JP6211909B2

JP6211909B2 - リッド装置

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Publication number: JP6211909B2
Application number: JP2013249241A
Authority: JP
Inventors: 純平堀川
Original assignee: Nifco Inc
Current assignee: Nifco Inc
Priority date: 2013-12-02
Filing date: 2013-12-02
Publication date: 2017-10-11
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Description

本発明は、回動可能に枢支されたリッドを閉位置で解除可能にロックする機能と、リッドを閉位置から開放開始位置に押し出す機能とを備えたリッド装置に関する。特に、車両本体の燃料供給用開口をヒンジによって開閉するフューエルリッドを閉位置で解除可能にロックするフューエルリッド装置に関する。

フューエルリッド（燃料給油口蓋）は、ヒンジによって開閉し、閉位置においては、燃料給油用開口を閉鎖するとともにその表面が車両のボデーの輪郭と一致するように車両に取り付けられる。燃料給油用開口には、キャップを取り付け可能な燃料給油口が配置されている。フューエルリッドが意図せず開くことを防止するため、フューエルリッドはロックされる。

例えば、フューエルリッドが閉じられるとロックされ、運転者が運転席に設けられたレバーを引くことによってフューエルリッドのロックが解除されるとともにフューエルリッドが開く形式が知られている。一方、ロック及びその解除操作とは別に、給油者が、フューエルリッドを車室内側に押し込むことでフューエルリッドを開閉する形式がある。このような形式は、運転者が自ら給油する場合等に便利である。このような形式の装置として、例えば特許文献１に記載の装置が知られている。この装置には、押し込まれるたびに出没を交互に繰り返すことによってフューエルリッドを開閉するプッシュリフタが取り付けられている。さらに、モータ回転軸とプッシュリフタの長手方向とが直交するようにモータが配置されており、モータ回転軸にはねじが同軸に取り付けられている。モータが回転すると、ねじと噛み合うように同軸に配置されたプランジャーがモータから離間するように回転軸方向に沿って移動し、プランジャーの先端がフューエルリッドのロック孔に突入されることでフューエルリッドがロックされる。モータを逆回転させると、プランジャーがモータに接近するように回転軸方向沿って移動し、プランジャーの先端がフューエルリッドのロック孔から離脱することでフューエルリッドのロックが解除される。

独国特許出願公開第１０２００８０５７８６０号明細書

特許文献１で提案されているリッド装置では、モータとプランジャーとが同軸に配置されている。そのため、設置スペースが大きくなって、レイアウトの自由度が低くなるとともに、組付け作業が煩雑であった。

本発明は、このような従来技術の課題に鑑みてなされたものであり、小型のリッド装置を提供することを主目的とする。

本発明に係るリッド装置（２０）のある側面は、回動可能に枢支されたリッド（１０）を閉位置から開放開始位置に押し出し、前記リッドを前記閉位置で解除可能にロックし得るリッド装置であって、遊端側が前記リッドによって押し込まれるたびに前記リッドを前記開放開始位置に押し出す伸長状態と前記リッドの前記閉位置を許容する収縮状態との間の相互変位を交互に繰り返すプッシュリフタ（３８）と、前記プッシュリフタの近傍に配置される駆動装置（５４）と、前記閉位置において、前記リッドを係止する係止位置及び前記リッドを解放する解放位置の間を移動するロック部材（１８）と、前記駆動装置の駆動力を前記ロック部材に伝達し、前記ロック部材を前記係止位置及び前記解放位置間で移動させる伝達機構（６０，６４）とを備え、前記プッシュリフタ及び前記駆動装置は、前記プッシュリフタの長手方向と前記駆動装置の長手方向とが直交するように配置され、前記駆動装置は、その長手方向から見て、少なくとも一部が前記に重なるように配置されたことを特徴とする。

この構成によれば、リッド装置は、プッシュリフタの長手方向における長さを短くでき、プッシュリフタの長手方向及び駆動措置の長手方向の双方に直交する方向の厚みを薄くできる。よって、リッド装置を小型化することができ、組付け作業性を向上させることができる。また、他の部材のレイアウトの自由度を高めることができる。

本発明の他の側面は、上記構成において、前記ロック部材は、前記駆動装置の長手方向と平行に移動するように配置され、前記駆動装置の出力端側からその逆側に延出することを特徴とする。

この構成によれば、リッド装置は、駆動装置の長手方向における長さを短くすることができる。

本発明の他の側面は、上記構成において、前記駆動装置は、その長手方向に延在するモータ回転軸（５６）を有するモータ（５４）を有し、前記伝達機構は、前記モータ回転軸に同軸に取り付けられたウォームギヤ（６０）と、前記ロック部材に結合され、前記ウォームギヤと噛み合う内歯（６２）が形成され、前記ウォームギヤの回転によって前記モータの長手方向と平行に移動する被動部材（６４）とを有することを特徴とする。

この構成によれば、簡易かつ小型の構成で、モータの回転力をモータ回転軸と平行な方向へロック部材を動かす力に変換することができる。

あるいは、本発明の他の側面は、前記駆動装置は所定の区間往復動するアクチュエータを有し、前記伝達機構はカム又はリンクを有することを特徴とする。

この構成によれば、リッド装置の部品点数を削減することができる。

本発明の他の側面は、上記構成において、前記プッシュリフタ、前記駆動装置及び前記伝達機構を保持するハウジング（２４）をさらに備えることを特徴とする。

この構成によれば、リッド装置をユニット化できるため、リッド装置の車両への取り付けが容易になる。

本発明の他の側面は、上記の構成において、前記プッシュリフタ、前記駆動装置及び前記ロック部材は、前記プッシュリフタの前記長手方向と前記駆動装置の前記長手方向とによって規定される平面上に配置され、前記平面に直交する幅方向において、前記プッシュリフタ及び前記ロック部材の最大幅は前記駆動装置の最大幅以下であることを特徴とする。

この構成によれば、リッド装置は、その幅が薄くなり、さらに小型化される。

本発明の他の側面は、上記構成において、前記ハウジングは、前記リッドに突設された係合片を受容する凹部（３０）を有し、前記ロック部材は、前記係止位置において前記凹部内に突入して前記係合片を係止することを特徴とする。

この構成によれば、リッドが閉位置でずれることを防止でき、確実にロックすることができる。

本発明の他の側面は、上記構成において、前記凹部を形成する互いに対向する２つの壁は、前記ロック部材を前記係止位置で支持する孔（３４，３６）を有することを特徴とする。

この構成によれば、ロック部材は、係合片との係合部を挟んで両側でハウジングに支持されるため、ロック強度を高めることができる。

本発明の他の側面は、前記ハウジングに形成されて前記ロック部材を移動可能に保持する貫通孔（３４）と前記ロック部材との間に配置された第１シール部材（７８）をさらに備え、若しくは前記ハウジングに形成されて前記プッシュリフタの前記遊端側を移動可能に保持する開口（３２）と前記プッシュリフタとの間に配置された第２シール部材（５２）をさらに備え、またはその両方を備える。

この構成によれば、ハウジングと、ロック部材若しくはプッシュリフタ又はその両方との間をシールすることができる。

本発明に係るフューエルリッド構造（２）のある側面は、車両本体の燃料供給用開口を開閉するように枢支されたフューエルリッドと、前記フューエルリッドを閉位置でロック可能な上記構成のリッド装置とを備えたことを特徴とする。

この構成によれば、リッド装置が小型化されたため、フューエルリッドにリッド装置を取り付けた状態で、そのユニットを車両に組付けることができ、組付け作業性を向上させることができる。

本発明によれば、リッド装置は、プッシュリフタの長手方向の寸法を小さくできるため、小型化でき、組付け作業性を向上させることができる。

本発明の実施形態に係るフューエルリッド装置が取り付けられたフューエルリッドアセンブリの斜視図。本発明の実施形態に係るフューエルリッド装置の分解斜視図。本発明の実施形態に係るフューエルリッド装置の非ロック状態を示す断面図。本発明の実施形態に係るフューエルリッド装置のロック状態を示す断面図。

以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。説明に当たり、方向を示す用語は、図面に示すように装置を車両に取り付けたときの車両の方向に従う。図１は、フューエルリッドアセンブリ２の斜視図である。以下、フューエルリッドアセンブリ２は、図示しない車両の後部の左側面に取り付けられるものについて説明するが、フューエルリッドアセンブリ２は、車両の後部や、右側面等の他の位置に取り付けられても良い。

フューエルリッドアセンブリ２の主な外形を形成する開口部ハウジング４は、底部に開口を有するカップ形状を呈し、広径側の車室外側端部にフランジ６が形成されている。開口部ハウジング４は、車体に取り付けられたとき、燃料タンクに連通した燃料給油口が車室内側端部から内部に突入するように構成されており、燃料給油口にはキャップが取り付けられる（図示せず）。開口部ハウジング４の車室外側端部に形成された燃料給油用開口８を開閉するフューエルリッド１０は、金属又は樹脂を素材とし、略円板状を呈する部材であり、ヒンジ１２を介して開口部ハウジング４と連結している。なお、フューエルリッド１０の形状は、円板状に代えて、長方形等の他の平板形状であっても良い。ヒンジ１２は、開口部ハウジング４の前側に配置され、その回転軸は上下方向を向いている。フューエルリッド１０は、ヒンジ１２の回転軸周りに回動することによって、燃料給油用開口８を開閉する。フューエルリッド１０の表面は、燃料給油用開口８を閉鎖した閉位置において、車両のボデーの輪郭と連続する。また、フューエルリッド１０の裏面側には、図示しないインナーリッドが設けられており、そのインナーリッドには、遊端側（ヒンジ１２と結合した基端の反対側）近傍の裏面から突出した係合片１４が設けられている。係合片１４には、上下方向に貫通した係合孔１６が設けられている。係合孔１６に突入して係合片１４を係止するロック部材１８（図２参照）を備えたフューエルリッド装置２０は、開口部ハウジング４の外面に固定される。

図２は、フューエルリッド装置２０の分解斜視図である。図３及び図４は、ロック部材１８を通り、かつ車室内外方向及び上下方向に平行な断面で切ったフューエルリッド装置２０の断面図（一部は側面で示す）であり、それぞれ、フューエルリッド装置２０の非ロック状態及びロック状態を示す。フューエルリッド装置２０は、フューエルリッド１０を開閉するための機能と、フューエルリッド１０を閉位置で解除可能にロックするための機能とを有する。

フューエルリッド装置２０の主要部材を収容するハウジング２４は、概ね箱形であり、ケース２６及び蓋２８によって構成される。蓋２８は、図示しないねじによってケース２６に固定される。ハウジング２４は、開口部ハウジング４の外面に固定される。蓋２８には、閉位置にあるフューエルリッド１０の係合片１４を収容する凹部３０と、凹部３０よりも後方に配置されて車室内外方向を貫通する円形の開口３２とが形成されている。凹部３０は、蓋２８の車室外側表面から車室内側に窪んでおり、凹部３０が囲む空間は略直方体を呈する。凹部３０を画定する上方の壁には、上下方向を向いた貫通孔３４が形成され、凹部３０を画定する下方の壁には、上方から下方に向けて有底孔３６が貫通孔３４と同軸かつ同径に形成されている。なお、フランジ６には、閉位置において係合片１４が通過する開口が設けられているため、係合片１４は、閉位置においてフランジ６の開口を通過して凹部３０に受容される。また、フューエルリッド１０が閉位置に移動する際に、係合片１４が凹部３０に受容されやすくするために、係合片１４の車室内側を細くし、または凹部３０の車室外側を拡げてもよく、その両方の形状を採用しても良い。また、蓋２８の表面は平坦な形状となっており、フランジ６との間のシールが容易になっている。また、ハウジング２４は、車室内外方向の車室外側端部付近でケース２６と蓋２８とに分割されているが、後述の各部材を取り付けることができるならば、例えば、前後方向の中央付近で分割される２つの部品から構成されるなど、他の位置で分割されるものであっても良い。また、ケース２６又は蓋２８は、開口部ハウジング４と一体に形成されても良い。

フューエルリッド１０を開閉するためにハウジング２４に収容されたプッシュリフタ３８は、プッシュボタン４０と、カム４２と、ロッド４４と、アウタースリーブ４６と、スプリング４８と、インナースリーブ５０とを備えた、概ね棒状を呈する部材である。プッシュリフタ３８は、プッシュボタン４０が押されるたびに、伸長状態と収縮状態とが交互に繰り返される。プッシュリフタ３８は、収縮状態では、閉位置にあるフューエルリッド１０に干渉せず、フューエルリッド１０が閉位置に保たれることを許容し、伸長状態では、フューエルリッド１０がわずかに開いた状態でフューエルリッド１０を支持する。プッシュリフタ３８は、基端となるスプリング４８の車室内側の端部がハウジング２４に当接し、アウタースリーブ４６がハウジング２４に固定される。プッシュボタン４０は、車室外側端部が半球状を呈し、車室内側が円筒状を呈する。プッシュボタン４０の車室内側端部は、蓋２８に設けられた開口３２に突入するとともに、伸長状態及び収縮状態のいずれにおいてもフランジ６に設けられた孔を貫通するように配置されてフューエルリッド１０に当接可能となっている。貫通孔３４の周縁には、Ｏリング５２がシール部材として取り付けられているため、プッシュボタン４０がハウジング２４の開口３２部を車室内外方向に摺動しても、液体がハウジング２４の内部に侵入することは防止される。なお、フューエルリッド１０は、閉位置にあるときでもプッシュリフタ３８のプッシュボタン４０を押し込むことができるように、フランジ６との間に所定の隙間が残るように配置されている。プッシュリフタ３８は、図示した構造を含め、それ自体は各種の物が公知であり、それらを使用することができる。なお、プッシュボタン４０の車室外側端部に緩衝材を取り付けても良い。また、プッシュボタン４０がフューエルリッド１０に当接したときに、フューエルリッド１０を仮固定するための係合部材を両者の間に設けても良い。

次に、フューエルリッド１０を閉位置で解除可能にロックするための構成について説明する。

ロック部材１８を駆動するための駆動装置である電動モータ５４は、モータ回転軸５６が上下方向を向き、プッシュリフタ３８の長手方向に直行するようにハウジング２４内に配置される。モータ５４は、モータ回転軸５６方向が長手方向である。モータ回転軸５６は、上側がモータハウジング５８から露出している。モータハウジング５８は、その車室内側の側面がプッシュリフタ３８の基端と略同じ深さに位置するように、ハウジング２４に固定される。モータハウジング５８は、モータ回転軸５６に直交する断面が偏平な形状を呈し、その長辺方向が車室内外方向に平行となるように配置される。

モータ回転軸５６には、ウォームギヤ６０が同軸に取り付けられている。ウォームギヤ６０は、金属又は樹脂を素材とする。ウォームギヤ６０に噛み合う内歯６２を有する被動部材６４は、ウォームギヤ６０の車室外側に位置し、ウォームギヤ６０の回転に従って上下方向に摺動できるようにハウジング２４に支持される。被動部材６４は、樹脂を素材とし、略直方体形状を呈する本体部６６と、本体部６６から車室内側に延出して車室内側端部に内歯６２が形成された半ナット部６８と、本体部６６の下端の車室内側から下方に突出する突出板７０とを有する。本体部６６には、車室外側に上下方向に延在する溝７２と、溝７２の底から車室内側に向かう孔７４とが形成されている。また、本体部６６は、主面が車室内外方向を向いた平板状の羽７６が前後の両側面から突出しており、羽７６が、被動部材６４が前後に摺動可能になるようにハウジング２４に支持されている。被動部材６４の最も上方に移動した位置は、本体部６６及び半ナット部６８の上端がハウジング２４に係止される位置で定まり、最も下方に移動した位置は、突出板７０の下端が凹部３０の貫通孔３４を形成する壁の裏面に係止される位置で定まる。なお、ウォームギヤ６０と半ナット部６８との間に増幅ギヤ等の他のギヤを噛ませても良い。

被動部材６４に固定されたロック部材１８は、金属又は樹脂を素材とし、上下方向に延在する棒状部材の上端側が車室内側に９０°折れ曲がった形状をしている。ロック部材１８は、車室内側を向いた上端部が被動部材６４の孔７４に嵌合し、中央部が溝７２に保持されることによって、被動部材６４に固定される。ロック部材１８は、被動部材６４とともに上下に移動するが、最も上方に位置するときには、ロック部材１８の下端となる遊端は貫通孔３４の中に位置し、下方に移動するにつれて貫通孔３４から凹部３０内に突出し、最も下方に位置するときには、有底孔３６に受容される。なお、ロック部材１８と被動部材６４とを一体の樹脂又は金属で設けても良い。

凹部３０の貫通孔３４を形成する壁の裏面には、ロック部材１８が摺動するようにＯリング７８がシール部材として取り付けられて、凹部３０の貫通孔３４から液体がハウジング２４内に侵入することを防いでいる。さらに、Ｏリング７８の上方には、Ｏリング７８がハウジング２４から脱落することを防止するとともにロック部材１８をガイドするガイド部材８０がハウジング２４に固定されている。ガイド部材８０には、上下方向に貫通孔８２が形成されており、ロック部材１８を挿通させる。Ｏリング７８及びガイド部材８０は、突出板７０よりも車室外に配置される。

なお、駆動装置として、モータ５４に代えてソレノイドバルブ等の所定の区間往復動するような他のアクチュエータを用いても良く、伝達機構としてカム又はリンクを用いてもロック部材１８を移動させてもよい。

次に、フューエルリッド１０の開閉及びロックの作用について説明する。

車両の走行中は、フューエルリッド１０は閉位置にあり、図４に示すようにロック部材１８は係合孔１６を貫通した係止位置にある。ロック部材１８は、被動部材６４を介して蓋２８に支持されるとともに、凹部３０の貫通孔３４及び有底孔３６を形成する壁に支持され両壁の間で係合片１４を係止しているため、車室内外方向には動かず安定している。そのため、フューエルリッド１０を押し引きしても、係合孔１６がロック部材１８に係止されるため、フューエルリッド１０は閉位置でロックされている。ロック部材１８と係合孔１６との係合の遊びの範囲は、フューエルリッド１０が車室内側に押し込まれてもプッシュリフタ３８を収縮状態から伸長状態に変位させない程度であることが望ましい。

モータ５４は車両のスイッチ類や電子制御ユニット（ＥＣＵ）、例えばドアロックシステムと連動しており、車両の停車中にドアロックが解除されると、モータ５４が作動し、モータ回転軸５６が回転する。モータ５４の駆動力は、ウォームギヤ６０を介して伝達され、被動部材６４及び被動部材６４に固定されたロック部材１８を上方に移動させる。すると、ロック部材１８は、有底孔３６、フューエルリッド１０の係合孔１６から順に離脱し、図３に示すように、凹部３０に突出せずハウジング２４に没入するようにその遊端が貫通孔３４内に受容された解放位置まで移動する。このとき、被動部材６４の上端がハウジング２４に当接している。

ロック部材１８が解放位置にあるとき、フューエルリッド１０のインナーリッドに形成された係合孔１６は、ロック部材１８から解放され、フューエルリッド１０のロックは解除されている。ロックが解除されたフューエルリッド１０は、磁力、ばねの付勢力又はラッチ機構等により、所定の値以上の力が加わるまで閉位置に維持される。このとき、使用者が、閉位置にあるフューエルリッド１０を車室内側に押し込むと、プッシュボタン４０が車室内側に押しこまれる。すると、プッシュリフタ３８が伸長状態に変形してフューエルリッド１０を車室外側に押し返す。このとき、プッシュボタン４０は、フューエルリッド１０を車両のボデーの輪郭よりも外側に押し出し、フューエルリッド１０がわずかに開いた開放開始位置に配置させる。この開放開始位置では、フューエルリッド１０の遊端側を使用者が把持することができる程度にフューエルリッド１０が開いている。使用者は、フューエルリッド１０を開放開始位置から手で動かすことによって、閉位置に対して９０°以上回動させた全開位置までフューエルリッド１０を開くことができる。全開位置まで開かれたフューエルリッド１０は、重力、ばねの付勢力又はラッチ機構等により、所定の値以上の力が加わるまで全開位置に維持される。全開位置では、燃料給油口からキャップを外して、車両に給油することができる。

給油作業を終えると、使用者は、キャップを燃料給油口に取り付け、フューエルリッド１０を開放開始位置まで戻し、さらにフューエルリッド１０を車室内側に向けて押し込む。すると、フューエルリッド１０がプッシュボタン４０を車室内側に押し込み、プッシュリフタ３８は収縮状態となり、フューエルリッド１０は閉位置に配置される。このとき、フューエルリッド１０と接触するプッシュボタン４０の先端は、半球状であるため、フューエルリッド１０を傷つけない。

その後、車両のドアがロックされると、これと連動してモータ５４が作動し、モータ回転軸５６が逆回転し、被動部材６４は、その突出板７０の下端が凹部３０の貫通孔３４を形成している壁の裏面に当接するまで下方に移動する。そのため、ロック部材１８の遊端側が、貫通孔３４から突出し、係合孔１６及び有底孔３６に順に挿入され、フューエルリッド１０をロックする。

フューエルリッド装置２０は、プッシュリフタ３８の長手方向とモータ５４の長手方向である回転軸方向とが同一平面状で直交するように配置され、ロック部材１８が車室内外方向から見てモータ５４とウォームギヤ６０とに重なるように配置されるため、前後方向及び車室内外方向の寸法を小さくすることができる。また、モータ５４からウォームギヤ６０への向きと、被動部材６４からロック部材１８の遊端への向きとが、略平行な反対向きになっているため、フューエルリッド装置２０は、上下方向の寸法を小さくすることができる。さらに、ロック部材１８を動かすための伝達機構は、ウォームギヤ６０及びウォームギヤ６０に噛み合う内歯６２を有する被動部材６４によって構成されるため、フューエルリッド装置２０の小型化を阻害しない。本実施形態では、このようにフューエルリッド装置２０を小型化することによって、フューエルリッド１０とフューエルリッド装置２０とは、互いに組み合わされた状態、すなわちフューエルリッドアセンブリ２として、車両に組付けることができるため、組付け作業性を向上させることができ、製造コストを削減することができる。また、フューエルリッド装置２０は、ワイヤ式の装置に比べても、車両への組付け工数が少なく部品点数が少ない。

以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、ハウジング２４は、２色成形により、プッシュボタン４０及びロック部材１８が摺動する部位並びに、フランジ６と接触する部分の全て又は一部を軟質材としてシール性を持たせて、Ｏリング５２，７８を省略しても良い。この構成によれば、部品点数及び組付け工数を削減することができる。

２…フューエルリッドアセンブリ、４…開口部ハウジング、６…フランジ、８…燃料給油用開口、１０…フューエルリッド、１２…ヒンジ、１４…係合片、１６…係合孔、１８…ロック部材、２０…フューエルリッド装置、２４…ハウジング、３０…凹部、３２…開口、３４…貫通孔、３６…有底孔、３８…プッシュリフタ、５２・・・Ｏリング、５４…モータ、６０…ウォームギヤ、６２…内歯、６４…被動部材、６８…半ナット部、７０…突出板、７８…Ｏリング

Claims

回動可能に枢支されたリッドを閉位置から開放開始位置に押し出し、前記リッドを前記閉位置で解除可能にロックし得るリッド装置であって、
遊端側が前記リッドによって押し込まれるたびに前記リッドを前記開放開始位置に押し出す伸長状態と前記リッドの前記閉位置を許容する収縮状態との間の相互変位を交互に繰り返すプッシュリフタと、
前記プッシュリフタの近傍に配置される駆動装置と、
前記閉位置において、前記リッドを係止する係止位置及び前記リッドを解放する解放位置の間を移動するロック部材と、
前記駆動装置の駆動力を前記ロック部材に伝達し、前記ロック部材を前記係止位置及び前記解放位置間で移動させる伝達機構とを備え、
前記プッシュリフタ及び前記駆動装置は、前記プッシュリフタの長手方向と前記駆動装置の長手方向とが直交するように配置され、
前記駆動装置は、その長手方向から見て、少なくとも一部が前記プッシュリフタに重なるように配置されたことを特徴とするリッド装置。
前記ロック部材は、前記駆動装置の長手方向と平行に移動するように配置され、前記駆動装置の出力端側からその逆側に延出することを特徴とする請求項１に記載のリッド装置。
前記駆動装置は、その長手方向に延在するモータ回転軸を有するモータを有し、
前記伝達機構は、前記モータ回転軸に同軸に取り付けられたウォームギヤと、前記ロック部材に結合され、前記ウォームギヤと噛み合う内歯を備え、前記ウォームギヤの回転によって前記モータの長手方向と平行に移動する被動部材とを有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のリッド装置。
前記駆動装置は所定の区間往復動するアクチュエータを有し、前記伝達機構はカム又はリンクを有することを特徴とする請求項１又は請求項２に記載のリッド装置。
前記プッシュリフタ、前記駆動装置及び前記伝達機構を保持するハウジングをさらに備えることを特徴とする請求項１から請求項４のいずれか一項に記載のリッド装置。
前記プッシュリフタ、前記駆動装置及び前記ロック部材は、前記プッシュリフタの前記長手方向と前記駆動装置の前記長手方向とによって規定される平面上に配置され、
前記平面に直交する幅方向において、前記プッシュリフタ及び前記ロック部材の最大幅は前記駆動装置の最大幅以下であることを特徴とする請求項５に記載のリッド装置。
前記ハウジングは、前記リッドに突設された係合片を受容する凹部を有し、
前記ロック部材は、前記係止位置において前記凹部内に突入して前記係合片を係止することを特徴とする請求項５又は請求項６に記載のリッド装置。
前記凹部を形成する互いに対向する２つの壁は、前記ロック部材を前記係止位置で支持する孔を有することを特徴とする請求項７に記載のリッド装置。
前記ハウジングに形成されて前記ロック部材を移動可能に保持する貫通孔と前記ロック部材との間に配置された第１シール部材をさらに備えることを特徴とする請求項５〜請求項８のいずれか一項に記載のリッド装置。
前記ハウジングに形成されて前記プッシュリフタの前記遊端側を移動可能に保持する開口と前記プッシュリフタとの間に配置された第２シール部材をさらに備えることを特徴とする請求項５〜請求項９のいずれか一項に記載のリッド装置。
車両本体の燃料供給用開口を開閉するように枢支されたフューエルリッドと、前記フューエルリッドを閉位置でロック可能な請求項１〜請求項１０のいずれか一項に記載のリッド装置とを備えたことを特徴とするフューエルリッド構造。