JP2012097503A - リニア駆動装置 - Google Patents

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博之 千田
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Abstract

【課題】出力部材の移動完了後における電動モータの拘束時間を短くして、電動モータが拘束時に発生する異音を低減させることである。
【解決手段】電動モータの回転運動をラックアンドピニオン機構31により直線運動に変換して閂に伝達する構成において、ピニオン32に第1ピニオン歯列41を構成する2つのピニオン歯32a,32bと第2ピニオン歯列42を構成する4つのピニオン歯32b〜32eを設け、ラック33に第1ラック歯列43を構成する3つのラック歯33a,33d,33eと第2ラック歯列44を構成する2つのラック歯33b,33cを設け、第1ピニオン歯列41の歯数を第1ラック歯列43の歯数よりも少なく設定し、第2ピニオン歯列42の歯数を第2ラック歯列44の歯数よりも多く設定し、閂が施錠位置と解錠位置との間で進退移動する間に、ピニオン32をラック33に対して空振りさせる。
【選択図】図4

Description

本発明は、電動モータが出力する回転運動を出力部材の進退運動として出力するリニア駆動装置に関する。
自動車等の車両に設けられるフューエルリッドを解錠する構成としては、従来、ワイヤを用いて車室内からのレバー操作を施錠用の閂に伝達するものが主流であった。これに対して、フューエルリッドの解錠操作を容易にするために、閂を電動モータにより自動的に進退移動させてフューエルリッドの施錠、解錠を行うようにしたフューエルリッドオープナー用アクチュエータが開発されている。
フューエルリッドオープナー用アクチュエータとしては、電動モータの出力である回転運動を直線運動に変換して出力部材に伝達し、当該出力部材を進退移動させるようにしたリニア駆動装置が多く用いられている。例えば、特許文献1,2には、電動モータの回転軸に設けられたウォームと閂に接続されたセクタギアとを用いて電動モータの回転運動を直線運動に変換し、閂を施錠位置と解錠位置との間で進退移動させるようにしたリニア駆動装置が開示されている。
特開2003−239596号公報 特開2002−240581号公報
しかしながら、従来のフューエルリッドオープナー用アクチュエータでは、そのコストを低減するために、電動モータの作動制御として、タイマにより予め設定された作動時間のみ電動モータを作動させる簡素な構成が用いられている。そのため、閂が電動モータに駆動されて施錠位置または解錠位置への移動を完了しても、タイマにより設定された作動時間が経過するまで電動モータは拘束状態となり、拘束状態とされた電動モータから異音が発生するという問題があった。
これに対して、多スロットの電動モータを用いると、モータ拘束時の異音が低減されることが確認されている。しかしながら、フューエルリッドオープナー用アクチュエータでは、その小型、軽量化のために、電動モータとしては2極3スロットモータ等の小さなモータが用いられ、多スロットの電動モータは大型化するためにその採用は困難である。
本発明の目的は、出力部材の移動完了後における電動モータの拘束時間を短くして、電動モータが拘束時に発生する異音を低減させることにある。
本発明のリニア駆動装置は、電動モータが出力する回転運動を出力部材の直線運動に変換する運動変換機構を備え、タイマにより設定した作動時間だけ前記電動モータを作動させて前記出力部材を第1の位置と第2の位置との間で進退移動させるリニア駆動装置であって、前記運動変換機構は、前記電動モータに回転駆動されるピニオンと、前記出力部材に固定されるとともに前記ピニオンに噛み合うラックとで構成され、前記ピニオンは、少なくとも1つの第1ピニオン歯を備えた第1ピニオン歯列と、前記第1ピニオン歯に対して軸方向にずれるとともに回転方向にずれて設けられた複数の第2ピニオン歯からなる第2ピニオン歯列とを有する2列ピニオンに構成され、前記ラックは、それぞれ両ストローク端側に配置される少なくとも一対の第1ラック歯を備えた第1ラック歯列と、一対の前記第1ラック歯の間に該第1ラック歯に対して歯幅方向に歯幅の分ずれて配置された複数の第2ラック歯からなる第2ラック歯列とを有する2列ラックに構成され、前記第1ピニオン歯は前記第1ラック歯よりも少ない数に設定されて前記第1ラック歯に噛み合い可能に配置され、前記第2ピニオン歯は前記第2ラック歯よりも多い数に設定されて前記第2ラック歯に噛み合い可能に配置され、前記電動モータが作動して前記出力部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間で進退移動するときに、少なくとも1つの前記第2ピニオン歯が前記ラックに対して空振りすることを特徴とする。
本発明のリニア駆動装置は、前記出力部材が車両のフューエルリッドを施錠状態とする施錠位置と前記フューエルリッドを解錠状態とする解錠位置との間で進退移動する閂であるフューエルリッドオープナー用アクチュエータとして構成されていることを特徴とする。
本発明によれば、出力部材が第1の位置と第2の位置との間で進退移動するときにピニオンが少なくとも1つのピニオン歯の分だけラックに対して空振りし、その空振りの時間の分だけ電動モータの拘束時間が短くなるので、電動モータが拘束時に発生する異音を低減させることができる。
本発明の一実施の形態であるフューエルリッドオープナー用アクチュエータが設けられた車両の一部を示す断面図である。 図1に示すA−A線に沿う断面図である。 (a)はフューエルリッドが施錠された状態を示す断面図であり、(b)はフューエルリッドが解錠された状態を示す断面図である。 図1に示すピニオンとラックの詳細を示す斜視図である。 (a)〜(e)は、閂を解錠位置から施錠位置にまで移動させる際のピニオンとラックとの噛み合い状態の変化を示す説明図である。 (a)〜(c)は、ピニオンがラックに対して空振りする様子を示す説明図である。 (a)〜(e)は、閂を施錠位置から解錠位置にまで移動させる際のピニオンとラックとの噛み合い状態の変化を示す説明図である。 図1に示すフューエルリッドオープナー用アクチュエータの変形例を示す説明図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1に示すリニア駆動装置としてのフューエルリッドオープナー用アクチュエータ11(以下、アクチュエータ11とする)は、自動車等の車両12に搭載されて車両12に設けられたフューエルリッド13を施錠状態と解錠状態とに切り替えるものである。フューエルリッド13は車両12の側面等に開閉自在に取り付けられ、車両12の外装パネルの一部を構成して内部に配置された図示しない燃料給油口を覆っている。燃料給油口から燃料を供給する際には、フューエルリッド13はアクチュエータ11により解錠状態とされ、開くことができる。
アクチュエータ11の施錠・解錠動作は、車両12のドアを施錠状態と解錠状態とに切り替える図示しないドアロックの施錠・解錠動作に連動して行われるが、その施錠・解錠動作は、車室内に設けたフューエルリッド用のスイッチの操作により行われる構成であってもよい。
次に、アクチュエータ11の構成の詳細について説明する。
アクチュエータ11は金属材料や樹脂材料等によりバスタブ状に形成されたケース21を備えている。ケース21の内部には電動モータ22が取り付けられている。電動モータ22は出力軸22aを有し、この出力軸22aの軸方向をケース21の開口側に向けた直立姿勢とされてケース21に固定されている。
また、ケース21には出力部材としての閂23が配置されている。閂23は円柱状に形成された閂本体23aと、断面矩形の柱状に形成されたスライドブロック23bとを備えており、これらが鋼材等により一体に形成された構造となっている。
なお、本実施の形態においては、閂本体23aとスライドブロック23bとを一体に形成するようにしているが、これに限らず、閂本体23aとは別体に形成されたスライドブロック23bの先端に閂本体23aを固定する構造としてもよい。
スライドブロック23bには、その表裏に貫通するとともに長手方向に沿って延びるガイド溝24が設けられている。ケース21の底面には断面円形のガイドピン25が固定され、このガイドピン25がガイド溝24の内部に配置されている。ガイドピン25の外径はガイド溝24の短手方向の幅よりも僅かに小さくされている。
ケース21の底面にはスライドガイド26が固定されている。このスライドガイド26はガイド溝24に対して平行に延びるスライド溝27が設けられている。一方、スライドブロック23bの上面にはL字フック28が固定されており、このL字フック28の先端部分がスライド溝27に係合している。L字フック28の幅はスライド溝27の幅よりも僅かに小さくされており、これにより、L字フック28はスライド溝27に沿って摺動自在となっている。また、スライドガイド26の側面はスライドブロック23bに接している。
このような構成により、閂23は、スライドブロック23bがスライドガイド26とガイドピン25に案内されることにより、フューエルリッド13を施錠状態とする施錠位置(第1の位置)とフューエルリッド13を解錠状態とする解錠位置(第2の位置)との間で直線往復動自在つまり進退移動自在となっている。
電動モータ22が出力する回転運動を閂23の直線運動に変換するために、アクチュエータ11には運動変換機構としてのラックアンドピニオン機構31が設けられている。このラックアンドピニオン機構31はピニオン32とラック33とを備えている。
ピニオン32はその軸心において電動モータ22の出力軸22aに固定され、電動モータ22により回転駆動されるようになっている。電動モータ22はブラシ付きモータ等の正逆両方向に回転可能なタイプとなっており、電動モータ22の回転方向を切り替えることにより、ピニオン32を正転、逆転させることができる。
一方、ラック33はピニオン32に噛み合わされるとともにスライドブロック23bの側面に固定されて閂23とともに進退移動するようになっている。ラック33の移動経路の両ストローク端に位置してケース21の底面にはゴム製のダンパ34,35が設けられ、これらのダンパ34,35によりラック33の移動範囲が閂23の施錠位置と解錠位置に対応した範囲に規制されている。
電動モータ22が作動すると、その出力軸22aの回転がラックアンドピニオン機構31により直線運動に変換されて閂23に伝達され、閂23が施錠位置と解錠位置との間で進退移動する。例えば、電動モータ22が正転すると、閂23が解錠位置から施錠位置にまで移動して、アクチュエータ11は施錠状態とされる。アクチュエータ11が施錠状態になると、フューエルリッド13に設けられたロック板13aのロック孔13bに閂本体23aが係合し、これによりフューエルリッド13が施錠される。反対に、電動モータ22が逆転すると、閂23が施錠位置から解錠位置にまで移動して、アクチュエータ11は解錠状態とされる。アクチュエータ11が解錠状態になると、フューエルリッド13に設けられたロック板13aのロック孔13bから閂本体23aが離脱し、これによりフューエルリッド13が解錠される。このように、閂23は電動モータ22により駆動されて第1の位置としての解錠位置と第2の位置としての施錠位置との間で進退移動する。
電動モータ22の作動制御は図示しないタイマ(タイマ回路)により行われる。ドアロックの施錠・解錠動作をトリガとして電動モータ22への給電が開始されると、タイマは予め設定された作動時間だけ電動モータ22への通電を維持し、つまり、予め設定された作動時間だけ電動モータ22を作動させる。作動時間は、施錠位置から解錠位置または解錠位置から施錠位置まで閂23が移動するのに必要な時間よりも長く設定され、閂23が移動を完了した後、さらに所定時間だけ電動モータ22の作動を維持するようになっている。
スライドブロック23bの側面には半円筒状の切り欠き部36が設けられ、一方、ケース21にはスライドブロック23bの切り欠き部36が設けられた側面に接するボールプランジャ37が設けられている。電動モータ22により駆動された閂23が施錠位置にまで移動すると、ボールプランジャ37が切り欠き部36に係合し、これにより、電動モータ22の停止後、閂23はボールプランジャ37により施錠位置に保持されることになる。
また、ラック33にはエマージェンシーレバー38が取り付けられている。エマージェンシーレバー38は、その先端がケース21から突出しており、電動モータ22が故障したときには、このエマージェンシーレバー38を手動で操作することにより、閂23を手動で解錠位置にまで移動させることができる。
次に、図4に基づいて、ラックアンドピニオン機構31の詳細について説明する。
本発明のアクチュエータ11では、閂23の移動完了後における電動モータ22の拘束時間を短くして拘束時に電動モータ22が発する異音を低減するために、閂23が施錠位置と解錠位置との間で進退移動する間に、ピニオン32をラック33に対して空振りさせるようにしている。
そのため、ピニオン32は互いに軸方向に歯幅の分だけずれて配置される第1ピニオン歯列41と第2ピニオン歯列42とを備えた2列ピニオンに構成され、ラック33は互いに歯幅方向に歯幅の分ずれて配置される第1ラック歯列43と第2ラック歯列44とを備えた2列ラックに構成されている。
ピニオン32の第1ピニオン歯列41には5等分のピッチで2個連続して第1ピニオン歯としてのピニオン歯32a,32bが設けられ、第2ピニオン歯列42には5等分のピッチで4個連続して第2ピニオン歯としてのピニオン歯32b〜32eが設けられ、一枚のピニオン歯32bだけが第1ピニオン歯列41と第2ピニオン歯列42の両方に跨って設けられている。つまり、ピニオン32は、隣接する間隔(ピッチ)が72度、つまり互いに回転方向に72度ずれて配置された5つのピニオン歯32a〜32eを有し、これらのピニオン歯32a〜32eの内の1つのピニオン歯32aは第1ピニオン歯列41を構成する第1ピニオン歯となっており、他の3つのピニオン歯32c〜32eは第2ピニオン歯列42を構成する第2ピニオン歯となっている。また、残りの1つのピニオン歯32bは、第1ピニオン歯列41と第2ピニオン歯列42の両方を構成し、第1ピニオン歯、第2ピニオン歯の両方として機能するようになっている。
一方、ラック33には5等分のピッチで5つのラック歯33a〜33eが設けられ、第1ラック歯列43には、そのラック33の一方のストローク端つまり長手方向の一端側に位置して第1ラック歯としての1つのラック歯33aが設けられ、他方のストローク端つまり長手方向の他端に位置して第1ラック歯としての2つのラック歯33d,33eが互いに1ピッチずれて並べて設けられている。また、ラック33の第2ラック歯列44には、ラック歯33aとラック歯33dとの間に位置するとともにラック歯33aに対して歯幅方向に歯幅の分ずれて第2ラック歯としての2つのラック歯33b,33cが互いに1ピッチずれて並べて設けられている。
ピニオン32とラック33は、第1ピニオン歯列41を第1ラック歯列43に対応させ、第2ピニオン歯列42を第2ラック歯列44に対応させて、互いに噛み合わされている。つまり、第1ピニオン歯列41に設けられるピニオン歯32a,32bはラック33の第1ラック歯列43に設けられるラック歯33a,33d,33eに噛み合い可能とされ、第2ピニオン歯列42に設けられるピニオン歯32b〜32eはラック33の第2ラック歯列44に設けられるラック歯33b,33cに噛み合い可能とされている。
ここで、ピニオン32の第1ピニオン歯列41には2つのピニオン歯32a,32bが設けられ、これに対してラック33の第1ラック歯列43には3つのラック歯33a,33d,33eが設けられ、第1ピニオン歯列41のピニオン歯32a,32bの数が第1ラック歯列43のラック歯33a,33d,33eの数よりも少なくなっている。また、ピニオン32の第2ピニオン歯列42には4つのピニオン歯32b〜32eが設けられ、これに対してラック33の第2ラック歯列44には2つのラック歯33b,33cが設けられ、第2ピニオン歯列42のピニオン歯32b〜32eの数が第2ラック歯列44のラック歯33b,33cの数よりも多くなっている。
次に、このようなラックアンドピニオン機構31の作動について図5〜図7に基づいて説明する。
閂23が解錠位置にあるときには、図5(a)に示すように、ラック33は施錠位置つまり施錠状態側(図中左側)のストローク端に位置しており、ラック33の第1ラック歯列43のストローク端側のラック歯33eにピニオン32の第1ピニオン歯列41のピニオン歯32bが噛み合っている。
この状態で、ドアロックが施錠動作されると、それをトリガとして電動モータ22が作動を開始し、ピニオン32が電動モータ22に回転駆動されて正転方向(図中反時計周り方向)に回転する。ピニオン32が回転すると、図5(b)に示すように、ピニオン32の第1ピニオン歯列41のピニオン歯32bがラック33の第1ラック歯列43のラック歯33eを押すとともにピニオン32の第1ピニオン歯列41のピニオン歯32aがラック33の第1ラック歯列43のラック歯33dに噛み合う。次に、図5(c)に示すように、ピニオン歯32aがラック歯33dを押すとともに、ピニオン32の第2ピニオン歯列42のピニオン歯32eがラック33の第2ラック歯列44のラック歯33cに噛み合う。次に、図5(d)に示すように、ピニオン歯32eがラック歯33cを押すとともに、ピニオン32の第2ピニオン歯列42のピニオン歯32dがラック33の第2ラック歯列44のラック歯33bに噛み合う。そして、図5(e)に示すように、ピニオン歯32dがラック歯33bを押し、その噛み合いが外れたところでラック33が施錠位置に達し、その長手方向端部がダンパ35に当接して、それ以上の移動が規制される。
ここで、ラック33が閂23とともに施錠位置にまで移動してその移動を完了しても、タイマで設定された作動時間が経過するまで電動モータ22の作動は維持される。そして、このとき、ラック33を施錠位置にまで到達させたピニオン歯32dの次のピニオン歯32cは第2ピニオン歯列42に設けられ、これに対してピニオン歯32dに噛み合ったラック歯33bの次のラック歯33aは第1ラック歯列43にのみ設けられているので、図6(a)に示すように、ラック33が施錠位置に達した後、さらに電動モータ22により駆動されてピニオン32が回転しても、図6(b)に示すように、ピニオン歯32cはラック歯33aに噛み合うことなく、空振りすることになる。つまり、ラック33が施錠位置にまで達すると、電動モータ22により回転駆動されるピニオン32はラック33に対して空振りすることになり、この空振りの分だけ電動モータ22の拘束時間が短くなる。
ピニオン歯32cがラック33に対して空振りした後は、次のピニオン歯32bが第1ピニオン歯列41に設けられているので、図6(c)に示すように、このピニオン歯32bがラック歯33aに噛み合う。そして、ピニオン歯32bがラック歯33aに噛み合うと、ラック33のこれ以上の移動がダンパ35により規制されているので、電動モータ22は拘束状態とされる。そして、タイマで設定された作動時間が経過すると電動モータ22が作動を停止し、閂23はボールプランジャ37により施錠位置に保持される。
反対に、閂23を施錠位置から解錠位置にまで移動させる場合も、図7(a)〜(e)に示すように、電動モータ22が作動して閂23が施錠位置から解錠位置にまで移動する間に、ピニオン歯32d,32eがラック33に対して空振りするので、この2歯の空振りの分だけ電動モータ22の拘束時間が短くなる。
このように、本発明のアクチュエータ11では、電動モータ22が作動して閂23が解錠位置から施錠位置との間で進退移動する間に、ピニオン歯32c〜32dをラック33に対して空振りさせるようにしたので、ピニオン32がラック33に対して空振りする時間の分だけ電動モータ22のストローク端における拘束時間を短くすることができる。これにより、電動モータ22が拘束時に発生する異音の発生時間を低減させて、その異音を低減させることができる。特に、本実施の形態においては、閂23の移動を完了させた後にピニオン32をラック33に対して空振りさせる構成としているので、タイマにより設定される作動時間を短くしつつ電動モータ22の拘束時間を短くすることができる。
図7(a)、(b)から解るように、閂23を電動モータ22により駆動して施錠位置にまで移動させた後、解錠動作のために電動モータ22を逆転させると、ピニオン歯32aがラック歯33aに噛み合って実際にピニオン32がラック33の駆動を開始するまでの間にライムラグが生じることになる。このタイムラグをなくすために、ピニオン32とケース21との間にリターンスプリング(不図示)を取り付けてピニオン32を逆転方向(図7中時計回り方向)に付勢するようにしてもよい。
なお、ピニオン32にリターンスプリングを取り付けることが困難な場合には、電動モータ22とピニオン32との間に減速ギアを設け、この減速ギアとケース21との間にリターンスプリングを取り付けるようにしてもよい。
これにより、電動モータ22の作動が停止したときに、ピニオン32を、図7(a)に示される位置から図7(b)に示される位置にまでリターンスプリングのばね力で移動させることができ、これにより閂23を解錠位置に向けて移動させる際のタイムラグをなくすことができる。
次に、図8に基づいて、図1に示すアクチュエータ11の変形例について説明する。なお、図8においては、前述した部材に対応する部材には同一の符号を付し、その再度の説明は省略する。
図1に示すアクチュエータ11では電動モータ22の出力軸22aにピニオン32を直接固定するようにしている。これに対して、閂23を施錠、解錠する際の摩擦抵抗が大きい場合などピニオン32の駆動力をより高めたい場合には、図8の変形例に示すように、電動モータ22とピニオン32との間にウォームギア機構51を設けて、このウォームギア機構51により電動モータ22の出力を減速してピニオン32に伝達するようにしてもよい。
電動モータ22は出力軸22aの軸方向を閂23の移動方向に平行としてケース21に固定され、その出力軸22aにはウォームギア機構51を構成するウォーム51aが固定される。一方、ピニオン32にはウォームギア機構51を構成するウォームホイル51bが一体に設けられ、このウォームホイル51bにウォーム51aが噛み合わされている。これにより、電動モータ22の回転運動はウォームギア機構51により減速してピニオン32に伝達される。なお、ピニオン32とウォームホイル51bとは支軸52により回転自在に支持されている。
ウォームギア機構51を用いた場合には、ギア効率の低下効果で外部からの入力による閂23の移動が制限されるので、ボールプランジャ37を設けない構成とすることができる。また、電動モータ22の取り付け方向が変わるので、ケース21を薄くすることができる。
なお、ウォーム51aは出力軸22aと一体に形成される構成でもよく、ウォームホイル51bはピニオン32と別体に形成され、これをピニオン32に固定する構成であってもよい。
本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。例えば、前記実施の形態においては、アクチュエータ11は電動モータ22により閂23を解錠位置から施錠位置、施錠位置から解錠位置の両方向に駆動する正逆タイプとされているが、これに限らず、閂23の施錠位置から解錠位置への移動のみを電動モータ22の駆動により行い、閂23の解錠位置から施錠位置への移動をリターンスプリングにより行う構成としてもよい。
また、前記実施の形態においては、ピニオン32の第1ピニオン歯列41のピニオン歯32a,32bの数を2、第2ピニオン歯列42のピニオン歯32b〜32eの数を4とし、ラック33の第1ラック歯列43のラック歯33a,33d,33eの数を3、第2ラック歯列44のラック歯33b,33cの数を2としているが、これに限らず、ピニオン32の第1ピニオン歯列41のピニオン歯の数がラック33の第1ラック歯列43のラック歯の数よりも少なく、ピニオン32の第2ピニオン歯列42のピニオン歯の数がラック33の第2ラック歯列44のラック歯の数よりも多く設定されていれば、これらの歯の数は任意に設定することができる。この場合、電動モータ22が作動して閂23が施錠位置と解錠位置との間で進退移動する間に、ピニオン32を複数歯の分、ラック33に対して空振りさせるようにしてもよい。
11 フューエルリッドオープナー用アクチュエータ(リニア駆動装置)
12 車両
13 フューエルリッド
13a ロック板
13b ロック孔
21 ケース
22 電動モータ
22a 出力軸
23 閂(出力部材)
23a 閂本体
23b スライドブロック
24 ガイド溝
25 ガイドピン
26 スライドガイド
27 スライド溝
28 L字フック
31 ラックアンドピニオン機構(運動変換機構)
32 ピニオン
32a ピニオン歯(第1ピニオン歯)
32b ピニオン歯(第1ピニオン歯、第2ピニオン歯)
32c〜32e ピニオン歯(第2ピニオン歯)
33 ラック
33a,33d,33e ラック歯(第1ラック歯)
33b,33c ラック歯(第2ラック歯)
34,35 ダンパ
36 切り欠き部
37 ボールプランジャ
38 エマージェンシーレバー
41 第1ピニオン歯列
42 第2ピニオン歯列
43 第1ラック歯列
44 第2ラック歯列
51 ウォームギア機構
51a ウォーム
51b ウォームホイル
52 支軸

Claims (2)

  1. 電動モータが出力する回転運動を出力部材の直線運動に変換する運動変換機構を備え、タイマにより設定した作動時間だけ前記電動モータを作動させて前記出力部材を第1の位置と第2の位置との間で進退移動させるリニア駆動装置であって、
    前記運動変換機構は、
    前記電動モータに回転駆動されるピニオンと、
    前記出力部材に固定されるとともに前記ピニオンに噛み合うラックとで構成され、
    前記ピニオンは、少なくとも1つの第1ピニオン歯を備えた第1ピニオン歯列と、前記第1ピニオン歯に対して軸方向にずれるとともに回転方向にずれて設けられた複数の第2ピニオン歯からなる第2ピニオン歯列とを有する2列ピニオンに構成され、
    前記ラックは、それぞれ両ストローク端側に配置される少なくとも一対の第1ラック歯を備えた第1ラック歯列と、一対の前記第1ラック歯の間に該第1ラック歯に対して歯幅方向に歯幅の分ずれて配置された複数の第2ラック歯からなる第2ラック歯列とを有する2列ラックに構成され、
    前記第1ピニオン歯は前記第1ラック歯よりも少ない数に設定されて前記第1ラック歯に噛み合い可能に配置され、前記第2ピニオン歯は前記第2ラック歯よりも多い数に設定されて前記第2ラック歯に噛み合い可能に配置され、前記電動モータが作動して前記出力部材が前記第1の位置と前記第2の位置との間で進退移動するときに、少なくとも1つの前記第2ピニオン歯が前記ラックに対して空振りすることを特徴とするリニア駆動装置。
  2. 請求項1記載のリニア駆動装置において、前記出力部材が車両のフューエルリッドを施錠状態とする施錠位置と前記フューエルリッドを解錠状態とする解錠位置との間で進退移動する閂であるフューエルリッドオープナー用アクチュエータとして構成されていることを特徴とするリニア駆動装置。
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