JP2010102873A - 電池の製造方法 - Google Patents

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極 小林
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Abstract

【課題】電極段階で最終的な電池性能を把握することができる電池の製造方法を提供する。
【解決手段】集電体上に活物質層が保持されてなる電極を備えた電池の製造方法であって、集電体の上に活物質層を形成して電極を作製すること(S100)と、形成した活物質層が有する所定の物性値を測定すること(S200)と、測定した所定の物性値に基づいて、作製した電極が良品であるか否かを判定すること(S300)と、判定において良品とされた電極を用いて電池を構築すること(S400)とを含む、電池の製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、電池の製造技術、特に集電体上に活物質層が保持されてなる電極及びその製造方法ならびに該電極を備えた電池及びその製造方法に関する。
近年、リチウムイオン電池、ニッケル水素電池その他の二次電池は、車両搭載用電源、或いはパソコンおよび携帯端末の電源として重要性が高まっている。特に、軽量で高エネルギー密度が得られるリチウムイオン電池は、車両搭載用高出力電源として好ましく用いられるものとして期待されている。
リチウムイオン電池の一つの典型的な構成では、リチウムイオンを可逆的に吸蔵および放出し得る材料(電極活物質)が導電性部材(電極集電体)の上に形成された構成の電極(具体的には正極及び負極)を備える。例えば、正極集電体上に形成される正極活物質層に用いられる正極活物質としては、リチウムと一種または二種以上の遷移金属元素とを構成金属元素として含む酸化物等が挙げられる。かかる構成を有する正極を製造する代表的な方法の一つとして、正極活物質からなる粉末等を適当な媒体に分散させたペースト状の活物質組成物を正極集電体に付与(塗布)し、これを熱風乾燥機等に通過させて乾燥させることにより正極活物質を含む層(正極活物質層)を形成する方法が挙げられる。
ところで、上記の正極活物質層の製造プロセスにおいて、正極活物質等の粒子サイズや正極活物質層の厚み・密度などがばらつくと、正極活物質の保持量が変わるため、電池ごとの電池性能にばらつきが生じる場合がある。すなわち、製造される電池のなかに目的とする電池性能を発揮できない不良電池が紛れる虞があり好ましくない。
かかる状況下、特許文献1には、正極活物質層の厚み等のずれを生じ難くするために、正極活物質層の成膜条件に補正をかける技術が開示されている。ここでは集電体上に固体電解質層を成膜した後、該固体電解質層の組成、厚さ、結晶性を測定して成膜条件に補正をかけることにより、固体電解質層の組成、厚さ、結晶性のずれを抑制している。
特開2004−63419号公報
しかしながら、ペースト状活物質組成物を用いた製法においては、結晶性などを測定しても成膜条件に補正をかけることはできないため、特許文献1記載の技術を、ペースト状活物質組成物を用いた製法に適用することは難しい。性能ばらつきによる不良電池を確実に排除するには、電池製品の完成後に個々の電池に対して電池性能試験(例えば放電特性試験や容量密度測定など)を実施すればよいのであるが、それらの性能試験は、最後まで電池を組み立ててから行う必要があり、それゆえに、仮に不良電池が発生した場合、不良電池の完成までに費やした作業、部材がすべて無駄になるという問題がある。コスト削減の観点からは、電池が完成する前の電極段階で最終的な電池性能を把握することができる手法が求められている。
本発明はかかる点に鑑みてなされたものであり、簡易な測定によって電極段階で最終的な電池性能を把握することができる測定方法を提供する。また、そのような測定方法の実施によって不良電池の意図しない生産を回避して所望の性能を発揮し得る電池を効率よく製造する方法を提供する。
本発明によって提供される一つの方法は、集電体上に活物質層が保持されてなる電極を備えた電池の製造方法である。この方法は、上記集電体の上に活物質層を形成して電極を作製すること、上記形成した活物質層が有する所定の物性値を測定すること、上記測定した所定の物性値に基づいて上記作製した電極が良品であるか否かを判定すること、および、上記判定において良品とされた電極を用いて電池を構築すること、を含む。
本発明に係る電池製造方法によれば、活物質層の物性値を用いて最終的な電池性能を把握することができるので、電極を作製した時点で(すなわち最後まで電池を組み立てることなく)性能不良品を取り除くことができる。これにより、後工程における作業や部材、コスト等の無駄を省くことができる。加えて、電極の不具合による不良品だけを排除することができるので、不良要因の特定が容易になるというメリットもある。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、上記所定の物性値として、例えば、上記形成した活物質層の濡れ性、光沢度および導電率(電気抵抗率)のうちの少なくとも一つを測定する。これらの物性値は、最終的な電池性能と強い相関を示すため、本発明の目的に適した測定物性値として好ましく採用することができる。
ここに開示される製造方法の好ましい一態様では、上記電極を作製することには、集電体上に上記活物質層を付与することと、該付与された活物質層を圧縮処理することとが包含されており、上記物性値の測定は、上記圧縮処理される前の圧縮前活物質層について行われる。この場合に好適な上記所定の物性値としては、例えば圧縮前活物質層についての表面粗さ(Ra)が挙げられる。圧縮前活物質層の表面粗さ(Ra)は、最終的な電池性能と強い相関を示すため、本発明の目的に適した測定物性値として好ましく採用することができる。加えて、表面粗さ(Ra)の測定は、例えば探針法などを用いて簡易に行うことができる。
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な幾つかの実施の形態を説明する。なお、各図における寸法関係(長さ、幅、厚さ等)は実際の寸法関係を反映するものではない。また、本明細書において特に言及している事項以外の事柄であって本発明の実施に必要な事柄(例えば、電極活物質の製造方法、活物質層形成用ペーストの調製方法、セパレータや電解質の構成および製法、リチウム二次電池その他の電池の構築に係る一般的技術等)は、当該分野における従来技術に基づく当業者の設計事項として把握され得る。
特に限定することを意図したものではないが、以下では主としてアルミニウム製の箔状基材(アルミニウム箔)を有するリチウム二次電池(典型的にはリチウムイオン電池)用の正極集電体を備えた正極を例として、本実施形態に係る電池の製造方法について説明する。
図1に示すように、ここに開示されるリチウム二次電池は、正極集電体10の上に正極活物質層20が保持されてなる正極30を備える。正極集電体10は、導電性を有する金属基材から構成され、このような金属基材としては、薄膜状(シート状)に加工しやすいアルミニウムまたはアルミニウムを主成分とする合金製のものを好ましく使用することができる。この実施形態では、正極集電体10は、厚さ10μm〜30μm程度のアルミニウム箔である。
正極活物質層20は、正極活物質粒子と、必要に応じて使用される他の成分(例えば導電助材粒子や結着材等)とから構成されている。正極活物質としては、リチウムと一種または二種以上の遷移金属元素とを構成金属元素として含むリチウム遷移金属複合酸化物を主成分とするものが好ましく用いられる。リチウム遷移金属複合酸化物の好ましい代表例として、リチウムニッケル系複合酸化物、リチウムコバルト系複合酸化物およびリチウムマンガン系複合酸化物が挙げられる。図示した例では、正極活物質層20は正極集電体10の片面に形成されているが、正極集電体10の両面に形成してもよい。
かかる正極活物質層20は、活物質粒子、導電助材等の解砕状態や分散状態、あるいは活物質層の圧縮(プレス)状態などによって、活物質層の表面状態に起因する物性値が様々に変化する。本願発明者は、そのような物性値の変化が最終的な電池性能と強い相関を示すことを種々の考察ならびに実験により見出し、そして、それらの物性値を予め測定しておくことにより、最終的な電池性能を電池完成前に予測できるとの知見を得て、本発明を完成するに至った。以下、図2を参照しつつ、一実施形態に係る電池製造方法について説明する。
この製造方法では、一例として図2に示すように、集電体10上に活物質層20を形成して電極30を作製した後(S100)、該形成した活物質層20が有する所定の物性値を測定する(S200)。
ここで、所定の物性値は、例えば活物質層20の表面状態に起因する物性値であり、最終的な電池性能と強い相関を示すものであればよい。このような物性として、例えば濡れ性、光沢度、導電率(電気抵抗率)などが挙げられる。この実施形態では、活物質層20の動的濡れ性をウィルヘルミィ法により測定する。
図3は、活物質層の濡れ性と、電池の最終出力特性との関係を示している。図中の横軸は活物質層の濡れ力(mN)を表し、縦軸は放電容量(mAh/g)を表している。図中の菱形のプロットは放電レートが10Cでの放電容量を示し、四角のプロットは放電レートが15Cでの放電容量を示し、三角のプロットは放電レートが20Cでの放電容量を示す。ここで10Cは所定容量を10分の1時間で放電した際の放電容量であり、同様に15Cおよび20Cは、それぞれ所定容量を15分の1時間および20分の1時間で放電した際の放電容量である。
図3に示した例では、何れの放電条件においても濡れ力が1.89mN付近のときに放電容量が最も高くなっており、濡れ力と放電容量とが強い相関を示すことが分かる。このように、電池出力特性は活物質層表面の濡れ性に依存するため、当該濡れ性を利用して電池出力特性を予測することが可能となる。
このようにして物性値を測定したら、次に、この物性値に基づいて作製した電極30が良品であるか否かを判定する(S300)。かかる良否判定は、所望の電池性能が得られる目標値(良否を判断する閾値)を設定して行えばよい。例えば図3の濡れ性を判定基準にする場合、濡れ力の目標値の範囲(例えば1.8mN〜1.9mN、この実施形態ではより好ましくは1.85mN〜1.9mN)を設定し、測定した濡れ力が目標値範囲から外れる電極を不良とし、測定した濡れ力が目標値範囲に入る電極を良品と判定すればよい。前述のように、最終的な電池性能は活物質層表面の濡れ性に依存するため、かかる判定によって電極段階で良品と不良品とを精度良く識別することができる。
作製した電極30の良否を判定したら、次に、上記判定において良品とされた電極30を用いてリチウム二次電池を構築する(S400)。リチウム二次電池を構築する方法は、特に限定されず、従来公知の方法を用いればよい。一方、上記判定において不良とされた電極30は、後工程に引き渡されずに製造ラインから排除される。このように、電極段階で不良品を排除することができ、良品のリチウム二次電池を確実に製造することができる。
上記リチウム二次電池は、典型的なリチウム二次電池と同じ電池構成材料から構成されていればよい。例えば、上記判定において良品とされた正極30と、負極(本発明を適用して良品判定された負極であってもよい。)と、該正負極間に配置される電解質と、正負極間を離隔するセパレータ(固体状またはゲル状の電解質を用いた電池では省略され得る。)とから構築され得る。
本実施形態に係る製造方法によれば、活物質層20の物性値を用いて最終的な電池性能を把握することができるので、電極30を作製した時点で(すなわち最後まで電池を組み立てることなく)性能不良品を取り除くことができる。これにより、後工程における作業や部材、コスト等の無駄を省くことができる。加えて、電極不具合による不良品だけを排除することができるので、不良要因の特定が容易になるというメリットもある。すなわち、電池完成後に性能検査を行う場合、不良要因が電極にあるのか他の部位にあるのかを把握することが困難であるが、本実施形態では、電極不具合による不良品だけを排除することができ、不良要因を容易に把握することができる。
なお、判定基準になる物性値は、最終的な電池性能と強い相関を示すものであればよく、活物質層表面の濡れ性だけに限らない。例えば、活物質層の導電率や表面光沢度であってもよい。
図4は、活物質層の導電率と、電池の最終出力特性との関係を示している。図中の横軸は活物質層の導電率(S/cm)を表し、縦軸は放電容量(mAh/g)を表している。
図4に示した例でも何れの放電条件(10C、15C、20C)においても導電率が1.38×10−3S/cm付近のときに放電容量が最も高くなっており、導電率と放電容量とが強い相関を示すことが分かる。このように、電池出力特性は活物質層の導電率にも依存するため、当該導電率を判定基準にすることができる。この場合、例えば図4の結果に基づいて、所望の出力特性が得られるように導電率の目標値範囲を設定すればよい(例えば1.38〜2.0×10−3S/cm)。導電率の測定は、例えば4端子法を用いた体積抵抗率測定により行うことができる。
或いはまた、活物質層の表面光沢度も、電池の最終出力特性と強い相関を示す。光沢度と出力特性との関係を表1に示す。表1をみると、何れの放電条件(10C、15C、20C)においても測定角度85°で光沢度14.33のときに放電容量が最も高くなっており、光沢度と放電容量とが強い相関を示すことが分かる。このように、電池出力特性は活物質層の光沢度にも依存するため、当該光沢度を判定基準にしてもよい(例えば測定角度85°での光沢度が10以上、典型的には12〜25を良とする)。なお、光沢度の測定は、例えばJIS規格に準拠した市販の光沢計により行うことができる。この場合、測定用ガラス表面を光沢度100と規定すればよい。
Figure 2010102873
また、判定基準になる物性値は単独で用いてもよいが、複数の組み合わせであってもよい。例えば、上述の濡れ性、導電率、光沢度の何れか二つ(若しくは全部)を組み合わせて、電極30の良否を判定することができる。このように複数の判定基準を設けることにより、電池性能の予測精度をさらに向上させることができる。
なお、電池出力特性が活物質層の濡れ性、導電率、光沢度などに依存する理由としては、活物質層の圧縮(プレス)状態が関係していると考えられる。すなわち、活物質層の圧縮(プレス)状態は、電池出力特性に大きな影響を与えるとともに、上述の物性値を様々に変化させることができる。なお、上述の物性値は、活物質層の圧縮(プレス)状態によって変化するが、活物質や導電助材等の種類に大きく依存することはない。それゆえに、本実施形態の構成は、活物質や導電助材等の種類に関係なく適用可能である。
続いて、本発明の他の実施形態について説明する。この実施形態では、物性値の測定は、活物質層20が圧縮処理を受ける前の圧縮前活物質層について行われる点において上述した実施形態と異なる。以下、活物質層20の形成ステップに言及しつつ、これについて説明する。
図5に示すように、活物質層20を形成するに際しては、まず、正極活物質層形成用ペーストを調製する(S10)。正極活物質層形成用ペーストは、正極活物質の粉末と、必要に応じて使用される他の正極活物質層形成成分(例えば導電材やバインダ等)とを適当な分散媒体に分散(典型的には溶解)させて混練したものである。分散媒体は、水または水を主体とする混合溶媒であってもよいし、非水系媒体の有機系媒体(例えばN−メチルピロリドン)であってもよい。
次いで、調製した正極活物質層形成用ペーストを正極集電体10の上に塗布する。ペーストの塗布は、例えば、適当な塗布装置(スリットコーター、ダイコーター、コンマコーター等)を使用して、正極集電体10の上から所定量のペーストを均一な厚さにコーティングすることにより行われる。
そして、適当な乾燥手段で活物質層形成用ペーストを乾燥(例えば70〜200℃)することによって、ペースト中の分散媒体を除去する(S20)。このように、ペーストから分散媒体を除去することによって、活物質層20が圧縮処理を受ける前の圧縮前活物質層を形成することができる。本実施形態においては、かかる圧縮前活物質層の物性値を用いて最終的な電池性能を予測する。
すなわち、次に、形成した圧縮前活物質層が有する所定の物性値を測定する(S30)。ここで、所定の物性値は、最終的な電池性能と強い相関を示すものであればよく、例えば表面粗さ(Ra)が好ましい。
図6A〜図6Cは、活物質層の表面粗さ(Ra)をそれぞれ0.85μm、1.31μm、3.20μmに変えたときの電池の最終出力特性図である。各図の横軸は容量密度(mAh/g)を表し、縦軸は電圧(V)を表している。横軸が同じ容量密度であるならば、縦軸の電圧が大きくなるほど、出力特性が良好であることを意味している。図6A〜図6Cを比較すると、放電レートが10C以上では、表面粗さ(Ra)が小さくなるほど出力特性が良好となっており、表面粗さ(Ra)と出力特性とが強い相関を示すことが分かる。このように、電池出力特性は圧縮前活物質層の表面粗さ(Ra)に依存するため、当該表面粗さ(Ra)を利用して電池出力特性を予測することが可能となる。
なお、表面粗さの種類は、算術平均粗さ(Ra)に限らず、最大高さ(Ry)、十点平均粗さ(Rz)の何れであってもよい。かかる表面粗さの測定は、例えば探針法を用いて簡易に行うことができる。例えば、圧縮前活物質層表面を一定圧力で走査する測定用探針の上下位置により、圧縮前活物質層の表面粗さを測定すればよい。
このようにして表面粗さを測定したら、次に、この表面粗さに基づいて圧縮前正極活物質層が良品であるか否かを判定する(S40)。かかる良否判定は、良否を判断する閾値を設定して行えばよい。例えば表面粗さ(Ra)を判定基準にする場合、表面粗さの閾値(例えば2.0μm)を設定し、測定した表面粗さが閾値以上の正極を不良とし、測定した表面粗さが閾値未満の場合に正極を良品と判定すればよい。
その後、上記判定において良品とされた圧縮前活物質層に適当なプレス処理(例えばロールプレス処理)を施すことにより、厚みや密度が適宜調整された活物質層20を形成する(S50)。このようにして、集電体10上に活物質層20が保持されてなる電極30を作製することができる(S100)。
電池出力特性が圧縮前活物質層の表面粗さ(Ra)に依存する理由としては、活物質、導電助材等の粒子径、解砕状態、分散状態、異物混入状態などが関係していると考えられる。すなわち、それらの活物質粒子等の状態は、電池出力特性に大きな影響を与えるとともに、表面粗さ(Ra)を様々に変化させることができる。なお、表面粗さ(Ra)は、活物質粒子等の状態によって変化するが、活物質や導電助材等の種類に大きく依存することはない。それゆえに、本実施形態の構成は、活物質や導電助材等の種類に関係なく適用可能である。
なお、圧縮前活物質層を圧縮して活物質層20を形成した後、さらに、該活物質層20の物性値(例えば前述の濡れ性、導電率、光沢度など)を用いて電極の良否を判定するステップを設けてもよい。このように複数の判定基準を設けることにより、電池性能の予測精度をさらに向上させることができる。
続いて、本発明の方法を適用して製造された正極(正極シート)30を用いて構築されるリチウム二次電池の一実施形態につき、図7および図8に示す模式図を参照しつつ説明する。
図7に示すように、本実施形態に係るリチウム二次電池100は、金属製(樹脂製又はラミネートフィルム製も好適である。)のケース50を備える。このケース(外容器)50は、上端が開放された扁平な直方体状のケース本体54と、その開口部を塞ぐ蓋体52とを備える。ケース50の上面(すなわち蓋体52)には、捲回電極体90の正極と電気的に接続する正極端子56および該電極体の負極と電気的に接続する負極端子58が設けられている。
図8に示すように、ケース50の内部には、扁平形状の捲回電極体90が収容される。捲回電極体90は、通常のリチウムイオン電池の捲回電極体と同様、長尺シート状の正極(正極シート)30および長尺シート状の負極(負極シート)60を計二枚の長尺シート状セパレータ(セパレータシート)70と共に積層し、さらに当該正極シート30と負極シート60とをややずらしつつ捲回し、次いで得られた捲回体を側面方向から押しつぶして拉げさせることによって作製される。
かかる捲回電極体90の捲回方向に対する横方向において、上記のとおりにややずらしつつ捲回された結果として、正極シート30および負極シート60の端の一部がそれぞれ捲回コア部分92(即ち正極シート30の正極活物質層と負極シート60の負極活物質層とセパレータシートとが密に捲回された部分)から外方にはみ出ている。かかる正極側はみ出し部分(即ち正極活物質層の非形成部分)32および負極側はみ出し部分(即ち負極活物質層の非形成部分)62には、正極リード端子34および負極リード端子64がそれぞれ付設されており、それぞれ、上述の正極端子56および負極端子58と電気的に接続される。
なお、かかる捲回電極体90を構成する材料および部材自体は、従来のリチウムイオン電池の電極体と同様でよく、特に制限はない。例えば、正極シート30は、前述したように、長尺状の正極集電体の上にリチウムイオン電池用正極活物質層が付与されて形成され得る。正極集電体にはアルミニウム箔その他の正極に適する金属箔が好適に使用される。正極活物質は従来からリチウムイオン電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、LiMn、LiCoO、LiNiO等が挙げられる。
一方、負極シート60は長尺状の負極集電体の上にリチウムイオン電池用負極活物質層が付与されて形成され得る。負極集電体には銅箔その他の負極に適する金属箔が好適に使用される。負極活物質は従来からリチウムイオン電池に用いられる物質の一種または二種以上を特に限定することなく使用することができる。好適例として、グラファイトカーボン、アモルファスカーボン等の炭素系材料、リチウム含有遷移金属酸化物や遷移金属窒化物等が挙げられる。
また、正負極シート30,60間に使用される好適なセパレータシート70としては多孔質ポリオレフィン系樹脂で構成されたものが挙げられる。例えば、合成樹脂製(例えばポリエチレン等のポリオレフィン製)多孔質セパレータシートが好適に使用し得る。なお、電解質として固体電解質若しくはゲル状電解質を使用する場合には、セパレータが不要な場合(即ちこの場合には電解質自体がセパレータとして機能し得る。)があり得る。なお、電池のケース内に収容する電極体は上記捲回タイプに限定されない。例えば正極シートと負極シートをセパレータ(或いはセパレータとしても機能し得る固体またはゲル状電解質)と共に交互に積層して成る積層タイプの電極体であってもよい。
捲回電極体90を作製したら、次いで、捲回電極体90を電解液とともにケース本体54に収容する。捲回電極体90と共に収容される電解液は、例えばLiPF等のリチウム塩である。例えば、適当量(例えば濃度1M)のLiPF等のリチウム塩をジエチルカーボネートとエチレンカーボネートとの混合溶媒(例えば質量比1:1)のような非水電解液に溶解して電解液として使用すればよい。捲回電極体90をケース本体54に収容するとともに、上記電解液を注入して蓋体52で封口することによって本実施形態のリチウム二次電池100を構築することができる。
図3に示した放電特性試験の詳細について説明する。かかる放電特性試験は、以下の手順で行った。
まず、正極活物質としてのLiNiOの粉末を、導電助剤としてのアセチレンブラック(AB)の粉末および正極結着材としてのPVdFとともに適当な溶媒に分散させて混練し、正極活物質層形成用ペーストを調製した。次いで、このペーストを正極集電体(アルミニウム箔)に塗布・乾燥して溶媒を揮発させ、圧縮前活物質層を形成した。その後、圧縮前活物質層にプレス処理を施し、所望の圧縮率となるように正極活物質層の厚みを調整して正極を作製した。そして、得られた正極活物質層の濡れ性をウィルヘルミィ法で測定した。なお、圧縮率とは、圧縮後の活物質層の厚み/圧縮前の活物質層の厚みを百分率で表したものである。
この例では、正極活物質層の圧縮率を18%、30%、44%、52%に調整したものを作製し、それぞれの濡れ性をウィルヘルミィ法で測定した。その結果を図9に示す。活物質層の濡れ性(濡れ力)は、圧縮率が小さくなるほど増大しており、このことから、濡れ性と圧縮率とは強い相関があることが分かった。
次いで、負極として金属リチウムを用意して、上記作製した正極および負極を微細多孔質PE/PP製の2枚のセパレータシートを介して積層して電極体を作製した。作製した電極体をコイン型のケースに収容し、試験用リチウム二次電池を構築した。なお、電解液としてはエチレンカーボネートとジメチルカーボネートとの混合溶媒にLiPFを溶解させたものを用いた。
このようにして構築した試験用リチウム二次電池の放電特性試験を実施し、それらの放電レート特性を評価した。試験条件は、測定温度25℃で、上限電圧を4.1Vとし、下限電圧を3.0Vとした。その結果を図10に示す。正極活物質層の圧縮率が30%のときに放電容量が最も高くなっており、このことから、圧縮率と電池出力特性とは相関があることが分かった。そして、図9及び図10の結果から、図3のように電池出力特性が活物質層の濡れ性に大きく依存することが確認された。なお、導電率および光沢度についても同様に、図4および表1のように、電池出力特性と強い相関を示すことが確認された。
以上、本発明を好適な実施形態により説明してきたが、こうした記述は限定事項ではなく、勿論、種々の改変が可能である。例えば、電池の種類は上述したリチウム二次電池に限られず、電極体構成材料や電解質が異なる種々の内容の電池、例えばニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池であってもよい。また、本発明は正負の区別なく適用することができ、正極に限らず負極に適用してもよい。
本発明の一実施形態に係る電極の構成を模式的に示す断面模式図。 本発明の一実施形態に係る電池の製造フローを示す図。 本発明の一実施形態に係る活物質層の濡れ性と電池出力特性との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係る活物質層の導電率と電池出力特性との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係る電極の製造フローを示す図。 本発明の一実施形態に係る圧縮前活物質層の表面粗さ(Ra=0.85μm)と電池出力特性との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係る圧縮前活物質層の表面粗さ(Ra=1.31μm)と電池出力特性との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係る圧縮前活物質層の表面粗さ(Ra=3.20μm)と電池出力特性との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係る電池の外観を模式的に示す外観斜視図。 本発明の一実施形態に係る電極体の外観を模式的に示す外観正面図。 本発明の一実施形態に係る活物質層の濡れ性と圧縮率との関係を示す図。 本発明の一実施形態に係る活物質層の圧縮率と電池出力特性の関係を示す図。
符号の説明
10 正極集電体
20 正極活物質層
30 正極
34 正極リード端子
50 ケース
52 蓋体
54 ケース本体
56 正極端子
58 負極端子
60 負極
64 負極リード端子
70 セパレータシート
90 捲回電極体
92 捲回コア部分
100 リチウム二次電池

Claims (4)

  1. 集電体上に活物質層が保持されてなる電極を備えた電池を製造する方法であって、
    集電体の上に活物質層を形成して電極を作製すること、
    前記形成した活物質層が有する所定の物性値を測定すること、
    前記測定した所定の物性値に基づいて、前記作製した電極が良品であるか否かを判定すること、および、
    前記判定において良品とされた電極を用いて電池を構築すること、
    を含む、電池の製造方法。
  2. 前記所定の物性値として、前記形成した活物質層の濡れ性、光沢度および導電率のうちの少なくとも一つを測定する、請求項1に記載の電池製造方法。
  3. 前記電極を作製することには、集電体上に前記活物質層を付与することと、該付与された活物質層を圧縮処理することとが包含されており、
    ここで前記物性値の測定として、前記圧縮処理される前の圧縮前活物質層についての表面粗さを測定する、請求項1又は2に記載の電池製造方法。
  4. 前記電池はリチウム二次電池である、請求項1から3の何れか一つに記載の電池製造方法。
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