JP6136785B2 - 導電ペーストの評価方法、及び、正極板の製造方法 - Google Patents

導電ペーストの評価方法、及び、正極板の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、正極活物質粒子と混合して正極ペーストをなす導電ペーストの評価方法、及び、導電ペーストを用いた正極板の製造方法に関する。
近年、ハイブリッド自動車、電気自動車などの車両や、ノート型パソコン、ビデオカムコーダなどのポータブル電子機器の駆動用電源に、充放電可能なリチウムイオン二次電池(以下、単に電池ともいう)が利用されている。
この電池に用いられる正極板の製造方法として、例えば、特許文献1には、溶剤に導電材粒子、分散剤及び結着材を混合した導電ペーストを作製した後、この導電ペーストと正極活物質粒子とを混合して正極ペーストを作製する正極板の製造方法が開示されている。
特開2012−221568号公報
ところで、導電ペーストにおける導電材粒子等の分散状態と、この導電ペーストに正極活物質粒子を混合した正極ペーストを塗布して形成した正極板を備える電池の出力特性との間に相関があることが判ってきた。具体的には、導電ペーストにおける導電材粒子の分散状態が低くなるほど(即ち、導電ペーストにおける導電材粒子の分散性が相対的に低いほど)、この導電ペーストを正極活物質粒子と混合した正極ペーストを塗布して形成した正極板を備える電池の出力が高くなる。但し、正極ペーストに中空形状の二次粒子からなる正極活物質粒子を用いる場合には、導電ペーストにおける分散状態が低過ぎると、逆に電池の出力が低下する。このため、正極板あるいは正極ペーストを作製する前の導電ペーストの段階でその分散性を評価することが望まれる。
しかしながら、この導電ペーストの分散状態を容易に評価できない。
本発明は、かかる問題点に鑑みてなされたものであって、導電ペーストの分散状態の適否を容易に評価可能な導電ペーストの評価方法を提供する。また、良好な特性の正極板を確実に製造できる正極板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、溶剤中に導電材粒子、分散剤及び結着材を混合してなり、中空形状の二次粒子からなる正極活物質粒子と混合することにより正極ペーストとする導電ペーストの評価方法であって、上記導電ペーストを平板状の樹脂フィルム上に塗布し乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程と、上記塗膜の光沢度Gs(60°)を測定する光沢度測定工程と、を備える導電ペーストの評価方法である。
導電ペーストにおける導電材粒子の分散状態と、この導電ペーストを用いて形成した塗膜の光沢度Gs(60°)との間に正の相関関係があることが判ってきた。具体的には、導電材粒子が凝集せずに分散している(高分散状態の)導電ペーストほど、光沢度Gs(60°)が高くなる。逆に、導電材粒子が分散性の低い(低分散状態の)導電ペーストほど、光沢度Gs(60°)が低くなることが判ってきた。
これは、高分散状態の導電ペーストを塗布して形成した塗膜の表面は、凹凸形状が少なく乱反射も少なくなるので光沢度が高くなる。これに対し、低分散状態の導電ペーストを用いた塗膜の表面は、凹凸形状が多く乱反射も多くなるので光沢度が低くなるためと考えられる。
従って、前述した塗膜形成工程と光沢度測定工程とを備える導電ペーストの評価方法によれば、測定した光沢度Gs(60°)から、塗膜の形成に用いた導電ペーストの分散状態の適否を容易に評価することができる。
なお、上述の光沢度Gs(60°)とは、JIS Z 8741の「鏡面光沢度−測定方法」に記載の測定方法のうち、「方法3」に示す「60度鏡面光沢」の方法、即ち受光角を60°として測定した値(%)を指す。また、樹脂フィルム上に導電ペーストを塗布する手法としては、例えばバーコータなど、ペーストを均一な厚さに塗布できる装置を用いて塗布する手法が挙げられる。
また、溶剤中に導電材粒子、分散剤及び結着材を混合する手法としては、例えば、ホモジナイザなどメディアレス分散機を用いた手法が挙げられる。
さらに、上述の導電ペーストの評価方法であって、前記塗膜の光沢度Gs(60°)が、0.15〜0.80%の範囲内である場合に、上記塗膜の形成に用いた前記導電ペーストを良好と判定する判定工程を備える導電ペーストの評価方法とすると良い。
前述したように、導電ペーストの分散状態と電池の出力特性との間、及び、導電ペーストの分散状態と導電ペーストを塗布し形成した塗膜の光沢度Gs(60°)との間にはそれぞれ相関関係がある。これらの相関関係から、導電ペーストを塗布し形成した塗膜の光沢度Gs(60°)と、この導電ペーストに中空形状の二次粒子からなる正極活物質粒子を混合した正極ペーストを塗布し形成した正極板を備える電池の出力特性との間にも相関関係があることが判ってきた。
具体的には、まず塗膜の光沢度Gs(60°)が0.15〜0.80%の範囲内の導電ペーストを作製する。さらにこの導電ペーストに中空形状の二次粒子からなる正極活物質粒子を加えて混合した正極ペーストを作製する。そして、この正極ペーストを塗布し形成した正極板を備える電池を作製する。するとこの電池の出力は、光沢度Gs(60°)が上述の範囲外の導電ペーストを用いた場合の電池の出力よりも高くなることが判ってきた。
従って、前述した判定工程を備える導電ペーストの評価方法によれば、正極ペースト、正極板ひいては電池の作製に適した導電ペーストを確実に判別することができる。
なお、電池の出力の高低は、例えば、25℃の環境下、充電状態(SOC)をSOC56%とした電池を定電流放電したときの、放電開始から5秒目の端子間電圧値と電流値との積を指標とすることができる。
さらに、上述の導電ペーストの評価方法であって、前記塗膜の光沢度Gs(60°)が、0.20〜0.50%の範囲内である場合に、上記塗膜の形成に用いた前記導電ペーストを良好と判定する判定工程を備える導電ペーストの評価方法とするのが好ましい。
この導電ペーストの評価方法では、光沢度Gs(60°)が0.20〜0.50%の範囲内である場合に導電ペーストを良好と判定するので、正極ペースト、正極板ひいては電池の作製にさらに適した導電ペーストを確実に判別することができる。
あるいは、他の一態様は、導電性を有する正極集電板と、上記正極集電板上に形成され、中空形状の二次粒子からなる正極活物質粒子、導電材粒子、分散剤及び結着材を含む正極活物質層と、を備える正極板の製造方法であって、前述の導電ペーストの評価方法で良好と判定した前記導電ペーストを上記正極活物質粒子と混合して、正極ペーストを作製する正極ペースト作製工程と、上記正極ペーストを上記正極集電板に塗布し乾燥させて、
上記正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程と、を備える正極板の製造方法である。
上述の正極板の製造方法は、導電ペーストの評価方法の判定工程で良好と判定した導電ペーストを正極活物質粒子と混合して作製した正極ペーストを正極集電板に塗布し乾燥させて、正極活物質層を形成する。このため、良好な特性の正極板、即ちこの正極板を用いた電池が高出力となる正極板を確実に製造することができる。
しかも、予め、正極ペーストの作製に適すると判定した導電ペーストを用いて、正極ペーストを、さらには正極板を作製する。このため、出力の大きな電池の作製に適する特性の正極板を製造できるので、正極板の製造後に、この正極板が電池の作製に不適とされて、正極板や正極ペーストの廃棄による生産効率の低下を防ぐことができる。
なお、中空形状の二次粒子からなる正極活物質粒子とは、正極活物質の複数の一次粒子が連なって、内部に1または複数の空間を有する殻状の二次粒子をなす正極活物質粒子をいう。また、導電ペーストと正極活物質粒子とを混合する手法としては、例えば、ホモジナイザなどメディアレス分散機を用いた手法が挙げられる。
実施形態,変形形態にかかる正極板を備える電池の斜視図である。 実施形態,変形形態にかかる正極板の斜視図である。 実施形態,変形形態にかかり、導電ペーストの評価を含む正極板の製造のフローチャートである。 実施形態にかかり、導電ペーストの評価を含む正極板の製造のフローチャートのうち、評価工程のフローチャートである。 導電ペーストを用いて形成した塗膜の光沢度と、この導電ペーストを用いて作製した正極板を備える電池の出力値との相関を示すグラフである。 変形形態にかかり、導電ペーストの評価を含む正極板の製造のフローチャートのうち、評価工程のフローチャートである。
(実施例1)
次に、本発明の実施の形態のうち、実施例1について、図面を参照しつつ説明する。
なお、本実施例1にかかる製造方法で製造された正極板20を備える電池1について、図1を参照しつつ説明する。
この電池1は、いずれも帯状の正極板20、負極板30及びセパレータ40を備え、これらを捲回した扁平捲回型の電極体10と、この電極体10を内部に収容する電池ケース80とを備えるリチウムイオン二次電池である(図1参照)。
このうち、電池ケース80は、共に金属からなる、矩形有底箱形の電池ケース本体81と、矩形平板状の封口蓋82とを有している。このうち封口蓋82は、電池ケース本体81の開口を閉塞して、この電池ケース本体81に溶接されている。
また、電極体10には、エチレンカーボネートとエチルメチルカーボネートとジメチルカーボネートとの混合有機溶媒にリチウム塩のLiPF6を添加してなる電解液(図示しない)が含浸されている。
この電極体10をなす負極板30は、帯状で銅製の銅箔(図示しない)と、この銅箔の両主面上に、それぞれ帯状に形成された2つの負極活物質層(図示しない)とを有している。
また、薄板形状の正極板20は、図2に示すように、長手方向DAに延びる帯状のアルミニウム箔28と、このアルミニウム箔28の両主面上に、それぞれ長手方向DAに延びる帯状に形成された2つの正極活物質層21,21とを有している。
このうち正極活物質層21は、Li1.14Ni0.34Co0.33Mn0.332からなる一次粒子を複数連ねた二次粒子の正極活物質粒子22、アセチレンブラック(AB)からなる導電材粒子23、PVDFからなる結着材24、及び、ポリビニルピロリドン(PVP)からなる分散剤25を含む。このうち正極活物質粒子22は、中空形状の二次粒子である。具体的には、上述の組成の正極活物質の複数の一次粒子(粒径が1μm以下)が連なって、内部に1または複数の空間を有する殻状をなす。なお、本実施形態では、粒径が3〜8μmで、比表面積が0.5〜1.9m2/gで、吸油量が30ml/100gの正極活物質粒子22を用いた。なお、吸油量とは、JIS K 5101-13-1の「顔料試験方法−第13部:吸油量−第1節:精製あまに油法」に規定された条件の下、正極活物質粒子によって吸収される精製あまに油の量をいう。吸油量が大きい正極活物質粒子ほど、中空形状の粒子全体に占める、前述した空間の割合が高く、ペースト作製時には溶剤を、また、電池においては電解液をそれぞれ保持しやすいと考えられる。
次に、電池1に用いる正極板20の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。図3は、本実施形態の正極板20の製造の流れを示すフローチャートである。
まず、ステップS1では、メディアレス分散機(本実施形態では、ホモジナイザ)を用いて、導電ペーストPBを作製する(導電ペースト作製工程)。
次いで、作製した導電ペーストPBの分散状態を評価する導電ペースト評価工程(ステップS2)について説明する。
この導電ペースト評価工程S2は、図4に示すように、導電ペーストPBを平板状の樹脂フィルム(図示しない)上に塗布し乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程S11と、塗膜の光沢度Gs(60°)を測定する光沢度測定工程S12とを含む。さらに、塗膜の光沢度Gs(60°)が0.15〜0.80%の範囲内である場合に、塗膜の形成に用いた導電ペーストPBを良好と判定する判定工程S13〜S15を含む。
まず、ステップS11の塗膜形成工程では、ダイコータを用いて平板状の樹脂フィルム上に導電ペーストPBを塗布した。その後、ヒータを用いて、樹脂フィルム上で導電ペーストPBを乾燥させ、樹脂フィルム上に塗膜を形成した。
続いて、ステップS12の光沢度測定工程では、光沢度計を用いて、樹脂フィルム上に形成した塗膜の光沢度Gs(60°)を測定した。なお、本実施例1にかかる導電ペーストPBを用いて形成した塗膜の光沢度Gs(60°)は、0.20%であった。
ステップS13〜S15に示す判定工程のうちステップS13では、光沢度計で測定した塗膜の光沢度Gs(60°)が0.15〜0.80%の範囲内にあるかどうかを判別する。測定した塗膜の光沢度Gs(60°)が0.15〜0.80%の範囲内にある場合、塗膜の形成に用いた導電ペーストPBを良好、即ち、正極ペースト、正極板ひいては電池の作製に適すると判定する(ステップS14)。そして、図3に示すステップS3の正極ペースト作製工程に進む。
一方、塗膜の光沢度Gs(60°)が0.15〜0.80%の範囲から外れている場合には、塗膜の形成に用いた導電ペーストPBを不良、即ち、正極ペースト、正極板ひいては電池の作製に不適と判定し(ステップS15)、この導電ペーストPBを廃棄する(ステップS16)。
なお、本実施例1では、塗膜の光沢度Gs(60°)が0.20%であった。このため、ステップS14で本実施例1の導電ペーストPBは正極ペースト、正極板ひいては電池の作製に適すると判定されて、ステップS3の正極ペースト作製工程に進む。
本実施例1の導電ペーストPBから作成した塗膜のSEM写真と、例えば、光沢度Gs(60°)が実施例1よりも高い(Gs(60°)=1.60%)導電ペースト(後述する比較例4に用いる導電ペースト)から作成した塗膜のSEM写真とを撮影し、これらを比較した。すると、本実施例1に用いた導電ペーストPBによる塗膜では、この塗膜を構成する粒子が、比較例4に用いる導電ペーストによる塗膜を構成する粒子に比べて、粗く大きいことが判った。これは、本実施例1の導電ペーストPBを用いた塗膜内に、凝集した状態の導電材粒子が複数点在しているためである。このことから、比較例4に用いる導電ペーストよりも、本実施例1の導電ペーストPBにおける導電材粒子の分散性が低いことが判る。塗膜をなす導電ペーストの分散性が低いほど、塗膜の表面に凹凸形状が多くなり乱反射も多くなるので、塗膜の光沢度Gs(60°)が低い導電ペーストの方が、光沢度Gs(60°)が相対的に高い導電ペーストよりも低分散状態であることが判る。
かくして、光沢度測定工程S12で測定した光沢度Gs(60°)から、塗膜の形成に用いた導電ペーストPBの分散状態の適否を容易に評価することができる。
次いで、ステップS3の正極ペースト作製工程について説明する。この工程では、上述の導電ペースト評価工程S2で良好(即ち、正極ペースト、正極板ひいては電池の作製に適する)と判定された導電ペーストPBに、正極活物質粒子22であるLi1.14Ni0.34Co0.33Mn0.332の粉末を投入した。そして、ホモジナイザを用いてこれらを混合(混練)して、固形分が56wt%の正極ペースト21Pを作製した(図3参照)。なお、この正極ペースト21Pの固形分における、正極活物質粒子22と導電材粒子23と結着材24と分散剤25との重量比は、正極活物質粒子22:導電材粒子23:結着材24:分散剤25=80:8:2:0.2である。
その後、ステップS4の正極活物質層形成工程では、ダイコータを用いて、帯状のアルミニウム箔28の主面上に正極ペースト21Pを塗布し、乾燥させた。なお、アルミニウム箔28の両主面について、正極ペースト21Pを塗布し、乾燥させた。そして、乾燥させた正極ペースト21Pをアルミニウム箔28と共にプレスして正極活物質層21を形成した。
その後、両主面上に正極活物質層21をそれぞれ形成したアルミニウム箔28を帯状に裁断して、前述した正極板20を作製した(図2参照)。
この正極板20を、いずれも帯状の負極板30及びセパレータ40と共に捲回して電極体10とした。さらに、正極板20に図示しない正極集電部材を、負極板30に図示しない負極集電部材を、それぞれ溶接する。その後、電極体10を電池ケース本体81に収容し、電解液を注液した後、電池ケース本体81を封口蓋82で封口して、電池1を完成させた(図1参照)。
作製した電池1の出力特性について調べた。具体的には、予め電圧(開放電圧)を3.70V(SOC56%に相当)にした電池1について、25℃の温度環境下で、端子間電圧が3.00Vになるまで定電流放電を行った。そして、放電開始から5秒目に測定した端子間電圧値及び電流値の積を算出して、これを電池1の出力値とした。
この電池1の出力値について、表1に示す。
Figure 0006136785
(実施例2〜6,比較例1〜10)
また、実施例1の電池1のほか、実施例2〜6及び比較例1〜10の各電池を用意した。
このうち、実施例2,3の各電池は、実施例1と同じく中空形状であるが、吸油量がそれぞれ37,44ml/100gの正極活物質粒子を用いている点で、実施例1の電池1と異なる。
また、実施例4〜6の各電池は、いずれも塗膜の光沢度Gs(60°)が0.50%となる導電ペーストを用いている点で、実施例1〜3の各電池(電池1)と異なる。
一方、比較例1〜3の各電池は、いずれも塗膜の光沢度Gs(60°)が0.10%となる導電ペーストを用いている点で、実施例1〜3の各電池(電池1)と異なる。また、比較例4〜6の各電池は、塗膜の光沢度Gs(60°)が1.60%となる導電ペーストをそれぞれ用いている点で、実施例1〜3の各電池(電池1)と異なる。
また、比較例7の電池は、中空形状の正極活物質粒子22に代えて、中実形状の二次粒子からなる正極活物質粒子を用いている点で、実施例1の電池1と異なる。また、比較例8〜10の各電池は、比較例7と同様、中空形状に代えて中実形状の正極活物質粒子を用い、さらに、塗膜の光沢度Gs(60°)が0.10,0.50,1.60%となる導電ペーストをそれぞれ用いている点で、実施例1の電池1と異なる。
これら実施例2〜6及び比較例1〜10の各電池についても、実施例1の電池1と同様、各電池の25℃環境下で放電5秒目における出力値について、それぞれ測定した。各電池の結果を表1に示す。
また、図5には、横軸を光沢度Gs(60°)とし、縦軸を出力値としたグラフに、中空形状の正極活物質粒子を用いた実施例1〜6及び比較例1〜6の各電池の結果(グラフ中の○印)、及び、中実形状の正極活物質粒子を用いた比較例7〜10の各電池の結果(グラフ中の◇印)をそれぞれ示す。
表1及び図5によれば、中実形状の正極活物質粒子を用いた各電池(比較例7〜10)の出力値は、いずれも700W未満であり、実施例1〜6及び比較例1〜6の各電池に比べて低い。このことから、中実形状の二次粒子からなる正極活物質粒子を用いた電池は、25℃の環境下で、出力を十分に確保し難いことが判る。
次に、中空形状の正極活物質粒子を用いた各電池(実施例1〜6及び比較例1〜6)についてみると、実施例1〜6の各電池の出力値は、比較例1〜6の各電池の出力値よりも高いことが判る。このことから、塗膜の光沢度Gs(60°)が0.15〜0.80%の範囲内の導電ペーストを用いた電池では、光沢度Gs(60°)が上述の範囲外の導電ペーストを用いた電池よりもその出力を高くすることができる(具体的には、730W以上の出力にすることができる)。
また、本実施形態では、図4に示すフローチャートのステップS11〜S15を順次行って、前述の導電ペーストPBを評価した。即ち、前述したステップS11の塗膜形成工程で、導電ペーストPBを平板状の樹脂フィルム上に塗布し乾燥させて塗膜を形成し、ステップS12の光沢度測定工程で、塗膜の光沢度Gs(60°)を測定した。その後、ステップS13〜S15の判定工程で、塗膜の光沢度Gs(60°)が、0.15〜0.80%の範囲内である場合に、塗膜の形成に用いた導電ペーストPBを良好(即ち、正極ペースト、正極板ひいては電池の作製に適する)と判定した。
このように、上述した塗膜形成工程S11と光沢度測定工程S12とを備える導電ペーストPBの評価方法によれば、測定した光沢度Gs(60°)から、塗膜の形成に用いた導電ペーストPBの分散状態の適否を容易に評価することができる。
また、前述した判定工程S13〜S15を備える導電ペーストPBの評価方法によれば、正極ペースト21P、正極板20ひいては電池1の製造に適した導電ペーストPBを確実に判別することができる。
また、上述の正極板20の製造方法は、上述の導電ペーストPBの評価方法の判定工程S13〜S15で良好と判定した導電ペーストPBを正極活物質粒子22と混合して作製した正極ペースト21Pをアルミニウム箔28に塗布し乾燥させて、正極活物質層を形成する。このため、この正極板20を用いた電池1が高出力となる正極板20を確実に製造することができる。
しかも、予め正極ペースト21Pの作製に適すると判定した導電ペーストPBを用いて、正極ペースト21Pを、さらには正極板20を作製する。このため、出力の大きな電池の作製に適する特性の正極板20を製造できる。従って、正極板20の製造後に、この正極板20が電池1の作製に不適とされて、正極板20や正極ペースト21Pの廃棄による生産効率の低下を防ぐことができる。
(変形形態)
次に、本発明の変形形態にかかる正極板の製造方法について、図面を参照しつつ説明する。
本変形形態では、導電ペーストを塗布して形成した塗膜の光沢度Gs(60°)が、0.20〜0.50%の範囲内である場合に、その導電ペーストを良好と判定する判定工程を備える点で、前述した実施形態と異なる。
そこで、実施形態と異なる点を中心に説明し、同様の部分の説明は省略または簡略化する。なお、同様の部分については同様の作用効果を生じる。また、同内容の部材、部位には同番号を付して説明する。
具体的には、本変形形態にかかる正極板20の製造方法のうち、導電ペースト評価工程(ステップS22)は、図6に示すように、塗膜の光沢度Gs(60°)が0.20〜0.50%の範囲内である場合に、塗膜の形成に用いた導電ペーストPBを良好と判定する判定工程(ステップS14,S15,S23)を含む。この点において、前述の実施形態と異なる。
ステップS14,S15,S23に示す判定工程のうちステップS23では、光沢度計で測定した塗膜の光沢度Gs(60°)が0.20〜0.50%の範囲内にあるかどうかを判別する。測定した塗膜の光沢度Gs(60°)が0.20〜0.50%の範囲内にある場合、塗膜の形成に用いた導電ペーストPBを良好と判定する(ステップS14)。そして、前述した実施形態と同様、図3に示すステップS3の正極ペースト作製工程に進む。
一方、塗膜の光沢度Gs(60°)が0.20〜0.50%の範囲から外れている場合には、塗膜の形成に用いた導電ペーストPBを不良と判定し(ステップS15)、前述した実施形態と同様、この導電ペーストPBを廃棄する(ステップS16)。
なお、前述した表1及び図5によれば、実施例1〜6の各電池の出力値は、比較例1〜6の各電池の出力値よりも高いことが判る。このことから、塗膜の光沢度Gs(60°)の範囲の上下限を実施例1〜6の各電池の光沢度Gs(60°)とすることで、この範囲内の導電ペーストを用いた電池では、光沢度Gs(60°)が上述の範囲外の導電ペーストを用いた電池よりもその出力を確実に高くできることが判る。
以上により、本変形形態にかかる導電ペーストの評価方法では、光沢度Gs(60°)が0.20〜0.50%の範囲内である場合に導電ペーストPBを良好と判定するので、正極ペースト21P、正極板20ひいては電池1の作製にさらに適した導電ペーストを確実に判別することができる。
以上において、本発明を実施形態及び変形形態に即して説明したが、本発明は上記実施形態等に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更して適用できることは言うまでもない。
例えば、実施形態及び変形形態では、正極活物質粒子をなす正極活物質として、Li1.14Ni0.34Co0.33Mn0.332を例示した。しかし、正極活物質としては、例えば、Li(1+x)NiyCozMn(1-y-z)MγO2(但し、0≦x≦0.2、0.1<y<0.9、0.1<z<0.4、M=Zr,Mg,Ca,Na,Fe,Cr,Zn,Si,Sn,Al,B,F)で表される層状構造を有するリチウム遷移金属複合酸化物が挙げられる。また、電解液のリチウム塩としてLiPF6を例示したが、リチウム塩として、LiPF6に代えて、ジフルオロリン酸塩(LiPO22)とリチウムビスオキサレートボレート(LiBOB)とを用いても良い。
20 正極板
21 正極活物質層
21P 正極ペースト
22 正極活物質粒子
23 導電材粒子
24 結着材
25 分散剤
26 溶剤
28 アルミニウム箔(正極集電板)
PB 導電ペースト

Claims (3)

  1. 溶剤中に導電材粒子、分散剤及び結着材を混合してなり、中空形状の二次粒子からなる正極活物質粒子と混合することにより正極ペーストとする導電ペーストの評価方法であって、
    上記導電ペーストを平板状の樹脂フィルム上に塗布し乾燥させて塗膜を形成する塗膜形成工程と、
    上記塗膜の光沢度Gs(60°)を測定する光沢度測定工程と、を備える
    導電ペーストの評価方法。
  2. 請求項1に記載の導電ペーストの評価方法であって、
    前記塗膜の光沢度Gs(60°)が、0.15〜0.80%の範囲内である場合に、上記塗膜の形成に用いた前記導電ペーストを良好と判定する判定工程を備える
    導電ペーストの評価方法。
  3. 導電性を有する正極集電板と、
    上記正極集電板上に形成され、中空形状の二次粒子からなる正極活物質粒子、導電材粒子、分散剤及び結着材を含む正極活物質層と、を備える
    正極板の製造方法であって、
    請求項2に記載の導電ペーストの評価方法で良好と判定した前記導電ペーストを上記正極活物質粒子と混合して、正極ペーストを作製する正極ペースト作製工程と、
    上記正極ペーストを上記正極集電板に塗布し乾燥させて、上記正極活物質層を形成する正極活物質層形成工程と、を備える
    正極板の製造方法。
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