし、加熱によって高温になると熱膨張によって定着ベルト63の周長が長くなり、また剛性(コシ)が弱くなって印字後すぐの時点で定着ベルト63の下端部63a(本発明の「弛んだ部分」に対応)が定着ニップの位置近くなる。これにより、連続紙Pが定着ベルト63側の熱の影響を受けるおそれがある。そこで、積極的に定着ベルト63の下端部63aを定着ニップの位置から遠ざける必要がある。
変形例2では、上記の実施の形態の構成に加えて、支持部材65(図7参照)および支持部材移動部67)(図2参照)を有する。
支持部材移動部67(本発明の「第2移動部」に対応)は、支持部材65を、加熱ローラー61と上加圧ローラー62との間の位置に近い近傍位置と、その位置から定着ベルト63の外側に向かって水平な方向(図7に示す矢印の方向)へ離れた遠隔位置との間を移動させる。制御部101は、印字時以外に上加圧ローラー62を第2圧接位置に移動させるように上加圧ローラー移動部66を制御するとともに、支持部材65を遠隔位置に移動させて、定着ベルト63の下端部63aを定着ニップの位置からより遠ざけるように、支持部材移動部67を制御する。これにより、定着ベルト63の下端部63aによって、連続紙Pが加熱されることがなく、ヤレ紙とならない。
なお、連続紙Pに対して熱の影響のない距離まで定着ベルト63の下端部63aを遠ざけることができれば、定着ベルト63に張力がかかるまで支持部材65を移動しても良い。また、支持部材65を印字時に定着ベルト63のテンションローラーとして使用しても良いし、上加圧ローラー62の上流に近い位置で定着ベルト63の面を保持する張架ローラーとして使用しても良い。
また、下加圧ローラー64を、定着ニップを形成するニップ形成位置と定着ニップを形成しない非ニップ形成位置との間を移動させる下加圧ローラー移動部68(本発明の「第3移動部」に対応)を備え、制御部101が印字時以外に下加圧ローラー64をニップ形成位置から非ニップ形成位置に移動(図7に移動方向を矢印で示す)するように下加圧ローラー移動部68を制御しても良い。連続印字を行った場合は、下加圧ローラー64も上加圧ローラー62の熱量で温められるため、印字時から印字時以外(例えば待機時)に遷移したとき、上加圧ローラー62ばかりでなく下加圧ローラー64も連続紙Pから遠ざけることで、連続紙Pのダメージを軽減することができる。
(変形例3)
上記の実施の形態では、ウォームアップ時や待機時などの印字時以外に、加熱ローラー61が回転しても、定着ベルト63が滑るように構成される(図4参照)。このため、定着ベルト63においては、加熱ローラー61に掛かっている部分のみ温められて、それ以外の部分は冷えた状態となっている。印字時(図3参照)に定着ベルト63が回転して連続紙P上の未定着のトナー画像を定着することになるが、印字開始直後の定着ベルト63は、部分的に温度差があるため、光沢ムラなどの画像不良が発生する場合がある。画像不良を発生させないため、印字時以外に、定着ベルト63を回転させることにより、部分的に温度差が生じないようにする必要がある。また、定着ベルト63を回転させると、定着ベルト63の熱が定着ニップの位置にある連続紙Pに運ばれ、連続紙Pを加熱するおそれがあるため、定着ベルト63の熱を連続紙Pが受けないような速度で定着ベルトを回転させる必要がある。
本実施の形態の変形例3に係る定着装置について、図8を参照して説明する。
変形例3では、上記の実施の形態の構成に加えて、ベルトローラー65aおよび定着ベルト駆動ローラー移動部69(図2参照)を有する。
定着ベルト駆動ローラー移動部69(本発明の「第4移動部」に対応)は、ベルトローラー65aを、定着ベルト63から離間させた離間位置と、定着ベルト63に当接させて回転することで定着ベルト63を回転させる当接位置との間を移動させる。制御部101は、ベルトローラー65aを印字時に離間位置に移動させ、印字時以外に当接位置に移動させるように定着ベルト駆動ローラー移動部69を制御する。なお、定着ベルト63の外面にはトナー像の定着に関与する領域である画像領域と、それ以外の画像領域外とがある。この場合、ベルトローラー65aは定着ベルト63の全面(画像領域および画像領域外)に当接する軸ローラーとしても良いが、定着ベルト63の画像領域外に当接するようにしても良い。
印字時以外に、ベルトローラー65aを定着ベルト63に当接させて回転することで定着ベルト63を独立して回転させることができるため、部分的に温度差を生じないようにすることができ、定着ベルト63の一部のみを加熱することで生じる光沢ムラなどの画像不良を抑制することができる。さらに、加熱ローラー61で熱せられた定着ベルト63を定着ニップに到達するまでに放熱できる速度で回転させれば、定着ニップの位置にある連続紙Pを加熱することがない。
ウォームアップ時や待機時などの印字時以外には、上加圧ローラー62の表面を均一に効率良く温める必要があるため、加熱ローラー61の回転速度を速くする必要がある。一方で、定着ベルト63が定着ニップに到達するまでに放熱し、定着ベルト63の熱によって定着ニップの温度を高くしないように、定着ベルト63の回転速度を遅くする必要がある。このため、定着ベルト63の外面に対するベルトローラー65aの摩擦係数は、定着ベルト63の内面に対する加熱ローラー61の摩擦係数に対して高くなるように設定される。これにより、加熱ローラー61の駆動による回転速度と定着ベルト63の回転速度を変えることができ、印字時以外における加熱ローラー61の回転速度(周速)を、定着ベルト63の回転速度(周速)より速くすることができる。印字時以外には、加熱ローラー61に対し定着ベルト63が滑るようになる。
また、印字時には連続紙P上の未定着のトナー像を定着させるため、定着ベルト63を所定の速度で回転させる必要がある。これに対し、印字時以外には、前述するように、定着ベルト63の回転速度を遅くする必要がある。そこで、制御部101は、印字時以外における定着ベルト63の回転速度を印字時における定着ベルト63を回転速度より遅くするように定着ベルト駆動ローラー移動部69を制御する。これにより、安定した定着性能を得ることができ、また、定着ニップの位置に位置する連続紙Pを定着ベルト63によって加熱することがなく、ヤレ紙とならない。
なお、上記の実施の形態では、連続紙Pを使用する場合について説明したが、これに限らない。例えば、カット紙Sを使用する場合、ウォームアップ時や待機時などの印字時以外に、制御部101が上加圧ローラー62を第2圧接位置に移動させて、上加圧ローラー62を加熱ローラー61に圧接させるように上加圧ローラー移動部66を制御するようにしても良い。これにより、加熱ローラー61の熱が主に上加圧ローラー62を暖気や暖気状態の維持に使われ、無駄な熱量を消費することなく、安定した定着性能を得ることができる。
また、上記の実施の形態では、本発明の定着面側部材に対応する構成として上加圧ローラー62を示したが、これに限らない。例えば、定着面側部材は、シリコーンゴム、フッ素ゴムなどの弾性体もしくは耐熱性の樹脂、金属から構成された定着パッドであっても良い。定着パッドの定着ベルトと接触する面に摺動性の高い層をコートしても良い。また、制御部101は、定着パッドを、印字時に裏面側支持部材(下加圧ローラー)の方向に転換させて、裏面側支持部材とで定着ニップを形成するように、かつ、印字時以外に加熱ローラーの方向に転換させて、加熱ローラーに圧接させるように移動部(図示せず)を制御すれば良い。
その他、上記実施の形態は、何れも本発明の実施するにあたっての具体化の一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその要旨、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
60 定着部
61 加熱ローラー
61a ヒーター
62 上加圧ローラー
63 定着ベルト
64 下加圧ローラー
65 支持部材
65a 定着ベルト駆動ローラー
66 上加圧ローラー移動部
67 支持部材移動部
68 下加圧ローラー移動部
69 定着ベルト駆動ローラー移動部
101 制御部

Claims (11)

  1. トナー像が形成された記録媒体の定着面側に配置される定着面側部材と、
    前記定着面側部材に巻き掛けられた定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記定着面側部材に圧接された状態において、前記記録媒体を狭持して搬送する定着ニップを形成する裏面側支持部材と、
    前記定着ベルトを内側から加熱する、回転可能な加熱ローラーと、
    前記定着ベルトを介して前記裏面側支持部材に圧接する第1圧接位置と、前記加熱ローラーに圧接する第2圧接位置との間で、前記定着面側部材を移動させる第1移動部と、
    印字時において前記定着面側部材を前記第1圧接位置に移動させる一方、印字時以外において前記定着面側部材を前記第2圧接位置に移動させるように前記第1移動部を制御する制御部と、
    を備える、定着装置。
  2. 前記加熱ローラーは、前記印字時において前記加熱ローラーが回転することにより前記定着ベルトが従動回転する一方、前記印字時以外において前記加熱ローラーの回転に対し前記定着ベルトが滑るように構成されている、
    請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記定着ベルトに対する前記加熱ローラーの摩擦係数は、前記印字時において前記加熱ローラーが第1方向に回転することにより前記定着ベルトが従動回転する一方、前記印字時以外において前記加熱ローラーの前記第1方向と逆の第2方向の回転に対し前記定着ベルトが滑るように設定される、請求項2に記載の定着装置。
  4. 前記定着ベルトを内側から支持する支持部材と、
    前記支持部材を移動させる第2移動部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記印字時以外において前記第2移動部を制御し、前記印字時と比べて、前記定着ベルトのうち前記定着面側部材が前記第2圧接位置に移動することにより弛んだ部分が前記定着ニップから離間する方向に、前記支持部材を移動させる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の定着装置。
  5. 前記定着ニップを形成するニップ形成位置と、前記定着ニップを形成しない非ニップ形成位置との間で、前記裏面側支持部材を移動させる第3移動部をさらに備え、
    前記制御部は、前記印字時において前記裏面側支持部材を前記ニップ形成位置に移動させる一方、前記印字時以外において前記裏面側支持部材を前記非ニップ形成位置に移動させるように前記第3移動部を制御する、
    請求項4に記載の定着装置。
  6. 前記記録媒体は、連続紙である、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の定着装置。
  7. 定着ベルト駆動ローラーと、
    前記定着ベルトから離間させた離間位置と、前記定着ベルトに当接させて回転することで前記定着ベルトを従動回転させる当接位置との間で前記定着ベルト駆動ローラーを移動させる第4移動部と、
    をさらに備え、
    前記制御部は、前記印字時において前記定着ベルト駆動ローラーを前記離間位置に移動させる一方、前記印字時以外において前記定着ベルト駆動ローラーを前記当接位置に移動させるように前記第4移動部を制御する、
    請求項1から6のいずれか一項に記載の定着装置。
  8. 前記制御部は、前記印字時以外における前記定着ベルトの回転速度が前記印字時における前記加熱ローラーの回転速度より遅くなるように前記第4移動部を制御する、請求項7に記載の定着装置。
  9. 前記定着面側部材は、前記印字時における前記加熱ローラーの回転により従動回転する、
    請求項1から8のいずれか一項に記載の定着装置。
  10. 請求項1から9のいずれか一項に記載の定着装置を備えた画像形成装置。
  11. 印字時に、定着面側部材を第1圧接位置に移動させることにより、定着ベルトを介して裏面側支持部材に圧接させ、
    印字時以外に、前記定着面側部材を第2圧接位置に移動させることにより、加熱ローラーに圧接させる、定着制御方法。
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